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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1229655 |
審判番号 | 不服2008-23290 |
総通号数 | 134 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-02-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-09-11 |
確定日 | 2011-01-04 |
事件の表示 | 特願2001-160125「機能選択方法およびそれを用いた光ディスク再生装置」拒絶査定不服審判事件〔平成14年12月 6日出願公開、特開2002-351618〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.経緯 本件は、平成13年5月29日の出願であって、平成19年10月30日付けで拒絶理由を通知したところ、同年12月26日に意見書及び手続補正書の提出がなされたのであるが、平成20年8月5日付けで拒絶査定を行った。 これに対し、平成20年9月11日に審判請求がなされるとともに、同日に手続補正書の提出がなされたものである。 2.補正の適否 平成20年9月11日付け手続補正は、平成19年12月26日付け手続補正書の特許請求の範囲に記載された請求項1?16のうち、請求項7、8、15及び16の削除を目的とするものであって、特許法第17条の2第4項第1号の規定に沿って適法になされた補正である。 3.本願発明 平成20年9月11日付け手続補正書の特許請求の範囲には、請求項1?12の発明が記載されているところ、その請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものであると認める。 「選択肢を表す複数の選択ボタン画像を含む映像をモニターに表示し、前記モニターの前面に配置された複数のスイッチ領域を有するタッチパネルスイッチによって前記選択ボタン画像を選択したときに、前記選択されたタッチパネル上のスイッチ領域に対応する前記モニター上の位置に複数個の選択ボタン画像が存在する場合には、前記選択されたタッチパネル上のスイッチ領域を中心に前記映像を拡大して表示することを特徴とする機能選択方法。」 4.引用発明 4-1.引用例1 原査定の拒絶の理由において引用した特開平6-19613号公報(平成6年1月28日出願公開)には図面と共に以下の記載がなされている。 a.表示装置の画面表示面に重畳配置され複数個に区分された各領域について個別に位置入力を行うタッチパネルを用いて前記表示装置に表示された画像を選択指定する表示画像選択指定方法に於いて、前記タッチパネルによる位置入力により指定された領域に複数個の表示画像が存在するか否かを判別し、前記タッチパネルによる位置入力により指定された領域に複数個の表示画像が存在すると判定された場合にはその指定領域に存在する表示装置の表示画像を自動拡大表示し、前記複数個の表示画像が前記タッチパネルの互いに異なった領域に対応する位置に画面表示されるようにすることを特徴とするタッチパネルによる表示画像選択指定方法。(【請求項1】の記載。以下、「引用第1発明」という。) b.表示装置7の画面には透明なタッチパネル37が貼着されている。タッチパネル37は、複数個に区分された各領域を個別にユーザの指先にてタッチされることよりその各領域について個別に位置入力を行い、この位置入力により表示装置7に表示された表示画像の選択指定を行って装飾編集すべき領域を特定する領域特定データを編集制御部5に入力し、また装飾編集すべき機能項目を特定する機能項目特定データを編集制御部5に入力するようになっている。この実施例に於いては、タッチパネル37は、図2に示されている如く、縦5段×横7段のマトリックスによる35個の四角形領域に区分されている。(段落【0023】の記載。) 4-2.引用例2 原査定の拒絶の理由において引用した特開2001-109557号公報(平成13年4月20日出願公開、以下「引用例2」という。)に図面と共に以下の記載がある。 c.本発明は、タッチパネル表示方法及びタッチパネルを備えている電子機器に関するものであり、特にタッチパネルの画面上に表示されている複数の選択肢から所望の選択肢を選ぶ場合の表示形式及び動作に関する。(段落【0001】の記載。) d.図4は、上記構成からなるタッチパネルの画面上における動作をフローチャートで示したものであり、先ず、選択肢がタッチパネルの画面上に表示してある状態の時に、選択肢又は選択肢の近傍をタッチしたかどうかを検出する。(ステップST30,ST31)(段落【0010】の記載。) e.次に、選択肢又は選択肢近傍の位置がタッチされた場合には、タッチされた選択肢近傍を拡大表示して、元のタッチパネルの画面に重畳表示する(ステップST32)(段落【0011】の記載。) してみると、引用例2には、次の発明が記載されている(以下、「引用第2発明」という。)。 「タッチパネルの画面上に表示されている複数の選択肢から所望の選択肢を選ぶ場合の表示形式及び動作であって、選択肢又は選択肢の近傍をタッチしたかどうかを検出し、選択肢又は選択肢近傍の位置がタッチされた場合には、タッチされた選択肢近傍を拡大表示して、元のタッチパネルの画面に重畳表示するタッチパネル表示方法。」 5.対比 本願発明と引用第1発明とを対比する。 引用第1発明の「表示装置」、「画像」、「個別に位置入力を行うタッチパネル」及び「表示画像を自動拡大」は、それぞれ、本願発明の「モニター」、「映像」、「タッチパネルスイッチによって選択」及び「映像を拡大」に相当する。 また、引用第1発明の「表示画像」は、その記載bによれば、表示画像の選択指定を行うと装飾編集すべき領域を特定するものであるから、本願発明の「選択ボタン画像」と、選択すべき画像である点で共通している。 さらに、引用第1発明の「複数個に区分された各領域」及び「位置入力により指定された領域」は、それぞれ、本願発明の「複数のスイッチ領域」、「選択されたタッチパネル上のスイッチ領域」に相当する。 したがって、両者は以下の一致点と相違点とを有する。 <一致点> 選択肢を表す複数の選択すべき画像を含む映像をモニターに表示し、前記モニターの前面に配置された複数のスイッチ領域を有するタッチパネルスイッチによって前記選択すべき画像を選択したときに、前記選択されたタッチパネル上のスイッチ領域に対応する前記モニター上の位置に複数個の選択すべき画像が存在する場合には、前記映像を拡大して表示する選択方法。 <相違点1> 映像の拡大を、本願発明では「選択されたタッチパネル上のスイッチ領域を中心に」拡大するのに対し、引用第1発明では「複数個の表示画像が前記タッチパネルの互いに異なった領域に対応する位置に画面表示されるように」自動拡大する点。 <相違点2> 選択すべき画像が、本願発明では、「選択ボタン画像」であり当該選択ボタン画像により機能を選択するのに対し、引用第1発明では、装飾編集する領域を特定するための「表示画像」である点。 6.当審における判断 相違点につき検討する。 <相違点1について> 引用第1発明で、「複数個の表示画像が前記タッチパネルの互いに異なった領域に対応する位置に画面表示されるように」自動拡大するのは、表示画像を選択する際に、複数の表示画像から単一の表示画像を選択し易くする目的で行われるものである。そして、引用第1発明と同様な目的で、タッチパネルに複数の選択肢が表示されている際に選択された選択肢近傍を中心に拡大するようになす発明(前記引用第2発明)を、引用第1発明に採用し、相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得たものである。 <相違点2について> 引用第1発明においても、当該表示画像を選択することにより、装飾編集する領域を特定するとの機能を選択しているものであり、引用第1発明において、選択された表示画像に対応し、所定の機能を選択するようにすることに格別な困難性はない。 したがって、相違点1、2に係る本願発明の構成は、引用第1発明に引用第2発明を組み合わせたものであり、当業者が格別の創意を要することなく構成し得たものである。 また、本願発明の構成を採用することによる作用効果も、引用第1発明及び引用第2発明から予測できる程度のものである。 7.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用第1発明及び引用第2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2010-10-29 |
結審通知日 | 2010-11-02 |
審決日 | 2010-11-16 |
出願番号 | 特願2001-160125(P2001-160125) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 廣瀬 文雄、圓道 浩史 |
特許庁審判長 |
水野 恵雄 |
特許庁審判官 |
清水 稔 近藤 聡 |
発明の名称 | 機能選択方法およびそれを用いた光ディスク再生装置 |
代理人 | 蔵合 正博 |
代理人 | 酒井 一 |