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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04N
管理番号 1216149
審判番号 不服2007-33261  
総通号数 126 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-12-10 
確定日 2010-05-27 
事件の表示 特願2000-595490「データ処理装置及びデータ処理方法」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 7月27日国際公開、WO00/44170、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由
第一 経緯

1 手続
本願は、平成12年1月21日(優先権主張:平成11年1月21日 日本国)を国際出願日とする出願であって、平成19年11月1日付けで拒絶査定がなされたものである。
本件は、本願についてなされた上記拒絶査定を不服として平成19年12月10日付けで請求された拒絶査定不服審判であって、平成20年1月9日付けで手続補正がなされたものである。

第二 補正却下の決定

平成20年1月9日付けの手続補正について、以下のとおり決定する。

[補正却下の決定の結論]
平成20年1月9日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 補正の内容
平成20年1月9日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、補正前の特許請求の範囲の請求項1ないし6を、補正後の特許請求の範囲の請求項1ないし8に補正するものである。

(補正前の請求項1ないし6)
「【請求項1】
ディジタルデータと当該ディジタルデータに対応したコピー管理データとを受信する受信手段と、
上記ディジタルデータを外部出力するための複数の出力端子と、
上記コピー管理データが上記ディジタルデータに対してコピー制限を課する内容の場合、複数の上記出力端子のうちユーザに指定された1の上記出力端子のみを介して上記ディジタルデータを出力するように、各上記出力端子の出力を制御する制御手段と
を具えることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
上記制御手段は、
上記指定された1の上記出力端子のみを介して出力する上記ディジタルデータに対して、上記所定のコピー管理データを付加する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
上記コピー制限の内容は、コピー禁止又は1回に限りコピー可能である旨を表す
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
ディジタルデータと当該ディジタルデータに対応したコピー管理データとを受信ステップと、
ディジタルデータを複数の出力系統を介して外部出力する際、上記コピー管理データが上記ディジタルデータに対してコピー制限を課する内容の場合、複数の上記出力系統のうちユーザに指定された1の上記出力系統のみを介して上記ディジタルデータを出力するように、各上記出力系統を制御する制御ステップと
を具えることを特徴とするデータ処理方法。
【請求項5】
上記制御ステップは、 上記指定された1の上記出力端子のみを介して出力する上記ディジタルデータに対して、上記所定のコピー管理データを付加する
ことを特徴とする請求項4に記載のデータ処理方法。
【請求項6】
上記コピー制限の内容は、コピー禁止又は1回に限りコピー可能である旨を表す
ことを特徴とする請求項4に記載のデータ処理方法。」

(補正後の請求項1ないし8)
「【請求項1】
ディジタルデータと当該ディジタルデータに対応したコピー管理データとを受信する受信手段と、
上記ディジタルデータを外部出力するための複数の出力端子と、
上記コピー管理データが上記ディジタルデータに対してコピー制限を課する内容の場合で、上記コピー管理データの内容に応じて1の上記出力端子のみを介して上記ディジタルデータを出力するように上記複数の出力端子を制御する制御手段とを有し、
上記出力する上記1の出力端子はユーザにより指定された上記出力端子である
ことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
上記制御手段は、
上記指定された1の上記出力端子のみを介して出力する上記ディジタルデータに対して、所定の上記コピー管理データを付加する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
上記コピー制限の内容は、コピー禁止又は1回に限りコピー可能である旨を表す
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
上記複数の出力端子として、第1の出力端子、第2の出力端子とを有し、上記第1の出力端子は第1のデータフォーマットで出力し、上記第2の出力端子は第1のデータフォーマットとは異なる第2のデータフォーマットで出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
ディジタルデータと当該ディジタルデータに対応したコピー管理データとを受信ステップと、
上記コピー管理データが上記ディジタルデータに対してコピー制限を課する内容の場合で、上記コピー管理データの内容に応じて1の上記出力端子のみを介して上記ディジタルデータを出力するように上記複数の出力端子を制御する制御ステップとを有し、
上記出力する上記1の出力端子はユーザにより指定された上記出力端子である
ことを特徴とするデータ処理方法。
【請求項6】
上記制御ステップは、 上記指定された1の上記出力端子のみを介して出力する上記ディジタルデータに対して、所定の上記コピー管理データを付加する
ことを特徴とする請求項5に記載のデータ処理方法。
【請求項7】
上記コピー制限の内容は、コピー禁止又は1回に限りコピー可能である旨を表す
ことを特徴とする請求項5に記載のデータ処理方法。
【請求項8】
上記複数の出力端子として、第1の出力端子、第2の出力端子とを有し上記第1の出力端子は第1のフォーマットの上記ディジタルデータを出力し、上記第2の出力端子は第1のフォーマットとは異なる第2のフォーマットの上記ディジタルデータを出力する
ことを特徴とする請求項5に記載のデータ処理方法。」

2 補正の適合性
補正前の請求項1ないし6を、補正後の請求項1ないし8とする本件補正が、特許法第17条の2第4項各号で規定する要件を満たしているかどうかを、以下で検討する。

(1)補正後の請求項1、5は、それぞれ補正前の請求項1、4に対応している。
(2)補正後の請求項2、6は、それぞれ補正前の請求項2、5に対応している。
(3)補正後の請求項3、7は、それぞれ補正前の請求項3、6に対応している。

そうすると、補正後の請求項4、8は、補正前の請求項に対して、一対一又はこれに準ずるような対応関係がない。
そして、この点について、補正の目的とし得る事項として規定された特許法第17条の2第4項第2号は、「特許請求の範囲の減縮」について、括弧書きで「第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。」と規定しており、同号にいう「特許請求の範囲の減縮」は、補正前の請求項と補正後の請求項との対応関係が明白であって、かつ、補正後の請求項が補正前の請求項を限定した関係になっていることが明確であることが要請されるものというべきである(東京高等裁判所平成16年4月14日判決(平成15年(行ケ)230号))から、本件補正は、特許法第17条の2第4項第2号で規定された「特許請求の範囲の減縮」には該当しないものである。
また、本件補正が、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明のいずれかを目的とするものであるともいえない。
以上のことから、本件補正は、請求項の削除、特許請求の範囲の減縮、誤記の訂正又は明りょうでない記載の釈明を目的とするものではない。

したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第三 本願発明について

平成20年1月9日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし6に係る発明は、平成19年9月4日付け手続補正により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載した事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2010-05-14 
出願番号 特願2000-595490(P2000-595490)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 田中 啓介江嶋 清仁  
特許庁審判長 藤内 光武
特許庁審判官 佐藤 直樹
渡邊 聡
発明の名称 データ処理装置及びデータ処理方法  
代理人 田辺 恵基  

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