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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F21S
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F21S
管理番号 1183690
審判番号 不服2006-24734  
総通号数 106 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-10-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-11-02 
確定日 2008-08-28 
事件の表示 特願2001- 72053号「電球形ランプ及び電球形ランプのプレート」拒絶査定不服審判事件〔平成14年9月20日出願公開、特開2002-270006号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本件出願は、平成13年3月14日の出願であって、平成18年9月26日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月2日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同年11月30日に手続補正(前置補正)がなされたものである。

2.平成18年11月30日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成18年11月30日付けの手続補正を却下する。
[理由]
(1)補正後の本願発明
平成18年11月30日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲について、
「【請求項1】 発光管を収納するグローブと、発光管を取り付けるプレートと、プレートを覆うカバー部とを有する電球形蛍光ランプにおいて、
上記電球形蛍光ランプは、上記カバー部と上記プレートとを取り付ける第一の取付部と、上記プレートと上記グローブとを取り付ける第二の取付部とを有し、
上記プレートは、発光管を取り付ける側の面である第二の面と、上記第二の面と反対に位置するプレートの外側の面である第一の面とを有し、
上記第一の面と上記第二の面との間に位置するプレート内部の面を第三の面とした場合、上記第一の取付部は、上記第一の面と上記第三の面との間に配置され、上記第二の取付部は、上記第二の面と上記第三の面との間に配置され、
上記第一の取付部と、上記第二の取付部とは、上記第三の面を含む空間を間に挟んで異なる位置に配置され、
上記グローブの開口部は、円周を形成し、
上記第一の取付部は、上記円周と平行する第一の円周を形成し、
上記第二の取付部は、上記第一の取付部が形成する第一の円周と異なる第二の円周を形成し、
上記第一の円周の直径は、上記第二の円周の直径よりも小さいことを特徴とする電球形蛍光ランプ。
【請求項2】 上記電球形蛍光ランプは、上記プレートと上記カバー部とによって形成される隙間に上記グローブを取り付け、
上記隙間は、上記第二の面と上記第三の面との間に配置されることを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ランプ。」
と補正するものである。

前記補正は、補正前の請求項2に記載した発明を特定するために必要な事項である「電球形ランプ」について、「電球形蛍光ランプ」と限定するとともに、第一の取付部と、第二の取付部との配置について、「第三の面を含む空間を間に挟んで」いるという限定を付加して、補正後の請求項1の記載とする補正を含むものであり、この補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号に規定される特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する特許法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用され、本件出願前に頒布された刊行物である特開平11-353911号公報(以下「引用刊行物」という。)には、図1?図7とともに以下の事項が記載されている。

(ア)「【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の蛍光ランプ装置の一実施の形態を図1ないし図4を参照して説明する。」

(イ)「【0014】また、この蛍光ランプ2は、PBTなどのプラスチック製の保持体としての仕切体4に取り付けられている。すなわち、この仕切体4は、図1ないし図3に示すように、挿入方向先端が開口したほぼ円筒状の円筒状部5を有し、この円筒状部5の軸方向の長さはたとえば約20mmで、この円筒状部5の挿入方向の先端から7mmの位置、すなわち仕切体4の挿入方向ほぼ中央部には周方向に沿ってフランジ部6が突出形成され、このフランジ部6と同周位置に所定間隔を持って挿入しやすく抜けにくいように挿入方向先端側にテーパを有する係合爪7が複数形成されている。なお、フランジ部6より挿入方向後端側の上円筒部8よりフランジ部6より挿入方向先端側の下円筒部9のほうが径小に形成されている。・・・さらに、挿入方向基端側には仕切板11により閉塞されている。この仕切板11には蛍光ランプ2のバルブ3が挿入保持される円形の挿入孔12がバルブ3の位置に合わせて形成されている。」

(ウ)「【0015】さらに、仕切体4はPBTなどのプラスチック製の基体15に嵌合保持されている。すなわち、この基体15は基端側にほぼ円筒状の基部16を有し、この基部16の上方に上方に向けて拡開した拡開部17が形成され、この拡開部17の上部先端は開口縁18が形成されている。また、この拡開部17よりやや距離を介して仕切体4を挿入しやすく抜けにくい方向にテーパを有する係合部19が突出形成され、この係合部19の下部側には係合爪7の先端が挿入される凹部20が形成され、さらに、仕切体4の挿入側の先端の縁が当接する位置決当接部21が軸方向に沿って内面に複数個突出形成されている。」

(エ)「【0017】さらに、基体15の開口側には蛍光ランプ2を内包して透光性を有するグローブ35が取り付けられている。すなわち、グローブ35は基体15とともにほぼ電球の形態をし、グローブ35の基端側に径小な径小部36が形成され、この径小部36が基体15の開口縁18内に位置し、径小部36の先端が係合部19に当接し、この状態でグローブ35および基体15間に接着剤を注入し、基体15にグローブ35を取り付ける。」

(オ)「【0018】上述のように、基体15の係合部19に係合する仕切体4の係合爪7を仕切体4の挿入方向の中間に設けることにより、従来のように端部に設けるのと異なり、係合爪の折れなどを防止するための補強として端部の肉厚を厚くする必要がなく、ひけの発生や寸法精度の低下が生ずることがないので、組立性が向上する。」

(カ)「【0019】また、仕切体4の係合爪7の上部の上円筒部8より下部の下円筒部9の外形を小さくすることにより、蛍光ランプ2が装着される仕切板11の面積を小さくすることなく、基体15内に挿入される距離を長くする。」

そして、図2の図示内容をみると、基体15は、仕切体4を覆っているといえ、前記引用刊行物記載事項(エ)によると、「グローブ35は基体15とともにほぼ電球の形態をし」ているのであるから、蛍光ランプ装置は、ほぼ電球の形態をしているといえる。
また、前記引用刊行物記載事項(イ)、(カ)及び図1?3の図示内容をみると、仕切体4は、上円筒部8に上面と、下円筒部9に下面とを有している。さらに、上円筒部8と、これより径小に形成された下円筒部9との境界には、段部からなる面が形成されているといえ、仕切体4の係合爪7は、上円筒部8と下円筒部9との境界に突出形成されたフランジ部6と同周位置に複数形成されるものであるから、上円筒部8と下円筒部9との境界の面の近傍に配置されているといえる。さらに、前記引用刊行物記載事項(エ)をあわせみると、基体15にグローブ35を取り付ける接着剤は、仕切体4の上円筒部8に対向する基体15の箇所が接着面となるように注入されているといえる。すると、係合爪7と接着剤とは、異なる位置に配置されているといえる。
さらに、前記引用刊行物記載事項(エ)によると、「グローブ35は基体15とともにほぼ電球の形態をし、グローブ35の基端側に径小な径小部36が形成され」ており、図1の図示内容もあわせみると、グローブ35は開口部を有し、その開口部は円周を形成しているといえる。また、前記引用刊行物記載事項(イ)によると、係合爪7は、周方向に沿って突出形成されたフランジ部6と同周位置に複数形成されるものであるから、円周の一部を形成しているといえ、この円周は、グローブ35の開口部の円周と平行であるといえる。また、前記引用刊行物記載事項(エ)によると、基体15にグローブ35を取り付ける接着剤は、グローブ35の径小部36を取り付けるものであるところ、前記したとおりグローブ35の開口部は円周を形成しているから、この接着剤も円周の少なくとも一部を形成しているといえ、この円周と、前記係合爪7がその一部を形成する円周とは、異なるものといえる。

したがって、前記引用刊行物記載事項(ア)?(カ)及び図面の図示内容を総合すると、引用刊行物には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「蛍光ランプ2を内包するグローブ35と、蛍光ランプ2を取り付ける仕切体4と、仕切体4を覆う基体15とを有するほぼ電球の形態をした蛍光ランプ装置において、
上記ほぼ電球の形態をした蛍光ランプ装置は、上記基体15の係合部19に係合し、上記基体15に形成された凹部20に先端を挿入する上記仕切体4の係合爪7と、上記グローブ35の基端側の径小部36が上記基体15の開口縁18内に位置し、径小部36の先端が係合部19に当接し、この状態で上記基体15に上記グローブ35を取り付ける接着剤とを有し、
上記仕切体4は、上円筒部8に上面と、下円筒部9に下面とを有し、
上記係合爪7は、上円筒部8と下円筒部9との境界の面の近傍に配置され、上記接着剤は、仕切体4の上円筒部8に対向する基体15の箇所が接着面となるように注入され、
上記係合爪7と、上記接着剤とは、異なる位置に配置され、
上記グローブ35の開口部は、円周を形成し、
上記係合爪7は、上記円周と平行する円周の一部を形成し、
上記接着剤は、上記係合爪7がその一部を形成する円周と異なる円周の少なくとも一部を形成したほぼ電球の形態をした蛍光ランプ装置。」

(3)対比
本願補正発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「蛍光ランプ2」、「グローブ35」、「仕切体4」、「基体15」及び「ほぼ電球の形態をした蛍光ランプ装置」は、それぞれ本願補正発明の「発光管」、「グローブ」、「プレート」、「カバー部」及び「電球形蛍光ランプ」に相当し、引用発明の「蛍光ランプ2を内包するグローブ35」は、本願補正発明の「発光管を収納するグローブ」に相当する。
また、引用発明の「上記基体15の係合部19に係合し、上記基体15に形成された凹部20に先端を挿入する上記仕切体4の係合爪7」は、本願補正発明の「上記カバー部と上記プレートとを取り付ける第一の取付部」に対応し、引用発明の「上記グローブ35の基端側の径小部36が上記基体15の開口縁18内に位置し、径小部36の先端が係合部19に当接し、この状態で上記基体15に上記グローブ35を取り付ける接着剤」と、本願補正発明の「上記プレートと上記グローブとを取り付ける第二の取付部」とは、グローブを取り付ける第二の取付部である点において共通する。
そして、引用発明の「上面」は、蛍光ランプ2を取り付ける側の面であるから、本願補正発明の「発光管を取り付ける側の面である第二の面」に相当し、引用発明の「下面」は、上面と反対に位置し、仕切体4の外縁を形成するものであるから、本願補正発明の「上記第二の面と反対に位置するプレートの外側の面である第1の面」に相当する。また、引用発明の「上円筒部8と下円筒部9との境界の面」は、仕切体4の下面と上面との間に位置する面であって、上円筒部8の外縁より内側に形成される面であるから、本願補正発明の「上記第一の面と上記第二の面との間に位置するプレート内部の面」に相当する。
さらに、引用発明の係合爪7がその一部を形成する「円周」、及び接着剤が少なくともその一部を形成する「円周」は、それぞれ本願補正発明の「第一の円周」及び「第二の円周」に相当し、引用発明の「上記係合爪7は、上記円周と平行する円周の一部を形成し、上記接着剤は、上記係合爪7がその一部を形成する円周と異なる円周の少なくとも一部を形成し」という点と、本願補正発明の「上記第一の取付部は、上記円周と平行する第一の円周を形成し、上記第二の取付部は、上記第一の取付部が形成する第一の円周と異なる第二の円周を形成し」という点とは、第一の取付部は、上記円周と平行する第一の円周の少なくとも一部を形成し、第二の取付部は、第一の取付部が少なくともその一部を形成する第一の円周と異なる第二の円周の少なくとも一部を形成している点で共通する。

そうすると、本願補正発明と引用発明とは、次の点で一致するものと認められる。
「発光管を収納するグローブと、発光管を取り付けるプレートと、プレートを覆うカバー部とを有する電球形蛍光ランプにおいて、
上記電球形蛍光ランプは、上記カバー部と上記プレートとを取り付ける第一の取付部と、上記グローブを取り付ける第二の取付部とを有し、
上記プレートは、発光管を取り付ける側の面である第二の面と、上記第二の面と反対に位置するプレートの外側の面である第一の面とを有し、
上記第一の面と上記第二の面との間に位置するプレート内部の面を有し、
上記第一の取付部と、上記第二の取付部とは、異なる位置に配置され、
上記グローブの開口部は、円周を形成し、
上記第一の取付部は、上記円周と平行する第一の円周の少なくとも一部を形成し、
上記第二の取付部は、上記第一の取付部が少なくともその一部を形成する第一の円周と異なる第二の円周の少なくとも一部を形成した電球形蛍光ランプ。」

一方で、両者は、次の点で相違するものと認められる。
[相違点1]
第二の取付部について、本願補正発明は、「プレート」とグローブとを取り付け、第一の面と第二の面との間に位置するプレート内部の面を第三の面とした場合、「上記第二の面と上記第三の面との間に配置され」、「第二の円周を形成」するのに対し、引用発明は、「基体15」とグローブとを取り付け、「仕切体4の上円筒部8に対向する基体15の箇所が接着面となるように注入され」、円周の「少なくとも一部」を形成する点。

[相違点2]
第一の取付部について、本願補正発明は、第一の面と第二の面との間に位置するプレート内部の面を第三の面とした場合、「上記第一の面と上記第三の面との間に配置され」、「第一の円周を形成」するのに対し、引用発明は、「上円筒部8と下円筒部9との境界の面の近傍に配置され」、円周の「一部」を形成する点。

[相違点3]
第一の取付部及び第二の取付部の配置について、本願補正発明は、第一の取付部と、第二の取付部とが、「上記第三の面を含む空間を間に挟んで」配置され、「上記第一の円周の直径は、上記第二の円周の直径よりも小さい」のに対し、引用発明は、係合爪7と、接着剤とが、異なる位置に配置されるものではあるものの前記のようなものとはいえない点。

(4)判断
[相違点1]について
電球形蛍光ランプのグローブの取付構造において、グローブを仕切部材の蛍光ランプ側(口金側と反対の側)の周面に取り付けることは、本件出願前より周知の技術である(例えば、特開昭59-203302号公報、特開昭59-121763号公報、実願昭58-151954号(実開昭60-59412号)のマイクロフィルム参照)。
そして、引用発明のグローブ35は、仕切体4の蛍光ランプ2側に設けられた上円筒部8に対向する基体15の箇所が接着面となるよう接着剤を注入し、基体15に取り付けられるものであるが、前記周知の技術にならい、グローブ35を、仕切体4の蛍光ランプ2側に設けられた上円筒部8の周面に接着することに格別の困難性はない。
また、グローブ35を上円筒部8の周面に接着するにあたり、その全周にわたり接着することも、必要とされる接着強度等を考慮の上、当業者が適宜、設計し得る事項である。
そして、このようにグローブ35を、仕切体4の上円筒部8の周面に全周にわたり接着することにより、接着剤は、仕切体4の上面と、上円筒部8と下円筒部9との境界の面との間に配置され、円周を形成することになるから、本願補正発明の前記相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。

[相違点2]について
電球形蛍光ランプの仕切部材と基体との取付構造において、仕切部材と基体との取付部を仕切部材の口金側の径が小さい箇所の周面に設けることは、本件出願前より周知の技術である(例えば、前記特開昭59-203302号公報、特開昭59-121763号公報、実願昭58-151954号(実開昭60-59412号)のマイクロフィルム参照)。
そして、引用発明の仕切体4と基体15との取付構造に、前記周知の技術を適用し、仕切体4の口金側の径が小さい箇所である下円筒部9の周面に取付部を設けることに格別の困難性はない。
また、取付部を下円筒部9の周面に設けるにあたり、その全周にわたり取付部を設けることも、必要とされる取付強度等を考慮の上、当業者が適宜、設計し得る事項である。
そして、このように仕切体4の下円筒部9の周面に全周にわたり取付部を設けることにより、取付部は、仕切体4の下面と、上円筒部8と下円筒部9との境界の面との間に配置され、円周を形成することになるから、本願補正発明の前記相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。

[相違点3]について
前記[相違点1]について、及び[相違点2]についてで検討したように、引用発明の仕切体4の上円筒部8の周面に全周にわたりグローブ35を接着し、下円筒部9の周面に全周にわたり取付部を設けることにより、この取付部と、接着剤は、上円筒部8と下円筒部9との境界の面を含む空間を間に挟んで配置され、この取付部が形成する円周の直径は、接着剤が形成する円周の直径よりも小さくなるといえ、本願補正発明の前記相違点3に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。

そして、本願補正発明を全体としてみても、作用効果については、引用発明及び前記各周知の技術から当業者が予測できる範囲のものである。

そうすると、本願補正発明は、引用発明及び前記各周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおりであるから、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項で準用する特許法第126条第5項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。

3.本願発明について
平成18年11月30日付けの手続補正は前記のとおり却下されたので、本件出願の各請求項に係る発明は、平成18年8月2日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項により特定されるとおりのものにあると認められるが、そのうち請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。

「【請求項1】発光管を収納するグローブと、発光管を取り付けるプレートと、プレートを覆うカバー部とを有する電球形ランプにおいて、
上記電球形ランプは、上記カバー部と上記プレートとを取り付ける第一の取付部と、上記プレートと上記グローブとを取り付ける第二の取付部とを有し、
上記第一の取付部と、上記第二の取付部とは異なる位置に配置され、
上記グローブの開口部は、円周を形成し、
上記第一の取付部は、上記円周と平行する第一の円周を形成し、
上記第二の取付部は、上記第一の取付部が形成する第一の円周と異なる第二の円周を形成し、
上記第一の円周の直径は、上記第二の円周の直径よりも小さいことを特徴とする電球形ランプ。」

4.引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用され、本件出願前に頒布された刊行物である引用刊行物及びその記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

5.対比・判断
本願発明は、前記「2.」で検討した本願補正発明から、「電球形蛍光ランプ」についてする「蛍光」という限定を省き、第一の取付部及び第二の取付部と、プレートの各面との配置関係についてする「上記プレートは、発光管を取り付ける側の面である第二の面と、上記第二の面と反対に位置するプレートの外側の面である第一の面とを有し、上記第一の面と上記第二の面との間に位置するプレート内部の面を第三の面とした場合、上記第一の取付部は、上記第一の面と上記第三の面との間に配置され、上記第二の取付部は、上記第二の面と上記第三の面との間に配置され」、第一の取付部と、第二の取付部とは、「第三の面を含む空間を間に挟んで」いるという限定を省き、前記本願補正発明を上位概念化したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに他の発明特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(4)」に記載したとおり、引用発明及び前記各周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明及び前記各周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

6.むすび
以上のとおりであるから、本願発明(請求項1に係る発明)については、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そうすると、このような特許を受けることができない発明を包含する本件出願は、本件出願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-06-26 
結審通知日 2008-07-01 
審決日 2008-07-15 
出願番号 特願2001-72053(P2001-72053)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F21S)
P 1 8・ 575- Z (F21S)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮崎 光治  
特許庁審判長 藤井 俊明
特許庁審判官 柴沼 雅樹
柿崎 拓
発明の名称 電球形ランプ及び電球形ランプのプレート  
代理人 溝井 章司  

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