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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200520859 審決 特許
無効200680137 審決 特許

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審決分類 審判 一部無効 1項3号刊行物記載  C07H
審判 一部無効 2項進歩性  C07H
管理番号 1191806
審判番号 無効2007-800081  
総通号数 111 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-03-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2007-04-19 
確定日 2009-02-17 
事件の表示 上記当事者間の特許第2502551号発明「高純度アカルボ-ス」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第2502551号の請求項1ないし3に係る発明(出願日 昭和61年12月10日、優先日 昭和60年12月13日、特許の設定登録 平成8年3月13日)は、本件特許明細書の記載から見てその特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された以下のとおりのものである。

【請求項1】
水とは別に約93重量%以上のアカルボース含有量を有する精製アカルボース組成物。

【請求項2】
水とは別に約95?98重量%のアカルボース含有量を有する特許請求の範囲第1項記載の精製アカルボース組成物。

【請求項3】
水とは別に約98重量%のアカルボース含有量を有する特許請求の範囲第1項記載の精製アカルボース組成物。

以下、各請求項に対応する発明を「本件発明1」「本件発明2」「本件発明3」という。

2.請求人の主張の概要

これに対して、審判請求人は、「特許第2502551号の特許請求の範囲の請求項1ないし3に係る発明についての特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、以下の書証を提出し、本件特許の請求項1ないし3に記載の発明は、甲第2号証に記載された発明と同一であり、またそうでないとしても甲第2号証または甲第3号証から当業者が容易に想到し得たものであり、何れも特許法第29条第1項第3号または同条第2項に違反して特許されたものであるから、本件特許は、特許法第123条第1項第2号の規定により無効とされるべきであると主張している。

甲第1号証
特許第2502551号公報(写)
甲第2号証
”Journal of Antibiotics ",Vol.36(1983),p.1166‐1175(写)
甲第3号証
特開昭50-53593号公報(写)
参考資料1
2006年5月改訂(第14版)医薬品インタビューフォーム
「グルコバイ錠50mg、グルコバイ錠100mg」
表紙、目次、p1?13,p52?54

3.被請求人の主張の概要

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、上記請求人の主張する無効理由は、いずれも理由がない旨主張し、以下の書証を提出している。

乙第1号証 請求人の提出した甲第2号証の抄訳
乙第2号証 2007年6月改訂(新様式第1版)
医薬品インタビューフオーム
「グルコバイ錠50mg、グルコバイ錠100mg」
表紙、目次 p1?7、p50

4.当審の判断

4-1 本件発明1について

(1)甲第2号証に基づく無効理由(特許法第29条第1項第3号)について

本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第2号証は「新規α-アミラーゼ阻害剤 トレスタチン類、II.トレスタチンA、BおよびCの構造決定」と題する学術論文であって、放線菌であるStreptomyces dimorphogenes NR320-OM7HBから生産されるトレスタチン複合体の主要な3成分トレスタチンA、B及びCの分子構造の解明について記述された文献である。
そこには、トレスタチン複合体の主要な3成分の1つであるトレスタチンCをDowex50の存在下で加水分解し、濾過により中性フラグメントを除去後、樹脂をNH_(4)OH(1%)で処理し、塩基性フラグメントを得、AmberliteCG-50によるクロマトグラフィーを行うことによって、成分10、11、12および13を含む混合物を得、さらにAmberliteCG-50によるクロマトグラフィーを行い、無色粉末体11を単離したこと(第1174頁、第1?10行)、粉末体11はNMR(核磁気共鳴分析)、FD-MS(電界脱離イオン化質量分析)により分析されたこと(第1168頁下から5?2行)が記載され、その構造は図3の構造式中の11(m=0,n=2)に対応するものであること(第1168頁上段 右の式)が示されている。
この粉末体11は、図3の構造式からみてアカルボースに相当するものであるが、無色の粉末体11に含まれる不純物含量やアカルボース含量については何ら記載がない。
粉末体11についてNMR、FD-MSの分析がされているところから、粉末体11は、これらの分析試料となりうる程度に精製されていることは理解しうるものの、それによっては、水とは別に約93重量%以上のアカルボース含有量を有していることを推認することはできない。

甲第2号証で得られる無色粉末体11が、本件特許明細書に記載の製造方法に従い、同じ出発物質から同じ精製条件によって得られたものであるならば、同様の精製度を有すると推定できるが、甲第2号証の無色粉体11は出発物質も、精製条件も本件明細書の方法と同一であるとはいえない。

そうすると、甲第2号証の方法、すなわちトレスタチンCの加水分解物からの分離操作によって得られた無色粉末体11は本件発明1の「水とは別に約93重量%以上のアカルボース含有量を有する精製アカルボース組成物」と同一であるとすることはできない。

請求人は、本件発明1が甲第2号証の無色粉末体11と同一であるとする根拠として本件特許明細書の、以下の記載を挙げている。
「これらの調製物は依然糖に対する着色反応を呈する二次成分10?15%、灰分1?4%およびいくつかの着色成分の形で不純物を含有する。人間の薬剤に用いるには更に高程度の純度が必要であるが、……。今回驚くことに、上述の技術に従って予備精製したアカルボースは、非常に特に弱い酸性の親水性カチオン交換体により、狭く制限されたp H範囲内において、残存する塩、着色物質及び糖含有の塩基性二次成分から最終的に1段階で精製できることが発見された。これの後のアカルボースの含量は少なくとも90重量%に、好ましくは95?98重量%またはそれ以上に増加し、サルフエート化灰分は0?0.5%に減少し、そして糖様二次成分(sugar‐like secondary component)は10重量%以下、好ましくは2?5重量%又はそれ以下に減少する。」(甲第1号証、第2頁、右欄)
この記載から、予備精製したアカルボース中の不純物のうち「着色成分」はそのものが存在するだけで着色を呈する成分であり、「糖に対する着色反応を呈する二次成分」は「糖(アカルボース)と反応して着色する糖様成分」であるとし(後者については、乙第2号証第5頁の原薬(アカルボース)の安定性試験成績の表を示し、アカルボースの分解によって糖様の成分が増加し、糖様成分の増加に伴う着色が明示されていることを根拠に、糖に対する着色反応を呈する二次成分に、着色する糖様成分が含まれるのは明かであるとしている。)そして、甲第2号証の無色粉末体11はこれらの着色成分を含有しないのであるから純度が高まっており、アカルボース含量は90重量%以上、更に95?98重量%にまでなっている蓋然性が高いと主張している。

しかしながら、当業界においては、糖の定性反応としてモーリッシュ反応、アントロン硫酸法など各種の着色反応が周知であるから、当業者であれば「糖に対する着色反応を呈する二次成分」という文言そのものによって、それが、糖の着色反応を適用した場合に糖と同様に着色する成分を意味すると理解するのであって、これを「糖(アカルボース)と反応して着色している成分」と解する余地はない。
請求人は、乙第2号証第5頁の有効成分の各種条件下における安定性の試験成績の表(30℃、40℃、50℃における耐熱安定性安定性試験、30℃43.2%のRHの耐湿安定性試験)の結果から糖構造を有する分解物[III][V]の増加に伴って着色が見られるとし、「糖に対する着色反応を呈する二次成分」に着色する糖様成分が含まれることは明らかであるとするが、上記の表に、これらの分解物が着色の原因物質であるとの記載はない。かえって、同表の室温での試験結果には「・・わずかな着色を認めたが安定であった。」とのみ記載され、分解物についての言及がないことや、液体状態でのpH、熱に対する安定性試験の結果には、「・・分解物[III]の増加が認められた。また、分解物[V]が・・検出された。」あるいは「・・分解物[II][V]の増加が認められた。」との記載はあっても着色が生じた旨の記載はないのであるから、これらの分解物を直ちに着色物質であるとすることはできない。

そして、そもそも、本件特許明細書において「これらの調製物は依然糖に対する着色反応を呈する二次成分10?15%、灰分1?4%およびいくつかの着色成分の形で不純物を含有する。」と記載されている「調製物」は、アクチノプラネス種から発酵により得られる発酵汁に従来の精製法(甲第1号証には精製法に関する参照文献として、独国特許2347782号及び第2719912号が挙げられている。)を適用して得られる調製物に関する知見であるのに対し、甲第2号証の無色の粉末体11は上記調製物とは全く異なる出発物質(トレスタチン加水分解物)から分離されたものである。したがって、その出発物質中に存在していた不純物の種類や量を上記「調製物」中の不純物組成に基づいて論ずることはできない。
よって、請求人の主張は理由がない。

(2)甲第2、3号証に基づく無効理由(特許法第29条第2項)について

甲第3号証には、アクチノプラネス種の微生物を培養して得られる化合物であって、一般式(構造式は省略する。)で表される化合物が記載されている。そして、実施例8には、アクチノプラネス種の突然変異体もしくは変種に該当する菌株SE50/110(CBS674.73・実施例3及び3頁左下欄参照)を培養して、上記の一般式におけるn=2?6の化合物を得る方法が以下のとおり記載されている。
「実施例8
組成・・・の培養液100l を含有する発酵器に実施例3による予備混合物5l を接種し、撹拌及び通気しながら24℃で5日間培養した。この結果主にn=2の本化合物を含有する 73000SIU/lの培養溶液を得た。
菌糸体を一緒に含む90lの発酵浴を濃HNO_(3)でpH2.5に調節し、撹拌しながら活性炭900 g(=1%)を添加して生成した染料を吸着させた。この混合物を15分間撹拌し、活性炭を3000rpmで遠心分離し、活性炭3kgを添加した上澄液を濾布で最終的に濾過した。この結果SIU60000S IU/lの黄褐色の透明な濾液65lを得た。
この濾液を濃NH_(3)でpH7に調節し、活性炭1300g(2%)と共に30分間撹拌し、活性物質を吸着させた。混合物を濾布で濾過し、活性炭残液を蒸留水10lで3回洗浄した。次いで活性炭を完全に乾燥圧縮し、各々の場合15分間50%アセトン4lでpH2.5 下に3回撹拌し、活性炭から活性物質を脱着させた。活性炭を濾別した後アセトン脱着物を併せ、回転蒸発機で250mlまで濃縮し、同容量(250ml)のメタノールを添加し、この混合物を折りたたんだ流布で濾過した。次いで濾液を激しく撹拌しながらアセトン5lに滴下した。分離した沈殿を濾別し、アセトン及びエーテルで3回洗浄した。次いでこれを35℃で真空乾燥した。収量:8500SIU/gの粗生成物230g。
この粗生成物25 gをH_(2)O 1lに溶解し、ダウエツク50WX4H^(+)(200?400メッシュ)300 gと共に30分間撹拌した。この樹脂を濾別し、0.001N HCl 2lで3回洗浄した。この洗浄したダウエックスをH_(2)O 500mlで懸濁させ、25%NH_(3)を添加してpHを9.0に調節した。次いで更にそれぞれ0.6%NH_(3 )500mlを用いて2回の脱着を行ない、脱着物を併せ、回転蒸発機で100mlまで濃縮した。この濃縮物を脱色するために、これをDEAE-セルロース・・と共に5分間撹拌し、遠心分離した。明黄色の上澄液を同容量(100ml)のメタノールと混合し、混合物を激しく撹拌しながらアセトン2lに滴下した。次いで沈殿を濾過し、アセトン及びエーテルで洗浄し、35℃で真空乾燥した。収量:26000S I U/gを含有して 4.2g。更に細心に精製するために阻害剤 4.0gをビオゲルP-2を通して0.5gずつゲル濾過した。この目的には調製物各0.5gをH_(2)O 10mlに溶解し、溶液をビオゲルP-2カラム(200?400メツシュ、直径5cm及び長さ9.5cm)に通した。このカラムを水の80mg/時の流速で展開させ、12mlの画分を集めた。全画分に対して全炭水化物含量(アンスロン試験用の形体、E620での吸光度)及びサツカラーゼ阻害剤及びアミラーゼ阻害剤の含量を決定した。更に各画分を薄層クロマトグラフィー(実施例1による酵素阻害発色)で試験した。
n=4?6の本化合物が検出された画分を集め、真空下に10mlまで濃縮し、無水酒精200mlに滴下することにより沈殿させた。この沈殿を遠心分離し、アセトン及びエーテルで洗浄し、真空乾燥した粗阻害剤 4.0 g からの収量:17.5×106AIU/g及び8500 S IU/gを有するn=4?6の本化合物 0.2g。n=3の化合物を含有する画分を同一の方法で処理し、アセトン200mlで沈殿させた;粗阻害剤4.0gからの収量:1.4×10^(6)AIU/g及び21000SIU/gを含有するn=3の本化合物 0.1g。更にn=2の化合物を含む画分から 0.3×10^(6)AIU/g及び68000SIU/gを有するn=2の本化合物0.9gを得た。」(第21頁、左上欄?第22頁石上欄)。
上記n=2の化合物は式1d(第7頁左上欄)からみてアカルボースに対応するが、このアカルボースの純度についての記載はない。

実施例8の68000SIU/gを有するアカルボースは、ビオゲルP-2によるゲル濾過を経て得られたものであるが、この処理は、甲第3号証の「本発明の各化合物を純粋な状態で製造するためには、上述の如く製造した予備精製調製物を適当なモレキュラーシーブ、例えばビオ-ゲル(Bio-Gel)P-2・・・で処理し、流出物を薄層クロマトグラフィーで検査する。本発明の純粋な化合物を含有する画分を併せ、再びクロマトグラフィーで処理し、最後に上述の如く濃縮後凍結乾燥し、又は有機溶媒によって沈澱させることができる。」(第6頁右上欄14行?左下欄8行)の記載からすると、純粋な状態のアカルボースを得る手段と考えられていたものである。そうすると、甲第3号証の記載からアカルボースの更なる精製が動機付けられるものではない。

アカルボースの精製手段を記載した文献として請求人が提出した甲第2号証は、前記のとおり、トレスタチンの構造を決定することを目的とし、トレスタチンCをDowex50の存在下で加水分解し、AmberliteCG-50によるクロマトグラフィーによって得られる10、11、12および13の混合物をさらにAmberliteCG-50を用いて無色粉末体11(アカルボース)を単離し、それをNMR(核磁気共鳴分析)、FD-MS(電界脱離イオン化質量分析)の分析試料として使用したものであって、AmberliteCG-50によるクロマトグラフィーは構造解析が可能な程度にまで分解物を分離精製する手段として開示するものである。そして、甲第2号証の手段で得られた粉末体11が無色であることが、直ちに「水とは別に約93重量%以上のアカルボース含有量を有する」ことを意味するものでもないことも前記(1)で述べたとおりである。
したがって、Amberlite CG-50処理が甲第3号証で得られた68000SIU/gのアカルボースをこえる純度のアカルボースを得る手段として有効であるか否かも不明であって、甲第3号証と甲第2号証を組み合わせるべき理由は見いだせない。

請求人は、甲第1号証(第4頁、右欄第14?15行)には、純粋な無水アカルボースの活性は、57.5 gで446550SIUであるとされていることから純度100%のアカルボースの活性は77661SIU/gであり、これに基づいて実施例8の最終的に得られたn=2の化合物の純度を計算すると、87.5%(68000/77661×100=87.5)となるとし、医薬として使用する化合物について、その純度を可能な限り高めることは当然の課題であり、当業者が当然に行うことであって、甲第3号証には、着色成分が除去された無色のアカルボースを得たことが開示されているのであるから、仮に、甲第3号証の実施例8に開示の、純度87.5%のアカルボースが着色していれば、これを甲第2号証の開示に従ってより精製度を高め、本件発明の純度の高いアカルボースを得る程度のことは、当業者であれば誰でも思いつくことであると主張する。
しかし、純粋な無水アカルボースの活性が77661SIU/gであることは、本件特許出願の明細書によってはじめて明らかにされたことであって、甲第3号証において68000SIU/gのアカルボースの純度が87.5%であることは本件特許出願当時、当業者は知り得なかったことである。そうすると、アカルボース(n=2の化合物)が強いサッカラーゼ阻害作用を有し糖尿病などの治療薬としての使用に適することが甲第3号証(第12?13頁)に記載されており、医薬品原料としては高い純度が要求されることが周知であっても、甲第3号証により得られたアカルボースをさらに精製するという課題が当然に存在したということはできない。
また、請求人は、甲第3号証の「本発明の化合物を・・・不活性な化合物と分離するためには、・・本化合物は例えばH形のダウエクス(Dowex)50W・・の如き強酸カチオン交換樹脂と結合する。・・。溶液が50%のアセトンを含有している場合には、アンバーライトIRC-50(H^(+)形)の如き弱酸性交換樹脂と本化合物と非常に良く吸着させることができる。」(第5頁右下欄7行目?第6頁左上7行目)の記載が、甲第2号証の他の糖類からのアカルボースの分離とよく一致するとも主張するが、甲第3号証には、上記の分離方法の記載に続いて「本発明の各化合物を純粋な状態で製造するためには、上述の如く製造した予備精製調製物を適当なモレキュラーシーブ、・・・で処理し、・・検査する。本発明の純粋な化合物を含有する画分を併せ、再びクロマトグラフィーで処理し、最後に上述の如く濃縮後凍結乾燥し、又は有機溶媒によって沈澱させることができる。」(第6頁右上欄14行?左下欄8行)と記載されており、甲第3号証の微生物培養ブロスからのアカルボースの分離において、強酸カチオン交換樹脂と弱酸性交換樹脂による処理は「予備精製調製物」の取得を目的とする処理であることは明白である。

そして、本件発明1の「水とは別に約93重量%以上のアカルボース含有量」は、従来技術で予備精製されたアカルボースについて本件特許の請求項4?10で特定される精製処理を実施することによってはじめて達成されたものと認められるから、本件特許出願当時、これを甲第3号証の予備精製物の延長線上の自明の純度として当業者が予測しえたとすることもできない。

したがって、甲第2号証の分離手段を甲第3号証の実施例8のアカルボースの精製処理に適用すべき動機付けは見いだせず、甲第2号証及び甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が本件発明1を容易に想到し得たとすることはできない。

4-2 本件発明2、3について

本件発明2は「水とは別に約95?98重量%のアカルボース含有量」、本件発明3は「水とは別に約98重量%のアカルボース含有量」を有する精製アカルボース組成物にかかる発明であるから、上記4-1(1)と同様の理由により、これらは甲第2号証に記載された発明ということはできない。
また、4-1(2)と同様の理由により甲第2、3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものということはできない。

5.結び
以上のとおりであるから、請求人の上記主張及び証拠方法によっては、本件発明1?3の特許を無効とすることはできない。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人の負担とすべきものとする。
よって結論のとおり審決する
 
審理終結日 2007-11-27 
結審通知日 2007-11-30 
審決日 2007-12-11 
出願番号 特願昭61-292667
審決分類 P 1 123・ 113- Y (C07H)
P 1 123・ 121- Y (C07H)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 横尾 俊一内藤 伸一  
特許庁審判長 森田 ひとみ
特許庁審判官 穴吹 智子
弘實 謙二
登録日 1996-03-13 
登録番号 特許第2502551号(P2502551)
発明の名称 高純度アカルボ-ス  
代理人 小野 信夫  
代理人 加藤 志麻子  
代理人 北原 潤一  
代理人 中村 閑  
代理人 片山 英二  
代理人 田村 恭子  
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