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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1226985
審判番号 不服2008-3330  
総通号数 133 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-01-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-02-13 
確定日 2010-11-11 
事件の表示 平成 9年特許願第297158号「シリコン半導体基板及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 5月21日出願公開、特開平11-135511〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成9年10月29日の出願であって、平成19年4月9日付けで手続補正がなされ、平成20年1月8日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、同年2月13日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、同年3月14日付けで手続補正がなされ、その後当審において、平成22年5月28日付けで審尋がなされ、同年8月2日に回答書が提出されたものである。

2.平成20年3月14日付けの手続補正についての補正却下の決定
【補正却下の決定の結論】
平成20年3月14日付けの手続補正を却下する。

【理由】
(1)補正の内容
平成20年3月14日付け手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の請求項1を補正するとともに、請求項4を削除するものであって、その補正前の請求項1及び補正後の請求項1は各々以下のとおりである。

(補正前)
「【請求項1】 シリコン半導体基板の表面酸化膜を1nm以下にする段階の後、
表面酸化膜が1nm以下のシリコン半導体基板を不純物含有量が5ppm以下希ガス雰囲気中で1000℃以上1300℃以下の温度範囲で1時間以上熱処理する半導体基板の製造方法。」

(補正後)
「【請求項1】 1nm以下の酸化膜をシリコン半導体基板の表面に形成する段階の後、
シリコン半導体基板の炉内へ挿入時に雰囲気の純度の劣化を防ぐため、熱処理炉炉口にパージボックスを設け、挿入時に希ガスでパージを行い、炉口の雰囲気中の不純物濃度を5ppm以下にする半導体基板の製造装置を用いて、前記酸化膜が形成されたシリコン半導体基板を不純物含有量が5ppm以下希ガス雰囲気中で1000℃以上1300℃以下の温度範囲で1時間以上熱処理することを特徴とする、半導体基板の製造方法。」

(2)補正事項の整理
本件補正における補正事項を整理すると、以下のとおりである。

(補正事項a)
補正前の請求項1の「シリコン半導体基板の表面酸化膜を1nm以下にする段階の後、」を、補正後の請求項1の「1nm以下の酸化膜をシリコン半導体基板の表面に形成する段階の後、」と補正すること。

(補正事項b)
補正前の請求項1の「表面酸化膜が1nm以下のシリコン半導体基板を」の前に、「シリコン半導体基板の炉内へ挿入時に雰囲気の純度の劣化を防ぐため、熱処理炉炉口にパージボックスを設け、挿入時に希ガスでパージを行い、炉口の雰囲気中の不純物濃度を5ppm以下にする半導体基板の製造装置を用いて、」という事項を追加すること。

(3)新規事項追加の有無及び補正の目的の適否についての検討
(3-1)補正事項aについて
(3-1-1)補正後の請求項1の「1nm以下の酸化膜をシリコン半導体基板の表面に形成する」とは、シリコン半導体基板表面に新たに酸化膜を形成すること(下線は、当合議体において、特に重要と思われる箇所に付与したものである。以下同じ。)を意味するものと理解されるところ、本願明細書には、「【0012】 この基板表面の酸素濃度は基板表面に酸化膜がない方が低下量が大きい。・・・従って、熱処理前に自然酸化膜などの酸化膜を除去し、ウエハ表面全面の酸化膜を1nm以下とした後に熱処理をすることにより欠陥の低減量を大きくすることができる。」と記載されており、補正後の請求項1の「1nm以下の酸化膜をシリコン半導体基板の表面に形成する」ことは、本願の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載されておらず、また、本願の当初明細書等の記載から自明な事項でもなく、本願の当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係においても、新たな技術的事項を導入するものである。
したがって、補正事項aは、本願の当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではないから、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第3項(以下「特許法第17条の2第3項」という。)に規定する要件を満たしていない。

(3-1-2)本願明細書の「【0012】 この基板表面の酸素濃度は基板表面に酸化膜がない方が低下量が大きい。・・・従って、熱処理前に自然酸化膜などの酸化膜を除去し、ウエハ表面全面の酸化膜を1nm以下とした後に熱処理をすることにより欠陥の低減量を大きくすることができる。」という記載から、補正前の請求項1の「シリコン半導体基板の表面酸化膜を1nm以下にする段階」とは、シリコン半導体基板表面上にすでに存在する自然酸化膜などの酸化膜を除去することにより膜厚を減少させることを意味するものと理解されるところ、補正後の請求項1の「1nm以下の酸化膜をシリコン半導体基板の表面に形成する」ことは、上述のように、シリコン半導体基板表面に新たに酸化膜を形成することを意味するものと理解され、両者は相異なるものであるから、補正前の請求項1の「シリコン半導体基板の表面酸化膜を1nm以下にする段階の後、」を、補正後の請求項1の「1nm以下の酸化膜をシリコン半導体基板の表面に形成する段階の後、」と補正することは、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項(以下「特許法第17条の2第4項」という。)第2号に掲げられた特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当せず、また、同法第17条の2第4項第1号、第3号、第4号に掲げる請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明を目的とするものにも該当しないから、特許法第17条の2第4項に規定する要件を満たしていない。

(3-2)補正事項bについて
補正事項bは、補正前の請求項1に係る発明に、「シリコン半導体基板の炉内へ挿入時に雰囲気の純度の劣化を防ぐため、熱処理炉炉口にパージボックスを設け、挿入時に希ガスでパージを行い、炉口の雰囲気中の不純物濃度を5ppm以下にする半導体基板の製造装置を用いて、」という新たな発明特定事項を付加するものであり、補正前の請求項1に係る発明を特定するためのいずれの事項を限定するものであるとも認められないので、特許法第17条の2第4項第2号に掲げられた特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当せず、また、同法第17条の2第4項第1号、第3号、第4号に掲げる請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明を目的とするものにも該当しないから、特許法第17条の2第4項に規定する要件を満たしていない。
なお、請求人は、平成20年5月15日付け手続補正書(方式)において、「本願発明は、平成20年3月14日付で提出された手続補正書により補正致しましたが、その主に補正した内容及び当該補正が願書に最初に添付した明細書(以下、単に「当初明細書」と称する)に記載した事項の範囲内である理由について以下に説明したします。
平成19年4月9日付の手続補正書による補正後の請求項4の発明特定事項を補正後の請求項1に直列的付加した補正を行ないました。
かかる補正は、実質的には請求項1の削除補正であるため特許法17条の2第4項の要件を満たすものであり、さらには請求項の削除は17条の2第3項の要件も具備するものであります。」と主張する。
しかしながら、平成19年4月9日付の手続補正書による補正後の特許請求の範囲(以下「拒絶査定時の特許請求の範囲」という。)において、請求項1を削除すると、補正後の特許請求の範囲は、平成19年4月9日付の手続補正書による補正後の請求項1(以下「拒絶査定時の請求項1」という。請求項2以降についても同じ。)を引用する請求項2で特定される「半導体基板の製造方法」(以下「新請求項1」という。)、拒絶査定時の請求項1を引用する請求項3で特定される「半導体基板の製造方法」(以下「新請求項2」という。)、前記「新請求項1」、「新請求項2」を引用する拒絶査定時の請求項4で特定される「半導体基板の製造装置」(以下「新請求項3」という。)及び前記「新請求項1」、「新請求項2」を引用する拒絶査定時の請求項5で特定される「半導体基板」(以下「新請求項4」という。)から構成されることとなり、平成20年3月14日付の手続補正書による補正後の請求項1(以下「審判請求時の請求項1」という。請求項2以降についても同じ)に該当するものは存在しない。したがって、本件補正は、拒絶査定時の請求項1を削除する補正であるとはいえない。
また、仮に、拒絶査定時の請求項4の発明特定事項を拒絶査定時の請求項1に直列的付加」するということが、拒絶査定時の請求項1を削除し、拒絶査定時の請求項1を引用する拒絶査定時の請求項4を独立請求項とすることを意味するものとすれば、当該独立請求項に係る発明は、拒絶査定時の請求項4に記載された発明と同じ「半導体基板の製造装置」という「物」の発明となるところ、審判請求時の請求項1は「半導体基板の製造方法」という「方法」の発明であるから、両者は、発明のカテゴリーが異なる。してみれば、本件補正は、実質的にみても拒絶査定時の請求項1を削除する補正であるとはいえない。
したがって、請求人の前記主張は採用することができない。

(4)補正の却下についてのむすび
本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第3項及び第4項の要件を満たしておらず、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明
平成20年3月14日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし5に係る発明は、平成19年4月9日付けの手続補正により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定されるとおりのものであって、そのうちの請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される上記2.(1)の補正前の請求項1として記載したとおりのものである。

4.引用刊行物に記載された発明
(1)原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に日本国内で頒布された特開平5-299413号公報(以下「引用刊行物」という。)には、以下の事項が記載されている。

「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、良質な半導体基板を形成する工程を有する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、CZ(チョクラルスキ-)法等の成長法を用いて、単結晶のシリコンを形成していた。
【0003】しかしながら、このような方法によって得られたシリコンには、10^(18)cm^(-3)程度の酸素が含まれており、この酸素により半導体装置の各種特性が悪影響を受けるという問題があった。例えば、このようなシリコンで構成されたシリコン基板の表面に形成された熱酸化膜に、10^(6 )V/cm程度の高電界を印加すると、一定の確率で絶縁破壊を起こす。この原因は、シリコン基板の表面近傍に存在する酸素析出物であることが知られている。
【0004】そこで、シリコン基板に高温熱処理を施して酸素析出物を除去する方法が提案された。この方法は、熱処理容炉に単結晶のシリコン基板を収容した後、シリコン表面に酸化膜、窒化膜等の半導体化合物の被膜が形成されないアルゴン等のガス雰囲気中で、上記シリコン基板に1000℃?1200℃程度の高温熱処理を数時間ほど施すというものである。この高温熱処理によって、基板中の格子間酸素が、外方拡散して基板表面から外部へ離脱したり、還元したりするので、基板表面近傍の酸素析出物を除去できる。」
「【0012】
【実施例】以下、図面を参照して実施例を説明する。図1は、本発明の第1の実施例に係る熱処理装置の概略構成図である。
【0013】熱処理炉1は、単結晶のシリコン基板10を高温熱処理するための容器で、熱加熱ヒ-タ(不図示)によって加熱されるようになっている。熱処理炉1の上部にはガス導入管5が設けられており、一方、下部にはガス排気管6が設けられている。ガス導入管5は高純度アルゴンガス源(不図示),高純度酸素ガス源(不図示)に繋がっており、それぞれのガス源のガスは、バルブ3,4の開閉により選択的に熱処理炉1に導入することができる。次に上記の如きに構成された熱処理装置を用いたシリコン基板10の熱処理方法を説明する。
【0014】先ず、バルブ4を閉じた後、バルブ3を開けて、水分等の不純物含有量が0.1ppm以下、流量が20リットル/分の高純度アルゴンガスをガス導入管5を介して熱処理炉1内へ導入する。この高純度アルゴンガスはガス排気管6を介して外部に排気され、これにより熱処理炉1内の水分などを除去する。なお、熱処理炉1内の圧力は常圧である。この後、図2に示すように熱処理炉1内の温度を制御する。即ち、まず、常圧のまま熱処理炉1内の温度を700℃に保持した後、熱処理炉1内の中央部にシリコン基板10を搭載した支持台2を設置する。
【0015】次に上記工程に伴って熱処理炉1内に混入した酸素ガス,水分などを高純度アルゴンガスと置換するために、常圧で30分間ほど700℃のまま放置する。こ常圧での後、熱処理炉1内の温度を1200℃まで昇温し、この状態を60分間ほど保持し、シリコン基板10の表面近傍の酸素析出物を除去する。なお、ここでは、酸素析出物を除去するために、熱処理炉1内の温度を1200℃に設定したが、900℃上であれば、酸素析出物の除去は可能である。
【0016】次に常圧のまま熱処理炉1内の温度を700℃まで降温した後、バルブ3を閉じる。次いでバルブ4を開けて、水分等の不純物含有量が0.1ppm以下,流量が20リットル/分の高純度酸素ガスを熱処理炉1内に導入する。このときの熱処理炉1内の圧力も常圧である。そして、この状態を30分間ほど保持することにより、酸素析出物が除去されたシリコン基板10の表面に厚さ0.5nm程度のシリコン酸化膜を形成する。最後に、700℃以下の温度で熱処理炉1内から支持台2及びシリコン基板10を取り出す。
【0017】以上の方法により得られたシリコン基板10を観察したところ、その表面には微小な起伏すらなく、非常に平坦であった。しかも、酸素析出物も完全に除去されていた。このような良質な単結晶のシリコン基板10が得られたのは次のように説明される。」
「【0022】また、基板表面の起伏発生を防止するために、高温熱処理の前に基板表面に酸化膜を形成する方法も考えられるが、この方法では、高温熱処理の目的である基板表面の酸素析出物の除去が妨げられる。図4はそのことを表している基板表面からの深さと酸素析出物密度との関係を示す特性図である。基板温度は1200℃である。」

(2)そうすると、引用刊行物には、以下の発明(以下「刊行物発明」という。)が記載されているものと認められる。

「水分等の不純物含有量が0.1ppm以下の高純度アルゴンガスが導入された熱処理炉1内にシリコン基板10を搭載した支持台2を設置し、熱処理炉1内の温度を1200℃まで昇温し、この状態を60分間ほど保持する半導体装置の製造方法。」

5.対比・判断
(1)刊行物発明の「シリコン基板10」、「水分等の不純物含有量が0.1ppm以下の高純度アルゴンガス」及び「半導体装置の製造方法」は、各々本願発明の「シリコン半導体基板」、「不純物含有量が5ppm以下希ガス」及び「半導体基板の製造方法」に相当する。

(2)刊行物発明の「熱処理炉1内の温度を1200℃まで昇温し、この状態を60分間ほど保持する」ことは、本願発明の「1000℃以上1300℃以下の温度範囲で1時間以上熱処理する」ことに相当する。

(3)そうすると、本願発明と刊行物発明とは、
「シリコン半導体基板を不純物含有量が5ppm以下希ガス雰囲気中で1000℃以上1300℃以下の温度範囲で1時間以上熱処理する半導体基板の製造方法。」である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点)本願発明では、「シリコン半導体基板の表面酸化膜を1nm以下にする段階の後、表面酸化膜が1nm以下のシリコン半導体基板を・・・熱処理する」のに対し、刊行物発明では、「熱処理炉1内にシリコン基板10を搭載した支持台2を設置し、熱処理炉1内の温度を1200℃まで昇温」する前に、「シリコン基板10」の「表面酸化膜を1nm以下にする段階」を含むかどうかが明らかでない点。

(4)以下、上記相違点について、検討する。
引用刊行物の「【0014】・・・常圧のまま熱処理炉1内の温度を700℃に保持した後、熱処理炉1内の中央部にシリコン基板10を搭載した支持台2を設置する。 【0015】・・・熱処理炉1内の温度を1200℃まで昇温し、この状態を60分間ほど保持し、シリコン基板10の表面近傍の酸素析出物を除去する。・・・【0016】・・・熱処理炉1内の温度を700℃まで降温した後、・・・高純度酸素ガスを熱処理炉1内に導入する。・・・そして、この状態を30分間ほど保持することにより、酸素析出物が除去されたシリコン基板10の表面に厚さ0.5nm程度のシリコン酸化膜を形成する。」という記載から、1200℃での熱処理を行う前のシリコン基板10には、表面酸化膜が存在しないか、仮に存在しても、その厚さは0.5nmよりも薄いものと認められる。
そして、引用刊行物の「【0022】また、基板表面の起伏発生を防止するために、高温熱処理の前に基板表面に酸化膜を形成する方法も考えられるが、この方法では、高温熱処理の目的である基板表面の酸素析出物の除去が妨げられる。・・・」という記載から、高純度アルゴンガス雰囲気中での高温熱処理時に、シリコン基板10の表面に酸化膜の存在することが望ましくないことは明らかであり、また、本願発明において「表面酸化膜を1nm以下にする」ことに当事者の予測を超えた臨界的意義を認めることはできず、単なる設計事項であるから、引用発明において、1200℃での熱処理を行う前のシリコン基板10に自然酸化膜等の表面酸化膜が存在した場合に、これを1nm以下にする工程を付加することにより、本願発明のように、「シリコン半導体基板の表面酸化膜を1nm以下にする段階の後、・・・熱処理する」構成とすることは、当業者が必要に応じて適宜なし得たことである。
よって、上記相違点は、当業者が容易に想到し得た範囲に含まれる程度のものである。

(5)まとめ
以上、検討したとおり、本願発明と刊行物発明との相違点は、当業者が容易に想到し得た範囲に含まれる程度のものにすぎず、本願発明は、引用刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

6.むすび
以上のとおりであるから、本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶するべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-09-07 
結審通知日 2010-09-14 
審決日 2010-09-27 
出願番号 特願平9-297158
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
P 1 8・ 57- Z (H01L)
P 1 8・ 561- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 加藤 浩一  
特許庁審判長 橋本 武
特許庁審判官 近藤 幸浩
小野田 誠
発明の名称 シリコン半導体基板及びその製造方法  
代理人 八田国際特許業務法人  

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