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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G03B
管理番号 1207412
審判番号 不服2008-2321  
総通号数 121 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-01-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-02-04 
確定日 2009-11-18 
事件の表示 特願2002-570528「ビデオ表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 9月12日国際公開、WO02/71746、平成16年 7月 2日国内公表、特表2004-519725〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成14年(2002年)1月4日(パリ条約に基づく優先権主張;平成13年1月4日)の国際出願(特願2002-570528号)であって、平成19年9月19日付けで手続補正がなされ、同年10月31日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成20年2月4日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされ、同年2月26日付けで手続補正がなされたものである。
その後、平成20年10月15日付けで請求人に対する審尋が行なわれ、期間を指定して回答書を提出する機会を与えたが、請求人からは何らの応答もない。

第2 平成20年2月26日付けの手続補正について
平成20年2月26日付けの手続補正により、特許請求の範囲は、平成19年9月19日付け手続補正により補正された特許請求の範囲に記載の、
「【請求項1】 ビデオ表示装置であって、
ディスプレイ画面と、
前記ディスプレイ画面上で画像を発生させるために通常のビデオ表示モードの間に付勢されるバックライト・ランプと、
入力電源オン制御信号と入力電源オフ制御信号の源と、
前記電源オフ制御信号に応答し、前記ランプに結合され、前記電源オフ制御信号の発生後の第1の期間の間、前記ランプを付勢し続けると共に、前記第1の期間の終了後に前記ランプに供給されるエネルギを減らすことにより前記ランプの動作を不能にするためのタイマーであって、前記第1の期間の間に前記電源オン制御信号が生じると、前記ランプが前記入力電源オン制御信号の発生後に動作を不能にされるのを防止されて、代わりに、前記通常のビデオ表示モードの動作が再開される、前記タイマーと、
前記電源オフ制御信号に応答し、光源を含み、前記ディスプレイ画面を除く、前記第1の期間に電源オフ・モードに見せかけるための電源オフ表示器と、からなる前記ビデオ表示装置。
【請求項2】 ディスプレイ画面が、前記第1の期間にオフになり前記第1の期間の間、電源オフ・モードに見せかける、請求項1記載のビデオ表示装置。
【請求項3】 前記第1の期間に前記光源の見かけが前記通常のビデオ表示モードのものとは異なり、前記第1の期間の間、電源オフ・モードに見せかける、請求項2記載のビデオ表示装置。
【請求項4】 前記光源が、発光ダイオードからなる、請求項3記載のビデオ表示装置。
【請求項5】 前記装置が更に、前記電源オフ制御信号に応答して、前記第1の期間に前記音声変換器からの音声出力をオフにするための音声変換器を含む、請求項2記載のビデオ表示装置。
【請求項6】 前記第1の期間の開始後に、前記電源オフ制御信号の発生が、無視される、請求項1記載のビデオ表示装置。
【請求項7】 前記ランプが、液晶ディスプレイにおいてバックライトを供給する、請求項1記載のビデオ表示装置。
【請求項8】 前記ランプが、LCOS表示装置においてバックライトを供給する、請求項1記載のビデオ表示装置。
【請求項9】 ビデオ表示装置であって、
バックライト・ランプと
ユーザの起動による電源オン制御信号およびユーザの起動による第2の制御信号の源と、
を含み、
前記電源オン制御信号は、前記ランプに結合され、電源オン・モードの間に前記ランプに選択的にエネルギを付与して画像をディスプレイ画面上に発生させ、
前記第2の制御信号に応答し、前記ランプに結合され、前記第2の制御信号の発生の後、第1の遅延期間の間に前記ランプが付勢された状態を維持し、前記第1の遅延期間の後に前記ランプに付与される前記エネルギを減少させて前記ランプの動作を不能にする第1のタイマーであって、前記第1の遅延期間の間に前記電源オン制御信号が生じると、代わりに、前記電源オン・モードが続けられる、前記第1のタイマーと、
前記電源オン・モードの動作と前記第1の遅延期間の間に発生する動作とを区別するために、ユーザに対し、前記電源オン・モードに与えられる表示とは異なる表示を前記第1の遅延期間の間に与える前記ディスプレイ画面を除いた光表示器と、
を含む、前記ビデオ表示装置。」が

「【請求項1】 ビデオ表示装置であって、
ディスプレイ画面と、
前記ディスプレイ画面上で画像を発生させるために通常のビデオ表示モードの間に付勢されるバックライト・ランプと、
入力電源オン制御信号と入力電源オフ制御信号の源と、
前記電源オフ制御信号に応答し、前記ランプに結合され、前記電源オフ制御信号の発生後の第1の期間の間、前記ランプを付勢し続けると共に、前記第1の期間の終了後に前記ランプの付勢を止めるためのタイマーであって、前記第1の期間の間に前記電源オン制御信号が生じると、前記ランプが前記入力電源オン制御信号の発生後に付勢を止められるのを防止されて、代わりに、前記通常のビデオ表示モードの動作が再開される、前記タイマーと、
前記電源オフ制御信号に応答し、光源を含み、前記ディスプレイ画面を除く、前記第1の期間に電源オフ・モードに見せかけるための電源オフ表示器と、からなる前記ビデオ表示装置。
【請求項2】 ディスプレイ画面が、前記第1の期間にオフになり前記第1の期間の間、電源オフ・モードに見せかける、請求項1記載のビデオ表示装置。
【請求項3】 前記第1の期間に前記光源の見かけが前記通常のビデオ表示モードのものとは異なり、前記第1の期間の間、電源オフ・モードに見せかける、請求項2記載のビデオ表示装置。
【請求項4】 前記光源が、発光ダイオードからなる、請求項3記載のビデオ表示装置。
【請求項5】 前記装置が更に、前記電源オフ制御信号に応答して、前記第1の期間に前記音声変換器からの音声出力をオフにするための音声変換器を含む、請求項2記載のビデオ表示装置。
【請求項6】 前記第1の期間の開始後に、前記電源オフ制御信号の発生が、無視される、請求項1記載のビデオ表示装置。
【請求項7】 前記ランプが、液晶ディスプレイにおいてバックライトを供給する、請求項1記載のビデオ表示装置。
【請求項8】 前記ランプが、LCOS表示装置においてバックライトを供給する、請求項1記載のビデオ表示装置。
【請求項9】 ビデオ表示装置であって、
バックライト・ランプと
ユーザの起動による電源オン制御信号およびユーザの起動による第2の制御信号の源と、
を含み、
前記電源オン制御信号は、前記ランプに結合され、電源オン・モードの間に前記ランプにエネルギを付与して画像をディスプレイ画面上に発生させ、
前記第2の制御信号に応答し、前記ランプに結合され、前記第2の制御信号の発生の後、第1の遅延期間の間に前記ランプが付勢された状態を維持し、前記第1の遅延期間の後に前記ランプの付勢を止める第1のタイマーであって、前記第1の遅延期間の間に前記電源オン制御信号が生じると、代わりに、前記電源オン・モードが続けられる、前記第1のタイマーと、
ユーザに対し、表示装置が電源オフにされているような偽の見せかけの表示を前記第1の遅延期間の間に与える、前記ディスプレイ画面を除いた光表示器と、
を含む、前記ビデオ表示装置。」と補正された。

この補正は、明りょうでない記載の釈明を目的とするもの、すなわち、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項により従前の例とされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであるから、適法な補正である。

第3 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成20年2月26日付けの手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである。(上記「第2 平成20年2月26日付けの手続補正について」の記載参照。)

第4 引用例
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開平11-119340号公報(以下、「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。(後述の引用発明の認定において直接用いた記載に下線を付した。)

「【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にあっては、映像を映し出すための映像表示器と、放電により点灯して、映像表示器に映し出されている映像を光の照射によりスクリーンに表示する光源と、電源のオフの指示があってから、遅延時間を経過した後に光源の点灯を停止する制御部と、を備えることを特徴とする映像表示装置により、達成される。
【0006】本発明では、映像表示装置が映像を映し出している際に、光源は放電により点灯している。これにより光源は映像表示器に映し出されている映像をスクリーンに表示している。この際に、電源がオフされてから、制御部は遅延時間を経過した後に光源の点
灯を停止する。これにより、電源がオフされても、直ちには光源がオフにはならずある遅延時間を経過した後にオフになる。従って、ユーザのような映像表示装置の使用者は、電源を誤ってオフにしても、直ちに電源を再びオンにすれば放電により点灯している光源はオフにならず、そのまま映像表示状態を維持することができ、使用勝手がよい。
【0007】本発明において、制御部が電源をオフした時に画ミュートと音声ミュートをかけるが、電源がオフされてから遅延時間を経過した後に光源の点灯を停止する。これにより、ユーザが誤って電源をオフにしても、画ミュートと音声ミュートがかかるのでその時点で直ぐに誤って電源をオフしたことがユーザに分かり、ユーザはこれにより再び電源をオンにすれば、放電により点灯している光源をオフしてしまうことがなくなる。」

「【0009】図1は、本発明の映像表示装置の好ましい実施の形態を示しており、図1に示すのは液晶リアプロジェクションテレビジョン受像機と呼ばれている背面投射型のリアプロジェクタである。リアプロジェクタ1は、上部キャビネット2と下部キャビネット3を有している。上部キャビネット2は、その前面側に長方形状のフレーム部4が形成されており、そのフレーム部4にはスクリーン5が取り付けられている。この上部キャビネット2は、上面壁6、側面壁7,8及び背面壁9そして底面壁10により内部が空洞でかつ周囲が閉鎖された箱型に作られている。この上部キャビネット2の中には、図2に示すミラー11が配置されている。表示面としてのスクリーン5は、このミラー11の前側に配置されている。ミラー11はスクリーン5に対して所定の角度斜めに傾斜して配置されている。
【0010】図1の下部キャビネット3は、スクリーン5とミラー11の他に、投射装置12及びその他の機器を収容している。下部キャビネット3の前面側にはスピーカ13,13と操作部15、異常表示部16等が配置されている。操作部15は複数の操作ボタン15aを有している。また異常表示部16は複数の例えば発光ダイオード(LED)16A,16B,16C等を有している。このリアプロジェクタ1に対しては付属のワイヤレス型のリモートコントローラ20を備えている。
【0011】図3は図1の上部キャビネット2と下部キャビネット3の内部構造例を示している。上部キャビネット2は、投影装置12を有し、この投影装置12はR(レッド)、G(グリーン)、そしてB(ブルー)に対応した液晶表示装置30を有している。この液晶表示装置30は、映像を映し出すための映像表示器であり、この液晶表示装置30とスクリーン5の間にはプリズム31とレンズ系32が配置されている。このプリズム31は、液晶表示装置30のR(レッド)に対応した液晶パネル30A、G(グリーン)に対応した液晶パネル30B、B(ブルー)に対応した液晶パネル30Cにそれぞれ映し出されている画像を合成し、レンズ系32がその合成された映像を拡大してスクリーン5側に投影する。この時には、後で説明する下部キャビネット3の光源としてのランプ24(当審注;「35」は誤りと認める。)からの光の照射により、スクリーン5に対して投影することで液晶表示装置30の映像が拡大表示される。
【0012】次に、図3を参照して、図1の下部キャビネット3に内蔵されている回路構成例を説明する。図3において、リアプロジェクタ1の回路構成は次のようになっている。 図3では、信号の入力部90,91、信号の処理部92、制御部60を有しており、制御部60は上述した信号の入力部90と信号の処理部92に電気的に接続されている。しかも制御部60は、光源としてのランプ24、ファン25、温度センサ26、電源PSに電気的に接続されている。」

「【0030】一方、制御部60は、ランプ24、ファン25及び操作部19のLED16A,16B,16Cの点灯を制御する。
【0031】制御部60は、フィルタ異常検出、ファン異常検出、ランプ異常検出、温度異常検出等からなる異常検出機構を制御する。
【0032】この制御部60による異常状態の検出機構は、各種の異常状態を検出すると共に、電源を切る等の動作をし、且つ各種の異常状態に応じた表示をする。
【0033】各種の異常状態の表示は、液晶プロジェクションテレビ1の前面の操作部15の3個のLED16A,16B,16Cの表示の組合せで表現する。これらのLED16A,16B,16Cは通常は電源の状態を表示するようになっている。例えば電源LED16Aは電源が入った時に点灯する。スタンバイ用のLED16Bはセット電源がスタンバイの時に点灯する。BS電源用のLED16CはBS電源が入った時に点灯する。このようなLED16A,16B,16Cを利用して個々の異常状態を表示する。制御部60は、画面表示IC62に対してバス(BUS)400を介して指示し、画面表示用RGB信号の出力を行わせて図1と図2のスクリーン5上に重畳表示等を適宜行わせることができる。
【0034】次に、図3を参照して各種異常状態について説明する。ランプ24は、後で説明するが放電式で発光するランプであり、このランプ24が発光して発熱するので、そのランプ24はファン25により冷却する必要がある。このランプ24が異常である場合としては、ランプは放電により発光するために構造上点灯しないことがあり得るし、ランプ24の寿命により切れることもある。ランプ異常検出信号LESは、ランプ24側から制御部60側に送られることで、ランプ24の不点灯を検出する。ランプ24には寿命があり、ランプ24が切れた時にはカバーを開けてユーザが交換できるようになっている。このランプ24のカバーを開けてランプ24自体のユニットを交換するのであるが、このランプ24のカバー異常検出信号CESは、このカバーが開けられていることを検出する。」

「【0041】次に、図4と図5を参照して、電源を切った場合と電源を入れた場合における操作について説明する。まず図4を参照する。図4は、ユーザが就寝あるいは外出等で、リアプロジェクタ1のリモートコントローラ20の電源キー20Aを押した場合、あるいはスクリーン5により映像を見ている途中でユーザがうっかりリモートコントローラ20の電源キー20Aを押してしまった場合について示している。図4のステップS1において、ユーザが図3のリモートコントローラ20の電源キー20Aを押すと、受信部20Cがこの電源キー20Aが押されたことを受信して制御部60は、電源が切られたことを認識する。これにより、制御部60はオーディオコントロール49に信号を送ってスピーカ13からの音声をミュート(遮断)するとともに、画面表示IC62に対して信号を送って画ミュート(遮断)を行う(ステップS2)。
【0042】そして、制御部60はステップS3に示すように、所定の遅延時間、例えば5秒間待って、ランプ点灯信号LSを電源PSに対して供給するのを停止する。これにより、ランプ24の点灯はステップS4に示すように切りになる。このようにして、ユーザが就寝や外出等で電源を切る場合には、図4のステップS1?S4を行うことで画ミュート及び音声ミュートを行い、そして、遅延時間の経過後にランプ24の発光を停止する。
【0043】図5のステップS11では、電源キー20Aが押されてオンになると、制御部60がリモートコントローラ20の電源キー20Aのオンにより電源が入ったことを認識している。ステップS12において、制御部60はランプ24が点灯しているかを、ランプ点灯信号LSが電源PSに対して送られていることと、ランプ異常検出信号LESがランプ24から送られていないことに基いて判断する。ステップS12においてランプ24が点灯している場合にはステップS13に移り、制御部60がオーディオコントロール49と画面表示IC62に信号を送って画ミュート(画面ミュート)と音声ミュートを解除する。これにより音声はスピーカ13から出力されるとともに、映像はスクリーン5に映し出される。
【0044】これに対して、ステップS12においてランプ24が消えている場合には、ステップS14に移る。このランプ24がオフされてから例えば所定の遅延時間30秒経過したかどうかを制御部60が判断する。ステップS14において30秒経過していない場合にはステップS15において遅延時間が30秒経過するまで待つ。ステップS15において、30秒経過した場合あるいはステップS14においてすでに30秒経過している場合にはステップS16に移り、制御部60はランプ点灯信号LSを電源PSに供給することでランプ24を点灯させる。そしてステップS17において、制御部60がオーディオコントロール49と画面表示IC62に信号を送って画ミュートと音声ミュートを解除する。
【0045】以上のようにして、図4ではステップS1?S3において、ユーザが電源を切った場合に画ミュート及び音声ミュートを行った後に、所定の遅延時間例えば5秒待つことにより、ランプ24は電源を切った時点での消灯を阻止することができる。従って、電源を切った時に行った後に5秒待った時点でそれでも再びユーザがリモートコントローラ20の電源キー20Aを再度押してオンしなければランプ24を切り、ステップS4でランプ点灯信号LSの供給を停止してランプ24の消灯を行う。このようにすることで、スクリーン5で映像を見ている途中で、うっかりとユーザがリモートコントローラ20の電源キー20Aを押した場合であっても、その場で画ミュートと音声ミュートが起こるので、ユーザは誤って電源キー20Aを押してしまったことに気がつく。従ってユーザは再度即座に電源キー20Aをオフ状態からオンにすれば、5秒間経過していなければこの間であっても制御部60は電源PSに対してランプ点灯信号LSを供給し続けているので、ランプ24が消灯してしまう現象を防ぐことができる。このようにして、ユーザが再度電源キー20Aをオフの状態からオンにすれば、画ミュートと音声ミュートは解除でき、しかもランプ24は消灯しておらずランプ24は点灯し続けているので、映像はスクリーン5上に映し出すことができる。これにより、ユーザは電源キー20Aのオン操作より、ランプ24は消さずに直ぐに映像と音を出すことができ、ユーザの使用勝手を向上できる。
【0046】ところで上述した実施の形態では遅延時間を図4のステップS3において5秒に設定しているが、これに限らず制御部60は、例えば0秒,5秒,10秒,15秒,20秒,25秒,30秒・・・等の各種値に切換えることができるようにしてもよい。またこのような遅延時間の設定は、制御部60にあらかじめ組み込んでおくこともできるしあるいはソフトウェア的に設定することも勿論可能である。このようにすると、従来誤って電源キー20Aを押してしまってランプ24が消灯してしまった場合に、少くともランプを再点灯させるには30秒必要であったが、このような待ち時間が不要となりリアプロジェクタ1の使用勝手が向上する。
【0047】ところで本発明は上記実施の形態に限定されない。上述した実施の形態では、映像表示装置として、液晶パネルを用いて、この液晶パネルの背面からランプの光を投射する形式のものを用いているが、これに限らず、他の方式のものも勿論採用することができる。またこのスクリーンに対して表示する画像の内容としてはテレビジョン受像機に表示する番組内容や、通常のプレゼンテーション用の映像あるいはその他の映像を表示することができる。」

上記記載から、引用例1には、
「映像表示装置であって、
下部キャビネット3の光源としてのランプ24からの光の照射により、映像表示装置の前面のフレーム部4に取り付けられたスクリーン5に対して投影することで液晶表示装置30の映像が拡大表示され、
制御部60は、光源としてのランプ24、ファン25、温度センサ26、電源PSに電気的に接続され、
映像表示中に、リモートコントローラ20の電源キー20Aを押すと、受信部20Cがこの電源キー20Aが押されたことを受信して制御部60は、電源が切られたことを認識し、これにより、制御部60はオーディオコントロール49に信号を送ってスピーカ13からの音声をミュート(遮断)するとともに、画面表示IC62に対して信号を送って画ミュート(遮断)を行い、
制御部60は、所定の遅延時間、例えば5秒間待って、ランプ点灯信号LSを電源PSに対して供給するのを停止し、
これにより、5秒間の遅延時間が経過する前に、ランプ24が消灯してしまう現象を防ぐことができ、
上記の5秒間の遅延時間中に、電源キー20Aが押されてオンになると、制御部60がリモートコントローラ20の電源キー20Aのオンにより電源が入ったことを認識し、
制御部60がオーディオコントロール49と画面表示IC62に信号を送って画ミュート(画面ミュート)と音声ミュートを解除し、これにより音声はスピーカ13から出力されるとともに、映像はスクリーン5に映し出され、
また、電源が入ったときに点灯する電源LED16Aを有する映像表示装置。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

第5 対比
1 本願発明と引用発明とを対比する。

引用発明の「映像表示装置」が、本願発明の「ビデオ表示装置」に相当する。

引用発明の「スクリーン5」は、映像表示装置の前面のフレーム部4に取り付けられて、液晶表示装置30の映像を表示するものであるから、本願発明の「ディスプレイ画面」に相当する。

引用発明における「下部キャビネット3の光源としてのランプ24からの光の照射により、スクリーン5に対して投影することで液晶表示装置30の映像が拡大表示され」ることから、通常の表示モード中(の間)にランプ24からの光の照射により映像が表示されることが窺えるから、引用発明の「ランプ24」が、本願発明の「(ディスプレイ画面上で画像を発生させるために通常のビデオ表示モードの間に付勢される)バックライト・ランプ」に相当する。

引用発明は「遅延時間」を計測しているので、当然に「タイマー」を備えているといえ、引用発明の「映像表示中に、リモートコントローラ20の電源キー20Aを押すと、受信部20Cがこの電源キー20Aが押されたことを受信して制御部60は、電源が切られたことを認識し」、「制御部60は、所定の遅延時間、例えば5秒間待って、ランプ点灯信号LSを電源PSに対して供給するのを停止」する構造が、本願発明の「入力電源オフ信号の源」を備え、「電源オフ制御信号に応答し、前記ランプに結合され、前記電源オフ制御信号の発生後の第1の期間の間、前記ランプを付勢し続けると共に、前記第1の期間の終了後に前記ランプの付勢を止めるためのタイマー」を備える構造に相当する。

引用発明の「制御部60は、所定の遅延時間、例えば5秒間待って、ランプ点灯信号LSを電源PSに対して供給するのを停止し」、「上記の5秒間の遅延時間中に、電源キー20Aが押されてオンになると、制御部60がリモートコントローラ20の電源キー20Aのオンにより電源が入ったことを認識し、制御部60がオーディオコントロール49と画面表示IC62に信号を送って画ミュート(画面ミュート)と音声ミュートを解除し、これにより音声はスピーカ13から出力されるとともに、映像はスクリーン5に映し出され」る構造が、本願発明の「入力電源オン制御信号の源」を備え、「前記第1の期間の間に前記電源オン制御信号が生じると、前記ランプが前記入力電源オン制御信号の発生後に付勢を止められるのを防止されて、代わりに、前記通常のビデオ表示モードの動作が再開される、前記タイマー」を備える構造に相当する。

引用発明の「電源が入ったときに点灯する電源LED16A」は、光源からなる電源オンオフ表示器であって、ディスプレイ画面によってオンオフを表示すものではないから、引用発明の「電源が入ったときに点灯する電源LED16A」と、本願発明の「電源オフ制御信号に応答し、光源を含み、前記ディスプレイ画面を除く、前記第1の期間に電源オフ・モードに見せかけるための電源オフ表示器」とは、「光源を含み、前記ディスプレイ画面を除く、電源オフ表示器」である点で一致する。

2 一致点
よって、本願発明と引用発明は、
「ビデオ表示装置であって、
ディスプレイ画面と、
前記ディスプレイ画面上で画像を発生させるために通常のビデオ表示モードの間に付勢されるバックライト・ランプと、
入力電源オン制御信号と入力電源オフ制御信号の源と、
前記電源オフ制御信号に応答し、前記ランプに結合され、前記電源オフ制御信号の発生後の第1の期間の間、前記ランプを付勢し続けると共に、前記第1の期間の終了後に前記ランプの付勢を止めるためのタイマーであって、前記第1の期間の間に前記電源オン制御信号が生じると、前記ランプが前記入力電源オン制御信号の発生後に付勢を止められるのを防止されて、代わりに、前記通常のビデオ表示モードの動作が再開される、前記タイマーと、
光源を含み、前記ディスプレイ画面を除く、電源オフ表示器と、からなる前記映像表示装置。」の発明である点で一致し、次の点で相違する。

3 相違点
光源を含み、前記ディスプレイ画面を除く、電源オフ表示器について、本願発明は、当該電源オフ表示器が「電源オフ制御信号に応答し」、「前記第1の期間(ランプ消灯の遅延時間)に電源オフ・モードに見せかける」ものであるのに対し、引用発明においてはその特定がなされていない点。

第6 当審の判断
1 次に、上記相違点について検討する。
引用例1の【0007】には、「ユーザが誤って電源をオフにしても、画ミュートと音声ミュートがかかるのでその時点で直ぐに誤って電源をオフしたことがユーザに分かり」と記載されていることから、引用発明において映像表示中に電源オフしたときに画ミュートと音声ミュートをかけるのは、ユーザが電源オフしたこと(電源オフモードとなったこと)を知らせるためであるといえる。そして、電源オンオフ表示器を備えた映像表示器において、電源オフにしたことを最もはっきりと知らせる手段は、電源オンオフ表示器をオフ表示とすることであるということは、周知の技術的事項である。
したがって、引用発明において、ユーザが電源オフしたこと(電源オフモードとなったこと)をより一層はっきりとしらせるために、電源オフ表示器を「電源オフ制御信号に応答し」、「ランプ消灯の遅延時間に電源オフ・モードに見せかける」ものとし、上記相違点に係る本願発明の発明特定事項を得ることは当業者が容易になし得たことである。

2 そして、本願発明によってもたらされる効果は、引用発明から当業者が予測し得る程度のものである。

3 したがって、本願発明は、引用例1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-06-09 
結審通知日 2009-06-16 
審決日 2009-06-30 
出願番号 特願2002-570528(P2002-570528)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G03B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 渡邊 吉喜  
特許庁審判長 末政 清滋
特許庁審判官 森林 克郎
越河 勉
発明の名称 ビデオ表示装置  
代理人 木越 力  
代理人 石井 たかし  
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