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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A61K
管理番号 1216119
審判番号 不服2006-27087  
総通号数 126 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-11-30 
確定日 2010-05-25 
事件の表示 平成8年特許願第524828号「IL-6レセプター抗体を含んでなる筋蛋白分解抑制剤」拒絶査定不服審判事件〔平成8年8月22日国際公開,WO96/25174,請求項の数(8)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由 本願は,平成8年2月13日(優先権主張 1995年2月13日 日本国,1995年11月30日 日本国)を国際出願日とする出願であって,その請求項1?8に係る発明は,願書に添付された明細書の特許請求の範囲に記載された事項により特定されるとおりのものである。
そして,本願については,原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。

なお,原審で引用された引用文献1及び2について以下付言する。
原審で引用された引用文献1には,例えば,「我々は,次に,IL-6が筋蛋白質分解を直接増大させることができるかどうかを決定した。…しかしながら,表IIに示すように,IL-6が存在下の筋肉の培養で,筋タンパク破壊を増大させることはできなかった。」と記載されているように,IL-6が筋蛋白質分解の原因となっていることを否定する記載があるから,このような記載を含む引用文献1に基づいて,IL-6の作用を阻害することで筋蛋白質分解を抑制できることが示唆されているとすることは,妥当性に欠けることである。
また,原審で引用された引用文献2には,「IL-6は,筋蛋白質分解の誘発要因の候補であるかも知れない。我々は現在,抗マウスIL-6受容体抗体の処理によってトランスジェニックマウスで筋肉の変化を低減させることを計画している…」(第173頁第22?24行)と,抗マウスIL-6受容体抗体処理により筋蛋白質分解を抑制させることを示唆する記載がなされているといえるものではあるが,文献全体の記載からみて,筋蛋白質分解におけるIL-6の直接の関与が確証のある裏付けとともに記載されているものとすることはできないものであって,筋蛋白質分解の原因の可能性の一つとしてIL-6の関与が示唆されているにとどまるものであるから,このような記載に基づいて,IL-6の作用を阻害することで筋蛋白質分解を抑制できるということが,その効果の予測性を含めて,当業者にとって容易になし得ることであったとすることはできないものである。
以上,要するに引用文献1若しくは2を主たる引用例として,本願発明の進歩性を否定することはできないものである。

以上
 
審決日 2010-05-12 
出願番号 特願平8-524828
審決分類 P 1 8・ 121- WY (A61K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 飯室 加奈荒木 英則  
特許庁審判長 星野 紹英
特許庁審判官 伊藤 幸司
大久保 元浩
発明の名称 IL-6レセプター抗体を含んでなる筋蛋白分解抑制剤  
代理人 石田 敬  
代理人 西山 雅也  
代理人 福本 積  

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