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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06T |
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管理番号 | 1193394 |
審判番号 | 不服2007-26514 |
総通号数 | 112 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2009-04-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2007-09-27 |
確定日 | 2009-03-17 |
事件の表示 | 特願2001-362478「平面領域特定方法、及び、画像計測装置」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 6月 6日出願公開、特開2003-162725、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1.本願発明の請求項1ないし5に係る発明は、明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし5にその記載のあるとおりのものであるところ、本願特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。 「【請求項1】 画像内で局所運動を検出し、その運動情報を平面の空間パラメータで構成される投票空間に投票して複数の平面の空間パラメータを求め、投票結果のデータを基に局所領域を探索することによって、前記空間パラメータによって特定される複数の平面が画像中で占める領域を特定する平面領域特定方法。」 なお、他の請求項2ないし5に記載された発明は、次のとおりである。 【請求項2】 画像内の任意の位置の局所運動を検出する局所運動検出部と、 その運動情報を投票テーブルに基づいて平面の空間パラメータで構成される投票空間に投票する平面パラメータ投票部と、 その投票結果から複数のピークデータを抽出するピーク抽出部と、 投票したデータ情報を格納する投票データ格納部と、 前記ピーク抽出部から得られた複数のピークデータを基に、前記投票データ格納部を探索して複数の平面領域に含まれる局所領域をそれぞれ特定する平面領域抽出部とを備える画像計測装置。 【請求項3】 画像内で局所視差を検出し、その視差情報を平面の空間パラメータで構成される投票空間に投票して複数の平面の空間パラメータを求め、投票結果のデータを基に局所領域を探索することによって、前記空間パラメータによって特定される複数の平面が画像中で占める領域を特定する平面領域特定方法。 【請求項4】 画像内の任意の位置の局所視差を検出する局所視差検出部と、 その視差情報を投票テーブルに基づいて平面の空間パラメータで構成される投票空間に投票する平面パラメータ投票部と、 その投票結果から複数のピークデータを抽出するピーク抽出部と、 投票したデータ情報を格納する投票データ格納部と、 前記ピーク抽出部から得られた複数のピークデータを基に、前記投票データ格納部を探索して複数の平面領域に含まれる局所領域をそれぞれ特定する平面領域抽出部とを備える画像計測装置。 【請求項5】 被写体に向かって移動するカメラによって異なる時刻にその被写体を撮影して得られた撮影画像から複数の局所領域画像を切り出し、その切り出された局所領域画像ごとに、局所領域画像内の任意の位置の局所運動を検出し、平面の空間パラメータからなる投票空間を構成する複数の配列の要素それぞれに前記検出された運動情報に基づいて得られる投票値を投票し、その投票値を投票値の投票先要素の指定情報と投票値の基礎とされた局所領域画像の指定情報とに対応づけて格納し、前記投票結果から複数のピークデータを抽出し、その抽出された複数のピークデータを基に、前記格納された情報から、前記複数の局所領域画像のうち前記抽出された各ピークの出現に寄与した局所領域画像の指定情報を探索し、その探索された複数の指定情報によって指定される複数の局所領域画像を撮影画像中の複数の平面領域として特定する平面領域特定方法。 2.引用例 (1)特開2000-357235号公報 「所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp0,p1、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一の方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をpinf、前記移動継続状態において前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻における前記計測点の位置をpcとしたとき、 前記計測点の4つの位置pinf,p0,p1,pcで決まる複比{pinfp0p1pc}あるいは該複比と等価な演算を用いて、前記計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求めることを特徴とする画像計測方法。」 (2)特開2001-034770号公報 「a.車両前方の白線を含む路面を撮像する撮像手段、 b.前記撮像手段により得られた路面画像からエッジ点を検出するエッジ点検出手段、 c.前記検出されたエッジ点について局所的な方向を算出するエッジ方向算出手段、 d.前記検出されたエッジ点を、ハフ空間を規定する線分パラメータθ,ρの一方のパラメータが前記算出された方向を基準として所定範囲にわたって等間隔となるようにハフ変換し、よって得たデータ群を、前記エッジ点の路面画像における座標データと共に記憶する記憶手段、 e.前記ハフ空間のピークを少なくとも1個抽出するピーク抽出手段、 f.前記抽出されたピークを前記記憶されたデータ群の前記一方のパラメータの中のいずれかと比較して前記データ群から前記抽出されたピークに投票したデータを検索する検索手段、および g.前記検索されたデータの座標データに基づいて前記路面画像の白線を検出する白線検出手段、を備えたことを特徴とする車両用白線検出装置。」 3.対比 本願発明と引用例1(特開2000-357235号公報)に記載された発明(以下、「引用発明」という。)とを対比すると、本願発明と引用発明とは次の各点で相違する。 (相違点) 本願発明は、投票結果のデータを基に局所領域を探索することによって、空間パラメータによって特定される複数の平面が画像中で占める領域を特定する平面領域特定方法であるのに対して、 引用発明は、所定の観察点から空間内を眺めたときの画像にあらわれた、その空間内の任意の点の、2つの時刻における各位置をそれぞれp0,p1、上記点の、無限時間経過後の位置をpinf、上記点を含む平面が観察点に重なる時刻における上記点の位置をpcとしたとき、上記点の4つの位置pinf,p0,p1,pcで決まる複比{pinfp0p1pc}を用いて、上記平面の方位やその平面が上記観察点に重なる時刻を求める画像計測方法である点。 すなわち、本願発明は、引用発明の改良発明であって、引用発明が解決し残した課題、 「空間パラメータを計測した後に、その計測された平面(空間パラメータによって特定される平面)が画像中のどの領域に存在しているかを特定すること」 を実現した点。 4.当審の判断 前記相違点について判断するに、引用例2(特開2001-34770号公報)には、本願発明を特定する構成要件であるところの 「画像内で局所運動を検出し、その運動情報を平面の空間パラメータで構成される投票空間に投票して複数の平面の空間パラメータを求め、投票結果のデータを基に局所領域を探索することによって、前記空間パラメータによって特定される複数の平面が画像中で占める領域を特定する平面領域特定方法。」 は開示及び記載されていない。 すなわち、本願発明は、 (i)画像内の複数の局所運動を検出し、 (ii)その複数の局所運動情報を平面の空間パラメータで構成される投票空間に投票して複数の平面の空間パラメータを求め、 (iii)投票結果のデータを基に複数の局所領域を探索することによって、空間パラメータによって特定される複数の平面が画像中で占める領域を特定する平面領域特定方法、 であるが、 引用例2に記載された発明は、少なくとも、上記(i)?(iii)に示される構成を備えていない。 つまり、引用例2に記載された発明は、^((1))Hough空間においてピーク(本質的に1個のピーク)を検出するものであり、ピーク検出処理が本願発明のものと相違する。^((2))しかも、引用例2に記載された発明は、1つの平面のパラメータを求めるものであって、複数の平面の空間パラメータを求めるものではない。^((3))更に、引用例2に記載された発明は、複数の平面が画像中で占める領域を特定してはいない。 そして、この相違点に係る構成は、引用例1に、引用例2を組み合わせることによって達成できるものではない。 また、本願発明は、前記「画像内で局所運動を検出し、その運動情報を平面の空間パラメータで構成される投票空間に投票して複数の平面の空間パラメータを求め、投票結果のデータを基に局所領域を探索することによって、空間パラメータによって特定される複数の平面が画像中で占める領域を特定する。」ことにより、明細書記載の顕著な効果を奏するものと認められる。 したがって、本願発明は、引用発明及び他の引用例に記載された発明、そして周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 そして、請求項2ないし5に係る発明も本願発明と同様の理由により引用発明及び他の引用例に記載された発明、そして周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 また、他の拒絶理由を見出すことができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2009-03-04 |
出願番号 | 特願2001-362478(P2001-362478) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G06T)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 新井 則和 |
特許庁審判長 |
原 光明 |
特許庁審判官 |
伊藤 隆夫 加藤 恵一 |
発明の名称 | 平面領域特定方法、及び、画像計測装置 |
代理人 | 松倉 秀実 |
代理人 | 平川 明 |
代理人 | 遠山 勉 |
代理人 | 高田 大輔 |