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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1236877
審判番号 不服2010-7777  
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-04-12 
確定日 2011-05-09 
事件の表示 特願2004-123432「遊技台」拒絶査定不服審判事件〔平成17年11月 4日出願公開、特開2005-304636〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成16年4月19日の出願であって、拒絶理由通知に対応して平成21年12月16日に手続補正書が提出され、その後なされた拒絶査定に対し、平成22年4月12日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同日に手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。
また、当審において、平成22年9月21日付けで審査官による前置報告書の内容を添付して審尋を行い、請求人から同年11月16日に回答書が提出されている。

2.補正後の本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成22年4月12日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される。以下のとおりのものである。
「投入されるメダルが通過する通路に配設され、メダルの通過を検出するメダル検出手段と、前記通路に突出してメダルの通過を妨げる突出位置と前記通路に突出しない非突出位置との間で移動可能に設けられた可動部材と、前記可動部材を移動させる駆動手段と、を備えた遊技台において、
前記可動部材の位置を検出する位置検出手段と、
前記駆動手段に駆動命令を出力する出力手段と、
前記駆動命令と、前記位置検出手段の検出結果と、に基づいて、前記通路に異物が存在しているか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記判定手段は、
前記出力手段が前記可動部材を前記突出位置に移動させる前記駆動命令を出力した場合であって、前記位置検出手段により前記可動部材が前記突出位置にあることが検出されなかった場合に、前記通路に異物が存在していると判定し、
メダルを投入することが可能な状態において、予め設定された上限枚数のメダルが投入された場合に、前記出力手段は前記可動部材が前記突出位置に位置するように前記駆動命令を出力し、前記判定手段は前記判定を行うことを特徴とする遊技台。」

3.補正要件(目的)の検討
補正後の請求項1?3は、補正前の請求項3?5を、それぞれ独立請求項としたものであり、補正後の請求項4は、補正前の請求項6に対応するものであるから、本件補正は補正前の請求項1及び請求項2を削除するものである。

したがって、本件補正は、平成18年法律第55号による改正前の特許法(以下「改正前特許法」という。)第17条の2第4項第1号に該当する。

4.引用刊行物記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された、特開2003?181128号公報(以下「引用文献」という。)には、図面とともに、以下の記載がある。
【特許請求の範囲】
・・・
【請求項2】 投入されたメダルを水平面に対して傾斜したレール上まで搬送してそのレールから前記メダルを送り出す機構と、前記レール上のメダルの転動を抑止するストッパと、このストッパに抑止されたメダルがあるか否かを検出するセンサと、前記レールの少なくとも一部にメダルが乗らないようにする排除手段とを備えるメダル自動送り出し装置。
【0033】図1は本発明の第1の実施の形態に係るメダル自動送り出し装置の構成を示す模式図である。第1の実施の形態は、例えばスロットマシンのメダル投入部に適用されるものである。第1の実施の形態においては、メダル送り出し部1のメダル受け部(タンク)11の底部にセンサ12が設けられている。このセンサ12は、メダル受け部11内にメダルが存在しているか否かを認識する。また、メダル送り出し部1には、水平面に対して傾斜して延びるレール13上までメダル受け部11内のメダルを搬送するスライダ14が設けられている。このスライダ14は、図示しないモータ等により鉛直方向に移動する。更に、メダル送り出し部1には、スライダ14が所定の位置に存在するか否かを検出するセンサ15及びレール13上にメダルが存在するか否かを検出するセンサ16が設けられている。また、レール13の排出部の上方には、レール13上のメダルの排出を抑止するストッパ17が設けられている。レール13は、その幅方向においても傾斜しており、この傾斜の下側の側方に側板18が配置されている。従って、メダルは側板18に倣ってレール13上を転動する。
【0056】一方、ステップS7において、モータが駆動していないか、又は一定時間内にメダルの投入が検出されている場合、貯留モードでは、本体のクレジットが上限値、例えば50枚に達しているか判断し(ステップS8)、非貯留モードでは、最大数だけベットされているか判断する(ステップS9)。そして、貯留モードでは、クレジットが上限値に達しておらず、非貯留モードでは、最大数だけベットされていない場合には、ゲーム中であるか、つまりスタートレバーがオンされてからリールが停止されていないかを判断する(ステップS10)。ゲーム中でない場合には、リプレイであるか判断し(ステップS11)、リプレイでなければ、ブロッカ24及びストッパ17を同時に開く(ステップS12)。この結果、レール13上に乗せられていたメダルが全て本体に送り出される。ステップS8においてクレジットが上限値に達しているか、ステップS9において最大数がベットされているか、ステップS10においてゲーム中であるか、又はステップS11においてリプレイとなっている場合には、図13に示すように、ブロッカ24及びストッパ17を同時に閉じる(ステップS18)。なお、リプレイでは、その直前にベットしたメダルがそのまま使用されるため、メダル自動送り出し装置からは排出されない状態である。
【0059】このような第2の実施の形態によれば、メダル受け部(タンク)11内にメダルが存在し、そのことがセンサ12により検出されていれば、ストッパ17によりメダルの排出が抑止されていることがセンサ16により検出されるまで、スライダ14によりそのメダルをレール13上まで搬送しようとする。従って、メダルの排出が要求された時には、その前にメダル受け部11内にメダルが投入されている限り、メダルがレール13上でストッパ17により抑止された状態となっているため、排出の要求によりストッパ17を解除すれば、即時にメダルをメダル送り出し部1から排出することが可能である。
【0064】第3の実施の形態においては、第2の実施の形態のステップS19においてスライダ14が定位置にある場合、センサ12によりメダル受け部(タンク)11内にメダルが存在するか否かを検出した後(ステップS28)、モータを駆動してスライダ14を上下動させることにより、レール13上にメダルを乗せる(ステップS29)。その後、ストッパ17を開いてレール13上のメダルを排出し(ステップS30)、ストッパ17を閉じる(ステップS31)。この状態ではブロッカ24が閉じているため、排出されたメダルはブロッカ24によりその転動が抑止される。続いて、メダル投入が可能か判断し(ステップS32)、投入可能になった後、ブロッカ24を開いてメダルを排出することにより(ステップS33)、本体にメダルを送り出す。そして、全てのメダルを排出した後、ブロッカ24を閉じ、ステップS6におけるエラーの判断を行う。

また、図10には、「レール13」に対し「センサ16」、及び「ストッパ17」が配置されている点が図示され、図10の基本的な構成は図1と同様である。

摘記した上記の記載や図面等によれば、引用文献には、
「水平面に対して傾斜して延びるレール13上までメダル受け部11内のメダルを搬送するスライダ14、レール13上にメダルが存在するか否かを検出するセンサ16、及びレール13上のメダルの排出を抑止するストッパ17が設けられた、メダル送り出し部1を備え、「レール13」に対し、「センサ16」、及び「ストッパ17」が配置されており、クレジットが上限値に達しているか、最大数がベットされているか、ゲーム中であるか、又はリプレイとなっている場合には、ストッパ17を閉じる、スロットマシン。」の発明(以下「引用発明」という。)が開示されていると認められる。

5.引用発明と本願発明との対比
そこで、本願発明と引用発明とを比較すると、
引用発明の「メダル」は、本願発明の「メダル」に相当し、以下同様に、
「センサ16」は「メダル検出手段」に、
「ストッパ17」は「可動部材」に、
「スロットマシン」は「遊技台」に、各々相当する。
さらに、引用文献の記載等からみて、以下のことが言える。

a.引用文献における、「図1は本発明の第1の実施の形態に係るメダル自動送り出し装置の構成を示す模式図である。第1の実施の形態は、例えばスロットマシンのメダル投入部に適用されるものである。」との記載から、「第1及び第2の実施の形態」に記載された「メダル送り出し部1」は、「スロットマシンのメダル投入部」に配置されていることは明らかであるから、「メダル送り出し部1」に設けられた「レール13」においても当然メダル投入部に配置されていることは明らかである。
よって、引用発明の「レール13」は、本願発明の「通路」に相当し、引用発明の「レール13」には、「センサ16」、「ストッパ17」が配置されているので、引用発明と本願発明とは、「投入されるメダルが通過する通路に配設され、メダルの通過を検出するメダル検出手段と、可動部材とを備えた」点で共通する。

b.引用文献の「ストッパ17」は、特許請求の範囲(特に請求項2の記載参照)の記載及び、段落【0059】の記載から、レール13上に存在するメダルの排出を抑止するためのものであり、また、引用文献の段落【0064】の「その後、ストッパ17を開いてレール13上のメダルを排出し(ステップS30)、ストッパ17を閉じる(ステップS31)。」との記載から、“ストッパ17を開く”とは、メダルの排出が抑止できない位置に「ストッパ17」が移動する動作を示すものであり、一般に「開く」と「閉じる」とは、反対の意味を有する反意語であることを鑑みれば、“ストッパ17を閉じる”とは、メダルの転動を抑止する動作を示していることは明らかである。
よって、引用発明の「ストッパ17」は、レール13上に存在するメダルの排出を抑止する位置と排出が抑止できない位置に移動可能に設けられているのであるから、「ストッパ17」を両位置に移動するための駆動手段を備えていることも明らかである。
そうすると、引用発明の「ストッパ17」と本願発明の「可動部材」とは、「前記通路に突出してメダルの通過を妨げる突出位置と前記通路に突出しない非突出位置との間で移動可能に設けられた」点で一致する。
また、引用文献の段落【0033】の記載から、投入口から投入されたメダルは、メダル受け部(タンク)11に貯留された後に、レール13上に搬送される構成となっており、さらに、段落【0056】の記載から、「最大数がベットされている」場合には、「ストッパ17」が閉じて、レール13からメダルが排出されないように制御することから、引用発明の「ストッパ17」は、メダルが投入可能な状態において「最大数がベット」されたときに閉じてレール13から排出不可能状態となるように制御するものと認められる。
よって、引用発明と本願発明とは、「メダルを投入することが可能な状態において、予め設定された上限枚数のメダルが投入された場合に、前記出力手段は前記可動部材が前記突出位置に位置するように前記駆動命令を出力」する点で一致する。

以上を総合すると、両者は、
「投入されるメダルが通過する通路に配設され、メダルの通過を検出するメダル検出手段と、前記通路に突出してメダルの通過を妨げる突出位置と前記通路に突出しない非突出位置との間で移動可能に設けられた可動部材と、前記可動部材を移動させる駆動手段と、を備えた遊技台において、
前記駆動手段に駆動命令を出力する出力手段を備え、
メダルを投入することが可能な状態において、予め設定された上限枚数のメダルが投入された場合に、前記出力手段は前記可動部材が前記突出位置に位置するように前記駆動命令を出力する遊技台。」の点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]
本願発明は、「前記可動部材の位置を検出する位置検出手段」を備えるのに対し、引用発明では、「ストッパ17」の位置を検出する位置検出手段を備えていない点。

[相違点2]
本願発明は、「前記駆動命令と、前記位置検出手段の検出結果と、に基づいて、前記通路に異物が存在しているか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記判定手段は、
前記出力手段が前記可動部材を前記突出位置に移動させる前記駆動命令を出力した場合であって、前記位置検出手段により前記可動部材が前記突出位置にあることが検出されなかった場合に、前記通路に異物が存在していると判定」するのに対し、引用発明は、そもそも「ストッパ17」の位置を検出する位置検出手段を備えておらず、本願発明における「判定手段」を備えていない点。

[相違点3]
引用発明と本願発明とは、「予め設定された上限枚数のメダルが投入された場合に、前記出力手段は前記可動部材が前記突出位置に位置するように前記駆動命令を出力」する点で共通するものの、本願発明は、当該駆動命令を出力したときに行う「判定手段」を備えているのに対し、引用発明は、本願発明の「判定手段」を備えていない点。

6.相違点の検討及び判断
[相違点1?3について]
相違点1?3は、関連するのであわせて検討する。
硬貨や貨幣等の通過を妨げる突出位置と通過を妨げない非突出位置に移動可能なシャッター、及びシャッターの位置を検出する位置検出手段を備え、シャッターの駆動命令を出力しているにもかかわらず、シャッターの移動を検知できない場合に異常とすることは、例えば、特開平4?184593号公報(特に、特許請求の範囲、第4頁右上欄第18行?同頁左下欄4行、第7頁右上欄第10行?第8頁左上欄第12行、第8図参照)、実願平4-70640号(実開平6-33254号)のCD-ROM(特に、実用新案登録請求の範囲、段落【0036】?【0060】、図1、図6参照)に記載されているとおり、従来周知の技術(以下、「周知技術」という。)であり、引用発明の「ストッパ17」に周知技術を適用して、「ストッパ17」が突出位置に位置するように駆動命令が出力されたときに、突出状態を検知できなかった場合に異常とすることは、遊技台の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)にとって容易に想到しうることである。
また、「ストッパ17」に突出位置に位置するように駆動命令を出したにもかかわらず、突出位置に位置することが検知できなければ、「ストッパ17」の駆動系の故障、「センサ16」の故障、若しくは「レール13」に異物が存在しているかのいずれかであり、このような異常を一律「レール13」に異物が存在しているものとして判断することは、当業者にとって適宜実施しうる設計事項にすぎない。
そして、本願発明の作用効果も、引用発明及び周知技術に基づき、当業者が予測できる範囲のものである。

7.むすび
本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-03-04 
結審通知日 2011-03-08 
審決日 2011-03-24 
出願番号 特願2004-123432(P2004-123432)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小林 英司  
特許庁審判長 小原 博生
特許庁審判官 井上 昌宏
川島 陵司
発明の名称 遊技台  
代理人 木村 秀二  
代理人 高柳 司郎  
代理人 大塚 康弘  
代理人 大塚 康徳  
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