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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B01D |
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管理番号 | 1183629 |
審判番号 | 不服2005-10991 |
総通号数 | 106 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-10-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-06-13 |
確定日 | 2008-08-28 |
事件の表示 | 特願2002-132458「中空糸膜接触器とその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成14年12月17日出願公開、特開2002-361050〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続きの経緯 本願は、平成14年5月8日(パリ条約による優先権主張2001年5月8日、米国)にした特許出願であって、平成17年3月8日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成17年6月13日に拒絶査定不服の審判請求がなされたものである。 2.本願発明 本願の請求項1?15に係る発明は、平成16年10月29日付けで提出された手続補正書により補正された本願明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?15に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、そのうちの請求項6に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。 【請求項6】中心管と、該管の周りに巻き付けられた中空糸の布と、最初のポッティングにより該布を接合している第1のポッティング材料とを含んでなるユニット化された構造体と、殻と、次のモールドポッティングにより該構造体と該殻を接合している第2のポッティング材料とを含んでなる中空糸膜接触器。 3.引用文献の記載事項 (1)特開昭52-99978号公報(原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1;以下、「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。 (ア)「流体に対し選択的透過性を有する中空糸をシート状に配列した中空糸群を二枚のシート状スペーサーの間にはさみ、これを該流体を透さないフィルムと重ねて中心軸の周りに螺回して形成される円筒状積層体を、被処理流体の導入口、導出口および処理流体の取出口を有する耐圧容器内に収納したことを特徴とする中空糸を用いた流体の分離装置。」(特許請求の範囲第1項) (イ)「導入口1を通じて導入された被処理流体は中心軸1の長手方向に沿って設けられた細溝12を通り、螺回されたフィルム状物質7によって形成された間隙を流れ、導出口2を通じて導出される。・・・・被処理流体は・・・透過性物質のみが中空糸5を透過し、非透過性物質が段々濃縮される。中空糸5を透過した透過性物質は中空糸5の中空部分を通じて取出口4から取り出される。」(第2頁左下欄8?20行) (ウ)「第2図に中空糸5、スペーサー6a,6b、フィルム状物質7の捲き始め部分の詳細を示す。同図において、軸1は中空円筒であり、その一端は閉じられており、長手方向に沿って中空部と外部を連通する細溝12を設けられている。フィルム状物質7とスペーサー6a,6bのうちの一枚のスペーサー6bが細溝の片側の縁に沿って接着剤で接着されている。他の一枚のスペーサー6aは細溝の反対側の縁に沿って同様に接着されている。中空糸5はあらかじめ別の手段によってシート状に配列されている。このシート状に配列された中空糸はその軸が中心軸1の軸方向にほぼ平行になるように二枚のスペーサー6a,6bの間に挟みこまれている。第3図に第2図のように準備された中空糸5、スペーサー6a,6b、フィルム状物質7の捲回方法を示す。中空糸5を二枚のメッシュ6a,6bの間に挟んだままの状態で、軸1をフィルム状物質7が内側になるような方向に回転させて捲き付ける。この時中空糸5、スペーサー6a,6b、フィルム状物質7からなるシート状積層体の両端部に、スペーサー6aの側からスペーサー6a、中空糸5、スペーサー6b、フィルム状物質7の表面を十分濡らす量の接着剤8を塗布する。このようにして所定量のシート状積層体を螺回して、円筒状積層体を形成する。このようにしてでき上がった円筒状積層体のフィルム状物質7と中心軸1が直接接触している部分は未だ接着されていないが、この部分も接着剤によって接着する。上記に示した円筒状積層体を第1図に示す耐圧容器3に収納し、両端部を接着剤によって接着する。」(第2頁右下欄3行?第3頁左上欄14行) (エ)「以上に説明したような方法で・・・・端部シールも通常の接着技術の応用により容易に施行できる。」(第3頁左下欄11行?同頁右下欄18行) (2)特開平8-126823号公報(原査定の拒絶の理由に引用された周知文献;以下、「引用例2」という。)には、次の事項が記載されている。 (ア)「中空糸膜を合成樹脂製収納容器とともにその一端又は両端で熱硬化性樹脂からなるポッティング材で集束固定した中空糸膜モジュールの製造方法において、前記収納容器のポッティング材との接着面を予め臨界表面張力が40dyn/cm以上になるようにコロナ放電処理し、該収納容器内に配した中空糸膜束の集束部を前記ポッティング材で遠心注型によってポッティング部分の厚さがコロナ放電処理した長さ以下になるようにポッティングした後、収納容器の先端でポッティング部分を切断して中空糸膜を開口させてなることを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。」(【特許請求の範囲】【請求項8】) (イ)「【産業上の利用分野】本発明は、限外ろ過、精密ろ過、逆浸透、ガス分離等に使用される中空糸膜モジュールに関するもので、特に、加熱冷却を繰り返すことによっても収納容器とポッティング材との界面が剥離しないように接着強度を大きくすることによって、多方面での利用が可能であり、経済性、安全性及び諸特性に優れた中空糸膜モジュール及びその製造方法に関する。」(段落【0001】) (ウ)「【実施例】本発明に使用する中空糸膜はとくに限定されるものではなく、公知の逆浸透膜、限外ろ過膜、精密ろ過膜、ガス分離膜、医療用膜等いずれの中空糸膜も使用可能である。ポッティング材には通常エポキシ樹脂もしくはウレタン樹脂のような熱硬化性樹脂が使用される。これらはいわゆる液状の主剤と硬化剤の混合液を、中空糸膜とその収納容器を装着したモールドに、浸漬あるいは遠心注型によって注入したのち硬化させて用いられる。」(第3頁右欄41?49行、段落【0014】) (エ)「(実施例1)両端から約50mmのところにろ過液出口を有する、・・・パイプ(収納容器)の両端の内面を、・・・コロナ放電処理した。このパイプの中に・・・中空糸限外ろ過膜を2500本入れ、・・・、ポッティング材を用いて遠心注型によって・・・ポッティングしたのち、パイプの先端でポッティング部分を切断して中空糸を開口させた。」(第4頁右欄9?25行、段落【0021】) (オ)「図6は、全長が約25cm、外径が約70mmのいわゆるカートリッジ型の精密ろ過フィルターである。このカートリッジ型フィルターは、円筒状の収納容器1と、それに接続する接続部材としてのヘッダー2及びボトム3からなり、……。前記収納容器1の内部に装填する中空糸膜4は、多数本を中央部でU字状に折り返して形成し、先端を収納容器1とともに熱硬化性樹脂でポッティングされている。」(第5頁左欄37?46行、段落【0033】) (3)特開平11-169676号公報(原査定の拒絶の理由に引用された周知文献;以下、「引用例3」という。)には、次の事項が記載されている。 (ア)「中空糸膜束群を容器に装着し、片端もしくは両端部を樹脂で固定し、中空糸膜の開口部に連通した少なくとも1つのポートA、容器側面に設けた中空糸膜外表面に連通した少なくとも1つのポートBおよび中空糸膜固定の樹脂端部に設けた中空糸膜外表面に連通した少なくとも1つのポートCを有する中空糸膜モジュールの製造方法において、中空糸膜を束ね中空糸膜束とし、該中空糸膜束を流路を分配するための分配部材および中空糸膜固定の樹脂端部に複数個のポートを形成するためのポート分散部材上に配列し円筒状に巻き、中空糸膜束群とし、該中空糸膜束群の端部を樹脂にて固定し、固定端部を切削することにより、分割された中空糸膜束間に空間を配し、かつ規則的に分散された軸方向流路を形成し、さらに、該固定端部の一方の端部に規則的に分散された複数個のポートCを形成し、もう一方の端部に中空糸膜の開口端を形成することを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。」(【特許請求の範囲】【請求項7】) (イ)「【発明の属する技術分野】本発明は河川水や地下水などの自然水の浄水処理あるいは水道水の高度浄水処理に使用される中空糸膜モジュールおよびその製造方法に関する。」(第2頁右欄4?7行、段落【0001】) (ウ)「以下に本発明の中空糸膜モジュールの製造方法の一例について説明する。中空糸膜モジュールは、分配部材7およびポート分散部材12の谷部に中空糸膜束を整列させ、シート状となった中空糸膜束の集合体をロール状に巻き中空糸膜束群13とする。・・・ロール状に巻かれた中空糸膜束集合体13を容器1に挿入し、両端にモールド14、15を装着し、中空糸膜束群の両端部を遠心接着法あるいはポット接着法等で樹脂を含浸させ接着固定する。」(第5頁左欄26?39行、段落【0026】) (エ)「実施例1・・・中空糸膜(・・・)を150本束ねて中空糸膜束とし、・・・分配部材(・・・)および・・・ポート分散部材上に32束の中空糸束(中空糸総本数4800本)を整列させ、ロール状に巻き中空糸膜束群を作製した。この中空糸膜束群を・・・円筒容器に、中空糸膜束の接着固定されていない中空糸膜の長さが、両端の接着部間距離の1.05倍の長さとなるように挿入した。・・・、両端部をエポキシ樹脂で遠心接着し、余剰部分を切削して、中空糸膜モジュールを製造した。」(第5頁右欄1?12行、段落【0029】) 4.対比・判断 引用例1には、記載事項(ア)に「流体に対し選択的透過性を有する中空糸をシート状に配列した中空糸群を二枚のシート状スペーサーの間にはさみ、これを該流体を透さないフィルムと重ねて中心軸の周りに螺回して形成される円筒状積層体を、被処理流体の導入口、導出口および処理流体の取出口を有する耐圧容器内に収納した、中空糸を用いた流体の分離装置」が記載されている。この記載中の「中空糸群を・・・中心軸の周りに螺回して形成される円筒状積層体」に関して、記載事項(ウ)に「中空糸5、スペーサー6a,6b、フィルム状物質7からなるシート状積層体の両端部に、スペーサー6aの側からスペーサー6b、中空糸5、スペーサー6b、フィルム状物質7の表面を十分濡らす量の接着剤8を塗布する」こと、「円筒状積層体のフィルム状物質7と中心軸1が直接接触している部分は未だ接着されていないが、この部分も接着剤によって接着する」こと、「円筒状積層体を耐圧容器3に収納し、両端部を接着剤によって接着する」ことが記載されている。また同様に、「中心軸」は、記載事項(ウ)によれば「中空円筒」である。 これらの記載を、本願発明の記載振りに則して整理すると、引用例1には、「流体に対し選択的透過性を有する中空糸をシート状に配列した中空糸群を二枚のシート状スペーサーの間にはさみ、これを該流体を透さないフィルムと重ね、中空糸、スペーサー、フィルム状物質からなるシート状積層体の両端部に、スペーサーの側からスペーサー、中空糸、スペーサー、フィルム状物質の表面を十分濡らす量の接着剤を塗布し、中空円筒の中心軸の周りに螺回して形成され、フィルム状物質と中心軸が直接接触している部分も接着剤によって接着された円筒状積層体を、耐圧容器内に収納し、両端部を接着剤によって接着した、中空糸を用いた流体の分離装置」の発明(以下、「引用1発明」という。)が記載されているといえる。 そこで、本願発明と引用1発明を対比すると、 引用1発明の「中空円筒の中心軸」、「耐圧容器」及び「中空糸を用いた流体の分離装置」が、その機能・構造からみて、それぞれ本願発明の「中心管」、「殻」及び「中空糸膜接触器」に相当する。そして、引用1発明の「中空糸をシート状に配列した中空糸群を二枚のシート状スペーサーの間にはさみ、これを該流体を透さないフィルムと重ね、中空糸、スペーサー、フィルム状物質からなるシート状積層体の両端部に、スペーサーの側からスペーサー、中空糸、スペーサー、フィルム状物質の表面を十分濡らす量の接着剤を塗布し、中空円筒である中心軸の周りに螺回し、フィルム状物質と中心軸が直接接触している部分も接着剤によって接着された円筒状積層体」については、引用1発明が「被処理液が濃縮され導出口から導出され、中空糸を透過した透過性物質を取出口から取り出す」構造を有することからみて(記載事項(イ))、導出口と取出口とが円筒状積層体の両端部で仕切られていることが理解できるので、「円筒状積層体」の両端部においては、接着剤によって「中空糸が固定され、シール構造となっている」とみることができる。このことからみると「接着剤によって接着」することは、「ポッティング」することに他ならない。してみると、引用1発明の「円筒状積層体」が「中空糸をシート状に配列した中空糸群が中心軸の周りに螺回」されるものであり、「接着剤」が、「ポッティング材」といえることから、引用1発明の「円筒状積層体」は、本願発明の「中心管と、中空糸と、最初のポッティングにより中空糸を接合している第1のポッティング材料とを含んでなるユニット化された構造体」に相当するといえる。また、引用1発明の「円筒状積層体を耐圧容器内に収納し、両端部を接着剤によって接着する」ことは、上述したとおり、円筒状積層体の固定と耐圧容器との間のシールを意図するものは明らかであるから、本願発明の「ポッティングにより該構造体と該殻を接合している」ことであるといえる。してみると、この「接着剤」が、本願発明の「第2のポッティング材料」に相当する。 以上のことからみると、両者は、「中心管と、該管の周りに巻き付けられた中空糸と、最初のポッティングにより該中空糸を接合している第1のポッティング材料とを含んでなるユニット化された構造体と、殻と、次のモールドポッティングにより該構造体と該殻を接合している第2のポッティング材料とを含んでなる中空糸膜接触器」である点で一致し、以下の点で相違する。 相違点a:本願発明が、「中空糸の布」であるのに対し、引用1発明は、「中空糸をシート状に配列した中空糸群」である点 相違点b:本願発明が、「モールドポッティングにより該構造体と該殻を接合している」のに対し、引用1発明では、「円筒状積層体を、耐圧容器内に収納し、両端部を接着剤によって接着」している点 そこで、上記相違点について検討する。 (i)相違点aについて 引用1発明の「中空糸をシート状に配列した中空糸群」が、シート状のものであるから、布状の物とみれなくもない。またたとえ、引用1発明の中空糸群が布とまでいえなく、本願発明の「布」が「織られるか編まれた」もの(本願明細書の段落【0003】)であるとしても、中空糸の織物は、本出願前周知のもの(ここで、特開平5-245347号公報、実開平5-37328号公報、特開2000-189761号公報を例示する。)であるから、これら周知の技術に照らせば、引用1発明の「中空糸をシート状に配列した中空糸群」として「中空糸の織物」の布を用いることは、当業者であれば格別困難なく行うことができるといえる。 (ii)相違点bについて 相違点bにかかる引用1発明の「円筒状積層体を、耐圧容器内に収納し、両端部を接着剤によって接着」する構成については、上述したとおり「接着剤によって接着」するポッティングしているとみることができるので、この相違点bは、ポッティングがモールドポッティングであるか否か、という違いに帰着する。 引用例2の記載事項(ウ)に「ポッティング材には通常エポキシ樹脂もしくはウレタン樹脂のような熱硬化性樹脂が使用され・・・これらは・・・中空糸膜とその収納容器を装着したモールドに、浸漬あるいは遠心注型によって注入したのち硬化させて用いられる」と記載され、引用例3の記載事項(ウ)に「ロール状に巻かれた中空糸膜束集合体を容器1に挿入し、両端にモールドを装着し、中空糸膜束群の両端部を遠心接着法あるいはポット接着法等で樹脂を含浸させ接着固定する」と記載されている。これらの記載に照らせば、中空糸の端部ポッティングする手段として、モールドを用いて浸漬や遠心注型によってポッティング材を注入することは、普通に行われていたものとみることができる(他の例として、特開平9-271641号公報、特開平11-33366号公報、特開2000-189761号公報を挙げておく。)。 そして、上記引用例2、3に開示される技術は、たとえ、これが中空糸群をユニット化した構造体のモールドポッティングではないとしても、ユニット化した構造体にモールドポッテイングできない格段の事情も見当たらない。 してみると、引用1発明の「両端部を接着剤によって接着」する手段として、普通に行われる、モールドを用いた浸漬や遠心注型によりポッティング材を注入する手段を採用し、本願発明の相違点bの構成を特定することは、当業者であれば設計的な範疇の中で格別困難なく行うことができることといえる。 このことに関し、請求人は、審判請求書において、「本願発明1は、この相違点である、第2モールドポッティング(・・・)によって、・・・第1ポッティングによる中空糸膜の優れた性能を維持したまま、第1ポッティングの材料の収縮に起因するシールの困難性を解決するという、二律背反する問題を初めて解決することができるという、優れた効果を得ることができます。」(第5頁15?19行)、「本願発明1のように既に第1ポッティングにより中空糸同士が固定されてユニット化された構造体を容器に収納し固定するにあたっては、技術内容が矛盾することから、これら公報に記載されているモールドポッティングを適用することは、当業者であっても容易になし得るものではありません。」(第7頁14?18行)と主張している。しかしながら、請求人の主張は、その意味するところが明らかとはいえないが、「引用文献1と周知技術とを組み合わせて本願発明1を導き出す動機づけもないことから、引用文献1に基づいて当業者が本願発明1に容易に想到できたと論理づけることはできません。」(第8頁12?15行)との主張をみると、組み合わせの動機付けがなく、容易想到の論理付けができないことを意図したものと解することができる。このように解したとしても、引用1発明が、先ず円筒状積層体を形成した後、耐圧容器に入れ隙間を接着剤で接着するプロセスを採ることからみて、接着する工程を広く用いられているモールドポッティングを用いてみようすることは、当業者であれば設計的な範疇でごく普通に検討することであり、そうすることに格別困難性はない。以上のことに鑑みれば、請求人の主張する組み合わせの動機付けや、容易想到の論理付けができないとまで云うことはできない。 そして、本願発明の相違点bに係る構成を採ることにより奏する「ポッティングの収縮から起こるポッティングと殻とのシールの問題を最小あるいは無くすることができる」など明細書記載の効果は、中空糸膜モジュールのポッティングにおいて熱収縮の課題はごく一般的なもの(上記した特開平11-33366号公報、特開2000-189761号公報)であることを考慮すれば、格別のものとまでみることはできず、引用例1?3及び上記例示した周知例に基づいて当業者が予測し得ることといえる。 してみると、本願発明は、引用1発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 5.むすび したがって、本願発明は、本願の優先日前に頒布された刊行物である引用例1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。しかるに、本願は、その余の発明について検討するまでもなく、拒絶すべきである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-03-26 |
結審通知日 | 2008-04-01 |
審決日 | 2008-04-14 |
出願番号 | 特願2002-132458(P2002-132458) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(B01D)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 目代 博茂 |
特許庁審判長 |
大黒 浩之 |
特許庁審判官 |
斎藤 克也 徳永 英男 |
発明の名称 | 中空糸膜接触器とその製造方法 |
代理人 | 大野 聖二 |
代理人 | 山田 勇毅 |
代理人 | 森田 耕司 |
代理人 | 田中 玲子 |