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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200520859 審決 特許

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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A01N
管理番号 1212495
審判番号 不服2007-10008  
総通号数 124 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-04-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-04-09 
確定日 2010-02-02 
事件の表示 平成9年特許願第505913号「殺菌・殺カビ性混合物」拒絶査定不服審判事件〔平成9年1月30日国際公開、WO97/02745、平成11年8月3日国内公表、特表平11-508915〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、1996年7月3日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1995年7月12日、米国)を国際出願日とする出願であって、以降の手続の経緯は以下のとおりのものである。

平成18年7月14日付け 拒絶理由通知書
平成18年10月20日 意見書・手続補正書
平成18年12月18日付け 拒絶査定
平成19年4月9日 審判請求書
平成19年7月25日 手続補正書(審判請求書)

第2 本願発明について
1 本願発明
この出願の発明は、本願明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?10に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は、次のとおりのものである。
「1.(a)5-メチル-5-(4-フェノキシフェニル)-3-フェニルアミノ-2,4-オキサゾリジノン及びそれの農業用に適切な塩から選択される少なくとも1つの化合物と(b)シモクサニル及びそれの農業上適切な塩から選択される少なくとも1つの化合物の混合物を共働作用による殺菌有効量で含んで成り、成分(a)対成分(b)の重量比が17:1乃至1:100である殺菌・殺カビ性組成物。」

2 原査定の拒絶の理由
本願発明1についての原査定の拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。
「‥引用例1(審決注:「引用例1」は審決中の「刊行物1」と同じ)に記載された発明は5-メチル-5-(4-フェノキシフェニル)-3-(フェニルアミノ)-2,4-オキサゾリジンジオン等と組み合わせて使用する剤として専らシモクサニルを選択するものであるから、引用例1の記載に基づいて5-メチル-5-(4-フェノキシフェニル)-3-(フェニルアミノ)-2,4-オキサゾリジンジオンとシモクサニルをシモクサニルを混合して植物における菌類の病気を抑制するための薬剤とすることは当業者が容易になし得ることであるし、その混合比率を本願発明中の重量比となるようにすることは、当業者が必要に応じて適宜なし得ることに過ぎない。」

3 刊行物について
(ア)特表平4-506658号公報(原査定における引用例1。以下、「刊行物1」という。)

4 刊行物に記載された事項
1-a「1、保護すべき位置に、有効量の式I、


‥の化合物で処理することからなる、植物における菌類の病気を抑制する方法。

6、式IA、


式中、
AはOまたはNR^(4)であり、
WはOまたはSであり、
R^(1)はH;C_(1)-C_(6)アルキル;‥
R^(2)はR^(5)およびR^(6)で置換されたフェニル;‥
R^(3)はR^(10)で置換されたフェニル;‥
R^(4)は水素;‥
R^(5)は‥R^(8)で置換されたフェノキシ;‥
R^(6)は水素:‥
R^(8)はH;‥
R^(10)はH;‥の化合物。

10、‥5-メチル-5-(4-フェノキシフェニル)-3-(フェニルアミノ)-2,4-オキサゾリジンジオンおよびその(S)-対掌体、およびそれらの混合物から成る群より選択される化合物。

15、殺菌的に有効量の上記第10項記載の化合物および次の界面活性剤、固体の希釈剤または液体の希釈剤の少なくとも1種からなる、農学的に適当な組成物。
16、保護すべき位置を有効量の式Iの化合物とシモクサニルとの組み合わせで処理することからなる、植物における菌類の病気を抑制する方法。
17、殺菌的に有効量の上記第6項記載の化合物とシモクサニルとの組み合わせおよび次の界面活性剤、固体の希釈剤または液体の希釈剤の少なくとも1種からなる、農学的に適当な組成物。」(特許請求の範囲)

1-b「本発明は、植物を保護するための殺菌剤として構造式Iの化合物の新規な使用方法に関する。」(6頁左下欄6?7行)

1-c「次の化合物は、最大の殺菌活性および/または合成の容易さのためにことに好ましい:

(6)5-メチル-5-(4-フェノキシフェニル)-3-(フェニルアミノ)-2,4-オキサゾリジンジオンおよびその(S)-対掌体、


」(10頁左上欄7行?左下欄2行)

1-d「実施例8
5-メチル-5-(4-フェノキシフェニル)-3-(フェニルアミノ)-2,4-オキサゾリジンジオン


50mlのアセトン(0.1モル)中の5-メチル-5-(4-フェノキシフェニル)-3-フェニルアミノ-2-チオキソオキサゾリジン-4-オン(2g、0.0051モル)の溶液を、室温において、20mlの水中のKHSO_(4)(OXONE^(R)、4.72g、0.0154ミリモル)の溶液で処理した。白色スラリーを50℃に2時間加熱し、次いで室温に冷却し、そして濾過した。残留物を新鮮なアセトンで洗浄し、そしてすべてのアセトンが蒸留除去されるまで、濾液を減圧下に蒸発させた。残留物を塩化メチレン中に溶解し、そして水およびブラインで洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO_(4))、濾過し、そして蒸発させると、粗生成物が得れた。1-クロロブタンおよび石油エーテルから再結晶化すると、1.68g(理論値の88%)の純粋な生成物が白色固体として得られた、融点140-142℃」(16頁6行?末行)

1-e「





」(17頁左上欄?25頁左下欄、特に22頁左欄の”330”)

1-f「実用性
本発明の化合物は植物の病気の抑制剤として有用である。それらは担子菌類および子嚢菌類のクラス、とくに卵菌類のクラスにおける広いスペクトルの植物の病気を抑制する。それらは広いスペクトルの植物の病気、とくに鑑賞植物、野菜、農作物、穀物および果実植物の葉の病原体、例えば、プラスポパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)、ペロノスポラ・タバチナ(Peronospora tabacina)、シュードペロノスロポラ・クペンシス(Pseudoperonospora cubensis)、フィトフトラ・メガスペルマ(Phytophthora megasperma)、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)、ベンツリア・イネクアリス(Venturia inaequalis)、プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)、ビチウム・アファニデルマツム(Pythium aphanidermatum)、アルタルナリア・ブラシコラ(Altarnaria brassicola)、セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)、セロコスポリジウム・ベルソナツム(Cerocosporidium personatum)およびこれらの病原体に関係する種の抑制において有効である。それらは、また、種子の病原体を抑制する。」(27頁右上欄5行?左下欄2行)

1-g「本発明の化合物は、殺菌剤、殺バクテリア剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺虫剤、または他の生物学的に活性な化合物と混合して、時間、努力および材料の消費を最小にして所望の結果を達成することができる。このタイプの適当な活性物質は、この分野においてよく知られている。いくつかを下に列挙する:
殺菌剤:

2-シアノ-N-エチルカルバモイル-2-メトキシイミノアセトアミド(シモキサニル)」(27頁左下欄3行?17行)

1-h「ある場合において、同様な病気の抑制のスペクトルを有するが、異なる作用のモードを有する他の殺菌剤との組み合わせは、抵抗性の管理および/または改良された性質、例えば、確立された感染のための治癒活性のためにとくに有利であろう。両者に関してとくに有効な組み合わせは、式Iの化合物およびシノキサニルを包含するものである。」(29頁左上欄2行?6行)

1-i「試験A

試験E
試験化合物をアセトン中に最終体積の3%に等しい量で溶解し、次いで250ppmの界面活性剤Trem014(多価アルコールのエステル)を含有する精製した水中に200ppmの濃度で溶解した。この懸濁液をコムギの実生上に滴り落ちるまで噴霧した。次の日に植物にプラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)(ブドウのべと秒の病原体)の胞子の懸濁液を接種し、そして、飽和湿度の室内で20℃において24時間、次いで成長室内で20℃において7日間インキュベーションした後、病気の評価を行った。

本発明をさらに例示する実施例を下表に記載する。この表において、未処理の対照に関して、100の評価は100%の病気の抑制を示し、そして0の評価は病気の抑制の不存在を示す(担体を噴霧した対照に関する)。「-」は、その特定の割合で特定の化合物を使用して試験を実施しなかったことを意味する。



」(29頁左上欄18行?31頁右上欄、特に31頁左上欄の”化合物NO.330”)

5 刊行物に記載された発明
刊行物1は、植物を保護するための殺菌剤として構造式Iの化合物の新規な使用方法に関するものである(摘記1-aの請求項1及び1-b)。そして、刊行物1には、殺菌的に有効量の5-メチル-5-(4-フェノキシフェニル)-3-(フェニルアミノ)-2,4-オキサゾリジンジオンとシモクサニルとの組み合わせおよび界面活性剤、固体の希釈剤または液体の希釈剤の少なくとも1種からなる、農学的に適当な組成物が記載されている(摘記1-aの請求項6及び17)。さらに、刊行物1には、「5-メチル-5-(4-フェノキシフェニル)-3-(フェニルアミノ)-2,4-オキサゾリジンジオン」が殺菌剤であること(摘記1-b、1-c及び1-f)、シモクサニルも殺菌剤であること(摘記1-g、審決注:「シモキサニル」は「シモクサニル」の誤りと考えられる)が記載されている。。
よって、刊行物1には、
「殺菌的に有効量の5-メチル-5-(4-フェノキシフェニル)-3-(フェニルアミノ)-2,4-オキサゾリジンジオンとシモクサニルとの組み合わせを含んで成る殺菌剤」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

6 本願発明1と引用発明との対比・判断
(ア)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。刊行物1の摘記1-c及び1-dによれば、引用発明の「5-メチル-5-(4-フェノキシフェニル)-3-(フェニルアミノ)-2,4-オキサゾリジンジオン」は、下記の式


で表される化合物であり、これは、本願発明1の「5-メチル-5-(4-フェノキシフェニル)-3-フェニルアミノ-2,4-オキサゾリジノン」に相当する。そして、引用発明は、「殺菌的に有効量の5-メチル-5-(4-フェノキシフェニル)-3-(フェニルアミノ)-2,4-オキサゾリジンジオンとシモクサニル」を含んでなる組成物であるから、本願発明1の「(a)5-メチル-5-(4-フェノキシフェニル)-3-フェニルアミノ-2,4-オキサゾリジノンと(b)シモクサニルの混合物を殺菌有効量で含んで成」る組成物に相当する。
してみると、両者は、
「(a)5-メチル-5-(4-フェノキシフェニル)-3-フェニルアミノ-2,4-オキサゾリジノンと(b)シモクサニルの混合物を殺菌有効量で含んで成る組成物」
という点で一致し、下記の点(i)?(iii)において一応相違するということができる。
(i)殺菌有効量において、本願発明1は「共働作用による殺菌有効量」であるのに対して、引用発明は「殺菌的に有効量」である点
(ii)本願発明1は、「成分(a)対成分(b)の重量比が17:1乃至1:100」であるのに対して、引用発明は重量比が明らかでない点
(iii)組成物において、本願発明1は「殺菌・殺カビ性組成物」であるのに対して、引用発明は「殺菌剤」である点

(イ)判断
そこで、上記相違点(i)?(iii)について判断する。
a 相違点(i)及び(ii)について
刊行物1には、「本発明の化合物は、殺菌剤、殺バクテリア剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺虫剤、または他の生物学的に活性な化合物と混合して、時間、努力および材料の消費を最小にして所望の結果を達成することができる」と記載され(摘記1-g)、殺菌剤の一種として「2-シアノ-N-エチルカルバモイル-2-メトキシイミノアセトアミド(シモクサニル)」が記載されている(摘記1-g)。さらに、刊行物1には、「ある場合において、同様な病気の抑制のスペクトルを有するが、異なる作用のモードを有する他の殺菌剤との組み合わせは、抵抗性の管理および/または改良された性質、例えば、確立された感染のための治癒活性のためにとくに有利であろう。両者に関してとくに有効な組み合わせは、式Iの化合物およびシノキサニル(審決注:シモクサニルの誤りと考えられる)を包含するものである。」(摘記1-h)と記載されていることから、式Iの化合物とシモクサニルの組み合わせが、時間、努力および材料の消費を最小にして所望の結果を達成するための組み合わせとして特に優れていることが開示されているといえる。
そして、当該技術分野において、2種類以上の薬剤を組み合わせるにあたり、Colbyの式によって算出される効果より高い効果を示す量比、すなわち、例えば、重量比が1:1を含む範囲の共働効果を有する量比で薬剤を組み合わせることは周知慣用である(例えば、特開昭58-128307号公報の9頁「試験B:共働活性」等及び特開平2-701号公報の11頁?12頁等参照)。
してみると、引用発明において、特に好ましいとされる、「5-メチル-5-(4-フェノキシフェニル)-3-フェニルアミノ-2,4-オキサゾリジオン」と「シモクサニル」を組み合わせるにあたり、共働効果を有する量比、すなわち、「共働作用による殺菌有効量」、例えば、1:1を含むところの「重量比が17:1乃至1:100」で組み合わせることは、当業者であれば容易に想到することである。

b 相違点(iii)について
刊行物1には、対象となる植物の病気について、「担子菌類および子嚢菌類のクラス、とくに卵菌類のクラスにおける広いスペクトルの植物の病気を抑制する。それらは広いスペクトルの植物の病気、とくに鑑賞植物、野菜、農作物、穀物および果実植物の葉の病原体、例えば、プラスポパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)、ペロノスポラ・タバチナ(Peronospora tabacina)、シュードペロノスロポラ・クペンシス(Pseudoperonospora cubensis)、フィトフトラ・メガスペルマ(Phytophthora megasperma)、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)、ベンツリア・イネクアリス(Venturia inaequalis)、プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)、ビチウム・アファニデルマツム(Pythium aphanidermatum)、アルタルナリア・ブラシコラ(Altarnaria brassicola)、セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)、セロコスポリジウム・ベルソナツム(Cerocosporidium personatum)およびこれらの病原体に関係する種の抑制において有効である。」ことが記載されている(摘記1-f)。
一方、本願明細書には、「本発明の組成物は担子菌類(Basidiomycete)、嚢子菌類(Ascomycete)、不完全菌類(Deuteromycete)、及び特に卵菌類(Oomycete)における広い範囲(Spectrum)の真菌性植物病原体によって引き起こされる病気の防除を提供する。それらは、広い範囲の植物の病気、特に、装飾用、野菜、畑、穀物、及び果実の作物の葉に関連する病原体、特にジャガイモ、トマト及びブドウの木における病原体を防除するのに有効である。これらの病原体としては、べと病菌(Plasmopara viticola)、疫病菌(Phytophthora infestans)、べと病菌(Peronospora tabacina)、べと病菌(Pseudoperonospora cubensis)、インゲン綿腐病菌(Pythium aphanidermatum)、黒斑病菌(Alternaria brassicae)、ふ枯病菌(Septoria nodorum)、‥ナンキンマメ黒しぶ病菌(Cercosporidiumpersonatum)、‥灰色かび病菌(Botrytis cinerea)、‥黒星病菌(Venturia inaequalis)、‥赤さび病菌(Puccinia recondita)、‥バラ疫病菌(Phytophthora megasperma)‥、及び、これらの病原体に密接に関連する他の属並びに種が挙げられる。各種の真菌性の病気(例えばジャガイモの斑点病及びトマトの斑点病)に関連する病原体である疫病菌(Phytophthora infestans)を防除するのにそれらを使用することは重要なことである。ブドウのべと病のような真菌性の病気に関連する病原体であるべと病菌(Plasmopara viticola)を防除するのにそれらを用いることも重要である。」ことが記載されている(18頁15行?20頁14行、対応する公表特許公報の19頁5行?20頁20行)。
してみると、両者は共に、担子菌類及び嚢子菌類、特に卵菌類(Oomycete)における広い範囲の植物の病気の防除に用いられるものであって、適用対象が重複するから、相違点(iii)は実質的な相違点とはならない。

7 本願発明1の効果について
本願発明1の効果は、本願明細書の「式Iの化合物とシモクサニル(cymoxanil)の配合物が、前記成分によって予想される単純な加算的抑制力以上に十分且つ驚くほど高められた抑制力をある種の植物の病気について与えることが見出された。」(本願明細書3頁16行?19行、対応する公表特許公報の7頁2行?4行)、「植物の菌、特にフィトフトラ種(Phytophthora spp.)及びプラスモパラ種(Plasmopara spp.)等の卵菌類(Oomycetes)の綱の菌類を効果的に防除する殺菌剤は、栽培者による一定の需要がある。‥式Iの化合物とシモクサニル(cymoxanil)とを含有する組成物は共働作用を示すことが見出された。」(本願明細書10頁2行?14行、対応する公表特許公報の12頁6行?17行)という記載、及び、平成19年7月25日の手続補正書(審判請求書)における「引用例1(特表平4-506658号公報すなわちWO 90/12791)(審決注:審決における刊行物1)は、本願発明の背景技術として、本願明細書の第1頁において参照されている公知文献であります。この公知文献には、広汎な一般式Iのオキサゾリジノン類とシモクサニルとの単なる組み合わせ使用についての開示はありますが、本願明細書第1頁第20?22行にも記載のように、相乗効果をもたらす両成分の配合割合(共働薬組成)は開示も示唆もされておりません。特に、一般式Iに包含される数多のオキサゾリジノン類のうちから選び出された5-メチル-5-(4-フェノキシフェニル)-3-フェニルアミノ-2,4-オキサゾリジノンという特定のオキサゾリジノンとシモクサニルとを17:1乃至1:100なる特定の重量割合において殺菌有効量で含んで成る本願発明の組成物による優れた相乗効果については、尚更のことであります。」(3頁5行?14行)という請求人の主張からみて、卵菌類(Oomycete)に対する共働作用を有することであるといえる。
しかしながら、上記「6(イ)a」及び「6(イ)b」で述べたように、引用発明において、式Iの化合物及びシモクサニルを共働効果を有する量比で組み合わせることによって、卵菌類(Oomycete)に対して共働作用を有するという効果を奏することは、予測できる範囲のものであり、格別顕著な効果であるとはいえない。

8 まとめ
したがって、本願発明1は、その出願前頒布された刊行物1に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(当業者)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第3 むすび
以上のとおり、この出願の請求項1に係る発明は、その出願前頒布された刊行物1に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(当業者)が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その余について検討するまでもなく、本願は、拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-08-20 
結審通知日 2009-08-25 
審決日 2009-09-09 
出願番号 特願平9-505913
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A01N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 泰之  
特許庁審判長 西川 和子
特許庁審判官 坂崎 恵美子
唐木 以知良
発明の名称 殺菌・殺カビ性混合物  
代理人 結田 純次  
代理人 竹林 則幸  
代理人 高木 千嘉  
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