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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C22C
管理番号 1189643
審判番号 不服2007-3626  
総通号数 110 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-02-07 
確定日 2008-12-10 
事件の表示 特願2002-283284「電子銃電極用合金」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 4月15日出願公開、特開2004-115884〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.経緯
この出願は、平成14年9月27日に出願されたもので、平成18年7月7日付け拒絶理由通知書が送付され、平成18年11月29日付けで拒絶査定されたものである。
そして、本件審判は、この拒絶査定を不服として請求されたものであって、願書に添付した明細書又は図面についての平成19年3月9日付け手続補正書が提出され、平成20年7月9日付け審尋を送付したところ、何らの回答がなかったものである。
なお、この請求を実質的には取り下げる旨の書面が、審判長に対して平成20年9月30日付けでファクシミリにより送付されている。

2.原査定
原査定の拒絶の理由の1つは、概要、以下の拒絶理由aであると認める。

拒絶理由a;この出願の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された特開平1-92342号公報、特開2001-20043号公報又は特開平11-106873号公報に記載された発明に基いて、その出願前当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

3.平成19年3月9日付けの手続補正書による手続補正(以下、「本件補正」という。)について

1)平成20年7月9日付け審尋(以下、「本件審尋」という。)は、概要、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであるから、同法159条で準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである、と判断されることについての回答を求めるものであるが、請求人からは回答書の提出が未だに無い。
なお、本件審尋には、以下の指摘がある。

「請求項1に係る発明は、今回の手続補正により、圧延直角方向断面に観察されるB系介在物に関して、「介在物の幅:幅50μm以上」が「介在物の幅:介在物粒子が整列した群の幅50μm以上」、すなわち、介在物の幅が介在物粒子の整列した群の幅を意味するように補正された。
しかし、介在物と介在物粒子の整列した群とは異なるものである。そして、介在物の幅が介在物粒子の整列した群の幅を意味すことは、当初明細書には記載されていないし、自明のことでもない。」

2)そこで、本件補正について検討すると、本件補正は、特許法17条の2第3項に規定する要件に違反するものといえ、特許法第159条の規定により読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

4.原査定の理由について

4-1.本件の発明
本件補正は、先に「3」で述べたように、却下すべきものであって、この出願の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、願書に添付した明細書又は図面の特許請求の範囲請求項1に記載の事項により特定されるものと認められ、該請求項の記載は、以下のとおりであると認める。

「質量パーセントで、Cr:15?20%、Ni:9?15%、C:0.12%以下、Si:0.005?1%、Mn:0.005?2.5%、P:0.03%以下、S:0.0003?0.01%、残部Feおよび不可避的不純物からなり、以下の条件で数えられる介在物の群の個数が20個以下であることを特徴とする電子銃電極用ステンレス鋼帯、
観察断面:圧延直角方向断面、
観察視野:(鋼帯の板厚)×(鋼帯の積算幅:6000mm)に相当する面積の視野、
対象とする介在物の形状:B系、
介在物の幅:幅50μm以上。」

4-2.拒絶理由aについて
本件発明は、特開平1-92342号公報、特開2001-20043号公報又は特開平11-106873号公報に記載された発明に基いて、その出願前当業者が容易に発明をすることができたものであるといえ、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、拒絶理由aは、妥当である。

5.結び
原査定は、妥当である。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-10-07 
結審通知日 2008-10-14 
審決日 2008-10-27 
出願番号 特願2002-283284(P2002-283284)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (C22C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小川 武  
特許庁審判長 鈴木 由紀夫
特許庁審判官 吉水 純子
長者 義久
発明の名称 電子銃電極用合金  
代理人 赤尾 謙一郎  

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