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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61B
管理番号 1203240
審判番号 不服2006-7271  
総通号数 118 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-04-17 
確定日 2009-08-06 
事件の表示 特願2000-580533号「医療機器」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 5月18日国際公開、WO00/27297、平成14年 9月10日国内公表、特表2002-529136号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成11年11月4日(パリ条約による優先権主張1998年11月9日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成18年1月12日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年4月17日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同年5月16日付けで明細書についての手続補正がなされたものである。

2.本願発明
本願の請求項1に係る発明は、平成18年5月16日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。(以下、「本願発明」という。)
「長手方向の穴を形成する複数の壁部分を含む受け部材と、
長手方向軸線を有する円筒形係合部分、及び前記円筒形係合部分が前記穴内の前記壁部分にねじ込まれて係合されるように前記円筒形係合部分に形成されたねじであって、後方に面するねじ面の傾斜が、ねじの長手方向の軸線を通るねじの所定の断面において、ねじの根本における後方に面するねじ面の一点がねじの頂点における後方に面するねじ面の一点よりねじの前端に接近しているようになされたねじを含む閉鎖部材と、
を備える医療機器。」

3.引用例記載の発明
原査定の拒絶の理由に引用された特開平2-198549号公報(以下、「引用例」という。)には、次の事項が記載されている。
(a)公報第3頁左上欄第19行から同右下欄第8行
「実施例
第1図から第6図に示されたインプラントは、骨接合用器具(osteosynthesis device)、特に脊椎骨接合用器具の構成の一部である。
このインプラントは、骨に固定(投錨)するための部分(図示した例では湾曲ブレード1で構成されている-これ自体は公知であるので説明は省略する)と、ロッド3に取付けるための本体2とで構成されている。このロッド3の表面は平滑であるか、ダイアモンド状の切り込み(ローレット)を付けた粗面になっている。
本体2は、ブレード1の終端部分から始まる2つの側方分岐部4で構成され、この分岐部4は、円錐形部分5を介してブレード1に結合されている。2つの分岐部分4の間には溝6が形成されており、上記ロッド3はこの溝6の丸い底部7に収容される。この溝6の丸い底部7と反対の側は開いている。また、ロッド3を上記分岐部4の間に収容するために、溝6は分岐部4の両側でも開いている。
上記インプラントはプラグ8を具備している。このプラグ8には、上記2つの分岐部4の内壁に形成された雌ネジ11と螺合できるようなネジ9が形成されていて、溝6のプラグ8側がこのプラグ8によって閉じることができるようになっている。また、このプラグ8には、プラグ8が完全に雌ネジ9にネジ込まれたときに、ロッド3に当接してロッド3中に食い込む(第3図)直径方向両側の2つのエツジが設けられている。
本発明の付加的な特徴によれば、プラグ8のロッド3側を向いた面8aには、プラグ8をロッド3に係止し且つ固着させて並進運動と回転運動を阻止する手段が設けられている。
図示した実施例では、この係止手段が、プラグ8の他の部分と一体に形成された中心尖端12と、面8aから突出した外周リング13とで構成されている。この外周リング13は、断面が三角形で、好ましくは頂点13aが丸くなっており、プラグ8の他の部分と一体に形成されている。
外周リング13および中心尖端12と反対側のプラグ8後部には一定の輪郭の穴14が形成されていて、適当な工具を用いて雌ネジ11にプラグ8をネジ込むごとができるようになっている。この穴14は例えば六角形にすることができる。インプラントの本体の2つの側面すなわち分岐部4の雌ネジ11とプラグ8の雄ネジ9は、鋸歯ピッチとすることができる。こうすることによって、プラグ8をネジ込んだ場合の荷重の半径方向成分が完全に除去され、2つの分岐部4が開かないようにすることができる。」

(b)FIG.1、2には、「長手方向の溝6を形成する2つの側部を含む『側方分岐部4で構成される本体2』と、長手方向軸線を有する円筒形部分、及び円筒形部分が溝6内の側部にネジ込まれて係合されるように円筒形部分に形成されたネジ9を含むプラグ8」の図示がある。

上記(a)および(b)の記載事項および図示内容より、引用例には、
「長手方向の溝6を形成する2つの側部を含む『側方分岐部4で構成される本体2』と、長手方向軸線を有する円筒形部分、及び前記円筒形部分が前記溝6内の前記側部にネジ込まれて係合されるように前記円筒形部分に形成されたネジ9を含むプラグ8であって、プラグ8をネジ込んだ場合の荷重の半径方向成分が完全に除去され、本体2(側方分岐部4)が開かないようになされたネジ9を含むプラグ8と、を備える脊椎骨接合用器具。」の発明が開示されている。

4.対比・判断
本願発明と引用例記載の発明とを対比する。
引用例記載の発明の「溝6」、「2つの側部」、「『側方分岐部4で構成される本体2』」、「円筒形部分」、「ネジ込まれ」、「ネジ9」、「プラグ8」、「脊椎骨接合用器具」は、
本願発明の「穴」、「複数の壁部分」、「受け部材」、「円筒形係合部分」、「ねじ込まれ」、「ねじ」、「閉鎖部材」、「医療機器」のそれぞれに相当している。

上記より、両者は、
「長手方向の穴を形成する複数の壁部分を含む受け部材と、
長手方向軸線を有する円筒形係合部分、及び前記円筒形係合部分が前記穴内の前記壁部分にねじ込まれて係合されるように前記円筒形係合部分に形成されたねじを含む閉鎖部材と、を備える医療機器。」という点で一致し、以下の点で相違している。

本願発明では、「後方に面するねじ面の傾斜が、ねじの長手方向の軸線を通るねじの所定の断面において、ねじの根本における後方に面するねじ面の一点がねじの頂点における後方に面するねじ面の一点よりねじの前端に接近しているようになされたねじ(閉鎖部材のねじ)」を用いているのに対して、
引用例記載の発明では、「閉鎖部材(プラグ8)をねじ込んだ場合に、受け部材(本体2)が開かないようになされた閉鎖部材のねじ」として、「荷重の半径方向成分が完全に除去されるねじ」を用いている点。(以下、「相違点」という。)

相違点について検討する。
一般に、「閉鎖部材(雄ねじ)をねじ込んだ場合に、受け部材(雌ねじ)が開かないようになされた閉鎖部材のねじ」として、「後方に面するねじ面の傾斜が、ねじの長手方向の軸線を通るねじの所定の断面において、ねじの根本における後方に面するねじ面の一点がねじの頂点における後方に面するねじ面の一点よりねじの前端に接近しているようになされたねじ」を用いることは、本願優先日前周知の事項(例えば、拒絶査定において提示した米国特許第5607304号明細書の特に公報第3欄第59行から同第4欄第12行およびFIG.4、特開昭62-104640号公報の特に公報第3頁右上欄第3行から同第4頁左上欄第20行およびFIG.4参照)であることから、
引用例記載の発明における「閉鎖部材をねじ込んだ場合に、受け部材が開かないようになされた閉鎖部材のねじ」としても、上記周知の事項を適用することで、「荷重の半径方向成分が完全に除去されるねじ」に代えて、「後方に面するねじ面の傾斜が、ねじの長手方向の軸線を通るねじの所定の断面において、ねじの根本における後方に面するねじ面の一点がねじの頂点における後方に面するねじ面の一点よりねじの前端に接近しているようになされたねじ」を用いることに格別の困難性があるとはいえない。
したがって、該相違点に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者であれば容易になし得る程度のことである。

また、「医療機器の部品の広がりを防止する」という本願発明の効果も引用例記載の発明および本願優先日前周知の事項から当業者であれば十分に予測し得る程度のものである。

よって、本願発明は、引用例記載の発明および本願優先日前周知の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび
したがって、本願発明は、引用例記載の発明および本願優先日前周知の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-04-24 
結審通知日 2008-04-25 
審決日 2008-05-08 
出願番号 特願2000-580533(P2000-580533)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A61B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石川 太郎岡崎 克彦内藤 真徳  
特許庁審判長 川本 真裕
特許庁審判官 豊永 茂弘
北村 英隆
発明の名称 医療機器  
代理人 阿久津 勝久  
代理人 千葉 昭男  
代理人 富田 博行  
代理人 神田 藤博  
代理人 社本 一夫  
代理人 竹内 茂雄  
代理人 佐久間 滋  
代理人 内田 博  
代理人 小林 泰  
代理人 今井 庄亮  
代理人 橋本 正男  
代理人 伊藤 孝美  
代理人 小野 新次郎  
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