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審決分類 審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 B41J
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B41J
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B41J
管理番号 1234793
審判番号 不服2009-26047  
総通号数 137 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-05-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-12-28 
確定日 2011-03-28 
事件の表示 特願2003- 27612「印刷装置およびその制御方法、ならびに印刷システムおよびその制御方法」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 8月26日出願公開、特開2004-237505〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成15年2月4日の出願であって、平成18年2月2日及び平成21年7月10日に手続補正がなされ、同年9月25日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年12月28日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正(以下「本件補正」という。)がなされ、当審において、平成22年7月27日付けで審尋がなされ、同年9月27日に回答書が提出されたものである。

第2 本件補正の却下の決定
〔結論〕
本件補正を却下する。

〔理由〕
1 補正の内容・目的
(1)補正の内容
ア 本件補正は、特許請求の範囲の請求項1の記載を、
「記録用紙を給紙する給紙手段であって少なくとも第1の給紙手段及び第2の給紙手段及び第3の給紙手段を含む複数の給紙手段と、
予め設定された給紙手段による給紙が不可能な場合に、他の給紙手段に切り替えて給紙を行う切替手段と、
前記第1の給紙手段により記録用紙を給紙して印刷されるべき印刷データを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された印刷データの印刷に係る情報として、該印刷データの印刷に用いられるべき記録用紙のタイプを示すタイプ情報と、該タイプ情報が示すタイプの記録用紙を前記第1の給紙手段により給紙することが不可能な場合に、前記切替手段により前記第1の給紙手段から他の給紙手段に切り替えて給紙することを許可するか否かを示す第1の切替情報と、前記第2の給紙手段を前記他の給紙手段として使用することを許可するか否かを示す第2の切替情報とを、受け付ける受付手段と、
前記第1の切替情報に基づいて、前記切替手段により前記他の給紙手段へ切り替えて給紙することが許可されているか否かを判断する第1の判断手段と、
前記切替手段により前記第1の給紙手段から前記他の給紙手段に切り替える場合に、前記第2の切替情報に基づいて、前記第2の給紙手段を前記他の給紙手段として使用することが許可されているか否かを判断する第2の判断手段と、
前記第1の給紙手段により給紙される記録用紙のタイプと、前記タイプ情報が示すタイプとが同一であって、且つ前記第1の給紙手段により給紙されるべき記録用紙が印刷中に給紙できなくなった場合には、前記第1の判断手段で他の給紙手段へ切り替えが許可されていて、かつ、前記第2の判断手段で前記第2の給紙手段が他の給紙手段として使用することが許可されていないと判断したことにより、前記切替手段による前記第1の給紙手段から前記第3の給紙手段への切り替えが実行されるよう制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。」
から、
「記録用紙を給紙する給紙手段であって少なくとも第1の給紙手段及び手差し給紙手段を含む複数の給紙手段と、
予め設定された給紙手段による給紙が不可能な場合に、他の給紙手段に切り替えて給紙を行う切替手段と、
前記第1の給紙手段により記録用紙を給紙して印刷されるべき印刷データを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された印刷データの印刷に係る情報として、該印刷データの印刷に用いられるべき記録用紙のタイプを示すタイプ情報と、該タイプ情報が示すタイプの記録用紙を前記第1の給紙手段により給紙することが不可能な場合に、前記切替手段により前記第1の給紙手段から他の給紙手段に切り替えて給紙することを許可するか否かを示す第1の切替情報と、前記手差し給紙手段を前記他の給紙手段として使用することを許可するか否かを示す第2の切替情報とを、受け付ける受付手段と、
前記第1の切替情報に基づいて、前記切替手段により前記他の給紙手段へ切り替えて給紙することが許可されているか否かを判断する第1の判断手段と、
前記切替手段により前記第1の給紙手段から前記他の給紙手段に切り替える場合に、前記第2の切替情報に基づいて、前記手差し給紙手段を前記他の給紙手段として使用することが許可されているか否かを判断する第2の判断手段と、
前記第1の給紙手段により給紙される記録用紙のタイプと、前記タイプ情報が示すタイプとが同一であって、且つ前記第1の給紙手段により給紙されるべき記録用紙が印刷中に給紙できなくなった場合には、前記第1の判断手段で前記他の給紙手段への切り替えが許可されていて、かつ、前記第2の判断手段で前記手差し給紙手段が前記他の給紙手段として使用することが許可されていると判断したことにより、前記切替手段による前記第1の給紙手段から前記手差し給紙手段への切り替えが実行されるよう制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。」に補正することを含むものである。(下線は審決で付した。以下同じ。)

イ 本件補正後の請求項1に係る補正は以下の補正内容からなる。
(ア)第1の給紙手段とともに給紙手段に含まれる給紙手段を、「第2の給紙手段及び第3の給紙手段」から「手差し給紙手段」へと変更する。
(イ)第2の切替情報が前記他の給紙手段として使用することを許可するか否かを示す給紙手段を「第2の給紙手段」から「手差し給紙手段」へと変更する。
(ウ)第2の判断手段により、前記第2の切替情報に基づいて前記他の給紙手段として使用することが許可されているか否かが判断される給紙手段を「第2の給紙手段」から「手差し給紙手段」へと変更する。
(エ)制御手段について、「前記第1の給紙手段により給紙される記録用紙のタイプと、前記タイプ情報が示すタイプとが同一であって、且つ前記第1の給紙手段により給紙されるべき記録用紙が印刷中に給紙できなくなった場合には、前記第1の判断手段で他の給紙手段へ切り替えが許可されていて、かつ、前記第2の判断手段で前記第2の給紙手段が他の給紙手段として使用することが許可されていないと判断したことにより、前記切替手段による前記第1の給紙手段から前記第3の給紙手段への切り替えが実行されるよう制御する」ものから「前記第1の給紙手段により給紙される記録用紙のタイプと、前記タイプ情報が示すタイプとが同一であって、且つ前記第1の給紙手段により給紙されるべき記録用紙が印刷中に給紙できなくなった場合には、前記第1の判断手段で前記他の給紙手段への切り替えが許可されていて、かつ、前記第2の判断手段で前記手差し給紙手段が前記他の給紙手段として使用することが許可されていると判断したことにより、前記切替手段による前記第1の給紙手段から前記手差し給紙手段への切り替えが実行されるよう制御する」ものへと変更する。

(2)補正の目的
ア 上記(1)イ(ア)の補正内容は、補正後の「手差し給紙手段」が補正前の「第2の給紙手段及び第3の給紙手段」のように複数の給紙手段でなく、これを限定したものではないことから、特許請求の範囲の減縮(特許法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)であるとは認められず、また、このような変更は、請求項の削除であるとも、誤記の訂正であるとも、不明りょうな記載の釈明であるとも認められない。
イ 上記(1)イ(エ)の補正内容は、補正後の「前記第2の判断手段で前記手差し給紙手段が前記他の給紙手段として使用することが許可されていると判断したことにより、前記切替手段による前記第1の給紙手段から前記手差し給紙手段への切り替えが実行される」制御が、補正前の「前記第2の判断手段で前記第2の給紙手段が他の給紙手段として使用することが許可されていないと判断したことにより、前記切替手段による前記第1の給紙手段から前記第3の給紙手段への切り替えが実行される」制御を限定したものではないから、特許請求の範囲の減縮(特許法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)であるとは認められず、また、このような変更は、請求項の削除であるとも、誤記の訂正であるとも、不明りょうな記載の釈明であるとも認められない。
ウ 上記ア及びイから、上記(1)イ(ア)及び(エ)の補正事項を含む本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下「旧特許法」という。)第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
エ 上記(1)イ(イ)及び(ウ)の補正内容が旧特許法第17条の2第4項第2号に規定される限定的減縮であると解されることから、念のため、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(旧特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2 刊行物に記載の事項
(1)原査定の拒絶の理由に引用された本願出願前に頒布された刊行物である特開平10-207299号公報(以下「引用例1」という。)には、図とともに以下の事項が記載されている。

ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば複数の給紙カセット段が設けられ、複写動作中に用紙がなくなった際に同サイズの用紙を収納している他の給紙カセット段に自動的に切り替えて複写動作を継続するオートカセットチェンジ機能を有する電子複写機等の画像形成装置と画像形成方法に関する。」

イ 「【0005】また、手差しからのオートカットチェンジのみを禁止するというような、各段毎のオートカセットチェンジ機能の有無切り替えもできなかった。特に手差しは、厚紙や色紙などの特殊紙を使用することが多く、コピー中に用紙切れになってオートカセットチェンジ機能が働き、カセットが切り替わってしまうと異なった用紙にコピーを続けてしまい、ミスコピーをとってしまうことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、コピー中に給紙カセット段の用紙が無くなった際、同サイズの他の給紙カセット段に自動的に切り替えてコピーを継続するオートカセットチェンジ機能において、このオートカセットチェンジ機能の有無はサービスマンによる調整コードの設定のみで、給紙カセット段毎のオートカセットチェンジ機能の有無を設定することができず、また、ユーザによる設定やメニューによる設定もできず、例えば、手差しは、厚紙や色紙などの特殊紙を使用することが多く、コピー中に用紙切れとなってオートカセットチェンジ機能が働き、給紙カセット段が切り替わってしまうと異なった用紙にコピーを続けてしまい、ミスコピーをとってしまうというようにオートカセットチェンジ機能を効果的に用いることができないという問題があった。
【0007】そこで、この発明は、給紙カセット段毎のオートカセットチェンジ機能の有無を設定することができ、ユーザによるオートカセットチェンジ機能の有無の選択も可能としてオートカセットチェンジ機能を効果的に用いることのできる画像形成装置と画像形成方法を提供することを目的とする。」

ウ 「【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、この発明に係る画像形成装置としてのデジタル複写機の全体構成を概略的に示すものである。このデジタル複写機1はスキャナ2及びプリンタ(レーザエンジン)3を備え、上部に自動原稿送り装置(ADF)4を装着している。」

エ 「【0023】また、搬送路75a、トレイ75b、搬送路75c、及び紙センサ75dとから自動両面反転機構としての自動両面装置(ADD)75が構成されている。また、多段給紙装置(PFC)90は、前記装置本体1のフロント側より着脱自在に上中下段に装着された給紙手段としての給紙カセット30,…を有している。この給紙カセット30は、コピー用紙Pが収納された筐体であるカセットケース31からなり、このカセットケース31の取出し端部は、用紙取出し方向に向け傾斜させてなる構成を有する。そして、前記給紙カセット30のカセットケース31内に収納されたコピー用紙Pは、ピックアップローラ81にて最上層からピックアップされて取り出されるようになっている。このピックアップローラ81にて取り出されて前記カセットケース31の取出し端部側に送り込まれたコピー用紙Pは、前記カセットケース31の取出し端部の内側上方に設置された給紙ローラ84と分離ローラ(または分離パッド)85とからなる用紙分離部にて一枚ずつ分離されて、プリンタ3に向け搬送されるようになっているものである。
【0024】また、他の給紙手段として装置本体の右サイド側には、手差しコピーを行うための手差し用給紙手段としての手差しガイド42、着脱自在に装着された給紙カセット43、及び大容量給紙装置(LCC)47とが設けられている。給紙カセット43に収納されたコピー用紙Pは、ピックアップローラ43aにて最上層からピックアップされて取り出されるようになっている。このピックアップローラ43aにて取り出されて給紙カセット43の取出し端部側に送り込まれたコピー用紙Pは、給紙カセット43の取出し端部の内側上方に設置された給紙ローラ43bと分離ローラ43cとからなる用紙分離部にて一枚ずつ分離されて、プリンタ3に向け搬送されるようになっている。LCC47に収納されたコピー用紙Pは、ピックアップローラ47aにて最上層からピックアップされて取り出されるようになっている。このピックアップローラ47aにて取り出されてLCC47の取出し端部側に送り込まれたコピー用紙Pは、LCC47の取出し端部の内側上方に設置された給紙ローラ47bと分離ローラ47cとからなる用紙分離部にて一枚ずつ分離されて、プリンタ3に向け搬送されるようになっている。」

オ 「【0025】図2は、デジタル複写機1の制御系の構成を示すものである。すなわち、電子複写機1の全体を制御するメインCPU100には、ROM102、RAM104、画像メモリ106、内部インタフェース108、外部インタフェース110とが接続されている。
【0026】詳しくは後述するが記憶手段としてのRAM104内において、不揮発部104aにはコードデータ、揮発部104bにはオートカセットチェンジ機能有無のデータが記憶される。
【0027】内部インタフェース122にはコントロールパネル120が接続され、外部インタフェース110にはユニット74が接続されている。コントロールネル120にはメッセージ表示部121、テンキー122、イエス(YES)キー123、ノー(NO)キー124、スタートキー125等が配置されている。」

カ 「【0030】図3は、入力手段としてのコントロールパネル120の構成を示すものである。すなわち、コントロールパネル120は、上記したメッセージ表示部121、テンキー122、イエス(YES)キー123、ノー(NO)キー124、スタートキー125の他に、フィニッシャーキー130、クリップ受け131、表示パネル132、HELPキー133、操作ガイドキー134、予熱キー135、コピー枚数表示器136、割り込みキー137、ズーム/100%キー138、原稿サイズキー139、用紙サイズキー140、自動用紙選択キー141、自動倍率選択キー142、オールクリアキー143、クリア/ストップキー144、自動濃度キー145、マニュアル濃度キー146、カセット選択キー147、両面キー148、とじしろキー149、及びソータキー150とから構成されている。」

(キ)「【0038】原稿サイズキー139は、原稿サイズをセットするときに使用する。用紙サイズを選択して原稿サイズを指定すると、コピー倍率が自動的にセットされる。用紙サイズキー140は、用紙サイズを選択するときに使用する。」

ク 「【0043】カセット選択キー147は、選択されているカセットが希望のサイズでないとき、このキーを押して別のカセットを選ぶことができる。両面キー148は、片側原稿から両面コピー、両面原稿から両面コピー、両面原稿から片面コピー、ブック原稿から両面コピーをとるときに使用する。

ケ 「【0049】図5は、自動給紙制御手段としてのオートカセットチェンジ機構の調整モードを示すものである。すなわち、図に示す調整コードをサービスマンが、設定手段としてのコントロールパネル120から直接データ設定することにより、上記のユーザによるメッセージからのオートカセットチェンジ機能有無の選択と同様のことを行うことができる。このサービスマンによるオートカセットチェンジ機能の禁止、許可は、サービスマンがコントロールパネル120から調整モードにして調整コードを入力することにより、RAM104の不揮発部104aに設定記憶される。この調整モードは、図5に示すように手差しに限らず全給紙段に対しても同様に行えるもので、コード151から156に手差しと同様に設定状態が記憶される。
【0050】調整コードにおけるコード150では、手差しから及び手差しへのオートカセットチェンジ機能許可、禁止が設定記憶される。設定値が「0」の場合に許可とし、設定値が「1」の場合に禁止とされる。
【0051】コード151でLCC47から及びLCC47へのオートカセットチェンジ機能許可、禁止が設定記憶され、コード152で本体上段の給紙カセット43から及び本体上段の給紙カセット43へのオートカセットチェンジ機能許可、禁止が設定記憶され、コード154で多段給紙装置(PFC)90上段の給紙カセット30から及びPFC90上段の給紙カセット30へのオートカセットチェンジ機能許可、禁止が設定記憶され、コード155でPFC90中段の給紙カセット30から及びPFC90中段の給紙カセット30へのオートカセットチェンジ機能許可、禁止が設定記憶され、コード156でPFC90下段の給紙カセット30から及びPFC90下段の給紙カセット30へのオートカセットチェンジ機能許可、禁止が設定記憶される。
【0052】なお、コード153は、本体下段に給紙カセットが設けられた場合に用いられるものであるが、図1で示した電子複写機1においては設けられていないので省略する。
【0053】また、図4で示したメッセージ表示部121に表示されるメッセージからのオートカセットチェンジ機能有無の選択無し、選択有りも調整コード149で設定記憶される。例えば、コード149のデータが「0」ならば、「選択無し」であるので手差しガイド42に用紙をセットしても、図4の(b)に示した「テザシカラ オートカセットチェンジヲ シマスカ?」のメッセージは表示されない。
【0054】さらに、コード21はオートカセットチェンジ機能の禁止「0」、許可「1」が設定記憶され、コード148はオートカセットチェンジ機能有無自動判断無し「0」、自動判断有り「1」が設定記憶される。」

コ 「【0055】次に、このような構成において電子複写機1のコピー動作を図6、図7のフローチャートを参照して説明する。コントロールパネル120から各種設定が操作されてコピー開始のスタートキー125が押された後、まず、メインCPU100は、オートカセットチェンジ機能有無自動判断モードか否かをRAM104の不揮発部104aにおけるコード148の値により判断する(ST1)。
【0056】自動判断モードであれば(調整コード148=1)、メインCPU100は、両面コピーか(ST2)、ページ連写コピーか(ST3)、2in1コピーか(ST4)、ソータ使用コピーか(ST5)、表紙モードコピーか(ST6)、シート挿入モードコピーか(ST7)をチェックし、上記モードであればオートカセットチェンジ機能禁止フラグをRAM104内の揮発部104bにセットする(ST8)。メインCPU100は、この禁止フラグがセットされていた場合、用紙切れが発生しても給紙段の切り替えを行わず、用紙補給を促すメッセージをメッセージ表示部121に表示して装置本体を停止し、この禁止フラグがリセットされている場合、用紙サイズの同じ給紙段を探し、存在する場合にそのカセット段を次の給紙段とする。【0057】上記モード時は、オートカセットチェンジ機能により用紙の種類が変化してしまった場合に明らかに不具合があると考えられるが、この考えに基づいてオートカセットチェンジ機能有無自動判断の調整モード(コード148)を設けた。
【0058】なお、オートカセットチェンジ機能禁止フラグが、セットされた場合はデータ値が「1」となり、リセットされた場合はデータ値が「0」となる。また、ステップST1において自動判断モードでなければ(調整コード148=0)、その他の調整コードによるオートカセットチェンジ機能有無を調べる処理を行う(ST9)。
【0059】ここでステップST9の動作を図7のフローチャートを参照して説明する。まず、メインCPU100は、RAM104内の不揮発部104aに記憶されているコード21に設定されている値から全段オートカセットチェンジ許可か禁止かを判断し(ST21)、許可の場合にコード151に設定されている値から本体LCC47のみオートカセットチェンジ禁止か否かを判断し(ST22)、禁止の場合にステップST28へ移行する。
【0060】ステップST22で許可の場合にコード152に設定されている値から本体上段の給紙カセット43のみオートカセットチェンジ禁止か否かを判断し(ST23)、禁止の場合にステップST28へ移行する。
【0061】ステップST23で許可の場合にコード154に設定されている値からPFC(ペデスタル)90上段の給紙カセット30のみオートカセットチェンジ禁止か否かを判断し(ST24)、禁止の場合にステップST28へ移行する。
【0062】ステップST24で許可の場合にコード155に設定されている値からPFC(ペデスタル)90中段の給紙カセット30のみオートカセットチェンジ禁止か否かを判断し(ST25)、禁止の場合にステップST28へ移行する。
【0063】ステップST25で許可の場合にコード156に設定されている値からPFC(ペデスタル)90下段の給紙カセット30のみオートカセットチェンジ禁止か否かを判断し(ST26)、禁止の場合にステップST28へ移行する。
【0064】ステップST26で許可の場合にコード150に設定されている値から手差しガイド42からの給紙のみオートカセットチェンジ禁止か否かを判断し(ST27)、禁止の場合にステップST28へ移行し、許可の場合にオートカセットチェンジ禁止フラグをRAM104内の揮発部104bにリセットする(ST30)。
【0065】メインCPU100は、上記判断でステップST28に移行した際、給紙段及びカセット切り換え先がオートカセットチェンジ禁止段と等しいか否かを判断し、等しい場合にオートカセットチェンジ禁止フラグをRAM104内の揮発部104bにセットする(ST29)。
【0066】また、ステップST21の判断で禁止の場合、メインCPU100は、オートカセットチェンジ禁止フラグをRAM104内の揮発部104bにセットする(ST31)。
【0067】これで、ステップST8またはステップST9が終了した際、メインCPU100は、コントロールパネル120の操作で設定されたコピー動作を行い(ST10)、設定枚数分コピーが完了した場合(ST11)、終了する。
【0068】また、枚数分コピーが完了しないで(ST11)、枚数分コピー未完了で当該給紙段の紙無しが発生した場合(ST12)、メインCPU100は、RAM104内の揮発部104bに記憶されているオートカセットチェンジ禁止フラグがセットされているか(データ値=1)、リセットされているか(データ値=0)をチェックする(ST13)。
【0069】ステップST13においてメインCPU100は、データ値が「0」の場合は給紙段のカセット(同じ用紙サイズ)を切り替え(ST15)、ステップST10へ移行してコピー動作を続け、データ値が「1」の場合はメッセージ表示部121に用紙切れのメッセージを表示し(ST14)、当該給紙段に用紙が補給されるまで動作を終了(停止)とする。
【0070】以上説明したように上記発明の実施の形態によれば、給紙段毎にオートカセットチェンジ機能の有無が選択でき、メッセージでのユーザによるオートカセットチェンジ機能有無の選択が可能であり、また、オートカセットチェンジ機能が不要であると考えられるコピーモードでは自動的に手差しのオートカセットチェンジ機能を禁止でき、ミスコピーの低減に大きな効果をもたらすことができる。

サ 上記アないしコから、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「複数の給紙カセット段が設けられ、複写動作中に用紙がなくなった際に同サイズの用紙を収納している他の給紙カセット段に自動的に切り替えて複写動作を継続するオートカセットチェンジ機能を有する画像形成装置において(上記ア参照。以下同様につき参照箇所のみ記す。)、特に手差しは、厚紙や色紙などの特殊紙を使用することが多く、コピー中に用紙切れになってオートカセットチェンジ機能が働き、カセットが切り替わってしまうと異なった用紙にコピーを続けてしまい、ミスコピーをとってしまうという問題から、給紙カセット段毎にオートカセットチェンジ機能の有無を設定することのできるようにした画像形成装置であって(イ)、
前記画像形成装置は、スキャナ及びプリンタを備え(ウ)、上中下段に装着された給紙手段としての給紙カセットを有している多段給紙装置(PFC)、手差し用給紙手段としての手差しガイド、着脱自在に装着された給紙カセット、及び大容量給紙装置(LCC)が設けられており(エ)、
前記画像形成装置の制御系は、画像形成装置の全体を制御するメインCPUに、RAM、内部インタフェース等が接続されており(オ)、
前記内部インタフェースには、スタートキー、用紙サイズを選択するときに使用する用紙サイズキー、選択されているカセットが希望のサイズでないときに別のカセットを選ぶときに使用するカセット選択キー等から構成されているコントロールパネルが接続されており(オ、カ、キ、ク)、
自動給紙制御手段としてのオートカセットチェンジ機構の調整モードでは、サービスマンがコントロールパネルから調整コードを入力することにより、全段オートカセットチェンジ許可か禁止かに係る調整コード21、オートカセットチェンジ機能有無自動判断のあるなしに係る調整コード148、さらに、手差し、LCC、給紙カセット、PFCの上段、中段、下段の各給紙段に関して該給紙段から及び該給紙段へのオートカセットチェンジ機能許可または禁止に係る調整コード150?156等のそれぞれが、RAMに設定記憶されるものであって(ケ)、
コントロールパネルから各種設定が操作されてコピー開始のスタートキーが押された後、メインCPUは、まず、オートカセットチェンジ機能有無自動判断モードか否かを調整コード148から判断して(ST1)、自動判断モードであればこれを行って(ST2?8)コピー動作(ST10)へ進み、自動判断モードでなければ、全段オートカセットチェンジ許可か禁止かを調整コード21から判断して(ST21)、許可の場合には、給紙カセット、PFCの上段、中段、下段、手差しの各給紙段に関してオートカセットチェンジが禁止されているか否かを調整コード150?156から判断して(ST22?27)、禁止されている給紙段があり、かつ、これがオートカセットチェンジ禁止段と等しければオートカセットチェンジ禁止フラグをRAMにセットし(ST28?29)、そうでなければこれをセットすることなくコピー動作(ST10)へと進み(コ)、
コピー動作(ST10)にて、設定枚数分コピーが完了した場合は(ST11)終了し、設定枚数分コピー未完了で当該給紙段の紙無しが発生した場合に(ST12)、メインCPUは、RAMに記憶されているオートカセットチェンジ禁止フラグがセットされているかリセットされているかをチェックし(ST13)、リセットされている場合は同じ用紙サイズの給紙段のカセットに切り替えて(ST15)コピー動作を続け、オートカセットチェンジ禁止フラグがセットされている場合は当該給紙段に用紙が補給されるまで動作を終了(停止)とする(ST14)(コ)
画像形成装置。」

(2)原査定の拒絶の理由に引用された本願出願前に頒布された刊行物である特開平2-39967号公報(以下「引用例2」という。)には、図とともに以下の事項が記載されている。

ア 「〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、用紙無しエラー発生から用紙補給までの間、プリントシステムはホストCPUからの要求による印刷を停止するため、早急にプリント出力を必要とする場合について考慮がされていなかった。
本発明の目的は、ある用紙サイズの紙無しエラー発生から用紙補給までの間は、他のサイズの給紙部の用紙へ印刷を可能とすることにより、プリントシステムのサービスの向上を図ることにある。」(公報1頁右下欄3?12行)

イ 「いま、給紙部甲4-1と同乙4-2、同丙4-3に、それぞれ、A3サイズ用紙とB4サイズB5サイズ用紙がセットされており、ホストCPUからの印刷要求がA4サイズであるとして、以下第3図を用いて本発明の動作を説明する。
印刷順序がiであるA4サイズのページ印刷開始前に給紙部4にステップ9でA4サイズ用紙なしエラーが発生するとプリンタ2はステップ10でプリンタステータス管理部6へ報告し、制御装置3はエラーの発生と他サイズの用紙への印刷が可能なことをオペレータに知らせる。そして、ステップ12でオペレータがB4サイズの用紙への印刷を要求する場合は、ステップ13で印刷データ管理部7の用紙サイズ7-3と給紙部4をB4サイズに変更してステップ14で印刷を行なう。このプリント出力結果は第3図の17に示す。その後、ステップ15で給紙部4にA4サイズの用紙補給を行なうとステップ16で給紙部を回復して印刷を再開する。これにより用紙無しエラー発生から用紙補給までの時間にも印刷が可能となる。
実施例において、ステップ9に先立ち印刷モードを設定することによりステップ10でオペレータへエラー報告を行うことなく自動的に別の給紙部の用紙へ印刷してもよい。」(公報2頁右上欄9行?同頁左下欄12行)

(3)原査定の拒絶の理由に引用された本願出願前に頒布された刊行物である特開2001-243035号公報(以下「引用例3」という。)には、図とともに以下の事項が記載されている。

ア 「【0024】そして、対応手段選択処理(ステップS4)に移る。この対応手段選択処理は、例えば、A4サイズの用紙が給紙カセット6内に収納されていないときに、A4サイズの用紙を用いてプリント処理を行う旨のプリントジョブがある端末から要求された場合など、要求通りの処理を行えない異常状態が生じたときに、この状態に対処するために予め用意された複数の処理手段(以下、「対応手段」という。)の中からいずれか一の手段を選択する処理である。ここで、プリンタ3に異常状態が生じていなければ、そのままステップS5の画像形成処理に移り、画像形成すべき画像データを画像メモリ104から読み出し画像形成動作を行う。
【0025】一方、異常状態が生じていれば、当該異常状態に対応するための手段が選択され、選択された手段を実行した後、ステップS5の画像形成処理に移り、その後内部タイマーの終了を待ってステップS2にリターンする(ステップS6)。
(4)対応手段選択処理の制御動作
対応手段選択処理の制御動作を説明するに当たり、まず当該処理を実行するための前提条件として、本プリンタシステム1を管理している管理者が予め設定しておくべき内容、およびプリントジョブを要求するユーザが設定すべき内容をそれぞれ説明する。なお、ここでは、「異常状態」として、適合するサイズの用紙がない場合を例にとることとする。
【0026】(4-1)管理者が予め設定しておくべき内容
管理者は、まず適合サイズの用紙がない場合が生じたときに対処するために予め用意された4つの対応手段
1.プリント強行
2.タイムアウト後プリント強行
3.適合サイズがセットされるのを待つ
4.ユーザに問い合わせる
の中から、要求される全てのプリントジョブに対して原則的に行われるべきであると考える手段(以下、「システム共通対応手段」という。)を選択する。
【0027】図4は、システム共通対応手段を操作パネル8上の表示部83において選択入力するための受付画面84の例を示す図である。上記したように、表示部83はタッチパネルになっており、受付画面84の各手段が表示されている部分を指で触れることによりいずれか一つの手段の選択が行え、最後にOKボタン85に触れることで選択操作が終了するようになっている。このシステム共通対応手段の選択をどのような基準で行うかについては、後述するが、ここで各手段の内容について説明しておく。
【0028】「1.プリント強行」とは、A4サイズの用紙がセットされてなくても、B4サイズの用紙がセットされていれば直ちにその用紙にプリント処理を行う手段である。
「2.タイムアウト後プリント強行」は、指定されたサイズの用紙がセットされていない旨のメッセージをプリントジョブを要求したユーザの端末に送出して当該ユーザに告知した後、所定時間経過後に他のサイズの用紙にプリント処理を強行するものであり、所定時間、例えば20秒以内にA4サイズの用紙がセットされれば、その用紙にプリント処理を行うが、その時間を経過すると強制的にB4サイズの用紙にプリント処理を行うものである。なお、本手段が実行されれば、所定時間が経過するまで他のユーザからのプリントジョブの要求を受け付けない待機状態となる。」

イ 「【0033】(4-2)プリントジョブを要求するユーザが設定すべき内容
図6は、ユーザが端末のモニタ上において対応手段選択情報の設定を行うための受付画面20の例を示す図である。ユーザは、この受付画面20において表示されている4つの対応手段の中から希望する手段をユーザ希望対応手段として選択すると共に、自身が選択した対応手段が後述する対応手段選択処理により採用されなかった(却下された)場合に、当該プリントジョブをキャンセルするのか、それともシステムの設定(これは後述するように上記管理者が選択した対応手段となる)に従うのかを選択する。
【0034】この受付画面20は、プリントジョブを要求するユーザが端末においてOSやアプリケーションソフトの印刷画面を呼び出し、プリントすべき用紙サイズの選択や印刷部数の設定などを行った後、印刷実行前の最後の設定項目としてプリントジョブの要求毎に表示される画面であり、プリント開始ボタン23をマウスなどでクリックすると、プリンタ3に対しプリントジョブが要求されるようになっている。
【0035】図7は、対応手段選択情報の設定処理の内容を示すフローチャートであって、当該処理は端末の制御部により行われるものである。まず、上記受付画面20が端末のモニタ上に表示されている状態において、適合する用紙サイズがないときの処理が選択されたか否かを判断する(ステップS31)。これは、図6に示す受付画面20の対応手段選択部21において、対応手段に付された番号が端末のキーボード上の数字キーにより入力ボックス211に数値入力されたか否かで判断される。入力ボックス211に数値が入力されたことを判断すると(ステップS31で「Y」)、次に選択した対応手段が却下されたときの動作が選択されたか否かを判断する(ステップS32)。これは、図6に示すジョブキャンセル選択部22において、却下されたときの動作に対応する番号がキーボード上の数字キーにより入力ボックス221に入力されたか否かで判断される。入力ボックス221に数値が入力されたことを判断すると(ステップS32で「Y」)、次に図6に示すプリント開始ボタン23が押されたか否かを判断し(ステップS33)、押されたと判断すると、プリントジョブの要求を行う(ステップS34)。これにより、プリントデータと、用紙サイズ情報などの情報と、対応手段選択情報として上記ステップS31、S32で設定された内容とがLAN2を介してプリンタ3に送信されることになる。
【0036】なお、上記では対応手段選択情報の設定が端末のモニタ上に表示される受付画面20にて行われる場合について説明したが、プリンタ3のスキャナ部4を用いて原稿の画像データの読み取ってプリント処理する場合にも当該対応手段選択情報の設定が行えるようになっている。すなわち、原稿をスキャナ部4にセットした状態で、ユーザがスタートキー81を押下すると、プリントジョブの要求がなされたことになり、原稿画像の読取動作が開始されると共に、操作パネル8の表示部83に上記受付画面20と同様の画面(不図示)が表示される。ユーザは、希望する対応手段とそれが却下されたときの処理内容を選択入力し、選択後プリント開始ボタン23を押すとプリント処理が開始されると共に、選択された内容が対応手段選択情報としてCPU101へ送信されるものである。CPU101は、各端末PC1?PCnから対応手段選択情報を受け取った場合と同様に、その内容を画像データの画像メモリ104への格納アドレスと対応付けてRAM108内の管理テーブルに格納する。」

ウ 「【0042】したがって、本プリンタシステム1が、例えば大規模なネットワークに接続され、多人数が1台のプリンタを共有する環境であって、各ユーザから頻繁にプリントジョブの要求がなされるためプリンタを極力停止させたくない環境(以下、「システム優先の環境」という。)におかれている場合には、管理者は、システム共通対応手段として「1.プリント強行」を選択すると共に、この対応手段の優先順位を1番に設定しておけば、たとえA4サイズへのプリント処理を希望するユーザが「3.適合サイズ・・・」を選択しても、「3.適合サイズ・・・」の優先順位が「1.プリント強行」よりも低くなり、最終的に管理者が希望する「1.プリント強行」が異常状態に対応する手段として決定される。 」

エ 「【0055】(5)変形例
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されないのは言うまでもなく、以下のような変形例を考えることができる。
(5-1)上記実施の形態においては、異常状態として「要求されたサイズの用紙がセットされていない状態」が生じた場合の処理を例に出して説明したが、これに限定されず、プリント処理の途中に用紙がなくなった場合を異常状態とすることもできる。この場合は、用紙がなくなったことを検出した時点から上記同様の処理が行われるようにすればよい。」

3 対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明における
「『上中下段に装着された給紙手段としての給紙カセットを有している多段給紙装置(PFC)』及び『着脱自在に装着された給紙カセット、及び大容量給紙装置(LCC)』のいずれか」、
「『手差し用給紙手段としての手差しガイド』及び『手差し』」、
「上中下段に装着された給紙手段としての給紙カセットを有している多段給紙装置(PFC)、手差し用給紙手段としての手差しガイド、着脱自在に装着された給紙カセット、及び大容量給紙装置(LCC)」、
「『設定枚数分コピー未完了で当該給紙段の紙無しが発生した場合に』、『同じ用紙サイズの給紙段のカセットに切り替え』る『メインCPU』」、
「スキャナ」、
「用紙サイズ」、
「全段オートカセットチェンジ許可か禁止かに係る調整コード21」、
「『手差し』の給紙段に関して『該給紙段から及び該給紙段へのオートカセットチェンジ機能許可または禁止に係る調整コード』」、
「『用紙サイズを選択するときに使用する用紙サイズキー』が設けられており、『全段オートカセットチェンジ許可か禁止かに係る調整コード21』及び『手差し』の給紙段に関して『該給紙段から及び該給紙段へのオートカセットチェンジ機能許可または禁止に係る調整コード』を『入力する』際に用いられる『コントロールパネル』」、
及び
「画像形成装置の全体を制御するメインCPU」は、
それぞれ、本願補正発明における
「第1の給紙手段」、
「手差し給紙手段」、
「記録用紙を給紙する給紙手段であって少なくとも第1の給紙手段及び手差し給紙手段を含む複数の給紙手段」
「予め設定された給紙手段による給紙が不可能な場合に、他の給紙手段に切り替えて給紙を行う切替手段」、
「前記第1の給紙手段により記録用紙を給紙して印刷されるべき印刷データを入力する入力手段」、
「記録用紙のタイプ」、
「前記切替手段により前記第1の給紙手段から他の給紙手段に切り替えて給紙することを許可するか否かを示す第1の切替情報」、
「前記手差し給紙手段を前記他の給紙手段として使用することを許可するか否かを示す第2の切替情報」、
「前記入力手段により入力された印刷データの印刷に係る情報として、該印刷データの印刷に用いられるべき記録用紙のタイプを示すタイプ情報と、該タイプ情報が示すタイプの記録用紙を前記第1の給紙手段により給紙することが不可能な場合に、前記切替手段により前記第1の給紙手段から他の給紙手段に切り替えて給紙することを許可するか否かを示す第1の切替情報と、前記手差し給紙手段を前記他の給紙手段として使用することを許可するか否かを示す第2の切替情報とを、受け付ける受付手段」
及び
「制御手段」に相当する。

(2)引用発明において、メインCPUは、「全段オートカセットチェンジ許可か禁止かを調整コード21から判断して(ST21)、許可の場合には、給紙カセット、PFCの上段、中段、下段、手差しの各給紙段に関してオートカセットチェンジが禁止されているか否かを調整コード150?156から判断」する。
してみると、引用発明は、本願補正発明の「前記『第1の切替情報(全段オートカセットチェンジ許可か禁止かに係る調整コード21)』に基づいて、前記『切替手段(メインCPU)』により前記他の給紙手段へ切り替えて給紙することが許可されているか否かを判断する『第1の判断手段(メインCPU)』」と、「前記切替手段により前記第1の給紙手段から前記他の給紙手段に切り替える場合に、前記『第2の切替情報(手差しの給紙段に関して該給紙段から及び該給紙段へのオートカセットチェンジ機能許可または禁止に係る調整コード)』に基づいて、前記手差し給紙手段を前記他の給紙手段として使用することが許可されているか否かを判断する『第2の判断手段(メインCPU)』」とを備えているといえる。

(3)引用発明の「メインCPU(制御手段)」が、用紙サイズキーを使用して選択した用紙サイズの用紙を給紙可能な給紙カセットないし手差しガイド、あるいは、選択されているカセットが希望のサイズでないときに使用されるカセット選択キーにより選択された給紙カセットないし手差しガイドを選択してコピー動作を開始することが当業者に自明である。
よって、「印刷される用紙サイズ(第1の給紙手段により給紙される記録用紙のタイプ)」と、「用紙サイズキーを使用して選択した用紙サイズまたはカセット選択キーにより選択された給紙カセットの用紙サイズ(タイプ情報が示すタイプ)」とが同一であることも当業者に自明である。
そして、引用発明のメインCPUは、全段オートカセットチェンジ許可か禁止かを調整コード21から判断して(ST21)、許可の場合には、手差しを含む各給紙段に関してオートカセットチェンジが禁止されているか否かを調整コードから判断して、禁止されている給紙段があり、かつ、これがオートカセットチェンジ禁止段と等しければオートカセットチェンジ禁止フラグをRAMにセットし、そうでなければこれをセットすることなくコピー動作へと進み、コピー動作にて、設定枚数分コピー未完了で当該給紙段の紙無しが発生した場合に、メインCPUは、RAMに記憶されているオートカセットチェンジ禁止フラグがセットされているかリセットされているかをチェックし(ST13)、これがリセットされている場合は同じ用紙サイズの給紙段のカセットに切り替えるものである。
よって、引用発明のメインCPUは、(オートカセットチェンジ禁止フラグがリセットされており、)手差しガイドが同じ用紙サイズであるという条件付(第1の給紙手段と手差しとで用紙サイズが同じであるという条件付)ではあるものの、紙無しが発生した際に、「手差しガイド(手差し給紙手段)」への切り替えを実行し得るものである。
してみると、引用発明の「メインCPU(制御手段)」は、本願補正発明の「制御手段」と、「前記第1の給紙手段により給紙される記録用紙のタイプと、前記タイプ情報が示すタイプとが同一であって、且つ「前記第1の給紙手段により給紙されるべき記録用紙が印刷中に給紙できなくなった場合(当該給紙段の紙無しが発生した場合)」には、前記「第1の判断手段(メインCPU)」で「前記他の給紙手段への切り替えが許可されていて(全段オートカセットチェンジ許可と判断され)」、かつ、前記「第2の判断手段(メインCPU)」で(手差しの給紙段に関して該給紙段から及び該給紙段へのオートカセットチェンジ機能許可または禁止に係る調整コードから)前記手差し給紙手段が前記他の給紙手段として使用することが許可されていると判断したときに、前記「切替手段(メインCPU)」による前記第1の給紙手段から前記手差し給紙手段への切り替えを実行し得る」点で一致するといえる。

(4)上記(1)ないし(3)から、本願補正発明と引用発明とは、
「記録用紙を給紙する給紙手段であって少なくとも第1の給紙手段及び手差し給紙手段を含む複数の給紙手段と、
予め設定された給紙手段による給紙が不可能な場合に、他の給紙手段に切り替えて給紙を行う切替手段と、
前記第1の給紙手段により記録用紙を給紙して印刷されるべき印刷データを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された印刷データの印刷に係る情報として、該印刷データの印刷に用いられるべき記録用紙のタイプを示すタイプ情報と、該タイプ情報が示すタイプの記録用紙を前記第1の給紙手段により給紙することが不可能な場合に、前記切替手段により前記第1の給紙手段から他の給紙手段に切り替えて給紙することを許可するか否かを示す第1の切替情報と、前記手差し給紙手段を前記他の給紙手段として使用することを許可するか否かを示す第2の切替情報とを、受け付ける受付手段と、
前記第1の切替情報に基づいて、前記切替手段により前記他の給紙手段へ切り替えて給紙することが許可されているか否かを判断する第1の判断手段と、
前記切替手段により前記第1の給紙手段から前記他の給紙手段に切り替える場合に、前記第2の切替情報に基づいて、前記手差し給紙手段を前記他の給紙手段として使用することが許可されているか否かを判断する第2の判断手段と、
前記第1の給紙手段により給紙される記録用紙のタイプと、前記タイプ情報が示すタイプとが同一であって、且つ前記第1の給紙手段により給紙されるべき記録用紙が印刷中に給紙できなくなった場合には、前記第1の判断手段で前記他の給紙手段への切り替えが許可されていて、かつ、前記第2の判断手段で前記手差し給紙手段が前記他の給紙手段として使用することが許可されていると判断したときに、前記切替手段による前記第1の給紙手段から前記手差し給紙手段への切り替えを実行し得る制御手段と、
を備える印刷装置。」
の点で一致し、以下の相違点1で相違している。

相違点1:
前記第1の給紙手段により給紙される記録用紙のタイプと、前記タイプ情報が示すタイプとが同一であって、且つ前記第1の給紙手段により給紙されるべき記録用紙が印刷中に給紙できなくなった場合に、前記第1の判断手段で前記他の給紙手段への切り替えが許可されていて、かつ、前記第2の判断手段で前記手差し給紙手段が前記他の給紙手段として使用することが許可されていると判断したことにより、本願補正発明における制御手段は、前記第1の給紙手段から前記手差し給紙手段への前記切替手段による切り替えを実行するのに対して、引用発明では、前記手差し給紙手段が同じ用紙サイズでない場合には、前記手差し給紙手段への切り替えが実行されず、また、前記手差し給紙手段以外にも同じ用紙サイズの別の給紙手段がある場合には、前記手差し給紙手段ではなく該別の給紙手段への切り替えが実行され得る点。

4 判断
上記相違点1について判断する。
(1)本願出願前、給紙部として、1つの給紙カセットと手差し給紙部とを備える画像形成装置は周知である(例.特開昭61-95372号公報(特に第1図参照。)、特開昭61-243463号公報(特に第1図参照。)、特開昭61-238620号公報(特に第1図参照。)。以下「周知技術」という。)。

(2)上記「2(2)及び(3)」から、引用例2及び3のいずれにも、画像形成装置において適合する用紙サイズがなくとも、他サイズの用紙に印刷を行うことが開示されている(以下「引用例2及び3記載事項」という。)。

(3)引用発明において、給紙部を1つの給紙カセットと手差し給紙部とにより構成し、かつ、適合する用紙サイズがなくとも、他サイズの用紙に印刷を行うものとすることは、周知技術と引用例2及び3記載事項とに基づいて当業者が容易になし得たことである。

(4)上記(3)のように構成した引用発明における「給紙カセット」と「手差し給紙部」とは、それぞれ、本願補正発明における「第1の給紙手段」と「手差し給紙手段」とに相当する。
そして、第1の給紙手段より給紙してコピー動作を開始し、枚数分コピー未完了で当該給紙段の紙無しが発生した場合には、切り替え得る給紙部は、手差し給紙部の他には存在せず、かつ、他サイズの用紙であっても印刷を行うのだから、その用紙サイズによらず手差し給紙部への切り替えが実行される。
してみると、上記(3)のように構成した引用発明における制御手段は、前記第1の給紙手段により給紙される記録用紙のタイプと、前記タイプ情報が示すタイプとが同一であって、且つ前記第1の給紙手段により給紙されるべき記録用紙が印刷中に給紙できなくなった場合に、前記第1の判断手段で前記他の給紙手段への切り替えが許可されていて、かつ、前記第2の判断手段で前記手差し給紙手段が前記他の給紙手段として使用することが許可されていると判断したことにより、前記切替手段による前記第1の給紙手段から前記手差し給紙手段への切り替えを実行するものとなる。

(5)上記(4)から、引用発明において、本願補正発明の上記相違点1に係る構成となすことは当業者が周知技術と引用例2及び3記載事項とに基づいて容易になし得たことである。

(6)効果について
本願補正発明の奏する効果は、引用発明、周知技術並びに引用例2及び3記載事項のそれぞれが奏する効果から当業者が予測し得る程度のものである。

(7)したがって、本願補正発明は、当業者が引用発明、周知技術並びに引用例2及び3記載事項に基いて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
以上のとおり、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、旧特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条5項の規定に違反するものであり、同法第159条1項で読み替えて準用する同法第53条1項の規定により却下されるべきものである。

5 小括
上記「1(2)ウ」及び上記4(7)のとおりであるから、本件補正は却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成21年7月10日付け手続補正によって補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記「第2〔理由〕1(1)」で本件補正前の請求項1として記載したとおりである。

2 引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例及びその記載事項は、前記「第2〔理由〕2」に記載したとおりである。

3 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明における
「上中下段に装着された給紙手段としての給紙カセットを有している多段給紙装置(PFC)、手差し用給紙手段としての手差しガイド、着脱自在に装着された給紙カセット、及び大容量給紙装置(LCC)」、
「『設定枚数分コピー未完了で当該給紙段の紙無しが発生した場合に』、『同じ用紙サイズの給紙段のカセットに切り替え』る『メインCPU』」、
「スキャナ」、
「用紙サイズ」、
「全段オートカセットチェンジ許可か禁止かに係る調整コード21」、
「第1の給紙手段以外のいずれかの『給紙手段(給紙段)』に関して『該給紙段から及び該給紙段へのオートカセットチェンジ機能許可または禁止に係る調整コード』」、
「『用紙サイズを選択するときに使用する用紙サイズキー』が設けられており、『全段オートカセットチェンジ許可か禁止かに係る調整コード21』及び『手差し』の給紙段に関して『該給紙段から及び該給紙段へのオートカセットチェンジ機能許可または禁止に係る調整コード』を『入力する』際に用いられる『コントロールパネル』」、
及び
「画像形成装置の全体を制御するメインCPU」は、
それぞれ、本願発明における
「記録用紙を給紙する給紙手段であって少なくとも第1の給紙手段及び手差し給紙手段を含む複数の給紙手段」
「予め設定された給紙手段による給紙が不可能な場合に、他の給紙手段に切り替えて給紙を行う切替手段」、
「前記第1の給紙手段により記録用紙を給紙して印刷されるべき印刷データを入力する入力手段」、
「記録用紙のタイプ」、
「前記切替手段により前記第1の給紙手段から他の給紙手段に切り替えて給紙することを許可するか否かを示す第1の切替情報」、
「前記第2の給紙手段を前記他の給紙手段として使用することを許可するか否かを示す第2の切替情報」、
「前記入力手段により入力された印刷データの印刷に係る情報として、該印刷データの印刷に用いられるべき記録用紙のタイプを示すタイプ情報と、該タイプ情報が示すタイプの記録用紙を前記第1の給紙手段により給紙することが不可能な場合に、前記切替手段により前記第1の給紙手段から他の給紙手段に切り替えて給紙することを許可するか否かを示す第1の切替情報と、前記第2の給紙手段を前記他の給紙手段として使用することを許可するか否かを示す第2の切替情報とを、受け付ける受付手段」
及び
「制御手段」に相当する。

(2)引用発明において、メインCPUは、「全段オートカセットチェンジ許可か禁止かを調整コード21から判断して(ST21)、許可の場合には、給紙カセット、PFCの上段、中段、下段、手差しの各給紙段に関してオートカセットチェンジが禁止されているか否かを調整コード150?156から判断」する。
してみると、引用発明は、本願発明の「前記『第1の切替情報(全段オートカセットチェンジ許可か禁止かに係る調整コード21)』に基づいて、前記『切替手段(メインCPU)』により前記他の給紙手段へ切り替えて給紙することが許可されているか否かを判断する『第1の判断手段(メインCPU)』」と、「前記切替手段により前記第1の給紙手段から前記他の給紙手段に切り替える場合に、前記『第2の切替情報(第1の給紙手段以外のいずれかの給紙手段(給紙段)に関して該給紙段から及び該給紙段へのオートカセットチェンジ機能許可または禁止に係る調整コード)』に基づいて、前記第2の給紙手段を前記他の給紙手段として使用することが許可されているか否かを判断する『第2の判断手段(メインCPU)』」とを備えているといえる。

(3)引用発明の「メインCPU(制御手段)」が、用紙サイズキーを使用して選択した用紙サイズの用紙を給紙可能な給紙カセットないし手差しガイド、あるいは、選択されているカセットが希望のサイズでないときに使用されるカセット選択キーにより選択された給紙カセットないし手差しガイドを選択してコピー動作を開始することが当業者に自明である。
よって、「印刷される用紙サイズ(第1の給紙手段により給紙される記録用紙のタイプ)」と、「用紙サイズキーを使用して選択した用紙サイズまたはカセット選択キーにより選択された給紙カセットの用紙サイズ(タイプ情報が示すタイプ)」とが同一であることも当業者に自明である。
また、引用発明の画像形成装置は、「複数の給紙カセット段が設けられ、複写動作中に用紙がなくなった際に同サイズの用紙を収納している他の給紙カセット段に自動的に切り替えて複写動作を継続するオートカセットチェンジ機能を有する画像形成装置において、特に手差しは、厚紙や色紙などの特殊紙を使用することが多く、コピー中に用紙切れになってオートカセットチェンジ機能が働き、カセットが切り替わってしまうと異なった用紙にコピーを続けてしまい、ミスコピーをとってしまうという問題から、給紙カセット段毎にオートカセットチェンジ機能の有無を設定することのできるようにした」ものである。
また、メインCPUは、全段オートカセットチェンジ許可か禁止かを調整コード21から判断して(ST21)、許可の場合には、各給紙段に関してオートカセットチェンジが禁止されているか否かを調整コード150?156から判断して(ST22?27)、禁止されている給紙段があり、かつ、これがオートカセットチェンジ禁止段と等しければオートカセットチェンジ禁止フラグをRAMにセットし(ST28?29)、そうでなければこれをセットすることなくコピー動作(ST10)へと進み、コピー動作(ST10)にて、設定枚数分コピー未完了で当該給紙段の紙無しが発生した場合に(ST12)、RAMに記憶されているオートカセットチェンジ禁止フラグがセットされているかリセットされているかをチェックし(ST13)、リセットされている場合は同じ用紙サイズの給紙段のカセットに切り替える(ST15)ものである。
ここで、引用発明において、調整コードにより「ある給紙段(第2の給紙手段)」に関してオートカセットチェンジが禁止されている場合には、(ここから及び)ここへのオートカセットチェンジが行われないことは明らかである。
してみると、引用発明のメインCPUは、「『用紙を供給する給紙段(第1の給紙手段)』にて紙無しが発生した際に(第1の給紙手段により給紙されるべき記録用紙が印刷中に給紙できなくなった場合)」、(オートカセットチェンジ禁止フラグがリセットされており、)第1の給紙手段と「オートカセットチェンジが禁止されている給紙段(第2の給紙手段)」とを除く、「いずれかの給紙段(第3の給紙手段)」が同じ用紙サイズであるという条件付ではあるものの、第1の給紙手段と第2の給紙手段とを除く、前記給紙段への切り替えを実行するものである。
してみると、引用発明の「メインCPU(制御手段)」は、本願発明の「制御手段」と、「前記第1の給紙手段により給紙される記録用紙のタイプと、前記タイプ情報が示すタイプとが同一であって、且つ前記第1の給紙手段により給紙されるべき記録用紙が印刷中に給紙できなくなった場合には、前記第1の判断手段で他の給紙手段へ切り替えが許可されていて、かつ、前記第2の判断手段で前記第2の給紙手段が他の給紙手段として使用することが許可されていないと判断したことにより、前記切替手段による前記第1の給紙手段から前記第3の給紙手段への切り替えを実行し得る」点で一致するといえる。

(4)上記(1)ないし(3)から、本願発明と引用発明とは、
「記録用紙を給紙する給紙手段であって少なくとも第1の給紙手段及び第2の給紙手段及び第3の給紙手段を含む複数の給紙手段と、
予め設定された給紙手段による給紙が不可能な場合に、他の給紙手段に切り替えて給紙を行う切替手段と、
前記第1の給紙手段により記録用紙を給紙して印刷されるべき印刷データを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された印刷データの印刷に係る情報として、該印刷データの印刷に用いられるべき記録用紙のタイプを示すタイプ情報と、該タイプ情報が示すタイプの記録用紙を前記第1の給紙手段により給紙することが不可能な場合に、前記切替手段により前記第1の給紙手段から他の給紙手段に切り替えて給紙することを許可するか否かを示す第1の切替情報と、前記第2の給紙手段を前記他の給紙手段として使用することを許可するか否かを示す第2の切替情報とを、受け付ける受付手段と、
前記第1の切替情報に基づいて、前記切替手段により前記他の給紙手段へ切り替えて給紙することが許可されているか否かを判断する第1の判断手段と、
前記切替手段により前記第1の給紙手段から前記他の給紙手段に切り替える場合に、前記第2の切替情報に基づいて、前記第2の給紙手段を前記他の給紙手段として使用することが許可されているか否かを判断する第2の判断手段と、
前記第1の給紙手段により給紙される記録用紙のタイプと、前記タイプ情報が示すタイプとが同一であって、且つ前記第1の給紙手段により給紙されるべき記録用紙が印刷中に給紙できなくなった場合には、前記第1の判断手段で他の給紙手段へ切り替えが許可されていて、かつ、前記第2の判断手段で前記第2の給紙手段が他の給紙手段として使用することが許可されていないと判断したことにより、前記切替手段による前記第1の給紙手段から前記第3の給紙手段への切り替えを実行し得る制御手段と、
を備える印刷装置。」
の点で一致し、以下の相違点2で相違している。

相違点2:
前記第1の給紙手段により給紙される記録用紙のタイプと、前記タイプ情報が示すタイプとが同一であって、且つ前記第1の給紙手段により給紙されるべき記録用紙が印刷中に給紙できなくなった場合に、前記第1の判断手段で前記他の給紙手段への切り替えが許可されていて、かつ、前記第2の判断手段で前記第2の給紙手段が他の給紙手段として使用することが許可されていないと判断したことにより、本願発明における制御手段は、前記切替手段による前記第1の給紙手段から前記第3の給紙手段への切り替えを実行するのに対して、引用発明では、第3の給紙手段が同じ用紙サイズでない場合には切り替えが行われない点。

4 判断
上記相違点2について判断する。
(1)引用発明を、適合する用紙サイズがなくとも、他サイズの用紙に印刷を行うものとすることは、引用例2及び3記載事項に基づいて当業者が容易になし得たことである。

(2)上記(1)のように構成した引用発明において、印刷中に第1の給紙手段が紙切れを起こし、記録用紙が給紙できなくなった場合には、同じ用紙サイズの給紙手段があるか否かによらず、「第1の給紙手段及び他の給紙手段として使用することが許可されていない第2の給紙手段を除いたいずれかの給紙手段(第3の給紙手段)」への切り替えが行われ、コピー動作が続けられることが当業者に明らかである。

(3)上記(2)から、引用発明において、本願発明の上記相違点2に係る構成となすことは当業者が引用例2及び3記載事項に基づいて容易になし得たことである。

(4)効果について
本願発明の奏する効果は、引用発明、引用例2及び3記載事項がそれぞれ奏する効果から当業者が予測し得る程度のものである。

(5)したがって、本願発明は、当業者が引用発明並びに引用例2及び3記載事項に基いて容易に発明をすることができたものである。

(6)なお、請求人は、回答書において補正案を提示し、手続補正の機会が得られるよう要望する旨述べている。
しかしながら、手続補正の機会は特許法第17条の2第1項に規定されるように限定されているところ、再度、拒絶理由を通知して補正の機会を付与する法的根拠がなく、かつ、提示された補正案により手続補正を行ったとしても、特許出願の際独立して特許を受けることができるとは認められないことから、そのような手続補正の機会を与えることはしない。

5 むすび
以上のとおり、本願発明は、当業者が引用発明並びに引用例2及び3記載事項に基いて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-01-26 
結審通知日 2011-01-31 
審決日 2011-02-14 
出願番号 特願2003-27612(P2003-27612)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (B41J)
P 1 8・ 57- Z (B41J)
P 1 8・ 121- Z (B41J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小宮山 文男貝沼 憲司  
特許庁審判長 赤木 啓二
特許庁審判官 鈴木 秀幹
藏田 敦之
発明の名称 印刷装置およびその制御方法、ならびに印刷システムおよびその制御方法  
代理人 大塚 康徳  
代理人 下山 治  
代理人 大塚 康弘  
代理人 木村 秀二  
代理人 永川 行光  
代理人 高柳 司郎  
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