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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する G06F
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する G06F
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する G06F
管理番号 1191061
審判番号 訂正2008-390116  
総通号数 111 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-03-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2008-10-21 
確定日 2008-12-15 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4154164号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4154164号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の要旨
本件審判請求の要旨は、特許第4154164号(平成14年3月25日特許出願、平成20年7月11日設定登録)の願書に添付した明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正しようとするものであって、その訂正内容は、以下のとおりのものである。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1について、
「【請求項1】
少なくとも演算処理装置と記憶媒体とを備えるコンピュータにおいて、実行可能なプログラムの雛形を自動生成する知識再利用システムであって、
前記演算処理装置には、
前記記憶媒体に記憶されたプログラム及び/又はデータベースを読み込み、前記読み込んだプログラム及び/又はデータベースにおける公開情報の物理的特徴と論理的特徴とを有する電子化知識を生成し、前記記憶媒体へ記憶させるインターフェイス形式化手段と、
前記記憶媒体に記憶させた前記インターフェイス形式化手段で生成した電子化知識を読み込み、実行可能なプログラムの雛形の自動生成を行わせる開発者が指定したプログラム生成方式定義における、前記生成した電子化知識を補正するための補正用生成様式に基づいて、前記演算処理装置により、前記電子化知識の追加及び/又は修正及び/又は集約を行い、解決された電子化知識を生成して、前記記憶媒体へ記憶させる補正手段と、
前記解決された電子化知識を読み込み、前記プログラム生成方式定義において指定されている、前記解決された電子化知識の検証を行うための検証用生成様式に従って、前記演算処理装置により、前記解決された電子化知識を前記演算処理装置により検証を行う検証手段と、
前記プログラム生成方式定義において指定されている、前記解決された電子化知識に含まれる物理的特徴と論理的特徴に応じてプログラムの雛形を生成するための生成規則を生成するための生成規則生成用生成様式を読み込み、前記演算処理装置により、前記解決された電子化知識に、前記生成規則生成用生成様式を適用してプログラム生成規則を生成し、
生成したプログラム生成規則を前記記憶媒体へ記憶させるプログラム生成規則生成手段と、前記プログラム生成方式定義において指定されている、前記プログラムの雛形を生成するためのプログラム生成様式と前記生成したプログラム生成規則とを読み込み、前記プログラム生成規則において指定される、前記解決された電子化知識を読み込み、前記演算処理装置により、前記解決された電子化知識に含まれる物理的特徴と論理的特徴に対する前記プログラム生成様式での指定に応じて人間可読なプログラムの雛形を生成し、生成した、前記プログラム生成規則を用いた前記プログラムの雛形を前記記憶媒体へ記憶させる雛形生成手段と、
前記プログラム生成方式定義において指定されている、前記電子化知識に含まれる物理的特徴と論理的特徴に応じてプログラムの雛形を実行可能な形式へ構成するための構成規則を生成するための構成規則生成用生成様式を読み込み、前記演算処理装置により、前記解決された電子化知識に、前記構成規則生成用生成様式を適用して、プログラム構成規則を生成し、生成したプログラム構成規則を前記記憶媒体へ記憶させるプログラム構成規則生成手段と、
前記自動生成した人間可読なプログラムの雛形と、前記生成したプログラム構成規則とを読み込み、前記プログラム構成規則に基づいて、前記人間可読なプログラムの雛形を、機械可読に変換する目的プログラム生成手段と、
を備えることを特徴とする知識再利用システム。」
と訂正する。

(2)訂正事項2
願書に添付した明細書の【0013】段落を
「【0013】請求項1の発明は、少なくとも演算処理装置と記憶媒体とを備えるコンピュータにおいて、実行可能なプログラムの雛形を自動生成する知識再利用システムであって、前記演算処理装置には、前記記憶媒体に記憶されたプログラム及び/又はデータベースを読み込み、前記読み込んだプログラム及び/又はデータベースにおける公開情報の物理的特徴と論理的特徴とを有する電子化知識を生成し、前記記憶媒体へ記憶させるインターフェイス形式化手段と、前記記憶媒体に記憶させた前記インターフェイス形式化手段で生成した電子化知識を読み込み、実行可能なプログラムの雛形の自動生成を行わせる開発者が指定したプログラム生成方式定義における、前記生成した電子化知識を補正するための補正用生成様式に基づいて、前記演算処理装置により、前記電子化知識の追加及び/又は修正及び/又は集約を行い、解決された電子化知識を生成して、前記記憶媒体へ記憶させる補正手段と、前記解決された電子化知識を読み込み、前記プログラム生成方式定義において指定されている、前記解決された電子化知識の検証を行うための検証用生成様式に従って、前記演算処理装置により、前記解決された電子化知識を前記演算処理装置により検証を行う検証手段と、前記プログラム生成方式定義において指定されている、前記解決された電子化知識に含まれる物理的特徴と論理的特徴に応じてプログラムの雛形を生成するための生成規則を生成するための生成規則生成用生成様式を読み込み、前記演算処理装置により、前記解決された電子化知識に、前記生成規則生成用生成様式を適用してプログラム生成規則を生成し、生成したプログラム生成規則を前記記憶媒体へ記憶させるプログラム生成規則生成手段と、前記プログラム生成方式定義において指定されている、前記プログラムの雛形を生成するためのプログラム生成様式と前記生成したプログラム生成規則とを読み込み、前記プログラム生成規則において指定される、前記解決された電子化知識を読み込み、前記演算処理装置により、前記解決された電子化知識に含まれる物理的特徴と論理的特徴に対する前記プログラム生成様式での指定に応じて人間可読なプログラムの雛形を生成し、生成した、前記プログラム生成規則を用いた前記プログラムの雛形を前記記憶媒体へ記憶させる雛形生成手段と、前記プログラム生成方式定義において指定されている、前記電子化知識に含まれる物理的特徴と論理的特徴に応じてプログラムの雛形を実行可能な形式へ構成するための構成規則を生成するための構成規則生成用生成様式を読み込み、前記演算処理装置により、前記解決された電子化知識に、前記構成規則生成用生成様式を適用して、プログラム構成規則を生成し、生成したプログラム構成規則を前記記憶媒体へ記憶させるプログラム構成規則生成手段と、前記自動生成した人間可読なプログラムの雛形と、前記生成したプログラム構成規則とを読み込み、前記プログラム構成規則に基づいて、前記人間可読なプログラムの雛形を、機械可読に変換する目的プログラム生成手段と、を備えることを特徴とする知識再利用システムである。」
と訂正する。

2.当審の判断
これらの訂正事項について、訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否を検討する。

(1)訂正事項1について
訂正事項1は、本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項1において、「生成したプログラム生成規則を前記記録媒体へ記憶させる雛形生成手段」を「生成した、前記プログラム生成規則を用いた前記プログラムの雛形を前記記憶媒体へ記憶させる雛形生成手段」に訂正することにより、雛形生成手段がプログラム生成規則を前記記録媒体に記憶させる点(発明特定事項A)を削除すると共にプログラムの雛形を前記記録媒体に記憶させる点(発明特定事項B)を追加するものである。
ここで、発明特定事項Aについて検討すると、プログラム生成規則はプログラム生成規則生成手段が生成するものであることおよび雛形生成手段はプログラムの雛形を生成するものでありプログラム生成規則を生成するものでないことを併せ考えると、発明特定事項Aを削除することは、明りょうでない記載の釈明又は誤記の訂正に該当するものである。また、発明特定事項Bについて検討すると、本件特許時の明細書【0038】、【0085】乃至【0088】【図1】及び【図2】における雛形生成手段のついての記載および各手段が出力する中間生成物を記憶手段を介して次の手段が利用することは当該分野では常識的であることを併せ考えると、発明特定事項Bは特許時の明細書に記載されているに等しい事項であり当該発明特定事項Bを追加することは特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。従って、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮および誤記の訂正または明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
そして、訂正事項1については前記のとおり、特許時の明細書及び図面の記載と当該分野の技術常識に基づくものであるから、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、上記訂正事項1と整合をとるために本件特許明細書の発明の詳細な説明を訂正するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものもない。

そして、訂正後における特許請求の範囲の請求項1にかかる発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明とはいえない。

3.むすび
したがって、本件審判の請求は、特許法第126条第1項第1号ないし第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項ないし第5項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
知識再利用システム
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも演算処理装置と記憶媒体とを備えるコンピュータにおいて、実行可能なプログラムの雛形を自動生成する知識再利用システムであって、
前記演算処理装置には、
前記記憶媒体に記憶されたプログラム及び/又はデータベースを読み込み、前記読み込んだプログラム及び/又はデータベースにおける公開情報の物理的特徴と論理的特徴とを有する電子化知識を生成し、前記記憶媒体へ記憶させるインターフェイス形式化手段と、
前記記憶媒体に記憶させた前記インターフェイス形式化手段で生成した電子化知識を読み込み、実行可能なプログラムの雛形の自動生成を行わせる開発者が指定したプログラム生成方式定義における、前記生成した電子化知識を補正するための補正用生成様式に基づいて、前記演算処理装置により、前記電子化知識の追加及び/又は修正及び/又は集約を行い、解決された電子化知識を生成して、前記記憶媒体へ記憶させる補正手段と、
前記解決された電子化知識を読み込み、前記プログラム生成方式定義において指定されている、前記解決された電子化知識の検証を行うための検証用生成様式に従って、前記演算処理装置により、前記解決された電子化知識を前記演算処理装置により検証を行う検証手段と、
前記プログラム生成方式定義において指定されている、前記解決された電子化知識に含まれる物理的特徴と論理的特徴に応じてプログラムの雛形を生成するための生成規則を生成するための生成規則生成用生成様式を読み込み、前記演算処理装置により、前記解決された電子化知識に、前記生成規則生成用生成様式を適用してプログラム生成規則を生成し、生成したプログラム生成規則を前記記憶媒体へ記憶させるプログラム生成規則生成手段と、
前記プログラム生成方式定義において指定されている、前記プログラムの雛形を生成するためのプログラム生成様式と前記生成したプログラム生成規則とを読み込み、前記プログラム生成規則において指定される、前記解決された電子化知識を読み込み、前記演算処理装置により、前記解決された電子化知識に含まれる物理的特徴と論理的特徴に対する前記プログラム生成様式での指定に応じて人間可読なプログラムの雛形を生成し、生成した、前記プログラム生成規則を用いた前記プログラムの雛形を前記記憶媒体へ記憶させる雛形生成手段と、
前記プログラム生成方式定義において指定されている、前記電子化知識に含まれる物理的特徴と論理的特徴に応じてプログラムの雛形を実行可能な形式へ構成するための構成規則を生成するための構成規則生成用生成様式を読み込み、前記演算処理装置により、前記解決された電子化知識に、前記構成規則生成用生成様式を適用して、プログラム構成規則を生成し、生成したプログラム構成規則を前記記憶媒体へ記憶させるプログラム構成規則生成手段と、
前記自動生成した人間可読なプログラムの雛形と、前記生成したプログラム構成規則とを読み込み、前記プログラム構成規則に基づいて、前記人間可読なプログラムの雛形を、機械可読に変換する目的プログラム生成手段と、
を備えることを特徴とする知識再利用システム。
【請求項2】
前記インターフェイス形式化手段は、
原始プログラムを読み込み、前記読み込んだ原始プログラムに於ける公開情報の物理的特徴と論理的特徴とを有する電子化知識を生成する原始プログラムインターフェイス形式化手段を
有することを特徴とする請求項1に記載の知識再利用システム。
【請求項3】
前記インターフェイス形式化手段は、
目的プログラムを読み込み、前記読み込んだ目的プログラムに於ける公開情報の物理的特徴と論理的特徴とを有する電子化知識を生成する目的プログラムインターフェイス形式化手段を
有することを特徴とする請求項1に記載の知識再利用システム。
【請求項4】
前記インターフェイス形式化手段は、
データベースを読み込み、前記読み込んだデータベースに於けるテーブル・ビューの物理的特徴と論理的特徴とを有する電子化知識を生成するモデリング情報形式化手段を
有することを特徴とする請求項1に記載の知識再利用システム。
【請求項5】
前記プログラム及び/又はデータベースの公開情報は、変数、クラス、メソッド、テーブル・ビューの少なくとも一以上を含む
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の知識再利用システム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プログラムを開発する際に、既存のプログラムを再利用し、その開発支援を行う知識再利用システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
プログラムが近年高度化・大規模化するのに伴い、プログラムを開発する為のCASEツール(Computer Aided Software Engineering)、IDEツール(Intergrated Development Environment)等の開発支援ツールが存在している。
【0003】
CASEツールは、複数のプログラマー(以下、開発者)間でシステム開発作業の処理を効率化することを目的とする開発支援ツールである。CASEツールの代表的な例としては、日本ラショナルソフトウェア株式会社の販売する製品である、Rational Roseがその一例として挙げられる。
【0004】
IDEツールは、エディタ、コンパイラ、デバッガ等のプログラムを開発する際に必要となる複数の開発環境を、統合された一つの開発環境で行うことを目的とする開発支援ツールである。IDEツールの代表的な例としては、マイクロソフト株式会社の販売する製品である、Microsoft Visual Studioがその一例として挙げられる。
【0005】
これらの開発支援ツールを用いることによって、プログラムの論理的特徴、物理的特徴のいずれか一方に限定された情報を管理することが可能となり、プログラムの雛形を生成する機能を実現している。
【0006】
尚、本明細書に於いて物理的特徴とは、プログラム、データベース中に於いて、変数、クラス、メソッド、データ等がそれ自体で特徴づけられるものを意味し、論理的特徴とは、変数、クラス、メソッド、データ等が他の変数、クラス、メソッド、データ等との関係で特徴づけられるものを意味している。又物理的特徴には、変数、メソッド等と関係づけられるものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記開発支援ツール等を用いた場合であっても、プログラムの構成要素が有する論理的特徴、物理的特徴が一体となって表現する方法が実現されていない為、業務知識やプログラム実現化知識とプログラムとの間でプログラムの知識を相互に自動的に利用することが不可能である。つまり、従来の開発支援ツールでは、物理的特徴、論理的特徴のいずれか一方からプログラムの雛形を生成しているので、変数等の特徴が一面(物理的特徴もしくは論理的特徴)からしか表現できず、効率的で完成度の高いプログラムの雛形が生成できていない。
【0008】
又、プログラムの物理的特徴に基づいてプログラムを生成する機能が組み込まれている場合、その具体的な生成方法が開発支援ツール内に組み込まれており、プログラム実現方法に適した生成方法へ開発者が任意に変更することが不可能である。
【0009】
更に、プログラムのインターフェイスで入出力されるデータ項目にユーザインターフェイス上の特徴を記述できない為にプログラムにあわせてユーザインターフェイス用のプログラムを開発者が人的に作成しなければならず、迅速な検証が困難である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、プログラムの論理的特徴と物理的特徴とを機械可読且つ人間可読の形式で記録し、且つ特定の開発ツールやプログラムから独立させて一元的に記録することによって、プログラムに関する知識(以下、電子化知識)をプログラム開発の全ての工程で相互利用可能とし、変数等を物理的特徴と論理的特徴の両面から雛形を生成する知識再利用システムを発明した。
【0011】
本発明に於いて、電子化知識に基づく各種の生成方法(以下、生成様式とする)を開発ツールから分離することにより、当該生成様式を切り替えることでプログラムの大部分を任意の生成様式でプログラム部品(実行可能なプログラムの雛形)の生成が可能となる。
【0012】
更に電子化知識は、人間可読である為インターフェイス形式化機能を用いずに直接プログラムの設計・実装方法を記して作成することも可能である。即ち通常コンピュータに具備されているエディタを利用して電子化知識を作成/更新して、実行可能なプログラムの雛形を設計/作成していくことも可能となる。
【0013】
請求項1の発明は、少なくとも演算処理装置と記憶媒体とを備えるコンピュータにおいて、実行可能なプログラムの雛形を自動生成する知識再利用システムであって、前記演算処理装置には、前記記憶媒体に記憶されたプログラム及び/又はデータベースを読み込み、前記読み込んだプログラム及び/又はデータベースにおける公開情報の物理的特徴と論理的特徴とを有する電子化知識を生成し、前記記憶媒体へ記憶させるインターフェイス形式化手段と、前記記憶媒体に記憶させた前記インターフェイス形式化手段で生成した電子化知識を読み込み、実行可能なプログラムの雛形の自動生成を行わせる開発者が指定したプログラム生成方式定義における、前記生成した電子化知識を補正するための補正用生成様式に基づいて、前記演算処理装置により、前記電子化知識の追加及び/又は修正及び/又は集約を行い、解決された電子化知識を生成して、前記記憶媒体へ記憶させる補正手段と、前記解決された電子化知識を読み込み、前記プログラム生成方式定義において指定されている、前記解決された電子化知識の検証を行うための検証用生成様式に従って、前記演算処理装置により、前記解決された電子化知識を前記演算処理装置により検証を行う検証手段と、前記プログラム生成方式定義において指定されている、前記解決された電子化知識に含まれる物理的特徴と論理的特徴に応じてプログラムの雛形を生成するための生成規則を生成するための生成規則生成用生成様式を読み込み、前記演算処理装置により、前記解決された電子化知識に、前記生成規則生成用生成様式を適用してプログラム生成規則を生成し、生成したプログラム生成規則を前記記憶媒体へ記憶させるプログラム生成規則生成手段と、前記プログラム生成方式定義において指定されている、前記プログラムの雛形を生成するためのプログラム生成様式と前記生成したプログラム生成規則とを読み込み、前記プログラム生成規則において指定される、前記解決された電子化知識を読み込み、前記演算処理装置により、前記解決された電子化知識に含まれる物理的特徴と論理的特徴に対する前記プログラム生成様式での指定に応じて人間可読なプログラムの雛形を生成し、生成した、前記プログラム生成規則を用いた前記プログラムの雛形を前記記憶媒体へ記憶させる雛形生成手段と、前記プログラム生成方式定義において指定されている、前記電子化知識に含まれる物理的特徴と論理的特徴に応じてプログラムの雛形を実行可能な形式へ構成するための構成規則を生成するための構成規則生成用生成様式を読み込み、前記演算処理装置により、前記解決された電子化知識に、前記構成規則生成用生成様式を適用して、プログラム構成規則を生成し、生成したプログラム構成規則を前記記憶媒体へ記憶させるプログラム構成規則生成手段と、前記自動生成した人間可読なプログラムの雛形と、前記生成したプログラム構成規則とを読み込み、前記プログラム構成規則に基づいて、前記人間可読なプログラムの雛形を、機械可読に変換する目的プログラム生成手段と、を備える知識再利用システムである。
【0014】
本発明によって、開発者は、少なくとも一以上のプログラム/データベースを読み込ませておくことによって、その公開情報に関する物理的特徴、論理的特徴を電子化知識として蓄積することが可能となる。そして、蓄積した電子化知識に基づいて、開発者がどのようなプログラムが必要かを指定することによって、この電子化知識の物理的特徴と論理的特徴とに基づいて、効率的で精度の良い実行可能なプログラムの雛形の自動生成が可能となる。
また、本発明によって、電子化知識と、予め定められた少なくとも一以上の生成方法(生成様式)とに基づいて、人間可読なプログラムの雛形の自動生成が可能となる。
そして、蓄積された電子化知識が当初から完全なものであることは、希である。従って、その使用に際しては、蓄積した電子化知識を、開発者が自動生成を希望するプログラムの雛形に応じた、補正等を付加することが好適である。又付加等されることによって生成された、解決された電子化知識が論理的整合性等が取れているかどうかを確認する必要もある。従ってその検証を行い、整合性が取れているならば、解決された電子化知識に基づいて、プログラムの雛形を生成することが好適である。本発明によってこれらの事項が行え、よりよい精度のプログラムの雛形の自動生成が可能となる。
加えて、本発明によって、自動生成したプログラムの雛形を機械可読な形式に変換することが可能となり、開発者は当該変換された実行可能なプログラムの雛形を使用するだけで良いこととなる。
【0015】
請求項2の発明は、前記インターフェイス形式化手段は、原始プログラムを読み込み、前記読み込んだ原始プログラムに於ける公開情報の物理的特徴と論理的特徴とを有する電子化知識を生成する原始プログラムインターフェイス形式化手段を有する知識再利用システムである。
【0016】
請求項3の発明は、前記インターフェイス形式化手段は、目的プログラムを読み込み、前記読み込んだ目的プログラムに於ける公開情報の物理的特徴と論理的特徴とを有する電子化知識を生成する目的プログラムインターフェイス形式化手段を有する知識再利用システムである。
【0017】
請求項4の発明は、前記インターフェイス形式化手段は、データベースを読み込み、前記読み込んだデータベースに於けるテーブル・ビューの物理的特徴と論理的特徴とを有する電子化知識を生成するモデリング情報形式化手段を有する知識再利用システムである。
【0018】
請求項2から請求項4の発明によって、電子化知識として蓄積する元となるものには、人間可読な原始プログラム、機械可読な目的プログラム、データベースを使用することが可能となる。尚、ここで原始プログラムとは、プログラムのソースコード等の人間可読なものを示しており、目的プログラムとは、プログラムのソースコード等をコンパイルした結果、機械可読なものを示している。
【0025】
請求項5の発明は、前記プログラム及び/又はデータベースの公開情報は、変数、クラス、メソッド、テーブル・ビューの少なくとも一以上を含む知識再利用システムである。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施態様のシステム構成の一例を図1のシステム構成図に示す。知識再利用システム1は、インターフェイス形式化手段2とプログラム手段3と電子化知識4と少なくとも一以上の生成様式とを有している。
【0027】
インターフェイス形式化手段2は、プログラム、データベースに於ける変数、クラス、メソッド、データベースのテーブル・ビュー等から、論理的特徴と物理的特徴とを抽出して電子化知識4として生成する手段である。インターフェイス形式化手段2は、原始プログラムインターフェイス形式化手段10と目的プログラムインターフェイス形式化手段11とモデリング情報形式化手段12とを有している。
【0028】
原始プログラムインターフェイス形式化手段10は、原始プログラムから論理的特徴と物理的特徴とを抽出して電子化知識4として生成する手段である。尚、原始プログラムとは、プログラムのソースコード等の人間可読なものを示している。
【0029】
目的プログラムインターフェイス形式化手段11は、目的プログラムから論理的特徴と物理的特徴とを抽出して電子化知識4として生成する手段である。尚、目的プログラムとは、プログラムのソースコード等をコンパイル等した結果、機械可読なものを示している。
【0030】
モデリング情報形式化手段12は、データベースから論理的特徴と物理的特徴とを抽出して電子化知識4として生成する手段である。
【0031】
プログラム手段3は、インターフェイス形式化手段2から生成された電子化知識4に基づいて、最終結果物たる最終目的プログラム(即ち自動的に生成された実行可能なプログラムの雛形であって機械可読のもの)を生成する手段であり、プログラム生成手段13と目的プログラム生成手段14とを有している。
【0032】
プログラム生成手段13は、インターフェイス形式化手段2で生成した電子化知識4に基づいて、修正等されたプログラムの雛形とプログラム構成規則とを生成する手段である。ここで生成されるプログラムの雛形は、人間可読なプログラムを示し、プログラム構成規則とは、前記生成したプログラムの雛形を、どの順番で目的プログラム生成手段14に於いてコンパイル等し、機械可読なものに変換するかを規定する規則である。
【0033】
目的プログラム生成手段14は、プログラム生成手段13に於いて生成したプログラムの雛形とプログラム構成規則とに基づいて、機械可読で実行可能な最終目的プログラムを生成する手段である。即ちコンパイラ等を示す。
【0034】
プログラム生成手段13は、補正手段15と検証手段16とプログラム生成規則生成手段17と雛形生成手段18とプログラム構成規則生成手段19とを有している。
【0035】
補正手段15は、開発者が指定するプログラム生成方式定義に於ける補正用生成様式5に基づいて、インターフェイス形式化手段2に於いて生成した電子化知識4に不足している物理的特徴、論理的特徴を追加補正、複数の電子化知識4を一つに集約し電子化知識4を修正等する手段である。尚ここで追加、修正、集約等した電子化知識4を、解決された電子化知識と呼ぶ。ここで、開発者が指定するプログラム生成方式定義とは、開発者がどのような実行可能なプログラムの雛形(最終目的プログラム)を生成したいかを定義したコードであって、図18にその一例を示す。
【0036】
検証手段16は、開発者が指定したプログラム生成方式定義に於ける検証用生成様式6に基づいて、前記解決された電子化知識が論理的に適合であるか否かの検証を行う手段である。
【0037】
プログラム生成規則生成手段17は、開発者が指定したプログラム生成方式定義に於ける生成規則生成用生成様式7に基づいて、解決された電子化知識を適用しプログラム生成規則を生成する手段である。
【0038】
雛形生成手段18は、プログラム生成規則生成手段17で生成したプログラム生成規則とプログラム生成様式8と解決された電子化知識とに基づいて、解決された電子化知識に、当該生成規則生成用生成様式7を適用し人間可読なプログラムの雛形を生成する手段である。
【0039】
プログラム構成規則生成手段19は、開発者が指定したプログラム生成方式定義に於ける構成規則生成用生成様式9と解決された電子化知識とに基づいて、解決された電子化知識に、当該構成規則生成用生成様式9を適用しプログラム構成規則を生成する手段である。
【0040】
【実施例】
次に本発明のプロセスの流れの一例を図3から図11のフローチャート図と図1及び図2のシステム構成図とを用いて詳細に説明する。まず原始プログラム、目的プログラム、データベースから電子化知識4を生成するプロセスの流れの一例を示す。最初に原始プログラム、目的プログラムから電子化知識4を生成する場合のプロセスの流れの一例を図3から図6のフローチャート図を用いて説明する。尚、原始プログラムに対する電子化知識4の生成は、インターフェイス形式化手段2の原始プログラムインターフェイス形式化手段10に於いて、目的プログラムに対する電子化知識4の生成は、インターフェイス形式化手段2の目的プログラムインターフェイス形式化手段11に於いて各々処理が為されるが、プロセスの流れはほぼ同一であるので、本実施例に於いては原始プログラムの場合を説明する。従って目的プログラムの場合も、目的プログラムインターフェイス形式化手段11に於いてほぼ同様のプロセスで処理が行えるが、簡略化の為説明を省略する。
【0041】
電子化知識4を生成することを希望する際には、その電子化知識4を生成する為の元となる原始プログラムを知識再利用システム1に於けるインターフェイス形式化手段2の原始プログラムインターフェイス形式化手段10に読み込ませる(S100)。ここで読み込ませる元となる原始プログラムを図12とする。
【0042】
原始プログラムを読み込んだ原始プログラムインターフェイス形式化手段10は、当該原始プログラムからクラス情報を取得する(S110)。従って図12の場合に於いては、TestClassのクラス情報を取得する。
【0043】
取得したクラス情報の中から、そこに含まれている公開変数、公開メソッド等の公開情報を抽出する(S120)。ここで公開情報とは、各クラスに於ける変数、メソッド等が、他のクラスから参照等可能なものであって、プログラム中に於いて全体的に操作可能なものを示し、例えばJAVA言語(JAVAはサン・マイクロシステムズ・インコーポレーテッドの登録商標である。以下同様)ではpublic型がそれを示している。従って例えば図12の原始プログラムの関数setProp1、setProp2等のメソッド名、prop3の変数名等を取得することとなる。
【0044】
取得したクラス情報に於ける公開情報に対して、電子化知識4として蓄積する為の処理を行う(S130)。このプロセスは後述する。
【0045】
S100からS130のクラスに於ける電子化知識4の蓄積を、原始プログラム中の全てのクラス情報を取得するまで反復し(S140)、電子化知識4として原始プログラムから蓄積する。尚、本明細書に於いては、JAVA言語を原始プログラムの例として取り上げたため、クラス毎に処理をすることとなっているが、当然のことながら、他のオブジェクト指向言語、オブジェクト指向言語を用いていないプログラミング言語の場合には、プログラム全体に対する処理が完了しているか否かを判別すればよい。
【0046】
S110からS140を反復することによって生成した電子化知識4を保存する為の出力形式を定義した外部ファイルを取得し(S150)、取得した定義の形式に基づいて電子化知識4の出力を行う(S160)。
【0047】
以上のようにS110及びS120に於ける処理が原始プログラムから物理的特徴を抽出するプロセスであり、後述するS130が、抽出した物理的特徴に基づいて論理的特徴を抽出するプロセスとなる。
【0048】
次にS130に於ける公開情報の電子化知識化処理のプロセスの流れを図4から図6のフローチャート図を用いて説明する。
【0049】
S110及びS120に於いて抽出したクラスに於ける公開変数の物理的特徴を電子化知識属性情報テーブルに追加する(S200)。図12の原始プログラムの例では、prop3が公開変数(public型)であるので、この変数に対する物理的特徴を追加する。図12の原始プログラムに於いて、公開変数の物理的特徴を追加した例を図13の(a)に示す。
【0050】
S200に於いて追加した公開変数の物理的特徴に基づいて、その公開変数の論理的特徴(例えば、変数の型等)を電子化知識属性情報テーブルに追加する(S210)。論理的特徴を追加した例を図13の(b)に示す。図12の例では、物理的特徴がlong型であるので、JAVA言語に於いてはlong型は整数型の倍精度を意味しているので、論理的特徴としては、LongIntegerとなる。
【0051】
S200及びS210に於いて追加した物理的特徴と論理的特徴とに基づいて、当該公開変数が取得可能である旨と属性値の更新及び取得が可能であるか否かの情報(即ちsetから始まるメソッド名で参照可能か、getから始まるメソッド名で参照可能かを示す情報)を、電子化知識属性情報テーブルに追加する(S220)。S220の追加を行った例を図13の(c)に示す。S200からS220の処理を、クラスに於ける公開変数全てに対して行う(S230)。
【0052】
公開変数に対する電子化知識化処理終了後、次に公開メソッド(public型のメソッド)に対する電子化知識化処理を行う。
【0053】
クラスに於ける、公開メソッド名がsetで始まり且つ、当該公開メソッドに対する引数が一つであるか否かを判断し(S240)、条件を満たしている場合には、当該公開メソッド名から属性名を導出する(S250)。即ち、図12に於ける原始プログラムでは、setProp1の公開メソッドが抽出され、当該公開メソッドから、属性名としてprop1が導出されることとなる。図14(a)にこの例を示す。
【0054】
S250に於いて導出した属性名が、電子化知識属性情報テーブルに存在するか否かを判断し(S260)、存在しなければ、当該導出した属性名を電子化知識属性情報テーブルに追加する。ここでは、既に電子化知識4として蓄積されている電子化知識属性情報テーブルにprop1は、蓄積されていない(電子化知識属性情報テーブルにはprop3のみ蓄積されている)ので、電子化知識4として新たにprop1を追加する。
【0055】
追加した公開メソッドの物理的特徴を、当該電子化知識属性情報テーブルに追加し(S270)、その後、当該物理的特徴から論理的特徴を作成し追加する(S280)。図12の原始プログラムの例では、図14(b)及び(c)に示した状態となる。図14(b)は物理的特徴を追加した状態であり、図14(c)は論理的特徴を追加した状態である。これらはいずれも原始プログラムに於ける公開メソッドの型、引数、戻り値等から公開変数時の際の処理と同様に、判別、追加が可能である。
【0056】
物理的特徴及び論理的特徴の追加後、電子化知識属性情報テーブルに属性値更新可能であることを追加する(S290)。このようにS240からS290のプロセスを経ることによって、公開メソッドがsetで始まり、且つ引数が一つの場合の電子化知識4の蓄積を行える。図12の原始プログラムのsetProp2に対して同様の処理を行った場合の例を図15に示す。
【0057】
次に、クラスに於ける公開メソッド名がgetで始まり、且つ引数があるか否かを判断し(S300)、条件を満たす場合には、S240からS290と同様に当該公開メソッド名から属性名を導出し(S310)、当該属性名が電子化知識属性情報テーブルに存在しているか否かを判断し(S320)、存在していなければ当該公開メソッドの物理的特徴と論理的特徴とを電子化知識属性情報テーブルに追加する(S330、S340)。又電子化知識属性情報テーブルに属性値が更新可能であることを追加する(S350)。図12の原始プログラムのgetProp1に対してS310からS340の処理を行った場合の例を図16に示す。但し、getProp1は、既に属性名prop1が電子化知識属性情報テーブルに存在する為、物理的特徴及び論理的特徴の処理は為されておらず、更新可能情報のみが追加されることとなる。
【0058】
次にクラスに於ける、公開メソッド名がisで始まり、且つ引数がなく、且つ戻り値の値が真偽値型であるか否かを判断し(S360)、条件を満たす場合にはS240からS290及びS310からS350と同様のプロセスを行う。即ち、当該公開メソッド名から属性名を導出し(S370)、当該属性名が電子化知識属性情報テーブルに存在しているか否かを判断し(S380)、存在していなければ当該公開メソッドの物理的特徴と論理的特徴とを電子化知識属性情報テーブルに追加する(S390、S400)。又電子化知識属性情報テーブルに属性値が更新可能であることを追加する(S410)。
【0059】
クラスに於ける公開メソッド名が、S240、S300、S360のいずれの条件にも合致しない場合には、当該公開メソッド名を操作名として電子化知識操作情報テーブルに追加する(S420)。図12の原始プログラムに於ける、公開メソッドdoSomethingは、S240、S300、S360のいずれにも合致しないので、当該公開メソッド名doSomethingを操作名として電子化知識操作情報テーブルに追加することとなる。この場合の例を図17(a)に示す。
【0060】
電子化知識操作情報テーブルに追加した公開メソッド(この場合はdoSomething)の物理的特徴及び論理的特徴を同様に電子化知識操作情報テーブルに追加する(S430、S440)。この場合の例を図17(b)及び(c)に示す。図17(b)は公開メソッドdoSomethingに於ける入力情報の物理的特徴及び論理的特徴を追加した例であって、図17(c)は公開メソッドdoSomethingに於ける出力情報の物理的特徴及び論理的特徴を追加した例である。
【0061】
以上のように、S240からS440のプロセスを、クラスに於ける全ての公開メソッドに対して反復する(S450)。このようにして原始プログラムから物理的特徴と論理的特徴とを具備した電子化知識4を蓄積することが可能となる。即ち電子化知識属性情報テーブル及び電子化知識操作情報テーブルが電子化知識4となる。又、本発明に於いては、他のメソッドに変数等を引き渡すメソッドとしてそのメソッド名の先頭にgetを付与し、他のメソッドから変数等を取得するメソッドとしてそのメソッド名の先頭にsetを付与したが、これは各プログラムの処理形態に於いて任意に規則(ルール)として設定できるようにしておくことが好適である。
【0062】
次に、インターフェイス形式化手段2のモデリング情報形式化手段12に於いて、データベースから電子化知識4を蓄積する場合のプロセスの流れを図7及び図8のフローチャート図を用いて詳細に説明する。
【0063】
データベースから電子化知識4を生成することを希望する際には、その電子化知識4を生成する元となるデータベースを知識再利用システム1に於けるインターフェイス形式化手段2のモデリング情報形式化手段12に読み込ませる。ここで読み込ませるデータベースのテーブル例を図23に示す。
【0064】
データベースを読み込んだモデリング情報形式化手段12は、当該データベースから指定テーブル・ビューの定義情報を取得する(S500)。図23の例ではデータベースからテーブルDATA_TABLEというテーブルが、電子化知識4の処理対象として開発者によって指定されており、従って、当該テーブルDATA_TABLEを取得することとなる。
【0065】
取得した指定テーブル・ビューの定義情報から、そこに含まれている列名を取得する(S510)。図23の例では、列PROP1、PROP2、PROP3を取得することとなる。従って取得したテーブル名から論理的識別子を導出し、それを電子化知識属性情報テーブルに追加する(この場合は、DataTable)。この状態の電子化知識属性情報テーブルを図24(a)に示す。又併せてテーブル名を物理的特徴として抽出し、電子化知識属性情報テーブルに追加する。この状態の電子化知識属性情報テーブルを図24(b)に示す。
【0066】
取得した各列から、当該列に於ける物理的特徴を抽出し、電子化知識属性情報テーブルに追加する(S520)。従って図23に於いては、物理的特徴として、列名、型、長さ、整数値精度を抽出することとなる。列PROP1では、列名としてPROP1、型としてVARCHAR、長さとして256、精度はデータなしとして抽出することとなる。この状態の電子化知識属性情報テーブルの例を図24(c)に示す。
【0067】
又取得したテーブル・ビューの定義情報から列の論理的特徴を導出して、電子化知識属性情報テーブルに追加する(S530)。図23に於いては、論理的特徴として、論理的な型、長さ、空要素許容性情報を導出し、追加することとなる。従って、論理的な型としてはString(物理的特徴の型がVARCHAR型であって、VARCHAR型は一般的に文字列型を意味している為)、長さとして256、空要素許容性情報としてno(許容しない)となる。この状態の電子化知識属性情報テーブルの例を図24(d)に示す。
【0068】
物理的特徴、論理的特徴を取得後、テーブル・ビューの定義情報から一意制約情報を取得し(S540)、一意制約がある場合には(S550)、電子化知識属性情報テーブルに追加する(S560)。図23に於いては、一意制約があるので、電子化知識属性情報テーブルに一意制約があることを示す「1」のフラグが立つこととなる。この状態の電子化知識属性情報テーブルの例を図24(e)に示す。一意制約がない場合にはこの情報を電子化知識属性情報テーブルに追加しなくて良い。
【0069】
一意制約情報を電子化知識属性情報テーブルに追加した後、又は一意制約がない場合には、電子化知識属性情報テーブルに属性値の更新が可能であるか否か及び取得可能であるか否かの情報を電子化知識属性情報テーブルに追加する(S570)。図23の場合には、属性値の更新及び取得が可能であるので、そのように電子化知識属性情報テーブルに追加することとなり、その状態の電子化知識属性情報テーブルを図24(f)に示す。
【0070】
S510に於いて取得した全ての列に対してS520からS570の処理を反復する(S580)。各列に対して処理を行った例を、図24(g)及び(h)に示す。
【0071】
このようにして生成した電子化知識4を出力する為の出力形式指定ファイルを読み込み(S590)、当該読み込んだ出力形式指定ファイルに従って、電子化知識4を出力する(S600)。
【0072】
次にS100からS600に於いて蓄積した電子化知識4に基づいて、その知識を利用してプログラムを生成するプロセスの流れを図9から図11のフローチャート図と図1と図2のシステム構成図とを用いて詳細に説明する。
【0073】
蓄積した電子化知識4に基づきその知識を利用してプログラムを生成する場合には、蓄積した電子化知識4が完全なものである可能性が低い為、その電子化知識の補正をプログラム生成手段13の補正手段15に於いてまず行う必要がある。その為に、開発者は、どのような実行可能なプログラムの雛形を生成したいのかを定義したコード(プログラム生成方式定義)を指定又はコード化し、当該プログラム生成方式定義から補正用生成様式5(本実施態様に於いては、ResolvePatternComponent.xsl)を取得する(S700)。図18にプログラム生成方式定義を示す。
【0074】
補正用生成様式5は、蓄積された電子化知識4に対して、その電子化知識4に不足している物理的特徴、論理的特徴等を追加・修正、電子化知識4が別の電子化知識4を参照している場合には、その電子化知識4を一つに集約する為の様式が格納されている。
【0075】
まず電子化知識4に物理的特徴、論理的特徴等の追加・修正を行う場合を図19及び図20の電子化知識4を用いて説明する。図19は、補正前の電子化知識4(インターフェイス形式化手段2が作成した電子化知識4)であり、図20は、補正手段15が図19の電子化知識4に対して追加・修正を行った結果作成された、補正後の電子化知識4である。
【0076】
図19に記載されている電子化知識4には、prop20の識別子に於けるname、overview等の論理的特徴が不足している。従って、例えばoverviewの論理的特徴を追加する場合には、当該S700に於いて取得した補正用生成様式5に於けるoverviewの記載方法(ここではOverview of ”identifer” ”datatype”のような記載で格納されており、”identifer”は、タグidentiferに記載されている識別子を、”datatype”は、タグdataTypeに記載されている識別子のデータ型を追加することを意味している)に従って、論理的特徴であるoverviewのタグを追加することとなる。同様に物理的情報についても補正用生成様式5を参照しながら追加補正を行う。
【0077】
次に電子化知識4が別の電子化知識4を参照している場合に、その電子化知識4を一つに集約する為の補正手段15が行う場合を図21の電子化知識4を用いて説明する。
【0078】
図21(a)は、集約前の電子化知識4であって、当該電子化知識4は、他の電子化知識4を参照している(タグreference)。又図21(b)及び(c)は、参照側となる電子化知識4であって、図21(b)はReferenced-Property1を図21(c)はReferenced-Property2である。
【0079】
図21(a)の電子化知識4に於いて、タグreferenceが存在していることから、当該電子化知識4がReferenced-Property1及びReferenced-Property2を参照していることが判明する。従ってこれらの電子化知識4を補正手段15が参照し、図21(a)の電子化知識4に、図21(b)及び(c)の電子化知識4を反映させ、一つの電子化知識4に集約する。又この際に同じ電子化知識4を複数回参照している為には論理的整合性を取る必要から、異なる属性として認識しなければならず、識別子(タグidentifier)が異なるものを自動的に付加する。このようなプロセスを経ることによって、図22に示す、一つに集約された電子化知識4が得られることとなる。
【0080】
S700に於いて取得した補正用生成様式5に従って電子化知識4の集約・修正・追加を行うことによって、論理的整合性がより取れている電子化知識4が補正手段15に於いて生成されたこととなる(S710)。ここで生成された、論理的整合性がより取れている電子化知識4を、解決された電子化知識と呼ぶこととする。
【0081】
S710に於いて生成された、解決された電子化知識が実際に論理的整合性が取れているか否かを判別する為に、プログラム生成方式定義から検証用生成様式6(本実施態様に於いては、CheckPatternComponent.xsl)を取得し(S720)、当該検証用生成様式6に従って、解決された電子化知識の検証を行う。即ち解決された電子化知識に当該検証用生成様式6を適用することによって、解決された電子化知識に論理的矛盾、文法的誤り等の警告が含まれているか、途中でエラー(検証結果が不適)であるか否かの検証結果を生成することとなる(S730)。
【0082】
S730に於ける検証結果に警告が含まれている場合には(S740)、検証手段16が当該警告の内容を通知する(S750)。又検証結果が不適であった場合(エラーになった場合等)では(S760)、その不適となった内容を通知し(S770)、終了する。
【0083】
S740からS770に於いて、何らの通知も発生しなかった場合には、当該電子化知識4は正常に使用できるものであると判断出来る。従ってプログラム生成規則生成手段17が、プログラム生成方式定義から生成規則生成用生成様式7(本実施態様に於いては、GenerateGenerateRule.xsl)を取得し(S780)、生成規則生成用生成様式7を取得できたならば(S790)、解決された電子化知識に、前記取得した生成規則生成用生成様式7を適用してプログラム生成規則を生成する(S800)。図25に解決された電子化知識の例を示し、プログラム生成規則生成手段17に於いて当該電子化知識4に生成規則生成用生成様式7を適用した結果生成されたプログラム生成規則を図26に示す。この例の場合には、生成規則生成用生成様式7には、入力用電子化知識4、適用する生成様式、出力する実行可能なプログラムの雛形の名称が定義されている。
【0084】
S780に於いてプログラム生成規則生成様式が取得できなかったならば、プログラム生成方式定義からプログラム生成規則を取得する(S810)。
【0085】
S800又はS810で生成したプログラム生成規則に於ける各生成単位から、適用する電子化知識名を雛形生成手段18が取得し(S820)、取得した電子化知識名(本実施態様に於いてはTestClass.xml)が電子化知識4の電子化知識名と同一であれば(S830)、解決された電子化知識を電子化知識名に対応する電子化知識4とする(S840)。
【0086】
S820で取得した電子化知識名が電子化知識4の電子化知識名と相違する場合には、当該電子化知識名に対応する電子化知識4を取得する(S850)。
【0087】
雛形生成手段18は、S840又はS850で取得した電子化知識4及びプログラム生成様式8に基づいて、プログラムの出力名に応じたプログラムを生成する。即ち当該プログラム生成規則の生成単位からプログラム生成様式8(CreateArgumentClass.xsl)を取得し、取得したプログラム生成様式8が電子化知識4の内容に応じた外部生成様式を参照する必要がある場合には(S870)、当該プログラム生成様式8に電子化知識4の内容に応じた外部生成様式への参照規則を追加する(S880)。S870に於いて外部生成様式を参照する必要がない場合又はS880で外部生成様式への参照規則を追加後、プログラム生成規則の各生成単位から、出力するプログラムの雛形の名称(本実施態様に於いては、CreatedProgram1.java)を取得し(S890)、プログラム生成様式8に解決された電子化知識(本実施態様に於いては、TestClass.xml)を適用した結果を、プログラムの雛形の出力名(本実施態様では、ArgumentClass1.java)に従って出力する(S900)。ここで雛形生成手段18が出力したプログラムの雛形(ArgumentClass1.java)が、電子化知識4が適用された人間可読なプログラムである。
【0088】
S820からS900に於けるプロセスを、プログラム生成規則の各生成単位を処理するまで反復する(S910)。即ち図26の例では、ArgumentClass1.javaとArgumentClass2.javaとを生成する。
【0089】
プログラム生成規則の各生成単位の処理を終了後、プログラム構成規則生成手段19が、プログラム生成方式定義から構成規則生成用生成様式9(本実施態様に於いては、GenerateBuildRule.xsl)を読み込み(S920)、構成規則生成用生成様式9に電子化知識4を適用した結果であるプログラム構成規則をプログラムの出力名に従って出力する(S930)。ここでプログラム構成規則生成手段19が生成した、プログラム構成規則は、雛形生成手段18が生成したプログラムの雛形をどの順番で目的プログラム生成手段14でコンパイル(プログラムを人間可読から機械可読に変換する)するかを決めている規則であって、所謂メイクファイル(makefile)を意味している。
【0090】
目的プログラム生成手段14は、雛形生成手段18が生成したプログラムの雛形とプログラム構成規則生成手段19が生成したプログラム構成規則とに基づいて、機械可読な(即ち実行可能な)最終目的プログラムを生成する。このようなS100からS930のプロセスの流れを行うことによって、物理的特徴と論理的特徴とが反映された実行可能な最終目的プログラムの生成が可能となる。
【0091】
尚、本明細書に於いては、JAVA言語又はデータベースから電子化知識4をXML言語で生成し、当該生成したXML言語の電子化知識4からJAVA言語のプログラムの雛形を生成し、それを機械可読な最終目的プログラムとして生成する場合を説明したが、それ以外のプログラム言語で電子化知識4を生成し、当該生成する電子化知識4もXML言語以外の電子化知識4で生成し、更にJAVA言語以外のプログラムの雛形を生成しても良い。従ってJAVA言語からXML言語の電子化知識4を生成し、そこからC言語のプログラムの雛形を生成しても良いし、VisualBasic言語からC言語の電子化知識4を生成し、そこからJAVA言語のプログラムの雛形を生成しても良い。
【0092】
又知識再利用システム1に、ネットワークを介して他のコンピュータ端末とデータの送受信を行う公知の通信手段を具備することによって、ネットワークを介した実行可能なプログラムの雛形の生成が可能となる。
【0093】
本発明に於ける各手段、データベースは、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。又データベースの代わりにデータファイルであっても良いことは言うまでもなく、データベースとの記載にはデータファイルをも含んでいる。
【0094】
尚、本発明を実施するにあたり本実施態様の機能を実現するプログラムのプログラムを記録した記憶媒体をシステムに供給し、そのシステムのコンピュータが記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによって実現されることは当然である。
【0095】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラム自体が前記した実施態様の機能を実現することとなり、そのプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を当然のことながら構成することになる。
【0096】
プログラムを供給する為の記憶媒体としては、例えば磁気ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を使用することができる。
【0097】
又、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、上述した実施態様の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステムなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前記した実施態様の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0098】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる不揮発性あるいは揮発性の記憶手段に書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、機能拡張ボードあるいは機能拡張ユニットに備わる演算処理装置などが実際の処理の一部あるいは全部を行い、その処理により前記した実施態様の機能が実現される場合も含まれることは当然である。
【0099】
【発明の効果】
本発明によって、電子化知識に基づくプログラム生成方式を開発ツールから分離することにより、プログラムの生成様式を切り替えることで、任意の生成様式で自動的に実行可能なプログラムの雛形の生成が可能となる。
【0100】
又本発明によって、電子化知識に加え、ユーザインターフェイス上の特徴を一元的に記録しておくことにより、電子化知識に基づくユーザインターフェイスの為のプログラムの生成が可能となる。
【0101】
更に、電子化知識に基づくプログラム生成の仕組みを、インターネット等のネットワークを利用することによって、ネットワークを介したプログラムに関する知識の、実時間での共有と再利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】本発明のシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図3】原始(目的)プログラムのインターフェイス形式化処理のプロセスの流れの一例を示すフローチャート図である。
【図4】電子化知識化処理のプロセスの流れの一例を示すフローチャート図である。
【図5】電子化知識化処理のプロセスの流れの一例を示すフローチャート図である。
【図6】電子化知識化処理のプロセスの流れの一例を示すフローチャート図である。
【図7】モデリング情報形式化処理のプロセスの流れの一例を示すフローチャート図である。
【図8】モデリング情報形式化処理のプロセスの流れの一例を示すフローチャート図である。
【図9】プログラム生成処理のプロセスの流れの一例を示すフローチャート図である。
【図10】プログラム生成処理のプロセスの流れの一例を示すフローチャート図である。
【図11】プログラム生成処理のプロセスの流れの一例を示すフローチャート図である。
【図12】原始プログラムの一例を示す図である。
【図13】公開変数に対する処理後を示す図である。
【図14】公開メソッドに対する処理後を示す図である。
【図15】公開メソッドに対する処理後の他の例を示す図である。
【図16】公開メソッドに対する処理後の他の例を示す図である。
【図17】公開メソッドに対する処理後の他の例を示す図である。
【図18】プログラム生成方式定義を示す図である。
【図19】追加補正前の電子化知識を示す図である。
【図20】追加補正後の電子化知識を示す図である。
【図21】複数の電子化知識を一つに集約する際の電子化知識を示す図である。
【図22】一つの電子化知識に集約した後の電子化知識を示す図である。
【図23】データベースの一例である。
【図24】データベースから生成した電子化知識の一例を示す図である。
【図25】解決された電子化知識の一例を示す。
【図26】プログラム生成規則の一例を示す。
【符号の説明】
1:知識再利用システム
2:インターフェイス形式化手段
3:プログラム手段
4:電子化知識
5:補正用生成様式
6:検証用生成様式
7:生成規則生成用生成様式
8:プログラム生成様式
9:構成規則生成用生成様式
10:原始プログラムインターフェイス形式化手段
11:目的プログラムインターフェイス形式化手段
12:モデリング情報形式化手段
13:プログラム生成手段
14:目的プログラム生成手段
15:補正手段
16:検証手段
17:プログラム生成規則生成手段
18:雛形生成手段
19:プログラム構成規則生成手段
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2008-11-19 
結審通知日 2008-11-21 
審決日 2008-12-10 
出願番号 特願2002-82722(P2002-82722)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (G06F)
P 1 41・ 851- Y (G06F)
P 1 41・ 853- Y (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 桑原 雅子  
特許庁審判長 吉岡 浩
特許庁審判官 冨吉 伸弥
吉田 美彦
登録日 2008-07-11 
登録番号 特許第4154164号(P4154164)
発明の名称 知識再利用システム  
代理人 名越 秀夫  
代理人 吉浦 洋一  
代理人 吉浦 洋一  
代理人 名越 秀夫  

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