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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04N
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 取り消して特許、登録 H04N
管理番号 1229693
審判番号 不服2009-23172  
総通号数 134 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-02-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-11-26 
確定日 2011-01-31 
事件の表示 特願2001- 71685「画像読み取り装置及び画像形成装置」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 9月20日出願公開、特開2002-271620、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成13年3月14日の出願であって、平成21年5月15日付けの拒絶理由の通知に対し、平成21年7月15日付けで手続補正がなされたが、平成21年8月28日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成21年11月26日に審判請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成21年11月26日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成21年11月26日付けの手続補正を却下する。

[理由]
2-1.補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「【請求項1】
読み取り光学系を備えたキャリッジと、読み取り光学系を経て伝達される画像を画素信号に変換するラインイメージセンサを有する読み取りデータ検出手段と、白基準体の読み取りデータを用いて読み取りデータを補正する読み取りデータ補正手段と、原稿搬送手段と、キャリッジ移動手段とを備え、キャリッジを移動させ、定置した原稿を読み取る定置原稿読み取りモード及びキャリッジを固定し、原稿搬送手段による搬送途中に原稿を読み取る搬送原稿読み取りモードの両読み取りモードの動作が可能な画像読み取り装置であって、
前記白基準体として、キャリッジの移動位置に第1の白基準体とキャリッジの前記固定位置に第2の白基準体を、いずれもラインイメージセンサの主走査ラインにおける全読み取り領域にわたって設け、
前記読み取りデータ補正手段は、
定置原稿読み取りモードの原稿読み取りデータに対し、前記読み取りデータ検出手段によって検出された画素単位の第1の白基準体の読み取りデータに基づいてシェーディング補正を施し、
搬送原稿読み取りモードの原稿読み取りデータに対し、前記読み取りデータ検出手段によって検出された画素単位の第1の白基準体及び第2の白基準体の全読み取り領域にわたった読み取りデータに基づいて定置原稿読み取りモードの読み取りデータとの間の差を補正するモード間補正を行う、
ことを特徴とする画像読み取り装置。」
と補正された。

2-2.補正前の特許請求の範囲
本件補正前の特許請求の範囲は、平成21年7月15日付け手続補正書に記載された以下のとおりである。
「【請求項1】
読み取り光学系を備えたキャリッジと、読み取り光学系を経て伝達される画像を画素信号に変換するラインイメージセンサを有する読み取りデータ検出手段と、白基準体の読み取りデータを用いて読み取りデータを補正する読み取りデータ補正手段と、原稿搬送手段と、キャリッジ移動手段とを備え、キャリッジを移動させ、定置した原稿を読み取る定置原稿読み取りモード及びキャリッジを固定し、原稿搬送手段による搬送途中に原稿を読み取る搬送原稿読み取りモードの両読み取りモードの動作が可能な画像読み取り装置であって、
前記白基準体として、キャリッジの移動位置に第1の白基準体とキャリッジの前記固定位置に第2の白基準体を、いずれもラインイメージセンサの主走査ラインにおける全読み取り領域にわたって設け、
前記読み取りデータ補正手段は、
定置原稿読み取りモードの原稿読み取りデータに対し、前記読み取りデータ検出手段によって検出された画素単位の第1の白基準体の読み取りデータに基づいてシェーディング補正を施し、
搬送原稿読み取りモードの原稿読み取りデータに対し、前記読み取りデータ検出手段によって検出された画素単位の第1の白基準体及び第2の白基準体の読み取りデータに基づいて定置原稿読み取りモードの読み取りデータとの間の差を補正するモード間補正を行い、得られるデータにシェーディング補正を施す
ことを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項2】
請求項1に記載された画像読み取り装置において、
前記第2の白基準体を原稿搬送手段に備えた原稿ガイドと共通の部材とし、
搬送原稿読み取りモードの読み取りデータに対するモード間補正後のシェーディング補正を第1の白基準体の読み取りデータに基づいて行うことを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項3】
請求項2に記載された画像読み取り装置において、
前記モード間補正は、搬送原稿読み取りモードの原稿読み取りデータに対し、第1の白基準体の読み取りデータと第2の白基準体の読み取りデータの差分を画素単位で求め、求めた差分を搬送原稿読み取りモードの原稿読み取りデータに加算することにより行う
ことを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載された画像読み取り装置と、画像データに基づいて画像を形成する手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。」

2-3.補正の目的の適否
本件補正は、補正前の請求項1について、
「搬送原稿読み取りモードの原稿読み取りデータに対し、前記読み取りデータ検出手段によって検出された画素単位の第1の白基準体及び第2の白基準体の読み取りデータに基づいて定置原稿読み取りモードの読み取りデータとの間の差を補正するモード間補正を行い、得られるデータにシェーディング補正を施す」
とあるのを、
「搬送原稿読み取りモードの原稿読み取りデータに対し、前記読み取りデータ検出手段によって検出された画素単位の第1の白基準体及び第2の白基準体の全読み取り領域にわたった読み取りデータに基づいて定置原稿読み取りモードの読み取りデータとの間の差を補正するモード間補正を行う、」
とする補正を行っており、
(1)補正前の「第1の白基準体及び第2の白基準体の読み取りデータ」という記載を、「第1の白基準体及び第2の白基準体の全読み取り領域にわたった読み取りデータ」とする補正、
(2)補正前の「得られるデータにシェーディング補正を施す」という記載を削除する補正、
の2つの補正事項を含んでいる。
ここで、上記補正事項(2)に関しては、補正前の請求項1において、「搬送原稿読み取りモードの原稿読み取りデータ」に対して「定置原稿読み取りモードの読み取りデータとの間の差を補正するモード間補正」を行った後に「得られるデータにシェーディング補正を施す」ものであったところ、補正により「モード間補正」の後の「シェーディング補正」に関する記載が削除されたものであるから、補正前の発明特定事項を限定しているとはいえない。
そのため、上記補正事項(2)については、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しない。
また、上記補正事項(2)については、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明のいずれを目的とするものでもないことは明らかである。
したがって、上記補正事項(1)の適否にかかわらず、上記補正事項(2)を含む請求項1についてする補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下、「平成18年改正前特許法」という)第17条の2第4項第1号ないし第4号に規定された何れの目的にも該当するものではない。

2-4.むすび
したがって、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項のいずれの目的にも該当しないので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明について
平成21年11月26日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成21年7月15日付け手続補正書の特許請求の範囲に記載された事項により特定されるとおりのものである。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2011-01-19 
出願番号 特願2001-71685(P2001-71685)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04N)
P 1 8・ 572- WY (H04N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 秦野 孝一郎  
特許庁審判長 加藤 恵一
特許庁審判官 古川 哲也
板橋 通孝
発明の名称 画像読み取り装置及び画像形成装置  
代理人 根本 恵司  

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