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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B41M
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B41M
管理番号 1189524
審判番号 不服2006-13528  
総通号数 110 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-06-28 
確定日 2008-12-19 
事件の表示 平成 9年特許願第108615号「熱転写記録媒体の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成10年11月10日出願公開、特開平10-297094〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 I.手続きの経緯・本願発明
本願は、平成9年4月25日の出願であって、平成18年5月2日付で拒絶査定がなされ、これに対して同年6月28日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年7月18日付で手続補正がなされたものである。

II.平成18年7月18日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成18年7月18日付の手続補正を却下する。
[理由]
1.補正後の本願発明
本件補正は、請求項1乃至3に記載した発明を特定するために必要な事項である「熱転写記録媒体」を、「溶融転写型記録媒体」と変更するものであって、特許請求の範囲の請求項2は、
「【請求項2】支持体の一方の面上に形成されたアンダーコート層とこのアンダーコート層の上に形成された熱転写性インク層を有し、支持体の他方の面上に耐熱潤滑層を有する溶融転写型記録媒体の製造方法において、連続して同一ラインにて支持体の一方の面上に、アンダーコート層形成用塗料および熱転写性インク層形成用塗料を同時に塗布する工程、又はアンダーコート層形成用塗料を塗布の後、該アンダーコート層が湿潤状態の間に該アンダーコート層の上に熱転写性インク層形成用塗料を塗布する工程、および支持体の他方の面上に耐熱潤滑層形成用塗料を塗布する工程を有し、該塗布工程がエクストルージョンによるものであり、該塗布工程において、アンダーコート層形成用塗料、熱転写性インク等形成用塗料および耐熱潤滑層形成用塗料が共に未乾燥の状態で乾燥工程に至ることを特徴とする溶融転写型記録媒体の製造方法。」
と補正された。
即ち、当該補正によって、請求項1乃至3に係る発明は、熱転写記録媒体のうち、特に熱転写性インク層自体を溶融して転写させる「溶融熱転写型記録媒体」を製造する方法に限定され、限定的減縮を目的とするものである。そこで、補正後の請求項2に記載された発明(以下、「本願補正発明2」という。)が、独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2.刊行物に記載された事項
上記本願補正発明2に対し、本願の出願前に頒布され、原査定における拒絶理由で引用された刊行物1及び2には次の事項が記載されている。(原文中、丸囲みの数字は(数字)で表記し、下線は当審で付与した。)

刊行物1(特開平8-252982号公報、平成18年1月25日付拒絶理由の引用文献1)
(1a)「【請求項1】熱転写型記録媒体の製造方法において、2つ以上のスロット部を備えてなるエクストルージョン型ダイを用いて、連続的に走行する支持体の表面に、各スロット部から押し出される熱転写インク塗料を、一層はインク層とする多層状に同時塗布するインク記録層塗布工程を行い、その後、乾燥工程に至ることを特徴とする熱転写型記録媒体の製造方法。
【請求項2】前記支持体の表面に対するインク記録層塗布工程と、該支持体の裏面に対するバックコート層塗布工程とを同一パス中で行う請求項1記載の熱転写型記録媒体の製造方法。」

(1b)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写インクリボン等の熱転写型記録媒体の製造方法に関する。」

(1c)「【0011】本発明は、熱転写型記録媒体の製造方法において、コンパクトな設備構成により、高い生産性で多層塗布を行うことを目的とする。」

(1d)「【0014】
【作用】
(1)エクストルージョン型ダイの複数のスロット部から押し出される熱転写インク塗料を多層状に同時塗布してインク記録層を形成し、その後乾燥するものである。従って、インク記録層の形成に際し、塗布工程、乾燥工程を繰り返す必要がなく、生産性を向上できる。また、単一のエクストルージョン型ダイを用いて多層塗布を行うことができるから、ライン構成をコンパクトにできる。
【0015】(2)インク記録層塗布工程とバックコート層塗布工程を同一パス中で行うことにより、生産性を向上できる。」

(1e)「【0017】(第1実施例)(図1、図4、図5)
図1の塗布装置10は、巻出装置11から巻取装置12に向けて連続走行する支持体1の搬送ラインに沿って、バックコート層塗布用エクストルージョン型ダイ14、乾燥装置15、インク記録層塗布用エクストルージョン型ダイ16、乾燥装置17を配置している。これにより、塗布装置10は、支持体1の表面に対するインク記録層塗布工程と、支持体1の裏面に対するバックコート層塗布工程とを同一パス中で行う。」

(1f)「【0019】インク記録層塗布用エクストルージョン型ダイ16は、図5に示す如く、・・・(中略)・・・これにより、支持体1の表面に、第1スロット部35から押し出される剥離層塗料、第2スロット部37から押し出されるインク層塗料が順に塗布され、これらの剥離層塗料、インク層塗料は乾燥装置17で乾燥され、剥離層3(下層)、インク層4(上層)となる。
【0020】図6(A)は、上述の塗布装置10により製造されたインクリボンを示すものである。
【0021】尚、インク層塗料は、バインダー成分と着色成分を含む。また、インク層塗料は、印字特性調整のためのワックス、粘着性付与剤等の印字特性調整剤を適宜添加できる。インク層4の固形分は10?50 wt %であり、又インク層4の膜厚は1.0 ?7.0 μm 、好ましくは1.5 ?5.0 μm である。
【0022】また、剥離層塗料は、剥離層3の転写剥離特性の向上、及び解像度の向上を図るものであれば何でも良く、例えば剥離用ワックス等を用いることができる。」

(1g)「【0023】以下、本実施例の作用について説明する。(1)エクストルージョン型ダイ16の複数のスロット部35、37から押し出される熱転写インク塗料を多層状に同時塗布してインク記録層を形成し、その後乾燥するものである。従って、インク記録層の形成に際し、塗布工程、乾燥工程を繰り返す必要がなく、生産性を向上できる。また、単一のエクストルージョン型ダイ16を用いて多層塗布を行うことができるから、ライン構成をコンパクトにできる。
【0024】(2)インク記録層塗布工程とバックコート層塗布工程を同一パス中で行うことにより、生産性を向上できる。 」

(1h)「 【図1】



(1i)「【0033】・・・(中略)・・・また、製品の評価においても塗布状態が経時変化を持たないため、安定した品質性能が得られる。【0034】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、熱転写型記録媒体の製造方法において、コンパクトな設備構成により、高い生産性で多層塗布を行うことができる。」

刊行物2(特開平7-185436号公報、平成18年1月25日付拒絶理由の引用文献2)
(2a)「【請求項1】基材の第1の面を塗工する第1の塗工部と、その基材の第1の面の反対面である第2の面を塗工する第2の塗工部と、その第2の塗工部に対向して設置され、前記基材を第1の面において接触支持するとともに前記基材の走行方向と反対方向に回転する溝付きローラーと、から構成されたことを特徴とする両面塗工装置。」

(2b)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗工装置に関する。特に、プラスチックフィルム、紙、圧延鋼板、布、不織布、複合材シート等の長尺シートに、液状の塗工材を両面塗工する両面塗工装置及びそれに用いる溝付きローラに関する。」

(2c)「【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来の両面塗工装置の上記欠点を解決して、塗工膜厚が各面内、両側面において均一であり、塗工膜の表面に欠点が無く表面性に優れ、高速度で生産性の良い塗工ができ、装置がコンパクトで操作性の良い塗工装置を提供することにある。」

(2d)「【0008】
【実施例】以下好適な実施例に基づいて本発明を説明する。図1は本発明の両面塗工装置の塗工ユニットの構成を示す図である。図において、1は基材、2は第1のダイヘッド、3はバックアップローラー、4は第2のダイヘッド、5は溝付きローラー、6は第1のダイヘッドに塗工液を供給するポンプ、7は第2のダイヘッドに塗工液を供給するポンプ、8はひねりローラーである。」

(2e)「 【図1】



(2f)「【図4】



(2g)「【0034】塗工液としては特に限定されず、例えば、着色材料、磁性材料、導電性材料等の顔料、各種ポリマー材料からなるビヒクル、有機溶剤等の溶解液を主成分とする塗工液は勿論、ワックス、熱可塑性樹脂等の無溶剤の塗工液、架橋剤等を含む反応型の塗工液であっても良い。」

3.対比
上記(1a)?(1i)より、刊行物1には「支持体の表面に形成された多層状のインク記録層を有し、支持体の裏面にバックコート層を有する熱転写型記録媒体の製造方法において、2つ以上のスロット部を備えてなるエクストルージョン型ダイを用いて、連続的に走行する支持体の表面に、剥離層塗料とインク層塗料とを多層状に同時塗布するインク記録層塗布工程を行い、さらに乾燥工程を経た後、インク記録層塗布工程と同一パス中で、該支持体の裏面に対するバックコート層塗布工程を行う、熱転写型記録媒体の製造方法」が記載されている。
本願補正発明2と、刊行物1に記載の発明(以下、「刊行物1発明」という。)とを対比すると、後者の「表面」「裏面」「剥離層」「同一パス中で」は、それぞれ、前者の「一方の面上」「他方の面上」「アンダーコート層」「同一ラインにて」に相当し、後者の「インク層」は「熱転写型記録媒体」における「インク層」であるから「熱転写性」であることは明らかである。また、後者の「熱転写型記録媒体」は(1b)及び(1f)の記載から見て、加熱部分のインク層を溶融して転写することによって記録を行うことは明らかであるから、前者の「溶融転写型記録媒体」に相当する。そして、そのような転写型記録媒体において支持体上のインク層と反対の面に設けられる層は、通常、サーマルヘッド等の加熱手段に当接するため、耐熱性と、走行に十分な潤滑性とを有する必要があるという技術常識から見て、後者の「バックコート層」が前者の「耐熱潤滑層」に相当することも明らかである。さらに、後者の「エクストルージョン型ダイを用いて、連続的に走行する支持体の表面に・・・塗布する」は、前者の「塗布工程がエクストルージョンによる」に相当する。
そうすると、本願補正発明2と刊行物1発明とは、「支持体の一方の面上に形成されたアンダーコート層とこのアンダーコート層の上に形成された熱転写性インク層を有し、支持体の他方の面上に耐熱潤滑層を有する溶融転写型記録媒体の製造方法において、支持体の一方の面上に、同一ラインにて該アンダーコート層の上に熱転写性インク層形成用塗料を塗布する工程、および支持体の他方の面上に耐熱潤滑層形成用塗料を塗布する工程を有し、該塗布工程がエクストルージョンによるものである」点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点]
本願補正発明2ではアンダーコート層と熱転写性インク層形成用塗料および耐熱潤滑層形成用塗料が共に湿潤状態で乾燥工程に至るのに対して、刊行物1発明では耐熱潤滑層形成用塗料を塗布後、乾燥工程を経てからアンダーコート層形成用塗料と熱転写インク層形成用塗料を塗布する点。

4.判断
以下、上記相違点について検討する。
上記(2a)?(2g)より、刊行物2には、プラスチック等の長尺シートである支持体の両面に、着色材料等の顔料、ポリマー材料からなるビヒクル、有機溶剤等の溶解液を主成分とする塗工液を塗布・乾燥する両面塗工装置において、それぞれの塗工工程を連続して行った後に乾燥工程を一括して行うことが記載されており、これは本願補正発明2の「共に未乾燥の状態で乾燥工程に至る」に相当する。
刊行物2に記載の塗工方法は、ポリマー材料と有機溶剤とを主成分として含有する塗料を長尺シートである支持体に両面塗工する塗工方法である点で本願補正発明2と共通している。そして、長尺シートである支持体上に両面塗工を行う方法において各層の乾燥を全ての層の塗工後に一括して行う構成とすることは、その他特開平9-1021号公報(平成17年10月28日付け拒絶理由の引用文献3)、特開昭62-247861号公報(平成18年1月25日付け拒絶理由の引用文献3)にも記載されるように周知のものに過ぎないから、本願補正発明2において、「共に未乾燥の状態で乾燥工程に至る」ようになし、本願補正発明2の構成とすることは当業者が容易に想到するものである。
請求人は本願明細書、意見書等において本願補正発明2の効果として、特に減反ロスが少なく生産数量が多いこととワープロ印字品質が良好であることを主張する。
しかしながら(1c)(1d)(1g)(1i)より、刊行物1には、塗布方法としてエクストルージョン型ダイを用いる方法がグラビア塗布等の他の方式に比べて生産効率が良いこと、及びインク層とバックコート層の塗布を同一パス中で行うことによって生産性を向上できること、安定した品質性能が得られることが記載されている。また、本願補正発明2の実施例及びこれに対する比較例、明細書及び意見書等における説明を見るに、「共に未乾燥の状態で乾燥工程に至る」ことによって「熱転写性インク層の被熱が緩和される」ため、「熱転写性インク層中の融解成分の融解、融着が防止でき、印字品質を高めることができる」のであって、これは上記周知の工程を採用すれば自ずと得られる効果に過ぎない。
してみると、本願補正発明2の効果は、格別顕著なものとは言えない。
よって、本願補正発明2は、刊行物1及び2に記載された発明、並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、他の請求項について検討するまでもなく、本願は、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5.むすび
以上のとおりであるから、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、平成18年改正前特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

III.本願発明について
平成18年7月18日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項2に係る発明(「本願補正前発明2」という。)は、平成18年3月29日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項2に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

(本願補正前発明2)
「【請求項2】支持体の一方の面上に形成されたアンダーコート層とこのアンダーコート層の上に形成された熱転写性インク層を有し、支持体の他方の面上に耐熱潤滑層を有する熱転写記録媒体の製造方法において、連続して同一ラインにて支持体の一方の面上に、アンダーコート層形成用塗料および熱転写性インク層形成用塗料を同時に塗布する工程、又はアンダーコート層形成用塗料を塗布の後、該アンダーコート層が湿潤状態の間に該アンダーコート層の上に熱転写性インク層形成用塗料を塗布する工程、および支持体の他方の面上に耐熱潤滑層形成用塗料を塗布する工程を有し、該塗布工程がエクストルージョンによるものであり、該塗布工程において、アンダーコート層形成用塗料、熱転写性インク等形成用塗料および耐熱潤滑層形成用塗料が共に未乾燥の状態で乾燥工程に至ることを特徴とする熱転写記録媒体の製造方法。」

上記、本願補正前発明2とする平成18年3月29日付手続補正は、最後の拒絶理由の通知を受けてなされたものであって、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするから、本願補正前発明2を独立して特許を受けることができないとした原査定の理由により、平成18年改正前特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものとして、平成18年改正前特許法第53条第1項の規定により却下されるべきであったところ、当該補正に対する却下の決定はなされていない。そこで、当該補正に係る本願補正前発明2について検討するが、同時に、補正却下がなされていた場合に、本願の請求項1に係る発明として認めるべきであった、平成17年12月26日付手続補正書の請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下の発明(「本願発明」という。)についても検討する。

(本願発明)
「【請求項1】支持体の一方の面上に熱転写性インク層を有し、支持体の他方の面上に耐熱潤滑層を有する熱転写記録媒体の製造方法において、支持体の一方の面上に、熱転写性インク層形成用塗料を塗布する工程、および支持体の他方の面上に耐熱潤滑層形成用塗料を塗布する工程を有し、該塗布工程がエクストルージョンによるものであり、該塗布工程において熱転写性インク層形成用塗料および耐熱潤滑層形成用塗料が共に湿潤状態で乾燥工程に至ることを特徴とする熱転写記録媒体の製造方法。」

1.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された文献及びその記載事項は、前記「II.2」に記載したとおりである。

2.対比・判断
(本願補正前発明2)
本願補正前発明2は、前記「II.4」で検討した本願補正発明2から「(熱転写)記録媒体」の限定事項である「溶融転写型」との構成を省いたものである。
そうすると、本願補正前発明2の構成要件をすべて含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明2が、前記II.4に記載したとおり、刊行物1及び刊行物2、並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願補正前発明2も同様の理由により、刊行物1及び刊行物2並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(本願発明)
本願発明は、前記「II.4」で検討した本願補正発明2から「(熱転写)記録媒体」の限定事項である「溶融転写型」との構成、記録媒体の層構成を限定する「アンダーコート層」を有するとの構成、及び熱転写性インク層の塗布工程について限定する「連続して同一ラインにて」・・・「アンダーコート層形成用塗料および熱転写性インク層形成用塗料を同時に塗布する工程、又はアンダーコート層形成用塗料を塗布の後、該アンダーコート層が湿潤状態の間に該アンダーコート層の上に熱転写性インク層形成用塗料を塗布する工程」との構成をさらに省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明2が、前記II.4に記載したとおり、刊行物1及び刊行物2、並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、刊行物1及び刊行物2並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

3.むすび
以上のとおり、本願補正発明2及び本願発明は、刊行物1及び刊行物2、並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、他の請求項について検討するまでもなく、本願は、特許法第29条2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-08-27 
結審通知日 2008-09-30 
審決日 2008-10-17 
出願番号 特願平9-108615
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B41M)
P 1 8・ 575- Z (B41M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 野田 定文清水 靖記信田 昌男  
特許庁審判長 山下 喜代治
特許庁審判官 淺野 美奈
伏見 隆夫
発明の名称 熱転写記録媒体の製造方法  
代理人 大多和 明敏  

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