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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B41J
管理番号 1225290
審判番号 不服2008-24054  
総通号数 132 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-09-18 
確定日 2010-10-13 
事件の表示 特願2006-153608「サーマルプリンタおよびその制御方法」拒絶査定不服審判事件〔平成19年12月13日出願公開、特開2007-320188〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成18年6月1日の出願であって、平成20年8月8日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年9月18日付けで拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年10月20日付けで特許請求の範囲及び明細書に係る手続補正がなされたものである。
さらに、審査官により作成された前置報告書について審尋がなされたところ、審判請求人から平成22年4月5日付けで、請求の理由に特段付け加えるべき事項はない旨の回答書が提出されたものである。
なお、上記平成20年10月20日付けの手続補正は、請求項1に、補正前の請求項2に規定された事項である「(第3制御手段が)駆動開始後の両サーマルヘッドのプリント終了位置が互いに同じとなる分量で、予め、前記第1プリント用データと前記第2プリント用データとの分けを行う」点を加入するとともに、補正前の請求項2を削除することを含むものであるから、該請求項1に係る補正については、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第1号に規定する「請求項の削除」を目的とする、適法な補正と認める。

そして、本願に係る発明は、平成20年10月20日付けで補正された特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載されたものと認められるところ、その請求項1に記載された発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

「 両面に感熱層を有し所定方向に給紙されるサーマル用紙と、
入力されるプリントデータを前記サーマル用紙の一方の面にプリントする第1サーマルヘッドと、
前記サーマル用紙の給紙方向において前記第1サーマルヘッドよりも上流側の位置に設けられ、入力されるプリントデータを前記サーマル用紙の他方の面にプリントする第2サーマルヘッドと、
前記サーマル用紙の給紙方向において前記各サーマルヘッドよりも下流側の位置に設けられ、前記各サーマルヘッドによるプリントが終了した後の前記サーマル用紙をそのプリント位置より後側でカットするカッタと、
第1動作モード、第2動作モード、および第3動作モードのいずれかを設定するための操作手段と、
この操作手段で第1動作モードが設定された場合に、プリント用データを、前記サーマル用紙の一方の面に対する第1プリント用データと、前記サーマル用紙の他方の面に対する第2プリント用データとに分けるとともに、前記サーマル用紙を給紙しながら、前記第2プリント用データに応じた前記第2サーマルヘッドの駆動を開始し、その駆動に基づくプリント開始位置が前記第1サーマルヘッドに対応したところで前記第1プリント用データに応じた前記第1サーマルヘッドの駆動を開始する第1制御手段と、
前記操作手段で第2動作モードが設定された場合に、プリント用データを、前記サーマル用紙の一方の面に対する第1プリント用データと、前記サーマル用紙の他方の面に対する第2プリント用データとに分けるとともに、前記サーマル用紙を給紙しながら、前記第1プリント用データに応じた前記第1サーマルヘッドの駆動を開始し、その駆動の終了後、前記サーマル用紙の給紙を一旦逆転し、前記第1サーマルヘッドの駆動に基づくプリント開始位置が前記第2サーマルヘッドと対応する位置に戻ったところで、前記サーマル用紙の給紙を通常に戻して前記第2プリント用データに応じた前記第2サーマルヘッドの駆動を開始する第2制御手段と、
前記操作手段で第3動作モードが設定された場合に、前記プリント用データを、前記サーマル用紙の一方の面に対する第1プリント用データと、前記サーマル用紙の他方の面に対する第2プリント用データとに分け、前記サーマル用紙を給紙しながら、前記第1プリント用データに応じた前記第1サーマルヘッドの駆動および前記第2プリント用データに応じた前記第2サーマルヘッドの駆動を同時に開始し、この駆動開始後の両サーマルヘッドのプリント終了位置が互いに同じとなる分量で、予め、前記第1プリント用データと前記第2プリント用データとの分けを行う第3制御手段と、
を備えていることを特徴とするサーマルプリンタ。」

2.引用された刊行物記載の発明
(刊行物1について)
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された、特開2003-58950号公報(以下「刊行物1」という。)には、次の事項が記載されている。(下線は審決で付した。以下同じ。)

(1-a)「【請求項1】 レシートを発行する装置であって、
a)レシート用連続用紙の第1面に印字を行う第1印字ヘッドと、
b)前記第1印字ヘッドに対向配置され、前記連続用紙を前記第1印字ヘッドに圧接させつつ搬送する第1プラテンローラーと、
c)前記連続用紙の進行面をはさんで、前記第1印字ヘッドと反対側の空間に配置され、前記連続用紙の第2面に印字を行う第2印字ヘッドと、
d)前記第2印字ヘッドに対向配置され、前記連続用紙を前記第2印字ヘッドに圧接させつつ搬送する第2プラテンローラーと、を備えることを特徴とするレシート発行装置。
【請求項2】 レシートを発行する装置であって、
レシート用連続用紙の第1面への印字と前記連続用紙の第2面への印字とを、並行して行うことを特徴とするレシート発行装置。
【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のレシート発行装置であって、
前記連続用紙の第1面への印字と第2面への印字とを、略同時に開始し、かつ略同速度で行う印字制御手段を備えることを特徴とする、レシート発行装置。
【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のレシート発行装置であって、
前記連続用紙の各面にそれぞれに印字されるデータを振り分ける、印字データ振り分け部を備えることを特徴とするレシート発行装置。」

(1-b)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば商店や飲食店などで用いられるキャッシュレジスタなどのレシートを発行する装置における、レシートへの印字技術に関する。」

(1-c)「【0006】品質表示に限れば、現状では法的な表示の義務はないものの、品質に関する情報に対する消費者の関心は高く、上述のような場合にも商品情報の呈示が求められている。
【0007】対策として、ラベルに商品情報を印字し貼付する代わりに、キャッシュレジスタにおいて発行するレシートに、請求の明細だけでなく、商品情報を印字することが考えられる。しかしながら、既存のキャッシュレジスタは片面にのみ印字が可能であるので、商品情報を印字するとなると、発行するレシートが長くなり、レシート用紙の消費量が増しコストが増加するという問題点が生じる。
【0008】この問題点は、連続用紙として供給されるレシート用紙の両面に、印字を行うことで解消される。こうした連続用紙への両面印字を行う装置としては、例えば特開平6-106783に開示されているワイヤードットプリンタがある。」

(1-d)「【0026】<印字部における両面印字>次に、本実施形態に係るキャッシュレジスタ1の印字部20にて実現される、連続用紙への両面印字について説明する。
【0027】図3は、印字部20の要部、および両面印字の概略を模式的に示す図である。図3(a)は、印字を実行する前の状態を示す図である。印字部20は、第1印字ヘッド21と、第2印字ヘッド22と、第1プラテンローラー23と、第2プラテンローラー24と、カット部25とを備える。また、印字部20においては、レシート用紙Rが、ロール状の連続用紙として供給される。
【0028】第1印字ヘッド21は、レシート用紙Rの幅方向と平行に配置され、レシート用紙Rのロールの中心からみて外を向いた面(以下、表面とする)Raに対する印字を担う。第2印字ヘッド22はレシート用紙Rからみて第1印字ヘッド21とは反対側に、レシート用紙Rの幅方向と平行に配置され、表面と反対の面(以下、裏面とする)Rbに対する印字を担う。第1プラテンローラー23は、レシート用紙R(レシート用紙Rを取り外した状態でいえば、レシート用紙Rの搬送経路)をはさんで第1印字ヘッド21と対向配置され、第2プラテンローラー24は、レシート用紙R(レシート用紙Rを取り外した状態でいえば、レシート用紙Rの搬送経路)をはさんで第2印字ヘッド22と対向配置される。第1プラテンローラー23と第2プラテンローラー24とは、図3(d)に模式的に示す駆動機構Mにより同期しつつ同速度で回転し、レシート用紙Rを圧接しつつ搬送する。第1プラテンローラー23および第2プラテンローラー24の動作により、レシート用紙Rは矢印AR1の方向に送られ、両面で略同速度で連続的に印字が実行される。カット部25は、印字が終了した後にレシート用紙Rをカットする機能を備える。ここで、カット部25と、第1印字ヘッド21との距離をL1、第1印字ヘッド21と、第2印字ヘッド22との距離をL2とする。距離L1は、レシート先端位置RTと、印字開始位置PTとの距離に相当する。
【0029】図3(a)の状態で印字を開始すると、第1印字ヘッド21と第2印字ヘッド22とがそれぞれ、印字を担当する面Ra、Rbにおいて同時に印字を開始する。図3(b)が、両面への印字の途中の状態を示す図である。以下、第1印字ヘッド21によって表面Raに印字がなされた領域をPa、第2印字ヘッド22によって裏面Rbに印字がなされた領域をPbとする。図3(b)に示すように、第1印字ヘッド21による表面Raへの印字と、第2印字ヘッド22による裏面Rbへの印字は、両ヘッド間の距離L2だけずれて実行されることになる。また、レシート先端位置RTと印字開始位置PTとの距離L1の領域は、印字されない空白部となる。
【0030】だだし、本実施形態の場合、表面Raおよび裏面Rbへの印字は、制御部50により独立して制御されるので、常に両面同時に印字を実行しているとは限らない。どちらかの面のみが先に印字を開始および終了することも可能であるし、片面のみの印字も可能である。」

(1-e)「【0043】<方法1:印字データ種による振り分け>方法1は、レシート用紙の表面Raおよび裏面Rbにどのデータを印字するかを、印字フォーマットとして使用者があらかじめ定めておき、全印字データDPAが作成されると、この印字フォーマットに従ってデータを振り分け、各面での印字を行う方法である。それゆえ、方法1では、振り分けられたデータの量によって、表面Ra1と裏面Rb1との印字終了位置とが一致しない場合が起こりうる。振り分けたデータ量から、表面Ra1と裏面Rb1とのいずれかの面に十分大きな空白が生じると判断されるときには、販促メッセージなどの印字が必須ではないデータである付加データDAをあらかじめ登録しておき、全印字データDPAに加えて印字する設定も行える。あるいは、付加データDAも、あらかじめ振り分ける対象として設定してもよい。
【0044】図7は、方法1における、レシート用紙R1の両面の印字例を示す図である。図7(a)は表面Ra1を、図7(b)は裏面Rb1を示している。図7は、印字フォーマットの作成において、表面Ra1に印字される第1印字データDPa、および裏面Rb1に印字される第2印字データDPbを以下のように設定した場合に相当する。
【0045】第1印字データDPa:
定型データDF(DF(1)、DF(2));
販売データDS(DS(1)、DS(2)、DST);
付加データDA;
第2印字データDPb:
商品情報データDI(DI(1)、DI(2));
これは、表面Ra1には主として販売金額に関する情報を呈示し、裏面Rb1には、主として商品情報を呈示していることになる。なお、距離L1およびL2、印字長さLPaおよびLPbはいずれも、図3に示した距離あるいは印字長さに相当する。」

(1-f)「【0049】<第2の実施形態>第1の実施形態では、レシートに印字すべきデータをレシート用紙の両面に印字するために、印字データを振り分ける方法として、方法1のように印字データ種(印字内容)により振り分ける方法を採用しているが、印字データの振り分け方法は、これに限定されない。第2の実施形態では、レシート用紙に印字すべきデータの量(長さ)に基づき、印字に必要となるレシート用紙の長さができるだけ短くなるように、あるいは、空白部ができるだけ生じないように、印字データを振り分ける方法である。これを方法2とする。
【0050】<方法2:印字データ量による振り分け>方法2は、全印字データDPAから想定される印字長さに基づき、レシート用紙Rの使用量ができるだけ短くなるように、表面Raへの印字内容に相当する第1印字データDPaと、裏面Rbへの印字内容に相当する第2印字データDPbとを定める方法である。
【0051】全印字データDPAの長さをLP0とすると、レシート用紙Rの長さが最も短くなるのは、
【0052】
【数2】(省略)
【0053】が成り立つときである。数2の両辺の差をとると、
【0054】
【数3】(省略)
【0055】であり、これは数1と同値である。すなわち、ある長さの印字データを両面に印字するときには、図3(c)のように、レシート用紙Rの両面で同時に印字を開始し、裏面Rbの印字終了位置で表面Raの印字を終了する場合が、レシート用紙Rの使用量が最小となる。
【0056】方法2により印字データの振り分けを行う場合はまず、全印字データDPAを構成する各データの印字順序を、あらかじめ定めておく。購入データDBに基づき全印字データDPAの印字長さLP0が確定すると、数2に従い両面の印字長さLPaおよびLPbが定まるので、順序の早いデータが第1印字データDPaとして、残りのデータが第2印字データDPbとして定められる。
【0057】図8は、図6の全印字データDPAを、方法2に基づいて、レシート用紙R2の両面に印字した場合の印字例を示す図である。図8(a)は表面Ra2を、図8(b)は表面裏b2を示している。図8の印字例は、次のように印字順序を定めた場合に相当する。
【0058】1)定型データDF(1);
2)販売データDS(DST、DS(1)、DS(2));
3)商品情報データDI(DI(1)、DI(2));
4)定型データDF(2);
ただし、印字順序はこれに限定されないし、付加データDAを全印字データDPAに含めてもよい。
【0059】また、印字長さの関係から、1)の定型データDF(1)から商品情報データDI(1)の一部までが第1印字データDPaとして表面Ra2に、残りが第2印字データDPbとして裏面Rb2に印字されている。
【0060】なお、従来の方法で印字されるレシートの多くは、用紙下部に合計金額の印字がなされることが多いが、本実施形態の場合、従来の方法に準じて印字順序を後段にすると、印字が裏面Rb2になされるか、場合によっては両面にまたがってしまう可能性も考えられる。合計金額はレシートにおいて顧客がもっとも注目する印字内容であるので、それらに起因する視認性の低下を避けるために、図8の場合、合計データDSTを定型データDF(1)の次に印字するよう設定している。
【0061】以上説明したように、方法2においては、印字長さが数2に従うように全印字データDPAを振り分けることで、使用するレシート用紙の長さを最小にすることができる。方法2により、方法1に従う場合には表裏面のいずれかに印字データが大きく偏り、付加データDAだけでは十分に空白部が埋まらないような全印字データDPAであっても、空白部を生じさせることなく、両面への印字を行うことができる。また、レシート用紙の長さを最小にすることで、印字時間も最小となる。
【0062】<変形例>
◎第1の実施形態で示した方法1と、第2の実施形態で示した方法2とを、使用者が適宜切り替えることができる構成であってもよい。
【0063】◎キャッシュレジスタ1は、通信回線を介して他の装置と通信を行うデータ通信部を備えていてもよい。また、バーコードリーダを備え、バーコードによる購入データの読み取りを行える構成であってもよい。
【0064】◎印字データの1種として、店舗のロゴマークなどのイメージデータが含まれていてもよい。
【0065】◎第1の実施形態における、印字データ種による振り分けのフォーマットは、上述の例に限定されない。例えば、次のように設定してもよい。
【0066】第1印字データDPa:
定型データDF(1);
合計データDST;
販売データDS(1);
商品情報データDI(1);
第2印字データDPb:
販売データDS(2);
商品情報データDI(2);
定型データDF(2);
図9が、これに基づき印字したレシート用紙R3を示す図である。図9(a)が表面Ra3、図9(b)が裏面Rb3である。
【0067】◎両面の印字は、必ずしも同時に開始される必要はない。いずれかの面の印字データが少ないとき、印字領域においてセンタリングしたいときなど、その面の印字は、遅れて開始されてもよい。例えば、図9(b)の裏面Rb3において、長さL3に相当する領域は空白部となっているが、これは印字開始後、第2印字ヘッド22がこの領域に印字せず、レシート用紙R3を空送りさせ、通過後から印字を開始していることによっている。」

(1-g)図3として、





(1-h)図7として、





(1-i)図8として、





(1-j)図9として、





したがって、上記の事項を総合すると、刊行物1には、次の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる。

「a)レシート用連続用紙の第1面に印字を行う第1印字ヘッドと、
b)前記第1印字ヘッドに対向配置され、前記連続用紙を前記第1印字ヘッドに圧接させつつ搬送する第1プラテンローラーと、
c)前記連続用紙の進行面をはさんで、前記第1印字ヘッドと反対側の空間に配置され、前記連続用紙の第2面に印字を行う第2印字ヘッドと、
d)前記第2印字ヘッドに対向配置され、前記連続用紙を前記第2印字ヘッドに圧接させつつ搬送する第2プラテンローラーと、
e)前記連続用紙の第1面への印字と前記連続用紙の第2面への印字とを、独立して制御が可能であり、前記連続用紙の第1面への印字と前記連続用紙の第2面への印字とを並行して行うことも、どちらかの面のみが先に印字を開始および終了することも、片面のみの印字も可能とする、印字制御手段と、
f)前記連続用紙の各面にそれぞれに印字されるデータを振り分ける、印字データ振り分け部と、
g)印字が終了した後に前記連続用紙をカットするカット部と、
を備え、
前記印字制御手段によって、
第1面への印字と第2面への印字とを同時に開始し、同時に終了することで、レシート用紙の長さを最小にし、印字時間も最小となる設定と、
いずれかの面の印字データが少ないときは、その面の印字は遅れて開始する設定と、が可能である、レシート発行装置。」

(刊行物2について)
また、原査定の拒絶の理由に引用文献3として引用された、特開平6-270482号公報(以下「刊行物2」という。)には、次の事項が記載されている。

(2-a)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は用紙の両面に印字するプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一台のプリンタで用紙の両面を印刷する場合、図4に示すように、2つの印字機構即ち印字ヘッドとプラテンローラの組合わせを上下逆向きに2組設けていた。しかし、このような機構では、2つのプラテンローラが必要となり、大型で高価になると云う問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、一つのプラテンローラと2つの印字ヘッドにより、両面印字ができるプリンタを提供することを目的とする。」

(2-b)「【0005】
【作用】或る1方向(図1では上下)に駆動可能な一つのプラテンローラと、同プラテンローラに上記駆動方向上で対向して固定された2つの印字ヘッドを設け、プラテンローラの上下駆動により当接する印字ヘッドを切り替えて、用紙の印字面を替えるようにすると共に、揺動式の用紙ガイドを設け、用紙ガイドを揺動させることで、用紙が入紙する印字ヘッドを切り替えるようにし、印字開始前は用紙ガイドを上部印字ヘッド側に配置しておき、制御部によって、用紙表面を上部印字ヘッドで印字後、印字した用紙を一定量巻戻し、用紙を下部印字ヘッドに導くように用紙ガイドを切り替えて、同じ部分の裏面を下部印字ヘッドで印字させるようにした。」

(2-c)図1として、





上記の事項から、刊行物2には、次の発明(以下「刊行物2発明」という。)が記載されていると認められる。

「一つのプラテンローラと2つの印字ヘッドにより、両面印字ができるプリンタにおいて、制御部によって、用紙表面を上部印字ヘッドで印字後、印字した用紙を一定量巻戻し、用紙を下部印字ヘッドに導くように用紙ガイドを切り替えて、同じ部分の裏面を下部印字ヘッドで印字させること。」

3.対比
本願発明と刊行物1発明とを対比する。

(1)刊行物1発明の「(レシート用)連続用紙」と、本願発明の「両面に感熱層を有し所定方向に給紙されるサーマル用紙」とは、「両面に印字面を有し所定方向に給紙される連続用紙」で共通する。

(2)刊行物1発明の「レシート発行装置」と、本願発明の「サーマルプリンタ」とは、「印字装置」で共通する。

(3)刊行物1発明の「レシート用連続用紙の第1面に印字を行う第1印字ヘッド」及び「前記連続用紙の進行面をはさんで、前記第1印字ヘッドと反対側の空間に配置され、前記連続用紙の第2面に印字を行う第2印字ヘッド」に関して、上記摘記事項(1-g)から、「第2印字ヘッド」は、「連続用紙の給紙方向において第1印字ヘッドよりも上流側の位置に設けられ」ていることは明らかであり、また、刊行物1発明の「第1面」及び「第2面」は、それぞれ、本願発明の「一方の面」及び「他方の面」に相当する。
したがって、刊行物1発明の「レシート用連続用紙の第1面に印字を行う第1印字ヘッド」と、本願発明の「入力されるプリントデータを前記サーマル用紙の一方の面にプリントする第1サーマルヘッド」とは、
「入力されるプリントデータを前記連続用紙の一方の面にプリントする第1印字ヘッド」で共通し、
刊行物1発明の「前記連続用紙の進行面をはさんで、前記第1印字ヘッドと反対側の空間に配置され、前記連続用紙の第2面に印字を行う第2印字ヘッド」と、本願発明の前記サーマル用紙の給紙方向において前記第1サーマルヘッドよりも上流側の位置に設けられ、入力されるプリントデータを前記サーマル用紙の他方の面にプリントする第2サーマルヘッド」とは、
「前記連続用紙の給紙方向において前記第1印字ヘッドよりも上流側の位置に設けられ、入力されるプリントデータを前記連続用紙の他方の面にプリントする第2印字ヘッド」で共通する。

(4)本願発明においても、刊行物1発明の「前記第1印字ヘッドに対向配置され、前記連続用紙を前記第1印字ヘッドに圧接させつつ搬送する第1プラテンローラー」及び「前記第2印字ヘッドに対向配置され、前記連続用紙を前記第2印字ヘッドに圧接させつつ搬送する第2プラテンローラー」に相当する構成を有することは、本願明細書及び図面の記載から明らかであるから、この点では両者は相違しない。

(5)刊行物1発明の「印字が終了した後に前記連続用紙をカットするカット部」が、「連続用紙の給紙方向において前記各印字ヘッドよりも下流側の位置に設けられ」ていることは明らかであるから、
刊行物1発明の「印字が終了した後に前記連続用紙をカットするカット部」と、本願発明の「前記サーマル用紙の給紙方向において前記各サーマルヘッドよりも下流側の位置に設けられ、前記各サーマルヘッドによるプリントが終了した後の前記サーマル用紙をそのプリント位置より後側でカットするカッタ」とは、
「前記連続用紙の給紙方向において前記各印字ヘッドよりも下流側の位置に設けられ、前記各印字ヘッドによるプリントが終了した後の前記連続用紙をそのプリント位置より後側でカットするカッタ」で共通する。

(6)刊行物1発明の「前記印字制御手段によって、 第1面への印字と第2面への印字とを同時に開始し、同時に終了することで、レシート用紙の長さを最小にし、印字時間も最小となる設定と、いずれかの面の印字データが少ないときは、その面の印字は遅れて開始する設定と、が可能である」構成において、「1面への印字と第2面への印字とを同時に開始し、同時に終了することで、レシート用紙の長さを最小にし、印字時間も最小となる設定」、及び、「いずれかの面の印字データが少ないときは、その面の印字は遅れて開始する設定」という、2つの「動作モード」を設定しているのであるから、刊行物1発明の「複数の動作モードのいずれかを設定するための操作手段」を有しているといえる。
したがって、刊行物1発明の「複数の動作モードのいずれかを設定するための操作手段」と、本願発明の「第1動作モード、第2動作モード、および第3動作モードのいずれかを設定するための操作手段」とは、「複数の動作モードのいずれかを設定するための操作手段」で共通する。

(7)刊行物1発明の「前記連続用紙の各面にそれぞれに印字されるデータを振り分ける、印字データ振り分け部」に関して、該「前記連続用紙の各面にそれぞれに印字されるデータを振り分ける」構成は、本願発明の「プリント用データを、前記連続用紙(サーマル用紙)の一方の面に対する第1プリント用データと、前記連続用紙(サーマル用紙)の他方の面に対する第2プリント用データとに分ける」構成に相当する。
したがって、本願発明においても、「プリント用データを、前記連続用紙(サーマル用紙)の一方の面に対する第1プリント用データと、前記連続用紙(サーマル用紙)の他方の面に対する第2プリント用データとに分ける」「印字データ振り分け部」に相当する構成を備えていることは明らかである。

(8)刊行物1発明において、「前記連続用紙の第1面への印字と前記連続用紙の第2面への印字とを、独立して制御が可能であり、前記連続用紙の第1面への印字と前記連続用紙の第2面への印字とを並行して行うことも、どちらかの面のみが先に印字を開始および終了することも、片面のみの印字も可能とする、印字制御手段」によって、「第1面への印字と第2面への印字とを同時に開始し、同時に終了することで、レシート用紙の長さを最小にし、印字時間も最小となる設定」とは、すなわち、本願発明の「前記プリント用データを、前記サーマル用紙の一方の面に対する第1プリント用データと、前記サーマル用紙の他方の面に対する第2プリント用データとに分け、前記サーマル用紙を給紙しながら、前記第1プリント用データに応じた前記第1サーマルヘッドの駆動および前記第2プリント用データに応じた前記第2サーマルヘッドの駆動を同時に開始し、この駆動開始後の両サーマルヘッドのプリント終了位置が互いに同じとなる分量で、予め、前記第1プリント用データと前記第2プリント用データとの分けを行う」構成に相当するから、刊行物1発明の該「第1面への印字と第2面への印字とを同時に開始し、同時に終了することで、レシート用紙の長さを最小にし、印字時間も最小となる設定」は、「第3動作モード」に相当する。
したがって、刊行物1発明の「前記連続用紙の第1面への印字と前記連続用紙の第2面への印字とを、独立して制御が可能であり、前記連続用紙の第1面への印字と前記連続用紙の第2面への印字とを並行して行うことも、どちらかの面のみが先に印字を開始および終了することも、片面のみの印字も可能とする、印字制御手段」は、本願発明の「前記操作手段で第3動作モードが設定された場合に、前記プリント用データを、前記連続用紙(サーマル用紙)の一方の面に対する第1プリント用データと、前記連続用紙の他方の面に対する第2プリント用データとに分け、前記連続用紙(サーマル用紙)を給紙しながら、前記第1プリント用データに応じた前記第1印字ヘッド(サーマルヘッド)の駆動および前記第2プリント用データに応じた前記第2印字ヘッド(サーマルヘッド)の駆動を同時に開始し、この駆動開始後の両印字ヘッド(サーマルヘッド)のプリント終了位置が互いに同じとなる分量で、予め、前記第1プリント用データと前記第2プリント用データとの分けを行う第3制御手段」の機能を有している。

(9)上記(1)?(8)から、
本願発明と、刊行物1発明とは、
「両面に印字面を有し所定方向に給紙される連続用紙と、
入力されるプリントデータを前記連続用紙の一方の面にプリントする第1印字ヘッドと、
前記連続用紙の給紙方向において前記第1印字ヘッドよりも上流側の位置に設けられ、入力されるプリントデータを前記連続用紙の他方の面にプリントする第2印字ヘッドと、
前記連続用紙の給紙方向において前記各印字ヘッドよりも下流側の位置に設けられ、前記各印字ヘッドによるプリントが終了した後の前記連続用紙をそのプリント位置より後側でカットするカッタと、
複数の動作モードのいずれかを設定するための操作手段と、
前記操作手段で特定の動作モードが設定された場合に、前記プリント用データを、前記連続用紙の一方の面に対する第1プリント用データと、前記連続用紙の他方の面に対する第2プリント用データとに分け、前記連続用紙を給紙しながら、前記第1プリント用データに応じた前記第1印字ヘッドの駆動および前記第2プリント用データに応じた前記第2印字ヘッドの駆動を同時に開始し、この駆動開始後の両印字ヘッドのプリント終了位置が互いに同じとなる分量で、予め、前記第1プリント用データと前記第2プリント用データとの分けを行う制御手段と、
を備えている、印字装置。」
の点で一致し、下記の点で相違する。

[相違点1]:「連続用紙」、「第1印字ヘッド」、「第2印字ヘッド」、及び、「印字装置」に関して、
本願発明においては、「連続用紙」は「両面に感熱層を有し所定方向に給紙されるサーマル用紙」であり、「第1印字ヘッド」及び「第2印字ヘッド」は「第1サーマルヘッド」及び「第2サーマルヘッド」であり、「印字装置」は「サーマルプリンタ」であるのに対し、
刊行物1発明においては、「連続用紙」は「レシート用連続用紙」であって、「サーマル用紙」との特定がなく、「印字ヘッド」は「サーマルヘッド」との特定がなく、かつ、「印字装置」は「サーマルプリンタ」との特定がない「レシート発行装置」である点。

[相違点2]:「操作手段」、「動作モード」及び「制御手段」に関して、
本願発明では、「操作手段」が「第1動作モード、第2動作モード、および第3動作モードのいずれかを設定するための操作手段」であり、かつ、
「この操作手段で第1動作モードが設定された場合に、プリント用データを、前記連続用紙(サーマル用紙)の一方の面に対する第1プリント用データと、前記連続用紙(サーマル用紙)の他方の面に対する第2プリント用データとに分けるとともに、前記連続用紙(サーマル用紙)を給紙しながら、前記第2プリント用データに応じた前記第2印字ヘッド(サーマルヘッド)の駆動を開始し、その駆動に基づくプリント開始位置が前記第1印字ヘッド(サーマルヘッド)に対応したところで前記第1プリント用データに応じた前記第1印字ヘッド(サーマルヘッド)の駆動を開始する第1制御手段と、
前記操作手段で第2動作モードが設定された場合に、プリント用データを、前記連続用紙(サーマル用紙)の一方の面に対する第1プリント用データと、前記連続用紙(サーマル用紙)の他方の面に対する第2プリント用データとに分けるとともに、前記連続用紙(サーマル用紙)を給紙しながら、前記第1プリント用データに応じた前記第1印字ヘッド(サーマルヘッド)の駆動を開始し、その駆動の終了後、前記連続用紙(サーマル用紙)の給紙を一旦逆転し、前記第1印字ヘッド(サーマルヘッド)の駆動に基づくプリント開始位置が前記第2印字ヘッド(サーマルヘッド)と対応する位置に戻ったところで、前記連続用紙(サーマル用紙)の給紙を通常に戻して前記第2プリント用データに応じた前記第2印字ヘッド(サーマルヘッド)の駆動を開始する第2制御手段と」を備えるのに対し、
刊行物1発明では、「制御手段」が、「前記連続用紙の第1面への印字と前記連続用紙の第2面への印字とを、独立して制御が可能であり、前記連続用紙の第1面への印字と前記連続用紙の第2面への印字とを並行して行うことも、どちらかの面のみが先に印字を開始および終了することも、片面のみの印字も可能とする、印字制御手段」であって、「いずれかの面の印字データが少ないときは、その面の印字は遅れて開始する設定」が可能であるものの、「第1動作モード」、「第2動作モード」、「第1制御手段」及び「第2制御手段」についての特定がない点。


4.当審の判断
上記相違点1ないし2について検討する。
(1)相違点1について
ア まず、刊行物1発明の印字装置(レシート発行装置)において、印字ヘッドがサーマル式であるどうかは不明である。

イ しかしながら、レシート発行装置において、サーマル式の印字ヘッドを用いたものは、従来周知(例.特開平7-129854号公報、特開平7-306974号公報参照)であり、また、連続用紙を用いた印字装置において、両面に感熱層を有し所定方向に給紙されるサーマル用紙を用いたもの(サーマルプリンタ)も周知(例.特開2001-219918号公報(ラベル/レシート発行装置)、特開平11-157141号公報(台紙レスラベルプリンタ)参照)であるから、レシート発行装置である刊行物1発明の印字装置において、サーマル式の印字ヘッド、及び、両面に感熱層を有し所定方向に給紙されるサーマル用紙を採用する程度のことは、当業者が適宜なし得たことである。

ウ したがって、刊行物1発明において、「印字ヘッド」を「サーマルヘッド」とし、「印字装置」(レシート発行装置)を「サーマルプリンタ」とするとともに、「連続用紙」として「両面に感熱層を有し所定方向に給紙されるサーマル用紙」を採用することは、当業者が上記イの周知技術に基づいて適宜なし得たことである。

(2)相違点2について
ア 刊行物1には、「本実施形態の場合、表面Raおよび裏面Rbへの印字は、制御部50により独立して制御されるので、常に両面同時に印字を実行しているとは限らない。どちらかの面のみが先に印字を開始および終了することも可能であるし、片面のみの印字も可能である。」(上記摘記事項(1-d)参照)、「第2の実施形態では、レシート用紙に印字すべきデータの量(長さ)に基づき、印字に必要となるレシート用紙の長さができるだけ短くなるように、あるいは、空白部ができるだけ生じないように、印字データを振り分ける方法である。」(上記摘記事項(1-f)参照)、及び、「両面の印字は、必ずしも同時に開始される必要はない。いずれかの面の印字データが少ないとき、印字領域においてセンタリングしたいときなど、その面の印字は、遅れて開始されてもよい。例えば、図9(b)の裏面Rb3において、長さL3に相当する領域は空白部となっているが、これは印字開始後、第2印字ヘッド22がこの領域に印字せず、レシート用紙R3を空送りさせ、通過後から印字を開始していることによっている。」(上記摘記事項(1-f)参照)との記載があり、かつ、刊行物1発明は、「両印字ヘッドのプリント終了位置が互いに同じとなる」「動作モード」(設定)を有するものである。

イ 上記アを踏まえれば、刊行物1発明において、空白部ができるだけ生じないように、「両印字ヘッドのプリント終了位置が互いに同じとなる」ことに加え、両面のプリント開始位置を同じとするべく、「第1印字ヘッド」の駆動開始を遅らせること、すなわち、「プリント用データを、前記連続用紙の一方の面に対する第1プリント用データと、前記連続用紙の他方の面に対する第2プリント用データとに分けるとともに、前記連続用紙を給紙しながら、前記第2プリント用データに応じた前記第2印字ヘッドの駆動を開始し、その駆動に基づくプリント開始位置が前記第1印字ヘッドに対応したところで前記第1プリント用データに応じた前記第1印字ヘッドの駆動を開始する」ことは、当業者が適宜なし得たことである。

ウ 刊行物2には、「一つのプラテンローラと2つの印字ヘッドにより、両面印字ができるプリンタにおいて、制御部によって、用紙表面を上部印字ヘッドで印字後、印字した用紙を一定量巻戻し、用紙を下部印字ヘッドに導くように用紙ガイドを切り替えて、同じ部分の裏面を下部印字ヘッドで印字させること。」が記載されている(上記「2.(刊行物2について)」参照。)

エ また、印字装置において、正逆回転可能な用紙搬送機構を有し、印字した用紙を巻戻した後に、再度印字を行う構成は従来周知である(例.特開昭62-134282号公報、特開昭61-211067号公報参照)。

オ 上記ウ及びエを踏まえると、刊行物1発明において、空白部ができるだけ生じないことを目的として、連続用紙の一方の面を第1の印字ヘッドで印字した後、印字した用紙を一定量巻戻し、同じ部分の他方の面を第2の印字ヘッドで印字させる構成を採用すること、すなわち、「プリント用データを、前記サーマル用紙の一方の面に対する第1プリント用データと、前記サーマル用紙の他方の面に対する第2プリント用データとに分けるとともに、前記サーマル用紙を給紙しながら、前記第1プリント用データに応じた前記第1サーマルヘッドの駆動を開始し、その駆動の終了後、前記サーマル用紙の給紙を一旦逆転し、前記第1サーマルヘッドの駆動に基づくプリント開始位置が前記第2サーマルヘッドと対応する位置に戻ったところで、前記サーマル用紙の給紙を通常に戻して前記第2プリント用データに応じた前記第2サーマルヘッドの駆動を開始する」ことは、当業者が刊行物2発明及び上記エの周知技術に基づいて容易になし得たことである。

カ 上記イ及びオから、刊行物1発明において、「いずれかの面の印字データが少ないときは、その面の印字は遅れて開始する設定」に代えて、上記相違点2に係る本願発明の構成となすことは、当業者が、刊行物1に記載された事項、刊行物2発明及び上記エの周知技術に基づいて容易になし得たことである。

(3)本願発明が奏する効果について
本願発明の効果は、刊行物1?2に記載された事項及び周知技術から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。

(4)まとめ
以上のとおり、本願発明は、当業者が刊行物1?2に記載された発明及び周知技術に基づいて、容易に発明をすることができたものである。


5.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、当業者が刊行物1?2に記載の発明及び周知技術に基づいて、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願のその他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-05-17 
結審通知日 2010-05-18 
審決日 2010-05-31 
出願番号 特願2006-153608(P2006-153608)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B41J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 貝沼 憲司桐畑 幸▲廣▼  
特許庁審判長 赤木 啓二
特許庁審判官 藏田 敦之
星野 浩一
発明の名称 サーマルプリンタおよびその制御方法  
代理人 市原 卓三  
代理人 白根 俊郎  
代理人 山下 元  
代理人 峰 隆司  
代理人 福原 淑弘  
代理人 竹内 将訓  
代理人 中村 誠  
代理人 峰 隆司  
代理人 幸長 保次郎  
代理人 中村 誠  
代理人 河野 直樹  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 鈴江 武彦  
代理人 佐藤 立志  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 勝村 紘  
代理人 砂川 克  
代理人 河井 将次  
代理人 村松 貞男  
代理人 福原 淑弘  
代理人 鈴江 武彦  
代理人 村松 貞男  
代理人 河野 哲  
代理人 野河 信久  
代理人 岡田 貴志  
代理人 風間 鉄也  
代理人 河野 哲  
代理人 堀内 美保子  

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