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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20086549 審決 特許
不服20078614 審決 特許
不服200722790 審決 特許
不服20064086 審決 特許
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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 C12N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C12N
管理番号 1179899
審判番号 不服2005-7354  
総通号数 104 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-08-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-04-25 
確定日 2008-06-18 
事件の表示 平成 6年特許願第517281号「組み換えウイルス免疫治療」拒絶査定不服審判事件〔平成 6年 8月 4日国際公開、WO94/16716、平成 9年 4月22日国内公表、特表平 9-503902〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成6年1月21日(パリ条約に基づく優先権主張、1993年1月21日、米国、1994年1月19日、米国)を国際出願日とする国際出願であって、平成15年11月27日付で手続補正がなされ、平成17年1月18日付で拒絶査定がなされ、これに対し、平成17年4月25日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年5月24日付で手続補正がなされたものである。


第2 平成17年5月24日付の手続補正について補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成17年5月24日付の手続補正を却下する。
[理由]
I 補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「【請求項1】 カナリアポックスウイルスであるALVACのゲノムの非必須領域中にヒトメラノーマ関連抗原またはガン胎児性抗原をコードする外来DNAを含む組換えカナリアポックスウイルス。」と補正された。

当該補正は、請求項1に記載されていた様々なポックスウイルスと外来DNAとの組み合わせからなる組換えポックスウイルスの中から、ポックスウイルスがALVACであり、かつ、外来DNAがヒトメラノーマ関連抗原またはガン胎児性抗原である組み合わせ以外の組換えポックスウイルスを削除するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて以下に検討する。

II 特許法第29条第2項について
(1)本願補正発明
本願補正発明は、平成17年5月24日付で補正された明細書および図面の記載からみて、その請求項1に記載されたとおりのものであると認められる。
(2)引用例
(2-1)これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本出願の優先日前に頒布された国際公開第92/15672号(以下、「引用例2」という。)には、以下の事項が記載されている。
(i)「請求項35 ウイルスが弱毒化された毒性を有するように不活性化されたウイルスコード化遺伝機能を有するポックスウイルスであって、該ポックスウイルスが、該ポックスウイルスゲノムの可欠領域中に組換えにより挿入された非ポックスウイルス源からの外因性DNAからなることを特徴とするポックスウイルス。
請求項36 前記非ポックスウイルス源が、狂犬病ウイルス、(略)、おたふくかぜウイルスおよびニューカッスル病ウイルスからなる群より選択されることを特徴とする請求の範囲第35項記載のポックスウイルス。
請求項37 前記ポックスウイルスがカナリヤポックスウイルスであり、前記非ポックスウイルス源が狂犬病ウイルスであり、前記カナリヤポックスウイルスがvCP65またはvCP136であることを特徴とする請求の範囲第36項記載のポックスウイルス。
・・・・・・
請求項60 ワクチンを接種したヒト中で免疫応答を誘発するワクチンであって、該ワクチンが請求の範囲第4項、第35項または第55項のうちのいずれか1項記載の組換えウイルスおよび担体からなることを特徴とするワクチン。」(特許請求の範囲)

(ii)「本発明は、組換えウイルスの毒性が弱毒化され、安全性が高められるようにウイルスコード遺伝子機能が不活性化された修飾組換えウイルスに関するものである。この機能は、可欠であっても、または毒性に関連であってもよい。ウイルスは好ましくは、ポックスウイルス、特に鶏痘ウイルスおよびカナリヤポックスウイルスのようなアビポックスウイルスまたはワクシニアウイルスである。
本発明は、ワクチン接種した宿主動物中に免疫学的応答を誘発するワクチンに関し、このワクチンは組換えウイルスが毒性が弱毒化され、安全性が高められるように可欠ウイルスコード遺伝子機能が不活性化された修飾組換えウイルスおよび担体を含む。
(略)
さらに本発明は、ウイルスの毒性が弱毒化されるように可欠ウイルスコード遺伝子機能が不活性化された修飾組換えウイルスに関し、この修飾組換えウイルスはさらに、ウイルスゲノムの可欠領域中に非相同源からのDNAを含有する。」(第9頁第13行-第10頁第6行)

(iii)「実施例15 狂犬病ウイルス糖タンパク質Gを発現するALVAC組換え体の構築
(略)
親カナリヤポックスウイルス(レントシュラー菌株)はカナリヤのワクチン菌株である。ワクチン菌株を野生型単離体から得て、ひなの胚胎繊維芽細胞の200連続以上の継代により弱毒化した。マスターウイルス種子についてアガーで4連続のプラーク精製を行い、1つのプラーククローンを、株ウイルスが後に生体外組換え試験の親ウイルスとして用いられる5連続の追加の継代により増殖せしめた。プラーク精製カナリヤポックス単離体をALVACと称する。

カナリヤポックス挿入ベクターの構築
880bpのカナリヤポックスPvuII断片をpUC9のPvuII部位の間にクローニングしてpRW764.5を形成した。この断片の配列を第16図の位置1372と2251の間に示す。C5と称する読取り枠の制限を規定した。読取り枠は、断片内の位置166で開始し、位置487で終止することを決定した。読取り枠を妨害することなく、C5欠損を行った。位置167から位置455の塩基を、配列(配列認識番号106)GCTTCCCGGGAATTCTAGCTAGCTAGTTTと置換した。この置換配列は、HindIII、SmaIおよびEcoRI挿入部位を含有し、この後にワクシニアウイルスRNAポリメラーゼにより認識される翻訳停止および転写終止信号が続く(略)。C5 ORFの欠損を以下に記載するように行った。(略)産生したプラスミドをpRW831と称する。

狂犬病G遺伝子を含有する挿入ベクターの構築
pRW838の構成を以下に説明する。(略)
H6プロモートした狂犬病Gを含有する1.8kbp pRW832SmaI断片をpRW831のSmaIに挿入して、プラスミドpRW838を形成した。(略)

ALVAC-RGの開発
以前記載されている(略)リン酸カルシウム沈殿法を用いて、プラスミドpRW838をALVAC感染腫瘍CEF細胞に移入した。特異的狂犬病Gプローブに対するハイブリダイゼーションに基づいて陽性プラークを選択し、純粋な固体群となるまで6連続のプラーク精製を行った。次いで1つの典型的なプラークを増幅し、産生したALVAC組換え体をALVAC-RG(vCP65)と称した。続いて突然変異しない狂犬病G遺伝子のALVACゲノムへの正確な挿入を配列分析により確認した。」(第76頁第15行-第79頁第12行)

(iv)「第16図は、C5 ORFを含有するカナリヤポックスPvuII断片のDNA配列(配列認識番号217)を示すものである。
第17図は、組換えカナリヤポックスウイルスvCP65(ALVAC-RG)の構築方法を模式的に示すものである。」(第12頁第4-8行、第16図、第17図)

上記記載からみて、引用例2には、ウイルスゲノムの可欠領域であるC5 ORF領域部分に、狂犬病ウイルス糖タンパク質GをコードするDNAを含む、組換え体ALVAC-RG(vCP65)が記載されていると認められる。また、上記記載(i)において、請求項60で引用される請求項35は請求項37に記載のvCP65を当然に包含するものであるから、引用例2には当該組換え体ALVAC-RG(vCP65)をワクチンとすることも記載されていると認められる。

(2-2)また、原査定の拒絶の理由に引用された、本出願の優先日前に頒布されたCancer Research,1992年,Vol.52,p.6917-6925(以下、「引用例8」という。)には、以下の事項が記載されている。
(i)「我々は、以前、rV(NYC)-CEAと称するヒト胎児性抗原(CEA)遺伝子を発現する組換えワクシニアウイルスワクチンの開発を報告した。この構築物は、マウス腫瘍モデルにおいて特異的な抗CEA免疫応答および抗腫瘍活性を誘発することが示された。ここで報告される本研究では、この組換えワクシニアウイルスの安全性および免疫原性がアカゲザルモデルで評価されている。」(第6917頁左欄第1-7行)

(ii)「より臨床関連モデルへのステップとして、我々はrV(NYC)-CEAワクチンが非ヒト霊長類におけるCEAに対する特異的な活性免疫応答を誘導するか否かを研究した。これらの研究はまた、このワクチンを霊長類モデルにおいて使用することに関する安全性を決定することを助けた。」(第6918頁左欄第23-28行)

(iii)「このように、組換えCEAワクシニアワクチンの、抗CEA特異的な体液性および細胞性免疫応答能力および安全性がげっ歯類および非ヒト霊長類において示された。」(第6924頁左欄下から4-1行)

(iv)「これらの応答はサルにおいて誘導されたが、これらの同じ応答がヒトにおいて誘導されるか否かは定かでない。CEAは腫瘍胎児抗原である。胎児結腸、消化管アデノカルシノーマ、およびある良性状態において過剰に発現されている。これらの状況におけるCEAの免疫原性は、よくは研究されていない。以前述べたように、抗CEA免疫複合体が癌患者において存在するか否かについては、相反する報告がある(10-15)。一つの可能性は、CEAは単に弱い免疫原性を示し、宿主の免疫応答は生ワクチンとCEAの共提示により補われるかもしれないというものである。よって、この組換えCEAワクチンはCEA発現腫瘍を有する患者において、特異的な活性免疫治療応答を誘導するための潜在的な源として考えてみる価値がある。」(第6924頁左欄第20-33行)

(v)「いくつかの報告は(10-12)、幾人かの癌患者の血清に、CEAとヒトIgMまたはIgGを含む免疫複合体が存在することを示している。しかしながら他の報告は(10-13)、これらの複合体から解離した免疫グロブリンはCEAに特異的ではないことを示している。」(第6917頁右欄第25-29行)

組換えCEAワクシニアワクチンとは、CEAをコードするDNAが挿入されたワクシニアウイルスであることは明らかであるから、上記記載からみて引用例8にはワクシニアウイルスに外来DNAとしてヒト胎児性抗原をコードするDNAを挿入して組換えワクシニアウイルスを製造すること、および、当該組換えウイルスはワクチンとして使用可能であることが記載されていると認められる。

(3)対比
本願補正発明は、カナリアポックスウイルスであるALVACのゲノムの非必須領域中に「ヒトメラノーマ関連抗原」をコードする外来DNAを含む組換えカナリアポックスウイルスに係る発明、および、カナリアポックスウイルスであるALVACのゲノムの非必須領域中に「ガン胎児性抗原」をコードする外来DNAを含む組換えカナリアポックスウイルスに係る発明(以下、後者を「本願補正発明態様1」という。)という二つの態様を含むものである。
以下、本願補正発明態様1について検討する。
本願補正発明態様1と引用例2に記載された発明を対比すると、引用例2に記載のC5ORF領域は、本願補正発明態様1のゲノムの非必須領域に相当し、引用例2に記載の狂犬病ウイルス糖タンパク質GをコードするDNAは、抗原をコードする外来DNAであるから、
両者は、カナリアポックスウイルスであるALVACのゲノムの非必須領域中に抗原をコードする外来DNAを含む組換えカナリアポックスウイルスに係る発明である点で一致するものであり、
本願補正発明態様1では、抗原がガン胎児性抗原であるのに対して、引用例2に記載された発明では抗原が狂犬病ウイルス糖タンパク質Gである点で相違するものである。

(4)判断
上記相違点について検討する。
カナリアウイルスおよびワクシニアウイルスはいずれもポックスウイルス科のウイルスであることは、本出願の優先日における技術常識である。したがって、引用例2に記載された発明と引用例8に記載された発明とは、抗原をコードする外来DNAの挿入された、ワクチンとして使用することを目的とする組換えポックスウイルスに関する発明である点で共通の技術分野に属するものである。
ここで、ウイルスに様々な抗原タンパク質をコードするDNAを挿入してワクチンを作製しようとすることは、本出願優先日において当該分野における周知の課題であるところ、引用例8にはガン胎児性抗原をコードするDNAをポックスウイルスであるワクシニアウイルスに挿入して得られた組換えウイルスがワクチンとして使用可能であることが記載されている以上、引用例2に記載される発明においてALVACに挿入するDNAとして、狂犬病ウイルス糖タンパク質GをコードするDNAに代えて、引用例8に記載のガン胎児性抗原をコードするDNAを用いようとすることは、当業者が引用例2,8に記載された発明に基づいて容易に想到し得るものである。
そして、本願の発明の詳細な説明には、実施例17として、ALVACゲノムへガン胎児性抗原をコードするDNAを挿入したことが記載されているものの、得られた組換えウイルスがワクチンとして機能するという点については、実施例等の具体的な記載はなされていない。

一方請求人は、平成17年5月24日付けの審判請求書の手続補正書において参考資料(ii)を添付したうえで、本願発明者は、当該資料から明らかなように、ALVACにガン胎児性抗原をコードする外来DNAを導入してそれら抗原を発現させた組換えカナリアポックスウイルスを用いて、毒性をもたらすことなく安全かつ効果的にヒトにおいて抗原特異的CTL応答すなわち抗腫瘍免疫を誘導できることを初めて見出したものであり、かかる顕著な効果は、上記引用文献記載の発明では得ることができないと主張している。
そしてその理由として、例えば引用例8の第6924頁左欄第20行から第22行の「これら応答はサルで誘導されたが、ヒトで同じ応答が誘導され得るか否かは不確かである」なる記載、および原査定の拒絶の理由に引用された引用例9(Proc. Natl. Acad. Sci. USA,1988年,Vol.85,p.1052-1056)の第1055頁右欄下から第1行から第5行の「ヒトにおけるv-p97NYの免疫原性に関する結果は、フェーズI臨床試験を待たなければならない。そのような試験は、p97に対する免疫応答が(もし誘導された場合に)、正常なヒト組織に悪影響を及ぼさないか否かを評価するためにも必要とされる」なる記載から明らかであるように、マウスやサルにおいて免疫応答を誘導できたからといって必ずしもヒトにおいても同様に免疫応答を誘導できるとは限らないと主張している。

そこで、上記請求人の主張について検討する。
上述のとおり、本願明細書には、ガン胎児性抗原をコードするDNAを挿入した組換え体ALVACが、ヒトにおいて、さらにはヒト以外のいずれかの動物種においてすら、毒性をもたらすことなく安全かつ効果的に抗腫瘍免疫を誘導できることについて、実施例等の裏付けをもった具体的な記載はなされていないから、そもそも上記原告の効果に関する主張は、本願明細書の記載に基づかないものである。
また仮に、本願補正発明態様1が毒性をもたらすことなく安全かつ効果的にヒトにおいて免疫応答を誘導するとした場合であっても、請求人が引用する引用例8の記載は、上記(2-2)(iv)で指摘した記載の冒頭部分であり、その記載は全体としてみれば、組換えガン胎児性抗原ワクチンのヒトにおける応答誘導性を否定するというよりはむしろ、当該ワクチンは、ガン胎児性抗原発現腫瘍を有する患者において、ワクチンとして使用できるだろうという可能性を示唆するものであるから、ガン胎児性抗原をコードする組換え体ALVACがヒトにおいて抗腫瘍免疫を誘導できるということは、当業者が引用例8に記載された発明から予測しえない効果であるとはいえない。さらに、上記引用例9の記載も、組換えワクチンをヒトに対して使用するために必要とされる程度の一般的な試験の記載にすぎず、動物試験で活性の確認された組換えウイルスをヒトに対して使用しようとすることを何ら妨げるものではない。加えて、毒性をもたらすことなく安全かつ効果的という点についても、上記(2-1)で指摘した引用例2の記載(ii)(iii)および原査定の拒絶の理由において引用された引用例5(The Lancet,1992年,Vol.339,p.1429-1432)に記載されるALVACが元来有する性質から、当然予測しえる範囲内の効果である。したがって、本願補正発明態様1が格別に顕著な効果を奏するとはいえない。
よって、本願補正発明態様1は、当業者が引用例2および8の記載に基づいて容易に想到しえたものであり、当該発明をその態様として含む本願補正発明も同様に、当業者が引用例2および8の記載に基づいて容易に想到しえたものである。

II 小括
してみれば、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、本願補正発明は特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

III むすび
よって、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。


第3 本願発明について
I 本願発明
平成17年5月24日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成15年11月27日付で補正された明細書および図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された、以下のとおりのものであると認められる。
「1 ポックスウイルスゲノムの非必須領域中に外来DNAを含む組換えポックスウイルスであって、該ポックスウイルスが、
(i)C7L-K1L、J2R、B13R+B14R、A26L、A56R,および14Lが欠失した、あるいはチミジンキナーゼ遺伝子、出血性領域、A型封入体領域、血球凝集素遺伝子、宿主域遺伝子領域、および巨大サブユニットリボヌクレオチドレダクターゼ遺伝子の読取り枠が欠失した、組換えワクシニアウイルス;
(ii)NYVAC;
(iii)ニワトリ胚繊維芽細胞での200回以上の連続継代、それに続くマスターウイルス種の寒天での4回の連続プラーク精製、および更なる5回の継代による1つのプラーククローンの増幅によって得られた弱毒化されたカナリアポックスウイルス;および
(iv)ALVAC;よりなる群から選択され、
前記外来DNAが、ヒト腫瘍壊死因子、野生型または変異型の核リンタンパク質p53、ヒトメラノーマ関連抗原、IL-2、IFNγ、IL-4、GMCSF、IL-12、B7、erb-B-2、およびガン胎児性抗原のうちの少なくとも一つをコードしていることを特徴とする組換えポックスウイルス。」

II 判断
本願発明は、前記「第2」で検討した本願補正発明態様1を選択肢として包含するものである。
そうすると、前記「第2」に記載した本願補正発明態様1と同様の理由により、本願発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


第4 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないので、他の請求項に係る発明については検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-01-21 
結審通知日 2008-01-22 
審決日 2008-02-05 
出願番号 特願平6-517281
審決分類 P 1 8・ 575- Z (C12N)
P 1 8・ 121- Z (C12N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 新留 豊北村 弘樹森井 隆信  
特許庁審判長 鵜飼 健
特許庁審判官 鈴木 恵理子
光本 美奈子
発明の名称 組み換えウイルス免疫治療  
代理人 佐久間 剛  
代理人 柳田 征史  

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