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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G02B
審判 査定不服 4項1号請求項の削除 特許、登録しない。 G02B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02B
管理番号 1196536
審判番号 不服2008-5687  
総通号数 114 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-03-06 
確定日 2009-04-30 
事件の表示 特願2002-235088「レンズ移動機構及び液晶プロジェクタ」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 3月11日出願公開、特開2004- 77612〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成14年(2002年)8月12日の出願(特願2002-235088号)であって、平成20年2月1日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年3月6日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされ、同年3月26日付けで手続補正がなされたものである。

第2 平成20年3月26日付けの手続補正についての補正の却下の決定について

[補正の却下の決定の結論]
平成20年3月26日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

1 本件補正について
本件補正により、特許請求の範囲は、平成19年11月21日付け手続補正書の特許請求の範囲に記載の、
「【請求項1】 画像情報を有する光を投射する投写レンズを内部に備えるレンズ鏡筒を保持するレンズ保持部材と、該レンズ保持部材を前記光の光軸に対して直交し、且つ互いに直交する第1及び第2の2軸方向に移動自在に案内するレンズ保持部材案内手段と、該レンズ保持部材案内手段を支える固定側支持部材と、前記レンズ鏡筒を前記第1或いは第2の方向に移動させるための駆動力を付与する駆動力付与手段とを備えたレンズ移動機構であって、
前記レンズ保持部材と前記固定側支持部材とを中継する中間部材を具備し、
前記レンズ保持部材案内手段は、前記固定側支持部材と前記中間部材との間に設けられた第1案内手段と、前記中間部材と前記レンズ保持部材との間に設けられた第2案内手段とを具備し、
前記第1案内手段は前記中間部材を前記第1の軸方向に案内し、前記第2案内手段は前記レンズ保持部材を前記第2の軸方向に案内し、
前記第1案内手段及び第2案内手段は、それぞれ長手方向に沿って転動体転走面が設けられた軌道部材と、該軌道部材の転動体転走面に対応する転動体転走面が設けられて前記軌道部材と相対運動自在に組み込まれた移動部材と、前記軌道部材の転動体転走面と前記移動部材の転動体転走面の間に配置された複数の転動体とを具備し、
前記第1案内手段及び第2案内手段がそれぞれ具備する軌道部材及び移動部材は前記光の光軸方向において略同じ位置に配置されていることを特徴とするレンズ移動機構。
【請求項2】 請求項1に記載のレンズ移動機構において、
前記レンズ保持部材案内手段の軌道部材及び移動部材の幅方向は前記光軸と略一致していることを特徴とするレンズ移動機構。
【請求項3】 請求項1又は2に記載のレンズ移動機構において、
前記レンズ保持部材案内手段の転動体と軌道部材及び移動部材の転動体転走面の間に予
圧を付与していることを特徴とするレンズ移動機構。
【請求項4】 請求項1又は2又は3に記載のレンズ移動機構において、
前記軌道部材は板状素材からなり長手方向に対して直角な断面形状が略コの字形状で幅方向両内側に前記転動体転走面が設けられたアウターレールであり、前記移動部材は板状素材からなり長手方向に対して直角な断面形状が略コの字形状で幅方向両外側に前記転動体転走面が設けられたインナーレールであり、前記転動体の各々を回転自在に保持する転動体保持器を具備することを特徴とするレンズ移動機構。
【請求項5】 請求項1又は2又は3に記載のレンズ移動機構において、
前記軌道部材は幅方向両側に前記転動体転走面が設けられた軌道レールからなり、前記移動部材は前記軌道レールの転動体転走面に対応する転動体転走面を含む無限循環路が設けられた移動ブロックからなり、前記転動体は前記無限循環路内に配列収容されて前記軌道レール及び前記移動ブロックの相対運動に伴って循環することを特徴とするレンズ移動機構。
【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレンズ移動機構と、液晶パネルを内部に備えたプロジェクタ筐体を具備し、
前記液晶パネルからの画像情報を有する光を前記レンズ移動機構が保持する投写レンズに投射するように構成したことを特徴とする液晶プロジェクタ。」が

「【請求項1】 画像情報を有する光を投射する投写レンズを内部に備えるレンズ鏡筒を保持するレンズ保持部材と、該レンズ保持部材を前記光の光軸に対して直交し、且つ互いに直交する第1及び第2の2軸方向に移動自在に案内するレンズ保持部材案内手段と、該レンズ保持部材案内手段を支える固定側支持部材と、前記レンズ鏡筒を前記第1或いは第2の方向に移動させるための駆動力を付与する駆動力付与手段とを備えたレンズ移動機構であって、
前記レンズ保持部材と前記固定側支持部材とを中継する中間部材を具備し、
前記レンズ保持部材案内手段は、前記固定側支持部材と前記中間部材との間に設けられた第1案内手段と、前記中間部材と前記レンズ保持部材との間に設けられた第2案内手段とを具備し、
前記第1案内手段は前記中間部材を前記第1の軸方向に案内し、前記第2案内手段は前記レンズ保持部材を前記第2の軸方向に案内し、
前記第1案内手段及び第2案内手段は、それぞれ長手方向に沿って転動体転走面が設けられた軌道部材と、該軌道部材の転動体転走面に対応する転動体転走面が設けられて前記軌道部材と相対運動自在に組み込まれた移動部材と、前記軌道部材の転動体転走面と前記移動部材の転動体転走面の間に配置された複数の転動体とを具備し、
前記第1案内手段及び第2案内手段がそれぞれ具備する軌道部材及び移動部材は前記光の光軸方向において略同じ位置に配置されており、
前記レンズ保持部材案内手段の軌道部材及び移動部材の幅方向は前記光軸と略一致しており、
前記レンズ保持部材案内手段の転動体と軌道部材及び移動部材の転動体転走面の間に予圧を付与していることを特徴とするレンズ移動機構。
【請求項2】 請求項1に記載のレンズ移動機構において、
前記軌道部材は板状素材からなり長手方向に対して直角な断面形状が略コの字形状で幅方向両内側に前記転動体転走面が設けられたアウターレールであり、前記移動部材は板状素材からなり長手方向に対して直角な断面形状が略コの字形状で幅方向両外側に前記転動体転走面が設けられたインナーレールであり、前記転動体の各々を回転自在に保持する転動体保持器を具備することを特徴とするレンズ移動機構。
【請求項3】 請求項1に記載のレンズ移動機構において、
前記軌道部材は幅方向両側に前記転動体転走面が設けられた軌道レールからなり、前記移動部材は前記軌道レールの転動体転走面に対応する転動体転走面を含む無限循環路が設けられた移動ブロックからなり、前記転動体は前記無限循環路内に配列収容されて前記軌道レール及び前記移動ブロックの相対運動に伴って循環することを特徴とするレンズ移動機構。
【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレンズ移動機構と、液晶パネルを内部に備えたプロジェクタ筐体を具備し、
前記液晶パネルからの画像情報を有する光を前記レンズ移動機構が保持する投写レンズに投射するように構成したことを特徴とする液晶プロジェクタ。」と補正された。

そして、この補正は、
(1)旧請求項1,2を削除するとともに、旧請求項3の旧請求項2を引用した部分を新請求項1とする補正事項、
(2)旧請求項4?6を、補正事項(1)に伴い請求項2?4とし、引用請求項の番号を整合させる補正事項。
からなる。
上記の補正事項(1)は、請求項の削除を目的とする補正事項、及び、旧請求項3に含まれる2つの発明のうちの1つの発明に限定する補正事項、すなわち、特許請求の範囲のいわゆる限定的減縮を目的とする補正事項を含む。一方、上記補正事項(2)は、複数の発明を含む請求項において、そのうちの一部の発明に限定するものであるから、特許請求の範囲のいわゆる限定的減縮を目的とするものに該当する。
すなわち、上記補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下「平成18年改正前特許法」という。)第17条の2第4項第2号に掲げる事項を目的とするものを含む。

2 独立特許要件違反についての検討
そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する特許法第126条第5項の規定に適合するか)について検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、平成20年3月26日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載されているとおりのものである(「第2 平成20年3月26日付けの手続補正についての補正の却下の決定について」の「1 本件補正について」の記載参照)。

(2)引用例
ア 引用例1
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平11-327043号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面の記載とともに以下の事項が記載されている。(下記の「イ 引用例1に記載された発明の認定」において直接引用した記載に下線を付した。)

「【0002】
【従来の技術】特開平5-27324号公報には、投影画像をスクリーンに対して平行な方向にシフト可能な液晶プロジェクターが開示される。ここに開示される液晶プロジェクターは、光源からの平行光束を透過型の液晶表示パネルに入射させて変調し、透過光を集光レンズおよび投影レンズを介してスクリーン上に投影するよう構成されている。
【0003】集光レンズおよび投影レンズは、一体として光軸と直交する一次元方向に平行移動できるようレンズ移動機構に組み付けられており、これらのレンズの移動調整により本体を移動させずに、かつ、画像を歪ませずにその投影範囲をスクリーンに対して平行な方向にシフトさせるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の液晶プロジェクターに用いられている透過型の液晶表示パネルでは、集積度が高まるにしたがい、光が透過する部分の面積に対して駆動回路等を設ける不透過部分の面積の比率が大きくなるため、同一サイズの変調素子を用いて解像度を高めようとすると、光の利用効率が低下するという問題がある。
【0005】光の利用効率を低下させずに解像度を高めるためには、反射型の変調素子、例えば反射型の液晶表示パネルや、独立して角度制御可能な微小ミラーが多数二次元配置して構成されるディジタルマイクロミラーデバイス(DMD、日本テキサスインスツルメンツ(株)の商標)等を利用すればよい。反射型の変調素子では、駆動回路等を裏面に配置できるため、表面上では反射部分の比率を高く保つことができるからである。」

「【0013】図1に示されるように、実施形態の反射型画像投影装置1の光学系は、照明光を発する光源部2と、光源部2からの照明光を画像に応じて変調して反射させる反射型変調素子3と、反射型変調素子3の手前に配置されたコンデンサレンズ4と、反射型変調素子3により反射された光をスクリーン5上に投影する投影レンズ6とを備えている。
【0014】光源部2は、反射型変調素子3に対して光を斜め方向から入射させるようその光軸が反射型変調素子3に対して傾いて配置されている。これに対してコンデンサレンズ4と投影レンズ6とは、いずれも光軸が反射型変調素子3に対してほぼ垂直となるよう配置されている。以下の説明では、コンデンサレンズ4と投影レンズ6との光軸を含む図1の紙面内でこれらの光軸と直交する方向を上下方向、図1の紙面と垂直で光軸と直交する方向を左右方向と定義する。
【0015】光源部2は、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、超高圧水銀灯等の高輝度ランプ2aと、高輝度ランプ2aからの無指向性の光をほぼ平行光として反射型変調素子3側に向けるリフレクタ2bと、この平行光を収束させて反射型変調素子3の手前で二次光源を形成する光源用コンデンサレンズ2cとを備えている。
【0016】反射型変調素子3は、反射型の液晶表示パネルや、前述したディジタルマイクロミラーデバイス等を用いることが可能であるが、この例では反射型の液晶パネルを用いるものとする。反射型の液晶表示パネルでは、駆動回路等は裏面に配置すれば足りるため、集積度が高くなったとしても、光を反射させる部分の面積比率を低下させる必要がなく、従来の透過型の液晶表示パネルを用いる場合と比較して、同一サイズ、同一解像度であれば、光の利用効率を高めることができる。
【0017】コンデンサレンズ4は、光源部2から発して反射型変調素子3に入射する光と、反射型変調素子3で反射されて投影レンズ6に入射する光とが透過する位置に配置された正レンズである。そして、投影レンズ6は、実際には複数のレンズ群から構成されるズームレンズであり、レンズ群間の距離を変化させることにより投影倍率を変化させることができる。ここでは、投影レンズ6の反射型変調素子3側の瞳位置の変化を小さく抑えるため、レンズ群の移動による絞り位置の変化が少ないタイプのレンズが用いられている。
【0018】上記の構成によると、高輝度ランプ2aから発した光はリフレクタ2bにより反射され、光源用コンデンサレンズ2cを介して収束され、コンデンサレンズ4の手前で二次光源の像を形成する。ここから発散光としてコンデンサレンズ4に入射した照明光は、コンデンサレンズ4のパワーによりほぼ平行光に近い状態とされて反射型変調素子3に入射する。そして、反射型変調素子3で変調・反射された光は、再びコンデンサレンズ4を透過して収束光となり、投影レンズ6を介してスクリーン5上に画像を形成する。
【0019】実施形態の装置1は、スクリーン5に投影される画像を歪めることなく、その投影範囲をスクリーン5に対して二次元方向に平行移動させるため、投影レンズ6を当該投影レンズ6の光軸と直交する方向にシフトさせる第1の支持機構10を備え、投影レンズ6のシフトに合わせて反射光の方向を変更するため、コンデンサレンズ4を当該コンデンサレンズ4の光軸と直交する方向にシフトさせる第2の支持機構20を備える。投影範囲をシフトさせるためには、投影レンズ6を光軸に直交する面内で平行移動させればよいが、投影レンズ6のみを移動させると、反射型変調素子3からの反射光を投影レンズ6に対して有効に入射させることができない。そこで、投影レンズ6のシフトに対応させて、移動後の投影レンズ6の瞳に反射光が効率よく入射するようコンデンサレンズ4をシフトさせることとしている。
【0020】両支持機構10,20は、モータ等の駆動機構を備えた電気的に制御可能な機構であり、使用者が操作する範囲シフトスイッチ30からの指令を受けた制御回路(コンピュータ)40により制御される。範囲シフトスイッチ30には、上下左右に対応して4つのボタン31?34が設けられており、これらの一つを押すことにより、押されたボタンの方向に応じてスクリーン5上の画像の投影範囲をシフトさせるように第1、第2の支持機構10,20を制御して投影レンズ6、コンデンサレンズ4をシフトさせる。すなわち、制御回路40は、第1の支持機構10による投影レンズ6のシフト量に応じてコンデンサレンズ4のシフト量を定め、第2の支持機構20を作動させるリンク手段としての機能を備えている。
【0021】投影レンズ6のシフト量とコンデンサレンズ4のシフト量との関係は、コンデンサレンズ4の倍率により変化する。ここでコンデンサレンズ4の倍率をM、コンデンサレンズ4のシフト量をδ1、投影レンズ6のシフト量をδ2とすると、制御回路40は、
δ2=(1-M)δ1
の関係を満たすように各支持機構10,20を制御すればよい。例えば等倍のコンデンサレンズ4を利用する場合には、M=-1となり、投影レンズ6のシフト量δ2はコンデンサレンズ4のシフト量δ1の2倍となる。
【0022】第1の支持機構10は、具体的には、例えば図2に示されるように、投影レンズ6を二次元方向にシフト可能に保持するテーブル機構11と、テーブル機構11を二次元方向に駆動する駆動手段としてのモータ12,13とを備える。テーブル機構11は、サイズの異なる3つの矩形の第1、第2、第3の枠体14,15,16を備え、最も小さい第1の枠体14は第2の枠体15の内部で図2中上下方向に移動可能であり、第2の枠体15は最も大きい第3の枠体16の内部で図2中左右方向に移動可能である。
【0023】投影レンズ6は、最も小さい第1の枠体14に固定され、最も大きい第3の枠体16は装置に固定されている。第1の枠体14には、図中左右の辺の外側に2つづつガイド部材14aが取り付けられている。また、第2の枠体15の内側には、上下方向に沿って2本のシャフト15aが架設されている。第1の枠体14は、ガイド部材14aにシャフト15aを貫通させた状態で支持されている。シャフト15aのうちの一方(図中左側)にはネジ山が形成されており、これを貫通させるガイド部材14aには、このネジ山に螺合するネジ山が形成されている。モータ12は、このネジ山が形成されたシャフトを回転させることにより、第2の枠体15に対して第1の枠体14を上下方向に平行移動させる。
【0024】第2の枠体15の図2中上下の辺の外側にも、ガイド部材15bが取り付けられており、第3の枠体16にはこれらを貫通するシャフト16aが架設されている。ここでも同様にシャフトのうちの一方にネジ山が形成され、これがモータ13により回転駆動されることにより、第3の枠体16に対して第2の枠体15を左右方向に平行移動させる。
【0025】コンデンサレンズ4をシフトさせる第2の支持機構20も、図2に示した第1の支持機構10と同様に構成されている。上記の構成によれば、範囲シフトスイッチ30の各ボタン31?34を押す毎に、第1、第2の支持機構10,20が駆動されて投影レンズ6とコンデンサレンズ4とをシフトさせ、スクリーン5上に投影される画像を歪ませずに、その投影範囲を上下、左右にシフトさせることができる。また、投影範囲のサイズがスクリーン5のサイズに適合しない場合には、投影レンズ6をズームさせて投影倍させ、サイズが適合するよう調整することができる。
【0026】したがって、スクリーン5の位置が固定され、かつ、その正面に投影装置1を配置できないような場合にも、投影範囲を任意にシフトさせてスクリーン5上に画像を投影することができる。また、スクリーン5と装置との距離が自由に設定できない場合でも、その距離に応じて投影レンズ6の倍率を変更することにより、スクリーン5のサイズに適合した範囲に画像を投影することができる。」

イ 引用例1に記載された発明の認定
上記記載事項及び図面の記載からみて、引用例1には、投影レンズのシフト機構に関し、
「高輝度ランプ2aから発した光は、コンデンサレンズ4のパワーによりほぼ平行光に近い状態とされて反射型変調素子3に入射し、反射型変調素子3で変調・反射され、再びコンデンサレンズ4を透過して収束光となり、投影レンズ6を介してスクリーン5上に画像を形成し、
投影レンズ6を当該投影レンズ6の光軸と直交する方向にシフトさせる第1の支持機構10を備え、
第1の支持機構10は、投影レンズ6を二次元方向にシフト可能に保持するテーブル機構11と、テーブル機構11を二次元方向に駆動する駆動手段としてのモータ12,13とを備え、テーブル機構11は、サイズの異なる3つの矩形の第1、第2、第3の枠体14,15,16を備え、最も小さい第1の枠体14は第2の枠体15の内部で上下方向に移動可能であり、第2の枠体15は最も大きい第3の枠体16の内部で左右方向に移動可能であり、
投影レンズ6は、最も小さい第1の枠体14に固定され、最も大きい第3の枠体16は装置に固定され、
第1の枠体14には、左右の辺の外側に2つづつガイド部材14aが取り付けられ、第2の枠体15の内側には、上下方向に沿って2本のシャフト15aが架設され、第1の枠体14は、ガイド部材14aにシャフト15aを貫通させた状態で支持され、
シャフト15aのうちの一方にはネジ山が形成されており、これを貫通させるガイド部材14aには、このネジ山に螺合するネジ山が形成され、モータ12は、このネジ山が形成されたシャフトを回転させることにより、第2の枠体15に対して第1の枠体14を上下方向に平行移動させ、
第2の枠体15の上下の辺の外側にも、ガイド部材15bが取り付けられ、第3の枠体16にはこれらを貫通するシャフト16aが架設され、
ここでも同様にシャフトのうちの一方にネジ山が形成され、これがモータ13により回転駆動されることにより、第3の枠体16に対して第2の枠体15を左右方向に平行移動させている投影レンズのシフト機構。」の発明(以下、「引用発明」という。)の記載が認められる。

ウ 引用例2
また、原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平5-53196号公報(以下、「引用例2」という。)には、図面の記載とともに以下の事項が記載されている。
「【0012】図7は、この各スライドレール7の構造を具体的に示すもので、73はトロリー本体31に固定された固定側レールであり、該固定側レール73は、スライドレールの強度上の配慮から、その内側に下記する中間スライド板と下部スライド板を収納すべく断面コ字状に構成され、その内側の三方の面に、下記する各中間スライド板のレール部をその幅方向で外側から拘束できるよう、1対の断面鈎状ないし弧状のレール部731a、731b、731cがそれぞれ設けられている。
【0013】この固定側レール73内側のレール部731a、731b、731cに対向して、3つの中間スライド板71a、71b、71cが配されている。これら各中間スライド板は、その各片面側に1対のレール部711a、711b、711cおよび712a、712b、712cが突設され、その片面側の各1対のレール部711a、711b、711cが前記レール部731a、731b、731cの内側に位置している。これらレール部711a、711b、711cとレール部731a、731b、731cとの間にはベアリング10が介在し、各中間スライド板は上記各レール部731a、731b、731cに対して上下方向でスライド移動可能となっている。
【0014】固定側レール73の内側には、さらに断面コ字状の下部スライド板72が配されている。この下部スライド板72は、そのコ字状両側辺の外側とコ字状中央辺の内側に、それぞれ1対の断面鈎状ないしは弧状のレール部721a、721b、721cが設けられ、これら各1対のレール部の内側に前記中間スライド板71のレール部712a、712b、712cが位置するように配されている。これらレール部721a、721b、721cとレール部712a、712b、712cとの間にはベアリング10が介在し、下部スライド板72は中間スライド板71a、71b、71cに対して上下方向でスライド移動可能となっている。
【0015】以上のようなスライドレール7の構造では、固定側レール73と中間スライド板71、および中間スライド板71と下部スライド板72は、それぞれいずれか一方のレール部が他方のレール部をその外側から拘束しているため、スライドレールの幅方向および厚さ方向での強度を十分確保することができる。」

エ 引用例3
また、原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平10-141372号公報(以下、「引用例3」という。)には、図面の記載とともに以下の事項が記載されている。
「【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。第1図はこの発明の一実施の形態に係るリニアガイド装置を示すもので、レール本体10は、移動方向(矢印A,B方向)に対応して案内レール10aが設けられる。そして、この案内レール10aを挟んだレール本体10の両側部には、二対のボール案内溝10b,10b(10c,10c)が移動方向に積重状に設けられ、これらボール案内溝10b,10b(10c,10c)には、固体潤滑被膜(図の都合上、図示せず)が後述するように形成される。
【0014】また、レール本体10には、略コ字状のスライダ本体11が矢印A,B方向に移動自在に組付けられる(図2参照)。スライダ本体11には、その中央部に案内部11aがレール本体10の案内レール10aに対応して設けられる。そして、この案内部11aを挟んだスライダ本体11の両側部には、図2に示すようにリング状をした二対のボール循環路11b(11c)(図2中では、図の都合上、一方側のみを図示)がレール本体10のボール案内溝10b,10b(10c,10c)に対応して積重状に設けられる。
【0015】この二対のボール循環路11b(11c)は、その内面に固体潤滑被膜(図の都合上、図示せず)がスパッタリング法、あるいはイオンプレーティング法等により形成され、その所定の位置には、開口部12がレール本体10のボール案内溝10b,10b(10c,10c)に対向するように形成される。そして、このボール循環路11b(11c)には、それぞれ複数のボール12が回転移動自在に収容される。この複数のボール12は、その表面部がポーラスな状態に形成され、ボール循環路11b(11c)の開口部11dから僅かに突出されてレール本体10のボール案内溝10b,10b(10c,10c)に接触して回転移動される。」

オ 引用例4
また、原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2001-214933号公報(以下、「引用例4」という。)には、図面の記載とともに以下の事項が記載されている。
「【0026】負荷転走溝5a,5bは、ボール転走溝4a,4bに対応してねじれていてもよいし、ねじれていなくてもよい。負荷転走溝5a,5bをボール転走溝4a,4bに対応してねじる場合、レール1と移動ブロック2とをボール6を介して組み込み、案内装置に所定の与圧を付与する。一方、負荷転走溝5a,5bをねじることなく直線状に形成した場合、ボールの周囲に僅かな遊びを持たせて、レール1と移動ブロックとを組み、案内装置に与圧を付与しない。」

(3)対比
ア ここで、本願補正発明と引用発明とを対比する。

引用発明の「高輝度ランプ2aから発した光」は、「投影レンズ6を介してスクリーン5上に画像を形成」する点は、本願補正発明の「画像情報を有する光を投射する投写レンズを内部に備える」点に相当する。

引用発明の「最も小さい第1の枠体14」は、投影レンズを固定するものであるから、引用発明の「最も小さい第1の枠体14」と、本願補正発明の「投写レンズを内部に備えるレンズ鏡筒を保持するレンズ保持部材」とは、「投写レンズを保持するレンズ保持部材」である点で一致している。

引用発明の「ガイド部材14a」と「シャフト15a」は、レンズ保持部材である「最も小さい第1の枠体14」を上下に移動可能に支持するものであり、引用発明の「ガイド部材15b」と「シャフト16a」は、上記「最も小さい第1の枠体14」を支持している「第2の枠体15」を左右に移動可能に支持するものであるから、引用発明の「「ガイド部材14a」と「シャフト15a」、及び、「ガイド部材15b」と「シャフト16a」」と、本願補正発明の「レンズ保持部材を前記光の光軸に対して直交し、且つ互いに直交する第1及び第2の2軸方向に移動自在に案内するレンズ保持部材案内手段」とは、「レンズ保持部材を互いに直交する第1及び第2の2軸方向に移動自在に案内するレンズ保持部材案内手段」である点で一致する。

引用発明の「最も大きい第3の枠体16」は、レンズ保持部材案内手段である上記の「「ガイド部材14a」と「シャフト15a」、及び、「ガイド部材15b」と「シャフト16a」」を支持するものであるということができ、また、装置に固定されているものであるから、引用発明の「最も大きい第3の枠体16」は、本願補正発明の「レンズ保持部材案内手段を支える固定側支持部材」に相当する。

引用発明の「モータ12」は第1の枠体14を上下方向に平行に移動させるものであり、「モータ13」は第2の枠体15を左右方向に平行に移動させるものであるから、引用発明の「モータ12」及び「モータ13」と、本願補正発明の「レンズ鏡筒を前記第1或いは第2の方向に移動させるための駆動力を付与する駆動力付与手段」とは、「レンズを前記第1或いは第2の方向に移動させるための駆動力を付与する駆動力付与手段」である点で一致する。

引用発明の「第2の枠体15」は、レンズ保持部材に相当する第1の枠体14を移動可能に支持し、固定側支持部材に相当する第3の枠体に移動可能に支持されるものであるから、引用発明の「第2の枠体15」は、本願補正発明の「前記レンズ保持部材と前記固定側支持部材とを中継する中間部材」に相当する。

引用発明の「ガイド部材15b」と「シャフト16a」は、固定側支持部材に相当する「最も大きい第3の枠体16」と、中間部材に相当する「第2の枠体15」の間に設けられた支持部材であるから、引用発明の「ガイド部材15b」と「シャフト16a」は、本願補正発明の「前記固定側支持部材と前記中間部材との間に設けられた第1案内手段」に相当する。

引用発明の「ガイド部材14a」と「シャフト15b」は、中間部材に相当する「第2の枠体15」と、レンズ保持部材に相当する「最も小さい第1の枠体14」間に設けられた支持部材であるから、引用発明の「ガイド部材14a」と「シャフト15b」は、本願補正発明の「前記中間部材と前記レンズ保持部材との間に設けられた第2案内手段」に相当する。

引用発明の「第2の枠体15の上下の辺の外側にも、ガイド部材15bが取り付けられ、第3の枠体16にはこれらを貫通するシャフト16aが架設され」る点が、本願補正発明の「前記第1案内手段は前記中間部材を前記第1の軸方向に案内」する点に相当する。

引用発明の「第1の枠体14には、左右の辺の外側に2つづつガイド部材14aが取り付けられ、第2の枠体15の内側には、上下方向に沿って2本のシャフト15aが架設され、第1の枠体14は、ガイド部材14aにシャフト15aを貫通させた状態で支持され」る点が、本願補正発明の「前記第2案内手段は前記レンズ保持部材を前記第2の軸方向に案内」する点に相当する。

引用発明の「投影レンズのシフト機構」は、本願補正発明の「レンズ移動機構」に相当する。

イ 一致点
したがって、本願補正発明と引用発明は、
「画像情報を有する光を投射する投写レンズを保持するレンズ保持部材と、該レンズ保持部材を、互いに直交する第1及び第2の2軸方向に移動自在に案内するレンズ保持部材案内手段と、該レンズ保持部材案内手段を支える固定側支持部材と、前記レンズを前記第1或いは第2の方向に移動させるための駆動力を付与する駆動力付与手段とを備えたレンズ移動機構であって、
前記レンズ保持部材と前記固定側支持部材とを中継する中間部材を具備し、
前記レンズ保持部材案内手段は、前記固定側支持部材と前記中間部材との間に設けられた第1案内手段と、前記中間部材と前記レンズ保持部材との間に設けられた第2案内手段とを具備し、
前記第1案内手段は前記中間部材を前記第1の軸方向に案内し、前記第2案内手段は前記レンズ保持部材を前記第2の軸方向に案内するレンズ移動機構。」の発明である点で一致し、次の各点で相違する。

ウ 相違点
(ア)相違点1;
レンズ保持部材のレンズの保持構造に関して、本願補正発明が、レンズを内部に備えるレンズ鏡筒をレンズ保持部材が保持するのに対して、引用発明にはその限定がない点。

(イ)相違点2;
本願補正発明では、レンズ保持部材案内手段が、投射された光の光軸に対して直交する方向にレンズ保持部材を案内し、したがって、前記レンズ保持部材案内手段の軌道部材及び移動部材の幅方向は前記光軸と略一致しているのに対して、引用発明にはその限定がない点。

(ウ)相違点3;
第1案内手段と第2案内手段が、本願補正発明においては、それぞれ、「長手方向に沿って転動体転走面が設けられた軌道部材と、該軌道部材の転動体転走面に対応する転動体転走面が設けられて前記軌道部材と相対運動自在に組み込まれた移動部材と、前記軌道部材の転動体転走面と前記移動部材の転動体転走面の間に配置された複数の転動体とを具備」する構造、及び「レンズ保持部材案内手段の転動体と軌道部材及び移動部材の転動体転走面の間に予圧を付与している」構造を有するものであるのに対して、引用発明にはその限定がない点。

(エ)相違点4;
本願補正発明が、「第1案内手段及び第2案内手段がそれぞれ具備する軌道部材及び移動部材は前記光の光軸方向において略同じ位置に配置されて」いるのに対して、引用発明にはその限定がない点。

(4)当審の判断
ア 次に、各相違点について検討する。

(ア)相違点1について
レンズの保持構造として、鏡筒によって保持することは、周知の技術であるといえる。
したがって、 引用発明においても、レンズ保持部材によるレンズ保持構造として、上記周知技術を適用し、レンズを内部に備えるレンズ鏡筒をレンズ保持部材が保持する構造として、上記相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項を得ることは、当業者が容易に想到し得ることである。

(イ)相違点2について
引用例1には引用発明の従来技術として、投射された光の光軸に対して直交する方向にレンズ保持部材を案内する構造が記載されている(引用例1の【0002】【0003】段落参照)から、引用例1には、投射された光の光軸に対して直交する方向にレンズ保持部材を案内する構造も、投射された光の光軸に対して直交する方向ではない方向にレンズ保持部材を案内する構造も記載されている。そして、装置に用いられている光学系の構造によって、投射された光の光軸の方向とレンズ保持部材を案内する方向の関係が設定されているということができる。
したがって、投射された光の光軸の方向と、レンズ保持部材の案内方向との関係は、レンズ保持部材が用いられている装置における光学系の構造に応じて、当業者が適宜設定し得る事項であるといえる。
本願補正発明において、「レンズ保持部材案内手段が、投射された光の光軸に対して直交する方向にレンズ保持部材を案内」した点及び「レンズ保持部材案内手段の軌道部材及び移動部材の幅方向は前記光軸と略一致している」点は、本願補正発明が適用される光学系の構造に応じて当業者が容易に設定し得た事項であり、この特定によって、発明の進歩性が生じるものではない。

(ウ)相違点3について
案内部材の構造として、「長手方向に沿って転動体転走面が設けられた軌道部材と、該軌道部材の転動体転走面に対応する転動体転走面が設けられて前記軌道部材と相対運動自在に組み込まれた移動部材と、前記軌道部材の転動体転走面と前記移動部材の転動体転走面の間に配置された複数の転動体とを具備」する構造とすることは、例えば、引用例2,引用例3にも記載されてように周知技術である。
また、案内手段において、がたつき防止等のために、「レンズ保持部材案内手段の転動体と軌道部材及び移動部材の転動体転走面の間に予圧を付与」することは、例えば、引用例4にも記載されているように周知技術である。
引用発明においても、上記の2つの周知技術を採用して、上記相違点3に係る本願補正発明の発明特定事項を得ることは、当業者が容易に想到し得ることである。

(エ)相違点4について
装置の小型化のため、また、高精度でスムーズに移動させるために、第1案内手段及び第2案内手段がそれぞれ具備する軌道部材及び移動部材を、光の光軸方向において略同じ位置に配置することは、当業者が当然に考慮すべき設計的事項であるといえるから、引用発明においても、駆動機構を含めた装置に工夫を施して、第1案内手段及び第2案内手段がそれぞれ具備する軌道部材及び移動部材を、光の光軸方向において略同じ位置に配置する構造とすることに格別の困難性は認められない。
そして、この点に関して、第1案内手段及び第2案内手段がそれぞれ具備する軌道部材及び移動部材を、光の光軸方向において略同じ位置に配置することは、例えば、特開平9-222665号公報(【0015】?【0019】、【図1】参照)にも記載されているように周知技術であるから、引用発明において、第1案内手段及び第2案内手段がそれぞれ具備する軌道部材及び移動部材を、光の光軸方向において略同じ位置に配置する構造とすることに格別の困難性は認められないということもできる。

イ 本願補正発明が奏する作用効果
そして、本願補正発明によってもたらされる効果は、引用発明及び上記の周知技術から当業者が予測し得る程度のものである。

ウ まとめ
したがって、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(5)むすび
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明及び周知技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成20年3月26日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成19年11月21日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成19年11月21日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである。(「2 平成20年3月26日付けの手続補正についての補正の却下の決定について」の「1 本件補正について」の記載参照。)

2 引用例
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物の記載事項及び引用発明については、上記「第2 平成20年3月26日付けの手続補正についての補正の却下の決定について」の「2 独立特許要件違反についての検討」の「(2)引用例」に記載したとおりのものである。

3 対比・判断
本願発明は、本願補正発明から、上記「第2 平成20年3月26日付けの手続補正についての補正の却下の決定について」の「1 本件補正について」で述べた、複数の発明を含む請求項において、そのうちの一部の発明に限定する限定を省いたものである。
そうすると、本願発明のうちの一部の発明である本願補正発明が、上記「第2 平成20年3月26日付けの手続補正についての補正の却下の決定について」の「2 独立特許要件違反についての検討」において記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様に、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-02-23 
結審通知日 2009-02-24 
審決日 2009-03-12 
出願番号 特願2002-235088(P2002-235088)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G02B)
P 1 8・ 571- Z (G02B)
P 1 8・ 575- Z (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 菊岡 智代  
特許庁審判長 末政 清滋
特許庁審判官 安田 明央
森林 克郎
発明の名称 レンズ移動機構及び液晶プロジェクタ  
代理人 熊谷 隆  
代理人 高木 裕  
代理人 熊谷 隆  
復代理人 太田 正人  
代理人 高木 裕  
復代理人 太田 正人  

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