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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G03G 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G03G |
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管理番号 | 1229861 |
審判番号 | 不服2010-1732 |
総通号数 | 134 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-02-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-01-27 |
確定日 | 2011-01-06 |
事件の表示 | 特願2003-327452「画像形成方法」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 4月 7日出願公開、特開2005- 91984〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯・本願発明 本願は、平成15年9月19日の出願であって、平成21年10月20日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成22年1月27日付けで審判請求がなされ、その後、当審において、同年6月18日付けで通知した拒絶理由に対して、同年8月20日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものであって、「画像形成方法」に関するものと認める。 第2 当審の拒絶理由通知の概要 平成22年6月18日付けで通知した拒絶理由通知には、次の指摘事項が含まれる。 「 2.記載不備について この出願は、特許請求の範囲及び明細書の記載が、下記の点で、特許法第36条第4項1号、第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしていない。 記 請求項1に係る発明における特性値の意義は、発明の詳細な説明の【0039】?【0041】には、一応、以下のとおりと説明されている。 (イ)定着圧:1?3kgf/cm^(2) について 上限は、定着部材の薄肉化に対応して望ましい値。下限は、低過ぎると重なった色トナー層が均一に溶融せず、光沢性、透明度が悪くなるため。 (ロ)定着ニップ時間:60?100msecについて 上限は、印刷の高速化、装置の小型化のために望ましい値。下限は、短すぎると、トナー加熱時間が不足し、やはり重なった色トナー層が均一に溶融しない。 (ハ)トナー粘弾性について 「周波数10Hz、応力2000PaでのトナーのG’(貯蔵弾性率)が5×10^(5)Pa以下、かつγ(歪み量)が0.2%以上となる温度が95℃以下」については、95℃より高いと、ベルト加熱ではトナーが変形しにくいものとなり、また、「周波数10Hz、応力2000PaでのトナーのG’が5×10^(3)Pa以下となる温度が150℃以上」については、150℃より低いと、耐オフセット性がよくないものとなる。 しかし、上記の説明があったとしても、以下にみるように、他の条件の如何に関係なく、上記(イ)?(ハ)の3つの特性値だけで技術的に意味あるものとして一般化されるものではない。また、請求項1に係る発明は、明確でなく、実施可能要件も満たしていない。 (1)実施例で効果が実際に確認されているのは、試験例2,3(これが実施例に相当する)の「定着圧:1.5kgf/cm^(2)、かつ、定着ニップ時間:80msec」の場合だけである。そして、これらより小さいが請求項1の規定範囲に入る「定着圧:1?1.5kgf/cm^(2)」あるいは「定着ニップ時間:60?80msec」のものであっても、本願の作用である「重なった色トナー層が均一に溶融せず、光沢性、透明度が悪くなる」ことがないことまでは、発明の詳細な説明において実証されていない。 したがって、請求項1に係る発明は、実際に効果が確認された範囲を超えて特許を請求しており、発明の詳細な説明に実質的に記載されたものではない。 (2)また、画像の光沢性、透明性の程度は、トナー材料にも依存することは技術常識である。そして、実施例(試験例2,3で用いる製造例2,3)のトナーの結着樹脂は、ポリエステル樹脂Bのみである(【0049】【0051】参照)が、ポリエステル樹脂Bがどのような材料からなるのかは不明であり、特定されない。 しかも、これでは、当業者が請求項1に係る発明を実施する(当然、本願の効果を奏するものを得る必要がある。)のに過度な試行錯誤を強いることは明らかであるから、実施可能要件も満たさない。 (3)請求項1では、定着圧、定着ニップ時間を規定しているが、ベルト定着装置のどの部分で測る定着圧なのかが不明である。実施例では、図2のタイプのベルト定着装置を用いている(【0055】参照)とされるが、ニップ内での定着圧は、ベルト加圧部分aとローラ加圧部分bとでは、大きく異なるから、請求項1でのニップ圧の定義が不明である。 また、仮にローラ加圧部分bのニップ圧をいうとしても、ベルト加圧部分aのニップ圧を無視することはできないので、やはり発明として不明確である。 定着ニップ時間については、ニップ部全体でみたニップ時間が同じでも、ベルト加圧部分aのニップ時間とローラ加圧部分bのニップ時間の割合が異なれば、定着条件は大きく異なるものである。しかし、これらは実施例でも不明である。 しかも、これでは、当業者が請求項1に係る発明を実施するのに過度な試行錯誤を強いることは明らかであるから、実施可能要件も満たさない。 (4)また、表1の試験例、比較例では、定着ニップ時間をかなり変化させているが、これは、ニップ幅は変えずに、定着ローラの回転速度を変化させて、定着ニップ時間を変えたのか、あるいは、定着ローラの回転速度は変えずに、図2の定着装置においてローラ状のガイド部材を移動させてニップ幅を変化させて、定着ニップ時間を変えたのか、実態が不明である。 そして、同じニップ時間であっても、2つの変化手法では、定着条件は大きく異なるものとなる。 そうすると、定着ニップ時間の定義は事実上不明確であって、請求項1に係る発明は明確でない。 しかも、これでは、当業者が請求項1に係る発明を実施するのに過度な試行錯誤を強いることは明らかであるから、実施可能要件も満たさない。 (5)さらに、定着圧、定着ニップ時間、トナーの粘弾性特性が決まっても、定着性は、定着ベルト、定着ローラ、加圧ローラの特性(硬度など)にも依存する(実施例ではそれら条件が【0055】に記載されている。)ことは明らかであるにも拘らず、それらを捨象して、定着圧、定着ニップ時間、トナーの粘弾性特性だけで本願発明の課題が達成されるとする請求項1に係る発明は、実際に効果が確認された範囲を超えて特許を請求しており、発明の詳細な説明に実質的に記載されたものではない。 (6)請求項1に係る発明は、「異なる色のトナー像を重ね合わせることにより多色像を形成する画像形成方法」であるにも拘らず、実施例では、シアントナーについて評価しているだけであって、「異なる色のトナー像を重ね合わせることにより多色像を形成する画像形成方法」として評価をしておらず、請求項1に係る発明の効果は実際には確認されていない。 したがって、請求項1に係る発明の技術的意味が不明確である。 しかも、これでは、当業者が請求項1に係る発明を実施するのに過度な試行錯誤を強いることは明らかであるから、実施可能要件も満たさない。 (7)請求項1を引用する請求項2?8に係る発明についても、同様である。 」 第3 手続補正書、意見書の内容 これに対して、請求人より、平成22年8月20日付けで手続補正書及び意見書が提出されたところ、それには以下の内容が含まれる。 (ア)補正された特許請求の範囲 特許請求の範囲は、次の記載になった。 「【請求項1】 周波数10Hz、応力2000PaでのトナーのG’(貯蔵弾性率)が5×10^(5)Pa以下、かつγ(歪み量)が0.2%以上となる温度が95℃以下であり、周波数10Hz、応力2000PaでのトナーのG’が5×10^(3)Pa以下となる温度が150℃以上であるトナーを用いて、定着ニップ時間60?100msec、定着圧が1?3kgf/cm^(2)のベルト定着方式により記録材上に定着し、 該ベルト定着方式が、定着ローラと加熱ローラとに張架された無端状の定着ベルトと、該定着ベルトを介して該定着ローラに対向して設けられる加圧ローラとを備えた定着装置を用いて、前記定着ベルトが加圧ローラに巻き付けられた部分と定着ベルトを挟んで定着ローラと加圧ローラが当接した部分とから成るニップにより記録材上に担持されている未定着トナー像を加熱加圧する方式であり、 前記トナーの結着樹脂が、THF不溶分を含まないポリエステル樹脂からなり、 前記定着ローラ、前記加圧ローラ、及び、前記定着ベルトが、弾性層を有し、 前記加圧ローラ、及び、前記定着ベルトが、フッ素系樹脂からなる表面離型層を有することを特徴とする画像形成方法。 【請求項2】 前記定着装置が、該定着ベルトの搬送経路内側にあって同搬送経路を折り曲げるよう配備され、前記ニップ入口での定着ベルトの張力を上げるガイド部材を有し、該ガイド部材が前記加圧ローラとの間に達する定着ベルトを加圧ローラより離して張架する構成であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。 【請求項3】 前記トナーが結着樹脂中にTHF不溶分を含有しないものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。 【請求項4】 前記トナーが樹脂成分としてポリエステル樹脂及び/またはポリオール樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。 【請求項5】 前記トナーが融点70?125℃、針入度が5mm以下のワックスを含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。 【請求項6】 前記トナーの重量平均粒径が3?8μmであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。 【請求項7】 前記トナーが無機微粒子及び/または樹脂微粒子を含有していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。」 (イ)意見書の内容 また、請求人は、意見書にて、次のように反論している。 『(c-2)上記理由2(1)について 審判官殿の御指摘のとおり、本願の実施例(試験例2,3)は「定着圧:1.5kgf/cm^(2)、かつ、定着ニップ時間:80msec」の場合だけであります。このため、本願請求項1に規定する範囲である「定着圧:1以上1.5未満kgf/cm^(2)」あるいは「定着ニップ時間:60以上80未満msec」のものについて本願発明の効果を奏することが、発明の詳細な説明において具体的に実証されてはいません。 そこで、本出願人は下記表1のように定着条件を変えて評価を行った結果を、下記表2に示すことで釈明致します。なお、以下に示す試験例3-2乃至3-4は、定着条件以外は試験例3と同一であります。 <表1> <表2> 上記表1及び表2に示しますとおり、(試験例3-2)定着圧1kgf/cm^(2)、定着ニップ時間80msec、(試験例3-3)定着圧1.5kgf/cm^(2)、定着ニップ時間60msec、(試験例3-4)定着圧1kgf/cm^(2)、定着ニップ時間60msec、のそれぞれが、定着性(定着下限温度評価、定着温度幅評価、光沢度評価)、転写性に優れ、総合判断においても良好なものであることがわかります。 このことは即ち、「立上がり時間が短く、低温での定着が可能であり、かつ異常画像のない」との本願発明の効果を奏するものであることがわかります。 なお、審判官殿が御指摘の、「重なった色トナー層が均一に溶融せず、光沢性、透明度が悪くなる」ことがないこととは、重なった色トナー層となることで記録材上における層厚(パイルハイト)が増大することに起因し、定着性が悪化してトナー層が均一に溶融せず、「平滑なトナー層を形成しない」(本願明細書段落【0039】参照。)ものであるため、内部の溶融が不充分で光が散乱することに伴い透明度が悪化し、表面の平滑性が悪化に伴い光沢度が低下することを意味しています。従って、試験例3-2乃至3-4は、上記表2における定着性(定着下限温度評価、定着温度幅評価、光沢度評価)の評価結果が良好であることから、「光沢性、透明度が悪くなる」ことがないことは、上記表1及び表2から明らかなものと思料致します。 (c-3)上記理由2(2)について 審判官殿の御指摘のとおり、「画像の光沢性、透明性の程度は、トナー材料にも依存する」ものであり、本願の実施例(試験例2,3で用いる製造例2,3)のトナーの結着樹脂である、ポリエステル樹脂Bがどのような材料からなるのかが不明であります。 そこで、本出願人は下記表3においてポリエステル樹脂Bの組成を示すと共に、ポリエステル樹脂Bとは組成の異なるポリエステル樹脂B-2乃至B-4を示し、これらのポリエステル樹脂B,B-2乃至B-4を結着樹脂として用いた試験例3乃至5の評価結果を下記表4に示すことで釈明致します。 <トナー製造例5> トナー製造例3の材料のうち、ポリエステル樹脂B 95部をポリエステル樹脂B-2 45部とポリエステル樹脂B-3 50部に変える以外は、トナー製造例3と同様の条件でトナー5を作製した。 得られたトナー5は、トナーのG’が5×10^(5)Pa以下、かつγが0.2%以上となる温度は90?95℃であり、トナーのG’が5×10^(3)Paより小さくなる温度は150?155℃であった。また、この母体トナーの結着樹脂中にTHF不溶分はなかった。 <トナー製造例6> トナー製造例3の材料のうち、ポリエステル樹脂B 95部をポリエステル樹脂B-4 95部に変える以外は、トナー製造例3と同様の条件でトナー6を作製した。 得られたトナー6は、トナーのG’が5×10^(5)Pa以下、かつγが0.2%以上となる温度は90?95℃であり、トナーのG’が5×10^(3)Paより小さくなる温度は155?160℃であった。また、この母体トナーの結着樹脂中にTHF不溶分はなかった。 <試験例4> トナー5を用い、定着条件は試験例3と同一の条件で、試験例3と同じ内容の評価を行った。 <試験例5> トナー6を用い、定着条件は試験例3と同一の条件で、試験例3と同じ内容の評価を行った。 <表3> なお、上記表3中、酸成分及びアルコール成分に記載の各モノマー名の横に付してある括弧内の数字は、各成分中のモル比を表す。また、上記表3中、BPA-EOはビスフェノールAのエチレンオキサイド2.2モル付加物を、BPA-PはビスフェノールAのプロピレンオキサイド2.2モル付加物を意味する。 <表4> ここで、上記表4によれば、種々材料により構成されたポリエステル樹脂を結着樹脂として用いた試験例3乃至5は、いずれも定着性(定着下限温度評価、定着温度幅評価、光沢度評価)、転写性に優れ、総合判断においても良好なものであることがわかります。即ち、「立上がり時間が短く、低温での定着が可能であり、かつ以上画像のない」との本願発明の効果を奏するものであることがわかります。 また、上記(c-1)項に記載のとおり、補正後の新たな請求項1に係る発明は、ポリエステル樹脂を結着樹脂として用いるものに限定されました。 従って、上記補正後の本願請求項1に係る発明は、上述のように釈明致しましたとおり、本願発明の効果を奏することが明らかなものであり、また、これを実施することができるものであります。 (c-4)上記理由2(3)について 審判官殿の「請求項1でのニップ圧の定義が不明である」との御指摘に対して、以下のとおり釈明致します。 本願では、例えば平成15年11月28日付けの出願である特開2005-164721号公報(この特許公開公報にかかる出願は、本願の後にされたものですが、以下において参照する技術内容については本願出願時においても当業者における技術的常識として認められ得る内容であると考えます。)の段落【0035】に記載のように、「ニップ部の平均面圧はその対象となるニップ部に加わる全荷重(N)を、その荷重によって構成されたニップ部の面積(mm^(2))で除して求められる値である」とし、このニップ部の平均面圧でニップ圧を定義しています。即ち、本願では、本願発明におけるニップ部であるベルト加圧部分aとローラ加圧部分bとに加わる全荷重(N)を、ベルト加圧部分aとローラ加圧部分bとで構成されたニップ部の面積(mm^(2))で除して求められる値を、本願発明におけるニップ圧と定義しています。 なお、ここでニップ圧とはその文言上、ニップ部に加わる全荷重(N)をニップ部の面積(mm^(2))で除して求められる値であることからも、上述したニップ圧の定義は当業者にとって技術的常識であり、また、特開2005-164721号公報などに測定可能であることが述べられているように、当業者にすれば過度な試行錯誤を強いることなく実施可能であると言えます。 このように、本願ではニップ圧の定義が明確であると共に、本願請求項1に係る発明を実施可能であるものと思料致します。 (c-5)上記理由2(4)について 審判官殿の定着ローラの回転速度及び定着ニップ時間の変化の実態が不明であるとの御指摘に対して、以下のとおり釈明致します。 本願の試験例、比較例では、定着ローラの回転速度を変化させて、定着ニップ時間を変化させています。なお、(ニップ圧の変化を生じ得る)画像形成装置の構成を変形するよりも、(ニップ圧の変化を生じ得ない)各部を制御することで回転速度を変更することのほうが合理的であることは明らかであり、この合理的である回転速度を変更することを採用することは当業者にとって過度な試行錯誤を要するものではなく、容易に推認し得るものと言えます。即ち、定着ローラの回転速度を変化させて、定着ニップ時間を変化させる ことが妥当であると当業者は推認し得るものと言えます。 従って、本願請求項1に係る発明において、定着ニップ時間の定義は明確であり、また、本願請求項1に係る発明を実施可能であると思料致します。 (c-6)上記理由2(5)について 審判官殿の御指摘のとおり、定着性は、定着ベルト、定着ローラ、加圧ローラの特性にも依存するものであります、 ここで、上記(c-1)項に記載のとおり(特に(III)及び(IV)項参照。)、補正後の新たな請求項1に係る発明は、定着ローラ、加圧ローラ及び定着ベルトが弾性層を有する構成に限定され、(IV)加圧ローラ及び定着ベルトがフッ素系樹脂からなる表面離型層を有する構成に限定されてなります。 このため、上記補正後の本願請求項1に係る発明は、実際に効果が確認された範囲を逸脱するものではなく、発明の詳細な説明に実質的に記載された範囲に含まれるものと思料致します。 (c-7)上記理由2(6)について 本出願人は、審判官殿の御指摘のとおり、旧請求項1に係る発明は技術的意味が不明確であるため、「異なる色のトナー像を重ね合わせることにより多色像を形成する」なる不明りょうな記載を削除することで、明瞭な記載に改める補正を致しました。 ここでまた審判官殿の御指摘のとおり、「実施例では、シアントナーについて評価しているだけ」であります。即ち、単色像を形成する画像形成方法については本願明細書に記載され、その効果(定着性及び転写性)についても確認されているものであります。 なお、確かに本願実施例では、シアントナーについて評価しているだけであるものの、かかる評価の内容(単色像の評価)と、本願発明の効果を鑑みた場合において「異なる色のトナー像を重ね合わせることにより多色像を形成する画像形成方法」を評価していないことと、が同義であるとは言い難いものであると思料致します。けだし、本願発明の効果は「立上がり時間が短く、低温での定着が可能であり、かつ異常画像のない」ことであり、かかる効果を実証するべく、実施例において、定着性(定着下限温度評価、定着温度幅評価、光沢度評価)の評価を行うものであります。従って、本願発明の本質は、単色像であるか多色像であるかを問わず、記録材上におけるトナー層の層厚(パイルハイト)が増大することに起因した定着性の悪化を抑制することであると、当業者が容易に認め得るものであると思料致します。 さらに詳細に説明すると、フルカラーの画像形成とモノクロの画像形成との相違点は、フルカラーの画像形成の場合に複数色のトナーを用いてこれを重ね合わせることにより要求される、現像性、転写性、定着性等における諸特性があります。しかしながら、本願発明の課題は「立上がり時間が短く低温での定着が可能であり、かつ異常画像のない」こと(なお、異常画像については本願明細書段落【0006】に記載のとおり、定着ニップ部で生じるものであります。)であります。このため、本願発明は、転写工程の後の、記録材上に担持された未定着トナー像をこの記録材に定着せしめる定着工程に着目する発明であって、単色像であるか多色像であるかによる違い、即ち未定着トナー像に含まれる着色剤に起因する物性の違いは、トナー像の層厚の違いやトナーの熱特性などに比して極端に小さいことは、当業者にとって常識的な事項であります。従って、本願発明の課題を解決し、本願発明の効果を奏することを実際に確認するためには、必ずしも多色像を形成して評価することを要するものではありません。つまり、本願発明の課題及び効果を鑑みると、単色像を形成して定着性を評価することを、同様の層厚かつ同様の熱特性を有する多色像を評価することと見做すことができるものであり、これは当業者にとっては常識的事項であると思料致します。 よって、本願請求項1に係る発明は、実際にその効果が確認されているものであり、発明の技術的意味が明確なものであると共に、当業者が容易に実施可能であると考えます。 (c-8)上記理由2(7)について 上記(c-2)乃至(c-7)項において申し述べましたとおり、補正後の新たな請求項1について上記理由2(1)乃至(6)で御指摘の記載不備が解消されたものであるため、同様に補正後の新たな請求項1を引用する補正後の新たな請求項2乃至8についても記載不備が解消されたものと考えます。 (c-9)まとめ 以上、上記理由2(1)乃至(7)の点について上記(c-1)乃至(c-8)項において申し述べましたように、本願は、特許請求の範囲及び明細書の記載が、特許法第36条第4項1号、第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たすものであると考えます。』 第4 当審の判断 (1)定着圧、定着ニップ時間のサポート要件について まず、拒絶理由通知にも示したが、請求項1に係る発明における特性値の意義は、発明の詳細な説明の【0039】?【0041】に、一応、以下のとおりと説明されている。 (イ)定着圧:1?3kgf/cm^(2) について 上限は、定着部材の薄肉化に対応して望ましい値。下限は、低過ぎると重なった色トナー層が均一に溶融せず、光沢性、透明度が悪くなるため。 (ロ)定着ニップ時間:60?100msecについて 上限は、印刷の高速化、装置の小型化のために望ましい値。下限は、短すぎると、トナー加熱時間が不足し、やはり重なった色トナー層が均一に溶融しない。 (ハ)トナー粘弾性について 「周波数10Hz、応力2000PaでのトナーのG’(貯蔵弾性率)が5×10^(5)Pa以下、かつγ(歪み量)が0.2%以上となる温度が95℃以下」については、95℃より高いと、ベルト加熱ではトナーが変形しにくいものとなり、また、「周波数10Hz、応力2000PaでのトナーのG’が5×10^(3)Pa以下となる温度が150℃以上」については、150℃より低いと、耐オフセット性がよくないものとなる。 しかし、明細書の実施例で効果が実際に確認されているのは、試験例2,3(これが実施例に相当する)の「定着圧:1.5kgf/cm^(2)、かつ、定着ニップ時間:80msec」の場合だけである。そして、これらより小さいが請求項1で規定する「定着圧:1?1.5kgf/cm^(2)」あるいは「定着ニップ時間:60?80msec」のものであっても、本願の作用である「重なった色トナー層が均一に溶融せず、光沢性、透明度が悪くなる」ことがないことまでは、発明の詳細な説明において実証されていないものである。 これに対して、請求人は、意見書にて、上記<表1><表2>で、定着圧、定着ニップ時間の下限付近の値を組み合わせた試験例を示している。 試験例のうち、「試験例3-4」は、定着圧1kgf/cm^(2) 、定着ニップ時間60msecのものであって、圧力不足と加熱不足による定着不良が最も生じやすい条件においても、「定着性(定着下限温度評価、定着温度幅評価、光沢度評価)、転写性に優れ、総合判断においても良好なもの」とされている。この「試験例3-4」と対比されるのは、明細書に開示されている「比較例1」(定着圧0.9kgf/cm^(2) 、定着ニップ時間50msec)であるから、「試験例3-4」と「比較例1」を対比すれば、請求項1で規定する「定着圧:1?1.5kgf/cm^(2)」かつ「定着ニップ時間:60?80msec」の下限での臨界的意義があるようにみえる。 しかしながら、数値範囲の臨界的意義ないしは数値範囲全域における効果が認められるのは、その前提として、以下の(2)?(5)で検討する条件(特に(3)?(5))が満たされたときに限られる。したがって、請求項1で規定する「定着圧:1?1.5kgf/cm^(2)」かつ「定着ニップ時間:60?80msec」のサポート要件の判断は、以下の(2)?(5)を検討した後に、示すことにする。 (2)トナーの結着樹脂について 手続補正により、「トナーの結着樹脂が、THF不溶分を含まないポリエステル樹脂から」なる旨の限定がなされた。 そして、意見書において、本願の実施例で使用されている「ポリエステル樹脂B」の組成が初めて明らかにされた。すなわち、酸成分として、テレフタル酸100部、アルコール成分として、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2.2モル付加物(BPA-EO)70部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2.2モル付加物(BPA-P)30部というものである。この組成自体は、ポリエステル樹脂の代表例といえるかもしれないが、本願の実施例で使用されている「ポリエステル樹脂B」の組成が、それであったという根拠は何もない。 また、意見書では、「ポリエステル樹脂B-2」「ポリエステル樹脂B-3」「ポリエステル樹脂B-4」も示して、それらを組み合わせた、トナー製造例5,6を新たに提出している。しかし、それら各種ポリエステル樹脂について、分子量分布が示されておらず、どのようにしたら、「周波数10Hz、応力2000PaでのトナーのG’(貯蔵弾性率)が5×10^(5)Pa以下、かつγ(歪み量)が0.2%以上となる温度が95℃以下であり、周波数10Hz、応力2000PaでのトナーのG’が5×10^(3)Pa以下となる温度が150℃以上であるトナー」が得られるのか、皆目分からない。トナーの粘弾性が、トナーの結着樹脂の分子量分布に大きく依存することは、技術常識であって、所定の粘弾性を有するトナーを製造するには、結着樹脂の組成に加えて、その分子量分布を知ることが、基本的に必要である。例えば、意見書に示された「ポリエステル樹脂B」「ポリエステル樹脂B-2」「ポリエステル樹脂B-3」「ポリエステル樹脂B-4」の組成と、それら樹脂の配合割合が与えられただけで、請求項1に規定する粘弾性がそのまま得られるとは、必ずしもいえない。 したがって、本願の発明の詳細な説明は、結着樹脂の分子量分布という基本的な情報、あるいは、それに代わるような製造上の指針を開示しておらず、当業者が請求項1の所定の粘弾性を有するトナーを製造しようとした場合に、当業者に期待し得る程度を越える試行錯誤を行う必要があるから、当業者が発明を実施することができる程度に発明の詳細な説明が記載されていない。 (3)定着圧の定義、それに伴う実施可能要件等について 請求人は、特開2005-164721号公報に言及しつつ、本願のニップ圧の定義として、「本願発明におけるニップ部であるベルト加圧部分aとローラ加圧部分bとに加わる全荷重(N)を、ベルト加圧部分aとローラ加圧部分bとで構成されたニップ部の面積(mm^(2))で除して求められる値を、本願発明におけるニップ圧と定義して」おり、文言上からみても、技術常識であると主張している。 しかし、請求人の掲げる特開2005-164721号公報は、本願の出願後になされた請求人自身の出願であるうえ、当該公報の【0035】は、 「最大面圧は、複数の部材でニップ部を構成し、ニップ部の各部材が対応する箇所ごとにその面圧を異ならしめる場合に、それぞれの部材の対応箇所ごとに平均面圧を求め、その平均面圧の中で最大のものを言う。そして、ニップ部の平均面圧はその対象となるニップ部に加わる全荷重(N)を、その荷重によって構成されたニップ部の面積(mm^(2))で除して求められる値である。 図2に示す実施形態1では、第2ニップBが最も面圧が高くなる構成を採っているので、ここでの最大面圧は第2ニップ部Bでの平均面圧である。」 と記載されており、この記載の正確な意味は、当該公報の図2や【0027】等もあわせてみれば、明らかなように、面圧の異なる3つのニップ部(ニップ部A,ニップ部B,ニップ部C)を有し、各ニップ部での平均面圧を計算し、そのうち最大となる平均面圧を最大面圧と呼ぶ、ということである。したがって、当該公報でいう平均面圧とは、本願の例でいえば、ベルト加圧部分a(ニップ部)、ローラ加圧部分b(ニップ部)の各々についての平均面圧が、「対象となるニップ部に加わる全荷重(N)を、その荷重によって構成されたニップ部の面積(mm^(2))で除して求められる値」で計算されるということであって、請求人が主張するような「ベルト加圧部分aとローラ加圧部分bとに加わる全荷重(N)を、ベルト加圧部分aとローラ加圧部分bとで構成されたニップ部の面積(mm^(2))で除して求められる値」を計算することを示していないのである。 したがって、請求人の主張を採用することができない。 そして、本願の明細書において、定着圧の定義をしていないことは、基本的な欠陥である。なぜなら、本願のニップ部は、ほぼ均一なニップ部を形成しているような単純なものではなく、ベルト加圧部分aからなるニップ部(定着圧が小さい)とローラ加圧部分bからなるニップ部(定着圧が大きい)からなるものであり、請求人の主張するような単純な定義「ベルト加圧部分aとローラ加圧部分bとに加わる全荷重(N)を、ベルト加圧部分aとローラ加圧部分bとで構成されたニップ部の面積(mm^(2))で除して求められる値」を採用することが、常識的にみて適切であるといえない。 以下の例をみてもわかるように、ベルト加圧部分aとローラ加圧部分bとをあわせた平均面圧を採用しても、多様な定着条件の実際の姿を反映していないのである。 (例1) ベルト加圧部分a:荷重10kgf、面積10cm^(2) ローラ加圧部分b:荷重50kgf、面積10cm^(2) 両者をあわせた平均面圧: (10+50)/(10+10)=3kgf/cm^(2 ) (例2) ベルト加圧部分a:荷重15kgf、面積15cm^(2) ローラ加圧部分b:荷重60kgf、面積10cm^(2) 両者をあわせた平均面圧: (15+60)/(15+10)=3kgf/cm^(2) (例1)(例2)をみてもわかるように、ベルト加圧部分aとローラ加圧部分bとをあわせた平均面圧が同じであっても、ベルト加圧部分a、ローラ加圧部分bそれぞれの定着条件には、様々なものがある。 したがって、本願の状況では、請求人の主張するような「ニップ部全体の平均面圧」では、定着条件を正確に反映できないから、請求人のいう「技術常識」は通用しない。 よって、請求項1の定着圧の定義は依然として不明である。 また、仮に、本願では、請求人の主張するような「ニップ部全体の平均面圧」を採用して、発明の評価をしていたとすると(なお、本願の発明は、理論的に導き出したのではなく、実験によるものである。)、上記の(例1)(例2)を区別しないものであるから、例えば、実際は、(例1)の定着条件で評価を行っており、(例2)の定着条件では評価をしていない場合には、効果を確認している(例1)について特許を請求することは、正当であるが、効果を確認していない(例2)についてまで特許を請求することは、不当である。 また、拒絶理由通知は、「定着ニップ時間については、ニップ部全体でみたニップ時間が同じでも、ベルト加圧部分aのニップ時間とローラ加圧部分bのニップ時間の割合が異なれば、定着条件は大きく異なるものである。しかし、これらは実施例でも不明である。しかも、これでは、当業者が請求項1に係る発明を実施するのに過度な試行錯誤を強いることは明らかであるから、実施可能要件も満たさない。」と指摘しているのであるが、請求人からの釈明はない。 ここでいう「定着ニップ時間」というのは、ニップ幅やニップ面積に対応するものであるから、上記の(例1)(例2)の議論とも関係するものである。 そして、例えば、ニップ部全体でみたニップ面積が同じでも、ベルト加圧部分aのニップ面積とローラ加圧部分bのニップ面積の割合が異なれば、(例1)と以下の(例3)とを対比するとわかるように、両者をあわせたニップ面積及び平均面圧がともに同じであっても、定着条件は大きく異なる。したがって、ここでも、発明の明確性要件、実施可能要件の違反がみられる。 (例3) ベルト加圧部分a:荷重15kgf、面積12cm^(2) ローラ加圧部分b:荷重45kgf、面積8cm^(2) 両者をあわせた平均面圧: (15+45)/(12+8)=3kgf/cm^(2) (4)定着ニップ時間の定義、それに伴う実施可能要件等について 上記の定着ニップ時間の検討とも関係するが、本願の明細書では、定着ニップ時間の定義が与えられていない。 これについて、請求人は、「本願の試験例、比較例では、定着ローラの回転速度を変化させて、定着ニップ時間を変化させています。なお、(ニップ圧の変化を生じ得る)画像形成装置の構成を変形するよりも、(ニップ圧の変化を生じ得ない)各部を制御することで回転速度を変更することのほうが合理的であることは明らかであり、この合理的である回転速度を変更することを採用することは当業者にとって過度な試行錯誤を要するものではなく、容易に推認し得るものと言えます。即ち、定着ローラの回転速度を変化させて、定着ニップ時間を変化させることが妥当であると当業者は推認し得るものと言えます。」と主張する。 しかし、定着ニップ時間の定義が単純にできないことは、既に述べたとおりである。 また、「定着ニップ時間=定着ニップ幅/定着速度(定着ローラの回転速度)」で表されるところ、請求人は、「回転速度を変更することのほうが合理的であることは明らか」「定着ニップ時間を変化させることが妥当であると当業者は推認し得る」と主張するが、本願で使用する定着装置は、定着ニップ幅を変更することも可能であるから、回転速度を変更して、定着ニップ時間を求めたという根拠は薄く、定着ニップ幅と回転速度のうち、どちらを変更したのか不明というべきである。 よって、請求項1の定着ニップ時間の定義は依然として不明確である。 また、定着ニップ時間を合計としてみるだけでは不十分であり、以下の(例4)(例5)から明らかなように、ベルト加圧部分a、ローラ加圧部分bそれぞれの定着ニップ時間を厳密に区別し、定着速度とともに、慎重に検討しなければならないことは当然である。 したがって、そもそも本願の明細書では、定着ニップ時間の定義を明確にしておくべきであって、その定義を欠如することは、欠陥のある明細書である。 そして、定義が不明確であるから、当業者が請求項1に係る発明を実施するのに過度な試行錯誤を強いることは明らかである。 (例4) ベルト加圧部分aのニップ幅:5mm ローラ加圧部分bのニップ幅:5mm 両者をあわせたニップ幅:10mm 定着速度:100mm/sec 定着ニップ時間:100msec (例5) ベルト加圧部分aのニップ幅:10mm ローラ加圧部分bのニップ幅:5mm 両者をあわせたニップ幅:15mm 定着速度:150mm/sec 定着ニップ時間:100msec (5)定着装置の条件とサポート要件について 拒絶理由通知で、「定着圧、定着ニップ時間、トナーの粘弾性特性が決まっても、定着性は、定着ベルト、定着ローラ、加圧ローラの特性(硬度など)にも依存する(実施例ではそれら条件が【0055】に記載されている。)ことは明らかであるにも拘らず、それらを捨象して、定着圧、定着ニップ時間、トナーの粘弾性特性だけで本願発明の課題が達成されるとする請求項1に係る発明は、実際に効果が確認された範囲を超えて特許を請求しており、発明の詳細な説明に実質的に記載されたものではない。」と指摘したところ、 請求人は、上記の補正を行って、「補正後の新たな請求項1に係る発明は、定着ローラ、加圧ローラ及び定着ベルトが弾性層を有する構成に限定され、(IV)加圧ローラ及び定着ベルトがフッ素系樹脂からなる表面離型層を有する構成に限定されてなります。このため、上記補正後の本願請求項1に係る発明は、実際に効果が確認された範囲を逸脱するものではなく、発明の詳細な説明に実質的に記載された範囲に含まれるものと思料致します。」と主張する。 しかしながら、請求項1に係る発明は、定着圧を問題にするものであるから、定着ローラと加圧ローラの硬度(アスカーC硬度等)が関係するものでるが、硬度については特定されていない。 したがって、請求項1は、効果を確認した前提となる定着装置の条件が十分に規定されていないから、請求項1に係る発明は、実際に効果が確認された範囲を超えて特許を請求しており、発明の詳細な説明に実質的に記載されたものではない。 (6)ここで、上記(1)の「定着圧、定着ニップ時間のサポート要件について」の検討に戻るが、 上記(3)?(5)で検討したとおり、請求項1では、定着圧の定義、定着ニップ時間の定義、定着装置の詳細条件(硬度など)が、いずれも不明確で特定されない以上、 実際に効果を確認したところの、本願の実施例や意見書提出の試験例における、具体的な定着条件(ベルト加圧部分aとローラ加圧部分bを区別した定着圧及び定着ニップ時間)、及び、使用した定着装置の詳細条件が、請求項1に反映されていないことは明らかであるから、 仮に意見書提出の試験例を採用することが可能だとしても、 出願時の技術常識に照らしても、請求項1に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に記載された内容(それは、効果が確認される内容であることは当然である。)を拡張ないし一般化できるとはいえない。 (7)まとめ したがって、請求項1に係る発明は、明確でなく、また、発明の詳細な説明に記載したものではなく、さらに、発明の詳細な説明の記載は、当業者が請求項1に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものではない。 また、請求項1を引用する請求項2?7も同様である。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本願の特許請求の範囲、発明の詳細な説明の記載は、依然として、特許法第36条第4項第1号、同条第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしておらず、特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2010-11-02 |
結審通知日 | 2010-11-10 |
審決日 | 2010-11-24 |
出願番号 | 特願2003-327452(P2003-327452) |
審決分類 |
P
1
8・
536-
WZ
(G03G)
P 1 8・ 537- WZ (G03G) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 西村 賢 |
特許庁審判長 |
木村 史郎 |
特許庁審判官 |
伏見 隆夫 一宮 誠 |
発明の名称 | 画像形成方法 |
代理人 | 舘野 千惠子 |