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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1216071
審判番号 不服2007-14471  
総通号数 126 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-05-19 
確定日 2010-05-06 
事件の表示 特願2000-335697「半導体装置の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 5月17日出願公開、特開2002-141298〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成12年11月2日の出願であって、平成19年4月18日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月19日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年6月18日付けで手続補正がなされ、その後、当審において平成21年10月30日付けで審尋がなされ、回答書が提出されなかったものである。

第2 平成19年6月18日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成19年6月18日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 補正後の本願発明
平成19年6月18日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、補正前の請求項1ないし9を、補正後の請求項1ないし6に補正するものであり、そのうち補正前の請求項5についての補正は、補正前の請求項5を補正後の請求項1として、
「【請求項1】 半導体基板に不純物を注入する工程と、前記半導体基板に主たる波長の広がりが1μm以下であるインコヒーレントな光を0.1sec以下照射して前記注入された不純物を活性化させ、この不純物で構成される不純物拡散領域を形成する工程とを備え、前記光の光源は、フラッシュランプであり、前記半導体基板は、前記インコヒーレントな光を照射する前に650℃以下で予備加熱され、前記予備加熱の熱源は、前記半導体基板に離間して配置されたハロゲンランプであり、且つ前記半導体基板を挟んで前記光源と対向配置されており、前記インコヒーレントな光を照射する工程において、前記光源と前記半導体基板との間に光学的開口部を持つマスクを配置することを特徴とする半導体装置の製造方法。」と補正するものである。
上記補正は、補正前の請求項1を引用する補正前の請求項5を独立項にするとともに、その構成に、補正後の請求項1の「前記予備加熱の熱源」が「前記半導体基板に離間して配置されたハロゲンランプであ」ることを限定するものであるから、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、補正後の請求項1に記載された事項により特定される発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2 独立特許要件について
(1)刊行物に記載された発明
(ア)刊行物1:特開昭57-207345号公報
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に日本国内において頒布された刊行物1には、「光照射アニール装置」(発明の名称)に関して、第1図ないし第3図とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線「 」は、引用箇所のうち特に強調する部分に付加した。以下同様。)

「本発明は、光照射アニール装置、特にイオン注入を行なった半導体基板表面の結晶性回復のための光照射アニールをなす際に該基板表面を加熱するための赤外線照射を行う装置に関する。」(第1頁左下欄第13?16行)
「本願の発明者は光照射アニールにおいてイオン注入層の回復或いは活性化を計るには、基板表面を適当な温度(300?500℃)に予備加熱しておくと効果的であることを確認した。」(第1頁右下欄第7?10行)
「第1図には、本願発明者の実施した実験結果の線図が示され、それは基板温度と活性化率の関係を表わす。同図において、実線aはアニール光照射エネルギーが19Jcm^(-2)、点線bは10Jcm^(-2)の場合を、また△は電気炉アニールの場合を示す。同図を参照すると、光照射エネルギーを一定にしたとき基板温度が室温付近の場合、100?200μsec照射しても活性化率(注入した不純物が電気的にどの程度有効になっているかを示す量)は0に等しいが、基板温度が300?500℃になると活性化率が80%以上になる。この値は同図に示される電気炉アニール(600℃,N_(2)雰囲気で5分)のみの値と比べてきわめて大きい。なお基板温度を室温程度にして大きな活性化率を得ようとすると、かなり大きな照射エネルギー密度が必要であり、必要以上に大きなエネルギーを照射すると基板表面が損傷したり、場合によっては基板自身が割れたりすることも確認された。さらに、本願発明者は、光照射アニールにおいて、基板温度一定の下では適当な照射エネルギー密度(20Jcm^(-2)程度)で200?500μsec照射すると大きな活性化率が得られることも確認した(第2図)。第2図は、1回の照射エネルギー密度と活性化率の関係を表し、実線aは200μsec照射、点線bは、400μsec照射の場合を、また△は電気炉アニール(600℃,N_(2)雰囲気で5分)の場合を表わす。以上の実験により、本願の発明者は、イオン注入層回復は適当な基板温度、照射エネルギー、照射時間の下で、光照射アニールによって効果的に行なえることを確認した。
従来の光照射アニールにおいては、第3図に示す如く、基板3の加熱には抵抗加熱ヒータ2を用い基板3の下方から加熱した上で、キセノン(Xe)ランプ1の照射を行う。なお図においてXeランプ1は簡略化のため1個しか示されないが、実際には複数個のランプが配列されている。」(第1頁右下欄第17行?第2頁右上欄第12行)
「4.図面の簡単な説明
第1図と第2図は厚さ50mmの酸化シリコン膜(SiO_(2))を通して、ホウ素イオン(B^(+))を100KeV、10^(14)cm^(-2)でシリコン基板に注入したイオン層に対する光照射および電気炉アニールの結果を示す線図。」 (第3頁左上欄第15?20行)

以上から、刊行物1には、
「ホウ素イオン(B^(+))を注入されたシリコン基板に、抵抗加熱ヒータ2を用い、基板温度が300?500℃になるように、基板3の下方から加熱した上で、キセノン(Xe)ランプ1の照射を100?200μsec行い、イオン注入層の活性化を計る光照射アニール。」(以下「引用発明」という。)が記載されている。

(イ)刊行物2:特開昭55-68638号公報
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に日本国内において頒布された刊行物2には、「半導体表面の加熱処理法」(発明の名称)に関して、第1図とともに以下の事項が記載されている。

「本発明は、半導体ウエハーの一主面にキセノンランプ等の光ランプによる光をパルス照射することにより半導体表面を加熱することを特徴とする。
以下、本発明の実施例を説明する。
Xeランプ(キセノンランプ)により波長λ=3000Å?1μで100μ/cm^(2) 1μsec,1joule/cmの光を得、これをレンズ又はミラー等を用いる一般の光学的方法により集光し、直径5インチのシリコンウエハの表面全体に一括パルス照射してウエハ表面を瞬間的に加熱する。
又、キセノンランプのパワーが一桁程度小さい場合は、第1図にて示すように光を5^(mm□)又は10^(mm□)程度の1チップ2の寸法に絞りステップアンドリピートによりシリコンウエハ1上にシリコンウエハ1上のスクライブラインとして用いるところ所謂スクライブエリア3をはずして照射する(同図4で示す場所が照射領域である)。」(第2頁左上欄第7行?同頁右上欄第3行)
「さらに、本発明によれば光源となるキセノンランプと被照射物(シリコンウエハ等)との間にアパーチャーを用いた光整形による光分布の均一化、又はマスクを用いた図形形成によるウエハ表面の光加熱処理の図形化を計ることもできる。」(第2頁右上欄第8?12行)

(ウ)刊行物3:特開昭60-258928号公報
本願の出願前に日本国内において頒布された刊行物3には、「半導体ウエーハの加熱装置および方法」(発明の名称)に関して、第1図、第2図、第4図、第8図及び第9図とともに以下の事項が記載されている。

「本発明は半導体ウエーハの加熱装置および方法に関する。」(第2頁左上欄第9?10行)
「この用途に利用する本発明の方法は、主にイオン-インプラント半導体ウエーハを焼なまして、イオンインプラント処理によって生じたストレスを取り除き、インプラントドウパント(implant dopants)を完全に活性化し、固相エピタキシヤルを再成長させて損傷した結晶格子構造を補修することができる。」(第2頁左上欄第16行?同頁右上欄第2行)
「装置の第2の実施例の詳細な説明(第4図と第9図)
第4図と第9図は異なったタイプの放射熱源を使用した実施例を示している。一方の放射熱源はCWであり、他方の放射熱源はパルスまたはフラッシュ熱源である。従って、本発明は製法にも使用できるようになっている。この製法では等温加熱と熱線束加熱作用が、前述したようにまた以下に詳細に説明するように組み合わされている。第4図では、第1図に図示した上部の代わりに、放射源14は底の位置に示されている。放射源14は、第4図で概略的に縦断面にして示されている。第4図の底にある放射源14のランプの配列は、前述した第1図および第2図のものと同一である。
上部集光罐体は、非常に好ましくは既に述べたようなカレイドスコープである。この上部集光罐体は参照番号10aで示されており、その壁を11aで、非拡散反射コーティングを13aで、そして端壁を12aで示してある。下部集光罐体(カレイドスコープ)は、前述した実施例に記載のものと同一であるが逆向きになっている。従って、同一の参照番号10等を使用する。
カレイドスコープ10aの上端にある放射源は、参照番号46で示されている。この放射源はパルスまたはフラッシュ放射源であり、3つのフラッシュチューブ47が図示されている。これらフラッシュチューブ47は、カレイドスコープの軸線に直交する平面内で互いに平行に間隔をあけて配置されている。一例として3つのフラシュチューブ47の各々は空冷式のリニアフラッシュランプであり、50ないし100マイクロ秒当たり700ジュール放熱するようになっている。フラッシュチューブの特性のために、石英ハロゲンCWランプでは金を使用することが好ましいが、このフラッシュチューブの場合にはアルミニウムの非拡散反射コーティング13aが好ましい。
フラッシュチューブ47は、例えばキセノンフラッシュチューブでも良く、ストロボ発光すると高出力を出し瞬間的なフラッシュ光を発する。カレイドスコープ10a内での内部反射のために、パルス源46からのエネルギによって広面積のウエーハ18を均一に加熱する。フラッシュチューブ47は互いに同時に発光されるようになっている。」(第8頁右上欄第18行?第9頁左上欄第1行)
「ドウパントインプラント半導体ウエーハを急速に焼きなます第2の方法は、ウエーハの溶融点よりかなり低い所定温度までそうしたウエーハを均一に等温加熱し、その後でウエーハの(ドウパントインプラント処理を加える)上部表面区域を速やかに熱線束加熱し、次いでウエーハを冷却する工程を備えている。熱線束加熱(この用語は、本明細書の冒頭で特定されている)は、半導体材料の溶融点付近で行なうことが望ましいが、第9図の中央領域にある立ち上がり部分で示されているように、シリコンの1410℃の溶融点に対しこれと同じ温度まで到達することはない。
さらに詳しく説明すると,第2の製法は、CW放射源によりドウパントインプラント半導体ウエーハを等温加熱する工程を備えている。前記CW放射源は、好ましくは、集光罐体(カレイドスコープが好ましい)で構成された光学系空所内に配置された石英ハロゲンランプの列である。CWランプに供給される電力は、毎秒当たり200-500℃(またはそれ以上)の温度上昇速度が得られるように制御される。シリコンウエーハが、800-1100℃のプログラム温度に達すると、次にパルスランプの列へ大電力が供給され、ウエーハのドウパントインプラント表面の温度を1200-1400℃まで急速に高める。従って、ウエーハの表面域を焼きなまし、欠陥を取り除くことができる。
組み合わせ方式による加熱法により、半導体ウエーハに接触してこれを汚染することなく、急速に、効率よく、しかも効果的に半導体ウェーハを加熱することができ、例えば予熱板を使用する必要がない。複式石英ハロゲンランプと複式高出力(パルス発光)ランプとを同じ空所内に設置することで、半導体材料を両方のランプにより等温熱線束加熱することができる。
パルスランプ列のパルス発光時間は、5マイクロ秒から1000マイクロ秒にすることができる。半導体材料のドウパントインプラント表面で吸収される熱線束エネルギは、5マイクロ秒パルス当たり0.5J/cm^(3)から1000マイクロ秒パルス当たり10J/cm^(3)までの範囲にできる。
強調したいことは、前述しそして第9図に示した第2の製法において、この等温加熱は、当該等温加熱(パルスなし)を第8図に示すように用いた場合と比べて、低温にできるため好ましい。半導体材料の表面温度を溶融点付近まで急激に上昇できることから、焼きなまし速度を(温度と焼きなまし速度との関係が直線になる場合での焼きなまし速度よりかなり)速められる。その結果、低い等温加熱温度を利用することができる。
例えば、等温加熱を用いて、ウエーハ全体の温度を約1100℃まで均一に高められる。数秒後、パルス源にエネルギが加えられて立ち上がり(第9図)を形成し、ウエーハの上部表面域だけをピーク温度まで高めている。しかし、箇々の半導体材料(第9図に示す例ではシリコン)の溶融温度まで上昇することはない。パルスは、少なくともドウパントインプラント層とほぼ同じ深さ(底)までの区域を加熱し焼きなますのに必要な短いものである。パルスの持続時間は、(特に、等温加熱の後)シリコンパネルのスリップを極力少なくし、さらにウエーハの導体全体を加熱することのほとんどない充分に短いものである。ウエーハ全体を加熱することがないため、ウエーハ全体の温度は、前記実施例で説明した1100℃から数度上昇するにすぎない。熱線束加熱を行うパルスが短かいためである。
強調したいことは、ガリウムヒ素等の他の半導体材料のために、温度および/または時間を変えられることである。ゆっくりした(炉)焼きなましに際して蒸発が起こるため、ガリウムヒ素には大きな問題点が残されている。ガリウムヒ素では、既に述べてきた第2の製法を用いて、ほぼ蒸発の生じない比較的低い温度までウエーハを等温加熱することができる。次いで、パルスランプを用いて熱線束加熱し、(等温加熱と共に)所望の焼きなましを行う。さらに詳しく説明すると、ガリウムヒ素半導体ウエーハは、第2の製法により、当該ウエーハを約500-600℃の範囲の温度まで等温加熱することにより急速に焼きなまされ、次いで、約950-1000℃まで温度を高める。」(第9頁左下欄第12行?第10頁左下欄第12行)

(2)本願補正発明と引用発明との対比・判断
本願補正発明と引用発明とを対比する。

(a)引用発明の「シリコン基板」、「ホウ素イオン(B^(+))」及び「光照射アニール」は、それぞれ本願補正発明の「半導体基板」、「不純物」及び「半導体装置の製造方法」に相当する。
(b)引用発明では、「ホウ素イオン(B^(+))を注入されたシリコン基板」を用いることから、引用発明に、「シリコン基板」に「ホウ素イオン(B^(+))」を「注入」する工程が含まれていることは明らかである。
(c)引用発明の「シリコン基板に、」「キセノン(Xe)ランプ1の照射を」「行い、イオン注入層の活性化を計る」ことは、本願補正発明の「前記半導体基板に」「光を」「照射して」「注入された不純物を活性化させ」ることに相当する。そして、「活性化」された「イオン注入層」が「不純物拡散領域」であることは明らかである。
(d)引用発明の「抵抗加熱ヒータ2を用い、基板温度が300?500℃になるように、基板3の下方から加熱した上で、キセノン(Xe)ランプ1の照射を」「行」うことは、本願補正発明の「前記半導体基板は、」「光を照射する前に650℃以下で予備加熱され」ることに相当し、引用発明の「抵抗加熱ヒータ2」は、本願補正発明の「予備加熱の熱源」に相当する。
(e)刊行物1の「従来の光照射アニールにおいては、第3図に示す如く、基板3の加熱には抵抗加熱ヒータ2を用い基板3の下方から加熱した上で、キセノン(Xe)ランプ1の照射を行う。」(第2頁右上欄第7?10行)という記載及び第3図を参照すれば、引用発明において、「抵抗加熱ヒータ2」が、「基板3」(「シリコン基板」)を挟んで「キセノン(Xe)ランプ1」と対向配置していることは明らかである。

よって、両者は、
「半導体基板に不純物を注入する工程と、
前記半導体基板に光を照射して前記注入された不純物を活性化させ、この不純物で構成される不純物拡散領域を形成する工程とを備え、
前記半導体基板は、前記光を照射する前に予備加熱され、前記予備加熱の熱源は、前記半導体基板を挟んで前記光源と対向配置されている半導体装置の製造方法。」である点で一致し、以下の6点で相違する。

[相違点1]本願補正発明の「光」は、「主たる波長の広がりが1μm以下であるインコヒーレントな光」であるのに対して、引用発明では、そのような特定はされていない点。

[相違点2]本願補正発明では、「光を0.1sec以下照射して」いるのに対して、引用発明では、「キセノン(Xe)ランプ1の照射を100?200μsec行」っている点。

[相違点3]本願補正発明では、「光の光源は、フラッシュランプであ」るのに対して、引用発明では、そのような特定はなされていない点。

[相違点4]本願補正発明は、「650℃以下で予備加熱され」いるのに対して、引用発明では、「基板温度が300?500℃になるように」、「加熱し」ている点。

[相違点5]本願補正発明の「予備加熱の熱源」が、「半導体基板に離間して配置されたハロゲンランプであ」るのに対して、引用発明では、「抵抗加熱ヒータ2を用い、」「基板3」を「加熱し」ている点。

[相違点6]本願補正発明は、「光を照射する工程において、」「光源と」「半導体基板との間に光学的開口部を持つマスクを配置する」のに対して、引用発明では、そのような特定はなされていない点。

そこで、上記相違点について検討する。
[相違点1について]
引用発明の「キセノン(Xe)ランプ1」は、インコヒーレントな光源であると認められる。また、刊行物2には、「半導体表面の加熱処理法」(発明の名称)に関して、「Xeランプ(キセノンランプ)により波長λ=3000Å?1μ・・・の光を得、これを・・・直径5インチのシリコンウエハの表面全体に一括パルス照射してウエハ表面を瞬間的に加熱する」(第2頁左上欄第11?16行)ことが記載されており、引用発明の「キセノン(Xe)ランプ1」において、刊行物2に記載されたような波長を採用し、本願補正発明のように「主たる波長の広がりが1μm以下である」「光」を照射することは、当業者が適宜なし得たことである。

[相違点2について]
引用発明と本願補正発明とは、「光」を「100?200μsec」の範囲で照射している点で、一致している。そして、本願明細書には、「・・・前記半導体基板に主たる波長の広がりが1μm以下であるインコヒーレントな光を1秒以下、好まししくは0.1秒以下、さらに好ましくは0.01秒以下、照射して前記注入されたインジウムを活性化させこのインジウムで構成される不純物拡散領域を形成する工程とにより得られることを特徴としている。照射時間が短い程半導体基板の結晶を痛めず、拡散を抑止することが良好になる。」(【0009】)と記載されているものの、続く【発明の実施の形態】の記載からみて、「0.1秒以下」という照射時間に、特に臨界的意義を有するものと認めることはできない。そして、引用発明及び刊行物2の「Xeランプ(キセノンランプ)により波長λ=3000Å?1μで・・・1μsec・・・の光を得、これを・・・直径5インチのシリコンウエハの表面全体に一括パルス照射してウエハ表面を瞬間的に加熱する」(第2頁左上欄第11?16行)の記載からみても、「0.1sec以下」の照射時間は、通常採用しうる値であることから、引用発明においても、本願補正発明のように「キセノン(Xe)ランプ1」の光を「0.1sec以下照射」することは、単なる設計的事項である。

[相違点3について]
半導体装置の製造工程において、ミリ秒単位のパルス光を照射して加熱処理を行う場合に、フラッシュランプを使用することは周知技術であり(例えば、以下の周知例1を参照)、引用発明において「100?200μsec」の「照射」をおこなう「キセノン(Xe)ランプ1」が「フラッシュランプ」であるかどうかは明らかではないものの、このようなランプとして「フラッシュランプ」を使用し、本願補正発明のように、「光の光源」を「フラッシュランプ」とすることは、当業者が容易になし得たことである。

周知例1(刊行物3):特開昭60-258928号公報には、第1図、第2図、第4図及び第9図とともに、以下の記載がなされている。
「装置の第2の実施例の詳細な説明(第4図と第9図)
第4図と第9図は異なったタイプの放射熱源を使用した実施例を示している。一方の放射熱源はCWであり、他方の放射熱源はパルスまたはフラッシュ熱源である。従って、本発明は製法にも使用できるようになっている。この製法では等温加熱と熱線束加熱作用が、前述したようにまた以下に詳細に説明するように組み合わされている。第4図では、第1図に図示した上部の代わりに、放射源14は底の位置に示されている。放射源14は、第4図で概略的に縦断面にして示されている。第4図の底にある放射源14のランプの配列は、前述した第1図および第2図のものと同一である。
上部集光罐体は、非常に好ましくは既に述べたようなカレイドスコープである。この上部集光罐体は参照番号10aで示されており、その壁を11aで、非拡散反射コーティングを13aで、そして端壁を12aで示してある。下部集光罐体(カレイドスコープ)は、前述した実施例に記載のものと同一であるが逆向きになっている。従って、同一の参照番号10等を使用する。
カレイドスコープ10aの上端にある放射源は、参照番号46で示されている。この放射源はパルスまたはフラッシュ放射源であり、3つのフラッシュチューブ47が図示されている。」(第8頁右上欄第18行?同頁右下欄第3行)

[相違点4について]
引用発明と本願補正発明とは、「300?500℃」の温度範囲で基板を予備加熱している点で、一致している。そして、本願明細書には、「前記半導体基板は、前記インコヒーレントな光を照射する前に650℃以下、好ましくは600℃以下で予備加熱しておくようにしても良い。このように、半導体基板が固相成長をほとんど始めない条件で熱エネルギーを供給することによって、光のエネルギーだけでは運動量がほとんど注入されないため、活性化が運動量の変化も伴う場合、光だけで活性化を行おうとすると光の照射でエネルギーで状態の変わった電子が緩和する過程で放出する熱と照射した光を足し合わせることで活性化が起こる。そこでこれをより円滑に行うために、予め予備加熱をして熱を与えておくことでより短時間の活性化処理を行うことが可能になる。」(【0007】)と記載されているものの、続く【発明の実施の形態】の記載からみて、「650℃以下」という予備加熱温度に、特に臨界的意義を有するものと認めることはできない。したがって、引用発明においても、本願補正発明のように「650℃以下で予備加熱」することは、単なる設計的事項である。

[相違点5について]
刊行物3には、「ドウパントインプラント半導体ウエーハを急速に焼きなます」方法として、「光学系空所内に配置された石英ハロゲンランプの列である」「CW放射源によりドウパントインプラント半導体ウエーハを等温加熱」し、「シリコンウエーハが、800-1100℃のプログラム温度に達すると、次にパルスランプの列へ大電力が供給され、ウエーハのドウパントインプラント表面の温度を1200-1400℃まで急速に高める」ことが記載されており、この「石英ハロゲンランプ」による「等温加熱」は、上記「ドウパントインプラント半導体ウエーハを急速に焼きなます」方法における一連の加熱処理の中の「予備加熱」といえるから、引用発明における「抵抗加熱ヒータ2」に換えて、刊行物3に記載された「石英ハロゲンランプ」を用い、本願補正発明のように、「予備加熱の熱源」が、「半導体基板に離間して配置されたハロゲンランプである」構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

[相違点6について]
半導体基板の加熱方法において、光源と半導体基板との間に光学的開口部を有するマスクを配置することは、以下の周知例2ないし4にも示されるように周知技術であるから、引用発明において、本願補正発明のように「光を照射する工程において、」「光源と」「半導体基板との間に光学的開口部を持つマスクを配置する」ことは、単なる設計事項である。

周知例2(刊行物2):特開昭55-68638号公報には、以下の記載がなされている。
「さらに、本発明によれば光源となるキセノンランプと被照射物(シリコンウエハ等)との間にアパーチャーを用いた光整形による光分布の均一化、又はマスクを用いた図形形成によるウエハ表面の光加熱処理の図形化を計ることもできる。」(第2頁右上欄第8?12行)

周知例3:特開平10-223549号公報には、図2、図3とともに、以下の記載がなされている。
「(作用)上記した本発明のランプアニール装置によれば、各ランプユニットの光源から放射される平行な光はレンズを通過し被アニール物上に均一に照射される。また、前記レンズの近傍に設けるマスクは、被アニール物上の照射領域を限定する作用をする。これによって任意の形状の基板を均一加熱することが可能となる。また、前記ランプユニットをマトリックス状に配置することで大型基板に対応する事が可能であり、ゾーン加熱も自由に選択できる。」(【0011】)、「さらに、図2と図3に示すように、ランプユニット8は、ハロゲンランプからなる光源1と、光源1から放射する光16、16aの通過を限定する開口部24を有する金属製のマスク4と、マスク4を透過する光16のうちガラス基板2の吸収波長である遠赤外線を反射、または吸収し、近赤外線をチャンバー5の内部の試料台6に載置された前記ガラス基板2に拡大投影する石英板からなる凹レンズ10と、前記光源1から放射される光16aを反射し、前記マスク4を透過し、前記凹レンズ10介して、前記ガラス基板2に照射する金コートしたコーン角90度の反射鏡3と、前記反射鏡3と前記マスク4の間にわたって設ける円筒状の形状でアルミニューム材からなる鏡筒9及び鏡筒9aと、前記凹レンズ10を通過した光16bを前記ガラス基板2上に投影するための開口部21を有する金属製の冷却板15とで構成されている。前記冷却板15の内部には、冷却孔(図示せず)が設けてあり、前記冷却孔に冷却水を流して凹レンズ10を冷却している。」(【0017】)

周知例4:特開2000-77349号公報には、図1とともに、以下の記載がなされている。
「図1は本発明の第1の実施の形態に係る加熱装置の構成を表すものである。この加熱装置は、石英管11の外側の上部に、光源として、放物面反射鏡20aを備えた均一照射の赤外線ランプ20を複数個(ここでは3個)配設した構成を有している。石英管11の内部には、サセプタ12を介してイオン注入された半導体ウェハ13が配置されている。半導体ウェハ13は、例えば、ロジック部分とDRAM部分を含むDRAM混載ロジックのLSIが形成されたものであり、前述のように、高温の熱処理はDRAM部分のみに必要であり、ロジック部分には必要ではない。」(【0015】)、「サセプタ12の上部には、半導体ウェハ13の全体を覆う大きさのマスク14が配置されている。マスク14は、耐熱性の遮光基板、例えばタングステンにより形成されており、半導体ウェハ13の加熱が必要な部分(DRAM部分)に対応して開口14aが設けられている。なお、このマスク14としては、基板を、例えば石英ガラスなどの透明基板とし、この透明基板の、半導体ウェハ13の加熱が必要な部分に対応する領域以外の部分を遮光膜で覆うような構成としてもよい。」(【0016】)、「本実施の形態では、3つの赤外線ランプ20から、石英管11の内部の半導体ウェハ13の全体に向けて赤外線20bが照射されるが、マスク14が介在しているため、開口14a以外の部分では赤外線20bが遮光される。従って、半導体ウェハ13の特定部分(DRAM部分)にのみ赤外線が照射され、これによりDRAM部分が選択的に加熱される。よって、高温の熱処理が不要なロジック部分が加熱されることがなく、ロジック部分を無理に熱耐性の構造とする必要がなくなり、ロジック部分とDRAM部分とを混載したLSIを容易に実現することができる。」(【0017】)

したがって、本願補正発明は、刊行物1ないし3に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 むすび
以上のとおり、請求項1についての補正を含む本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合しないので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明
平成19年6月18日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成19年2月13日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】 半導体基板に不純物を注入する工程と、前記半導体基板に主たる波長の広がりが1μm以下であるインコヒーレントな光を0.1sec以下照射して前記注入された不純物を活性化させ、この不純物で構成される不純物拡散領域を形成する工程とを備え、前記光の光源は、フラッシュランプであり、前記半導体基板は、前記インコヒーレントな光を照射する前に650℃以下で予備加熱され、前記予備加熱の熱源は、前記半導体基板を挟んで前記光源と対向配置されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。」

第4 刊行物に記載された発明
刊行物1、2の記載事項及び引用発明は、上記「第2 2(1)」で認定したとおりである。

第5 本願発明と引用発明との対比・判断
本願発明と引用発明とを対比する。

(a)引用発明の「シリコン基板」、「ホウ素イオン(B^(+))」及び「光照射アニール」は、それぞれ本願発明の「半導体基板」、「不純物」及び「半導体装置の製造方法」に相当する。
(b)引用発明では、「ホウ素イオン(B^(+))を注入されたシリコン基板」を用いることから、引用発明に、「シリコン基板」に「ホウ素イオン(B^(+))」を「注入」する工程が含まれていることは明らかである。
(c)引用発明の「シリコン基板に、」「キセノン(Xe)ランプ1の照射を」「行い、イオン注入層の活性化を計る」ことは、本願発明の「前記半導体基板に」「光を」「照射して」「注入された不純物を活性化させ」ることに相当する。そして、「活性化」された「イオン注入層」が「不純物拡散領域」であることは明らかである。
(d)引用発明の「抵抗加熱ヒータ2を用い、基板温度が300?500℃になるように、基板3の下方から加熱した上で、キセノン(Xe)ランプ1の照射を」「行」うことは、本願発明の「前記半導体基板は、」「光を照射する前に650℃以下で予備加熱され」ることに相当し、引用発明の「抵抗加熱ヒータ2」は、本願発明の「予備加熱の熱源」に相当する。
(e)刊行物1の「従来の光照射アニールにおいては、第3図に示す如く、基板3の加熱には抵抗加熱ヒータ2を用い基板3の下方から加熱した上で、キセノン(Xe)ランプ1の照射を行う。」(第2頁右上欄第7?10行)という記載及び第3図を参照すれば、引用発明において、「抵抗加熱ヒータ2」が、「基板3」(「シリコン基板」)を挟んで「キセノン(Xe)ランプ1」と対向配置していることは明らかである。

よって、両者は、
「半導体基板に不純物を注入する工程と、
前記半導体基板に光を照射して前記注入された不純物を活性化させ、この不純物で構成される不純物拡散領域を形成する工程とを備え、
前記半導体基板は、前記光を照射する前に予備加熱され、前記予備加熱の熱源は、前記半導体基板を挟んで前記光源と対向配置されている半導体装置の製造方法。」である点で一致し、以下の4点で相違する。

[相違点7]本願発明の「光」は、「主たる波長の広がりが1μm以下であるインコヒーレントな光」であるのに対して、引用発明では、そのような特定はされていない点。

[相違点8]本願発明では、「光を0.1sec以下照射して」いるのに対して、引用発明では、「キセノン(Xe)ランプ1の照射を100?200μsec行」っている点。

[相違点9]本願発明では、「光の光源は、フラッシュランプであ」るのに対して、引用発明では、そのような特定はなされていない点。

[相違点10]本願発明は、「650℃以下で予備加熱され」いるのに対して、引用発明では、「基板温度が300?500℃になるように」、「加熱し」ている点。

そこで、上記相違点について検討する。
[相違点7について]
引用発明の「キセノン(Xe)ランプ1」は、インコヒーレントな光源であると認められる。また、刊行物2には、「半導体表面の加熱処理法」(発明の名称)に関して、「Xeランプ(キセノンランプ)により波長λ=3000Å?1μ・・・の光を得、これを・・・直径5インチのシリコンウエハの表面全体に一括パルス照射してウエハ表面を瞬間的に加熱する」(第2頁左上欄第11?16行)ことが記載されており、引用発明の「キセノン(Xe)ランプ1」において、刊行物2に記載されたような波長を採用し、本願発明のように「主たる波長の広がりが1μm以下である」「光」を照射することは、当業者が適宜なし得たことである。

[相違点8について]
引用発明と本願発明とは、「光」を「100?200μsec」の範囲で照射している点で、一致している。そして、本願明細書には、「・・・前記半導体基板に主たる波長の広がりが1μm以下であるインコヒーレントな光を1秒以下、好まししくは0.1秒以下、さらに好ましくは0.01秒以下、照射して前記注入されたインジウムを活性化させこのインジウムで構成される不純物拡散領域を形成する工程とにより得られることを特徴としている。照射時間が短い程半導体基板の結晶を痛めず、拡散を抑止することが良好になる。」(【0009】)と記載されているものの、続く【発明の実施の形態】の記載からみて、「0.1秒以下」という照射時間に、特に臨界的意義を有するものと認めることはできない。そして、引用発明及び刊行物2の「Xeランプ(キセノンランプ)により波長λ=3000Å?1μで・・・1μsec・・・の光を得、これを・・・直径5インチのシリコンウエハの表面全体に一括パルス照射してウエハ表面を瞬間的に加熱する」(第2頁左上欄第11?16行)の記載からみても、「0.1sec以下」の照射時間は、通常採用しうる値であることから、引用発明においても、本願発明のように「キセノン(Xe)ランプ1」の光を「0.1sec以下照射」することは、単なる設計的事項である。

[相違点9について]
半導体装置の製造工程において、ミリ秒単位のパルス光を照射して加熱処理を行う場合に、フラッシュランプを使用することは周知技術であり(例えば、以下の周知例1を参照)、引用発明において「100?200μsec」の「照射」をおこなう「キセノン(Xe)ランプ1」が「フラッシュランプ」であるかどうかは明らかではないものの、このようなランプとして「フラッシュランプ」を使用し、本願発明のように、「光の光源」を「フラッシュランプ」とすることは、当業者が容易になし得たことである。

周知例1(刊行物3):特開昭60-258928号公報には、第1図、第2図、第4図及び第9図とともに、以下の記載がなされている。
「装置の第2の実施例の詳細な説明(第4図と第9図)
第4図と第9図は異なったタイプの放射熱源を使用した実施例を示している。一方の放射熱源はCWであり、他方の放射熱源はパルスまたはフラッシュ熱源である。従って、本発明は製法にも使用できるようになっている。この製法では等温加熱と熱線束加熱作用が、前述したようにまた以下に詳細に説明するように組み合わされている。第4図では、第1図に図示した上部の代わりに、放射源14は底の位置に示されている。放射源14は、第4図で概略的に縦断面にして示されている。第4図の底にある放射源14のランプの配列は、前述した第1図および第2図のものと同一である。
上部集光罐体は、非常に好ましくは既に述べたようなカレイドスコープである。この上部集光罐体は参照番号10aで示されており、その壁を11aで、非拡散反射コーティングを13aで、そして端壁を12aで示してある。下部集光罐体(カレイドスコープ)は、前述した実施例に記載のものと同一であるが逆向きになっている。従って、同一の参照番号10等を使用する。
カレイドスコープ10aの上端にある放射源は、参照番号46で示されている。この放射源はパルスまたはフラッシュ放射源であり、3つのフラッシュチューブ47が図示されている。」(第8頁右上欄第18行?同頁右下欄第3行)

[相違点10について]
引用発明と本願発明とは、「300?500℃」の温度範囲で基板を予備加熱している点で、一致している。そして、本願明細書には、「前記半導体基板は、前記インコヒーレントな光を照射する前に650℃以下、好ましくは600℃以下で予備加熱しておくようにしても良い。このように、半導体基板が固相成長をほとんど始めない条件で熱エネルギーを供給することによって、光のエネルギーだけでは運動量がほとんど注入されないため、活性化が運動量の変化も伴う場合、光だけで活性化を行おうとすると光の照射でエネルギーで状態の変わった電子が緩和する過程で放出する熱と照射した光を足し合わせることで活性化が起こる。そこでこれをより円滑に行うために、予め予備加熱をして熱を与えておくことでより短時間の活性化処理を行うことが可能になる。」(【0007】)と記載されているものの、続く【発明の実施の形態】の記載からみて、「650℃以下」という予備加熱温度に、特に臨界的意義を有するものと認めることはできない。したがって、引用発明においても、本願発明のように「650℃以下で予備加熱」することは、単なる設計的事項である。

したがって、本願発明は、刊行物1、2に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、刊行物1、2に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができず、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-02-25 
結審通知日 2010-03-01 
審決日 2010-03-23 
出願番号 特願2000-335697(P2000-335697)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
P 1 8・ 575- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 和瀬田 芳正  
特許庁審判長 橋本 武
特許庁審判官 小野田 誠
近藤 幸浩
発明の名称 半導体装置の製造方法  
代理人 竹村 壽  

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