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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1228892
審判番号 不服2008-12331  
総通号数 134 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-02-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-05-15 
確定日 2010-12-09 
事件の表示 特願2002-357238「印刷システム、印刷装置、および印刷方法」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 7月 8日出願公開、特開2004-192162〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は平成14年12月9日の出願であって、平成20年1月18日付けで拒絶理由が通知され、同年3月17日付けで手続補正がなされるとともに意見書が提出されたが、同年4月7日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月15日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同年6月11日付けで手続補正がなされたものである。

第2 平成20年6月11日付けの手続補正の補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成20年6月11日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は次のように補正された。
「印刷装置を含む複数の装置がそれぞれネットワークを介して接続されて構成されるとともに、外部機器からのアクセスを受け付け、前記外部機器からの印刷プレビュー要求があった場合に、印刷プレビュー画像の作成を含む印刷プレビュー処理を実行する印刷システムにおいて、
前記印刷プレビュー要求とともに入力される前記外部機器を特定する情報に基づいて、印刷プレビュー画像を表示する前記外部機器の表示機能に応じた印刷プレビュー処理を実行する印刷プレビュー作成部を内部に有する印刷装置を備え、
前記印刷装置は、前記外部機器との間におけるデータの送受信を司る通信部と、
前記印刷ブレビュー画像をインターネットを通じて利用可能にするためのウェブサーバと、を内部に備えたことを特徴とする印刷システム。」

(2)補正の目的
上記補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記印刷装置は、前記外部機器との間におけるデータの送受信を司る通信部と、前記印刷ブレビュー画像をインターネットを通じて利用可能にするためのウェブサーバと、を備えた」について、「前記印刷装置は、前記外部機器との間におけるデータの送受信を司る通信部と、前記印刷ブレビュー画像をインターネットを通じて利用可能にするためのウェブサーバと、を内部に備えた」と限定するものであり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか。)について以下に検討する。

(3)引用例
(3)-1
原査定の拒絶の理由に引用された、国際公開2001/33366号(以下、「引用例1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。
(ア)「図3は、本発明に係るデータ出力制御装置を適用するネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
インターネット400には、図3に示すように、携帯端末100とインターネット400との通信を中継する中継局210と、データを印刷する印刷装置PR_(1)?PR_(n)と、データを蓄積するWWWサーバDS_(1)?DS_(m)と、データ印刷要求に係るデータをWWWサーバDS_(1)?DS_(m)のうちいずれかから取得して印刷装置PR_(1)?PR_(n)のうちいずれかに出力するデータ出力制御端末300と、データ出力制御端末300が取得したデータを印刷装置PR_(1)?PR_(n)で印刷可能なデータに変換するデータフォーマット変換用端末CS_(1)?CS_(l)とが接続されている。」(第13頁第23行?第14頁第3行)

(イ)「また、データフォーマット変換処理が実行されるデータフォーマット変換用端末CSは、データ出力制御端末300が取得したデータを変換するとともに、携帯端末100の各機種ごとに、その表示機能(表示可能行数、表示解像度等)に応じて、データ出力制御端末300が取得したデータが印刷装置PRで印刷したときのイメージ画像である携帯端末100で表示可能なプレビューデータを生成し、生成したプレビューデータをデータ出力制御端末300に送信するようになっている。
したがって、データ出力制御端末300は、データ印刷要求に係るデータを印刷しようとする印刷装置PRに対応しているデータフォーマット変換用端末CSに対し、データフォーマット変換要求およびWWWサーバDSから取得したデータを送信し、その応答として、印刷しようとする印刷装置PRで印刷可能なデータおよびプレビューデータを受信する。」(第16頁第1行?第12行)

(ウ)「データフォーマット変換用端末CS_(1)では、印刷用データを受信すると、受信したデータが印刷装置PR_(1)で印刷可能なデータに変換されるとともに、携帯端末100の表示機能に応じてプレビューデータが生成され、変換された印刷装置PR_(1)で印刷可能なデータおよび生成されたプレビューデータがデータ出力制御端末300に送信される。
データ出力制御端末300では、印刷装置PR_(1)で印刷可能なデータおよびプレビューデータを受信すると、ステップS212?S216を経て、決定された印刷装置PR_(1)についての印刷装置情報が記憶装置62から読み出され、読み出された印刷装置情報が携帯端末100に送信され、決定された印刷装置PR_(1)についての案内データが生成され、生成された案内データ及び受信したプレビューデータが携帯端末100に送信される。
携帯端末100では、印刷装置情報、案内データおよびプレビューデータを受信すると、・・・中略・・・、受信したプレビューデータに基づいて、決定した印刷装置PR_(1)で印刷されたときのイメージ画像がLCD44に表示される。」(第26頁第7行?第24行)

(エ)「さらに、本実施例の形態では、データフォーマット変換用端末CS_(1)?CS_(l)は、携帯端末100の各機種ごとに、その表示機能に応じてプレビューデータを生成するようにした。
これにより、携帯端末100では、表示機能に応じた最適なイメージ画像が表示されるので、利用者は、データ印刷要求に係るデータが印刷装置PRで印刷されたときのイメージをある程度的確に把握することができ、利用者が間違ってデータを印刷してしまうのをさらに防止することができる。」(第30頁第18行?第24行)

(オ)「また、上記実施の形態においては、データフォーマット変換用端末CSでプレビューデータを生成するように構成したが、これに限らず、データ出力制御端末300でプレビューデータを生成するように構成するようにしてもよい。」(34頁第6行?第8行)

これら記載事項及び図示内容を総合すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「携帯端末100と、データを印刷する印刷装置PR_(1)?PR_(n)と、データを蓄積するWWWサーバDS_(1)?DS_(m)と、データ印刷要求に係るデータをWWWサーバDS_(1)?DS_(m)のうちいずれかから取得して印刷装置PR_(1)?PR_(n)のうちいずれかに出力するデータ出力制御端末300と、データ出力制御端末300が取得したデータを印刷装置PR_(1)?PR_(n)で印刷可能なデータに変換するデータフォーマット変換用端末CS_(1)?CS_(l)がそれぞれインターネット400を介して接続されて構成されるネットワークシステムにおいて、
データ出力制御端末300は、携帯端末100からの印刷要求を受け付け、データ印刷要求に係るデータを印刷しようとする印刷装置PRに対応しているデータフォーマット変換用端末CSに対し、データフォーマット変換要求およびWWWサーバDSから取得した印刷要求に係るデータを送信し、
前記データフォーマット変換用端末CSは、応答として、印刷しようとする印刷装置PRで印刷可能なデータおよびプレビューデータをデータ出力制御端末300に送信し、
前記プレビューデータは、データ出力制御端末300が取得したデータを印刷装置PRで印刷したときのイメージ画像であり、携帯端末100の各機種ごとに、その表示機能(表示可能行数、表示解像度等)に応じて、携帯端末100で表示可能に生成されることを特徴とするネットワークシステム。」

(3)-2
原査定の拒絶の理由に引用された、特開2002-158777号公報(以下、「引用例2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。
(ア)「【0029】サーバは、発呼端末からパケット接続応答308が着信すると、パケット通信可能と判断し、パケット接続応答308に含まれる発呼端末の機種識別情報を取得する(S504)。サーバは、機種識別情報から端末の属性情報を検索して取得し(S505)、属性情報に基づいた広告情報309のメディア変換を行う(S506)。指定のURLの広告情報309は、メディア変換が行われて発呼端末に配信される(S507)。広告情報309の配信が終了すると、サーバは、配信終了312を交換機に発信する(S508)。交換機は、通話が終了すると課金情報を作成し、配信終了312に基づいた割引情報などを含めて、課金管理を行うシステムに送出する。」(段落【0029】)

(イ)「【0033】このような構成により、入力部601は、移動機121aからのパケット接続応答308を受信し、パケット接続応答308に含まれる発呼端末の機種識別情報を取得して、端末情報取得部604に送る。端末情報取得部604は、機種識別情報に基づいて端末情報データベース611を検索し、端末の属性情報を取得する。取得した属性情報は、メディア変換部605に送られる。メディア変換部605は、属性情報に基づいて、広告データベース612から取得した広告情報のメディア変換を行って、出力部602に送る。出力部602は、メディア変換された広告情報を移動機121aに発信する。
【0034】メディア変換部605は、属性情報を参照することにより、移動機の画面サイズ、解像度、表示機能に応じて、広告情報の画像サイズを変換したり、解像度を変換したり、色階調を変換する。また、広告データベース612は、画像情報だけでなく、テキストの登録も可能である。移動機の機能によっては、画像情報を配信せずに、テキスト情報のみを送信することもできる。テキスト情報だけ配信するのか、テキスト情報と画像情報を同時に配信するのか、画像情報のみを配信するのか、画像のサイズを変更するのかなどの判断は、属性情報を参照することにより、メディア変換部605が行う。」(段落【0033】、【0034】)

(4)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
引用発明の「印刷装置PR_(1)?PR_(n)、WWWサーバDS_(1)?DS_(m)、データフォーマット変換用端末CS_(1)?CS_(l)、データ出力制御端末300」は、「インターネット400」を介して接続され、印刷要求を受け付けて印刷するから、本願補正発明と「印刷装置を含む複数の装置がそれぞれネットワークを介して接続されて構成される」「印刷システム」である点で共通する。
引用発明の「プレビューデータ」は、データ出力制御端末300が取得したデータを印刷装置PRで印刷したときのイメージ画像であるから、本願補正発明の「印刷プレビュー画像」に相当し、引用発明の「携帯端末100」は、本願補正発明の「外部機器」に相当するといえ、引用発明は、携帯端末100から印刷要求を受け付け、プレビューデータを生成しているから、本願補正発明と「外部機器からのアクセスを受け付け、印刷プレビュー画像の作成を含む印刷プレビュー処理を実行する印刷システム」である点で共通するといえる。
引用発明の「プレビューデータ」は、携帯端末100の各機種ごとに、その表示機能(表示可能行数、表示解像度等)に応じて、携帯端末100で表示可能に生成されるから、引用発明は、本願補正発明と「印刷プレビュー画像を表示する前記外部機器の表示機能に応じた印刷プレビュー処理を実行する印刷プレビュー作成部を備えた」点で共通するといえる。

そうすると、本願補正発明の用語を用いて表現すると、両者は次の点で一致する。
(一致点)
「印刷装置を含む複数の装置がそれぞれネットワークを介して接続されて構成されるとともに、外部機器からのアクセスを受け付け、印刷プレビュー画像の作成を含む印刷プレビュー処理を実行する印刷システムにおいて、
印刷プレビュー画像を表示する前記外部機器の表示機能に応じた印刷プレビュー処理を実行する印刷プレビュー作成部を備えたことを特徴とする印刷システム。」

そして、両者は次の1、2の点で相違する。
相違点1
本願補正発明は、外部機器からの印刷プレビュー要求があった場合、印刷プレビュー画像の作成を含む印刷プレビュー処理を実行するものであって、印刷プレビュー要求とともに入力される前記外部機器を特定する情報に基づいて、印刷プレビュー処理を実行するのに対し、引用発明は、印刷プレビュー要求について明らかではなく、携帯端末100の各機種ごとの表示機能をどのように取得しているかも明らかではない点。

相違点2
本願補正発明では、印刷装置は、印刷プレビュー作成部を内部に有し、前記外部機器との間のデータの送受信を司る通信部と、印刷プレビュー画像をインターネットを通じて利用可能にするためのウェブサーバを備えるのに対し、引用発明は、データフォーマット変換用端末CSでプレビューデータを生成しており、印刷装置は、プレビュー作成部、外部機器との間のデータの送受信を司る通信部、プレビューデータを利用可能にするウェブサーバを備えていない点。

(5)当審の判断
上記相違点について検討する。
相違点1について
印刷システムにおいて、印刷プレビュー要求に応じて印刷プレビュー処理を実行することは、文献を示すまでもなく、本願出願前周知である。
引用例2には、携帯端末が送信する機種識別情報を取得し、当該機種識別情報に基づいて携帯端末の表示機能に応じて広告情報の画像情報を変換し、携帯端末に配信することが記載されている。
また、携帯端末の表示能力を示す機種情報を受信し、受け取った機種情報に基づいて、携帯端末に表示可能で適した表示用画像データを携帯端末に送信することは、本願出願前周知(例えば、特開2002-142176号公報段落【0024】の記載参照。)でもある。
引用発明は、携帯端末100の各機種ごとの表示機能に応じてプレビューデータを生成しているから、携帯端末100の機種を特定する情報を何らかの手段により取得していることは明らかである。
したがって、引用発明において、携帯端末100からの印刷プレビュー要求があった場合、印刷プレビュー画像の作成を含む印刷プレビュー処理を実行し、印刷プレビュー要求とともに入力される前記外部機器を特定する情報に基づいて、印刷プレビュー処理を実行することは、当業者が容易になし得ることである。

相違点2について
引用発明において、印刷装置PRは、データ出力制御端末300を介しているが、携帯端末100から印刷要求を受信しているから、前記外部機器との間のデータの受信を司る通信部を備えているといえる。

印刷装置において、印刷プレビュー作成部を内部に有し、印刷プレビュー画像をインターネットを通じて利用可能にするためのウェブサーバを備えることは、本願出願前に周知の技術(例えば、特開2001-306272号公報段落【0017】の「画像出力装置としてのプリンタシステム10は、例えばプリンタショップやオフィスなどに置かれる共用のプリンタシステムであり、メール送受信部11、記憶装置12、システム制御部13、ウェブサーバ14、プリンタサーバ15、及びプリントエンジン16を含む。」、段落【0020】、【0021】の「システム制御部13は、その保管したPDLに対応づけて、一意的なウェブ(WWW)ページを作成し、ウェブサーバ14に登録する(S18)。・・・中略・・・このメールを受け取ったユーザは、そこに含まれるウェブページアドレス112を用いて出力指示用のウェブページにアクセスすることができる。」、段落【0034】の「また、ウェブページに印刷出力のプレビューを表示することも好適である。ユーザは、このプレビュー表示により出力するかしないかを判断することができる。」の記載、特開2000-181657号公報段落【0088】の「本プリンタ110は、前記実施の形態で述べたプリンタ21の構成に加えて、ウェブサーバ部111とアクセス部112とを更に備えている。」、段落【0090】?【0092】の「ホストコンピュータ51がプリンタ110のウェブサーバ部111にアクセスすると、ウェブサーバ部111は印刷設定をするための画面130をホストコンピュータ51に返信する。ユーザーは、ホストコンピュータ51側のモニタディスプレイに表示されたメニュー画面130を見ながら印刷設定を行う。そして、印刷設定を終えたユーザーが「決定ボタン」を操作すると、ウェブブラウザ81の画面に切り替わる。・・・(中略)・・・そして、ユーザーがプレビューボタン88を操作すると、プリンタ110に対してプレビュー画像の生成・転送が要求され、図16(b)に示すようにプリンタ110で生成されたプレビュー画像がウェブブラウザ81の表示部83に表示される。」の記載、特開2002-196901号公報段落【0053】の「印刷装置102は、CPU132と、・・・中略・・・RAM140と、ラスタ画像プロセッサ(RIP)112と、プリンタコントローラ110と、ウェブサーバ装置114と、操作パネル142と、システムバス130とを含む。」、段落【0056】?【0058】の「ウェブサーバ装置114は、クライアント装置104及び120からの要求に応答し、印刷装置102と要求元のクライアント装置との間にハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)コネクションを確立することができるHTTPデーモンを含む。・・・中略・・・一実施例において、プレビュー文書情報は、印刷装置102からいずれかのクライアント装置104若しくは120へHTML文書又はXML文書として供給される。」の記載参照。)である。
したがって、引用発明において、プレビューデータの生成及び送信について、上記周知技術を適用し、印刷装置は、印刷プレビュー作成部を内部に有し、前記外部機器との間のデータの送受信を司る通信部と、印刷プレビュー画像をインターネットを通じて利用可能にするためのウェブサーバを備えるようにすることは、当業者が容易になし得ることである。

そして、本願補正発明による効果も、引用発明、引用例2に記載された技術及び周知技術から当業者が予測し得た程度のものであって、格別のものでもない。

したがって、本願補正発明は、引用発明、引用例2に記載された技術及び周知技術から当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

(6)本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を、「本願発明」という。)は、平成20年3月17日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のものである。

「印刷装置を含む複数の装置がそれぞれネットワークを介して接続されて構成されるとともに、外部機器からのアクセスを受け付け、前記外部機器からの印刷プレビュー要求があった場合に、印刷プレビュー画像の作成を含む印刷プレビュー処理を実行する印刷システムにおいて、
前記印刷プレビュー要求とともに入力される前記外部機器を特定する情報に基づいて、印刷プレビュー画像を表示する前記外部機器の表示機能に応じた印刷プレビュー処理を実行する印刷プレビュー作成部を内部に有する印刷装置を備え、
前記印刷装置は、前記外部機器との間におけるデータの送受信を司る通信部と、
前記印刷ブレビュー画像をインターネットを通じて利用可能にするためのウェブサーバと、を備えたことを特徴とする印刷システム。」

第4 引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、及び、その記載事項は、前記「第2(3)」に記載したとおりである。

第5 対比・判断
本願発明は、前記「第2(1)」の本願補正発明の「前記印刷装置は、前記外部機器との間におけるデータの送受信を司る通信部と、前記印刷ブレビュー画像をインターネットを通じて利用可能にするためのウェブサーバと、を内部に備えた」から、「内部に」との限定事項を省き、「前記印刷装置は、前記外部機器との間におけるデータの送受信を司る通信部と、前記印刷ブレビュー画像をインターネットを通じて利用可能にするためのウェブサーバと、を備えた」としたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに、他の発明特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2(5)」に記載したとおり、引用発明、引用例2に記載された技術及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、本願発明も、同様に、引用発明、引用例2に記載された技術及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用例2に記載された技術及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-09-29 
結審通知日 2010-10-05 
審決日 2010-10-19 
出願番号 特願2002-357238(P2002-357238)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 内田 正和  
特許庁審判長 和田 志郎
特許庁審判官 清水 稔
鈴木 重幸
発明の名称 印刷システム、印刷装置、および印刷方法  
代理人 小森 久夫  
代理人 特許業務法人 楓国際特許事務所  
代理人 小澤 壯夫  

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