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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63B
管理番号 1225981
審判番号 不服2008-4759  
総通号数 132 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-02-28 
確定日 2010-10-28 
事件の表示 特願2002-249006「ゴルフスイング分析システム」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 3月18日出願公開、特開2004- 81683〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成14年8月28日に出願したものであって、平成19年10月12日付けで手続補正書がなされ、平成20年1月24日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年2月28日付けで拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同日付けで明細書についての手続補正がなされたものである。
その後、平成21年8月26日付けで、審判請求人に前置報告書の内容を示し意見を求めるための審尋を行ったところ、同年11月2日に回答書が提出された。
当審においてこれを審理した結果、平成22年5月25日付けで拒絶の理由を通知したところ、請求人は同年7月30日付けで意見書及び手続補正書を提出した。

2.本願発明
本願の請求項1?6に係る発明は、平成22年7月30日付け手続補正で補正された明細書の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定されるものであり、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりである。
「ゴルフクラブを用いて行うゴルフスイングの分析を行うゴルフスイング分析システムであって、
前記ゴルフスイング中の、所定の基準位置に対する前記ゴルフクラブのグリップ部の3次元位置の時系列データ、および、所定の基準方向に対する前記グリップ部の向きの時系列データを計測する3次元位置・向き計測装置と、
前記3次元位置・向き計測装置から供給された前記グリップ部の3次元位置の時系列データと前記グリップ部の向きの時系列データとに基づいて、前記ゴルフクラブのシャフトの動きを再現する、前記シャフトの長さに相当するスティックの軌跡を表した動画データを作成するデータ処理装置と、
このデータ処理装置から出力された動画データを用いて、前記ゴルフスイングにおけるトップの状態からダウンスイングの状態、さらに、フォロースルーに至る前記ゴルフクラブのシャフトの動きの履歴を再現する、複数の前記スティックの軌跡を重書きして表した動画を再生表示する画像表示装置とを有し、
前記ゴルフスイングの動画に、理想とするパターンのゴルフスイングの動画を、表示の色を変えて重書きして表示することを特徴とするゴルフスイング分析システム。」

3.引用刊行物
(a)平成22年5月25日付け当審の拒絶の理由に引用され、本願出願前に頒布された刊行物である特開2002-210055号公報(以下、「刊行物1」という。)には、以下の記載が図とともにある。(下線は審決において付した。以下、同じ。)
ア.【0003】当該運動の例としてはゴルフ、野球、テニス、卓球、バドミントン、ホッケー、アイスホッケー、ゲートボール、クリケットなどがある。当該運動における器具とは一般にクラブ、バット、ラケット、スティックなどと称されており、使用者が把持するグリップ部と、目標物を打撃するボールやシャトルコックなどの対象物を打撃する打撃部、グリップ部と打撃部を連結する部位、にて構成されている。当該運動における打撃目標物とは一般にボール、シャトルコック、パックなどと称されるものである。
【0004】当該運動において、前記スイング動作の目的を達成するためには、スイング動作を何らかの方法で測定評価し、その結果をもとにスイング動作の欠点を改善することや、もしくはスイング動作の特徴に対して器具を最適化することが有効である。従って、従来からスイング動作の測定評価はさまざまな方法で行われている。
イ.【0006】この問題を解決する測定方法として、人間の動作をVTRやCCDカメラ等で撮像し、その画像をコンピュータに取り込み計算処理することにより、人間の動作形態を時系列的な空間座標値として記録する動作測定システムが開発されている。この動作システムにおいては、ひとつの動作を複数の方向から撮像することにより、動作形態の3次元空間座標値を得ることも可能である。そして、これら空間座標値データすなわち図1に示すような測定座標点群を用い、図2に示すようなスティックピクチャーさらにはアニメーション等のコンピュータグラフィックスとしてスイング中の身体や器具の動きを画面表示させることや、スイング中の特定時刻における身体および器具の動く方向や速度等を計算により求めることができる。この動作測定システムを用いてスイング動作を測定することにより、スイング中の身体や器具の動きを客観的かつ定量的に知ることができ、前記目視観測によるスイング測定および評価方法の精度的な問題を著しく向上させることができる。
ウ.【0008】ところで、前記動作分析システムは、前述のように測定データから動作形態をスティックピクチャーもしくはアニメーションといったコンピュータグラフィックスにて画像表示させる手段を有するが、複数の動作形態を比較するという目的には相応しくない。図3に、2つの動作を測定して得られた2つのスティックピクチャーを重ねて画像表示させた例を示すが、各々の動作形態が認識できないばかりか、両者の特性の違いについても容易に判定できない。また、図4には前記2つのスティックピクチャーを同一画面上の左右に各々表示した例を示すが、各々の動作形態は個別に認識できるが両者の特性差を判定するのは難しい。
【0009】前記動作分析システムにおける前記問題を対応するために、複数の動作において重要な意味を持つ部分だけを抽出し、それら複数の抽出部分のみを重ねて画像表示することが一般的である。図5には2つのスイングにおける器具の動きのみを抽出し、両者を重ねて画像表示した例を示す。図5は図3に比べるとかなり見やすくはなっているものの、評価者が2つの動作の特性差を直感的に判断できるレベルにはない。
【0010】一方、スイング動作測定の目的は0004にて記述した通り、スイング動作の欠点を改善すること、もしくはスイング動作の特徴に対して器具を最適化するために必要な情報を得ることである。その目的を達成するためには、例えば被験者の測定データに基づくコンピュータグラフィックスを上級者のものと比較することや、器具を代えてスイング動作して得た複数のコンピュータグラフィックスを比較することが必要であり、従ってスイング測定システムには複数の測定結果が容易に比較表示でき、瞬時のうちに比較した測定結果間の特性差を認識できる手段を有することが要求される。しかしながら従来の動作分析システムは0008乃至0009に記述したがごとく、スイング測定システムとして必要な「複数の測定結果が容易に、もしくは直感的に比較表示できる手段」を有しないために、スイング測定器としては不適格である。
エ.【図1】から、被験者のシャフト先端部及びシャフト手元部の座標に対する時系列の測定座標点群が看取できる。
オ.【図2】、【図3】及び【図5】から、ゴルフスイングにおけるトップの状態からダウンスイングの状態、さらに、フォロースルーに至るスティックピクチャーを表示していることが看取できる。

上記記載及び図面を含む刊行物1全体の記載から、刊行物1には、以下の発明が記載されていると認められる。
「ゴルフなどの運動における器具であるクラブのスイング動作を測定評価し、その結果をもとにスイング動作の欠点を改善することを目的とし、
人間の動作をVTRやCCDカメラ等で撮像し、その画像をコンピュータに取り込み計算処理することにより、人間の動作形態を時系列的な空間座標値として記録する動作測定システムであって、
ひとつの動作を複数の方向から撮像することにより、動作形態の3次元空間座標値を得、
これら空間座標値データすなわち、被験者のシャフト先端部及びシャフト手元部の座標に対する時系列の測定座標点群を用い、スティックピクチャーさらにはアニメーション等のコンピュータグラフィックスとしてスイング中の身体や器具の動きを画面表示させるものであって、
ゴルフスイングにおけるトップの状態からダウンスイングの状態、さらに、フォロースルーに至るスティックピクチャーを表示することや、
2つの動作を測定して得られた2つのスティックピクチャーを重ねて画像表示させることや、
2つのスイングにおける器具の動きのみを抽出し、両者を重ねて画像表示することができる動作測定システム。」(以下「引用発明」という。)

(b)平成22年5月25日付け当審の拒絶の理由に引用され、本願出願前に頒布された刊行物である特開2001-112903号公報(以下、「刊行物2」という。)には、以下の記載が図とともにある。
カ.【請求項1】打撃用具を、この打撃用具の備えるグリップ部を握ってスウィングする際のスウィングの挙動を測定するスウィング測定方法であって、
スウィングの際のグリップ部の移動範囲内に、強さと方向に関する分布が既知の磁場を形成し、
磁場内の磁気を感知する磁気センサであって、所定の基準位置に対する測定点の3次元位置および所定の基準方向に対する前記測定点の向きに応じて信号を出力する3次元磁気センサを前記用具のグリップ部に固定し、この用具を用いて前記磁場内でスウィングし、
このスウィング中のグリップ部の3次元位置座標またはグリップ部の向きのデータを前記3次元磁気センサから取得することを特徴とするスウィング測定方法。
【請求項2】前記打撃用具は、ゴルフクラブであって、
ゴルフクラブのスウィング中のグリップ部の3次元位置座標およびグリップ部の向きのデータを取得する請求項1に記載のスウィング測定方法。
キ.【0006】また、複数台のビデオカメラを用いてスウィングフォームを3次元的に撮影してスウィングフォームの良否を判断する方法は、スウィングフォームを視覚的に直接見ることができるので、スウィングフォームの良否や特徴を容易に理解できるものの、スウィング中死角が生じないように複数台のビデオカメラをセットするのは容易ではない。また、複数台のビデオカメラの同期を取る必要があるためセッティングが容易ではなく、また、死角が生じないように適切にビデオカメラをセットしたとしても、スウィング中のゴルフクラブのヘッド、グリップ部や肘や腕の動きを時系列的に取得したデータは、解像度が制約され解像度の精度が低い。特に、グリップ部の手首の返し等による回転角のデータはその測定が困難であり、その精度もさらに低くなるといった問題があった。また、複数台のビデオカメラを用いて画像を得るため、データ量が膨大になり、データ処理も煩雑化するといった問題があった。また、ゴルフクラブの挙動を規定するために、ゴルファーを、はり要素やトラス要素や有限要素法等による立体要素のモデルで置き換えてシュミレーションを行う方法は、モデルの物性データや形状データ等を入力しなければならず、シュミレーションを行う前に煩雑な作業を必要とする。また、はり要素やトラス要素や有限要素法等による立体要素のモデルでは、スウィングを特徴付けることは困難である。

上記記載及び図面を含む刊行物2全体の記載から、刊行物2には、以下の発明が記載されていると認められる。
「所定の基準位置に対する測定点の3次元位置および所定の基準方向に対する前記測定点の向きに応じて信号を出力する3次元磁気センサを用具のグリップ部に固定し、ゴルフクラブのスウィング中のグリップ部の3次元位置座標およびグリップ部の向きのデータを取得するスウィング測定装置。」

4.対比
a.本願発明と引用発明とを比較すると、引用発明の「ゴルフなどの運動における器具であるクラブ」、「スイング動作を測定評価し、その結果をもとにスイング動作の欠点を改善する」、「動作測定システム」、「『ゴルフ』『の運動における』『人間の動作』」、「座標」、「『動作形態の3次元空間座標値』である『シャフト手元部の』『時系列の測定座標点群』」、「ゴルフスイングにおけるトップの状態からダウンスイングの状態、さらに、フォロースルーに至るスティックピクチャー」及び「2つのスティックピクチャーを重ねて画像表示させる」は、それぞれ本願発明の「ゴルフクラブ」、「ゴルフスイングの分析を行う」、「ゴルフスイング分析システム」、「ゴルフスイング中」、「所定の基準位置」、「グリップ部の3次元位置の時系列データ」、「ゴルフスイングにおけるトップの状態からダウンスイングの状態、さらに、フォロースルーに至る前記ゴルフクラブのシャフトの動きの履歴」及び「スティックの軌跡を重書きして表した」に相当する。
b.引用発明は「VTRやCCDカメラ等」によって、「撮像し、その画像をコンピュータに取り込み計算処理することにより、人間の動作形態を時系列的な空間座標値として記録する」から、スイング計測装置を有していることは当業者に明らかであり、本願発明の「ゴルフクラブのグリップ部の3次元位置の時系列データ、および、所定の基準方向に対する前記グリップ部の向きの時系列データを計測する3次元位置・向き計測装置」と、「ゴルフクラブのグリップ部の3次元位置の時系列データを計測するスイング計測装置」の点で共通する。
c.引用発明は、「VTRやCCDカメラ等で撮像し、その画像をコンピュータに取り込み計算処理することにより、人間の動作形態を時系列的な空間座標値として記録」し、「ひとつの動作を複数の方向から撮像することにより、動作形態の3次元空間座標値を得、これら空間座標値データすなわち、被験者のシャフト先端部及びシャフト手元部の座標に対する時系列の測定座標点群を用い、スティックピクチャーさらにはアニメーション等のコンピュータグラフィックスとしてスイング中の身体や器具の動きを画面表示させるもの」であって、そのためのデータ処理装置を有することは当業者に明らかであるから、本願発明の「前記3次元位置・向き計測装置から供給された前記グリップ部の3次元位置の時系列データと前記グリップ部の向きの時系列データとに基づいて、前記ゴルフクラブのシャフトの動きを再現する、前記シャフトの長さに相当するスティックの軌跡を表した動画データを作成するデータ処理装置」と、「前記3次元計測装置から供給された前記グリップ部の3次元位置の時系列データと他のデータとに基づいて、前記ゴルフクラブのシャフトの動きを再現する、前記シャフトの長さに相当するスティックの軌跡を表した動画データを作成するデータ処理装置」の点で共通する。
d.引用発明は、「これら空間座標値データすなわち、被験者のシャフト先端部及びシャフト手元部の座標に対する時系列の測定座標点群を用い、スティックピクチャーさらにはアニメーション等のコンピュータグラフィックスとしてスイング中の身体や器具の動きを画面表示させるものであって、ゴルフスイングにおけるトップの状態からダウンスイングの状態、さらに、フォロースルーに至るスティックピクチャーを表示することや、2つの動作を測定して得られた2つのスティックピクチャーを重ねて画像表示させることや、スイングにおける器具の動きのみを抽出し、両者を重ねて画像表示することができる」ものであり、動画を再生表示する画像表示装置を有することは当業者に明らかであるから、本願発明の「このデータ処理装置から出力された動画データを用いて、前記ゴルフスイングにおけるトップの状態からダウンスイングの状態、さらに、フォロースルーに至る前記ゴルフクラブのシャフトの動きの履歴を再現する、複数の前記スティックの軌跡を重書きして表した動画を再生表示する画像表示装置」を有するものといえる。
e.よって、本願発明と引用発明は、
「ゴルフクラブを用いて行うゴルフスイングの分析を行うゴルフスイング分析システムであって、
前記ゴルフスイング中の、所定の基準位置に対する前記ゴルフクラブのグリップ部の3次元位置の時系列データを計測するスイング計測装置と、
前記3次元計測装置から供給された前記グリップ部の3次元位置の時系列データと他のデータに基づいて、前記ゴルフクラブのシャフトの動きを再現する、前記シャフトの長さに相当するスティックの軌跡を表した動画データを作成するデータ処理装置と、
このデータ処理装置から出力された動画データを用いて、前記ゴルフスイングにおけるトップの状態からダウンスイングの状態、さらに、フォロースルーに至る前記ゴルフクラブのシャフトの動きの履歴を再現する、複数の前記スティックの軌跡を重書きして表した動画を再生表示する画像表示装置とを有するゴルフスイング分析システム。」
の点で一致し、以下の点で相違している。
[相違点1]スイング計測装置に関し、本願発明は、「所定の基準位置に対する前記ゴルフクラブのグリップ部の3次元位置の時系列データ、および、所定の基準方向に対する前記グリップ部の向きの時系列データを計測する3次元位置・向き計測装置」と特定され、「前記3次元位置・向き計測装置から供給された前記グリップ部の3次元位置の時系列データと前記グリップ部の向きの時系列データとに基づいて」動画データが作成されているのに対し、引用発明は、「空間座標値データすなわち、被験者のシャフト先端部及びシャフト手元部の座標に対する時系列の測定座標点群」を得るものである点。
[相違点2]本願発明は「(計測された時系列データに基づいてシャフトの動きを再現する)ゴルフスイングの動画に、理想とするパターンのゴルフスイングの動画を、表示の色を変えて重書きして表示する」と特定されているのに対し、引用発明は、2つの動作を測定して得られた2つのスティックピクチャーを重ねて画像表示させるものであるものの、重書きする内容が本願発明と異なり、表示の色を変えることについての明示がない点。

5.判断
上記相違点1について検討する。
刊行物2には、「所定の基準位置に対する測定点の3次元位置および所定の基準方向に対する前記測定点の向きに応じて信号を出力する3次元磁気センサを用具のグリップ部に固定し、ゴルフクラブのスウィング中のグリップ部の3次元位置座標およびグリップ部の向きのデータを取得するスウィング測定装置。」が記載されており、刊行物2の段落【0006】には、複数台のビデオカメラを用いてスウィングフォームを3次元的に撮影する場合、スウィング中死角が生じないように複数台のビデオカメラをセットするのは容易ではないこと、解像度の精度が低いことが記載されているから、スウィング中死角が生じさせず、解像度の精度を向上するべく、引用発明のスイング計測装置として、刊行物2に記載のスウィング測定装置を採用することは、当業者が容易になし得る程度のことである。
そうすると、所定の基準位置に対するゴルフクラブのグリップ部の3次元位置の時系列データ、および、所定の基準方向に対する前記グリップ部の向きの時系列データを計測する3次元位置・向き計測装置との構成を有することになり、前記3次元位置・向き計測装置から供給された前記グリップ部の3次元位置の時系列データと前記グリップ部の向きの時系列データとに基づいて動画データが作成されることになる。
よって、上記相違点1のような構成とすることは当業者が容易になし得る程度のことである。

上記相違点2について検討する。
刊行物1の段落【0010】には、「被験者の測定データに基づくコンピュータグラフィックスを上級者のものと比較する」ことが記載されている。
また、引用発明は「2つの動作を測定して得られた2つのスティックピクチャーを重ねて画像表示させることや、スイングにおける器具の動きのみを抽出し、両者を重ねて画像表示する」ものであるから、より理想のゴルフスイングができるように、重ねて画像表示する一方の画像を理想とするパターンのゴルフスイングの動画とし、計測された時系列データに基づいてシャフトの動きを再現するゴルフスイングの動画に、理想とするパターンのゴルフスイングの動画を重書きして表示することは当業者が容易になし得る程度のことである。
そして、重書きする際、両者を区別しやすくするために、色を変えて表示することは、設計事項にすぎないものである。
よって、上記相違点2のような構成とすることは当業者が容易になし得る程度のことである。

以上のように、本願発明の相違点1及び2のような構成とすることは、刊行物1及び2に記載の発明に基づいて当業者が容易に想到できたことであり、かかる発明特定事項を採用することによる本願発明の効果も当業者が予測できる範囲のものである。

6.むすび
以上のとおり、本願発明は、刊行物1及び2に記載の発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明を検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-08-27 
結審通知日 2010-08-31 
審決日 2010-09-13 
出願番号 特願2002-249006(P2002-249006)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鉄 豊郎  
特許庁審判長 長島 和子
特許庁審判官 鈴木 秀幹
野村 伸雄
発明の名称 ゴルフスイング分析システム  
代理人 三和 晴子  
代理人 渡辺 望稔  

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