• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 取り消して特許、登録 B60C
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B60C
管理番号 1190591
審判番号 不服2007-2215  
総通号数 110 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-01-18 
確定日 2009-01-27 
事件の表示 平成10年特許願第28032号「方向性傾斜溝を備えた乗用車用空気入りラジアル・タイヤ」拒絶査定不服審判事件〔平成10年12月8日出願公開,特開平10-324117,請求項の数(4)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由 I.手続の経緯
特許出願 平成10年2月10日(優先権主張 平成9年3月26日,日本)
拒絶理由通知 平成18年6月14日付け
意見書及び手続補正書 平成18年8月17日
拒絶査定 平成18年11月30日
審判請求 平成19年1月18日(同年2月19日に方式補正)
手続補正書 平成19年2月19日
前置報告書 平成19年3月30日付け
審尋 平成20年7月14日付け
回答書 平成20年9月8日

II.平成19年2月19日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[結論]
平成19年2月19日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正の内容
平成19年2月19日付けの手続補正(以下,「審判時補正」という。)は,審判請求の日から30日以内にしたものであり,特許請求の範囲の請求項1についての,以下の補正事項aを含むものである。
補正事項a:
請求項1において
「(3)上記10乃至60度の鋭角が形成されている隅部の表面は,踏み込み端部も蹴りだし端部も,先細先端部から太幅部に向けて徐々に浅くなるように,先細先端部から太幅部に向けて10乃至30mmに亙って面取りされている」を,
「(3)上記10乃至60度の鋭角が形成されている隅部の表面は,踏み込み端部も蹴りだし端部も,先細先端部から太幅部に向けて徐々に浅くなるように,先細先端部からブロックの長手方向である周方向に10乃至30mmに亙って面取りされている」と補正する。
2.新規事項の追加の有無についての検討
補正事項aにより,先細先端部からの「面取り」の方向が,「ブロックの長手方向である周方向に」と特定された。
しかしながら,本願の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下,「当初明細書等」という。)には,ブロックの隅部の表面に「周方向に」面取りを施すことについての記載はない。すなわち,例えば,本願の請求項3にも,「タイヤ赤道面側の辺が周方向に対し0乃至20度の角度で延びている」と記載されるように,タイヤの分野において,「周方向」とは,タイヤ赤道と平行な方向を意味することが当業者に一義的に明らかであるところ,当該の方向に「面取り」が施されていることを窺わせる記載は,当初明細書等に見当たらない。
してみれば,補正事項aにより特定された,「ブロックの長手方向である周方向に」という先細先端部からの「面取り」の方向は,当初明細書等に記載された事項とは認められない。
したがって,補正事項aは,当初明細書等に記載された事項以外の事項を請求項1に係る発明の発明を特定するために必要な事項に備えようとするものである。
3.まとめ
以上のとおりであるから,補正事項aを含む審判時補正は,当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであるとすることはできない。
したがって,審判時補正は,特許法第17条の2第3項の規定に違反するので,第159条第1項において読み替えて準用する第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。

III.原査定の妥当性についての検討
本願の請求項1ないし4に係る発明は,平成18年8月17日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして,本願については,原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2009-01-09 
出願番号 特願平10-28032
審決分類 P 1 8・ 561- WY (B60C)
P 1 8・ 121- WY (B60C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 岩本 昌大上坊寺 宏枝堀 洋樹  
特許庁審判長 宮坂 初男
特許庁審判官 野村 康秀
前田 孝泰
発明の名称 方向性傾斜溝を備えた乗用車用空気入りラジアル・タイヤ  
代理人 澤田 達也  
代理人 杉村 憲司  
代理人 来間 清志  
代理人 藤谷 史朗  
代理人 杉村 興作  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ