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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 C12N |
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管理番号 | 1227894 |
審判番号 | 不服2007-24257 |
総通号数 | 133 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-01-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2007-09-03 |
確定日 | 2010-12-02 |
事件の表示 | 特願2006-194963「低及び中間コンダクタンスのカルシウム活性化されたカリウムチャネル及びその使用」拒絶査定不服審判事件〔平成18年11月30日出願公開,特開2006-320333〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本願は,1997年9月10日(パリ条約による優先権主張1996年9月11日,1997年3月7日及び1997年4月17日,米国)を国際出願日とする出願(特願平10-513828号)をし,これを分割してその一部につき新たな特許出願(特願2003-292590号)をし,さらに,これを分割して平成18年7月14日に新たな特許出願をしたものであって,平成19年6月1日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,平成19年9月3日に拒絶査定に対する審判請求がなされたものである。そしてその請求項に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,以下のとおりのものである。 「【請求項1】 カルシウム-活性化されたカリウムチャネルのモノマーをコードする単離された核酸であって,ここで,該核酸は,本願明細書に記載される配列のような核酸であり,該モノマーが, i.40?80KDaの計算された分子量を有し; ii.前記モノマーが,カリウムチャネルの機能的ポリマー形で存在し,そしてキセノパス卵母細胞において発現される場合,2?60pSの単位コンダクタンスを有する, 核酸を用いた化合物のアッセイ方法。」 2.原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由の1つは,この出願は,特許請求の範囲の記載が,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないというものであり,拒絶査定の備考には,「請求項1の核酸について,「カリウムチャネルのモノマー」が明細書に記載される配列で特定されたが,明細書に記載された配列のうちどの配列番号であるか不明であるから,依然として核酸の特定が不十分である。」と記載されている。 3.当審の判断 本願発明における,「本願明細書に記載される配列のような核酸」が明確であるか検討する。 本願明細書には,配列表に配列番号1?48の配列が記載されている。 このうち,配列番号1のものなどはアミノ酸配列であるから,「本願明細書に記載される配列のような核酸」における配列に該当しないのか,それとも,核酸が該アミノ酸配列をコードしているという意味で,「本願明細書に記載される配列のような核酸」における配列に該当するのか明らかでない。また,配列番号5のものなどは,「本願明細書に記載される配列のような核酸」に該当するものであるにも関わらず,24塩基からなるような短い配列であり,40?80KDaの計算された分子量を有し,カリウムチャネルの機能的ポリマー形で存在し,そしてキセノパス卵母細胞において発現される場合,2?60pSの単位コンダクタンスを有するカルシウム-活性化されたカリウムチャネルのモノマーをコードしないものであって,明らかに矛盾する不明瞭な記載となっている。 また,本願明細書には,具体的な配列の記載がない配列,例えば,段落0272に記載される,(Genbank #M62043)の配列,段落0274に記載される,N-及びC-末端ドメイン内の配列などの「配列」も記載され,なおさらのこと,「本願明細書に記載される配列のような核酸」は明確とはいえない。 本願明細書には,配列表に配列番号1?48の配列が記載されているのであるから,そのいずれに関して特許を受けようとしているのか,配列番号により容易に特定し記載できるにもかかわらず,請求人はそのような特定をしなかったものである。そして,明らかに特許を受けようとする発明とは関連のない配列も含む「本願明細書に記載される配列」の記載から,特許を受けようとする発明が明確であるとは到底いえない。 4.むすび 以上のとおり,本願は特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2010-07-06 |
結審通知日 | 2010-07-07 |
審決日 | 2010-07-22 |
出願番号 | 特願2006-194963(P2006-194963) |
審決分類 |
P
1
8・
537-
Z
(C12N)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 六笠 紀子 |
特許庁審判長 |
平田 和男 |
特許庁審判官 |
加々美 一恵 鵜飼 健 |
発明の名称 | 低及び中間コンダクタンスのカルシウム活性化されたカリウムチャネル及びその使用 |
代理人 | 佐藤 利光 |
代理人 | 刑部 俊 |
代理人 | 春名 雅夫 |
代理人 | 山口 裕孝 |
代理人 | 春名 雅夫 |
代理人 | 川本 和弥 |
代理人 | 山口 裕孝 |
代理人 | 清水 初志 |
代理人 | 清水 初志 |
代理人 | 大関 雅人 |
代理人 | 川本 和弥 |
代理人 | 小林 智彦 |
代理人 | 刑部 俊 |
代理人 | 渡邉 伸一 |
代理人 | 新見 浩一 |
代理人 | 井上 隆一 |
代理人 | 大関 雅人 |
代理人 | 渡邉 伸一 |
代理人 | 新見 浩一 |
代理人 | 小林 智彦 |
代理人 | 佐藤 利光 |
代理人 | 井上 隆一 |