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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B65D
管理番号 1223945
審判番号 不服2009-19739  
総通号数 131 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-11-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-10-15 
確定日 2010-09-16 
事件の表示 特願2002-348112「二重キャップ」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 7月 2日出願公開、特開2004-182244〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯 ・本願発明
本願は、平成14年11月29日の出願であって、その請求項1及び2に係る発明は、平成21年6月9日付で補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりである。
「容器の口部にネジ止めされる内筒と、この内筒の外側に配置され該内筒との二重配置にてその相互間に環状溝を形成する外筒とを備える二重キャップにおいて、
前記内筒の外周面に、その下端部で金型に合致して、型抜きの際の回転を防止するための凹溝または切り欠きを備えることを特徴とする二重キャップ。」

2.引用発明
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願の日前に頒布された刊行物である実願昭57-200196号(実開昭59-99954号)のマイクロフィルム(以下、「引用例」という。)には、次の事項が記載されている。

(1)「以下添付図面を参照して本考案実施例を説明するに、図で1がチューブ容器体、2が該容器体1口部に螺合装着された口部材、3が該口部材2に摺動自在に嵌着されたキャップである。」(明細書第1頁末行-第2頁3行参照)

(2)「口部材2は、ドーナッツ状の頂壁11裏面から、前記口頚部6内面に嵌挿され下端が前記吸上げ弁10を押さえる内部周壁12、内面の螺溝により口頚部6螺条7に螺合される中間周壁13、下端が容器肩部5に乗る外部周壁14を夫々垂設し・・・ている。」(明細書第2頁11-18行参照)及び第1図

以上の記載によると、引用例には、
「チューブ容器体1の口部に螺合される中間周壁13と、この中間周壁13の外側に配置される外部周壁14とを備える口部材2。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

3.対比
本願発明と引用発明とを対比すると、
引用発明の「チューブ容器体1」、「螺合」、「中間周壁13」、「外部周壁14」及び「口部材2」は、それぞれ本願発明の「容器」、「ネジ止め」、「内筒」、「外筒」及び「二重キャップ」に相当し、
また、引用発明の「中間周壁13」及び「外部周壁14」の間に、本願発明でいう「環状溝」が形成されていることは明らかであるので、
両者は
「容器の口部にネジ止めされる内筒と、この内筒の外側に配置され該内筒との二重配置にてその相互間に環状溝を形成する外筒とを備える二重キャップ。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

相違点;本願発明では、内筒の外周面に、その下端部で金型に合致して、型抜きの際の回転を防止するための凹溝または切り欠きを備えているのに対し、引用発明では、そのような凹溝または切り欠きを備えていることが特定されていない点。

4.判断
そこで、上記相違点について検討すると、
ねじ付きの部材を製造するのに、回転式の金型を用いて成形すること及びその際に回転防止を図るために該部材に溝等を設けておくことは、いずれも本願出願前周知の技術(例えば、実願昭60-185043号(実開昭62-93045号)のマイクロフィルム及び特開平8-324605号公報)であり、
また、前記回転防止を図るための溝等の配置は、当業者が設計上適宜に決めうる事項と認められ、そして、引用発明において、該溝等を中間周壁の外周面の下端部に設けることができない理由はない。
さらに、本願発明が備えている上記相違点における「凹溝または切り欠き」は、単に製造時に用いられるものであり、「二重キャップ」として、何ら有効な機能を果たすものでもない。
よって、引用発明の口部材の製造に、上記周知の技術を適用し、また、回転防止を図るための溝等を中間周壁の外周面の下端部に設け、上記相違点の本願発明のようになすことは、当業者が容易になし得たものである。

5.むすび
したがって、本願発明は、引用発明及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
よって、原査定は妥当であり、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-06-29 
結審通知日 2010-07-06 
審決日 2010-07-26 
出願番号 特願2002-348112(P2002-348112)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B65D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩崎 晋  
特許庁審判長 鳥居 稔
特許庁審判官 谷治 和文
佐野 健治
発明の名称 二重キャップ  
代理人 澤田 達也  
代理人 杉村 憲司  

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