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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1238081
審判番号 不服2008-26034  
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-10-09 
確定日 2011-06-09 
事件の表示 特願2001-257647「情報管理装置」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 5月24日出願公開、特開2002-149472〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成13年8月28日(国内優先権主張平成12年8月29日)の出願であって、平成20年5月22日付けで拒絶理由が通知され、同年7月28日付けで手続補正がなされたが、同年9月2日付けで拒絶査定がされ、これに対し同年10月9日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同年11月10日付けで手続補正がなされたものである。

第2 平成20年11月10日付けの手続補正についての補正却下の決定
[結論]
平成20年11月10日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1.補正内容
平成20年11月10日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1を、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1のとおりに補正する補正事項を含むものである。

<本件補正前の特許請求の範囲の請求項1>
「【請求項1】
情報を管理するとともに、要求側からの要求に応じて管理している情報を提供する情報管理装置であって、
複数種類の状態に変化する対象の状態が変化する毎に、その状態の変化に関する状態情報を取得する取得部と、
前記取得部にて得られた状態情報を状態変化毎に記憶する記憶部と、
状態情報の提供要求を要求側から受け取った場合に、前記記憶部に状態変化毎に記憶された状態情報の中から、この提供要求を受け取る前に要求側に対して最後に提供された状態情報の次に状態が変化したことを示す状態情報から最新の状態情報までの状態情報を検出し、検出した状態情報を差分情報として要求側に提供する提供部と
を備えた情報管理装置。」

<本件補正後の特許請求の範囲の請求項1>
「【請求項1】
情報を管理するとともに、要求側からの要求に応じて管理している情報を提供する情報管理装置であって、
複数種類の状態に変化する対象の状態が変化する毎に生成される、その状態の変化に関する状態情報を取得する取得部と、
前記取得部にて得られた状態情報を状態変化毎に記憶する記憶部と、
状態情報の提供要求を要求側から受け取った場合に、前記記憶部に状態変化毎に記憶された状態情報の中から、この提供要求を受け取る前に要求側に対して最後に提供された状態情報の次に状態が変化したことを示す状態情報から最新の状態情報までの状態情報を検出し、検出した状態情報を要求側へ一回に伝送可能な量に応じた差分情報にして要求側に提供する提供部と
を備えた情報管理装置。」

2.本件補正に対する判断
本件補正のうちの上記補正事項は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「取得部」が取得する状態情報を、状態が変化する毎に「生成される」ものであって、「提供部」が提供する差分情報を、「要求側へ一回に伝送可能な量に応じた」差分情報にすると限定したものであって、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(上記改正前の特許法第17条の2第5項において読み替えて準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2-1.本願補正発明
本願補正発明は、上記「1.」の<本件補正後の特許請求の範囲の請求項1>の欄に転記したとおりのものである。

2-2.引用例
(1)原査定の拒絶の理由に引用された特開2000-92210号公報(以下、「引用例1」という。)には、 図面と共に次の事項が記載されている。

あ.「【0010】この発明によれば、各端末情報に変更があった場合には、サーバに設けた第1の端末情報ファイルを書き換えると同時に、サーバに設けた差分ファイルに書換履歴を順次書き足し、複数の通信端末の各々に設けた第2の端末情報ファイルを、差分ファイルから通信網を介して送られる書換履歴に含まれる書換対象通信端末と書換種別に基づいてのみ書き換える。また、第1の端末情報ファイルには端末情報に加えて追加/削除/置換等の書き換えあるいは新規作成がなされた回数を示す第1の版数番号を書き込み、第2の端末情報ファイルには端末情報に加えて書き換えあるいは新規作成がなされた回数を示す第2の版数番号を書き込み、差分ファイルには第1の版数番号毎に書込領域を確保し第1の版数番号に対応する書換履歴を書き込む。また、サーバは、差分ファイルに新たに書換履歴が書き込まれると、通信網を介して通信接続されている複数の通信端末の全てに対して第1の版数番号を通知する。また、複数の通信端末の各々は、通信網を介してサーバに通信接続された際にファイル書換手段によって第1の版数番号と第2の版数番号とを比較するとともに第2の端末情報ファイルの書き換えに必要な書換履歴の送信をサーバに対して要求する。そして、複数の通信端末の各々は、通信網を介してサーバに通信接続された際に、(a)第2の版数番号と同値の第1の版数番号に対応する書換履歴を呼び出し、(b)呼び出した書換履歴に基づいて第2の端末情報ファイルを更新し、(c)第2の版数番号に1を加算する処理を第1の版数番号と第2の版数番号とが等しくなるまで繰り返す。」

い.「【0014】上述したサーバ1は、ネットワーク10との通信を制御する通信制御部11とキーボード等の入力部12、電話帳の更新を行なう電話帳更新部13、電話帳情報を記憶する主ファイル14、そして電話帳の更新内容のみを記憶する差分ファイル15とを備えている。」

う.「【0017】上述の通信制御部11および通信制御部21は、ネットワーク10を介して信号を送受信するための制御を行う。サーバ1が有する入力部12からは電話帳更新情報として、“追加”、“削除”あるいは“置換”等の更新種別と端末識別情報、そして端末付加情報等が入力される。
【0018】電話帳更新部13は、入力部12から上述の電話帳更新情報が与えられ、この内の更新種別に従って主ファイル14の内容について追加、削除あるいは置換等の処理を行うとともに、差分ファイル15内の領域15-kに書き込む。
【0019】主ファイル14は、複数の端末情報記録と更新回数を示す版数番号とから構成される。この端末情報記録には、支店や分所等に与えられた拠点名および各端末に固有の端末番号、そしてこの端末が設置された場所名や部屋名等を含む端末付加情報が含まれる。
【0020】また“版数”とは、電話帳ファイルが作成あるいは改変された履歴を意味している。即ち、新たに作成された場合には版数番号は“1”となり、追加や削除あるいは置換等の更新がなされる度に、版数番号は“2”、“3”、“4”・・・と、1ずつ加算されていく。」

え.「【0027】ここで、電話帳の更新情報として、入力部12から更新種別と変更する端末情報とが電話帳更新部13に入力される(ステップSa3)。上述の通り、この更新種別は端末情報の“追加”、“変更”あるいは“置換”の処理種別であり、更新種別が“追加”および“置換”の場合は新しい端末情報が入力される。一方更新種別が“削除”の場合は、現在の端末情報が入力される。また端末識別情報が変更される場合は、まず端末情報として“削除”が、次に“追加”が順次供給される。
【0028】そこで電話帳更新部13は、まず入力された更新種別が“追加”か否か確認し(ステップSa4)、次に更新種別が“削除”か否か確認し(ステップSa5)、さらに“置換”であるか否かを確認する(ステップSa6)。
【0029】上述のステップSa4において、更新種別が“追加”であった場合には、入力された端末情報を新しい端末情報記録として主ファイル14に書き込んだ(ステップSa7)後、端末識別情報(拠点名と端末番号)の順に並べ換えて(ステップSa8)、後述するステップSa11の処理に移る。
【0030】また、上述のステップSa5において更新種別が“削除”であった場合には、入力された端末識別情報と一致する端末情報記録を主ファイル14から削除し(ステップSa9)、後述するステップSa11の処理に移る。
【0031】そして上述のステップSa6において更新種別が“置換”であった場合には、主ファイル14の端末情報記録の中で、入力された端末識別情報と一致した端末情報記録を、入力された端末情報に書き換える(ステップSa10)。
【0032】この後に電話帳更新部13は、入力部12から入力された変更種別および端末情報を、更新差分記録として差分ファイル15に書き込み(ステップSa11)、さらに他に更新されるべき端末情報があるか否かを確認する(ステップSa12)。ここで、他に更新されるべき端末情報がある場合にはステップSa3の処理に戻り、ない場合には処理を終了する。」

お.「【0039】図5は、通信端末2が有する電話帳ファイル23の内容を更新する際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。通信端末2は電話帳ファイルの更新を開始するに際して、まず通信制御部21からネットワーク10を介してサーバ1の通信制御部11にログオン(通信接続)する(ステップSb1)。
【0040】このとき通信制御部11は、電話帳更新部13を通して現在の主ファイル14の版数番号kを確認し(ステップSc1)、通信端末2へ通知する(ステップSc2)。
【0041】通信制御部12を介してサーバ1からの版数番号kの通知を受けた電話帳書換部22は、この版数番号kと電話帳ファイル23の版数番号mとが一致するか否かを確認し(ステップSb2)、一致する場合には通常の通信処理へ移る。
【0042】一方、サーバ1から受け取った版数番号kと電話帳ファイル23の版数番号mとが一致しない場合には、電話帳書換部22はサーバ1に対して版数番号m+1の電話帳差分データの送信を要求する(ステップSb3)。
【0043】サーバ1の通信制御部11はこの要求を受信すると、電話帳更新部13を介して差分ファイル15の領域15-m+1の内容を返送する(ステップSc3)。返送された電話帳差分データは、通信制御部21を介して電話帳書換部22に入力され、電話帳書換部22はこの電話帳差分データに基づいて電話帳ファイル23を更新し(ステップSb4)、ステップSb2の処理に戻る。」

ここで、上記各記載事項を関連図面及び各種常識に照らせば、以下のことがいえる。

(あ)上記記載事項中の「サーバ」は、電話帳情報を管理するとともに、「通信端末」からの要求に応じて管理している電話帳情報を提供するものであるから、「情報管理装置」とも呼び得るものである。
(い)上記記載事項中の「電話帳更新部」は、「入力部」から入力された「電話帳更新情報」を取得して、該取得した「電話帳更新情報」を、「端末情報」の状態が変化する毎に「更新差分記録」として「差分ファイル」に書き込んでいるから、該「電話帳更新部」は、複数種類の状態に変化する対象(端末情報)の状態が変化する毎に生成(入力)される、その状態の変化に関する電話帳更新情報を取得する機能を有している。また該「差分ファイル」は、「電話帳更新部」にて得られた電話帳更新情報を、(更新差分記録として)状態変化毎に記憶する機能を有している。
(う)上記記載事項中の「サーバ」が有する「通信制御部」11は、「通信端末」から(版数番号m+1の)「電話帳更新情報」の提供要求を受けると、「差分ファイル」に状態変化毎に記憶された電話帳更新情報の中から、この提供要求を受け取る前に最後に提供した(版数番号mのうち最後に更新された端末情報の)電話帳更新情報の次に状態が変化したことを示す電話帳更新情報から(要求されたm+1版中における)最新の電話帳更新情報までの状態情報を検出して提供するから、該「通信制御部」11は、「通信端末」から「電話帳更新情報」の提供要求を受けると、「差分ファイル」に状態変化毎に記憶された電話帳更新情報の中から、この提供要求を受け取る前に最後に提供した電話帳更新情報の次に状態が変化したことを示す電話帳更新情報から所定の範囲内における最新の電話帳更新情報までの状態情報を検出し、提供する機能を有している。

したがって、引用例1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「情報を管理するとともに、要求側からの要求に応じて管理している情報を提供する情報管理装置であって、
複数種類の状態に変化する対象の状態が変化する毎に生成される、その状態の変化に関する電話帳更新情報を取得する電話帳更新部と、
前記電話帳更新部にて得られた電話帳更新情報を状態変化毎に記憶する差分ファイルと、
電話帳更新情報の提供要求を要求側から受け取った場合に、前記差分ファイルに状態変化毎に記憶された電話帳更新情報の中から、この提供要求を受け取る前に要求側に対して最後に提供された電話帳更新情報の次に状態が変化したことを示す電話帳更新情報から所定の範囲内における最新の電話帳更新情報までの電話帳更新情報を検出し、検出した電話帳更新情報を要求側に提供する通信制御部11と
を備えた情報管理装置。」

2-3.本願補正発明と引用発明との対比
本願補正発明と引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。
(1)引用発明の「電話帳更新情報」、「電話帳更新部」、「差分ファイル」はそれぞれ、本願補正発明の「状態情報」、「取得部」、「記憶部」に相当する。
(2)引用発明の「通信制御部」11と本願補正発明の「提供部」とは、「状態情報」(電話帳更新情報)の提供要求を要求側から受け取った場合に、「記憶部」(差分ファイル)に状態変化毎に記憶された「状態情報」(電話帳更新情報)の中から、この提供要求を受け取る前に要求側に対して最後に提供された「状態情報」(電話帳更新情報)の次に状態が変化したことを示す「状態情報」(電話帳更新情報)からそれよりも新しい「状態情報」(電話帳更新情報)までの「状態情報」(電話帳更新情報)を検出し、検出した「状態情報」(電話帳更新情報)を要求側へ差分情報にして要求側に提供する手段である点で共通する。

したがって、本願補正発明と引用発明との間には、以下の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「情報を管理するとともに、要求側からの要求に応じて管理している情報を提供する情報管理装置であって、
複数種類の状態に変化する対象の状態が変化する毎に生成される、その状態の変化に関する状態情報を取得する取得部と、
前記取得部にて得られた状態情報を状態変化毎に記憶する記憶部と、
状態情報の提供要求を要求側から受け取った場合に、前記記憶部に状態変化毎に記憶された状態情報の中から、この提供要求を受け取る前に要求側に対して最後に提供された状態情報の次に状態が変化したことを示す状態情報からそれよりも新しい状態情報までの状態情報を検出し、検出した状態情報を要求側に提供する提供部と
を備えた情報管理装置。」である点。

(相違点1)
本願補正発明の「提供部」が検出し、要求側に提供する状態情報の範囲は、「最後に提供された状態情報の次に状態が変化したことを示す状態情報から最新の状態情報」までであるのに対し、引用発明の「提供部」(通信制御部11)が検出し、要求側に提供する状態情報の範囲は、「最後に提供された状態情報の次に状態が変化したことを示す状態情報から最新の状態情報」までではなく、「最後に提供された「状態情報」(電話帳更新情報)の次に状態が変化したことを示す「状態情報」(電話帳更新情報)から所定の範囲内における最新の「状態情報」(電話帳更新情報)」である点。
(相違点2)
本願補正発明の「提供部」は、検出した状態情報を「要求側へ一回に伝送可能な量に応じた差分情報」にして要求側に提供するものであるのに対し、引用発明の「提供部」は、検出した状態情報を「要求側へ一回に伝送可能な量に応じた差分情報」にして要求側に提供するものではない点。

2-4.判断
上記相違点について検討する。

(相違点1)について
以下の事情を勘案すると、引用発明の「提供部」が検出し、要求側に提供する状態情報の範囲を、「最後に提供された状態情報の次に状態が変化したことを示す状態情報から最新の状態情報」までとすることは、当業者が容易に推考し得たことというべきである。
(1)対象情報の更新に係る情報を管理する装置において、管理している情報を要求側に提供する際に、最後に提供された情報の次に状態が変化したことを示す情報から、どこまでの範囲の情報を提供するかは、当業者が要求側のニーズや仕様に応じて適宜決定すべき事項である。
(2)引用発明においても、要求側(通信端末)の仕様によって、情報を要求側に提供する際に最後に提供された情報の次に状態が変化したことを示す状態情報から全体の最新の状態情報までを提供するようにすべき場合があることは、当業者に自明であるし、またそのようにできない理由はない。
(3)上記(1)、(2)のことは、取りも直さず、引用発明の「提供部」が検出し、要求側に提供する状態情報の範囲を、「最後に提供された状態情報の次に状態が変化したことを示す状態情報から最新の状態情報」までとすることが、当業者にとって容易であったことを意味している。

(相違点2)について
以下の事情を勘案すると、引用発明の「提供部」を、検出した状態情報を「要求側へ一回に伝送可能な量に応じた差分情報」にして要求側に提供するものとすることは、当業者が容易に推考し得たことというべきである。
(1)情報処理分野において、提供する情報の量が「要求側へ一回に伝送可能な量」よりも多いような場合には、その情報を「要求側へ一回に伝送可能な量」に応じた情報に分割して提供するというようなことは、例えば特開2000-138968号公報(第46段落)等に記載があるように周知である。
(2)引用発明においても、提供しようとする情報の量によっては「要求側へ一回に伝送可能な量」より多くなるような場合も当然あり得、そのような場合には上記(1)のような周知の技術が有用な場合があることは、当業者に自明であるし、またそのようにできない理由はない。
(3)上記(1)、(2)のことは、取りも直さず、引用発明の「提供部」を、検出した状態情報を「要求側へ一回に伝送可能な量に応じた差分情報」にして要求側に提供するものとすることが、当業者にとって容易であったことを意味している。

(本願発明の効果について)
本願発明の奏する効果は、引用発明及び周知の事項から予測される範囲内のものにすぎず、格別なものということはできない。

したがって、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3.むすび
したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について

1.本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成20年7月28日付け手続補正書の請求項1に記載されたとおりのものである。
そして、その平成20年7月28日付け手続補正書の請求項1に記載された事項は、上記「第2」の「1.」の<本件補正前の特許請求の範囲の請求項1>の欄に転記したもとおりのものである。

2.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例及びその記載事項は、前記「第2」の「2.」の「2-2.」の項に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は、前記「第2」で検討した本願補正発明から限定事項を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに発明特定事項を限定したものに相当する本願補正発明が前記「第2」の「2.」の項に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-04-06 
結審通知日 2011-04-12 
審決日 2011-04-25 
出願番号 特願2001-257647(P2001-257647)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 上嶋 裕樹  
特許庁審判長 小曳 満昭
特許庁審判官 飯田 清司
加内 慎也
発明の名称 情報管理装置  
代理人 松倉 秀実  
代理人 遠山 勉  
代理人 松倉 秀実  
代理人 遠山 勉  

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