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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63B
管理番号 1214275
審判番号 不服2007-23039  
総通号数 125 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-05-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-08-22 
確定日 2010-04-02 
事件の表示 平成 9年特許願第303729号「ゴルフパターヘッド」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 4月27日出願公開、特開平11-114113〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成9年10月17日になされた出願である。平成19年2月1日付けで拒絶理由が通知され、これに対して同年3月29日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものの、同年7月19日付けで拒絶査定がなされた。これを不服として、同年8月22日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同日付けで手続補正書が提出された。



第2 平成19年8月22日付け手続補正についての補正の却下の決定

〔補正却下の決定の結論〕

平成19年8月22日付け手続補正を却下する。

〔理由〕

1.本件補正の目的

平成19年8月22日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)は、本件補正前(平成19年3月29日付け手続補正によって補正。以下、同じ。)の特許請求の範囲の記載を以下のとおり補正することを含むものである(下線は補正箇所を示す)。

(本件補正後の特許請求の範囲)
「 【請求項1】 ボールをヒットするフェース面を有するヘッド本体にウェイトを設けたゴルフパターヘッドにおいて、
ヘッド本体のトウ側及びヒール側に配置されたウェイトの容積の大半がフェース面の中心を通る水平面の上方に配分され、
ウェイトの形成材料の比重がヘッド本体の形成材料の比重よりも高くヘッド全体の高重心化が図られ、
前記ウェイトがソール面より16mm以上の高さにのみ配置されていることを特徴とするゴルフパターヘッド。
【請求項2】 前記ヘッド本体の幅方向の断面を逆三角形型とし、ヘッド本体自体の上下の容積配分の結果によって高重心化したことを特徴とする請求項1に記載のゴルフパターヘッド。」

(1-2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の特許請求の範囲は、平成19年3月29日付けの手続補正により、下記のとおりのものとなっていた。

(本件補正前の特許請求の範囲)
「 【請求項1】 ボールをヒットするフェース面を有するヘッド本体にウェイトを設けたゴルフパターヘッドにおいて、
ヘッド本体のトウ側及びヒール側に配置されたウェイトの容積の大半がフェース面の中心を通る水平面の上方に配分され、
ウェイトの形成材料の比重がヘッド本体の形成材料の比重よりも高くヘッド全体の高重心化が図られ、
前記ウェイトがソール面より16mm以上の高さに配置されていることを特徴とするゴルフパターヘッド。
【請求項2】 前記ヘッド本体の幅方向の断面を逆三角形型としたことを特徴とする請求項1に記載のゴルフパターヘッド。」


(1-3)本件補正の目的について
請求項1に係る補正は、本件補正前の「前記ウェイトがソール面より16mm以上の高さに配置されている」という記載を「前記ウェイトがソール面より16mm以上の高さにのみ配置されている」と補正することにより、ウェイトの配置されているところを限定する補正を内容とするものであるから、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2(以下、単に「特許法第17条の2」という。)第4項第2号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正を含むものである。

そこで、本件補正後の請求項1に記載されている発明特定事項により特定される発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項に規定する要件を満たすか否かについて、以下に検討する。



2.本願補正発明

本願補正発明は、次のとおりのものである。

<本願補正発明>
「 ボールをヒットするフェース面を有するヘッド本体にウェイトを設けたゴルフパターヘッドにおいて、
ヘッド本体のトウ側及びヒール側に配置されたウェイトの容積の大半がフェース面の中心を通る水平面の上方に配分され、
ウェイトの形成材料の比重がヘッド本体の形成材料の比重よりも高くヘッド全体の高重心化が図られ、
前記ウェイトがソール面より16mm以上の高さにのみ配置されていることを特徴とするゴルフパターヘッド。」



3.刊行物、刊行物に記載された事項及び引用発明の認定

(3-1)引用例及び引用例に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である、特開平7-289669号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに、以下の事項の記載がある((3-2)引用発明の認定において特に関連する部分に下線を引いた。)。

(3-1-1)特許請求の範囲
「【請求項1】低比重の材質による第一部材から構成されたクラブヘッド、前記クラブヘッドの先端部と後端部とのそれぞれの部分に設けられ、かつ前記低比重の材質による第一部材よりも高比重の材質による第二部材を有することを特徴とするゴルフ用クラブ。」

(3-1-2)段落【0001】?段落【0014】
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比重差のある異種金属により構成されたゴルフ用クラブおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年ゴルフ用クラブは、新形状、新材質等から多種製品化されている。こうした中で、ワイドスポット、低比重のクラブの流行が特に顕著であり、パタ-では、ピン型、アイアンはキャビティバック型、ウッドはTi等の軽量材質による大型ヘッドクラブが、プロからアマチュアまで広く使用されている。アイアンは、特開昭63-290590号の一体に接合した複合材料を鍛造法によるもの、ウッドは、特開昭63-154186号の中空状のヘット本体にTiまたはTi合金とし、その後部内側にバックウエイトを固着したことを特徴とし製品化している。ピン型およびその変形のパタ-のヘッドは単一の材質のものが多い。総重量の調整は、両面接着剤付のPb合金を後部に貼つけることが主流で、後部にコインによる装着で行うアイアンの実例はある。
【0003】また、図4は、チタン(以下、Tiとする)により構成された従来のゴルフ用パターであるピン型パターヘッドの図を示す。図4(a)は、その上からみた上平面図(断面図)であり、図4(b)は、その側面図である。図において、1は先端部、2は後端部、3はゴルフ用クラブであるパター本体、4はゴルフボール、10は打球面、11はパター上面、12は側部のエグレ部、13は後部のエグレ部である。また、図において数値の単位はmmであり、9.74mmとは、ゴルフボール4とパター本体3を投影面で見た場合の、それぞれの相対的な重量の中心の位置の差を示すものである。また、CLとはパター本体3の中心線である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の製品では、例えばピン型パタ-においてはワイドスポットの範囲が制約されるという問題がある。また、低重心化により図4に示すように打点が、ボ-ル中心とクラブ重心とのズレが大きくなることによりパッティング距離感に高度な習熟を必要とされるという問題もある。
……(中略)……
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるゴルフ用クラブおよびその製造方法は、低比重の材質による第一部材から構成されたクラブヘッド、前記クラブヘッドの先端部と後端部とのそれぞれの部分に設けられ、かつ前記低比重の材質による第一部材よりも高比重の材質による第二部材を有することを特徴とする。
……(中略)……
【0012】
【作用】低比重材質のクラブヘッドに、先端部と後端部により高比重の異種材質を装着した本発明によれば、ゴルフ用クラブ、特にパタ-においては、単一材質によるものと比較し、図1に示す通り高ワイドスポット化を可能とする。
【0013】図1において、横軸はパターヘッドを左右に2分割してその左右の重量比を計る場合の、その分割点のパターヘッド中心からの距離を示し、単位はmmである。また、縦軸は右側部分の重量WRと左側部分の重量WLの重量比WR/WLをしめす。そして、5は従来のパターを示し、6は本発明の実施例によるパターの特性を示す。さらに、1は先端部であり、2は後端部であり、それぞれその場所に高比重の材料が設けられる部分であり、3はパター本体、11はパター上面、13は後部のエグレ部である。同図からわかるように、本発明の後述の実施例によるパター(6)は、従来のパター(5)に比較して、その左右の重量バランスが均一であり、上述のように高ワイドスポットである。
【0014】また、同形状のヘッドにおいては、高重心化を可能とし、ヘッド重心とボ-ル最大径がより近接することが容易となり、初心ゴルファ-においても、距離感の安定性を増す。このことは後に説明する図3と図4より明かである。」

(3-1-3)段落【0017】?段落【0019】
「【0017】
【実施例】以下本発明を図面に基づいて説明する。
【0018】〔実施例1〕図2は、本発明の実施例によるMIM法による純Tiヘッド本体と粉末冶金法による先端部、後端部のW-Ni-Cu(密度17.6)の円柱をネジ止め固定したゴルフ用クラブを示す。図2において、(a)は上からみた上平面図(断面)、(b)は側面図を示し、1は先端部、2は後端部、3はゴルフ用クラブ、例えばパター本体、4はゴルフボール、10は打球面、11はパター上面、12は側部のエグレ部、13は後部のエグレ部、20は超重合金、CLはパター本体3の中心線をそれぞれ示す。なお、本実施例においてヘッド総重量の調整は、超重合金20の円柱の長さを可変することにより可能である。
【0019】図2において、記入されている数字の単位はmmであり、4.92mmとは、ゴルフボールとパターを投影面で見た場合の、それぞれの相対的な重量の中心の位置の差を示すものである。ここから、本実施例のぱたーは高重心であることがわかる。
【0020】MIM法による純Tiからなるパターヘッド本体3の製造のフロ-とその製造条件を以下に示す。
……(中略)……
【0022】(2)主な製造条件
(○1)金属粉末
・純Ti ガスアトマイズ粉末
・粒径 45ミクロンミリ以下
・組成 炭素量 0.3%以下
酸素量 0.3%以下
不可避的不純物元素
(○2)バインダ-組成
熱可塑性樹脂、ワックスを主成分とし、必要に応じて可塑剤、潤滑剤、脱脂促進剤からなる。
【0023】・PBMA(ポリブチルメタクリレ-ト)
・EVA(エチレン酢酸ビニ-ル共重合体)
・ワックス
・DBP(デイブチルフタレ-ト)
(○3)コンパウンド
上記の(○1)、(○2)を加圧ニ-ダ-にて110℃ × 1Hr 混練
(○4)脱脂 減圧下 400℃ × 1Hr
(○5)焼結 Ar2雰囲気 1250℃ × 3Hr
二次加工 打球面の研磨等機械加工
(3)特性 カタサ:Hv 250
上記の条件で製造した純Tiヘッド本体に、粉末冶金法による超重合金(W-Ni-Cu 比重17.6)20の先端部1、後端部2を各135gの円柱をネジ止め固定し、総重量320gのゴルフ用パタ-ヘッドを製作した。【0024】超重合金20のパター本体3への固定は、ネジ止め以外にも溶接、接着等の方法でも可能であり、要は固定されれば良いものである。」(当審注:前記(○1)、(○2)、(○3)、(○4)、(○5)は、公報では○の中に数字。)

(3-1-4)段落【0030】
「【0030】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、ゴルフ用クラブの先端部と後端部にクラブ本体より比重の大きい異材質を装着することにより、形状、寸度、重量が通常使用されたゴルフ用クラブに近似したもので、パタ-は広ワイドスポット化と高重心化により初心者ゴルファ-の距離感の安定化に貢献する。またクラブ総重量の可変も容易となり、従来の重り貼付けの外観を損なうこと、軽量化はできない欠点も除去できる。」

(3-1-5)【図1】、【図2】、【図4】
【図1】には重心からのズレ量とヘッドの左右部分の重量比の相関図が、【図2】には実施例1による先端部、後端部を円柱状としたゴルフ用クラブ(パタ-ヘッド)の断面図が、【図4】には、従来のピン型ゴルフ用パタ-ヘッドの断面図が、それぞれ示されている。


(3-2)引用発明の認定

引用例の実施例1の記載(前記摘記事項(3-1-3)参照)及び図2を参酌すると、図2においては、中心線CLの中点を通り水平面に平行な平面よりも上部に、超重合金20の大部分が存在していることが見て取れる。また、ゴルフ用パターヘッドの底面は湾曲していること及びゴルフ用パターヘッドの重心は底部から16.42mmのところであってゴルフボールの中心から4.92mm下のところに位置していることが把握される。
そうすると、引用例には 次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「 打球面10を有するパターヘッド本体3に超重合金20を固定したゴルフ用パターヘッドであって、
超重合金20が、ゴルフ用パターヘッドの先端部と後端部とのそれぞれの部分に設けられ、
中心線CLの中点を通り水平面に平行な平面よりも上部に、超重合金20の大部分が存在しており、
超重合金20は、パターヘッド本体3の材質よりも高比重の材質であり、 ゴルフ用パターヘッドの底面は湾曲しており、
ゴルフ用パターヘッドの重心は、底部から16.42mmのところであってゴルフボールの中心から4.92mm下のところに位置しており、
高重心となっているゴルフ用パターヘッド。」


4.本願補正発明と引用発明との対比

本願補正発明と引用発明とを対比する。
引用発明における「ゴルフ用パターヘッド」、「打球面10を有するパターヘッド本体3」、「超重合金20」、「(ゴルフ用パターヘッドの)先端部」、「(ゴルフ用パターヘッドの)後端部」、「中心線CLの中点を通り水平面に平行な平面」及び「ゴルフ用パターヘッドの底面」が、本願補正発明における「ゴルフパターヘッド」、「ボールをヒットするフェース面を有するヘッド本体」、「ウェイト」、「(ヘッド本体の)トウ側」、「(ヘッド本体の)ヒール側」、「フェース面の中心を通る水平面」及び「ソール面」に相当することは当業者には明らかである。
したがって、引用発明の「打球面10を有するパターヘッド本体3に超重合金20を固定したゴルフ用パターヘッド」は、本願補正発明の「ボールをヒットするフェース面を有するヘッド本体にウェイトを設けたゴルフパターヘッド」に相当し、引用発明の「超重合金20が、ゴルフ用パターヘッドの先端部と後端部とのそれぞれの部分に設けられ、中心線CLの中点を通り水平面に平行な平面よりも上部に、超重合金20の大部分が存在しており」は、本願補正発明の「ヘッド本体のトウ側及びヒール側に配置されたウェイトの容積の大半がフェース面の中心を通る水平面の上方に配分され」に相当し、引用発明の「超重合金20は、パターヘッド本体3の材質よりも高比重の材質であり」と「高重心となっているゴルフ用パターヘッド」は、本願補正発明の「ウェイトの形成材料の比重がヘッド本体の形成材料の比重よりも高くヘッド全体の高重心化が図られ」に相当する。

してみると、本願補正発明と引用発明とは、

「ボールをヒットするフェース面を有するヘッド本体にウェイトを設けたゴルフパターヘッドにおいて、
ヘッド本体のトウ側及びヒール側に配置されたウェイトの容積の大半がフェース面の中心を通る水平面の上方に配分され、
ウェイトの形成材料の比重がヘッド本体の形成材料の比重よりも高くヘッド全体の高重心化が図られた、
ゴルフパターヘッド。」の点で一致し、下記の相違点の点で相違する。

〈相違点〉
本願発明においては、前記ウェイトがソール面より16mm以上の高さにのみ配置されているのに対して、引用発明においてはそのような限定がなされていない点。


5.検討・判断

上記相違点について検討する。
本願の出願前の時点において、底面が平面状であるゴルフパターヘッドの重心をゴルフボールの中心と一致させるべきことは、当業者に周知の事項である(例えば、原査定の理由に引用した特開平09-225077号公報の他、実願平02-050058号(実開平04-007865号)のマイクロフィルム等を参照)。
してみれば、底面は湾曲しており、重心が底部から16.42mmのところであってゴルフボールの中心から4.92mm下のところに位置している引用発明のパターヘッドについて、その底面を平面状としつつ、ゴルフパターヘッドの重心をゴルフボールの中心と一致させる又は近づけるように設計変更することは、当業者が適宜なし得る設計上の事項に過ぎない。
この場合、引用発明においては、底部から16.42mmのところであってゴルフボールの中心から4.92mm下のところより下方に位置する超重合金の容積をなくせばより重心が高くなり、重心がゴルフボールの中心により近づくことは当業者には自明であるから、超重合金が底部から16.42mmのところよりも上方にのみ存在するように設計変更することは当業者であれば適宜なし得ることである。そして、底面を平面状とするのであるから、結局、超重合金(本願補正発明の「ウェイト」に相当する)が平面状の底部(本願補正発明の「ソール面」に相当する)から16.42mm以上の高さのみに配置されること、すなわち、ウェイトがソール面より16mm以上の高さにのみ配置されていることとなる。
したがって、上記相違点の点は、当業者が適宜なし得る設計事項に過ぎない。
そして、本願補正発明が奏する作用効果も、引用発明及び当業者に周知の事項から、当業者が予測できる範囲のものである。
よって、本願補正発明は、引用発明および当業者に周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。


6.本件補正についての結び

以上のとおり、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項に規定する要件を満たさないものであり、特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。



第3 本願発明について

1.本願発明
平成19年8月22日付け手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1及び2に係る発明は、それぞれ本件補正前の、平成19年3月29日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1及
び2に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。

<本願発明>
「ボールをヒットするフェース面を有するヘッド本体にウェイトを設けたゴルフパターヘッドにおいて、
ヘッド本体のトウ側及びヒール側に配置されたウェイトの容積の大半がフェース面の中心を通る水平面の上方に配分され、
ウェイトの形成材料の比重がヘッド本体の形成材料の比重よりも高くヘッド全体の高重心化が図られ、
前記ウェイトがソール面より16mm以上の高さに配置されていることを特徴とするゴルフパターヘッド。」


2.刊行物及び各刊行物の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用例の記載事項は、前記「第2 平成19年8月22日付け手続補正についての補正の却下の決定」の「3.刊行物、刊行物に記載された事項及び引用発明の認定」に記載したとおりである。


3.対比・判断

本願発明は、前記「第2 平成19年8月22日付け手続補正についての補正の却下の決定」の「2.本願補正発明」?「5.検討・判断」において検討した本願補正発明の「前記ウェイトがソール面より16mm以上の高さにのみ配置されていることを特徴とするゴルフパターヘッド。」から「のみ」という限定を省いて「前記ウェイトがソール面より16mm以上の高さに配置されている」とするものである。

そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに限定したものに相当する本願補正発明が、前記「第2」の「5.検討・判断」に記載したとおり、引用発明及び当業者に周知の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び当業者に周知の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


(3)むすび

以上のとおり、本願発明は、引用発明及び当業者に周知の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-01-29 
結審通知日 2010-02-01 
審決日 2010-02-19 
出願番号 特願平9-303729
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63B)
P 1 8・ 575- Z (A63B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鉄 豊郎  
特許庁審判長 北川 清伸
特許庁審判官 森林 克郎
岡田 吉美
発明の名称 ゴルフパターヘッド  
代理人 増田 竹夫  

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