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審決分類 |
審判 一部無効 特120条の4、2項訂正請求(平成8年1月1日以降) H04N 審判 一部無効 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 H04N |
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管理番号 | 1226797 |
審判番号 | 無効2008-800065 |
総通号数 | 133 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-01-28 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2008-04-14 |
確定日 | 2010-10-18 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 本件特許第3600149号「テレビジョン番組リストのユーザーインタフェース」に係る上記当事者間の特許無効審判事件について特許庁がした「特許第3600149号の請求項16および請求項26に係る発明についての特許を無効とする。」旨の審決(平成21年6月10日付け)を不服として、被請求人が同審決の取り消しを求めて知的財産高等裁判所に提起した訴えについて、同裁判所において、「特許庁が無効2008-800065号事件について平成21年6月10日にした審決を取り消す。」旨の決定(平成21年(行ケ)第10317号、平成21年11月20日)があったので、さらに審理をした結果、次のとおり改めて審決する。 |
結論 | 訂正を認める。 本件審判の請求を却下する。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
【第1】経緯等 [1]本件特許 本件特許第3600149号は、平成3年9月10日(パリ条約による優先権主張:平成2年9月10日、米国)を国際出願日とする出願である特願平3-516691号(以下、「原出願」ともいう。)の一部を、拒絶査定不服審判請求の日から明細書について補正ができる期間内である平成12年10月20日に新たな特許出願(特願2000-321391号)として出願され、 平成15年9月24日の手続補正を経て、平成16年9月24日に設定登録されたものであり、登録時の請求項の数は34である。 平成12年10月20日 本件(分割)出願 (特願2000-321391号、 原出願:特願平3-516691号(平成3年9月10日出願、 優先権主張 平成2年9月10日) 平成15年 9月24日手続補正 平成16年 9月24日 設定登録(請求項の数34) [2]本件無効審判の手続きの経緯 〈第1次審決まで〉 本件無効審判は、本件特許第3600149号に対し、請求人より、「本件特許請求の範囲の請求項16および請求項26に係る特許は、特許法第123条第1項の規定に該当し無効とすべきものである。審判費用は被請求人の負担とする。」ことを趣旨としてなされた無効審判の請求であり、平成21年6月10日、「特許第3600149号の請求項16および請求項26に係る発明についての特許を無効とする。」との審決(以下、「第1次審決」という)がなされた。 この間の手続の概要は以下のとおりである。 平成20年 4月14日 本件無効審判請求(請求人) 平成20年 8月 5日 答弁書(被請求人)提出 平成20年11月21日 口頭審理陳述要領書(請求人) 平成20年11月21日 口頭審理陳述要領書(被請求人) 平成20年11月21日 口頭審理 平成21年 6月10日 第1次審決 〈審決取り消し訴訟〉 被請求人は、第1次審決の取消しを求めて、審決取り消し訴訟(知的財産高等裁判所平成21年行(ケ)第10317号事件)を提起し、その後、被請求人は、本件特許につき訂正審判(訂正2009-390130号)を請求したところ、知的財産高等裁判所において、平成21年11月20日、「特許庁が無効2008-800065号事件について平成21年6月10日にした審決を取り消す。」旨の決定(平成21年(行ケ)第10317号)がなされた。 平成21年10月 9日 知的財産高等裁判所出訴(被請求人) (平成21年行(ケ)第10317号)。 平成21年10月26日 訂正審判請求(被請求人)、 (訂正2009-390130号) 平成21年11月20日 知的財産高等裁判所決定(審決を取り消す。) (平成21年行(ケ)第10317号) 〈本件無効審判手続の再開〉 上記決定が効力を生じたことにより本件無効審判が再開され、平成21年12月28日、訂正請求(被請求人が請求した上記訂正審判請求書に添付された訂正明細書を援用するもの)がなされた。 以下、この訂正請求を「本件訂正請求」といい、これによる訂正を「本件訂正」または「訂正2」といい(後記する形式的に確定した訂正の後のものであるから)、また、上記訂正明細書を「訂正明細書2」ということとし、 後記する、この訂正請求前に形式的に確定した訂正を「訂正1」ということとする。 平成21年12月28日 訂正請求(被請求人)(特許法第134条の3 第5項に基づく) 平成21年12月28日 訂正審判(訂正2009-390130号) の取り下げ(特許法第134条の3第4項 に基づく) [3]同時係属した、本件特許に対する別の無効審判手続中の訂正(訂正1) 本件特許に対し、平成20年3月24日、本件請求人とは別の請求人により、「本件特許請求の範囲の請求項1?34に記載された各発明に係る特許を無効とする。」ことを趣旨とする別の無効審判(無効2008-800052号)が請求され、 当該無効審判の手続において、平成20年7月22日、被請求人より次の訂正事項を内容とする訂正請求がなされた。 [訂正事項] 登録時の請求項21,22,28,33,34を削除する。 上記削除に伴い、請求項番号を1から順の番号に整合するため、登録時の請求項23?27、29?32の項番号を、それぞれ、21?25、26?29に繰り上げる。 そして、平成21年6月5日、「訂正を認める。特許第3600149号の訂正後の請求項1ないし29に係る発明についての特許を無効とする。」との審決がなされた。 この審決中、「訂正を認める。」とした部分、すなわち上記[訂正事項]については、当該無効審判(無効2008-800052号)の請求人・被請求人とも取消訴訟を提起する原告適格を有しないというべきであるから,同審決の送達(請求人、被請求人への送達日平成20年6月15日)により,上記[訂正事項]は,形式的に確定している(知的財産高等裁判所平成19年(行ケ)第10099号事件・平成19年7月23日決定,知的財産高等裁判所平成18年(行ケ)第10455号事件・平成20年2月12日判決,知的財産高等裁判所平成19年(行ケ)第10380号事件・平成20年11月27日判決参照)。 この形式的に確定した訂正を、「訂正1」といい、この「訂正1」後の明細書を「訂正明細書1」ということとすることは、前記のとおりである。 平成20年 3月24日 無効審判請求(2008-800052号) 平成21年 6月 5日 審決(「訂正を認める。 特許第3600149号の訂正後の請求項1ないし29に 係る発明についての特許を無効とする。」) 平成21年6月15日 請求人、被請求人への上記審決の送達 したがって、再開した本件審判手続でなされた平成21年12月28日の訂正請求(訂正2)前に、登録時の請求項1?34のうち請求項21,22,28,33,34を削除することをその実質内容とする上記「訂正1」は形式的に確定している。 【第2】特許請求の範囲の記載(登録時、訂正1後、訂正2後) [1]登録時の特許請求の範囲の記載 登録時における本件特許の願書に添付した明細書の特許請求の範囲の請求項1?34の各記載は,次のとおりである。 このうち、無効を求めた特許に係る請求項は、登録時の特許請求の範囲の請求項16および26である。 「【請求項1】 タイトル、放送時間そしてチャンネルをそれぞれが含んでいる複数のテレビジョン番組リストを電子メモリに記憶するステップ、 時間とチャンネルのグリッドガイド形式で前記の複数のテレビジョン番組リストのチャンネルの中の幾つかをモニタースクリーン上に表示するステップ、 このモニタースクリーン上でカーソルを移動してグリッドガイド形式で表示されたチャンネルの一つに目印を付けるステップ、そして グリッドガイド形式の代わりに単一チャンネル形式でその目印を付けたチャンネルを表示するステップ を備え、前記の単一チャンネル形式はその目印を付けたチャンネルに対応するチャンネルのテレビジョン番組リストを順次配列した行を含んでいることを特徴としたテレビジョン番組リストのデータベースを閲覧する方法。 【請求項2】 スクリーン上でカーソルを移動して前記の単一チャンネル形式内の別の表示タイトルに目印を付ける請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記の記憶するステップが前記の複数のテレビジョン番組リストに関連する番組ノートを追加して記憶し、前記のグリッドガイド形式で表示するステップが前記のテレビジョン番組リストと同時に、当該目印を付けられたチャンネルに対応する番組ノートを表示する請求項1に記載の方法。 【請求項4】 タイトル、放送時間そしてチャンネルをそれぞれが含んでいる複数のテレビジョン番組リストを電子メモリに記憶するステップ、 放送時間についてテレビジョン番組リストのタイトルとチャンネルとを第1形式でモニタースクリーン上に表示するステップ、 このモニタースクリーン上でカーソルを移動して第1形式で表示されたチャンネルの一つに目印を付けるステップ、そして 第1形式の代わりに第2形式でその目印を付けたチャンネルを含む番組リストのタイトルと時間とを表示するステップ を備えていることを特徴としたテレビジョン番組リストのデータベースを閲覧する方法。 【請求項5】 前記の記憶するステップが番組リストに対応する番組ノートを追加して記憶し、そして前記の第2形式で表示するステップが番組ノートをテレビジョン番組リストと同時に表示する請求項4に記載の方法。 【請求項6】 タイトル、放送時間そしてチャンネルをそれぞれが含んでいる複数のテレビジョン番組リスト、 このテレビジョン番組リストの中の幾つかを表示する時間とチャンネルのグリッドガイド、 このグリッドガイドに表示されたテレビジョン番組リストの一つを選択して目立たさせる可動カーソル、そして 時間とチャンネルのグリッドガイドをその目立たせたテレビジョン番組リストのチャンネルの単一チャンネルガイドに変える手段 を備えていることを特徴とする電子番組ガイド。 【請求項7】 テレビジョン番組リストが更に番組ノートを含み、そして当該目立たさせたチャンネルの番組ノートが電子番組ガイド内の番組リストと同時に表示される請求項6に記載の電子番組ガイド。 【請求項8】 テレビジョン番組リストを複数のセル内に表示している時間とチャンネルのグリッドガイド形式で表示モニターに、RAMに記憶したテレビジョン番組リストを表示させる信号を発生し、 その表示されたテレビジョン番組リストの一つを目立たさせる信号を発生し、そして グリッドガイド形式の代わりに単一チャンネル形式でその目立たされたテレビジョン番組リストを表示する信号を発生 するようプログラムされていることを特徴としたマイクロプロセッサ。 【請求項9】 チャンネルカスタム化のチャンネルリスト内の複数のチャンネルに対するテレビジョン番組リストを電子メモリに記憶するステップ、 時間とチャンネルのガイド形式でテレビジョン番組リストの中の幾つかをモニタースクリーンに表示するステップ、そして 前記のチャンネルリスト内の複数のチャンネルを視聴者の関心と一致する好ましい順序に配列するステップ を備えることを特徴とするテレビジョン番組リストのデータベースを閲覧する方法。 【請求項10】 前記の配列するステップが、設定された順序でチャンネルリスト内で複数のチャンネルの各々を時間にわたって表示するステップと、表示される複数のチャンネルに対するチャンネルリスト内の優先順位を選択するステップを備える請求項9に記載の方法。 【請求項11】 チャンネルリスト内で複数のチャンネルの各々を表示するステップが、そのチャンネルリスト内のチャンネル毎にチャンネルラベルを表示することを含む請求項10に記載の方法。 【請求項12】 チャンネルカスタム化のチャンネルリスト内の複数のチャンネルに対するテレビジョン番組リストを電子メモリに記憶する手段、 時間とチャンネルのガイド形式でテレビジョン番組リストの中の幾つかをモニタースクリーンに表示する手段、そして 前記のチャンネルリスト内の複数のチャンネルを視聴者の関心と一致する好ましい順序に配列する手段 を備えることを特徴とする電子プログラムガイド。 【請求項13】 前記のガイドのチャンネルリストの複数のチャンネルを好ましい順位に配列するための手段を更に含む請求項12に記載の電子番組ガイド。 【請求項14】 前記の配列するための手段が、複数のチャンネルの中で順位を変えようとする一つのチャンネルを選択して目立たさせるためにガイド上に表示された移動可能なカーソルを含み、その目立たさせたチャンネルがチャンネルリスト内で第1の位置から第2の位置に移動するようにした請求項13に記載の電子番組ガイド。 【請求項15】 前記の配列するための手段が、設定された順序で時間にわたってチャンネルリスト内の複数のチャンネルの各々を表示するための手段と、表示されている複数のチャンネルの各々に対するチャンネルリスト内の優先順位を選択するための手段を備える請求項13に記載の電子番組ガイド。 【請求項16】 複数のテレビジョン番組リストに対応し、テレビジョン番組リスト毎にタイトル、チャンネルそして開始時間を含んでいるデータファイルをメモリに記憶するステップ、 メモリに記憶されている複数のテレビジョン番組リストをディスプレイモニターに表示するステップ、 記録するためビデオ記録媒体をVCRまたはその他の記録装置内に装填するステップ、 表示された複数のテレビジョン番組リストの中の一つを記録するために選択するステップ、そして 記録するために選択されたテレビジョン番組リストが示している番組をVCRまたはその他の記録装置に記録するするために前記の記録するために選択されたテレビジョン番組リストのデータを前記のデータファイルからVCRまたはその他の記録装置に転送するステップ を備えることを特徴とするVCRまたはその他の記録装置を使用して、ビデオ記録媒体にテレビジョン番組を記録する方法。 【請求項17】 ビデオ記録媒体に記録された番組のディレクトリを生成するスッテプ、そして 記録のために選択されたテレビジョン番組リストに対応するタイトルをデータファイルから前記のディレクトリに加えるステップ を含み、前記のディレクトリは番組タイトルと記録位置を含んでいる請求項16に記載の方法。 【請求項18】 VCRまたはその他の記録装置内のビデオ記録媒体の記録位置を測定するステップ、そして記録のために選択された番組リストが示す番組の記録の開始時に、その測定した記録位置を前記のディレクトリに加えるステップを更に含む請求項17に記載の方法。 【請求項19】 複数のテレビジョン番組リストに対応するデータファイルをメモリに記憶するステップが、ビデオ番組を搬送するテレビジョン信号のVBIからデータファイルをダウンロードすることを含む請求項17に記載の方法。 【請求項20】 複数のテレビジョン番組リストに対応するデータファイルをメモリに記憶するステップが、RAMの一つのセクションにデータファイルを記憶することを含む請求項17に記載の方法。 【請求項21】 ビデオ記録媒体に記録された番組のディレクトリを生成するステップが、RAMの別のセクションにディレクトリを記憶することを含む請求項19に記載の方法。 【請求項22】 ビデオ記録媒体に記録された番組のディレクトリを生成するスッテプが、RAMの別のセクションに別のビデオ記録媒体のディレクトリを記憶することを含む請求項21に記載の方法。 【請求項23】 複数のテレビジョン番組リストに対応するデータファイルをメモリに記憶するステップが、一つのチャンネル特定番組ガイドを記憶することを含む請求項17に記載の方法。 【請求項24】 複数のテレビジョン番組リストに対応するデータファイルをメモリに記憶するステップが、複数のチャンネル特定番組ガイドを記憶することを含む請求項17に記載の方法。 【請求項25】 表示された複数のテレビジョン番組リストの中の一つを記録するために選択するステップが、表示モニター上に移動可能なカーソルを提供し、そしてカーソルをモニター上で移動して、表示されたテレビジョン番組リストの一つを選択する請求項16に記載の方法。 【請求項26】 複数のテレビジョン番組リストに対応し、テレビジョン番組リスト毎にタイトル、チャンネルそして開始時間を含んでいるデータファイルが記憶される電子メモリ、 この電子メモリに記憶された複数のテレビジョン番組リストを表示するディスプレイモニター、 番組タイトルと記録位置を含む、ビデオ記録媒体に記録された番組ディレクトリ、 表示された複数のテレビジョン番組リストの中の一つを記録するために選択する手段、 記録するために選択されたテレビジョン番組リストに対応するデータをデータファイルからVCRまたはその他の記録装置の記録スタックに転送し、VCRまたはその他の記録装置が前記の記録するために選択されたテレビジョン番組リストが示している番組を記録する手段 を備え、前記の記録するために選択されたテレビジョン番組リストに対応するデータファイルからのタイトルが前記のディレクトリに加えられることを特徴としたVCRまたはその他の記録装置を使用して、ビデオ記録媒体にテレビジョン番組を記録し、そしてインデックスを付けるシステム。 【請求項27】 VCRまたはその他の記録装置内のビデオ記録媒体の記録位置を測定する手段を含み、記録するために選択されたテレビジョン番組リストが示している番組の記録の開始時にその測定された記録位置が前記のディレクトリに加えられる請求項26に記載のシステム。 【請求項28】 ビデオ番組を搬送するテレビジョン信号のVBIからデータファイルをダウンロードする手段を更に含む請求項23に記載のシステム。 【請求項29】 表示された番組リストの一つを選択する手段が、ディスプレイモニター上に与えられた移動可能なカーソルを備える請求項26に記載のシステム。 【請求項30】 タイトル、チャンネルそして開始時間をテレビジョン番組リスト毎に含んでいる複数のテレビジョン番組リストのデータファィルを記憶しているRAMから前記の複数のテレビジョン番組リストを取り出してディスプレイモニターに表示する信号を発生し、 この表示された複数のテレビジョン番組リストの中の一つを記録するためその一つのテレビジョン番組リストを特定する信号を発生し、そして この記録するために選択されたテレビジョン番組リストに対応するデータをデータファイルからVCRまたはその他の記録装置に転送するための信号を発生するよう プログラムされ、前記の記録するために選択されたテレビジョン番組リストが示している番組を記録させるようにすることを特徴としたマイクロプロセッサ。 【請求項31】 ビデオ記録媒体に記録される番組のディレクトリを生成する信号と、記録するために選択されたテレビジョン番組リストに対応するデータファイルからのタイトルを前記のディレクトリに加えるための信号とを発生するように追加的にプログラムされており、前記のディレクトリが番組タイトルと記録位置とを含む請求項30に記載のマイクロプロセッサ。 【請求項32】 VCRまたはその他の記録装置内のビデオ記録媒体の記録位置を測定する信号を発生し、そして記録するために選択されたテレビジョン番組リストが示している番組の記録の開始時にその測定された記録位置をディレクトリに加える信号を発生するよう追加的にプログラムされている請求項31に記載のマイクロプロセッサ。 【請求項33】 受信したテレビジョン信号から番組内容のテーマカテゴリーとそれに関連する詳細を含む番組情報を取り出す手段と、 この番組情報をデータベースとしてメモリに記憶する手段と、 テレビジョンモニター上に前記のデータベースからテーマカテゴリーを第1分類として取り出し表示する手段と、 第1分類のテーマカテゴリーに関連する第2分類としての属性を示すトピックスを前記のデータベースから取り出し表示する手段と を備えたことを特徴とするテレビジョン信号が含む番組ガイド情報をテレビジョンモニターに表示する電子番組ガイド。 【請求項34】 前記のトピックス内容に関連した更なる属性、視聴資格などを示す第3分類を備える請求項33に記載の電子番組ガイド。」 [2]訂正1後の特許請求の範囲の記載 別の無効審判(無効2008-800052号)の審決の送達により、登録時の請求項1?34のうち請求項21,22,28,33,34を削除することをその実質内容とする上記「訂正1」が、形式的に確定したことは前記のとおりであり、 この「訂正1」後の明細書の特許請求の範囲の請求項1?29の各記載は,次のとおりである。 このうち、無効を求めた特許に係る請求項(登録時の請求項16及び26)は、この「訂正1」により、特許請求の範囲の請求項16及び24(訂正1後)となった。 「【請求項1】 タイトル、放送時間そしてチャンネルをそれぞれが含んでいる複数のテレビジョン番組リストを電子メモリに記憶するステップ、 時間とチャンネルのグリッドガイド形式で前記の複数のテレビジョン番組リストのチャンネルの中の幾つかをモニタースクリーン上に表示するステップ、 このモニタースクリーン上でカーソルを移動してグリッドガイド形式で表示されたチャンネルの一つに目印を付けるステップ、そして グリッドガイド形式の代わりに単一チャンネル形式でその目印を付けたチャンネルを表示するステップ を備え、前記の単一チャンネル形式はその目印を付けたチャンネルに対応するチャンネルのテレビジョン番組リストを順次配列した行を含んでいることを特徴としたテレビジョン番組リストのデータベースを閲覧する方法。 【請求項2】 スクリーン上でカーソルを移動して前記の単一チャンネル形式内の別の表示タイトルに目印を付ける請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記の記憶するステップが前記の複数のテレビジョン番組リストに関連する番組ノートを追加して記憶し、前記のグリッドガイド形式で表示するステップが前記のテレビジョン番組リストと同時に、当該目印を付けられたチャンネルに対応する番組ノートを表示する請求項1に記載の方法。 【請求項4】 タイトル、放送時間そしてチャンネルをそれぞれが含んでいる複数のテレビジョン番組リストを電子メモリに記憶するステップ、 放送時間についてテレビジョン番組リストのタイトルとチャンネルとを第1形式でモニタースクリーン上に表示するステップ、 このモニタースクリーン上でカーソルを移動して第1形式で表示されたチャンネルの一つに目印を付けるステップ、そして 第1形式の代わりに第2形式でその目印を付けたチャンネルを含む番組リストのタイトルと時間とを表示するステップ を備えていることを特徴としたテレビジョン番組リストのデータベースを閲覧する方法。 【請求項5】 前記の記憶するステップが番組リストに対応する番組ノートを追加して記憶し、そして前記の第2形式で表示するステップが番組ノートをテレビジョン番組リストと同時に表示する請求項4に記載の方法。 【請求項6】 タイトル、放送時間そしてチャンネルをそれぞれが含んでいる複数のテレビジョン番組リスト、 このテレビジョン番組リストの中の幾つかを表示する時間とチャンネルのグリッドガイド、 このグリッドガイドに表示されたテレビジョン番組リストの一つを選択して目立たさせる可動カーソル、そして 時間とチャンネルのグリッドガイドをその目立たせたテレビジョン番組リストのチャンネルの単一チャンネルガイドに変える手段 を備えていることを特徴とする電子番組ガイド。 【請求項7】 テレビジョン番組リストが更に番組ノートを含み、そして当該目立たさせたチャンネルの番組ノートが電子番組ガイド内の番組リストと同時に表示される請求項6に記載の電子番組ガイド。 【請求項8】 テレビジョン番組リストを複数のセル内に表示している時間とチャンネルのグリッドガイド形式で表示モニターに、RAMに記憶したテレビジョン番組リストを表示させる信号を発生し、 その表示されたテレビジョン番組リストの一つを目立たさせる信号を発生し、そして グリッドガイド形式の代わりに単一チャンネル形式でその目立たされたテレビジョン番組リストを表示する信号を発生 するようプログラムされていることを特徴としたマイクロプロセッサ。 【請求項9】 チャンネルカスタム化のチャンネルリスト内の複数のチャンネルに対するテレビジョン番組リストを電子メモリに記憶するステップ、 時間とチャンネルのガイド形式でテレビジョン番組リストの中の幾つかをモニタースクリーンに表示するステップ、そして 前記のチャンネルリスト内の複数のチャンネルを視聴者の関心と一致する好ましい順序に配列するステップ を備えることを特徴とするテレビジョン番組リストのデータベースを閲覧する方法。 【請求項10】 前記の配列するステップが、設定された順序でチャンネルリスト内で複数のチャンネルの各々を時間にわたって表示するステップと、表示される複数のチャンネルに対するチャンネルリスト内の優先順位を選択するステップを備える請求項9に記載の方法。 【請求項11】 チャンネルリスト内で複数のチャンネルの各々を表示するステップが、そのチャンネルリスト内のチャンネル毎にチャンネルラベルを表示することを含む請求項10に記載の方法。 【請求項12】 チャンネルカスタム化のチャンネルリスト内の複数のチャンネルに対するテレビジョン番組リストを電子メモリに記憶する手段、 時間とチャンネルのガイド形式でテレビジョン番組リストの中の幾つかをモニタースクリーンに表示する手段、そして 前記のチャンネルリスト内の複数のチャンネルを視聴者の関心と一致する好ましい順序に配列する手段 を備えることを特徴とする電子プログラムガイド。 【請求項13】 前記のガイドのチャンネルリストの複数のチャンネルを好ましい順位に配列するための手段を更に含む請求項12に記載の電子番組ガイド。 【請求項14】 前記の配列するための手段が、複数のチャンネルの中で順位を変えようとする一つのチャンネルを選択して目立たさせるためにガイド上に表示された移動可能なカーソルを含み、その目立たさせたチャンネルがチャンネルリスト内で第1の位置から第2の位置に移動するようにした請求項13に記載の電子番組ガイド。 【請求項15】 前記の配列するための手段が、設定された順序で時間にわたってチャンネルリスト内の複数のチャンネルの各々を表示するための手段と、表示されている複数のチャンネルの各々に対するチャンネルリスト内の優先順位を選択するための手段を備える請求項13に記載の電子番組ガイド。 【請求項16】 複数のテレビジョン番組リストに対応し、テレビジョン番組リスト毎にタイトル、チャンネルそして開始時間を含んでいるデータファイルをメモリに記憶するステップ、 メモリに記憶されている複数のテレビジョン番組リストをディスプレイモニターに表示するステップ、 記録するためビデオ記録媒体をVCRまたはその他の記録装置内に装填するステップ、 表示された複数のテレビジョン番組リストの中の一つを記録するために選択するステップ、そして 記録するために選択されたテレビジョン番組リストが示している番組をVCRまたはその他の記録装置に記録するするために前記の記録するために選択されたテレビジョン番組リストのデータを前記のデータファイルからVCRまたはその他の記録装置に転送するステップ を備えることを特徴とするVCRまたはその他の記録装置を使用して、ビデオ記録媒体にテレビジョン番組を記録する方法。 【請求項17】 ビデオ記録媒体に記録された番組のディレクトリを生成するスッテプ、そして 記録のために選択されたテレビジョン番組リストに対応するタイトルをデータファイルから前記のディレクトリに加えるステップ を含み、前記のディレクトリは番組タイトルと記録位置を含んでいる請求項16に記載の方法。 【請求項18】 VCRまたはその他の記録装置内のビデオ記録媒体の記録位置を測定するステップ、そして記録のために選択された番組リストが示す番組の記録の開始時に、その測定した記録位置を前記のディレクトリに加えるステップを更に含む請求項17に記載の方法。 【請求項19】 複数のテレビジョン番組リストに対応するデータファイルをメモリに記憶するステップが、ビデオ番組を搬送するテレビジョン信号のVBIからデータファイルをダウンロードすることを含む請求項17に記載の方法。 【請求項20】 複数のテレビジョン番組リストに対応するデータファイルをメモリに記憶するステップが、RAMの一つのセクションにデータファイルを記憶することを含む請求項17に記載の方法。 【請求項21】 複数のテレビジョン番組リストに対応するデータファイルをメモリに記憶するステップが、一つのチャンネル特定番組ガイドを記憶することを含む請求項17に記載の方法。 【請求項22】 複数のテレビジョン番組リストに対応するデータファイルをメモリに記憶するステップが、複数のチャンネル特定番組ガイドを記憶することを含む請求項17に記載の方法。 【請求項23】 表示された複数のテレビジョン番組リストの中の一つを記録するために選択するステップが、表示モニター上に移動可能なカーソルを提供し、そしてカーソルをモニター上で移動して、表示されたテレビジョン番組リストの一つを選択する請求項16に記載の方法。 【請求項24】 複数のテレビジョン番組リストに対応し、テレビジョン番組リスト毎にタイトル、チャンネルそして開始時間を含んでいるデータファイルが記憶される電子メモリ、 この電子メモリに記憶された複数のテレビジョン番組リストを表示するディスプレイモニター、 番組タイトルと記録位置を含む、ビデオ記録媒体に記録された番組ディレクトリ、 表示された複数のテレビジョン番組リストの中の一つを記録するために選択する手段、 記録するために選択されたテレビジョン番組リストに対応するデータをデータファイルからVCRまたはその他の記録装置の記録スタックに転送し、VCRまたはその他の記録装置が前記の記録するために選択されたテレビジョン番組リストが示している番組を記録する手段 を備え、前記の記録するために選択されたテレビジョン番組リストに対応するデータファイルからのタイトルが前記のディレクトリに加えられることを特徴としたVCRまたはその他の記録装置を使用して、ビデオ記録媒体にテレビジョン番組を記録し、そしてインデックスを付けるシステム。 【請求項25】 VCRまたはその他の記録装置内のビデオ記録媒体の記録位置を測定する手段を含み、記録するために選択されたテレビジョン番組リストが示している番組の記録の開始時にその測定された記録位置が前記のディレクトリに加えられる請求項24に記載のシステム。 【請求項26】 表示された番組リストの一つを選択する手段が、ディスプレイモニター上に与えられた移動可能なカーソルを備える請求項24に記載のシステム。 【請求項27】 タイトル、チャンネルそして開始時間をテレビジョン番組リスト毎に含んでいる複数のテレビジョン番組リストのデータファィルを記憶しているRAMから前記の複数のテレビジョン番組リストを取り出してディスプレイモニターに表示する信号を発生し、 この表示された複数のテレビジョン番組リストの中の一つを記録するためその一つのテレビジョン番組リストを特定する信号を発生し、そして この記録するために選択されたテレビジョン番組リストに対応するデータをデータファイルからVCRまたはその他の記録装置に転送するための信号を発生するよう プログラムされ、前記の記録するために選択されたテレビジョン番組リストが示している番組を記録させるようにすることを特徴としたマイクロプロセッサ。 【請求項28】 ビデオ記録媒体に記録される番組のディレクトリを生成する信号と、記録するために選択されたテレビジョン番組リストに対応するデータファイルからのタイトルを前記のディレクトリに加えるための信号とを発生するように追加的にプログラムされており、前記のディレクトリが番組タイトルと記録位置とを含む請求項27に記載のマイクロプロセッサ。 【請求項29】 VCRまたはその他の記録装置内のビデオ記録媒体の記録位置を測定する信号を発生し、そして記録するために選択されたテレビジョン番組リストが示している番組の記録の開始時にその測定された記録位置をディレクトリに加える信号を発生するよう追加的にプログラムされている請求項28に記載のマイクロプロセッサ。」 [3]本件訂正請求による上記「訂正2」後の明細書(訂正明細書2)の特許請求の範囲の記載の請求項1および2の各記載は,次のとおりである。 「【請求項1】 タイトル、放送時間そしてチャンネルをそれぞれが含んでいる複数のテレビジョン番組リスト、 このテレビジョン番組リストの中の幾つかを表示する時間とチャンネルのグリッドガイド、 このグリッドガイドに表示されたテレビジョン番組リストの一つを選択して目立たさせる可動カーソル、そして 時間とチャンネルのグリッドガイドをその目立たせたテレビジョン番組リストのチャンネルの単一チャンネルガイドに変える手段 を備えていることを特徴とする電子番組ガイド。 【請求項2】 テレビジョン番組リストを複数のセル内に表示している時間とチャンネルのグリッドガイド形式で表示モニターに、RAMに記憶したテレビジョン番組リストを表示させる信号を発生し、 その表示されたテレビジョン番組リストの一つを目立たさせる信号を発生し、そして グリッドガイド形式の代わりに単一チャンネル形式でその目立たされたテレビジョン番組リストを表示する信号を発生 するようプログラムされていることを特徴としたマイクロプロセッサ。」 【第3】当事者の主張 以下、本審決における「○1」、「○2」等の表記は、記号「○の中に数字を入れた記号」を示すものである。(情報処理システムの能力上、同記号を表すことができないことによる。) また、「【第3】当事者の主張」において、単にいう「本件(特許)発明16」,「本件(特許)発明26」,「請求項16」,「請求項26」とは、すべて登録時の請求項(発明)番号であり、それぞれ、登録時の請求項16記載の発明,登録時の請求項26記載の発明、登録時の請求項16,登録時の請求項26をいうものである。 【第3-1】請求人の主張(請求) [1]請求の趣旨 本件特許請求の範囲の請求項16および請求項26に係る特許は、特許法第123条第1項の規定に該当し無効とすべきものである。 審判費用は被請求人の負担とする。 [2]請求の理由(概要) (1)無効理由1(明細書の記載不備) 〈実施可能要件違反〉 発明の詳細な説明には、当業者が請求項16および請求項26に係る発 明を容易に実施できる程度に、その発明の構成等を記載していないので、 特許法(平成2年法)第36条第4項に規定する要件を満たしていない。 〈サポート要件違反〉 請求項16および請求項26は、発明の詳細な説明に記載されていない 事項を含むので、特許法(平成2年法)第36条第5項第1号に規定する 要件を満たしていない。 〈明確性要件違反〉 請求項16及び請求項26は、特許を受けようとする発明の構成に欠く ことができない事項のみを記載していない(意味が不明な事項を含むので )ので、特許法(平成2年法)第36条第5項第2号に規定する要件を満 たしていない。 上記の実施可能要件、明確性要件、サポート要件についての適用法は、 分割が適法である場合の平成2年法の第36条第4項,第5項第1号,第 2号として主張しているが、分割不適法である場合、平成6年法の第36 条第4項,第6項第1号,第2号である。 (2)無効理由2-1(新規性欠如・進歩性欠如) 請求項16に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であるから、 特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。 請求項16および請求項26に係る発明は、甲第1号証および甲第2 号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができ たものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けるこ とができない。 (3)無効理由2-2(分割不適法、出願日不遡及を前提とする進歩性欠 如、特許法第29条第2項) 請求項16および請求項26に係る発明は原出願の出願当初の明細書 又は図面に記載した事項の範囲外のものを含んでいるから、本件(分割 )出願は特許法第44条に規定する要件を満たしておらず、本件出願の 出願日は、原出願の出願日(平成3年9月10日)に遡及せず、現実の 出願日の平成12年10月20日になる。 請求項16および請求項26に係る発明は、甲第4号証(原出願の公 表公報)および甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に 発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定 により特許を受けることができない。 なお、審判請求書における、本件発明16および本件発明26は、甲第4号証(原出願の公表公報)に記載された各発明と実質的に同一である、との主張は、第1回口頭審理において取り下げられた。 また、審判請求書における、本件発明16および本件発明26は、甲第4号証(原出願の公表公報)および、甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとの主張は、第1回口頭審理において、容易想到性の基礎としての刊行物から甲1号証を除外して上記の主張に訂正された。 (4)無効理由3(自然法則を利用せず。特許法第29条第1項柱書) 請求項16および、請求項26に係る発明は、自然法則を利用した技 術的思想の創作に該当しないから、特許法第29条第1項柱書の規定に より特許を受けることができない。 [3]請求の理由の要点 〈構成要件の分説〉 請求人は、本件発明16の構成要件を次のとおりA?F,本件発明26の構成要件を下記のとおりa?fに分説した上、無効理由を主張しており、被請求人も、この分説にしたがって答弁している。 記(本件発明16,26の構成要件の分説) 【本件発明16】 A:複数のテレビジョン番組リストに対応し、テレビジョン番組リスト毎 にタイトル、チャンネルそして開始時間を含んでいるデータファイル をメモリに記憶するステップ、 B:メモリに記憶されている複数のテレビジョン番組リストをディスプレ イモニターに表示するステップ、 C:記録するためビデオ記録媒体をVCRまたはその他の記録装置内に装 填するステップ、 D:表示された複数のテレビジョン番組リストの中の一つを記録するため に選択するステップ、そして E:記録するために選択されたテレビジョン番組リストが示している番組 をVCRまたはその他の記録装置に記録するするために前記の記録す るために選択されたテレビジョン番組リストのデータを前記のデータ ファイルからVCRまたはその他の記録装置に転送するステップ F:を備えることを特徴とするVCRまたはその他の記録装置を使用して 、ビデオ記録媒体にテレビジョン番組を記録する方法 【本件発明26】 a:複数のテレビジョン番組リストに対応し、テレビジョン番組リスト毎 にタイトル、チャンネルそして開始時間を含んでいるデータファイル が記憶される電子メモリ、 b:この電子メモリに記憶された複数のテレビジョン番組リストを表示す るディスプレイモニター、 c:番組タイトルと記録位置を含む、ビデオ記録媒体に記録された番組デ ィレクトリ、 d:表示された複数のテレビジョン番組リストの中の一つを記録するため に選択する手段、 e:記録するために選択されたテレビジョン番組リストに対応するデータ をデータファイルからVCRまたはその他の記録装置の記録スタック に転送し、VCRまたはその他の記録装置が前記の記録するために選 択されたテレビジョン番組リストが示している番組を記録する手段 を備え、 f:前記の記録するために選択されたテレビジョン番組リストに対応する データファイルからのタイトルが前記のディレクトリに加えられるこ とを特徴としたVCRまたはその他の記録装置を使用して、ビデオ記 録媒体にテレビジョン番組を記録し、そしてインデックスを付けるシ ステム [3.1]無効理由1(明細書の記載不備、特許法第36条)の要点 請求人の主張する無効理由の条文について、第36条第4項,同条第5項第1号,第5項第2号を、それぞれ、36-4,36-5-1,36-5-2と略記して括弧内に記した。 〈本件発明16について〉(請求書の○2-1、12頁末行?24頁4行) 〔A〕構成要件Aについての記載不備(36-4,36-5-1,36-5-2) (1)「テレビジョン番組リスト」の意味が不明。 「テレビジョン番組リスト」という用語は、本件明細書を参酌しても、「テレビジョン番組表(表全体)」という意味と「個々のテレビジョン番組表に含まれる項目・事項(例えば、番組のタイトル、チャンネル、放送時間など)」という意味の2通りの意味に解釈でき、その意味が不明である。 すなわち、「リスト」は「一覧表」と云う意味を有することから、一般に「テレビジョン番組リスト」と云う用語は、「テレビジョン番組の一覧表、テレビジョン放送の番組表、テレビジョン番組表」程度の意味に解するのが通常であるし、段落0011、0031からも「テレビジョン番組表(表全体)」を意味すると解釈できる一方、構成要件D、E、段落0037からは、「表に含まれる一部分の項目・事項」を表すとも把握できる記載が含まれている。 (2)「データファイル」について、発明の詳細な説明の記載が不充分。 本件明細書の段落0011以降の[発明の実施の形態]において、「データファイル」とは、どのようなものであるか一切説明されていない。しかも、構成要件Aでは、「データファイルは、テレビジョン番組リスト毎にタイトル、チャンネルそして開始時間を含む」ことになっているが、このような「データファイル」についても、[発明の実施の形態]で説明されていない。 (3)「・・・を含んでいるデータファイルをメモリに記憶する」について、発明の詳細な説明の記載が不充分。 「複数のテレビジョン番組リストに対応し、テレビジョン番組リスト毎にタイトル、チャンネルそして開始時間を含んでいるデータファイルをメモリに記憶」と云う記載を含むが、「テレビジョン番組リスト」が2通りの意味に解釈でき(上記(1))、記載内容が不明瞭である。また、段落0074,0077からは、「リストデータとして、タイトル、チャンネルそして開始時間をスケジュールメモリ232に記憶」することは把握できるが、テレビジョン番組リスト毎にタイトル、チャンネルそして開始時間をスケジュールメモリ232に記憶することが読み取れるものではなく、発明の詳細な説明には、上記記載事項を当業者が容易に実施できる程度に、その構成等が記載されていない。 〔B〕構成要件Bについての記載不備(36-4,36-5-1,36-5-2) (4)「メモリに記憶されている複数のテレビジョン番組リスト」について、発明の詳細な説明の記載が不充分。 (5)「複数のテレビジョン番組リストをディスプレイモニターに表示」について、発明の詳細な説明の記載が不充分。 構成要件Bは、上記〔A〕のように2通りの意味に解釈でき不明な「テレビジョン番組リスト」を含んでいて、不明である。「テレビジョン番組リスト」が「テレビジョン番組表(表全体)」である場合の構成要件Bについて発明の詳細な説明に記載がない。 〔C〕構成要件Cについての記載不備(36-4) (6)「その他の記録装置」について、発明の詳細な説明の記載が不充分。 「その他の記録装置」は、どのようなものであるか不明であり、当業者が容易に実施できる程度に、「その他の記録装置」に係る構成等が発明の詳細な説明に記載されていない。 本件特許明細書は、段落0036?段落0051で、ランダムアクセス型のビデオ記録媒体では生じることのない、非ランダムアクセス型のビデオ記録媒体であるテープについての各種問題、及び、それらの問題を解決するための構成・処理内容等を記載しており、本件特許明細書のVCRに関する例示的な説明は、ランダムアクセス型のビデオ記憶媒体を扱う記録装置に関係しないため、ランダムアクセス型のビデオ記憶媒体を扱う記録装置については、本件特許明細書に当業者が実施できる程度の記載がない。 なお、審判請求書における、構成要件Cの「ビデオ記録媒体をVCRまたはその他の記録装置内に装填」することについて当業者が容易に実施できる程度にその構成が発明の詳細な説明に記載されていない、との主張(請求書の7))は、第1回口頭審理において取り下げられた。 〔D〕構成要件Dについての記載不備(36-4,36-5-1,36-5-2) (8)「表示された複数のテレビジョン番組リストの中の一つを…選択」について、発明の詳細な説明の記載が不充分。 構成要件Dは、上記〔A〕のように2通りの意味に解釈でき不明な「テレビジョン番組リスト」を含んでいて、不明である。 段落0017,0019の記載から、記録のために選択される対象は「一つの番組又はタイトル」となり、「テレビジョン番組リスト」を記録のために選択することは記載されておらず、構成要件Dに係る内容は、その構成が発明の詳細な説明に記載されていないものである。 〔E〕構成要件Eについての記載不備(36-4,36-5-1,36-5-2) (9)「記録するする」の意味が不明。 (10)「・・・番組をVCR またはその他の記録装置に記録する」の意味が不明。番組の記録先が、構成要件E(「VCRまたはその他の記録装置」)と構成要件F(「ビデオ記録媒体」)で異なる。 (11)「テレビジョン番組リストのデータ」の意味が不明。 構成要件Eは、上記〔A〕のように2通りの意味に解釈でき不明な「テレビジョン番組リスト」を含んでいて、不明である。 (12)「テレビジョン番組リストのデータを・・・転送」について、発明の詳細な説明の記載が不充分。 「テレビジョン番組リストのデータを前記のデータファイルからVCRまたはその他の記録装置に転送する」に係る「転送」について、当業者が容易に実施できる程度にその構成が発明の詳細な説明に記載されていない。段落0043では「データファイルから転送が行われるのか」否かが不明であり、「番組のタイトルが、VCRに転送される」ことは把握できず、「番組のタイトルが、その他の記録装置に転送される」ことまでは読み取れない。段落0077の前半も後半もその記載は、「テレビジョン番組リストのデータを前記のデータファイルからVCRまたはその他の記録装置に転送する」ことに対応した記載になっておらず、このことについて当業者が容易に実施できる程度に、その構成等が記載されていない。 また、「テレビジョン番組リストのデータ」と云う記載は、2通りの意味に解釈できるので、構成要件Eにおいて転送する対象が不明瞭となり、特許を受けようとする発明を明確に把握できない。 〔F〕構成要件Fについての記載不備(36-4,36-5-1,36-5-2) (13)「その他の記録装置を使用して、ビデオ記録媒体にテレビジョン番組を記録」について、発明の詳細な説明の記載が不充分。 上記(6)で説明したように、「その他の記録装置」について、当業者が容易に実施できる程度に、その構成等が発明の詳細な説明に記載されていないので、当然、「その他の記録装置を使用して、ビデオ記録媒体にテレビジョン番組を記録する」ことも、当業者が容易に実施できる程度に、その構成等が発明の詳細な説明に記載されていないし、「その他の記録装置を使用して、どのようにビデオ記録媒体にテレビジョン番組を記録する」のか不明であり、特許を受けようとする発明を明確に把握することができない。 〈本件発明26について〉(請求書の○2-2、24頁5行?31頁9行) 〔a〕構成要件aについての記載不備(36-4,36-5-1,36-5-2) (1)「テレビジョン番組リスト」の意味が不明。 (2) データファイル」について、発明の詳細な説明の記載が不充分。 (3)「…を含んでいるデータファイルが記憶される電子メモリ」について、発明の詳細な説明の記載が不充分。 上記(1)?(3)の記載不備については、本件発明16における上記〔A〕(1)?(3)と同様である。 〔b〕構成要件bについての記載不備(36-4,36-5-1,36-5-2) (4)「電子メモリに記憶された複数のテレビジョン番組リスト」について、発明の詳細な説明の記載が不充分。 (5)「複数のテレビジョン番組リストを表示」について、発明の詳細な説明の記載が不充分。 上記(4),(5)の記載不備については、本件発明16における上記〔B〕(4),(5)と同様である。 〔c〕構成要件cについての記載不備(36-4,36-5-1,36-5-2) (6)「記録位置」の意味が不明。 構成要件cの「記録位置」は、本件明細書等を参酌しても、「テレビジョン番組(番組のコンテンツデータ)が記録されている位置」(段落0036,0080)なのか、「目次と等価の番組タイトルが記録されている位置」(段落0038)なのか、何の記録位置なのか不明である。 (7)「番組タイトルと記録位置を含む、ビデオ記録媒体に記録された番組ディレクトリ」についての記載が不充分。 ビデオ記録媒体は、未使用の状態であれば、「番組ディレクトリ」を記録していないので、まず「番組ディレクトリ」をビデオ記録媒体に作成する必要があるが、構成要件cには、必須である「番組タイトルと記録位置を含む番組ディレクトリ」をビデオ記録媒体に作成する手段(番組ディレクトリを作成する手段)が記載されておらず、発明の構成に欠くことができない事項のみが記載されていないと共に、当業者が容易に実施できる程度にその構成等が発明の詳細な説明に記載されていない。 また、上記(6)のように、2通りの意味を有する「記録位置」と云う用語を含むので、構成要件c自体の意味も不明瞭となり、当業者が容易に実施できる程度にその構成等が発明の詳細な説明に記載されておらず、特許を受けようとする発明を明確に把握できない。 〔d〕構成要件dについての記載不備(36-4,36-5-1,36-5-2) (8)「表示された複数のテレビジョン番組リストの中の一つを・・・選択」について、発明の詳細な説明の記載が不充分。 この点の記載不備については、本件発明16についての上記〔D〕(8)と同様である。 〔e〕構成要件eについての記載不備(36-4,36-5-1,36-5-2) (9)「テレビジョン番組リストに対応するデータ」の意味が不明。 この点の記載不備については、本件発明16についての上記〔E〕(11)と同様である。 (10)「VCRまたはその他の記録装置の記録スタック」の意味が不明。 「VCRまたはその他の記録装置の記録スタック」と云う記載を含むが、この記載内容が不明瞭であると共に、発明の詳細な説明には、この記載内容を当業者が容易に実施できる程度に、その構成等が記載されていない。 「記録スタック」と云う用語は一般に、「記録領域」を意味するので、単に「VCRの記録スタック」と云う記載であれば、その記載内容は、「VCRが具備するメモリの記録領域」を意味するのか、または「VCRに装填されたビデオテープの記録領域」を意味するのか判別できない。 また、本件明細書を参酌しても、本件明細書の[発明の実施の形態]の欄には、「記録スタック」と云う用語が記載されていないため、「VCRまたはその他の記録装置の記録スタック」と云う記載では、当業者が容易に実施できる程度にその構成等が発明の詳細な説明に記載されているとは云えない。 (11)「テレビジョン番組リストのデータを…転送」について、発明の詳細な説明の記載が不充分。 この点の記載不備については、上記本件発明16についての〔E〕(12)と同様である。 (12)「…番組を記録する手段」について、「手段」の意味が不明。 構成要件eに係る記載において、末尾の「・・・手段」を除いた記載は、文節として文法的に成立しており、末尾の「・・・手段」は、どのような手段であるのか意味不明である。また、本件明細書にも、この構成要件eに係る内容に対応した記載が無いので、本件明細書を参酌しても、末尾の「・・・手段」は意味不明であると共に、構成要件eに係る内容について、当業者が容易に実施できる程度にその構成等が発明の詳細な説明に記載されていない。 〔f〕構成要件fについての記載不備(36-4,36-5-1,36-5-2) (13) 「タイトルが前記のディレクトリに加えられることを特徴とした」と云う記載内容が、どの手段により達成されるのか不明。 本件特許発明26は、「タイトルをディレクトリに加える手段」を規定していないので、どのようにして「タイトルがディレクトリに加えられる」のか不明である。したがって、構成要件fには、発明の構成に欠くことができない事項のみが記載されていない。 段落0043,0077,0080,0081の記載では、「(番組)タイトル」がディレクトリに加えられることは一切説明されていないので、構成要件fの「タイトルが前記のディレクトリに加えられること」は、当業者が容易に実施できる程度にその構成等が発明の詳細な説明に記載されていない。 (14) 「インデックスを付ける」と云う意味が不明。 「インデックスを付ける」とは、どのようなことを指しているのか不明である。段落0038の記載から、「インデックス」は「タイトル」に相当し、「インデックスを付ける」とは、「タイトルが前記のディレクトリに加えられる」ことを意味するようにも解釈できるが、本件発明26の(13)で説明したように、どのようにして「タイトルが前記のディレクトリに加えられる」のかが不明であるため、それに伴い、「インデックスを付ける」と云う内容も不明瞭になる。 [3.2]無効理由2-1(新規性・進歩性欠如、特許法第29条第1項、第2項)の要点(請求書の○3、31頁11行?44頁17行) 〈本件発明16について〉 《(i)(ii)新規性欠如》 以下のように、構成要件A?Fのすべてが甲1号証の(ア)?(ク)の記載事項に相当することから、本件特許発明16(構成要件A?F)は、特許出願前に頒布された刊行物(甲第1号証)に記載されたものである。 ・構成要件A 甲1号証の(ア)の記載は、構成要件Aに相当する。 FD(フロッピーディスク)が、記憶媒体の一種であることは明らかであるから、その意味で「メモリ」と同種のものである。 ・構成要件B (イ)及び(ウ)の記載から、「記憶媒体に記憶されている番組表をディスプレイ装置に表示する」旨が記載されていることになり、この記載事項は、本件特許発明16の構成要件B(メモリに記憶されている複数のテレビジョン番組リストをディスプレイモニターに表示するステップ)に相当する。 ・構成要件C VTR装置内に記録用のビデオ・テープ(ビデオ記憶媒体)を装填することは技術常識である。(エ)の事項は、実質的に構成要件C(記録するためビデオ記録媒体をVCRまたはその他の記録装置内に装填するステップ)に相当する。 ・構成要件D (オ)の「ディスプレイ装置1に表示した番組表(FDに記録される内容)の中から、録画したい番組を選択する」旨の記載は、構成要件D(表示された複数のテレビジョン番組リストの中の一つを記録するために選択するステップ)に相当する。 ・構成要件E (カ)の「表示された番組の中から、録画するために選択された番組の録画開始・終了日時及びチャンネル情報がVTR制御部3に登録される」旨の記載において、選択された「番組の録画開始・終了日時及びチャンネル情報」は、FD(記憶媒体)に記憶される番組表(放送スケジュール)に含まれる情報(番組表に関する各種情報(データ))であるので、これらの番組表に関する各種情報(データ)をVTR制御部3に登録するためには、FDからVTR制御部3へ、番組表に関する各種情報(データ)を転送することになる。 (キ)の「FD(記憶媒体)に記憶された録画対象の番組に係る情報(日付、曜日、チャンネル、時間)をVTR制御部3にセット」する旨の記載から、FD(記憶媒体)に記録された録画対象に係る情報(データ)が、FD(記憶媒体)からVTR制御部3へ転送されることが把握できる。 これらのことより、(カ)及び(キ)の記載から把握できる事項は、構成要件E(記録するために選択されたテレビジョン番組リストが示している番組をVCRまたはその他の記録装置に記録するするために前記の記録するために選択されたテレビジョン番組リストのデータを前記のデータファイルからVCRまたはその他の記録装置に転送するステップ)に相当する ・構成要件F (ク)の記載より、「VTR装置2の録画機能を使用して、ビデオテープ(ビデオ記憶媒体)に番組を記録する」ことが把握でき、構成要件F(VCRまたはその他の記録装置を使用して、ビデオ記録媒体にテレビジョン番組を記録する方法)に相当する。 《(iii)進歩性欠如》 仮に、構成要件Cが甲1号証には明記がなく、この点が相違点として判断された場合にあっても、甲2号証の(コ)及び(サ)には、「セット本体にカセットが収納される」旨が言及され構成要件Cについては当業者が容易に想到し得るものである。 また、甲2号証の(ス)、(タ)、(チ)、第2図の「番組名、チャンネル番号、放送日時等を含む付加信号を記憶部28に記憶」する旨の記載内容は、構成要件Aに相当し、(ツ)の「番組名、チャンネル番号、放送日時等を含む付加信号に対するコード信号が記憶部28から録再ヘッド19に供給(転送)される」旨の記載内容は、(甲第1号証の(カ)及び(キ)と同様に、)構成要件Eに相当し、(ナ)の「録画処理部7を作動させて(使用して)、ビデオテープ9に番組の録画を行う」旨の記載内容は、(甲第1号証の(ク)と同様に、)構成要件Fに相当していて、 構成要件A、E、Fに相当する甲第1号証の(ア)、(カ)、(キ)、(ク)と同様の記載も含むことから、甲第1号証に記載された発明に、甲第2号証に記載された発明を適用することになんら困難性はない。 〈本件発明26について〉 《進歩性欠如》 《(i)一致点・相違点》 ・構成要件a、b 甲1号証の(ア)、(イ)、(ウ)の記載内容は、構成要件a、bに相当する。(本件発明16の構成要件A,Bと同様) FD(フロッピーディスク)が、記憶媒体の一種であることは明らかであるから、その意味で「メモリ」と同種のものである。 ・構成要件d 甲1号証の(オ)の記載内容は、構成要件dに相当する。 ・構成要件e 甲1号証の(カ)(キ)の記載から「番組表に関する各種情報(データ)をVTR装置2のVTR制御部3に登録するためには、番組表に関する各種情報(データ)をFDからVTR装置2のVTR制御部3へ転送すること」、「FD(記憶媒体)に記録された録画対象に係る情報(データ)をVTR装置2のVTR制御部3にセットするには、録画対象に係る情報(データ)をFD(記憶媒体)からVTR装置2のVTR制御部3へ転送すること」が通常把握でき、構成要件eの前段の記載(記録するために選択されたテレビジョン番組リストに対応するデータをデータファイルからVCRまたはその他の記録装置の記録スタックに転送し)に相当し、 (ク)の「VTR装置2のVTR制御部3が録画機能を含む」記載から、「VTR装置2が、(ビデオ・テープに)番組を録画する」ことが把握でき、この把握できる事項は、構成要件eの後段の記載に相当する。 ・構成要件f 甲1号証の(ク)の「VTR装置2のVTR制御部3が録画機能を含む」の記載より、「VTR装置2を使用して、ビデオ・テープ(ビデオ記録媒体)に番組を録画する」ことが把握でき、(ケ)の「VTR装置の録画予約を行うシステム」と云う記載から、「VTR装置2を使用して、ビデオ・テープ(ビデオ記録媒体)に番組を録画するシステム」を把握することができ、この把握できる事項は、構成要件fに係る一部の記載(VCRまたはその他の記録装置を使用して、ビデオ記録媒体にテレビジョン番組を記録し、・・・システム)に相当する。 《相違点》 本願発明26と甲第1号証は、以下の点で相違する。 相違点1:甲第1号証には、本件特許発明26の構成要件c(「番組タイトルと記録位置を含む、ビデオ記録媒体に記録された番組ディレクトリ」)を開示する記載がない点。 相違点2:甲第1号証は、本件特許発明26の構成要件fの一部(VTR装置2を使用して、ビデオ・テープ(ビデオ記録媒体)に番組を録画するシステム)に相当する事項を有するが、本件特許発明26の構成要件fに係る残りの部分に関する下記の2つの事項(f-1、f-2)がない点。 (f-1)「前記の記録するために選択されたテレビジョン番組リストに対応するデータファイルからのタイトルが前記のディレクトリに加えられること」 (f-2)「インデックスを付けること」 《(ii)相違点の容易性》 (ii)-1 相違点1について 甲2号証の(シ)の「付加データ(付加信号)が、インデックスとともにビデオテープ9の特定の記憶部分(テープの先頭もしくは末尾)に記憶される」旨の記載、(ス)の「付加信号には、番組名が含まれる」こと、さらに、(セ)の「ビデオテープは複数の録画可能な領域に区分され、それぞれの録画可能領域にはインデックスA、B、C等が付される」旨の記載事項を勘案すると、「番組名と、特定の録画可能領域として記録位置を表すインデックスを含む、ビデオテープ9における特定の記憶部分」との事項が把握でき、 「ディレクトリ」と云う用語は、「コンピュータの磁気記憶媒体で、その媒体上にあるすべてのファイルの名前・記録場所などを記録している部分」(スーパー大辞林(2004年6月改訂版 三省堂))の意味であることから、ビデオテープ9における「特定の記憶部分」は、「ディレクトリ」に相当することになる。(よって、この点で、本件特許発明は相違しない。) そのため、上記(シ)?(セ)の記載内容は、「番組名と、特定の録画可能領域として記録位置を表すインデックスを含む、ビデオテープ9(ビデオ記録媒体)におけるディレクトリ」と把握でき、この把握できる内容は、構成要件c(番組タイトルと記録位置を含む、ビデオ記録媒体に記録された番組ディレクトリ)に相当する。 (ii)-2 相違点2について 上記「f-1」の内容は、「電子メモリに記憶されるタイトル(記録のために選択された番組のタイトル)がビデオ記録媒体の特定の記録部分に記録される(加えられる)」と云う意味と解されるところ、 甲2号証の(ス)「付加信号には、番組名が含まれる」ことの記載を、(ソ)「記憶部(電子メモリに相当)に記憶された付加データ(付加信号)及びインデックスは、記憶部からビデオテープの所定領域(所定の記憶部分)に記憶される」旨の記載に加味すると、「記憶部(電子メモリに相当)に記憶された番組名がビデオテープの所定の記憶部分に記憶される」と云う内容が把握され、上記「f-1」と一致する。 (ii)-3 適用の合理性について 甲2号証の(ス)(タ)(チ)の「第2図に示す番組表的な内容として、番組名、チャンネル番号、放送日時等を含む付加信号を記憶する記憶部28」は、甲1号証の(ア)と同様に、構成要件aに相当するものであり、また、(ツ)の「番組名、チャンネル番号、放送日時等を含む付加信号に対するコード信号を記憶部28から録再ヘッド19に供給(転送)する」旨の記載内容は、甲1号証の(カ)(キ)と同様に、構成要件eの前段に相当するものであり、(ナ)の「録画処理部7が、(ビデオテープ9に)番組の録画を行う」の記載内容は、甲1号証の(ク)と同様に、構成要件eの後段に相当するものである。 以上のように甲2号証は、構成要件a、eに相当する甲1号証の(ア)、(カ)、(キ)、(ク)と同等の記載を含むことから、 甲第1号証に記載された発明に、甲第2号証に記載された発明を適用することは、いわゆる当業者であれば容易に推考し得る。 [3.3]無効理由2-2(分割不適法、出願日不遡及を前提とする進歩性欠如、特許法第29条第2項)の要点(請求書の○3 44頁19行?45頁15行) 本件特許発明16の構成要件A及び本件特許発明26の構成要件a中に記載された「テレビジョン番組リスト毎にタイトル、チャンネルそして開始時間を含んでいるデータファイル」は、本件特許の分割に係る原出願の出願当初の明細書又は図面(甲第4号証 特表平6-504165号公報)に記載がない。 本件特許発明16及び本件特許発明26は、分割の原出願(特願平3-516691号)の出願当初の明細書又は図面に記載した事項の範囲内でないものを含み、分割の原出願に包含される発明ではないので、特許法第44条に規定する要件を満たしていない。 したがって、本件出願に係る分割は、不適法であるから、本件の出願日は、現実の出願日の平成12年10月20日になる。 請求項16および請求項26に係る発明は、甲第4号証(原出願の公表公報)および甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 本件特許明細書に記載事項にない「データファイルが、テレビジョン番組リスト毎にタイトル、チャンネル、開始時間を含むこと」、及び「そのようなデータファイルをメモリに記憶すること」は、甲第2号証の第4頁右下欄第4行?第15行に記載されている。本件特許発明16、26の他の構成要件は甲第4号証(特表平6-504165号公報 原出願の公表公報)の記載に一致する。(第1回口頭審理陳述要領書) [3.4]無効理由3(自然法則を利用せず。特許法第29条第1項柱書)の要点(請求書の○3 45頁17行?45頁19行) 本件特許発明16の、 構成要件Cの「記録するためビデオ記録媒体を装填する」ことは、人間の精神活動(「記録するため」)に基づいた人間の行為(「ビデオ記録媒体を装填する」)により達成されるものであり、 構成要件Dの「複数のテレビジョン番組リストの中の一つを選択する」ことは、人間の精神活動により一つのリストが選択され、その選択された対象を人間が確定させる行為を行うことで達成されるものである。 本件特許発明26の、 構成要件dの「複数のテレビジョン番組リストの中の一つ選択する」ことは、人間の精神活動により一つのリストが選択され、その選択された対象を人間が確定させると云う行為を行うことで達成されるものである。 上記構成要件C、D、dの上記3つの「・・・する」ことは、いずれも、人間の精神活動及びそれに基づく行為を発明の構成として規定するものであるから、自然法則を利用した発明といえない構成であり、そのような構成を含む本件発明16,26は、いずれも、自然法則を利用した発明といえない。 [3.5]証拠方法 甲第1号証:特開平1-209399号公報 甲第2号証:特開平2-81385号公報 甲第3号証:本件特許公報(特許第3600149号) 甲第4号証:特表平6-504165号公報(原出願の公表公報) 【第3-2】被請求人の主張(答弁) [1]答弁の趣旨 本件審判の請求は成り立たない。 審判費用は請求人の負担とする。 [2]答弁の理由の要点 [2.1]無効理由1(明細書の記載不備、特許法第36条)に対して 本件発明16も本件発明26も特許法第36条の規定に基づく無効理由は存在しない。 〈本件発明16について〉(答弁書の2頁16行?19頁25行) (1)「テレビジョン番組リスト」について 「テレビジョン番組リスト」とは、本件特許請求の範囲の記載に基づき、特許請求の範囲の記載全体を考慮して技術的に合理的に理解すれば、「テレビジョン番組を特定するための個々の番組単位の番組情報」と解釈すべきであることは、以下の(i)?(v)から明らかである。 (i)構成要件Aの「テレビジョン番組リスト毎にタイトル、チャンネルそして開始時間を含んでいるデータファイル」という記載から、各「テレビジョン番組リスト」が、少なくとも「タイトル、チャンネル、開始時間」という番組情報に対応するものと理解されなければならないこと。 (ii)構成要件Bの「複数のテレビジョン番組リストを・・・表示する」という記載から、「複数のテレビジョン番組リスト」が、表示される対象であることが理解されなければならないこと(ここで、構成要件Aとの関連から、その表示される対象である「複数のテレビジョン番組リスト」のそれぞれが、少なくとも「タイトル、チャンネル、開始時間」という番組情報に対応する。) (iii)構成要件Dの「表示された複数のテレビジョン番組リストの中の一つを記録するために選択する」という記載から、表示された「複数のテレビジョン番組リスト」の中の一つが、記録のために選択される対象であると理解されなければならないこと (iv)構成要件Eの「記録するために選択されたテレビジョン番組リストが示している番組」という記載から、「テレビジョン番組リスト」が番組の記録のために選択される対象であると理解されなければならない。 (v)記録のためには、唯一つの番組を特定することが必要とされることは当業者には自明であることから、「テレビジョン番組リスト」は、「個々の番組」を指すものであるとしか解しようがないこと また、本件特許明細書の段落0011、0031の「番組リスト」の記載からしても、「テレビジョン番組を特定するための個々の番組単位の番組情報」と解釈されるものである。段落0019、段落0024の「リスト」についての記載によっても、「リスト」が番組表自体ではなく、「個々の番組単位の番組情報」であることは明らかである。 以上から、「テレビジョン番組リスト」の意味は明確であり、この記載に関連した特許法第36条第5項2号の不備はなく、同第36条第4項、同第36条第5項1号に基づく不備もない。 (2)構成要件A、Eの「データファイル」について 「データファイル」という用語は、データを含むファイルを意味するものとして当業者には自明であり、「テレビジョン番組リスト」を、上記1)で述べたとおり「テレビジョン番組を特定するための個々の番組単位の番組情報」と正しく解釈すれば、上記構成要件Aの「データファイルは、・・・含む」という記載についても、当業者であれば特段の説明を要することなく理解できるものである。 (3)構成要件Aの「複数のテレビジョン番組リストに対応し、テレビジョン番組リスト毎にタイトル、チャンネルそして開始時間を含んでいるデータファイルをメモリに記憶」について 構成要件Aにおいては、「テレビジョン番組リスト毎に」の文言は「含んでいる」に係っているのであり、「記憶する」に係っているわけではない。つまりここでは、「テレビジョン番組リスト」が個々の番組単位の番組情報に対応していることを規定しているだけなのであるから、本件特許明細書の段落0074、0077の記載からは、正に、テレビジョン番組リスト毎にタイトル、チャンネルそして開始時間を含んでいるデータファイルをスケジュールメモリ232に記憶することが読み取れるというべきである。 (4)構成要件Bの「メモリに記憶されている複数のテレビジョン番組リスト」、構成要件Dの「表示された複数のテレビジョン番組リストの中の一つを記録するために選択」、構成要件Eの「テレビジョン番組リストのデータ」についての記載不備について 「テレビジョン番組リスト」は、上記(1)のように「個々の番組単位の番組情報」と解されるのであるから、上記構成要件B,D,Eのいずれの記載にも請求人の主張する記載不備はない。 (5)構成要件Cの「その他の記録装置」、構成要件Fの「その他の記録装置を使用して、ビデオ記録媒体にテレビジョン番組を記録」について 当業者であれば、「その他の記録装置」がVCR以外の方式による記録装置を意味することは容易に理解できることから、「その他の記録装置」については何らこれ以上の説明を要しないというべきであり、当業者であれば、VCRに関する例示的な説明に基づいて「その他の記録装置」、「その他の記録装置を使用して・・・番組を記録する方法」を実施することも可能である。 (6)構成要件Eの「記録するする」について 「記録するする」が単純な誤記であり、正しくは「記録する」であることは明らである。 (7)番組の記録先が、構成要件E(「VCRまたはその他の記録装置」)と構成要件F(「ビデオ記録媒体」)で異なるとの主張について 構成要件Cの「・・・装填するステップ」の結果として、「VCRまたはその他の記録装置」は、その中に装填された「ビデオ記録媒体」を含むことになるのであり、構成要件Eと構成要件Fとの間に何ら齟齬はない。 (8)構成要件Eの「テレビジョン番組リストのデータを・・・転送する」について 「テレビジョン番組リスト」のデータ(すなわち、タイトル、チャンネル、開始時間に対応するデータ)が記録RAMメモリ236からVCR206に転送されることは、少なくとも、本件特許明細書の段落0077、0080、0036?0051に記載されている。 段落0077には「記録コマンドをVCR206へ転送する」ことが明示されている。この記載から、記録パラメータが記録コマンドに付随してVCR206に転送されることは当業者には自明である。なぜなら、「コマンド」が命令を意味し、「パラメータ」がその命令を補足するものを意味することは当業者には自明であることから、「コマンドが転送される」と言えば、その「コマンド」は必然的に「パラメータ」を伴って転送されると解するのが自明の理だからである。それ故、記録パラメータ(チャンネル、開始時間及び長さ)は、「記録コマンド」(段落0077)または「VCRコントロールコマンド」(段落0080)に付随してVCR206に転送されるというべきである。 VCR206は、「記録せよ」という命令は受け取るものの、どの番組を何時から記録すればいいのかを知ることができないことは不合理である。VCR206を用いて番組を記録するためには、VCR206は、どの番組を何時から記録するのかを知らねばならないこともまた自明の理だからである。 記録パラメータ(チャンネル、開始時間及び長さ)に加えて、番組のタイトルが記録RAMメモリ236からVCR206に転送されるものであることは、(i)番組のタイトルが、記録パラメータ(チャンネル、開始時間及び長さ)とともに記録RAMメモリ236にコピーされること(VCR206への転送の準備段階として 記録RAMメモリ236にコピーされること)(段落0077)、(ii)番組のタイトルをテープに書き込むことを必要とする実施例が本件特許明細書の段落0036?0051に記載されており、番組のタイトルをテープに書き込むためには、番組のタイトルを一旦VCR等の記録装置に転送する必要があることから明らかである。 番組のタイトルをテープに書き込むことについての具体的記載は、例えば、本件特許明細書の段落0038、0043の記載である。 (口頭審理陳述要領書における主張) 記録メモリRAM236にコピーされた番組タイトル及びその記録パラメータ(チャンネル、開始時間及び長さ)を転送する実施例は、特許明細書の段落0077に記載されている実施例{番組タイトル及びその記録パラメータ(チャンネル、開始時間及び長さ)がスケジュールメモリ232から記録メモリRAM236にコピーされた後、赤外線リモートドライバ214を用いて、ケーブルデコーダ202、VCR206の両方を制御する実施例では、チャンネルコマンドがVCR206ではなくプログラムチューナに転送されている実施例}に限定されない。 記録メモリRAM236にコピーされた記録パラメータ(チャンネル、開始時間及び長さ)をVCR206に転送する実施例は本件出願時の技術常識である。そして、VCR206に内蔵されているチューナを用いて番組を記録する際には、チューナを制御するために必要とされる情報(すなわち、チャンネル、開始時間及び長さ)がVCR206に転送されなければならず、赤外線リモートドライバ214を経由する経路の代わりに、バス270が用いられることが、本件特許明細書の段落0080に記載されているのである。 以上の理由から、本件特許発明の構成要件Eは、発明の詳細な説明に当業者が容易に実施できる程度に記載されている。 〈本件発明26について〉(答弁書の19頁27行?22頁26行) (1)無効理由1のうち、本件発明26についての請求人の主張(1)?(5)、(8)、(9)、(11)の内容は、それぞれ、本件特許発明16についての請求人がした主張(1)?(5)、(8)、(11)、(12)と同じものであるから、本件特許発明16について請求人がした主張(1)?(5)、(8)、(11)、(12)が理由がないとした理由と少なくとも同一の理由から、本件特許発明26についての請求人の主張(1)?(5)、(8)、(9)、(11)もまた理由がない。 (2)構成要件cの「記録位置」について 請求項26に従属する請求項27に規定される「ビデオ記録媒体の記録位置を測定する」、「番組の記録の開始時にその測定された記録位置が前記のディレクトリに加えられる」という記載を考慮すると、構成要件cの「記録位置」が、テレビジョン番組がビデオ記録媒体に記録されている記録位置を意味することは明らかだからである。この解釈は、請求人が自認しているように、少なくとも、本件特許明細書の段落0036、0080の記載によっても裏付けられている。 (3)構成要件cの「番組ディレクトリ」について 「番組ディレクトリ」がどのような手段で作成されるのかは本件特許発明26の主題とは無関係であるから、本件特許発明26が、「番組ディレクトリを作成する手段」を構成要件として含んでいないからといって、本件特許発明26の請求項には特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項のみが記載されていないとか、当業者が容易に実施できる程度にその構成等が発明の詳細な説明に記載されていないとかいうことにはならない。 (4)構成要件eの「記録スタック」について 「記録スタック」は、ビデオ記録媒体の記録領域ではなく、VCRまたはその他の記録装置が具備するメモリの記録領域であると解釈されるべきであり、その他の解釈の余地はない。 (5)構成要件eの「VCRまたは・・・を記録する手段」について 構成要件eは、「前記の記録するために選択された・・・」は、「前記の記録するために、選択された・・・」と解釈すべきであり、この解釈によれば、請求人が主張する意味不明な記載とはならない。 (6)構成要件fに関連して、どのようにして「タイトルがディレクトリに加えられる」のか不明であるとの主張について タイトルがディレクトリに加えられる特定の態様は、本件特許発明26の主題に無関係であるから、どのようにしてタイトルがディレクトリに加えられるかを本件特許発明26において規定する必要がないからである。さらに、「タイトルがディレクトリに加えられる」ことは、少なくとも、本件特許明細書の段落0080の「この開始アドレスは、番組タイトルと共にテープディレクトリRAMメモリ234へ記憶される」という記載によって裏付けられている。 (7)請求人は、構成要件fの「インデックスを付ける」とはどのようなことを指しているのか不明であると主張する 「ビデオ記録媒体にインデックスを付ける」とは、「記録されたテレビジョン番組を後で検索することを目的として、テレビジョン番組がビデオ記録媒体に記録されている記録位置に目印を付ける」ことを意味することは明らかだからである。このことは、少なくとも、本件特許明細書の段落0038の記載によっても裏付けられている。 [2.2]無効理由2-1(新規性・進歩性欠如)に対して (答弁書の22頁28行?28頁16行) 〈本件発明16について〉 《新規性欠如に対して》 本件特許発明16は、甲第1号証に記載された発明ではない。 本件特許発明16と甲1号証発明には、請求人が看過する以下の相違点が存在する。 すなわち、本件特許発明16は、選択された番組をVCRまたはその他の記録装置に記録するために「タイトル、チャンネル、開始時間に対応するデータ」をVCRまたはその他の記録装置に転送することを必要とするのに対して、甲1号証には、選択された番組を記録するために、タイトルに対応するデータをVCRその他の記録装置に転送することを示唆する記載は存在しない。 さらに、甲第1号証には、VCRまたはその他の記録装置の外部にある装置からVCRまたはその他の記録装置にデータを転送することに関する記載が一切存在しない。 これら点で本件特許発明16は甲1発明と相違する。 《進歩性欠如に対して》 本件特許発明16は、甲1号証および甲2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 その理由は以下の通り。 本件発明16は、上記の点で、甲1号証と相違する。 (1)甲2号証には、番組名のVCRへの転送については何ら記載されていないし、ましてや、ディスプレイモニターに表示された複数のテレビジョン番組リストの中の一つを選択したことを契機に番組名等の情報の転送を行うことも何ら教示も示唆もしていない。甲2号証が開示しているのは、単に番組のコンテンツ(TV信号)を録画するのと同時に付加信号を記憶、記録することにすぎず、番組を記録するためにテレビ番組表の中から番組情報(例えば、タイトル、チャンネル、開始時間)を選択し、転送することを何ら開示していない。よって、甲2号証の教示を甲1号証の教示にどのように組み合わせたとしても、本件特許発明16の構成要件Eの「記録するために選択されたテレビジョン番組リストが示している番組をVCRまたはその他の記録装置に記録するために前記の記録するために選択されたテレビジョン番組リストのデータを前記のデータファイルからVCRまたはその他の記録装置に転送する」点は当業者が容易になしうるものではない。 (2)さらに、甲1号証と同様に、甲2号証には、VCRまたはその他の記録装置の外部にある装置からVCRまたはその他の記録装置にデータを転送することに関する教示または示唆が一切存在しない。 〈本件発明26について〉 《新規性欠如に対して》 本件特許発明26と甲1号証発明には、請求人が認定する相違点1,2以外の以下の相違点が存在する。 すなわち、本件特許発明26は、選択された番組をVCRまたはその他の記録装置に記録するために「タイトル、チャンネル、開始時間に対応するデータ」をVCRまたはその他の記録装置の記録スタックに転送することを必要とするのに対して、 甲1号証には、選択された番組を記録するために、タイトルに対応するデータをVCRその他の記録装置に転送することを示唆する記載は存在しない。 よって、本件特許発明26は、甲第1号証に記載された発明ではない。 《進歩性欠如に対して》 本件特許発明26は、甲1号証および甲2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 本件発明26は、上記の点で、甲1号証と相違する。 甲2号証が開示しているのは、単に番組のコンテンツ(TV信号)を録画するのと同時に付加信号を記憶、記録することにすぎず、番組を記録するためにテレビ番組表の中から番組情報(例えば、タイトル、チャンネル、開始時間)を選択し、転送することを何ら開示していない。 甲2号証には、番組名のVCRへの転送については何ら記載されていないし、ましてや、ディスプレイモニターに表示された複数のテレビジョン番組リストの中の一つを選択したことを契機に番組名等の情報の転送を行うことも何ら教示も示唆もしていない よって、甲第2号証の教示を甲第1号証の教示にどのように組み合わせたとしても、本件特許発明26の構成要件eは当業者が容易になしうるものではない。 [2.3]無効理由2-2(分割不適法、出願日不遡及を前提とする進歩性欠如、特許法第29条第2項)に対して(答弁書の28頁18行?29頁5行) 本件特許発明16の構成要件Aおよび本件特許発明26の構成要件aは、原出願の出願当初の明細書の記載によって裏付けられているから、分割は適法である。分割は適法であるから、本件出願の出願日は原出願の出願日に遡及する。本件発明16も本件発明26も、出願日不遡及を前提に甲第4号証(原出願の公表公報)を基礎とする特許法第29条第2項の規定に基づく無効理由は存在しない。 本件特許明細書の段落0010?0084は、原出願の出願当初の明細書と参照番号の修正などの形式的な修正を除いて同一であるところ、本件特許発明16の構成要件Aおよび本件特許発明26の構成要件aは、少なくとも、本件特許明細書の段落0010?0084の記載によって裏付けられている。 「データファイル」という用語は、データを含むファイルを意味するものとして当業者には自明であるから、「データファイル」という用語が原出願の当初明細書に記載されていないからといって構成要件A,構成要件aがその範囲を超えているとはいえない。 本件特許明細書の段落0074、0077の記載から、正に、テレビジョン番組リスト毎にタイトル、チャンネルそして開始時間を含んでいるデータファイルをスケジュールメモリ232に記憶することが読み取れる。 [2.4]無効理由3(自然法則を利用せず。特許法第29条第1項柱書)に対して(答弁書の29頁7行?31頁2行) 本件特許発明16も本件発明26も、自然法則を利用しているから、特許法上の「発明」に該当し、特許法第29条第1項柱書の規定に基づく無効理由は存在しない。 仮に、本件特許発明16、26の一部に人間の精神的活動に当たる内容があったとしても(被請求人がそのことを自認するわけではないが)、本件特許発明16、26は、全体として、自然法則を利用しており、特許法上の「発明」に該当するというべきである。 ( 本件発明16の「ビデオ記録媒体にテレビジョン番組を記録する方法」は、人間の精神的活動によって実現することは不可能であり、 「・・・データファイルをメモリに記憶するステップ」、「・・・複数のテレビジョン番組リストをディスプレイモニターに表示するステップ」、「・・・データを・・・VCRその他の記録装置に転送するステップ」等、自然法則を利用しなければ実現することのできない構成を有していて、自然法則を利用している。本件特許発明16は、全体として、自然法則を利用している。 本件特許発明26の「ビデオ記録媒体にテレビジョン番組を記録し、インデックスを付けるシステム」を人間の精神的活動によって実現することは不可能であり、 「・・・データファイルが記憶される電子メモリ」、「・・・複数のテレビジョン番組リストを表示するディスプレイモニター」、「・・・データを・・・VCRまたはその他の記録装置の記録スタックに転送し、・・・番組を記録する手段」等、自然法則を利用しなければ実現することのできない構成を有していて、自然法則を利用している。本件特許発明16は、全体として、自然法則を利用している。) 【第4】本件訂正請求(平成21年12月28日訂正請求)について(当審の判断) [1]訂正内容 被請求人が求める訂正請求は、特許法第134条の3第5項の規定により、上記訂正審判の審判請求書に添付された訂正明細書(「訂正明細書2」)を援用するものであって、この訂正前の願書に添付した明細書、すなわち、上記「訂正1」後の明細書を、「訂正明細書2」のとおり訂正することを求めるものであり、 上記【第2】[2]に記載したとおりの特許請求の範囲の請求項1?29(訂正1後)を、上記【第2】[3]に記載したとおりの特許請求の範囲の請求項1及び2とするものである。 その訂正の内容は、 (1)訂正前の請求項1?5,7,9?29を削除する (2)上記削除に伴い、請求項番号を1から順の番号に整合するため、 請求項6(訂正前)を請求項1(訂正後)に、 請求項8(訂正前)を請求項2(訂正後)に、 それぞれ繰り上げる ものである。 [2]訂正の適否判断 上記内容の訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 また、上記訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載されている事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、本件訂正(訂正2)は、平成6年改正前特許法第134条第2項ただし書に適合し、特許法134条の2第5項において準用する平成6年改正前第126条第2項の規定に適合する。 なお、本件訂正後の請求項1及び2(設定登録時及び訂正1後の請求項6及び8)に係る特許は、無効が請求されていないが、同請求項1及び2に記載される事項により特定される発明は、いずれも「減縮されていない発明」であるから、平成6年改正前特許法第126条第3項の規定(独立特許要件)については判断を要しない(平成19年(行ケ)第10283号審決取消請求事件 平成20年10月29日判決言渡参照)。 [3]むすび(本件訂正請求、訂正の採否) 以上のとおりであるから、本件訂正を認める。 【第5】本件無効審判の請求について(当審の判断) 特許無効審判の請求人は,特許第3600149号に係る設定登録時の請求項16及び請求項26に記載された発明についての特許を無効とすることを求めているところ,平成21年12月28日付け訂正請求書による訂正が適法な訂正と認められ,設定登録時の請求項16及び請求項26(訂正1後の請求項16及び24)は削除されたことから,特許無効審判の請求の対象が存在しないものとなった。 したがって,本件特許無効審判の請求は,不適法な審判の請求であって,その補正をすることができないものであるから,特許法第135条の規定によって却下すべきものである。 そして,審判に関する費用については,特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条及び第62条の規定により被請求人が負担すべきものとする。 よって,結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 テレビジョン番組リストのユーザーインタフェース (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 タイトル、放送時間そしてチャンネルをそれぞれが含んでいる複数のテレビジョン番組リスト、 このテレビジョン番組リストの中の幾つかを表示する時間とチャンネルのグリッドガイド、 このグリッドガイドに表示されたテレビジョン番組リストの一つを選択して目立たさせる可動カーソル、そして 時間とチャンネルのグリッドガイドをその目立たせたテレビジョン番組リストのチャンネルの単一チャンネルガイドに変える手段 を備えていることを特徴とする電子番組ガイド。 【請求項2】 テレビジョン番組リストを複数のセル内に表示している時間とチャンネルのグリッドガイド形式で表示モニターに、RAMに記憶したテレビジョン番組リストを表示させる信号を発生し、 その表示されたテレビジョン番組リストの一つを目立たさせる信号を発生し、そして グリッドガイド形式の代わりに単一チャンネル形式でその目立たされたテレビジョン番組リストを表示する信号を発生 するようプログラムされていることを特徴としたマイクロプロセッサ。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、一般に、テレビジョン視聴者がスクリーン上のテレビジョンのプログラムリストにアクセスし、ビデオカセットレコーダー(VCR)またはその他の記録装置を容易かつ便利な方法で制御するために番組リストの使用を可能とするシステムおよび方法に関する。更に、本発明は、容易な呼び出しおよび再生のため、タイトルによって記録番組のディレクトリを作成するシステムおよび方法に関する。より具体的には、VCRまたは他の記録装置が、将来の日付と時間の記録についても、番組のタイトルの簡単な選択および記録コマンドによって制御されるシステムおよび方法に関する。もっと具体的には、直感的なユーザーインタフェースを備えたシステム及び方法に関する。 【0002】 〔従来の技術〕将来の日付けの自動記録のためのVCRの設定の複雑さは、知られるところである。技術的によくわかっていると思えるユーザーでも、VCRのプログラム手順では間違いを犯し、誤った番組を記録することになるか、全く記録しないことになる。この複雑さは、VCRをプログラムすることを種とした多数のユーモアを産み出してさえいる。 【0003】 VCRプログラムの難しさは、プログラム期間中にユーザープロンプトおよびユーザーへのフィードバックのためにテレビジョンセットを表示部として利用するようなVCRの開発で幾分緩和されてきてはいる。マイケル・アール・レビン(Michael R.Levine)による1990年3月13日発行の米国特許4,908,713によれば、ステップごとにユーザーに指示を与える対話型ユーザーインタフェースを備えたVCRプログラムのためにテレビジョンセットを表示部として利用するようなVCRが開示されている。そのようなユーザーインタフェースは、VCRプログラムに伴う多くの不思議さを取り除いてくれるが、ユーザーはいぜんとしてコマンドに基づくインタフェースに対する難しさを有しているし、番組が放送されている時間とは違った時間に見ようとする番組を記録しそこなうような失敗をすることなくプログラムをするには、いぜんとして問題がある。 【0004】 パトリック・ヤング(Patrick Young)による1987年11月10日発行の共同譲渡されている米国特許4,706,121は、テレビジョンスケジュール情報のユーザー選択がVCRの自動制御に使用されるシステムと方法を開示している。その特許は、そのようなシステムと方法のために提案のユーザーインタフェースの説明をも含んでいる。しかし、そのようなシステム及び方法を容易かつ便利に操作可能としている高度に直感的なユーザーインタフェースの方法は、困難な仕事である。このシステムと方法の更なる開発は、初めに提案されたユーザーインタフェースにかなりの変更を強いている。 【0005】 VCRのプログラムを単純化するに加えて、多数の番組テープを作成するユーザーは、彼らの記録番組を監視する改良したシステム及び方法をまた必要とする。パトリック・ヤング(Patrick Young)の名前で1988年7月15日に出願された共同譲渡の出願番号No.07/219,971は、テープ記録資料に対してインデックス機能を有するシステム及び方法を開示している。テレビジョンスケジュールシステムのユーザーインタフェースは、直感的なやり方でこの機能を扱う必要がある。 【0006】 VCRの制御及びテレビジョンスケジュールシステムに関する技術は、開発し尽くされた技術である一方、改良したユーザーインタフェースを組み込んだテレビジョンスケジュールシステム及び方法に対する必要性は、いぜんとして存在する。特に、殆どのコンピュータメニューと異なり、グリッド状TVガイドは、不規則なセルのアレーであり、セルのサイズは、一時間に満たないものから現スクリーンからはみ出す数時間に及ぶものまである。このアレーがセルからセルに移動するカーソルで誘導されると、単一のカーソルコマンドが急激なスクリーン変化をもたらす。例えば、カーソル右のコマンドは、現在のページから数時間離れているセルへの急なジャンプを引き起こす。これは、不安定であるだけでなく、もとに戻すのにかなりの努力を要する。明かに、もっとより穏やかなカーソル運動がグリッド状TVガイドに見受けられる不規則なセルに必要とされる。 【0007】 印刷されたグリッドテレビジョンスケジュールガイドは、よく番組のタイトル及び放送局名以外の付属情報を含む。そのようなグリッドはまた一般に、各番組の紹介、その番組が再放送かどうか、映画の人気及びその他の情報を含むより詳細な印刷スケジュールと組み合わせて提供される。テレビジョンセットをスケジュールシステムの表示部として利用する場合、テレビジョン表示部のサイズ及び解像度がグリッドに表示されるテキストの量を制限する。テレビジョン表示部の制限の範囲内にてユーザーに容易に理解されるやり方で最大の情報を伝えるためには、改良した技術が要求される。視聴のための多数のチャンネルの利用が可能である場合、ユーザーにとって最も都合のよいように情報の表示を編成する必要がある。 【0008】 〔発明が解決しようとする課題〕本発明の目的は、テレビジョン番組リストをより見易い形で表示する方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、より分かりやすい仕方で視聴又は記録するための番組を選択する方法を提供することにある。 【0009】 〔課題を解決するための手段〕 テレビジョン番組リストのデータベースを閲覧する方法であり、タイトル、放送時間、およびチャンネルを各々含む複数のテレビジョン番組リストを電子メモリに記憶し、番組リストのタイトルの幾つかを、時間とチャンネルのグリッドガイド形式で、モニタースクリーン上に表示し、スクリーン上でカーソルを移動して、グリッドガイド形式で表示されたタイトルの一つに目印を付け、そしてグリッドガイド形式の代わりに単一チャンネル形式で目印を付けられたタイトルを表示することを可能にするステップから成り、前記単一チャンネル形式が、目印を付けられたタイトルを対応するチャンネルに対応する一連のテレビジョン番組リストの行を含む、前記方法。 テレビジョン番組リストのデータベースを閲覧する方法であり、タイトル、放送時間、およびチャンネルを各々含む複数のテレビジョン番組リストを電子メモリに記憶し、或る放送時間の番組リストのタイトルおよびチャンネルを第1の形式で、モニタースクリーン上に表示し、スクリーン上でカーソルを移動して、グリッドガイド形式内に表示されたタイトルの一つに目印を付け、そして第1の形式の代わりに、第2の形式で,目印を付けられたタイトルのチャンネルに関する番組のリストおよび時間を表示する、前記方法。 テレビジョン番組リストが表示される複数のセルを有する時間とチャンネルのグリッドガイド形式で、表示モニター上に、RAMに記憶されたテレビジョン番組リストを表示する信号を発生し、表示されたテレビジョン番組リストの一つを目立たさせる信号を発生し、且つグリッドガイド形式の代わりに、単一チャンネルガイド形式で目立たされたテレビジョン番組リストを表示する信号を発生するように、表示モニターとRAMと共に作動するようにプログラムされたマイクロプロセッサ。 視聴するためのテレビジョン番組を選択するための方法が、テレビジョンジョンチューナを視聴する番組放送をチャンネルに設定し、テレビジョンスクリーン上に番組を表示し、スクリーン上に表示された番組の大部分を見ることを可能にしつつ、スクリーンのある領域に複数の番組リストを表示し、現在の放送番組の表示リストにタブを付け、チューナにタブが付されたチャンネルに変化する様に命令を発して、タブが付されたチャンネル上の番組放送がスクリーン上に表示されるようにする、前記方法。 視聴するための番組を選択するための方法が、ビデオ番組の複数のチャンネルを搬送するテレビジョン信号を受信し、ビデオ番組放送を視聴するために前記チャンネルの一つを選択し、テレビジョンスクリーン上に選択されたチャンネルのビデオ番組を表示し、表示されたビデオ番組の大部分がスクリーン上で見ることを可能にしつつ、スクリーンの一部に複数の番組リストを表示し、所定のチャンネルで現在放送されているビデオ番組の表示リストにタブを付け、そして前記選択されたチャンネルのビデオ番組の代わりに、スクリーン上にタブを付けられたリストに対応するビデオ番組を表示するステップからなる、前記方法。 ビデオ番組の複数のチャンネルを搬送するテレビジョン信号を受信し、ビデオ番組放送を視聴するために、前記チャンネルの一つを選択し、テレビジョンモニターのスクリーン全体に、選択されたチャンネルのビデオ番組を表示し、バックグラウンドガイド命令を発行し、テレビジョン番組リストのデータベースをメモリに記憶し、バックグラウンドガイド命令に応答して、前記モニターの第1の領域に、選択されたチャンネルのビデオ番組を表示し、それと同時に、この表示されたビデオ番組の大部分をスクリーン上で見ることを可能として、前記モニターの第2の領域に、メモリからの番組リストの幾つかを表示し、視聴する番組の選択を容易にするために、第2の領域内に異なるリストを表示して、データベースを閲覧し、前記閲覧するステップの後に、選択された番組をスクリーン全体に表示するステップを含む、視聴するテレビジョンジョン番組を選択するための方法。 電子メモリに、或るチャンネルリスト内の複数のチャンネルに対するテレビジョン番組リストを記憶し、時間とチャンネルのガイド形式で、テレビジョン番組リストの幾つかをモニタースクリーン上に表示し、チャンネルリスト内の複数のチャンネルを、視聴者の関心と一致する好ましい順番に配列するステップからなる、テレビジョン番組リストのデータベースを閲覧する方法。 VCRを使用して、ビデオテープにテレビジョン番組を記録し且つインデックス付けする方法であり、複数のテレビジョン番組リストに対応するデータファイルをメモリに記憶し、データファイルが、各番組リストのタイトル、チャンネルおよび開始時間を含み、ディスプレイモニター上にメモリに記憶される番組リストを表示し、記録のためのビデオテープカセットをVCR内にロードし、表示された複数の番組リストの内の記録のための番組リストを選択し、データファイルからVCRに、記録のために選択された番組リストに対応するデータを転送し、VCRが記録のために選択された番組リストによって表示された番組を記録するようにする方法。 VCRを使用して、ビデオテープにテレビジョン番組を記録し且つインデックスを付けるためのシステムであり、複数のテレビジョン番組リストに対応して、各番組リストのタイトル、チャンネルおよび開始時間を含むデータファイルが記憶される電子メモリ、前記メモリに記憶された番組リストを表示するための表示モニター、番組タイトルおよびテープ位置を含む、ビデオテープカセットに記録された番組ディレクトリ、表示された複数の番組リストの内の記録のための番組リストを選択するための手段、記録のために選択された番組リストに対応するデータをデータファイルからVCR記録スタックに転送し、VCRが、記録のために選択された番組リストによって表わされる番組を記録するための手段、から成り、記録ために選択された番組リストに対応するデータファイルからのタイトルが前記ディレクトリに加えられる方法。 VCR、表示モニター、およびRAMと共に動作するようにプログラムされ、前記RAMに複数のテレビジョン番組リストに対応するデータファイルが記憶され、前記データファイルは、各番組リストのタイトル、チャンネルおよび開始時間を含み、表示モニター上にRAMに記憶された番組リストを表示する信号を発生する様にするマイクロプロセッサであり、表示された複数の番組リストの内の記録のための番組リストを識別するための信号を発生し、記録のために選択された番組リストに対応するデータを、データファイルからVCRに転送するための信号を発生し、記録のために選択された番組リストによって表わされる番組を記録するようにするマイクロプロセッサ。 【0010】 本発明の上記目的、関連目的、利点及び特徴は、本発明の以下より詳細な説明を図面と共に参照した後、当業者にとってより容易に理解できよう。 【0011】 〔発明の実施の形態〕 図を参照して、特に図1-7を参照すると、本発明のシステムの動作に使用され、本発明による方法を実行している一連のメニュースクリーン10、12、14、16、18、20及び22が示されている。スクリーン10、12、14、18及び20の各々は、不規則なセル26のアレー24を含み、これらセル26は、半時間から一時間半以上の時間までの異なったテレビジョン番組長に応じて変化するように可変長である。アレーは、半時間長の三つのコラム28、及び十二の行30の番組リストとして構成されている。番組リストの幾つかは、長さのため、二つかそれ以上のコラム28を重複して使用している。セル26の長さが大きく変化しているので、セル位置を選択するのに用いられた従来のカーソルが一つのセルから他のセルへ単純に段階的に移動すると、カーソルが何時間かの時間長であるセル26から同じ行の隣接したセルへ移動するので、結果は、スクリーン10、12、14、18及び20間で急に変化することになる。そのような急は変化は、システムのユーザーの感覚を失わせる。 【0012】 この動作をやわらげる有効な方法は、全てのアレー24の背後に標準セルの基礎アレーがあるようにすることである。カーソルの運動を標準セルに限定することで、急峻なスクリーン変化が回避できる。しかし、カーソルの運動を支配する基礎セルと番組のタイトルを保持する可視セルとの間の潜在的な曖昧さが残る。 【0013】 即ち、カーソルが半時間のステップで移動し、セル長が例えば4時間とすると、カーソルは1/2時間の長さとするか、4時間の長さとするか?カーソルが基礎セル(1/2時間)の間隔だけ広がっているとすると、カーソルは、セルのセグメントをハイライトするように現われ、これは誤解をもたらす。反対に、カーソルが、TVリストの4時間全体に広がると、カーソル基礎位置がわからなくなる。この場合、カーソル右/左コマンドは、長いセルを横切る間は、動作停止している。カーソルコマンドに追従するフィードバックが存在しないので、ユーザーはまごつく。従って、幾つかの矛盾する条件を満たす不規則アレー24の革新的なカーソル32(図1)が必要とされる。 【0014】 カーソル32では、全体セル26は、従来のオフセットシャドウ34を用いて、3-Dハイライトされる。オフセットシャドウ34は、セル全体に下線を引く黒バーがあり、セルの右端を囲む。カーソル32が存在する位置、即ちカーソル32が次に移動する位置を画定する基礎位置に標識を付けるため、現在の基礎位置の外側の黒バーの36の部分は、セグメント分割され、現在位置は、連続表示されている。 【0015】 半時間セル26に付き、オフセットシャドウの下線バーは、常に黒の連続線である。図2及び図3は、半時間番組に現われたカーソル32を示す。1/2時間を越える番組に付いては、現在の1/2時間位置のみが黒実線で示される。残りの全体位置がすじが付けられている。カーソルが右か左へ移動すると、連続部分は、それに応じて移動し完全な視覚的なフィードバックを提供している。従って、この改良3-Dオフセットシャドウカーソル32は、すでに述べた条件を満たす:それは、セル全体に広がり、かつ現在の基礎位置をはっきりとハイライトしている。カーソル32の移動は、基礎セルよりもはるかに長いセル26に関しても常に可視である。 【0016】 グリッド連続アイコン38が図1に示される。印刷グリッドテレビジョンスケジュールガイドは、しばしば番組が連続していることを示すため(”続く”といった)括弧で括ったコメントを含む。TVスクリーンに表示される電子ガイドでは、テキストスペースに対する制限故に、これらの括弧付きコメントは、除外される。スペースを節約するため、アイコン38が、セル26の連続性を示すために用いられる。次のスクリーンへ連続しているセル26の境界では、右を向いている矢印アイコン38が、重ねられている。矢印の方向は常に右を向き、それは番組の経過の方向である。 【0017】 図2及び図3は、記録状態の表示である。一つの番組が記録のため選択されていると、そのリストセル26が、40で示されるように、アウトラインが強調されるか、赤でハイライトされる。ガード時間が追加されているか、除去されているかすると、セルは、それを反映して延びるか、縮むかする。セル26の連続性は、既に述べたように扱われる。他に四つの記録状態表示がある。 【0018】 セルが現在記録中であると、アウトライン40が、点滅する。記録済みセルは、連続の赤の背景42(注:図不指示)で示される。記録不良セルは、タイトル上に付けられた赤いハッシュマーク44で示さる。記録不良は、不十分なテープ、VCR電源停止、終了前の停止等の結果である。 【0019】 番組リンクアイコン46が図5に示されている。各スケジュール更新後、スケジュールシステムは、リンクされたタイトル(図24)でのタイトルに合致するいかなるタイトルの発生に対しても新規のリストを調査する。もしタイトルが合致すれば、それは自動的に記録のために標識が付けられる。リンクされた番組がガイドに表示される場合、二つの識別子を有する:赤のアウトライン40は、タイトルが記録のために選択されていることを示し、リンクアイコン46がタイトルに付随して、このタイトルがリンク選択されたことを示す。リンクされた番組が記録された後、タイトルが赤でシェードが付けられ他のいかなる記録番組とも同様に扱われる。この記録をその他と区別するものは、タイトルに付随しているリンクアイコンである。 【0020】 リンク特性の詳細は、図24のスクリーン19で更に説明される。1)リンクされた番組47は、記録メモコマンドでリンクリストスクリーンのリンクタイトルを選択から外すことで、ユーザーによって停止される(多分、予定記録と競合を避けるため)。停止リンク番組は、まだリンクアイコンで確認であるが、番組は記録されないので赤のアウトラインは、除去される。2)スマートリンク処理が、記録の候補が多すぎる可能性のある場合、タイトルの突き合わせを管理するために使用される。ルーシショウは、例えば、よく何チャンネルかで配給されている。ルーシを未管理でリンクすると多数の記録が行なわれる。そのようなシリーズでは、リンクリストは、リンクタイトルはもとよりチャンネル及び時間をも含む。ルーシ好きの向きには、各シリーズがリンクできるようになっている。同じ名前のリンクタイトルが二つ以上ある場合、収集順にシリーズに番号が付けられる。このようにして、第二ルーシは、ルーシ(第二)47として識別できる。 【0021】 図1-3は、半時間ヘッダ状態インジケータにより率いられるコラム28を示す。グリッドTVガイドの頭部を横切る1/2時間ヘッダストリッブは、二つの補助的な機能を有している:1)その時間に予定されているか進行中である記録のインジケータ48として、2)過去と将来を分けるための時間バー50として。過去は、濃く表示され、将来は、弱くシェードがつけれれる。記録中の番組がある場合、1/2時間ヘッダは、予定記録タイトルセル26と同様に48にて赤でアウトラインが付けられる。 【0022】 図6は、番組ノートオーバレイ52を有すテレビジョンスケジュールグリッドスクリーン20を示す。TV表示部のテキストスペースの制限により、可能な限りTVリストの多数の行を表示するのが好ましい。テキストで一杯の番組ノートを処理するため、即時応答オーバレイ52が使用される。番組ノートオーバレイ52は、次の情報のいずれかまたは全てを含む。 【0023】 ○番組ジャンル ○番組紹介 ○スター及び著名人 ○封切りの年 ○エピソード風のサブタイトル ○番組の所要時間 ○番組の経過時間 ○批評(スターの評価) ○範疇(PG、Gその他) ○コールサイン、チャンネルマーカー ○字幕、ステレオ 【0024】 選択した番組の番組ノートは、要求に応じてグリッドガイド上に重ねて表示される。番組ノートは、選択コマンドを利用してスイッチオン・オフすることが可能である。番組ノート52は、ガイドの3または4のリストに重ねられるか隠してしまう。ガイドの隠蔽を最小にするために、自動移動ノートが使用される。番組ノートは、スクリーンの上半分か下半分に重ねられ、必要に応じて、選択されたリストのタイトルをマスクを回避できるようになっている。カーソル32がスクリーンの上半分に位置するとき、ノートは、下半分に位置し、逆場合は、この反対となる。カーソル32が、スクリーンの下半分に移動すると、ノートは、自動的にスクリーンの上半分に位置するようになる。 【0025】 図1-3及び図5-6は、テレビジョンスケジュールグリッド24のチャンネルコラム54を示す。好きな局及びケーブルチャンネルは、個人の好みに合わせたグリッドガイドを作成するため、一緒にリストされる。大半の印刷TVガイドと異なって、チャンネルコラム54は、オーバジエア放送の局名とケーブルサービスの局名が混合している。 【0026】 グリッド24ガイドは、局番号、ケーブル名の好きな組み合わせによってチャンネルをリストしていて、通常の番号順ではリストアップされていない。グリッド24ガイドを見る場合は、チューナアップ/ダウンチャンネルコマンドは、スクリーン上のチャンネル及びリストアップされた順で位置付けられる。ガイドを見ない場合は、チューナ手順は、通常の番号順に返る。ページの最後のチャンネルに行き着くと、次のチューナコマンドがチャンネルを次のページの最初にリストアップされているチャンネルとする。 【0027】 チューナが同調するチャンネルがグリッド24に表示されると、56で示されるように、そのチャンネルはハイライトされる。グリッド24ページは、ページコマンドか、または上述のようにチャンネルアップ/ダウンコマンドを入力することで変えられる。ページがページコマンドを用いて同調される場合、現在のチャンネルは、前ページに配置され、新ページでは見られない。従って、それが現チャンネルを示すので、新ページは、チャンネルのハイライトなしとされなければならない。現チャンネルに関する情報は、スクリーンの底部のチャンネル情報ボックス58にまだ提示されている。 【0028】 ハイライトはいつ再起動されるか?新ページに一旦入ると、第一チャンネルアップ/ダウンコマンドは、チューナを自動的に、新ページの最後または最初の行30にリストアップされているチャンネルへ移動するように作動する。チューナのチャンネルは、新ページに現在配置されているので、現在のチャンネルは、再びハイライトされる。 【0029】 ページが選択された後、チャンネルハイライトが抑圧されていない場合は、定義により、チューナは、ハイライトされたチャンネルを追尾するように変化しなければならない。不用意なページ変更がチャンネル変更をもたらさないためには、これは望ましくない。 【0030】 図2で示されるように、ガイドが初めて開かれたとき、カーソル32及び現在のチャンネル56は、グリッド24の同じ行に配置される。チャンネル56が変更されると、カーソル32は、チャンネルと共に誘引されることが望ましい。これを実現するには、カーソル32は、選択コマンド(番組ノートを呼び出すための)に備えるか、記録コマンドに備えるかする。チャンネルコマンドによるカーソル誘引は、チャンネル56及びカーソル32が同じ行で融合されている場合は常に実行される。これらが融合されていると、カーソル32は、チャンネルコマンドから切り離される。誘引は、相互的ではないことに注意を払う必要がある;カーソル32を移動してもチャンネル選択は影響されない。 【0031】 図7は、グリッド24とリスト58との間でスイッチ選択するためのテープ内容確認コマンドをユーザーにさせることで発生する、単一チャンネルの番組リスト58のスクリーン22を示す。リスト58は、そのチャンネルの一連の番組リストの行60とチャンネル情報フィールド62を含む。番組ノートは、グリッド24に関して図6で示されたと同様な方法でリスト58上に重ねられる。 【0032】 TV内容確認コマンドは、グリッドガイド24と次のチャンネル確認行ガイド58との間で交互に選択される。グリッドガイド24を見ている間は、次のTV内容確認コマンドは、グリッド24を単一チャンネル行ガイド58で置き換える。図8は、TV内容確認コマンドのフローチャートである。 【0033】 二つのガイド24と58との間のページ関係は、緊密に組み合わされている。単一のチャンネルガイドは、グリッド24上のカーソル32により選択されたチャンネルとスケジュール時間とに対して開かれる。単一チャンネルガイド58を見ている間は、アップ/ダウンチャンネルコマンドは、リストアップされているチャンネルを変更するために使用される。単一のチャンネルガイド58が存在し、グリッドガイド24に返るとき、グリッドカーソル32は、単一チャンネルガイド58で選択されたチャンネルとスケジュール時間とを指し示すようになっている。 【0034】 図9及び10は、テレビジョンを見ながらチャンネルの切り替えを行なう場合、現在の番組に関する情報を提供するチャンネルグレージングオーバレイ64および66を示す。オーバレイ64では、チャンネルを走査している場合、チャンネル情報フィールド62中のTVサービスの名前(HBO、ABCその他)、ケーブルチャンネル番号、現在の日付、曜日、および時間と共に、各番組のタイトルが68に重ねられる。オーバレイ64が図6の番組ノート52と類似している番組ノート70を含み、選択されているチャンネルで現在放送中の番組に関連する情報を含むこと除けば、オーバレイ66は、オーバレイ64と類似している。番組ノートへのアクセスは、選択キーを押して可能である。番組ノート70に加えて、経過時間がパーセンテッジで目盛られた時間バー72で示される。バーは、開始を示すS(start)及び完了を示すF(finish)によって囲まれる。デフォールト設定では、タイトルは、チャンネルが走査されたと、自動的に現われる。グレージングタイトルは、取消キーを使用して起動取消される。自動タイトルを回復するには、TVを見ながら選択を押す必要がある。TVを見ながら、タイトル/番組ノートを制御するフローチャートは、図11に示される。 【0035】 緊急記録スクリーン74が、図12に示される。緊急記録スクリーンは、次の情報を含む。 番組タイトル番組の長さ残りのテープ時間記録速度 【0036】 図13は、テープインデックススクリーン76を示す。記録セグメントを捜し当てることは、幾つかの番組がテープに記録されている場合は、ときに大仕事となる。目次無しでは、VCRのユーザーは、テープに何が記録されているか、希望番組が何処から始まっているか、テープが何処にあるかを知ろうとして記録テープを四苦八苦して調べなければならない。高級なVCRのあるものは、各記録の開始位置を自動的に見いだすテープインデックス機能を有している。しかし、視聴者は、記録の開始位置を見いだせる一方、インデックス機能付きVCRは、タイトルの記録はしない。従って正味の結果は、章名のない目次と同程度に有効であるということである。各インデックスで何が記録されているかを見いだすためには、かなりのサーチ動作がまだ必要となる。 【0037】 テープインデックススクリーン76は、仮想のテープディレクトリを提供し、テープ記録の目次に等しい機能をもたらす。記録番組のタイトルのリスト78、番組開始を示すポインタ80、テープの”章”の位置を示す現在位置インジケータカーソル82がある。仮想ディレクトリは、ユーザーがテープに記録するにつれ、オフテープメモリに自動的に編集、訂正及び記憶される。 【0038】 テープ内容確認コマンドは、テープに記録された番組のタイトルを表示する。選択番組のタイトル(テープヘッド上に配置されているテープのセグメント)は、カーソル82によってハイライトされる。テープ位置ポインタ80は、現在のテープ位置をダイナミック追尾する。全てのサーチは、インデックス番号の要求をバイパスして、単純にタイトルでなされる。テープディレクトリは、ページ番号でなく、タイトルを示す目次と等価である。それは、番組のタイトルを単純に指し示すことで、開始ページに対して開かれる。記録番組のテープディレクトリ78に加えて、スクリーン76は、番組期間フィールド84、各タイトルフィールドの記録速度86、テープフィールドで残された時間88、番組フィールドで残された時間90及び次の記録時間フィールド92を含む。 【0039】 仮想テープディレクトリは、以下のように作成される。ビデオテープといった非ランダムアクセス記憶のための効果的な自己完結テープディレクトリを実現することは困難である。ディレクトリがテープの何処に記憶されようと、ディレクトリを捜し当て現在位置へ復帰するための(標準6時間テープでの)回転アクセス時間は、極めてゆっくりした速度であり、6から10分のオーダーである。 【0040】 回転待ち時間を最小にするため、冗長なディレクトリがテープを横断して一様に記録されているとすると、低速の問題は、単に再生から多重ディレクトリの更新に移行したにすぎない。各ビデオ番組が記録されると、テープ全体が各ディレクトリの更新のため走査されなければならない。この更新処理がたとえ自動化されても、テープそしてVCR自身の過剰磨耗の問題が起こる。即ち、各記録は、如何に短くとも、全ディレクトリを改定するために、テープ全体の高速走査を必要とする。 【0041】 更に面倒なのは、VCRの制御がなされる”安全”な期間がないので、更新をいつ実行するかという問題である。例えば、ユーザーは、コマーシャルを回避するためにテープを一時的に停止したいかも知れないが、VCRが勝手に制御をしてしまい、テープを高速の更新モード下に置いてしまうかもしれない。安全な更新は、ユーザー起動でなされる更新である。残念ながら、殆どのVCRユーザーは、各記録時間後、更新の組織化した手順をとってはいない。明かに、既存の技術によるオンテープディレクトリは、十分満足できるものではない。 【0042】 次の革新的な解決策、”仮想テープディレクトリ”は、オフテープメモリにディレクトリ情報を記憶し、オンテープメモリか、ビデオカセットのいかなる形の追加も必要としない。ディレクトリがテープの代わりに外部メモリに保持されるので、それは、最近再生されたり記録されたりしたテープ、”ワーキングテープ”にもっともよく適応する。 【0043】 番組が記録されると、番組のタイトルがテープのデータ(コントロールトラック)チャンネルへ書き込まれ、同時に不揮発性(NV)メモリに記憶される。番組の長さ、テーマカテゴリー、記録データおよびテープ識別といった記録番組に関する他の情報は、データチャンネル及びNVメモリへ書き込まれる。NVメモリは、ワーキングテープ数をサポートするに十分でなければならない。 【0044】 テープが初めてロードされると、テープデータチャンネルが数秒間走査され、テープヘッドの下にある記録番組を識別する。このデータは、NVメモリに記憶されているディレクトリに対して突き合わせがなされる。合致する突き合わせがある場合は、テープ内容確認キーが押されると直ちにワーキングテープのディレクトリが表示される。”仮想”テープディレクトリは、テープから読み取られるように見えるが、実際にはNVメモリから得られる。 【0045】 合致する突き合わせが存在しない場合、テープの新規ディレクトリが作成される。このテープの再生及び記録の期間、仮想ディレクトリが、そのテープのために作成される。新規のワーキングテープが作成されるに従い、使用されないテープのディレクトリは自動的にメモリから押しだされる。 【0046】 クロック及びTVスケジュールの助けにより、スケジュールに合わせてテレビジョン放送された番組の残り時間の概算を得ることは比較的に容易である。対照的に記録番組の再生中の現在位置に関しては殆ど目安がない、特にテープで幾つかの記録セグメントが存在する場合はそうである。テープインデックスカウンタまたは経過時間クロックは、記録セグメントの開始前に入念な設定を必要とする。”番組は終わったかな?”とか”大体いつごろ次の番組セグメントが始まるだろう?”といった”概略”のインジケータが適当である場合、5または6桁の数字をいじりたいと思う消費者は殆どいない。明かに、設定の負担のない位置インジケータを設ける必要がある。 【0047】 テープの相対位置に関する一目瞭然のインジケータを提供するため、オンスクリーンテープ位置ゲージ94が設けらている。テープ位置ゲージ94は、スクリーン76に配置された矢印ポインタ80を持つ垂直バー96を含む。矢印80は、テープが進むか、巻き戻すにつれ、現在のテープ位置を動的に追尾する。 【0048】 ゲージ94は、線形な単位でなく、番組タイトルのラベルを有する各記録セグメント98の単位で目盛付けされている。このようにして、10分の番組や6時間の番組は、セグメント98の幅に応じた垂直単位として表される。しかし、ゲージ94は、各セグメント98内にて線形である。矢印が番組セグメント98の上側25%を示している場合、それはテープヘッドが番組の初めの25%に位置していることを示している。従来の線形ゲージが表示されるとすると、はるかに複雑なゲージが必要となり、明瞭にするどころか返って混乱を引き起こす可能性がある。 【0049】 このようにして、このテープゲージ94は、現在の番組に対して、他の番組やテープに対して、また他の番組のタイトルに対してテープヘッドが何処に位置するかを示すクイック要約指示を提供する。 【0050】 テープインデックススクリーン76は、テープ動作インジケータフィールド100を含む。テープが高速再位置決めを実行しているとき、テープ内容確認(What’s On This Tape:WOT)スクリーン76が表示される。長い番組の高速サーチ中、テープゲージ94は、ゲージは長い番組では相対的に粗いので、休眠しているように見える。テープゲージ94を補助するために、テープインジケータ100が含まれる。高速位置決め期間中、以下のメッセージの一つがツインハブテープアイコン100の上のスペースに表示される:再生(GOPLAY)、記録(GO RECORD)、先送(FORWARDING)、巻戻(REVERSING)、ポーズ(PAUSE)及び停止(STOP)。 【0051】 テープが選択のタイトルに再位置決めされている期間中、再生メッセージが表示される。タイトルに達すると、WOTスクリーン76が再生ビデオによって置き代わる。テープが新規記録が書き込まれる、選択の番組セグメント98へ位置決めされている期間は、記録メッセージが表示される。 【0052】 図14-17は、テーマ機能スクリーン104を示す。テーマ機能により、視聴者は、ダウンロードスケジュールを素早く分類でき、興味のある主題に基づくサブセットスケジュールを表示することが可能である。ユーザーは、主なテーマ別にまず分類され、第二にテーマ内のトピック及びトピッククオリファイアまたはそのいずれかによって分類されたリストを選択する自由がある。テーマ、トピック及びトピッククオリファイアで分類された全ガイドは、行別に表になっているフォーマットに表示され、現在の半時間に最も近接している番組をリストアップすることで開始する。テーマ機能スクリーン104は、次の属性を有す:テーマ回転。各々のテーマタイトルが横方向に配置された選択ボックス106で囲まれている四つのテーマカテゴリーがある。左から右に向かって、これらテーマは、[映画][スポーツ][スペシャル][TV番組]である。 【0053】 図18は、テーマコマンドを定義するフローチャートである。トピック選択。八列で二つのコラムフィールド110に配列された各テーマに付き十六までのトピック108がある。選択テーマの下でいかなるトピック数も選択可能である。トピックは、論理和機能に従い、トピックの定義に合致する各リスト項目が表示される。例えば、映画のテーマの下、コメディ及び風刺のトピックタイトルが選択されると、コメディ映画及び風刺映画の両方のサブセットスケジュールが表示される。デフォールトオール選択。テーマスクリーン104が初めて開かれると、第一スロット(上部最も左のトピック108)がハイライトされる。これはオール機能であり、選択されたテーマのための全トピックの108の総計である。オール機能は、キーを押す動作を最小にするために設けられている。オールトピックカテゴリーがないと、ユーザーは、全16のトピックを個別に起動しなければならない。逆に、ユーザーが全トピックから個別のトピックへ移行したい場合、ユーザーは、カーソルを動かして、残りの15のトピックの各々を選択解除しなければならない。 【0054】 クオリファイア。各テーマは、サーチ属性、即ちクオリファイア112グループを含んでいる。各テーマの106のクオリファイアは、各テーマ106のための図14-17のそれぞれに示される。いかなる数のクオリファイアでも一度に起動できる。これれクオリファイアは、論理和の動作をする;クオリファイアを満足する全てのリスト項目(第一にテーマ及びトピックで分類されている)を表示するように選択される。 【0055】 クオリファイア112は、選択が容易であるように配置される。クオリファイアの選択は、通常のカーソルコマンドを利用してなされる。テーマ106が初めて開かれたとき、ディフォールト設定により、カーソルは、スクリーンの最上部付近に配置されている。カーソルコマンドを最小限に限定するために、クオリファイアもまたスクリーンの最上部付近に配置される。これと対照的に、クオリファイアをスクリーンの最下部に配置すると16キーまでを押す一周のキー動作が必要となる。 【0056】 完全なテーマ分類手法は、次のように定義される:リスト項目=(トピックA+トピックB+その他)*(クオリファイアA+クオリファイアb+その他) これは、クオリファイアAまたはクオリファイアBを満足する全トピックA、プラスクオリファイアAまたはクオリファイアBを満足する全トピックB、他のリストアップをすると解釈される。 【0057】 クオリファイア、トピック、テーマは、関連データベース動作に基づき、スケジュールの論理分類を可能とする。これらの高次の分類を支持するためには、補助的なデータがVCRに提供されなければならない。これと対照的に、時間やチャンネルによる分類といった単純な分類動作は、TVガイドの基本情報にあり補助的なサーチデータを必要としない。 【0058】 テーマスクリーン104を利用するためのキー動作は、次のようになる。TVを見ているとき、第一テーマキーコマンドは、最も左側のテーマ、即ち映画をハイライトし、オープニングテーマスクリーンを呼び出す。テーマコマンドを更に命令すると、テーマ選択が左から右へ回転するようになっている。各テーマスクリーンは、オール(トピック)選択へ初期化されるようになっている。トピック選択のない場合は、選択テーマのオールトピックガイドが、選択/ゴーツウ(Goto)コマンドをおすと直ちに表示される。 【0059】 テーマを単一のトピックで補助的に分類するためには、カーソルキーを希望トピックへ置き、選択/ゴーツウキーを押せばよい。あるトピックへ向かうためには、カーソルを使用する。 【0060】 二つ以上のトピックによって分類するためには、各希望トピック上にカーソルを置き、選択キーを押す。完了すると、多重トピックガイドを表示するために、選択/ゴーツウを押す。 【0061】 一つまたはそれ以上の属性により分類するためには、カーソルを各希望属性上に置き、選択キーを押す。完了すると、テーマ/属性分類TVガイドを呼び出すために、選択/ゴーツウを押す。 【0062】 緊急記録以外の全ての記録は、図4の記録メモスクリーン16で制御される。記録メモスクリーン16は、記録メモキーでアクセス可能である。記録メニューキーを押すと、横方向に配列された選択ボックス114により囲まれた次のタイトルがオープニングスクリーンの最上部に表われる。左から右へ向かって、 【0063】 [予定[記録済み[リンク済み[オングリッド記録]番組]タイトル]番組] 【0064】 各記録メモキーコマンドは、新規の選択をハイライトし、左から右に向かって回転し、最も右側の位置からは予定記録へ飛ぶ。図19は、記録メモコマンドを定義するフローチャートである。 【0065】 図20は、チャンネルカスタム化スクリーン116を示す。スクリーン116により、ユーザーは、チャンネルを興味に合わせカスタム化でき、リストをコンパクトにでき、アップダウン走査中の必要のないチャンネルを除去できる。スケジュール更新中に、加入者ケーブルシステム(またはオーバジエア加入者のための放送局)で利用可能な全てのケーブルチャンネルのリストがVCRに入力される。このチャンネルの完全な省略のないセットは、スクリーン116を使用してカスタム化できる。 【0066】 チャンネルカスタム化スクリーン116は、二つのフィールドを有し、三つのコラムを有すフィールド118は、36までのチャンネルを省略することなしにリストアップし、単一のコラムを有すフィールド120は、12の好きなマイ(MY)チャンネルをリストアップする。後者は、オープニンググリッドガイドのチャンネル記述子コラム122(図1)の複製である。36チャンネルより多数のチャンネルを有するシステムを収容するために(ページ間のスワッブを実行するためのページキーを使用して)、付加ページが利用できる。三コラムフィールド118内の各セル124は、以下の情報を有す:チャンネル番号及び番組サービス名(例えば、HBOやKTVU局2)。セル124は、次の状態を示すためにカラーコード化されている: 【0067】 オン、セル124は、薄緑のバックグラウンドで、いかなるカスタム化も実行されていないディフォールト状態である。マイ(MY)、単一コラムフィールド120に好きなチャンネルがリストアップされ、三コラムフィールド118は青のバックグラウンドで表示される。オフ、全ガイドから抹消されたチャンネル、チャンネルアップ/ダウン中のチャンネル(テンキーチャンネルパッドを用いてまだアクセス可能である)。オフセルは、灰色のバックグラウンドである。 【0068】 初めての装備のとき、システムは、初めの12(番号順にリストアップ)チャンネルをMY好きなチャンネルとして割り当てる。チャンネル状態は、チャンネルを変更することで変更でき、選択キーを使用してマイ、オン及びオフの状態を選択できる。 【0069】 12の好きなチャンネルが許されるだけなので、ユーザーは、既存の好きなチャンネルの状態をオフ又はオンとすることで好きなチャンネルを除去できる。これがなされると、第一コラムは、自動的に次のMY選択のためのスペースを開けることになる。新規のMYが選択されるとMYコラム120は、自動的に新規選択をあらかじめ決められた順で挿入する。MY好きなチャンネルコラム120にリストアップされる順は、以下のようになる: 【0070】 全ての好きな放送局がまず番号順にリストアップされる。次に、全てのケーブルサービスがアルファベット順にリストアップされる。前のサービスに置き代わる新規ケーブルサービスは、前の状態で挿入される。例:そのチャンネルがMYとすると、新規サービスもMYとなる。しかし、新チャンネルに表われた新ケーブルサービスは、オンとして初期設定される。 【0071】 図21は、スケジュールシステムのリモートコントローラー用のフロントパネル130を示す。フロントパネル130の上半分は、テレビジョンセット及びVCR用の従来のリモートコントローラーに対応する。ここに含まれるのは、各キーが第二機能と数値機能を有す二重機能テンキーのキーパッド132、TV/VCR選択キー134、ボリューム及びチャンネルアップ/ダウンキー136及びVCRコントロールキー138である。フロントパネル130の下半分は、スケジュールシステムに固有のコントロールキーを含む。ここに含まれているのは、テープ内容確認キー140、TV内容確認キー142、テーマキー144、記録メモキー146、記録キー148、リンクキー150、ヘルプ/メニューキー152、選択/ゴーツウキー154、左、右、アップ、ダウンおよびカーソルキー156、リターンTV/VCRキー158及び取消/復元キー160がある。これらのキーの使用法は、既に説明済みかラベルより明白であろう。 【0072】 図22及び23は、テレビジョンスケジュールシステム/テープコントローラー180及び182のブロックダイヤグラムであり、ここでユーザーインタフェースが使用される。スケジュールシステム/コントローラー180は、既存のテレビジョン装置に応用でき、そこでは基本的なテレビジョン装置からスケジュールシステムは切り離される。プログラマブルチューナ202は、ケーブルデコーダの部分として示されている。スケジュールシステム/コントローラー182は、図示のようにVCR211へ組み込まれている。このバージョンでは、ケーブルデコーダは、必要ではなく、チューナ207は、VCR211の部分を構成している。これれ二つのシステム180及び182から、スケジュール/テープコントローラーは、ケーブルデコーダまたはTV/モニター受信機のように他のテレビジョン装置へ組み込むことが可能であることが明かである。リモートコントローラ-212へLCDスクリーンといったテキスト表示部を付加することで、リモートコントローラーへスケジュール/テープコントローラー全体を組み込むことも可能である。 【0073】 システム180では、ケーブルデコーダユニットの部分を構成するプログラマブルチューナは、TV信号をアンテナ200及びケーブル入力部205またはいずれかより受信する。チューナ出力216は、字幕デコーダあるいは高速テレテキストデコーダである垂直ブランキングインターバル(VBI)デコーダ222に向かう。リスト情報やケーブルチャンネル割当データといった他の支持情報が、一つかそれ以上のローカル局またはケーブルチャンネルにより一日数回または連続的にVBIへ送信される。 【0074】 更新が必要な場合、プログラマブルチューナ202は、データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調する。VBI信号がCPU228によって処理された後、リストデータは、スケジュールメモリ232へ記憶される一方、ケーブルチャンネル割当データは、ケーブル指定のRAMメモリ238へ記憶される。このデータは、HBOといった一般的なTVソース名を特定のケーブルシステムのチャンネル割当へ変換する。 【0075】 スケジュール/テープコントローラー180へ伝送され、システムRAMメモリ240へ記憶されるその他の情報は、システムクロック230を自動的にセットするためのクロック更新データ、一日一度の送信から連続的に送信されるフォーマットまであるスケジュール更新時間、新規テーマカテゴリー及び最終スケジュール変更データがある。 【0076】 TV内容確認要求に関して、スケジュールメモリ232に記憶されているリストが呼び出され、CPU228で処理され、ビデオ表示発生器224へ出力される。ビデオスイッチャー226は、CPU出力246により起動され、スケジュールデータがTV/モニター210へ表示されると常にビデオ表示発生器224の出力を選択する。 【0077】 番組を時間シフトして記録する要求がなされた場合、番組のタイトル及びその記録パラメータ(チャンネル、開始時間及び長さ)は、スケジュールメモリ232から記録メモRAMメモリ236へコピーされる。システムクロック230が、スケジュール時間と一致すると、CPU228は、チャンネルコマンドをケーブルデコーダ202のプログラマブルチューナへ、パワーオン及び記録コマンドをVCR206へ、これら両装置の赤外線入力ポートに向けられている赤外線リモートドライバ214によって、転送する。VCRに組み込まれたバージョン182では、チューナ207へのコマンドは、ケーブルバス264によりなされる。 【0078】 オンスクリーンスケジュールからタイトルを選択することでなされるプログラムに加えて、VCR206及び211並びにケーブルデコーダ202または207をリモートコントローラー212でプログラムすることもまた可能である。このモードでは、プログラム情報は、リモートコントローラー212に入力され、必要なときに、リモートコントローラー212は、適当なTV装置へプログラム情報を伝送する。プログラム機能を有す多くのユニバーサルリモートコントローラーがあるが、その一方で、ユーザーが局名及びケーブルチャンネル名といった総称を入力できるものは存在せず、VCRまたはケーブルデコーダに同調させるためにCPUに名前を特定のチャンネルに変換させている。これは、CPU228及びリモートコントローラー212中のケーブル指定RAM238を備えることによって実現している。 【0079】 リモートコントローラー212及び赤外線リモートドライバ214は、ケーブルデコーダ202及びVCR206によって要求される赤外線コマンド命令をエミュレートすることが可能である。リモートドライバ214のためのコマンドエミュレーションコードはケーブルデコーダIFRコードRAM/ROMメモリ239に記憶される。よく普及しているケーブルデコーダ及びVCRのコマンドは、ROMにプリプログラムされている。これに替えて、オリジナルのリモートコントローラーの赤外線コマンドは、IFR入力受信部264にコントローラーを向けて、CPU228によって処理後、RAMメモリ239にコマンドコードを記憶することによって、学習することができる。この処理は、ユニバーサルリモートコントローラーの技術でよく知られており、ここで詳述の必要はない。 【0080】 図22に示されるように、VCR206及びケーブルデコーダ202は、リモートコントローラー212により手動で制御することができ、また赤外線リモートドライバ214により自動で制御することも可能である。記録中は、VCR206のテープインデックス位置は、CPU228へコントロール/データバス270により伝送される。この開始アドレス情報は、番組タイトルと共にテープディレクトリRAMメモリ234へ記憶される。このバス270は、また、記録、再生、チューナ選択及びパワーオン/オフを含むその他の機能のためのVCRコントロールコマンドを伝送する。 【0081】 番組が一旦記録されると、そのタイトル及び番組の他の情報が記録メモRAMメモリ236の部分へ記憶される。記録番組を再生するため、テープ内容確認要求により、テープの記録番組のディレクトリが表示される。番組がこのディレクトリから再生のために選択されると、テープは、テープディレクトリRAMメモリ234で指定されるテープインデックス位置に向け高速送りされるか巻き戻しされる。 【0082】 システム182では、スケジュール/テープコントローラー220は、VCR211へ埋め込まれている。VCRテープ機構252は、プログラマブルチューナ207を除くビデオレコーダの全ての記録及び再生の電子回路を含む。テープのコントロールトラック上に記録されたデータは、入力バス258及び出力バス256によりCPU228へ接続される。コントロールトラック上の記録データに関する技術は、例えば、インデクシング機能を有す最近のVCRでよく知られている。VCR211へのCPU228のコマンドは、バス254に伝送される。スケジュール情報が表示されるとき、ビデオスイッチャーコントロール入力246は、ライン218上の表示発生器を選択する。その他の時間には、ビデオスイッチャー226は、ライン250上のVCR機構252の出力を選択する。 【0083】 スケジュール情報は、VBIからダウンロードされる。これに替えて、またはこれに補助的に、通信回線270からモーデム268及びライン266によりCPU228へダウンロードすることも可能である。ケーブルサービスのサブキャリァーチャンネルの利用を含む、スケジュール情報を伝送する他の手段を利用してもよい。 【0084】 本発明の既に述べた目的を達成可能な新規なユーザーインタフェースを実現するシステム及び方法が得られることは、当業者にとっては容易に理解できよう。ユーザーインタフェースは、テレビジョンスケジュール情報の固有の性質を補償するように構成される。ユーザーインタフェースは、テレビジョンスケジュール情報の不規則なフォーマットを補償するようなカーソル動作が可能である。ユーザーインタフェースは、テレビジョン表示部の解像度の制限を補償するようなフォーマットでスケジュール情報を提示する。ユーザーインタフェースは、他の有効な情報を最小限に遮るようなオーバレイに補助的なスケジュール情報を提示する。インタフェースのスケジュール情報の提示順序は、ユーザーの好みによってカスタム化することが可能である。以上図示され、説明した本発明の構成及び詳細の種々の変形は容易であることは当業者には容易に理解できよう。そのような変形は、添付の請求の範囲に述べられている精神と範囲に収まることは留意されなければならない。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明によるシステム及び方法のためのユーザーインタフェースを実現したテレビジョンスケジュールグリッドの概略図である。 【図2】本発明によるシステム及び方法のためのユーザーインタフェースを実現したテレビジョンスケジュールグリッドの概略図である。 【図3】本発明によるシステム及び方法のためのユーザーインタフェースを実現したテレビジョンスケジュールグリッドの概略図である。 【図4】本発明のシステム及び方法で使用されたスクリーン表示の概略図である。 【図5】本発明によるシステム及び方法のためのユーザーインタフェースを実現したテレビジョンスケジュールの補助概略図である。 【図6】本発明によるシステム及び方法のためのユーザーインタフェースを実現したテレビジョンスケジュールの補助概略図である。 【図7】本発明によるシステム及び方法のためのユーザーインタフェースを実現したテレビジョンスケジュールの補助概略図である。 【図8】図7の動作の理解のためのフローチャートである。 【図9】本発明のシステム及び方法で使用されたスクリーン表示の補助概略図である。 【図10】本発明のシステム及び方法で使用されたスクリーン表示の補助概略図である。 【図11】図9-11の図の動作の理解のためのフロチャートである。 【図12】本発明によるシステム及び方法のためのユーザーインタフェースのテープ編成およびテープインデックススクリーン表示の概略図である。 【図13】本発明によるシステム及び方法のためのユーザーインタフェースのテープ編成およびテープインデックススクリーン表示の概略図である。 【図14】本発明によるシステム及び方法のためのユーザーインタフェースのカテゴリースクリーン表示による番組選択の概略図である。 【図15】本発明によるシステム及び方法のためのユーザーインタフェースのカテゴリースクリーン表示による番組選択の概略図である。 【図16】本発明によるシステム及び方法のためのユーザーインタフェースのカテゴリースクリーン表示による番組選択の概略図である。 【図17】本発明によるシステム及び方法のためのユーザーインタフェースのカテゴリースクリーン表示による番組選択の概略図である。 【図18】図14-18の図の動作の理解のためのフローチャートである。 【図19】図20の図の動作の理解のためのフローチャートである。 【図20】図20は、本発明によるシステム及び方法のためのユーザーインタフェースのチャンネルスクリーン表示のカスタム化の概略図である。 【図21】本発明のシステムのコントロールパネルの概略平面図である。 【図22】本発明のテレビジョンスケジュールムシステムのブロック図である。 【図23】本発明によるテレビジョンスケジュールシステムのブロック図である。 【図24】番組リンクを示すスクリーン表示の概略図である。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2009-05-20 |
結審通知日 | 2010-06-04 |
審決日 | 2009-06-10 |
出願番号 | 特願2000-321391(P2000-321391) |
審決分類 |
P
1
123・
832-
XA
(H04N)
P 1 123・ 851- XA (H04N) |
最終処分 | 審決却下 |
前審関与審査官 | 松尾 淳一、西谷 憲人、藤内 光武、豊島 洋介 |
特許庁審判長 |
乾 雅浩 |
特許庁審判官 |
奥村 元宏 小池 正彦 |
登録日 | 2004-09-24 |
登録番号 | 特許第3600149号(P3600149) |
発明の名称 | テレビジョン番組リストのユーザーインタフェース |
復代理人 | 大塩 竹志 |
代理人 | 森下 夏樹 |
代理人 | 山本 秀策 |
代理人 | 森下 夏樹 |
復代理人 | 大塩 竹志 |
代理人 | 安村 高明 |
代理人 | 山本 秀策 |
代理人 | 安村 高明 |