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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  B02C
管理番号 1217865
審判番号 無効2008-800050  
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-07-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2008-03-17 
確定日 2008-12-01 
事件の表示 上記当事者間の特許第1706534号発明「回転式加圧型セパレ-タをそなえた粉砕機」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1.手続の経緯の概要及び本件特許発明
1.手続の経緯の概要
本件特許第1706534号発明は,昭和57年6月29日に出願され,平成2年6月13日付けで出願公告の決定がなされ,平成3年1月31日付けで特許異議の申立がなされ,平成4年2月7日付けで特許異議の申立は理由がないものとの決定がなされ,同日付けで特許査定がなされ,平成4年10月27日にその発明について特許権の設定登録がなされた。
これに対し,平成19年2月2日付けで本件請求人より無効審判の請求がなされたが(無効2007-800019号),平成19年10月26日付けで本件審判の請求は成り立たない旨の審決がなされた。
その後,平成20年3月14日付けで2件(無効2008-800048号及び無効2008-800049号)の無効審判の請求が本件請求人よりなされると共に2件それぞれについて証拠説明書が提出され,平成20年3月17日付けで1件(無効2008-800050号)の無効審判の請求が本件請求人よりなされると共に証拠説明書が提出された。
これに対し,当審において,前記3件の無効審判の請求(無効2008-800048号,無効2008-800049号及び無効2008-800050号)について併合審理とする旨の通知がなされ,平成20年6月16日付けで被請求人より前記3件の無効審判の請求それぞれについて審判事件答弁書が提出された。なお,訂正請求はなされなかった。
その後,平成20年9月8日に口頭審理が実施されたが,当該口頭審理に先立ち,請求人より前記3件の無効審判の請求それぞれについて平成20年9月8日付けの口頭審理陳述要領書が提出され,被請求人より前記3件の無効審判の請求それぞれについて平成20年9月8日付けの口頭審理陳述要領書が提出された。
なお,平成20年9月8日に実施された口頭審理において,前記3件の無効審判の請求について審理を分離する旨の通知を行った。

2.本件特許発明
本件特許第1706534号発明(以下,「本件特許発明」という。)は,明細書及び図面の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認められる。
「1 回転テーブルと、この回転テーブル上に配置された回転テーブルの回転に伴つて従動回転する複数個の粉砕ローラとを有し、粉砕ローラの上方にケーシングの中央に位置した状態で垂直にセンターシユートを配設し、センターシユートの外側に同心状に回転筒を回転可能に設け、この回転筒には放射状に配置されたベーンを取付け、粉砕機内部を加圧雰囲気とした構成にした粉砕機において、回転筒下端から所定距離離れた上方位置に送風装置に連絡された空気導管を取付けて回転筒とセンターシユートとの間の環状隙間と送風装置とを連通させ、この隙間に加圧雰囲気よりも高い所定圧力の空気を吹き込み、回転筒の下端から噴出するように構成したことを特徴とする回転式加圧型セパレータをそなえた粉砕機。」

なお,本件特許発明について請求人は次のようにA.ないしI.に分説している。
「A.回転テーブルと、
B.この回転テーブル上に配置された回転テーブルの回転に伴つて従動回転する複数個の粉砕ローラとを有し、
C.粉砕ローラの上方にケーシングの中央に位置した状態で垂直にセンターシユートを配設し、
D.センターシユートの外側に同心状に回転筒を回転可能に設け、
E.この回転筒には放射状に配置されたベーンを取付け、
F.粉砕機内部を加圧雰囲気とした構成にした粉砕機において、
G.回転筒下端から所定距離離れた上方位置に送風装置に連絡された空気導管を取付けて回転筒とセンターシユートとの間の環状隙間と送風装置とを連通させ、
H.この隙間に加圧雰囲気よりも高い所定圧力の空気を吹き込み、回転筒の下端から噴出するように構成した
I.ことを特徴とする回転式加圧型セパレータをそなえた粉砕機。」
(以下,A.ないしI.に係る構成を,それぞれ「構成要件A」ないし「構成要件I」という。)


第2.請求人の主張の概要
請求人は,「特許第1706534号の特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め,その理由として概ね次の1.のように主張するとともに,証拠方法として,2.のように審判請求時に甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。
(なお,ドイツ語記載中のAウムラウト,aウムラウト,Oウムラウト,oウムラウト,Uウムラウト,uウムラウト及びエスツェットは,それぞれAE,ae,OE,oe,UE,ue及びssと表記した。)

1.無効理由
(1)「本件特許発明は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が本件特許の出願前に容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、特許法第123条第1項第2号に該当し、本件特許は無効とすべきものである。」(審判請求書19ページ 「(5) 結び」欄)

(2)「本件の請求項1に係る発明(以下、「本件特許発明」という。)と甲第1号証記載の発明との相違点は、
a本件特許発明は、粉砕機内部を加圧雰囲気とした構成をとるのに対し、甲第1号証記載の発明は粉砕機内部を負圧雰囲気とした構成をとる点(構成要件F)
b本件特許発明は、回転筒上部に空気導管を取付けて回転筒とセンターシュートとの間の環状隙間と送風装置とを連通させ、加圧雰囲気よりも高い所定圧力の空気を吹き込み回転筒の下端から噴出するように構成しているのに対し、甲第1号証にはそのような構成の記載がない点(構成要件G及びH)
c本件特許発明は、回転式加圧型セパレータをそなえたミルに関する技術であるのに対し、甲第1号証記載の発明は回転式負圧型分級機をそなえたミルに関する技術である点(構成要件Iの一部)
である。
しかし、上記相違点aについては、負圧ミルの回転部分と固定部分との間のシールを強化することにより、当該負圧ミルを加圧ミルとする構成は本件特許の出願時に技術常識となっていたのであるから、甲第1号証記載のミルのシールを強化して当該ミルを加圧ミルとすることは当業者が任意に設計しうる事項であるといえ、上記相違点aは当業者に容易に推考しうる。
また、上記相違点bについては、石炭粉砕機のセンターシュートの冷却装置に関する発明を記載した甲第2号証には、外筒の下端から所定距離離れた上方位置に冷却空気供給管が接続されて外筒と粉砕機中央のセンターシュートとの間の環状空間に空気が供給され、これが環状空間の下端開口部から噴出する構成が記載されている。そして、甲第1号証と甲第2号証の技術分野の同一性、解決すべき課題の共通性から、甲第2号証記載の発明を甲第1号証記載の発明に適用することは当業者にとって容易であり、両者の組合せにより上記相違点bに係る本件特許発明の構成を容易に推考しうる。
さらに、上記相違点cについては、相違点aについて述べた通り、シールの強化により甲第1号証記載のミルを加圧ミルとすることは当業者が任意に定めることができる設計上の選択事項であるから、当業者は上記相違点cに係る本件特許発明の構成を容易に推考しうる。」(審判請求書4?5ページ 「理由の要点」欄)

2.証拠方法
甲第1号証 BRENNSTOFF - WAERME - KRAFT (1959年11月号)
甲第1号証の2 甲第1号証第8図の拡大図
甲第1号証の3 甲第1号証の抄訳文
甲第2号証 特開昭57-90304号公報
甲第4号証 Crushing and Grinding
甲第4号証の2 甲第4号証の抄訳文
甲第5号証 MITTEILUNGEN DER VEREINIGUNG DER
GROSSKESSELBESITZER(1961年4月71号)
甲第5号証の2 甲第5号証の抄訳文
甲第6号証 Energie und Technik(1969年3月号)
甲第6号証の2 甲第6号証の抄訳文
甲第7号証 第36回セメント製造技術シンポジウム報告集
甲第8号証 英国特許公報(GB 1,157,941)
甲第8号証の2 甲第8号証の抄訳文
甲第9号証 シール技術
甲第10号証 特開昭55-127158号公報
なお,甲第3号証及び甲第3号証の2は,口頭審理の際,請求人によって取り下げられた。

第3.被請求人の主張の概要
被請求人は,「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め,概ね次の1.のように主張するとともに,証拠方法として2.のように乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。

1.無効理由について
「甲第1号証には構成要件D、E及びIなど明確には記載されておらず、これらが記載されていることを前提とする請求人の主張自体が誤りであり、甲第1号証から本件特許発明の課題が示唆されることはなく、甲第1号証に甲第2号証を組み合わせる動機付けなども見当たらない。また、仮に甲第1号証と甲第2号証とを組み合わせたとしても本件特許発明を想到することはできない。よって、請求人の上記主張は誤りである。」(審判事件答弁書3ページ6?12行)

2.証拠方法
乙第1号証 火力原子力発電 第337号
(社)火力原子力発電技術協会(1984年10月号)
乙第2号証 特開平1-288347号公報
乙第3号証 実開昭59-162941号公報
乙第4号証 Energie und Technik (1969年3月号)
乙第4号証の2 乙第4号証の訳文
乙第5号証 火力発電 第83号
(社)火力原子力発電技術協会(1963年8月号)


第4.無効理由についての判断
1.甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明,甲第4号証ないし甲第10号証に記載された技術事項
(1)甲第1号証に記載された発明
甲第1号証には,次の事項が図面とともに記載されている。
ア.「Muehlen
Die Muehlen, Bild 8 und 9, stellen eine Neukonstruktion der Lopulco-Bauart dar. Erstens wurde der Kohleneinlauf in die Mitte verlegt, und zudem haben die Muehlen drei Walzen an Stelle von zwei, wie bisher ueblich. Dies wurde noetig, um eine Leistung von 27 t/h zu erreichen. Bild 8 zeigt auch den Doppelsichter ueber den Walzen, der hier noch innerhalb des Gehaeuses eingbaut wird, waehrend bei den spaeter entwickelten Muehlen fuer 57 t/h eine getrennte Anordnumg von Muehle und Sichter gewaehlt wurde.
・・・
・・・ Es war daher guenstig, dass bei den hier verwendeten Unterdruckmuehlen das Muehlengeblaese zwischen die Muehlen und ihre zugeordneten Brenner geschaltet ist. Diese Anordnung wurde bevorzugt, da sie die ununterbrochene Kohlenzufuhr sicherstellt und dies alle anderen Ueberlegungen ueberwiegt.」(383ページ左欄26?58行)
以下,当審仮翻訳文。
「ミル
図8及び9に示したミルは,ロプルコ構造方式の新構造を示す。第一に,石炭流入口が中央に移動されており,それに加えて,該ミルはローラをこれまで通例であった2個ではなく3個有する。これは27t/hの処理能力を達成するために必要になった。図8にはローラ上方にある複式分級機も示され,該分級機はここでは未だ容器内部に組み込まれるが,後に開発された57t/hのミルにおいては,ミルと分級機の分離した配置が選ばれた。
・・・(中略)・・・ 従って,ここで用いられる負圧式ミルにおいては,ミルの送風装置がミルとそれに属するバーナの間に接続されていることが有利であった。この配置は連続した石炭供給を保障し,これは考慮すべき他の如何なる問題よりも重要であるので,この配置がより優先された。」

イ.甲第1号証には,ミルに必須の石炭を供給するシュートについて明記されていないが,Bild 8の上半分に描かれた部分についてみると,一点鎖線をほぼ中心に有するような寸法で長方形部分が描かれており,甲第4号証の頒布時に存在していた様々なミルの一般的な構造を勘案して,この部分についてみれば,この部分が,ローラ(Walzen)の上方にミルのケーシングのほぼ中央(センター)に垂直に配設されるシュート,すなわちセンターシュートと考えるのが自然である。

したがって,甲第1号証には,次の発明が記載されているといえる。
「複数個のローラ(Walzen)を有し,ローラ(Walzen)の上方にケーシングの中央に位置した状態で垂直にセンターシユートを配設し,複式分級機をそなえたミル(Muehlen)。」(以下,「甲第1号証に記載された発明」という。なお,「Walzen」は「Walze」の複数形である。)

(2)甲第2号証に記載された発明
甲第2号証には,次の事項が図面とともに記載されている。
ア.「石炭粉砕機の一種である竪型ボールミルは軸心をほぼ鉛直に配置したシユートにより原料炭を自然落下させ、粉砕部において所定の粒径の粉砕炭に粉砕するものであるが、粉砕機の運転中にシユート内で原料炭が詰つてしまい、粉砕機の運転を停止せざるを得ないような事態が生ずることがある。先ず第1図において竪型ボールミルの作動状態の概略を説明すると、原料炭Cはシユート8内を自然落下して粉砕機本体1の下部粉砕輪5に至り、この粉砕輪の遠心力によりボール7側に移動し粉砕される。粉砕された石炭は空気入口15から流入する乾燥用空気A(200?300℃)により分級機12に搬送され、所定の粒径以下の粉砕炭はこの乾燥用空気と共に微粉炭出口14を経て燃焼装置に供給される。一方所定の粒径より大きな粉砕炭は下降して再度粉砕される。」(1ページ左下欄20行?右下欄16行)

イ.「要するにこの発明は、シユートの閉塞が、シユート壁面温度が高温となるため生ずることに着目し、シユートを冷却するよう空気冷却可能な二重管構造としたものである。」(2ページ左上欄9?12行)

ウ.「第2図は以上の実験結果に基づいて構成したシユートの構造を示す。シユート8の外部にはこのシユート8と同一軸心線上に位置するよう外筒17を配置し、この外筒17とシユート8の間に冷却空気通過用の環状空間20を形成する。外筒17の上部には冷却空気供給管18が接続し、一方外筒17の下端部は環状空間20の開口部つまり冷却空気出口19となつている。環状空間20に供給する冷却用空気A1は常温のもので良くこの冷却空気A1の通過によりシユート8の壁面温度を降下させる。環状空間20を下降した冷却用空気A1は出口19から噴出するが、この冷却空気の流れにより分級機12において分級された大径の粉砕炭が再度舞い上ることなく良好に粉砕部に落下するという副次的効果も発揮する。」(2ページ右上欄18行?左下欄12行)

したがって,甲第2号証には,次の発明が記載されているといえる。
「下部粉砕輪5と,この下部粉砕輪5上に配置された複数個のボール7とを有し,ボール7の上方に,その軸心をほぼ鉛直にシユート8を配設し,シユート8の外側に同心状に外筒17を設けたボールミルにおいて,外筒下端から所定距離離れた上方位置に冷却空気供給管18を取付けて外筒17とシユート8との間の環状空間20と接続させ,この環状空間20に冷却空気を供給し,出口19から噴出するように構成した分級機12を備えたボールミル。」(以下,「甲第2号証に記載された発明」という。)

(3)甲第4号証に記載された技術事項
甲第4号証には,次の事項が図面とともに記載されている。
ア.「LOPULCO OR LOESCHE MILL

The Lopulco or Loesche mill consists of two or more rollers shaped like cone frusta and having axles which are set at angles to the horizontal corresponding to (half) the solid angle of their cones so that their faces are parallel with a horizontal ring which is driven from underneath the machine ; the axles are pivoted so that the rollers can rise and fall (see Figure 8.30). The rolls are pressed onto the ring by means of springs or hydraulics. When there are only two rolls, in some designs the two rolls are pushed down on the ring by tension provided across the ends of the axles. The remainder of the plant, including classification and closed-circuit design, is very similar to the Raymond mill.
The Lopulco mill has the advantage that it is of very simple construction. It has only a few parts concealed in the mill and much of the equipment can be lubricated and adjusted while the machine is in operation. Even roller replacement is essentially no more than opening a door and carrying the roller out into the open. Continuous uninterrupted operation for as long as 6 months is not unusual with these machines.」(185ページ9行?186ページ13行)
以下,当審仮翻訳文。
「ロプルコ又はロッシェミル
ロプルコ又はロッシェミルは,円錐台状の2個以上のローラから成り,それら円錐の立体角(の半分)に相当する対水平角度に設定された軸を有し,それによってそれらの面は,機械の下部から駆動される水平リングに平行となる。すなわち,軸は,ローラが上昇下降できるように枢動される(図8.30参照)。ローラは,バネ又は油圧によってリングに押し付けられる。ローラが2個だけの場合,一部の設計では,2個のローラは,軸の端部に渡って設けられたテンションによりリングに押し下げられる。分級機及び閉回路設計を含む装置の残りの部分は,レイモンドミルに酷似している。
ロプルコミルには,非常に単純な構造であるという利点がある。ミルには数個の部品が隠れているだけであり,装置の多くの部分は,機械の稼動中に給油及び調整が可能である。ローラの交換ですら,基本的のドアを開けてローラを外へ搬出するだけですむ。最長半年間,停止させることなく連続的に運転することは,これらの機械では,普通である。」

イ.「Central feed tube
Outlet
Whizzer blades
Air inlet
Figure 8.30. Section through large Lopulco mill of three-roller type with whizzer separator and central feed tube」(186ページ Figure 8.30.)
以下,当審仮翻訳文。
「中央供給管
出口
遠心分級翼
空気入口
図8.30. 遠心分級翼及び中央供給管付き3ローラ式の大型ロプルコミルの全体断面」

ウ.Figure 8.30.をみると,「中央供給管(Central feed tube)」の外側に「遠心分級翼(Whizzer blades)」が存在することがわかる。

したがって,甲第4号証には,次の技術事項が記載されているといえる。
「水平リング(horizontal ring)と,この水平リング(horizontal ring)上に配置された2個以上のローラ(two or more rollers)とを有し,中央供給管(Central feed tube)を配設し,中央供給管(Central feed tube)の外側に遠心分級翼(Whizzer blades)を設けたミル(mill)。」(以下,「甲第4号証に記載された技術事項」という。)

(4)甲第5号証に記載された技術事項
甲第5号証には,次の事項が図面とともに記載されている。
ア.「Die Loesche-Muehle
Die Loesche-Muehle(Abb.2), eine Feber-Walzenmuehle, besteht aus einer je nach Groess der Muehle mit 40 bis 90 U/min umlaufenden Mahlschuessel, auf der zwei grosse, konisch geformte Mahlwalzen abrollen. ・・・
Der auf das Mahlgehaeuse aufgesetzte Sichter wurde lange Jahre hindurch als rotierender Siebkorb mit schlitzblechen ausgebildet, waehrend in neuerer Zeit eine aus Amerika uebernommene Konstruktion mit Sichtfluegeln verwendet wird.」(124ページ右欄17行?125ページ左欄17行)
以下,当審仮翻訳文。
「ロッシェミル
ロッシェミル(図2),ばね-ロールミルは,ミルの大きさに応じて40?90rpmで回転する粉砕皿からなり,その上を2つの大きな円錐形の粉砕ローラが転動する。
・・・(中略)・・・
粉砕台の上に置かれた分級機は,長年に渡って,スリット入りの板からなる回転する分級かごとして形成されたが,最近になってアメリカから導入された分級翼を備える構造が使用されている。」

イ.「Muehlengeblaese
・・・
Fuer die Trocknung in der Einblasemuehle kann Heissluft vom Luftvorwaermer ober auch Rauchgas verwendet werden. Jeweils nach dem Verwendungszweck wird die Muehle mit Unterdruck, Halbdruck ober Volldruck betrieben(Abb.7).」(126ページ左欄1行?右欄32行)
以下,当審仮翻訳文。
「ミルの送風機
・・・(中略)・・・
吹込みミルで乾燥させるために,予熱装置からの熱風または燃焼ガスを使用する。それぞれ使用目的に応じて,ミルは,低圧,半圧または全圧で作動される(図7)。」

ウ.「Abb.7.
Druckschemen fuer Loesche-Muehlen.
M = Muehle
St-G = Staubgeblaese
Hl-G = Heissluftgeblaese
Fr-G = Frischluftgeblaese
Hl = Heissluftleitung
Dr = Drossel
Br = Brenner
Zw-L = Zweitluft
━━ Unterdruck
── Druck」(127ページAbb.7.の注釈)
以下,当審仮翻訳文。
「図7
ロッシェのミル用の圧力図
M = ミル
St-G = 炭塵送風機
Hl-G = 熱風送風機
Fr-G = 新気送風機
Hl = 熱風管
Dr = 絞り弁
Br = 燃焼装置
Zw-L = 中間空気
━━━━━ 低圧
───── 高圧」

エ.「Weil die Loesche-Muehle heute in allen Teilen vollkommen druckdicht abgedichtet wird, kann sie auch als volle Druckmuehle betrieben werden. Die Muehle ist an rotierenden Teilen mechanisch durch erprobte Schleifringdichtungen abgedichtet, auf die bei Druckmuehlen zusaetzlich Sperrluft gegeben wird. Die mechanische Dichtung deshalb, um einen moeglichst geringen Kaltluftzusatz zu erhalten, Die Lager der rotierenden Teile werden ausser durch Lippen-oder Simmeringabdichtungen durch Spuelluft vor Staubzutritt gesichert.」(127ページ左欄21?30行)
以下,当審仮翻訳文。
「ロッシェミルは今日全ての部分で完全に気密にシールされるため,全圧ミルとしても作動する。ミルは,回転部分において,性能実証ずみの滑動環パッキンにより機械的に密閉され,加圧ミルの場合にはさらにシール空気が供給される。機械的パッキングを用いるのは,できるだけ冷風の追加を少なくするためであり,回転部分の軸受は,リップまたはジンマーリングパッキンに加え,洗浄空気により炭塵の流入から保護される。」

オ.前記ア.からみて,ロッシェミル(Loesche-Muehle)」(括弧内は原文。以下同様。)は,回転する「分級翼(Sichtfluegeln)」を備えていることがわかる。
前記イ.ないしエ.並びにAbb.7.からみて,「ロッシェミル(Loesche-Muehle)」の一形態として,「全圧ミル(Volldruck-Muehle)」があることがわかる。

カ.甲第5号証は,技術の概要を紹介する雑誌の記事であり,甲第5号証の各図面が,どのような作図法により描かれた図面であるのか,どの程度の精緻さで描かれた図面であるのか等,図面の詳細に関する記載はなく,また,甲第5号証のAbb.2.が,ミルをどのように描いた図面であるのかは,甲第5号証には明記されていないものの,ミルの部分破断面図であると認められる。
ここで,甲第5号証には,ミルに必須の石炭を供給するシュートについて明記されていないが,Abb.2.の上半分に描かれた部分についてみると,一点鎖線をほぼ中心に有するような長方形部分が描かれており,甲第5号証の頒布時に存在していた様々なミルの一般的な構造を勘案して,この部分についてみれば,この部分が,粉砕ローラ(Mahlwalzen)の上方にミルのケーシングのほぼ中央(センター)に垂直に配設されるシュート,すなわちセンターシュートと考えるのが自然である。

したがって,甲第5号証には,次の技術事項が記載されているといえる。
「回転する粉砕皿(Mahlschuessel)と,この回転する粉砕皿(Mahlschuessel)上に配置された粉砕皿(Mahlschuessel)上を転動する2つの粉砕ローラ(Mahlwalzen)とを有し,粉砕ローラ(Mahlwalzen)の上方にケーシングの中央に位置した状態で垂直にセンターシュートを配設し,分級翼(Sichtfluegeln)を備えた回転する分級かご(Siebkorb)を設けた全圧ミル(Volldruck-Muehle)。」(括弧内はいずれも原文。以下,「甲第5号証に記載された技術事項」という。)

(5)甲第6号証に記載された技術事項
甲第6号証には,次の事項が図面とともに記載されている。
ア.「2. Muehlenkonstruktionen
・・・
Waehrend noch vor einigen Jahren ueberwiegend Kohleneinblasemuehlen mit nachgeschalteten Staubgeblaesen zum Einsatz kamen, haben sich inzwischen Druckmuehlen mit vorgecshalteten Druckerhoehungsgeblaesen allgemein durchgesetzt.
・・・

3. Sichter
Die beschriebenen Walzenmuehlen koennen mit zwei Sichterbauarten ausgeruestet werden, einem Klappenzentrifugalsichter (Bild 2) oder einem Kreiselsichter (Bild 4). Der Kreiselsichter hat einen guten Sichtwirkungsgrad mit steiler Koernungskennlinie. Diese Kennlinie laesst sich durch stufenlose Drehzahlverstellung in den groeberen bzw. feineren Bereich verschieben. Der Sichter wird immer dann eingesetzt, wenn ein extreme gleichmaessiger oder feiner Fertigstaub gefordert wird. Fuer Einblasemuehlen ist der Klappenzentrifugalsichter in den meisten Faellen ausreichend. Der Sichter ist einfach im Aufbau und erfordert keine Wartung.」(112ページ左欄1行から113ページ左欄21行)
以下,当審仮翻訳文。
「2.ミルの構造
・・・(中略)・・・
数年前は,まだ主に粉炭送風機を後ろに連結した石炭噴射ミルが使用されていたが,最近では,その前に加圧送風機を連結した圧力ミルが一般的になっている。
・・・(中略)・・・

3.分級機
上記のローラミルは,2種類の分級機,フラップ遠心分級機(図2)または回転分級機(図4),を装備することができる。回転分級機は急な粒度特性曲線の良好な篩効果度を持つ。この特性曲線は無段回転数調整によって荒い領域または細かい領域へ移動され得る。極度に均一なまたは微細な完成炭塵が必要とされるときに分級機が使用される。噴射ミルのためには多くの場合フラップ遠心分級機で十分である。この分級機は単純な構成で,メンテナンスを必要としない。」

イ.「Bild 2: Walzenmuehle neuer Konstruktion
a Muehlengetriebe
b Mahlschuessel
c Mahlwalzen
d oelhydr. Federungssystem
e ausgeschwenkte Mahlwalze
f Schaufelkranz
g Anschlagpuffer
h Klappen-Zentrifugalsicher」(112ページBild 2の注釈)
以下,当審仮翻訳文。
「図2:新しい構造のローラミル
a ミル駆動装置
b 粉砕皿
c 粉砕ローラ
d 油圧バネシステム
e 外側に旋回された揺動粉砕ローラ
f 羽根輪
g ストッパー緩衝器
h フラップ遠心分級機」

「Bild 4: Kreiselsichter mit oberem Antrieb ueber Keilriemen
a umlaufender Konus mit Sichtleisten
b Keilriemenscheibe mit Waelzlager
c Sichteraustritt」(113ページBild 4の注釈)
以下,当審仮翻訳文。
「図4:V字ベルトによる上部駆動装置を有する回転分級機
a 分級体を有する回転する円錐体
b ころ軸受けを有するV字ベルトのプーリ
c 分級機の出口」

ウ.甲第6号証のBild 2が,「ローラミル(Walzenmuehle)」をどのように描いた図面であるのかは,甲第6号証には明記されていないものの,「ローラミル(Walzenmuehle)」の部分破断面図であると認められる。
ここで,甲第6号証には,ローラミルに必須の石炭を供給するシュートについて明記されていないが,Bild 2の「b」の上方に描かれた部分についてみると,一点鎖線をほぼ中心に有するような長方形部分が描かれており,甲第6号証の頒布時のローラミルの一般的な構造を勘案すれば,この部分が粉砕ローラ(Mahlwalzen)の上方にローラミルのケーシングのほぼ中央(センター)に垂直に配設されるシュート,すなわちセンターシュートと考えるのが自然である。

エ.上記ア.の「加圧運転には,今まで使用してきた構造を変更しなければならなかった。全く新しい構造となった。(図2)」なる記載からみて,Bild 2として描かれた新しい構造のローラミルが,加圧ミルであることは明らかである。
また,上記イ.からみて,「フラップ遠心分級機(図2)」という記載は,「フラップ遠心分級機」が図2に描かれた装置全体を指すのではなく,Bild 2に描かれた加圧ミルの分級機hのみを指しているのは明らかである。
したがって,「上記のローラミルは,2種類の分級機,フラップ遠心分級機(図2)または回転分級機(図4),を装備することができる。」なる記載を併せてみれば,Bild 4として描かれた回転分級機が,Bild 2として描かれた加圧ミルのフラップ遠心分級機に代えて装備され得ることがわかる。

オ.Bild 4の左右方向ほぼ中央で上下方向に延びる線にもっとも近い箇所に,上下方向に符号bの上方にまで到る実線を含む長方形部分が描かれている。
甲第6号証には,この長方形部分について明記されていないが,上記ウ.及びエ.から,この長方形部分は「粉砕ローラ(Mahlwalzen)の上方にケーシングの中央に位置した状態で垂直に」配設された「センターシュート」であると認められる。

カ.Bild 4には,「センターシュート」の上下方向に延びる一対の縦の線(以下,「左内側線」及び「右内側線」という。)に対して,その外方に僅かな間隔をおき,かつ左内側線及び右内側線にほぼ平行に上下方向に延びる一対の縦の線(以下,「左外側線」及び「右外側線」という。)が描かれている。
この「右外側線」の外方に隣接して「a」なる文字が付された三角形が存在し,この三角形に隣接して右外方かつ上方に向かって延びる細長い長方形が存在しているが,Bild 4の「a」に関する説明を参酌すれば,この細長い長方形の部分は,「分級体」(Sichtleisten)であると認められる。

キ.前記ア.からみて,「分級体を有する回転する円錐体」が回転することは明らかではあるが,甲第6号証には,この「分級体を有する回転する円錐体」がどのようにして回転するのかについて文言上の記載はない。
また,甲第6号証は,技術の概要を紹介する雑誌の記事であり,甲第6号証の各図面が,どのような作図法により描かれた図面であるのか,どの程度の精緻さで描かれた図面であるのか等,図面の詳細に関する記載はない。
そのため,前記駆動が,「ころ軸受けを有するV字ベルトのプーリ」並びにこの「プーリ」に隣接する「左外側線」及び「右外側線」を含む部分を順次介して行われる,すなわち,「プーリ」,「左外側線」及び「右外側線」を含む部分並びに「円錐体」が一体的に回転するとは考えられるものの,「左外側線」及び「右外側線」を含む部分並びに「センターシュート」に係る具体的な構成が,どのようなものであるのかは不明である。

したがって,甲第6号証には,次の技術事項が記載されているといえる。
「粉砕皿(Mahlschuessel)と,この粉砕皿上に配置された複数個の粉砕ローラ(Mahlwalzen)とを有し,粉砕ローラ(Mahlwalzen)の上方にケーシングの中央に位置した状態で垂直にセンターシュートを配設し,分級体を有する回転する円錐体(umlaufender Konus mit Sichtleisten)を設け,ローラミル(Walzenmuehle)内部を加圧雰囲気とした構成にした回転式加圧型セパレータをそなえたローラミル(Walzenmuehle)。」(以下,「甲第6号証に記載された技術事項」という。なお,「Mahlwalzen」は「Mahlwalze」の複数形である。)

(6)甲第7号証に記載された技術事項
甲第7号証には,次の事項が図面とともに記載されている。
なお,原文中の丸囲い文字1,2及び3は,それぞれ1,2及び3と表記した。
ア.「宇部ロツシエミルは乾燥、粉砕、分級を同時に行なうことができる竪型ミルであり、チユーブミルと比較すれば表4のようであり、非常に優れたミルと言えよう。」(23ページ20?21行)

イ.「粉砕ローラと粉砕テーブル間における1圧縮粉砕2剪断粉砕3衝撃粉砕」(24ページ表4「宇部ロツシエミル」の「粉砕原理」の欄)

ウ.「セパレータをミルに内蔵しているため設備が非常にコンパクトになる。」(24ページ表4「宇部ロツシエミル」の「設備数量」の欄)

エ.「1)直接式
宇部ロツシエミルの特徴を生かした最もシンプルなシステムで図3にフローシートを示す。
・・・(中略)・・・ またミルが加圧型のため高シール性の石炭供給装置が要求され、ミルへの石炭供給はセンターフイーデング方式である。」(24ページ5?11行)

オ.「3ミルが加圧型であるため、シールに対して配慮を要する。」(25ページ表5「Type-A」の「安全性」の欄)

カ.甲第7号証の29ページの図面の上半分に描かれた部分についてみると,一点鎖線をほぼ中心に有するような寸法で長方形部分が描かれており,甲第7号証の頒布時に存在していた様々なミルの一般的な構造や,前記エ.の「ミルへの石炭供給はセンターフイーデング方式である」なる記載を勘案して,この部分についてみれば,甲第8号証に記載された「Type-A 直接型」のミルは,「センターシュート」を有することがわかる。
また,前記エ.からみて,甲第7号証に記載された「Type-A 直接型」のミルは,その内部が加圧雰囲気であることがわかる。

したがって,甲第7号証には,次の技術事項が記載されているといえる。
「センターシュートを配設し,セパレータとを有し,ミル内部を加圧雰囲気としたセパレータをそなえたミル。」(以下,「甲第7号証に記載された技術事項1」という。)及び「ミル内部を加圧雰囲気とした場合には,シールに対して配慮を要する。」(以下,「甲第7号証に記載された技術事項2」という。)

(7)甲第8号証に記載された技術事項
甲第8号証には,次の事項が図面とともに記載されている。
ア.「It has now been found that known roller mills for low pressure operation can be converted at little expense into roller mills with overpressure operation by providing seals at two passages of the mill housing, namely at the passage for the supporting elements on the housing which press the milling tools on to the milling track, and at the passage of the neck of the mill dish into the mill housing.」(1ページ右欄4?13行)
以下,当審仮翻訳文。
「低圧運転されるの既知のローラー・ミルは,ミルのハウジングの2つの通路,すなわち粉砕具を粉砕路に押し付けるハウジング上の支持部材の通路及びミルのハウジング内へ入る粉砕皿の首の部分の通路を封止することによって,ほとんど費用をかけずに,加圧運転されるローラー・ミルに変換可能であることがわかった。」

イ.「The overpressure mill shown in Fig. 1, consists of an upper mill housing 1 accommodating mill rollers 2 mounted on roller shafts 3, which housing is sealed against atmospheric pressure by a cover 4 having a closure 5.」(2ページ左欄32?37行)
以下,当審仮翻訳文。
「図1に示す加圧ミルは,ローラ・シャフト3に取り付けたミル・ローラ2を収納する,上部ミル・ハウジング1から成り,このハウジングは,閉じ具5を備えるカバー4で,大気圧に対し封止される。」

ウ.「Fig. 3 shows the connection of the part of the mill housing underneath the grinding bowl 9 with the gear housing 11. Two angled rings 13 and 17 form the mounting for an elastic sleeve 14, forming a gas-tight seal against the ambient air and permitting small thermal expansion movements between the mill housing and the gear housing. A chamber 42, located under a vane ring 43 of the grinding bowl 9 is filled during the operation of the mill with hot air at a pressure of several hundred millimetres water column. This pressure is propagated through the gap between the grinding bowl 9 and the part 16 of the mill housing into the annular space and from there through the gap between the labyrinth ring 12 and the gear housing to the interior of the gearing. The gear housing is fully enclosed so that only the passage of the fast running shaft 30 must be sealed against this pressure. In order to prevent the entry of dust and hot air into the gear housing, the annular space 40 is supplied with cold blocking air via a pipe 18 and a blower 41. The amount of air is so adjusted that the pressure in the space 40 is higher than that in the chamber 42. The blocking air flowing from the annular space 40 into the chamber 42 mixes there with the hot carrier air and escapes past the vane ring 43 towards the top into the grinding chamber of the mill.」(2ページ右欄3?33行)
以下,当審仮翻訳文。
「図3は,ギヤハウジング11を備えた粉砕皿9の真下のミルハウジングの部分の接続部を示す。角を形成した2つのリング13及び17が,外気に対する気密シールを形成し,ミルハウジングとギヤハウジングの間の小さな熱膨張変化を許容して,弾性のスリーブ14の取付部を形成する。粉砕皿9の翼輪43の下で位置した空洞42は,数百ミリメートルの水柱の圧力でミルの作動中に熱風で満たされる。この圧力は,粉砕皿9とミルハウジングの部分16の間の隙間を通り環状空間40の中へ,そして,そこからラビリンス12とギヤハウジングの間の隙間を通り歯車装置の内部へ伝播する。もっぱら,この圧力に対して高速回転する軸30の通路を密閉する必要があるために,ギヤハウジングは完全に囲まれる。ギヤハウジングの中への粉塵および熱風の侵入を防ぐために,環状空間40に,管18および送風器41によって冷たい封止空気が供給される。場所40の圧力が空洞42のそれより高くなるように,空気の量は調節される。環状空間40から空洞42の中へ流れる封止空気は,高温の搬送空気と混ざり,翼輪43を通り過ぎミルの粉砕室の中へと上方へ排出される。」

エ.甲第8号証には,ミルに必須の石炭を供給するシュートについて明記されていないが,Fig.1の上半分に描かれた部分についてみると,一点鎖線をほぼ中心に有するような寸法で長方形部分が描かれており,甲第8号証の頒布時に存在していた様々なミルの一般的な構造を勘案して,この部分についてみれば,この部分が,ミル・ローラ2(mill rollers 2)の上方に上部ミル・ハウジング1(upper mill housing 1)のほぼ中央(センター)に垂直に配設されるシュート,すなわちセンターシュートと考えるのが自然である。

したがって,甲第8号証には,次の技術事項が記載されているといえる。
「粉砕皿9(grinding bowl 9)と,この粉砕皿9(grinding bowl 9)上に配置された複数個のミル・ローラ2(mill rollers 2)とを有し,ミル・ローラ2(mill rollers 2)の上方に上部ミル・ハウジング1(upper mill housing 1)の中央に位置した状態で垂直にセンターシュートを配設し,ミル内部を加圧雰囲気とした構成にしたローラミル(roller mill)において,ギヤハウジングの中への粉塵および熱風の侵入を防ぐために,環状空間40(annular space 40)の圧力が空洞42(chamber 42)のそれより高くなり,ミルの粉砕室(grinding chamber)の中へ排出されるように,管18(pipe 18)および送風器41(blower 41)によって冷たい封止空気を供給したローラミル(roller mill)。」(以下,「甲第8号証に記載された技術事項」という。)

(8)甲第9号証に記載された技術事項
甲第9号証には,次の事項が記載されている。
「1.グリース潤滑ころがり軸受におけるシール技術
・・・(中略)・・・
1.2 非接触シール
非接触シールは相対運動部分に適当な隙間を設けてシール部を通過する圧縮性流体にエネルギ損失を与えるとか,回転軸に設けたフリンジャやフィンによって遠心力を生じさせて漏れだそうとするグリースや侵入しようとする塵埃を振り切ってシールするものであるから, ・・・(中略)・・・
非接触シールは完全密封装置ではないが適当なシール方式を選定し,組合せて使用することによって実用上支支障のない程度にシール効果をあげることができる.摩擦部分がないだけに高速,高温,低温用途に適しているといえよう.
特にシール効果を高める必要のある場合は,内圧や外圧よりやや高い圧力の適当な流体をシール部に注入して,エアカーテンのような原理でシールする方法もある.」(172ページ左欄8行?175ページ左欄13行)

したがって,甲第9号証には,次の技術事項が記載されているといえる。
「グリース潤滑ころがり軸受におけるシール技術であって,内圧や外圧よりやや高い圧力の適当な流体をシール部に注入して,エアカーテンのような原理でシールする方法。」(以下,「甲第9号証に記載された技術事項」という。)

(10)甲第10号証に記載された技術事項
甲第10号証には,次の事項が図面とともに記載されている。
「第1図は本発明の一実施例として本発明にかかるシュートを竪形粉砕機たるリング・ボールタイプの粉砕機1に使用した場合を示すものである。被粉砕物はフィーダ2よりシュート3を通り粉砕室内に入り、ボール5および下部リング6の間で粉砕され、空気輸送に依り排出される。(被粉砕物の微細化されたものの流れは符号7で示す。)
粉砕機運転時は上部リング8は静止しているが下部リング6はギヤボックスによって水平面上で定速の回転運動を行なう。本実施例においては、水平面での回転力を有するターンテーブル11とシュート3をサポート12に依って供給口3aを形成して連結し、かつこれにより、シュート3に回転力を持たせている。サポート12の数は第1図のI-I視図である第2図に示すごとく本実施例では4本であるが、粉砕装置の大きさおよび強度上の問題より、サポートの数、形状、材質および取付位置等を適当に選ぶことができる。粉砕機は通常加圧下で運転されるため回転部と非回転部においてはシール部が必要となり、本実施例においては第1図に示すごとく2個所のシール部13_(1),13_(2)を有する。シュート3はシール部13_(1)を設けることにより上端部を保持されかつフィーダ2に対して回転することができる。本シール部の構造、位置、数等も適当に選定することができる。」(1ページ右下欄17行?2ページ右上欄3行)

したがって,甲第10号証には,次の技術事項が記載されているといえる。
「加圧下で運転される粉砕機の回転部と非回転部においてはシール部が必要となること。」(以下,「甲第10号証に記載された技術事項」という。)

2.当審の判断
(1)本件特許発明と甲第1号証に記載された発明との対比
甲第1号証に記載された発明の「ローラ(Walzen)」,「複式分級機(Doppelsichter)」及び「ミル(Muehlen)」は,それぞれ本件特許発明の「粉砕ローラ」,「セパレータ」及び「粉砕機」に相当する。
したがって,両発明は,
「複数個の粉砕ローラを有し,粉砕ローラの上方にケーシングの中央に位置した状態で垂直にセンターシユートを配設し,セパレータをそなえた粉砕機。」である点で一致し,次の点において相違する。

ア.相違点1
「回転テーブルと、この回転テーブル上に配置された回転テーブルの回転に伴つて従動回転する複数個の粉砕ローラとを有し」(構成要件A及び構成要件B)ているのに対し,甲第1号証に記載された発明は,本件特許発明の「複数個の粉砕ローラ」に相当する「複数個のローラ(Walzen)」を有しているものではあるが,それ以外の構成は不明である点。

イ.相違点2
本件特許発明は,「センターシユートの外側に同心状に回転筒を回転可能に設け、この回転筒には放射状に配置されたベーンを取付け」(構成要件D及び構成要件E)た「回転式」の「セパレータ」を備えているのに対し,甲第1号証に記載された発明は,本件特許発明の「セパレータ」に相当する「複式分級機(Doppelsichter)」を有しているものではあるが,それ以外の構成は不明である点。

ウ.相違点3
本件特許発明は,「粉砕機内部を加圧雰囲気とした構成にした粉砕機」(構成要件F),すなわち「加圧型」の「粉砕機」であるのに対し,甲第1号証に記載された発明は,粉砕機内部の圧力は不明であり,「加圧型」の「粉砕機」であるか否かは不明である点。

エ.相違点4
本件特許発明では,「回転筒下端から所定距離離れた上方位置に送風装置に連絡された空気導管を取付けて回転筒とセンターシユートとの間の環状隙間と送風装置とを連通させ、この隙間に加圧雰囲気よりも高い所定圧力の空気を吹き込み、回転筒の下端から噴出するように構成した」(構成要件Fないし構成要件H)ものであるのに対し,甲第1号証に記載された発明は,そのような構成がない点。

(2)相違点についての検討,判断
上記相違点1ないし4について検討する。
まず,甲第2号証に記載された発明及び甲第4号証ないし甲第10号証に記載された技術事項についてみると,以下ア.ないしク.のとおりである。

ア.甲第2号証に記載された発明について
甲第2号証に記載された発明の「下部粉砕輪5」及び「シユート8」は,それぞれ本件特許発明の「回転テーブル」及び「センターシユート」に相当する。
また,甲第2号証に記載された発明の「ボール7」は,「粉砕手段」という点では,本件特許発明の「粉砕ローラ」と共通するから,同様に甲第2号証に記載された発明の「ボールミル」は,本件特許発明の「粉砕機」と共通する。
そして,甲第2号証に記載された発明の「外筒17」は,センターシユートの外側に同心状に設けられている筒という点でのみ,本件特許発明の「回転筒」と共通し,甲第2号証に記載された発明の「冷却空気」及び「冷却空気供給管18」は,空気が供給され,かつ環状隙間へ連通されるという点でのみ,本件特許発明の「所定圧力の空気」及び「空気導管」と共通し,同様に甲第2号証に記載された発明の「分級機12」はセパレータという点で,本件特許発明の「回転式加圧型セパレータ」と共通する。
したがって,甲第2号証に記載された発明は,本件特許発明に対応して記載すれば,「回転テーブルと,この回転テーブル上に配置された回転テーブルの回転に伴つて従動回転する複数個の粉砕手段とを有し,粉砕手段の上方にケーシングの中央に位置した状態で垂直にセンターシユートを配設し,センターシユートの外側に同心状に筒を設けた粉砕機において,筒下端から所定距離離れた上方位置に空気導管を取付け,筒とセンターシユートとの間の環状隙間に空気を吹き込み,筒の下端から噴出するように構成したセパレータをそなえた粉砕機。」となる。

イ.甲第4号証に記載された技術事項について
甲第4号証に記載された技術事項の「水平リング(horizontal ring)」,「2個以上のローラ(two or more rollers)」,「中央供給管(Central feed tube)」,「遠心分級翼(Whizzer blades)」及び「ミル(mill)」は,その機能・作用からみて,それぞれ本件特許発明事項の「回転テーブル」,「複数個の粉砕ローラ」,「センターシユート」,「セパレータ」及び「粉砕機」に相当する。
したがって,甲第4号証に記載された技術事項は,本件特許発明に対応して記載すれば,「回転テーブルと,この回転テーブル上に配置された複数個の粉砕ローラとを有し,センターシユートを配設し,センターシユートの外側にセパレータを設けた粉砕機。」となる。

ウ.甲第5号証に記載された技術事項について
甲第5号証に記載された技術事項の「回転する粉砕皿(Mahlschuessel)」,「粉砕ローラ(Mahlwalzen)」,「センターシュート」及び「分級翼(Sichtfluegeln)」は,その機能・作用からみて,それぞれ本件特許発明の「回転テーブル」,「粉砕ローラ」,「センターシユート」及び「ベーン」に相当する。
そして,甲第5号証に記載された技術事項の「全圧ミル(Volldruck-Muehle)」の「全圧」とは,粉砕機内部が加圧されている状態に他ならず,また,甲第5号証に記載された技術事項の「分級翼(Sichtfluegeln)」は,「回転する分級かご(Siebkorb)」に備えられており,回転することが明らかであるから,結局,甲第1号証に記載された技術事項の「全圧ミル(Volldruck-Muehle)」は,本件特許発明の「粉砕機内部を加圧雰囲気とした構成にした粉砕機」及び「回転式加圧型セパレータをそなえた粉砕機」と同様のものである。
したがって,甲第5号証に記載された技術事項は,本件特許発明に対応して記載すれば,「回転テーブルと,この回転テーブル上に配置された複数個の粉砕ローラとを有し,粉砕ローラの上方にケーシングの中央に位置した状態で垂直にセンターシユートを配設し,ベーンを設け,粉砕機内部を加圧雰囲気とした構成にした回転式加圧型セパレータをそなえた粉砕機。」となる。

エ.甲第6号証に記載された技術事項について
甲第6号証に記載された技術事項の「粉砕皿(Mahlschuessel)」,「粉砕ローラ(Mahlwalzen)」及び「ローラミル(Walzenmuehle)」は,それぞれ本件特許発明の「回転テーブル」,「粉砕ローラ」及び「粉砕機」に相当する。
また,甲第6号証に記載された技術事項の「分級体(Sichtleisten)」は,分級という機能からみて,本件特許発明の「ベーン」と同様のものである。
したがって,甲第6号証に記載された技術事項は,本件特許発明に対応して記載すれば,「回転テーブルと,この回転テーブル上に配置された回転テーブルの回転に伴つて従動回転する複数個の粉砕ローラとを有し,ベーンを設け,粉砕機内部を加圧雰囲気とした回転式加圧型セパレータをそなえた粉砕機。」となる。

オ.甲第7号証に記載された技術事項について
甲第7号証に記載された技術事項1及び2の「センターシュート」及び「ミル」は,本件特許発明の「センターシユート」及び「粉砕機」に相当する。
したがって,甲第7号証に記載された技術事項1及び2は,本件特許発明に対応して記載すれば,それぞれ「センターシユートを配設し,粉砕機内部を加圧雰囲気とした構成にしたセパレータをそなえた粉砕機。」及び「粉砕機内部を加圧雰囲気とした場合には,シールに対して配慮を要する。」となる。
カ.甲第8号証に記載された技術事項について
甲第8号証に記載された技術事項の「粉砕皿9(grinding bowl 9)」,「ミル・ローラ2(mill rollers 2)」,「上部ミル・ハウジング1(upper mill housing 1)」,「センターシュート」及び「ローラミル(roller mill)」は,それぞれ本件特許発明の「回転テーブル」,「粉砕ローラ」,「ケーシング」,「センターシユート」及び「粉砕機」に相当する。
したがって,甲第8号証に記載された技術事項を,本件特許発明に対応して記載すれば,「回転テーブルと,この回転テーブル上に配置された複数個の粉砕ローラとを有し,粉砕ローラの上方にケーシングの中央に位置した状態で垂直にセンターシユートを配設し,粉砕機内部を加圧雰囲気とした構成にした粉砕機において,加圧雰囲気よりも高い所定圧力の空気を吹き込んだ粉砕機。」となる。

キ.甲第9号証に記載された技術事項について
甲第9号証に記載された技術事項は,本件特許発明の「粉砕機」に関する技術でも,「セパレータ」に関する技術のいずれでもなく,「軸受におけるシール技術」としての「エアシール」を例示するものにすぎない。

ク.甲第10号証に記載された技術事項について
甲第10号証に記載された技術事項の「加圧下で運転される粉砕機」は,その機能・作用からみて,本件特許発明の「粉砕機内部を加圧雰囲気とした構成にした粉砕機」に相当する。
したがって,甲第10号証に記載された技術事項は,本件特許発明に対応して記載すれば,「粉砕機内部を加圧雰囲気とした構成にした粉砕機の回転部と非回転部においてはシール部が必要となること。」となる。

上記ア.ないしク.のとおり,甲第2号証に記載された発明及び甲第4号証ないし甲第10号証に記載された技術事項は,いずれも上記相違点2に係る本件特許発明の構成を明確に示すものではないから,甲第1号証に記載された発明に,甲第2号証に記載された発明及び甲第4号証ないし甲第9号証に記載された技術事項を適用したとしても,上記相違点2に係る本件特許発明のように構成されるとはいえない。
そして,上記相違点2に係る本件特許発明のように構成されることがない以上,上記相違点2及び上記相違点3に係る本件特許発明のように構成することを前提とした,上記相違点4に係る本件特許発明のように構成されることはあり得ない。

仮に,甲第1号証記載の発明が上記相違点2に係る本件特許発明のように構成されていた,もしくは,甲第1号証記載の発明を上記相違点2に係る本件特許発明のように構成するとしても,相違点4に係る本件特許発明のような構成の前提となる上記相違点3に係る本件特許発明のように構成すること,すなわち「粉砕機内部を加圧雰囲気とした構成」について考えなければならない以上,その点についての考慮が一切なされていない甲第1号証記載の発明において,本件特許発明が解決しようとする課題である「そこで、従来の回転式セパレータを採用し、分級効率を増大させようとすると、従来の回転式セパレータは負圧型ミルに適用されているため、加圧型の粉砕機に取付けようとすると、粉砕機内部は加圧雰囲気であるため粉砕機上部中心部より垂下する固定のセンターシユートとその回りに同心円状に配設され回転するセパレータの回転筒との隙間に別粉が侵入し固着発達して回転筒の円滑な回転を阻害したり、センターシユート外周面や回転筒内周面が摩耗して損傷する。」(なお,「別粉」は「微粉」の誤記。)」ことを認識し,この課題を解決する手段を講じること,すなわち上記相違点4に係る本件特許発明のように構成することを想到し得たとまではいえない。

この課題及びこの課題を解決する手段については,請求人は審判請求書で「回転部分と固定部分との間のシールの強化により甲第1号証記載の粉砕機を加圧型ミルとして運転するという設計上の選択肢を当業者が採用した場合、隙間部分をシールする必要があること、及びシールの一方法としてエアシールの技術が存在することは、本件特許の出願時点で既に当業者の技術常識ともなっていたことは以下の各記載からも明らかである。特に甲第5号証、甲第9号証には、ミル内部における回転部分と固定部分との隙間にミル内部の気圧より高い圧力の空気を供給して、隙間に粉塵が入り込まないようにする技術が具体的に開示されている。」(審判請求書15ページ19?27行)と主張し,甲第5号証ないし甲第10号証を提示している。
まず,甲第5号証については,上記1.(4)エ.の「粉砕機は,回転部分において,性能実証ずみの滑動環パッキンにより機械的に密閉され,加圧粉砕機の場合にはさらにシール空気が供給される。機械的パッキングを用いるのは,できるだけ冷風の追加を少なくするためであり,回転部分の軸受は,リップまたはジンマーリングパッキンに加え,洗浄空気により炭塵の流入から保護される。」のように,回転部分の軸受について,機械的なシールとエアシールとを併用することが示唆されているだけであって,これは,甲第9号証に記載されている一般的な「軸受におけるシール技術」と同様の技術を示唆するに留まると解するのが自然である。
また,甲第6号証には,そもそもシールについては何らの記載もなく,甲第7号証についても,シールの必要性については記載されているものの,その具体的な箇所や構成について記載されているわけではない。
そして,甲第8号証についても,上記カ.の「雰囲気よりも高い所定圧力の空気を吹き込み」のように本件特許発明と共通する構成が記載されてはいるものの,あくまでも「ギヤハウジングの中」という空間への粉塵および熱風の侵入を防ぐために,「ギヤハウジングの中」という空間の上流に設けた「環状空間40」に「冷たい封止空気が供給される」ことが記載されているだけである。
最後に,甲第10号証をみても,「粉砕機の回転部と非回転部においてはシール部が必要となること」が記載されているだけである。
このように,甲第1号証,甲第2号証,甲第4号証ないし甲第10号証のいずれによっても,「回転式加圧型セパレータをそなえた粉砕機」において,「センターシユート」と「回転筒」との間の「環状隙間」自体への粉塵の侵入を防止するという課題及びこれを解決する上記相違点4に係る本件特許発明のような構成が,本件特許発明出願前に公知,周知もしくは技術常識であったということはできない。
なお,上記相違点1に係る本件特許発明の構成については,このように構成することが当業者にとり自明もしくは容易であるにしても,前記課題及びこれを解決する上記相違点4に係る本件特許発明の構成とは直接関係がないため,前記課題及びこれを解決する上記相違点4に係る本件特許発明の構成が,本件特許発明出願前に公知,周知もしくは技術常識であったという根拠にはならない。

さらに,請求人が主張するように甲第1号証に記載された発明が上記相違点2に係る本件特許発明のような構成を備えているとしても,前記請求人が審判請求書で特に引用している甲第5号証の記載,特に上記1.(4)エ.の「機械的パッキングを用いるのは,できるだけ冷風の追加を少なくするためであり,」を参酌すると,甲第1号証に記載された発明において「粉砕機内部を加圧雰囲気とした構成」とした場合に,あえて「粉砕機内」に「冷却風」を供給する甲第2号証に記載された発明を適用することは不自然といわざるを得ない。

3.むすび
以上のとおり,甲第4号証ないし甲第10号証に記載された技術事項を勘案しても,本件特許発明が,甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基づいて,当業者が容易になし得たものということはできない。


第5.むすび
以上のとおりであるから,請求人の主張する理由及び提出した証拠方法によっては本件特許を無効とすることができない。
審判に関する費用については,特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により,請求人が負担すべきものとする。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-09-30 
結審通知日 2008-10-03 
審決日 2008-10-17 
出願番号 特願昭57-110810
審決分類 P 1 113・ 121- Y (B02C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 西村 和美大熊 幸治  
特許庁審判長 深澤 幹朗
特許庁審判官 石井 孝明
小谷 一郎
登録日 1992-10-27 
登録番号 特許第1706534号(P1706534)
発明の名称 回転式加圧型セパレ-タをそなえた粉砕機  
代理人 牧野 知彦  
代理人 伊丹 勝  
代理人 高橋 元弘  
代理人 飯塚 卓也  
代理人 野口 明男  
代理人 一色国際特許業務法人  
代理人 落合 孝文  
代理人 吉澤 敬夫  
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