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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B41M
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 B41M
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B41M
管理番号 1220426
審判番号 不服2009-13404  
総通号数 129 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-09-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-07-27 
確定日 2010-07-22 
事件の表示 特願2004-369792「感熱記録材料」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 7月 6日出願公開、特開2006-175673〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成16年12月21日の出願であって、平成21年4月23日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年7月27日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同日付けで特許請求の範囲および明細書に係る手続補正がなされたものである。
その後、平成22年2月8日付けで、当審の審尋に対する回答書が提出されたものである。

第2.平成21年7月27日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成21年7月27日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正の概要
平成21年7月27日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明を下記のようにする補正事項を含むものである。

「表面と裏面とを有する支持体の前記表面上に、ロイコ染料と顕色剤とを有する感熱発色層を備える感熱記録材料において、
前記顕色剤は、4-ヒドロキシ-4'-アリルオキシジフェニルスルホンと下記一般式(1)
【化1】

・・・一般式(1)
で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物とからなり、
前記4-ヒドロキシ-4'-アリルオキシジフェニルスルホンと前記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物の割合が1/0.5以上1/0.1以下であり、
前記ロイコ染料の平均粒子径は、0.15μm以上0.8μm以下であることを特徴とする感熱記録材料。」

2.補正の適否の判断
本件補正は、顕色剤を構成する2つの成分につき、その「割合」の下限を「1/1」から、「1/0.5」とし、該2つの成分を「含有」するものから、2つの成分「からなり」との限定的な表現として記載したものであるから、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。
なお、ここで、本願補正発明は、顕色剤の2つの成分の「割合」が何を基準とするのか不明であるが、本願明細書の記載全体からみて、重量比であるものと解するものとする。

3.引用刊行物に記載された発明
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開2004-276593号公報(以下、「刊行物1」という。)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審で付した。)

1a.「【請求項1】
支持体上に、ロイコ染料および顕色剤を主成分とする感熱発色層を設けてなる感熱記録材料において、該感熱発色層中に4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンと4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホンとを含有すると共に、下記一般式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体を顕色剤として含有することを特徴とする感熱記録材料。
【化1】

[式中、XおよびYは各々相異なってもよく直鎖または分枝を有してもよい炭素数1?12の飽和、あるいは不飽和エーテル結合を有してもよい炭化水素基であるか、または、
【化2】

もしくは
【化3】

(Rはメチレン基またはエチレン基を表し、Tは水素原子、炭素数1?4のアルキル基を表す)を表す。R_(1)?R_(6)はそれぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1?6のアルキル基、アルケニル基を示す。また、m、n、p、q、r、tは0?4の整数を表し、2以上の時はR_(1)?R_(6)はそれぞれ異なっていてもよい。aは0?10の整数を表す。〕」

1b.「【請求項3】
4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンと一般式(I)で表される化合物との重量比が、3:7?7:3であることを特徴とする請求項1または2記載の感熱記録材料。」

1c.「【請求項4】
前記ロイコ染料が、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジ(n-ペンチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-p-トルイジノ)-6-メチル-7-アニリノフルオランのいずれかであることを特徴とする請求項1?3のいずれかに記載の感熱記録材料。
【請求項5】
前記ロイコ染料の平均粒子径が0.1μm?0.3μmであることを特徴とする請求項1?4のいずれかに記載の感熱記録材料。」

1d.「【背景技術】
【0002】
近年、情報の多様化やニーズの拡大に伴い、情報記録分野に於いて各種の記録材料が研究・開発され実用化されているが、なかでも感熱記録材料は、(1)加熱プロセスのみによる簡易な画像の記録が可能なこと、(2)必要な装置のメカニズムが簡単でコンパクト化が容易であり記録材料が取扱い易く安価であることなどの利点を有するため情報処理分野(卓上計算機、コンピュータ等のアウトプット)、医療計測用レコーダー分野、低、高速ファクシミリ分野、自動券売機分野(乗車券、入場券等)、感熱複写機分野、P0Sシステムのラベル分野等、多岐にわたり用いられている。
【0003】
これら感熱記録材料の利用分野の中で、POSシステムのラベル分野、特に弁当や惣菜といった画像の信頼性を重視する分野で、急速に使われるようになっており、包装等に使用される有機高分子材料に含有されている可塑剤や油脂類に対して高い保存安定性を要求する用途に使われ、またレシート・領収書などの数年間の保存安定性を要求する用途にも使われ、感熱記録材料への要求品質が年々高まっているのが現状である。そのために、染料・顕色剤・保存安定剤等の助剤の開発がなされているが、発色感度と画像の保存安定性とをバランス良く十分に満足できるものは未だ見出されていない。」

1e.「【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の第1の目的は、耐薬品性、とくに耐可塑剤性に優れ、画像残存率が限りなく100%に近い感熱記録材料を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、高感度で地肌カブリが少なく耐熱保存性に優れた感熱記録材料を提供することである。
【0011】
すなわち、従来法においては、高い発色濃度で、高感度で地肌カブリがなく、耐熱保存性に優れるという機能を付与すると、耐薬品性における画像保存率の低下(具体的に述べると、染料と顕色剤だけでは100%に近い画像残存率を有していたものが増感剤等を含有することで60%から80%程度に低下すること)を招くという課題があったが、本発明は、画像残存率を高くするという課題と、高感度で地肌カブリがなく、耐熱保存性に優れたものとするという課題とを同時に達成することができる感熱記録材料を提供するものである。」

1f.「【0023】
本発明が前記作用効果を奏することの理由は明確ではないが、感度向上に関しては、4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンおよび一般式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体の相溶性が4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホンを添加することにより更に向上している為であると思われる。
【0024】
また、地肌かぶり・耐熱かぶりに関しては、従来の感熱記録材料においては2種類以上の顕色剤を組合せて、一方をメインの顕色剤として用い、他方にはほとんど発色能のない化合物を用いるのが通常である。これは発色能のある顕色剤同士を組み合わせると地肌カブリが生じたり、耐熱性が極端に低下してしまう為であり、特許文献6において開示されている4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンと本発明における一般式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体との組み合わせにおいても同様の現象が発生していると思われる。
【0025】
本発明においては、その作用は明確ではないが4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホンを添加することにより、ロイコ染料、4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンおよび一般式(I)の化合物からなる3成分系の場合の発色状態とは異なるものとなり、お互いが干渉しない状況を作り出している為と思われる。
【0026】
4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホンの添加量は、4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホン100重量部に対し、4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホンを0.5?10重量部含有することが好ましく、より好ましくは0.5?5重量部で、特に好ましくは0.5?1重量部である。
4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンが10重量部以上の場合は、その相溶性が大きくなる為に、感度向上効果は大きくなるが、保存安定性(特に耐可塑剤性)の画像残存率が低下するので好ましくない。また、0.5重量部未満では相溶性の効果/地肌カブリ防止効果が小さくなり好ましくない。
【0027】
4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホンおよび4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンを上記比率に調整する方法としては、4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホンと4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンを上記比率に混合する方法および4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンの合成過程において、副生成物として合成される4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホンの比率を合成条件により調整する方法のどちらの方法を用いても構わない。
【0028】
4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンおよび一般式(I)で示される顕色剤の添加量は、ロイコ染料1重量部に対して顕色剤全体で2?7重量部、好ましくは3?5重量部が適当である。また、4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンと一般式(I)で示される顕色剤との重量比は3:7?7:3、好ましくは4:6?6:4でより好ましくは6:4?5:5である。
4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンが顕色剤全体の3割に満たない場合は当然のことながら発色が不十分であり、また7割より過剰に使用した場合は、一般式(I)で示される顕色剤の保存安定性向上の効果が十分に得られない。
一般式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体におけるXおよびYは各々相異なってもよく直鎖または分枝を有してもよい炭素数1?12の飽和、あるいは不飽和エーテル結合を有してもよい炭化水素基であるか、または、次式で表される基である。」

1g.「【0035】
また本発明ではロイコ染料の平均粒子径が1.0μm以下の染料を用いることにより、高感度化は可能であるが、0.3μm以下にする事で更に高感度化を達成することが可能である。しかし、ロイコ染料の粒子径を小さくすることにより、地肌カブリが大きくなる傾向があり、染料粒子径が0.1μm以下になると地肌カブリが顕著に発生することから、地肌カブリと高感度とを両立させるには、0.1μm?0.3μmμmにすることが好ましく、より好ましくは、0.15μm?0.2μmである。
【0036】
地肌カブリの原因としては、通常ポリビニルアルコール等を分散剤として用いてロイコ染料を微粒子化分散した場合、粒径を小さくするほど分散液の着色濃度は高くなる。さらに顕色剤と混合した場合にはさらに着色が激しくなり感熱記録紙とした場合には地肌濃度が高くなる、このような原因としては、微粒子化する際の高い剪断応力によりポリビニルアルコールの未鹸化部分が変化し、酢酸ができる事で分散液のpHが低下し一部発色することや、染料粒子の一部が非結晶化し発色し易くなることが推定される。」

1h.「【実施例】
【0055】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。なお、以下に示す「部」および「%」は何れも重量基準である。
【0056】
[実施例1?14]および[比較例1?6]
(1)感熱記録層を構成する各成分の調製
下記組成の〔A液〕、〔B液〕、〔C液〕および〔D液〕の各液をサンドグラインダーを用いて、その平均粒径が、〔A液〕については表1記載の粒子径となるように、また、〔B液〕?〔D液〕については1.0μmとなるように調製した。
【0057】
〔A液〕
表1記載のロイコ染料 :20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 :20部
水 :60部
【0058】
〔B液〕
4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホン :20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 :20部
非晶質シリカ :10部
水 :50部
【0059】
〔C液〕
4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホン :20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 :20部
水 :60部
【0060】
〔D液〕
顕色剤(日本曹達社製D-90) :20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 :20部
水 :60部
【0061】
(2)感熱記録層塗布液の調製
上記のようにして得た〔A液〕?〔D液〕を表1記載の割合で混合して実施例1?14、比較例1?6で用いる感熱記録層塗布液を作製した。
【0062】
(3)アンダーコート層形成液の調製
下記配合の[a液]および[b液]をそれぞれ撹拌分散して、アンダーコート層形成液を調製した。
【0063】
(省略)
【0064】
(省略)
【0065】
(4)感熱記録紙の作製
坪量60g/m^(2)の紙上に上記で得た感熱発色塗工液を、染料付着量が0.50g/m^(2)になるように塗布乾燥し感熱発色層を設け、その後スーパーキャレンダーにて処理し、実施例1?12、比較例1?4の感熱記録材料を得た。
また、坪量60g/m^(2)の紙上に上記で得たアンダーコート層形成液を乾燥塗布量が3.0g/m^(2)になるように塗工し乾燥し、ついでその上に上記で得た感熱発色塗工液を、染料付着量が0.50g/m^(2)になるように塗布乾燥して感熱発色層を設け、その後スーパーキャレンダーにて処理し、実施例13、14、比較例5、6の感熱記録材料を得た。
【0066】
【表1】

【0067】
(5)評価試験
以上のようにして作製した感熱記録材料について、下記試験を実施した。
(発色特性試験)
大倉電機(株)製感熱記録材料の印字シミュレーターにて、0.27mj/dot、036mj/dot、0.45mj/dotでエネルギーを印加して印字し、それぞれの発色濃度をマクベス濃度計RD-914にて測定した。
【0068】
(耐熱性試験)
上記シミュレーターを用いてエネルギー0.45mj/dotで印字した画像部および地肌部を80℃の環境条件で24時間放置した後の画像部および地肌部の濃度測定をした。
【0069】
(耐可塑剤性試験)
上記シミュレーターを用いてエネルギー0.45mj/dotで印字した試験片に、塩ビラップを3枚重ね、さらに一般上質紙10枚を重ね、約200g/cm^(2)になるように重りをのせたものを、40℃環境下で24時間放置した後に、画像部および地肌部の濃度測定をした。以上の試験の結果を表2に示す。
【0070】
【表2】

【0071】
表2に示された試験結果について説明する。
実施例1?4を、比較例1(4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンと一般式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体とを顕色剤として組み合わせた公知例)と対比すると、実施例1?4では、比較例1のものに比して、4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホンを添加することによって感度が向上し、耐熱性試験後の地肌カブリおよび耐可塑剤性試験後の残存率が90%から91?92%に向上している。
比較例1のものは、耐可塑剤性試験後の画像残存率は高い水準を維持しているが、実施例1.2に対して感度が低く、また、耐熱性試験前および耐熱性試験後の地肌カブリが大きい。[耐熱性:比較例1(0.19)、実施例1(0.12)]
【0072】
実施例5?10は、4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンと一般式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体の添加量比および染料種を変化させた結果を示したものであり、いずれも良好な特性を示している。
比較例2?3は従来例において染料種による違いを示したものであるが、実施例7、8のものに比べると感度が低く、耐熱性試験後の地肌カブリが大きくなっている。[耐熱性:比較例2(0.20)]
【0073】
実施例11?12は、実施例2のものに比べて染料の平均粒子径を小さくした場合を示
したものであるが、実施例2のものよりも感度が向上している。
比較例4は、比較例1のものにおいて染料の平均粒子径を0.2μmとしたものであり、感度向上効果はあるが、耐熱性試験前の地肌カブリ、耐熱性試験後の地肌カブリが共に大きい。[耐熱性:比較例4(0.20)]
【0074】
実施例13?14は、実施例2のものにアンダーコート層(プラスチック中空粒子を含む)を設けたものであるが、実施例2のものよりも感度が向上している。
比較例5、6は比較例1のものにおいてアンダーコート層を設けたものであり、感度向上効果はあるが、実施例のものに比べると耐熱性試験前の地肌カブリ、耐熱性試験後の地肌カブリが共に大きい。[耐熱性:比較例5、6(0.19)]
【0075】
これらの比較例と本発明とを比較すると感度向上と耐熱性試験前の地肌カブリ・耐熱性試験後の地肌カブリの向上と耐可塑剤性の画像残存率の向上とが両立しており、その効果は明白である。」

以上、特に、1h.記載の比較例4の組成からみて、刊行物1には次の発明(以下、「刊行物1発明」という。)が記載されているものと認められる。

「支持体上に、ロイコ染料および顕色剤を主成分とする感熱発色層を設けてなる感熱記録材料において、
4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンと日本曹達社製D-90とを顕色剤として同じ重量で組み合わせた公知例であって、ロイコ染料の平均粒子径を0.2μmとした感熱記録材料。」

4.対比・判断
刊行物1発明の「支持体」は、本願補正発明の、「表面と裏面とを有する支持体」に相当するから、刊行物1発明の「支持体上」は、本願補正発明の、「表面と裏面とを有する支持体の前記表面上」に相当する。
また、刊行物1発明の「日本曹達社製D-90」は、本願補正発明の、「一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物」(一般式(1)は省略)の意味する「日本曹達株式会社製;D-90」と同じであるから、本願補正発明の、「一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物」(一般式(1)は省略)に相当する。
そして、刊行物1発明の「ロイコ染料の平均粒子径を0.2μmとした」ことは、本願補正発明の「ロイコ染料の平均粒子径は、0.15μm以上0.8μm以下であること」に相当する。

よって、本願補正発明と刊行物1発明とは、
「表面と裏面とを有する支持体の前記表面上に、ロイコ染料と顕色剤とを有する感熱発色層を備える感熱記録材料において、
前記顕色剤は、4-ヒドロキシ-4'-アリルオキシジフェニルスルホンと下記一般式(1)(省略;当審注)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物(日本曹達株式会社製;D-90)とからなり、前記ロイコ染料の平均粒子径は、0.15μm以上0.8μm以下である感熱記録材料」である点で一致し、次の点(相違点)にて相違する。

(相違点)4-ヒドロキシ-4'-アリルオキシジフェニルスルホンと前記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物の併用の割合が、
本願補正発明は、1/0.5以上1/0.1以下であるのに対し、
刊行物1発明では、同量であって、本願補正発明の範囲を下回る1/1である点。

上記、相違点について、検討する。
刊行物1において、「4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンと一般式(I)で示される顕色剤との重量比は3:7?7:3」、「4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンが顕色剤全体の3割に満たない場合は当然のことながら発色が不十分であり、また7割より過剰に使用した場合は、一般式(I)で示される顕色剤の保存安定性向上の効果が十分に得られない」と記載されている。
この記載は、刊行物1の請求の範囲に記載された発明の必須の構成成分である、4,4’-ジアリルジフェニルスルホンの存在を前提とした記載ではあるといえ、「4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンと一般式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体とを顕色剤として組み合わせた公知例」であって、4,4’-ジアリルジフェニルスルホンを存在させない、該2つの顕色剤の組みあわせは公知であると認識されており、「4,4’-ジアリルジフェニルスルホン」は、その含有量も顕色剤成分に比べて相対的に少量である添加剤である。
よって、4,4’-ジアリルジフェニルスルホンを用いない場合においても、発色能と保存安定性向上の効果を考慮して、4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンと一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物(D-90)の併用比を調整することは当業者が適宜なしうることであり、1/0.5以上1/0.1以下の範囲とすることは容易である。
そして、1/0.5以上1/0.1以下の範囲とすることに格別顕著な臨界的意義は認められない。

(請求人の主張および本願発明の作用効果について)
請求人は、審判請求書の請求の理由において、本願補正発明と刊行物1発明との差異に関し、次のように主張する。
『拒絶査定における「本願請求項1において、4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホンを含まないことは特定されていない。」との指摘につきましては、請求項1の補正により解消致しました。
また、「引用文献1に記載の比較例4は、本願発明において特定している2種(4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンと一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物の2種)の顕色剤の割合及びロイコ染料の粒径が本願発明の数値範囲内にあり、本願発明とは異なった構成であるとは認められない。」との指摘につきましては、上記2種の顕色剤の割合を、補正前の「1/1以上1/0.1以下」から「1/0.5以上1/0.1以下」に減縮して、引用文献1の比較例4に記載のものの2種の顕色剤の割合が、本願発明の数値範囲内にないことを明確にしました。ちなみに、引用文献1に記載の比較例4のものの2種の顕色剤の割合は、1/1です(引用文献1の表1におけるB液とD液の添加量参照)。』
『そして、本願請求項1?8に係る感熱記録材料においては、耐熱性試験前の発色特性、耐熱性試験後の地肌カブリ、耐水性、耐可塑剤性、及び耐久性(濃度変化)において良好な特性を示しています(本願明細書の表3参照)。
引用文献1に係る発明としては、本願発明においては含まれない4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホン(引用文献1の表1におけるC液の有効成分)と上記2種の化合物(表1におけるB液、D液の有効成分)との混合物を顕色剤とする感熱記録材料の発明について記載されています。そして、引用文献1の比較例4を含む比較例1?6においては、顕色剤として上記2種の化合物のみを含むものについては、感熱記録材料としての性能が発揮できないことが記載されています(引用文献1の明細書の表2参照)。すなわち、比較例4を始めとする引用文献1に記載の比較例は、上記2種の化合物のみを顕色剤として他の条件を変更していますが、感熱記録材料としての発色特性、耐熱性、耐可塑剤性の少なくともいずれかが不良であり、これらのものは感熱記録材料とはならないことを示しています。なお、引用文献1の比較例1?6のものは感熱記録材料としての性能が発揮できていないので、比較例1?6は完成された感熱記録材料の発明とは認められないと考えられます。
また、引用文献1に記載の発明においては、引用文献1に記載の感熱記録材料が耐薬品性に優れ、高感度で地肌かぶりがなく、耐熱保存性に優れている(引用文献1明細書の段落[0022]参照)理由として、顕色剤成分として4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホンを添加することにより、上記2種の顕色剤の相溶性を向上させていること(段落[0023]参照)、ロイコ染料と上記2種の顕色剤の3成分系のものの発色状態とは異なるものとなり、お互いが干渉しない状況を作り出していること(段落[0025]参照)が想定されるとしています。
すなわち、引用文献1のこれらの記載においては、4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホンは非常に重要な構成要件であり、これを除いた比較例に記載したようなもの(3成分系のもの)では、感熱記録材料とはならないことを示唆しています。言い換えれば、4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホンを使用せず、上記2種の化合物のみを顕色剤とする感熱記録材料の発明を試みる当業者にとっては、引用文献1のこのような記載は、むしろ発明の阻害要因として作用します。
これに対して、本願1?8に係る発明においては、上記2種の顕色剤の含有割合を特定し、ロイコ染料の平均粒子径を特定することにより、上記2種の顕色剤の相溶性の問題も、ロイコ染料と上記2種の顕色剤の3成分系におけるお互いの干渉の問題も発生させずに、優れた性能の感熱記録材料を提供しています。』

このように、(a)「本願請求項1において、4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホンを含まないことは特定」したこと、(b)「4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホン」と「一般式(I)で示される顕色剤」の併用比を限定したことに基づき、(c)刊行物1に記載された発明との差異および作用効果を主張するが、これらの点について、以下に検討する。

(a)「本願請求項1において、4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホンを含まないことは特定」したとの主張について
上記の刊行物1発明は、「4,4-ジアリルオキシジフェニルスルホン」を含有しない比較例4にて認定したので、この点は相違点ではないものとした。
しかしながら、刊行物1の請求の範囲に記載された発明としては、「4,4-ジアリルオキシジフェニルスルホン」を必須とし、本願補正発明は「からなり」との表現を用いて、「4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホン」を含まないことを特定する意図を請求の理由で表明しているので、この点を補足検討しておく。
まず、感熱記録材料の分野で「4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホン」は「顕色剤」でなく、いわゆる、「感度向上剤」「増感剤」として分類されることは技術常識である。これは、電子受容性官能基を有さないことからもいえ、増感剤として周知であることからもいえる。(増感剤としては、特開平10-297089号公報【請求項3】、【0010】、【0048】、特開平10-203025号公報、特開平10-175371号公報等参照。)
そして、本願明細書では、段落【0028】に、「必要に応じて、補助添加剤として電子受容性であるが発色能力の比較的少ない種々のヒンダードフェノール化合物を併用することができる」、段落【0032】に、「感度向上剤として種々の熱可融性物質を併用することができるが、惣菜・弁当用POSなどの用途向けに耐熱性を要求する場合は、100℃以上の熱可融性物質を選択して使用することが望ましい。」と記載されている。
さらに、「一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物」である「D-90」は、請求人が、平成21年2月9日付けの意見書に添付した、「製品安全データシート」によれば、一般式(1)に該当しない、周知慣用の顕色剤である「4,4’-スルホニルビスフェノール」(別名ビスフェノールS)を少量包含することが明らかであるから、一般式(1)に該当しないものを排除したものではないのである。
一方、刊行物1の明細書においても、例えば、段落【0041】には、「また本発明の感熱記録材料における顕色剤は、4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホン、4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホンおよび前記一般式(I)で表されるジフェニルスルホン誘導体であるが、」とは記載されているものの、上記摘記1f.の、特に【0028】の記載からみて、「4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンおよび一般式(I)で示される顕色剤」を「顕色剤」としており、「4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホン」は顕色剤としていないことは明らかであって、この分野における技術常識のとおりである。
よって、本願補正発明の記載は、請求人の意図とは乖離するが、依然として「4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホン」を含まないことを特定したものではない。

仮に、「4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホン」を含まないことを何らかの形で特定したとしても、刊行物1において、それは公知例であると認識されているし、「増感剤」「発色向上剤」として周知の添加剤につき、必要とされる発色能が得られるのであれば、適宜、低減、省略し得るものである。
また、刊行物1において、「4,4’-ジアリルオキシジフェニルスルホンは非常に重要な構成要件」であるとはいえるものの、これを除いた比較例に記載したようなもの(3成分系のもの)のものは公知例として認識されているのであるから、「発明の阻害要因として作用」するとの主張も採用できない。

(b)「4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホン」と「一般式(I)で示される顕色剤」の併用比について
前者が多いと発色特性が良く、後者が多ければ、画像部の保存性が良いという傾向に沿った作用効果を示しており、その併用比の範囲の格別顕著な臨界性は認められない。
特に、削除された実施例4を比較例7として作用効果を、平成22年2月8日に提出した回答書にて次のように主張している。
「補正で削除した実施例4(新比較例7)は、顕色剤としての化合物(A)と化合物(B)との含有比1の感熱記録材料であります。そして、顕色剤の含有比が異なり、その他の組成等の条件が同じ実施例1、5と比較します。実施例1、5は、それぞれ顕色剤の含有比が2、10であります(表2参照)。ここで、表3から、それぞれの感熱記録材料の発色特性を比べますと、顕色剤の含有比が10、2、1と小さくなる実施例5、1、新比較例7の順に、明らかに発色特性が低下しています(表3参照)。このように、顕色剤の含有比1と2(実施例1と新比較例7)の間には感熱記録材料の性能に明らかな差があることが記載されています。そして、表3の他の実施例からも判るように、アンダー層を有する実施例1?3、5?7、9に対して、新比較例7は、発色特性が劣っています。このように、顕色剤の含有比1(新比較例7)の場合は、場合によっては使用可能な程度であっても、顕色剤の含有比2?10の場合に比べ性能が劣っており、顕色剤の含有比2では感熱記録材料の性能が好ましく、顕色剤の含有比1では感熱記録材料の性能が相対的に好ましくないことが記載されていると言えます。」
この点につき、具体的にどのように発色性能が差があるか示されていないので、まず、1.0ms印字での画像濃度を比較する。すると、実施例1、5が1.37のところ、実施例4が1.36であることは、格別な顕著な作用効果ではない。
次に、0.5ms、0.7ms印字での画像濃度について検討すると、実施例4は、実施例1、5に比べ、その部分の発色濃度は有意に低い。
しかしながら、本願明細書において、「ハーフトーン部の自然退色抑制性」の効果を特記しているように、0.7ms印字での濃度変化を見ているので、これら低エネルギー印字部は、「ハーフトーン部」であるといえ、発色はあるものの、低めに抑えられて然るべきである。むしろ実施例4は良好な階調を有するものともいえる。無論、実施例1、5の方が望ましい階調である可能性もあるが、それは、本願明細書のいずれからも読み取れるものではない。
これらの低エネルギー印字部での画像濃度の差違を以て、発色能が高いとする主張は採用できない。
また、仮に、低エネルギー印字部での画像濃度の作用効果が認められるものであったとしても、その作用効果に比べ、実施例5に対する耐水性画像部、耐可塑剤性画像部、実施例1、5に対する0.7ms印字画像の濃度変化の作用効果といった画像の保存性に関する作用効果の方がそれを上回る顕著な効果である。
よって、回答書で削除された実施例4(新比較例7)と比較した、本願補正発明の作用効果は格別なものとは認められない。
なお、上記理由により、上記回答書で主張する補正をしても、本願作用効果は認められないので、該補正の機会を付与するまでもないと判断する。

(c)刊行物1に記載された発明との差異および作用効果について
「比較例4を始めとする引用文献1に記載の比較例は、・・・(省略)・・・感熱記録材料としての発色特性、耐熱性、耐可塑剤性の少なくともいずれかが不良」との主張についても、刊行物1の比較例4は併用比が本願の実施例4と同じ1/1である以外は、本願補正発明の構成を満たし、本願の実施例4の1/1の併用比である点と比べ、本願補正発明の範囲とする技術的意義は術的意義上記(b)に示したように認められないから、本願補正発明の実施例が刊行物1の比較例4と異なり、「発色特性、耐熱性、耐可塑剤性の少なくともいずれかが不良」でないとすれば、それは、本願補正発明の構成のみに基づかない、実施例1?9の他の何らかの構成に基づくものであるとするのが妥当である。
やはり、本願補正発明の構成とすることによる、格別顕著な作用効果は認められない。

なお、顕色剤の併用比に関し、本願明細書の表2の記載に基づき、請求人は意見主張しているが、本願明細書の実施例1(【0063】)の記載によれば、「〔A液〕10部、〔B液〕20部、〔C液〕20部を混合して感熱発色層塗布液とし」ているが、〔B液〕、〔C液〕には、それぞれ、同量の「4-ヒドロキシ-4'-アリルオキシジフェニルスルホン」「前記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物」が包含されており、表2に示される添加比率とはならない。また、表2の添加比率に依拠しても、基準である実施例1の顕色剤の絶対量が不明であるから、すべての実施例、比較例の顕色剤の絶対量が不明である。
ここで、表2が添加比率に従って、請求人が請求の理由等で意見を述べていることから、表2の添加比率が正しいとして、「染料乾燥付着重量が0.5g/m^(2)」(【0063】)とあるから、表2は、「乾燥付着重量」と見なすと、表2の添加比率が小数点で記載されていることとも整合する。そして、上記「〔A液〕10部、〔B液〕20部、〔C液〕20部」に関し、「〔A液〕10部、〔B液〕40部、〔C液〕20部」の誤記であると認めれば、表2の実施例1の数値を乾燥付着量とみた場合の数値と合致し、絶対量が不明である点についても解消する。
このように、表2には、各顕色剤の「乾燥付着重量(g/m^(2))」が記載されているものと認めて、本願補正発明を解釈するものとした。

5.まとめ
したがって、本願補正発明は、刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項に規定する要件を満たしておらず、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

6.むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3.本願発明について
1.本願発明
平成21年7月27日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?8に係る発明は、願書に添付した特許請求の範囲の請求項1?8に記載されたとおりのものであって、そのうち請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は、次のとおりのものと認める。

「表面と裏面とを有する支持体の前記表面上に、ロイコ染料と顕色剤とを有する感熱発色層を備える感熱記録材料において、
前記顕色剤は、4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホンと下記一般式(1)
【化1】

で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物とを、1/1以上1/0.1以下の割合で含有し、
前記ロイコ染料の平均粒子径は、0.15μm以上0.8μm以下であることを特徴とする感熱記録材料。」

2.引用刊行物に記載された発明
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された上記刊行物1(特開2004-276593号公報)には、上記「第2.3.」欄に示したとおりの事項が記載されている。

3.対比、判断
本願発明1は、上記「第2. 1.」欄に示した本願補正発明における、顕色剤を構成する2つの成分につき、その「割合」の下限を「1/1」から、「1/0.5」と、より広範な範囲とし、「からなり」との限定的な表現をなくし、該2つの成分を「含有」するとしたものである。

そうすると、本願補正発明の上記「割合」の範囲に係る相違点について、本願発明1においては、より広範な範囲となるので、刊行物1発明の割合を包含し、相違点とははらない。
よって、本願発明1と刊行物1発明には差違がなく、本願発明1は刊行物1に記載された発明である。

また、そうでないとしても、本願発明1に、さらに限定を付加したものに相当する本願補正発明が、上記「第2. 4.?5.」欄に記載したとおり、刊行物1発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである以上、本願発明1は、刊行物1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第1項第3号の発明に該当し同項の規定により特許を受けることができないものであり、あるいは、特許法第29条第2号の規定により特許を受けることができないものであるので、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-05-20 
結審通知日 2010-05-25 
審決日 2010-06-07 
出願番号 特願2004-369792(P2004-369792)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (B41M)
P 1 8・ 113- Z (B41M)
P 1 8・ 121- Z (B41M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川村 大輔藤井 勲  
特許庁審判長 木村 史郎
特許庁審判官 伊藤 裕美
柏崎 康司
発明の名称 感熱記録材料  
代理人 伊東 忠彦  

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