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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1239090
審判番号 不服2009-11234  
総通号数 140 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-06-17 
確定日 2011-06-23 
事件の表示 特願2000-215243「画像記録装置および画像記録方法」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 1月31日出願公開、特開2002- 33986〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【第1】経緯

[1]手続
本願は、平成12年7月14日の出願であって、手続の概要は以下のとおりである。

拒絶理由通知 :平成21年 1月20日(起案日)
意見書 :平成21年 2月16日
手続補正(明細書の補正) :平成21年 2月16日
拒絶査定 :平成21年 4月 2日(起案日)
拒絶査定不服審判請求 :平成21年 6月17日
手続補正(明細書の補正) :平成21年 6月17日
前置審査報告 :平成21年 8月17日(起案日)
審尋 :平成22年10月 4日(起案日)
回答書 :平成22年12月 1日

[2]査定
原査定の理由は、概略、以下のとおりである。

〈査定の理由〉
本願の請求項1および請求項2に係る各発明は、下記の引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
記(引用例)
引用例1:特開2000-41066号公報
引用例2:特開2000-138886号公報
引用例3:特開2000-184320号公報
【第2】補正の却下の決定
平成21年6月17日付けの補正(以下「本件補正」という。)について次のとおり決定する。

《結論》
平成21年6月17日付けの補正を却下する。
《理由》

【第2-1】本件補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲について、その請求項1および請求項2(補正前)における「画像信号記録手段」を「ハードディスク手段」に補正するものである。

【第2-2】本件補正の適合性1 補正の範囲(第17条の2第3項)
本件補正は、願書に最初に添付した明細書(段落0014,0017等)に記載した事項の範囲内においてする補正である。

【第2-3】本件補正の適合性2 補正の目的(第17条の2第4項)
請求項1についての上記補正事項は、補正前の請求項1および請求項2に記載のあった特定事項である「画像信号記録手段」を「ハードディスク手段」に限定するものであって、補正の前後において、産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一である。
したがって、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項2号で規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。

【第2-4】本件補正の適合性3 独立特許要件(第17条の2第5項)
そこで、独立特許要件について検討するに、補正後の請求項1及び請求項2に記載される発明は特許出願の際独立して特許を受けることができない。
本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

本件補正後の請求項1及び請求項2に記載される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由の詳細は、以下のとおりである。
《理由:独立特許要件に適合しない理由の詳細》

[1]補正後発明

本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「補正後発明1」という。)は、下記のとおりであると認められる。

記(補正後発明1)
番組の画像信号を記録することによりその番組を録画するハードディスク手段と、
上記番組を予約録画するための設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、
上記ハードディスク手段に録画されている番組、および上記設定情報記憶手段に記憶されている上記設定情報にしたがって、上記ハードディスク手段による番組の録画を制御する録画制御手段と
を有し、
上記設定情報記憶手段に記憶されている上記設定情報が、所定の番組について上記予約録画を定期的に行うように設定されている場合、上記録画制御手段は、
上記設定情報が示す録画開始日時になったとき、上記所定の番組のうちの過去の放送分の番組が上記ハードディスク手段に録画されているか否かの第1の判断を実行し、
この第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されていないときには、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記ハードディスク手段に録画させ、
上記第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されているときには、その録画されている過去の放送分の番組に消去禁止のプロテクトが設定されているか否かの第2の判断を実行し、
この第2の判断の結果、上記プロテクトが設定されていないときには、そのプロテクトの設定されていない上記過去の放送分の番組が再生中であるか否かの第3の判断を実行し、
この第3の判断の結果、上記プロテクトが設定されていない上記過去の放送分の番組が再生中ではないときには、この再生中ではない過去の放送分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記ハードディスク手段に録画させ、
上記第2の判断の結果、上記プロテクトが設定されているときには、そのプロテクトの設定されている上記過去の放送分の番組および上記再生中の上記過去の放送分の番組を除いて上記過去の放送分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記ハードディスク手段に録画させ、
上記第3の判断の結果、上記プロテクトが設定されていない上記過去の放送分の番組が再生中のときには、その過去の放送分の番組のうち、その再生中の番組を除いた過去の放送分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記ハードディスク手段に録画させる
ようにした画像記録装置。
同じく、本件補正後の請求項2に記載された発明(以下「補正後発明2」という。)は、下記のとおりであると認められる。

記(補正後発明2)
設定情報記憶手段に記憶されている設定情報が、所定の番組について予約録画を定期的に行うように設定されている場合に、
上記設定情報が示す録画開始日時になったとき、上記所定の番組のうちの過去の放送分の番組がハードディスク手段に録画されているか否かの第1の判断を実行し、この第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されていないときには、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記ハードディスク手段に録画し、
上記第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されているときには、その録画されている過去の放送分の番組に消去禁止のプロテクトが設定されているか否かの第2の判断を実行し、
この第2の判断の結果、上記プロテクトが設定されていないときには、そのプロテクトの設定されていない上記過去の放送分の番組が再生中であるか否かの第3の判断を実行し、
この第3の判断の結果、上記プロテクトが設定されていない上記過去の放送分の番組が再生中ではないときには、この再生中ではない過去の放送分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記ハードディスク手段に録画し、
上記第2の判断の結果、上記プロテクトが設定されているときには、そのプロテクトの設定されている上記過去の放送分の番組および上記再生中の上記過去の放送分の番組を除いて上記過去の放送分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記ハードディスク手段に録画し、
上記第3の判断の結果、上記プロテクトが設定されていない上記過去の放送分の番組が再生中のときには、その過去の放送分の番組のうち、その再生中の番組を除いた過去の放送分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記ハードディスク手段に録画する
ようにした画像記録方法。

[2]引用刊行物の記載の摘示

(1)特開2000-41066号公報(刊行物1)
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特開2000-41066号公報(上記引用例1に同じ。以下、「刊行物1」という。)には、「マルチメディア蓄積装置」について、次に掲げる事項が記載されている。
注目箇所には、下線を施した。

《特許請求の範囲》
「【請求項1】 パケット単位に多重化されたマルチメディアデータを入力する入力手段と、この入力したマルチメディアデータより所定のパケットを選択し出力する制御手段と、この出力されたパケットを蓄積する蓄積手段とを備えたことを特徴とするマルチメディア蓄積装置。」
「【請求項18】 上記制御手段は、番組ジャンルなどの抽象的な番組指定により所定の番組を特定し、所定の時間になると所定の番組の内容に相当するパケットの組みを上記蓄積手段に出力することを特徴とする請求項1記載のマルチメディア蓄積装置。
【請求項19】 上記制御手段は、デジタル放送に含まれる電子番組表(EPG)と呼ばれる番組予定を監視し、番組編成が変更された場合に既に録画予約されている番組の情報を変更して上記録画予約されている番組を録画可能とすることを特徴とする請求項1記載のマルチメディア蓄積装置。
【請求項20】 上記制御手段は、所定の番組の内容に相当するパケットの組みを常に上記蓄積手段に出力することを特徴とする請求項1記載のマルチメディア蓄積装置。
【請求項21】 上記制御手段は、所定の番組の内容に相当するパケットの組みを常に上記蓄積手段に出力し、所定の番組の新しい内容に相当するパケットの組みを上記蓄積手段に出力する際には、上記蓄積手段に蓄積された上記所定の番組の古い内容に相当するパケットの組みを削除することを特徴とする請求項1記載のマルチメディア蓄積装置。」
【請求項22】 上記蓄積手段は、ハードディスクなどのランダムアクセス可能な記録媒体とDVDやテープなど取り外しが可能な記録媒体とを備え、
上記制御手段は、ハードディスクなどのランダムアクセス可能な記録媒体とDVDやテープなど取り外しが可能な記録媒体とから、所定の形式で設定した使用者の好み情報と、番組内容の連続性とのいずれかの要因を条件としてパケットを出力する記録媒体を決定することを特徴とする請求項1記載のマルチメディア蓄積装置。」

《技術分野》
「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マルチメディア蓄積装置に関するものであり、デジタル放送などのデジタル動画を収録・再生する方法、時刻指定による制御方法、擬似的に生放送を停止・再開するための方法、番組名などと蓄積データの関連付けに関するものである。」

《解決しようとする課題》
「【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来コンピュータに収録していた動画は、映像と音声を一対とした単一の動画が主流であり、かつ、符号化されたデータをそのまま収録するため、目的の映像、音声を再生するために不要なデータ、例えば復号同期のために挿入されるNULLパケットやその他復号に直接必要ではない情報用のパケットなども同時に収録してしまうため有限の蓄積手段を不要データの分だけ無駄に使用しており、この無駄を無くし、効率的に不揮発性記憶装置などの蓄積手段を使用する必要があった。
【0008】また、コンピュータで扱う映像は、一般的にコンピュータ上で表示可能な転送レートの低いものであり、仮に多重化された動画を扱う場合には一般的には分離せずに復号装置への設定によってどのマルチメディアデータを復号するか決定する必要があり多重化されている動画をリアルタイムに分離することができないという問題点があった。
【0009】本装置をVTRとして見た場合、一般的に従来のVTRは、録画か再生を選択的に実行するように構成されており、両者を同時に行うことができない。すなわち、生放送を録画しながら、その録画中の動画の先頭部分を再生するといった、複合動作は不可能である。したがって、VTRは見たいテレビ番組の放送時間に留守にするためそのテレビ放送を録画する、又は見たい番組が2つ同じ時間帯に放送されるので裏番組を録画するといった用途に利用される。また、一台のVTRで同時に録画できる番組は一つに限定されるため、同じ時間帯に録画したい番組が2つある場合、利用者はどちらかを選択しなければならないという問題があった。さらに本装置をテレビとして見た場合、従来のテレビは現在放送されている番組でもう一度見たい場面や、見逃した場面をリプレイして見ることができないという問題点があった。
【0010】この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、多重化されて送信される符号化された複数のHDTV(High DefinitionTV)映像などの広帯域な動画を含むマルチメディアデータを同時に別々の動画として蓄積したり(同一時間帯に放送される異なるチャンネルの番組の同時録画)、蓄積途中の動画を蓄積しつつ同時に再生する(番組開始時間より遅れ、かつ、その番組が放送中であっても番組冒頭から視聴することが可能)ことを可能とし、さらに不揮発性記憶装置を効率的に使用する方法を解決し、動画データのバイト位置と再生時刻を相互に対応づける方法を解決して時刻により再生位置を指定可能とすることなどにより、利用者の利便性をより一層向上することを目的とする。」

《第1,第18?22の発明》(請求項1,18?22に対応)
「【0011】
第1の発明は、パケット単位に多重化されたマルチメディアデータを入力する入力手段と、この入力したマルチメディアデータより所定のパケットを選択し出力する制御手段と、この出力されたパケットを蓄積する蓄積手段とを備えたものである。」
「【0028】第18の発明は、番組ジャンルなどの抽象的な番組指定により所定の番組を特定し、所定の時間になると所定の番組の内容に相当するパケットの組の蓄積を自動的に開始する制御手段を備えたものである。
【0029】第19の発明は、デジタル放送に含まれる電子番組表を監視し、番組編成が変更された場合に既に録画予約されている番組の情報を変更することによって上記録画予約されている番組を録画可能とする制御手段を備えたものである。
【0030】第20の発明は、あらかじめ設定された所定の定期的に放送される番組を、毎回必ず録画するための制御手段を備えたものである。
【0031】第21の発明は、所定の番組の新しい内容に相当するパケットの組みを蓄積する際には、上記所定の番組の古い内容に相当するパケットの組みを廃棄することで蓄積メディアの肥大や蓄積不能を防止するための制御手段を備えたものである。
【0032】第22の発明は、ハードディスク、DVD(Digital Versatile Disc)やテープなどの記録媒体の中から、使用者からの指示や、蓄積対象のパケットの属性情報により、パケットを蓄積する記録媒体を決定するための制御手段を備えたものである。」

《図1、マルチメディア蓄積装置の構成》
「【0041】図1は、この発明のマルチメディア蓄積装置の構成図である。図において、太い線はハードウエアを、破線はソフトウエアを示し、1はコンピュータ、2はこのコンピュータのマルチメディア蓄積装置としての機能を制御するためのソフトウエアで、アプリケーション又はRS232CやLANなど外部I/Fからのコマンド受信やそのコマンドによる動画データの送受信制御を行うストリーム制御プログラムである。3は復号装置、4は符号化装置又は多重化装置など動画データを出力する動画データ出力装置であり、これらはコンピュータに内蔵されていても外付けでも良い。
【0042】5,6は符号化された動画データを転送レートに従って復号装置へ送り出す又はコンピュータに取りいれるためのそれぞれ出力ボード、入力ボードであり、図では入出力を別々のボードとしているが、同一のボードで入出力を兼ねても良い。7はストリーム制御プログラム2に対してコマンドを送付するためのアプリケーションである。ストリーム制御プログラム2のコマンド受信I/Fはこのようにマルチメディア蓄積装置上に設けても良いし、他のI/Fを設けても良いし、両者を併設しても良い。8は、RS232CあるいはLANのような外部との通信を行うための外部通信ボードである。この外部通信ボードが十分な転送能力を有していれば、5,6に示した入力ボード、出力ボードと共用することも可能である。このようなボードには例えばIEEE1394ボードが挙げられる。このようにストリーム制御プログラム2にコマンドを送信する部分を外部のコンピュータあるいはコマンド送信専用のハードウエアなどとして、外部よりマルチメディア蓄積装置を制御することも可能である。
【0043】9は、受信された動画を蓄積するための蓄積手段であり、HDD(HardDisc Drive)に代表される不揮発性の記憶装置である。記憶装置9は、HDDでも良いし、広帯域の動画の入出力が可能な速度をもつものであればCD-ROMやDVD、MO(Magneto-Optical Disc)なども考えられる。特に書き込みをできる必要も無く、取り外し可能な記録媒体をここに設置し、再生専用の記憶装置として用いることも可能である。接続数量、種類も特に限定しない。さらに、本発明によるマルチメディア蓄積装置は、コンピュータとしてモニタと別に存在しても良いし、全体をモニタの中に内蔵しても良い。」

《実施の形態》(実施の形態7.)
「【0072】実施の形態7.上記実施の形態による蓄積方法、時刻指定による再生開始位置発見方法を利用し、生放送動画のリプレイや停止、再開といった動作を行う実施の形態を示す。」
「【0076】このように、利用者の操作は意識して現在の放送と再生の画面を切り替えるものではなく、マルチメディア蓄積装置の内部で自動的に行うものである。したがって、自動収録を行うため、有限のディスク容量は徐々に圧迫されていく。そこで、マルチメディア蓄積装置が自動的に収録した蓄積データに関してはディスク容量を圧迫する恐れが生じた時に自動的に削除していく必要がある。削除する優先度に関しては、a)アクセス頻度(最後にいつ視聴したか)や、b)作成日時、c)利用者によるロック指定などにより決定する。このように、自動的に蓄積し利用された後、自動的に削除することにより、利用者はディスク容量をほとんど意識することなく擬似的に生放送の操作を行うことを可能とし、コンピュータの知識が無くとも容易に利用できるマルチメディア蓄積装置を実現する。」

《実施の形態》(実施の形態9.)
「【0085】実施の形態9.これまでの実施の形態では、利用者の操作によって録画を開始、停止することを前提としてきたが、本実施の形態では自動的に録画をする方式に関して、利用者の利便性を追求した実施の形態を示す。
【0086】この実施の形態の制御手段は以下の機能を有する。
(1)利用者から指定された番組タイトルなどから、番組を特定してその放送時間やパケットの組みの識別子などを検索する番組詳細情報の検索機能
(2)放送される番組情報を常に解析し、番組編成に変更があった場合それを検知できる機能
(3)マルチメディア蓄積装置に接続されている様々な種類の蓄積メディアを識別および、記録媒体の残り容量などの情報を監視する機能
以下本願方式の実施の形態について説明を行う。
【0087】従来、例えば家庭用VTR装置では録画予約は録画する時間をあらかじめ指定することにより、VTR装置がその時間になると録画を開始する単純な構造である。現在はGコードと呼ばれる、コードを入力する方法があるが、これもコード番号を元にチャンネルや録画時間を指定するだけのものであり、録画予約完了後の変更は利用者が手操作で行う必要があり、また、放送時間が変更されるとそれに伴って予約時間を変更しなければならないなどの問題があった。
【0088】一方、本願方式では、番組タイトルや番組ジャンル、出演者といった抽象的、感覚的なキーワードを指定する。マルチメディア蓄積装置はキーワードを元に、電子番組表から1つ以上の番組を検索し、録画予約を行う。この時、マルチメディア蓄積装置により検索された1つ以上予約候補に関しては利用者に表示することも可能であるし、また、対話的に利用者が選択する手段も考えられる。録画予約の録画制御は録画開始時刻の数秒前に開始され、その後の録画処理は実施形態1,2,3で記述した内容と同じである。
【0089】実際のテレビ放送では、野球中継の放送時間の延長や緊急特別番組などの挿入により、予約されていた番組の放送時間が変更になる場合がある。マルチメディア蓄積装置では、常に現在の電子番組表を監視して、以前のものと変更があった番組を発見すると、その番組が録画予約されているかどうか検索し、予約されているならば、番組変更の情報を反映する。マルチメディア蓄積装置の予約録画においては、録画制御が開始されるまで、予約された録画の情報はメモリまたは不揮発性の記憶装置に記憶された状態となる。この情報を変更することにより、録画制御の開始時刻が変更となるため、結果として番組を確定的に録画することが可能となる。
【0090】次に、利用者の指定により自動的に最新の番組を録画し、古い動画を削除する、自動更新とも呼ぶべき機能に関して説明する。この機能は、利用者にとって最新の情報が意味を持つ番組、例えば天気予報やニュースを自動的に更新し、最新のもの以外、あるいは最新のものと過去2回分の放送以外といった指定により過去の動画を自動的に削除するものである。連続ドラマに適用する場合には、「視聴が完了したら削除する」など、削除方法に関しては色々と考えられる。この自動更新の機能は、「ニュース」「天気」というジャンルから定期的に録画することを自動的に認識し、かつ、設定条件により自動的に削除する機能を組み合わせることにより、本機能が記録媒体の不足に陥ることを防止する。したがって、マルチメディア蓄積装置は常に最新のニュースや天気を確定的に録画することが可能となる。
【0091】本機能を利用者の利便性の観点から見れば、利用者は放送時間に左右されることなく、利用者の都合の良い時間に視聴することができる効果がある。」

《発明の効果》
「【0104】第1の発明では、入力されたパケット単位に多重化されたマルチメディアデータより所定のパケットを選択し出力し、この出力されたパケットを蓄積することにより、入力データに比べて蓄積するデータをさらに圧縮することができる。」
「【0121】第18の発明は、従来は新聞や雑誌によって番組の存在を知り、録画予約を実施していた操作を、連続ドラマ、出演者の名前といった抽象的な指定によってあらかじめ番組の存在さえ知ることなく好みの自動的に録画予約を行うことができる。
【0122】第19の発明は、録画予約された番組の放送時間が変更になった時、その番組変更に追従して録画予約の内容も変更することによって、一度録画予約した番組は必ず録画されることを保証するものである。
【0123】第20の発明は、例えばニュースや天気予報などの主として最新の情報に価値がある番組について、自動的に最新の番組を録画することによって、視聴者の都合に合わせていつでも最新のニュースや天気予報を視聴することを可能とするものである。
【0124】第21の発明は、第18の発明や第20の発明によって自動的に録画された動画により、記録装置が満杯になるのを防ぐことができる。例えば、自動更新は必ず最新の1世代分だけを記録装置に残す、あるいは過去3回分を記録装置に残すといった具合である。通常の録画や録画予約により蓄積された映像においても、利用者の指定により削除可能、削除不可を指定できるようにすることで、利用者が明示的に削除機能を使って削除しなくても本発明の自動削除機能によって定期的に一括削除できるようになる。【0125】第22の発明は、動画の種類や利用者の好み、蓄積した動画の連続性などによってすぐに再生できる必要があるかどうか判断し、マルチメディア蓄積装置に内蔵された装置のうち、どの記録媒体を使用するか決定することにより、動画が占める単位容量に対する記録媒体の価格を安価にするものである。
【0126】第23の発明は、動画の種類や利用者の好み、蓄積した動画の連続性などによってすぐに再生できる必要があるかどうか判断し、マルチメディア蓄積装置に内蔵された装置とネットワークに接続された記憶装置のうち、どの記録媒体を使用するか決定することにより、動画が占める単位容量に対する記録媒体の価格を安価にするとともに、マルチメディア蓄積装置に内蔵する記憶装置を最小に抑えることによって装置の価格を安価にすることができ、ネットワーク上に記憶装置を接続することにより、マルチメディア蓄積装置で使用可能な記憶装置を簡単に増加させることが可能になる。
【0127】第24の発明は、連続するドラマをすべて録画する場合には、即時に再生可能な記録媒体にこれから視聴すべき週のドラマを録画しておき、その他の週の動画に関しては、他の記録媒体に録画しておくことにより、限られた高機能な記録媒体を効率的に使用する。
【0128】第25の発明は、即時に再生可能な記録媒体に録画されているこれから視聴すべき週のドラマを再生した場合、再生と併行して他の記録媒体に録画してある次に視聴すべき動画を即時に再生可能な記録媒体にコピーする。これにより、利用者から見れば、連続したドラマを順番に再生していく際に、連続ドラマがすべて即時再生可能な記録媒体に録画されているのと同等の機能をより安価に提供することができる。」

(2)特開2000-184320号公報(刊行物2)
同じく原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特開平9-23392号公報(上記引用例3に同じ。以下、「刊行物2」という。)には、次に掲げる事項が記載されている。

《発明の属する技術分野、課題》
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、映像・音声およびその関連情報を記録再生する記録再生装置と、関連情報を過去に蓄積した番組の情報と合わせてEPG(Electronic Program Guide;電子番組ガイド)として表示する記録再生装置及び電子番組ガイド表示装置に関する。」

《発明の実施の形態》
「【0098】(9)番組毎のタイムシフト録画機能
番組毎のタイムシフト録画機能について、以下に説明する。
【0099】少なくとも1つ以上のチャンネルを、視聴者からの明示的な録画予約が無くても記録しておき、視聴者がその番組を明示的に保存する手段をとらない限り、一定の番組数または一定の時間が経つと番組を消去する録画方法をタイムシフト録画機能とする。」
「【0101】(10)番組毎のタイムシフト録画の動作
番組毎の一時録画して後刻視聴するタイムシフト録画の動作について、以下に説明する。
【0102】タイムシフト録画を行う前に、視聴者はあらかじめどのチャンネルを何時間もしくは何番組分記録するかを設定しておく。特に視聴者から設定が行われない場合は、あらかじめ定められている既定値をその値として用いる。この場合のチャンネル数は、明示的に予約されている番組の記録を妨げないように設定されなければならない。タイムシフト録画を行うか行わないかは、視聴者の判断で行われ、タイムシフト録画を行うように設定された時点から、番組の記録を開始する。
【0103】タイムシフト録画するよう設定されたチャンネルの番組関連情報を番組関連情報取得部101で取得し、一時記録制御部104で管理を行う。
【0104】映像や音声の主情報はチューナ102で受信され、一時記録部103に記録される。
【0105】一時記録制御部104が、管理している情報に基づき、一時記録部103に記録されている番組を消去するかを判断する。この判断は、番組毎の記録と設定してあれば番組毎に、時間後と設定してあれば一定間隔分を単位として消去を行う。消去される前に視聴者から明示的に記録するよう命令が出た場合、一時記録部103に記録されているコンテンツを記録部105に移動し、時間を経ても消去されないようにする。
【0106】前記タイムシフト録画したコンテンツは、通常の方式で録画したコンテンツと同様に、通常再生・特殊再生も可能である。また、通常再生・特殊再生中は消去できないようにする。」



[3]刊行物1に記載された発明(以下、「引用発明」という)

(1)引用発明認定の対象
刊行物1には、概要、
多重化されて送信される符号化された複数のHDTV(High DefinitionTV)映像などの広帯域な動画を含むマルチメディアデータを同時に別々の動画として蓄積したり(同一時間帯に放送される異なるチャンネルの番組の同時録画)、蓄積途中の動画を蓄積しつつ同時に再生する(番組開始時間より遅れ、かつ、その番組が放送中であっても番組冒頭から視聴することが可能)ことを可能とし、さらに不揮発性記憶装置を効率的に使用する方法を解決する等を目的とする(段落【0007】?【0010】)、
デジタル放送などのデジタル動画を収録・再生するマルチメディア蓄積装置が記載されており(段落【0001】)、
その実施の形態9(段落【0085】?【0091】)として記載された自動録画の技術{「本実施の形態では自動的に録画をする方式に関して・・・実施の形態を示す」(段落【0085】)}、
その中でも特に、段落【0090】の自動更新録画技術に着目する。

実施の形態9の同自動録画は、
請求項1記載のマルチメディア蓄積装置(詳細は、段落【0011】、【0041】?【0043】、【0104】)を前提とするもので、
自動録画技術(基本的手法と認められる。)について、段落【0085】?【0089】に記載されていて、このうち、
段落【0087】?【0088】は、請求項18(詳細は【0028】【0121】)に、
段落【0089】は、請求項19(詳細は、【0029】【0122】)に対応する。
次いで自動更新録画技術について、段落【0090】に記載されていて、請求項20(詳細は、【0030】【0123】)及び請求項21(詳細は【0031】【0124】)に、それぞれ対応するものである。

引用発明は、主として、上記の自動更新録画技術に関連する上記各記載、及び、上記の自動録画技術(基本的手法)に関連する上記各記載から認定する。
これらの請求項と、その詳細を説明する段落との対応は概略以下のとおりである。
特許請求 課題解決 各発明の効果 実施形態等
の範囲 手段として の記載として
請求項1 【0011】 【0104】 【0041】?【0043】、図1
請求項18 【0028】 【0121】 実施形態9【0088】
請求項19 【0029】 【0122】 実施形態9【0089】
請求項20 【0030】 【0123】 実施形態9【0090】
請求項21 【0031】 【0124】 実施形態9【0090】
(請求項22 【0032】 【0125】 )

(2)引用発明の構成

ア 前提構成-マルチメディア蓄積装置-
実施の形態9が前提とする、デジタル放送などのデジタル動画を収録・再生するマルチメディア蓄積装置(段落【0001】)は、
符号化された複数の動画を含むマルチメディアデータを同時に別々の動画として蓄積したり(同一時間帯に放送される異なるチャンネルの番組の同時録画)、蓄積途中の動画を蓄積しつつ同時に再生することを可能とし、さらに不揮発性記憶装置を効率的に使用できるようにするためのもので(段落【0010】)、
入力手段;パケット単位に多重化されたマルチメディアデータを入力する
入力手段と、
制御手段;この入力したマルチメディアデータより所定のパケットを選択
し出力する制御手段と、
蓄積手段;この出力されたパケットを蓄積する蓄積手段
とを備えている(請求項1,【0011】,【0104】)ところ、
その「多重化されたマルチメディアデータ」が「デジタル動画データ」であり、その「蓄積手段」を、「ハードディスク」としたもの(請求項22,段落【0032】,【0043】)を認めことができる。{→引用発明(a)}

イ 自動的な予約録画(基本的手法)
イ-1 実施の形態9は、「自動的に録画をする」(段落【0085】)ものであり、
段落【0088】「番組タイトルや番組ジャンル、出演者といった抽象的、感覚的なキーワードを指定する。マルチメディア蓄積装置はキーワードを元に、電子番組表から1つ以上の番組を検索し、録画予約を行う。」、
段落【0089】「マルチメディア蓄積装置の予約録画においては、録画制御が開始されるまで、予約された録画の情報はメモリまたは不揮発性の記憶装置に記憶された状態となる。」によれば、
指定されたキーワードを元に、電子番組表から番組を検索し、検索した番組について予約録画するべく、録画制御が開始されるまで、予約された録画の情報(予約録画情報)を記憶装置に記憶された状態とする。

イ-2 上記イ-1を踏まえ、
請求項18「上記制御手段は、番組ジャンルなどの抽象的な番組指定により所定の番組を特定し、所定の時間になると所定の番組の内容に相当するパケットの組みを上記蓄積手段に出力する」
段落【0028】「第18の発明は、番組ジャンルなどの抽象的な番組指定により所定の番組を特定し、所定の時間になると所定の番組の内容に相当するパケットの組の蓄積を自動的に開始する制御手段を備えたものである。」
段落【0121】「第18の発明は、従来は新聞や雑誌によって番組の存在を知り、録画予約を実施していた操作を、連続ドラマ、出演者の名前といった抽象的な指定によってあらかじめ番組の存在さえ知ることなく好みの自動的に録画予約を行うことができる。」
をみれば、
キーワードは、例えば、番組タイトルや番組ジャンルや連続ドラマ、出演者の名前といった(Gコードとは異なり)抽象的なものであり、 指定されたキーワードを元に、電子番組表から番組を検索して予約録画する所定の番組を特定し、特定した所定の番組について予約録画するように設定する予約録画情報(予約された録画の情報)を、録画制御が開始されるまで、記憶装置に記憶された状態とし、
当該予約録画情報に基づき、予約された所定の時間、つまり、予約された番組の録画開始時間になると、予約した番組の内容に相当するパケットの組みをハードディスクに蓄積することで、録画予約された所定の番組を録画する、と理解される。
この録画の制御は、イ-1の録画予約とともに、「制御手段」によりなされるものである。

イ-3 以上によれば、
制御手段により、自動的な予約録画、すなわち、
指定されたキーワード{番組タイトルや番組ジャンルや連続ドラマ、出演者の名前といった(Gコードとは異なり)抽象的なキーワード}を元に、電子番組表から番組を検索して予約録画する所定の番組を特定し、特定した所定の番組について予約録画するように設定する予約録画情報(予約された録画の情報)を、録画制御が開始されるまで、記憶装置に記憶された状態とし、
当該予約録画情報に基づき、予約された番組の録画開始時間になると、予約した番組の内容に相当するパケットの組みをハードディスクに蓄積することで、録画予約された所定の番組を自動録画できるようにされている。{→引用発明(b)}

ウ 自動更新(録画)

ウ-1 段落【0090】「次に、利用者の指定により自動的に最新の番組を録画し、古い動画を削除する、自動更新とも呼ぶべき機能に関して説明する。この機能は、利用者にとって最新の情報が意味を持つ番組、例えば天気予報やニュースを自動的に更新し、最新のもの以外、あるいは最新のものと過去2回分の放送以外といった指定により過去の動画を自動的に削除するものである。連続ドラマに適用する場合には、「視聴が完了したら削除する」など、削除方法に関しては色々と考えられる。この自動更新の機能は、「ニュース」「天気」というジャンルから定期的に録画することを自動的に認識し、かつ、設定条件により自動的に削除する機能を組み合わせることにより、本機能が記録媒体の不足に陥ることを防止する。したがって、マルチメディア蓄積装置は常に最新のニュースや天気を確定的に録画することが可能となる。」
によれば、
利用者が自動更新録画すると指定した場合、自動的に最新の番組を録画し古い動画を削除するようになされるもので、最新のもの以外の過去の録画済み番組を自動的に削除するように自動的に更新録画が行われるもの、を認めることができる。
また、自動的に更新録画する番組として、ニュースや天気の番組(「ニュース」「天気」というジャンルから認識するとしている)、連続ドラマ(最新のもの以外で「視聴が完了」したものを削除する、と理解される)が例示されていて、
自動更新録画すると指定した場合の、自動的に更新録画する番組の特定は、上記イでみた「自動的な予約録画」における、指定されたキーワード(抽象的なキーワード)に基づく電子番組表からの番組検索を利用してなされる、と理解される。

ウ-2 さらに、上記の「最新の番組の録画」「定期的に録画」「自動更新」について、対応する上記他の記載を参照して検討する。

〈定期的な録画〉
請求項20、段落【0030】【0123】をみるに、
「第20の発明は、例えばニュースや天気予報などの主として最新の情報に価値がある番組について、自動的に最新の番組を録画することによって、視聴者の都合に合わせていつでも最新のニュースや天気予報を視聴することを可能とするもの」(【0123】)であって、「あらかじめ設定された所定の定期的に放送される番組を、毎回必ず録画する」(【0030】)もので、
そのために、「上記制御手段は、所定の番組の内容に相当するパケットの組みを常に上記蓄積手段に出力する」(請求項20)とされていることから、
制御手段により、あらかじめ設定された所定の定期的に放送される番組を、毎回「定期的に録画」することで、自動的に「最新の番組を録画」ができるようにされ、
毎回の「定期的な録画」は、所定の定期的に放送される番組の内容に相当するパケットの組みを常に上記蓄積手段に出力することでなされるものである。

〈自動更新録画〉
「第21の発明は、第18の発明や第20の発明によって自動的に録画された動画により、記録装置が満杯になるのを防ぐことができる。例えば、自動更新は必ず最新の1世代分だけを記録装置に残す、・・・」(段落【0124】)、
「第21の発明は、所定の番組の新しい内容に相当するパケットの組みを蓄積する際には、上記所定の番組の古い内容に相当するパケットの組みを廃棄することで蓄積メディアの肥大や蓄積不能を防止するための制御手段を備えたものである。」(段落【0031】)、
「上記制御手段は、所定の番組の内容に相当するパケットの組みを常に上記蓄積手段に出力し、所定の番組の新しい内容に相当するパケットの組みを上記蓄積手段に出力する際には、上記蓄積手段に蓄積された上記所定の番組の古い内容に相当するパケットの組みを削除する」(請求項21)、
とあり、
これらを、上記〈定期的な録画〉を記載する上記請求項20、段落【0030】【0123】の記載とを比較検討すれば、
自動更新録画は、自動更新録画すると指定した場合、
制御手段により、上記〈定期的な録画〉{すなわち、あらかじめ設定された所定の定期的に放送される番組を、毎回「定期的に録画」することでなされる、自動的な「最新の番組の録画」}
をするときに行われる「新しい内容に相当するパケットの組みを蓄積する際に」、
蓄積済みの古い内容に相当するパケットを自動削除できるようにされているもの、と理解される。
そして、段落【0090】、上記イ、ウ-1を踏まえれば、
毎回「定期的に録画」するとし、「自動更新録画」するとする、「あらかじめ設定された所定の定期的に放送される番組」は、上記イでみた「自動的な予約録画」における、指定されたキーワード(抽象的なキーワード)に基づく電子番組表からの番組検索を利用して特定される所定の番組、と理解される。
また、自動削除する、蓄積済みの古い内容に相当するパケットとは、上記所定の定期的に放送される番組であって最新のもの以外の過去の録画済みの所定の番組に対応するものと理解され、
「新しい内容に相当するパケットの組みを蓄積する際」とは、「録画開始時」に他ならず、上記イでみた「自動的な予約録画」と同様、(自動更新録画する)「番組の録画開始時間になった際」と理解される。

ウ-3 以上(ウ-1、ウ-2)によれば、
利用者が自動更新録画すると指定した場合、
制御手段により、
上記「自動的な予約録画」における、指定されたキーワード(抽象的なキーワード)に基づく電子番組表からの番組検索を利用して特定される所定の番組であって、あらかじめ設定された所定の定期的に放送される番組を、定期的に毎回録画することで、自動的に最新の番組を録画ができるようにされると共に、
古い動画、すなわち、上記所定の定期的に放送される番組であって最新のもの以外の過去の録画済みの所定の番組を自動的に削除するように自動的に更新録画が行われるものであって、
新しい内容に相当するパケットの組み(最新の番組に対応する)を蓄積する際、すなわち、自動更新録画する番組の録画開始時間になった際、蓄積済みの古い内容に相当するパケット(上記所定の定期的に放送される番組であって最新のもの以外の過去の録画済みの所定の番組に対応するもの)を自動削除できるようにされているもの、を認めることができる。{→引用発明(c)}

(3)引用発明
以上によれば、引用発明として、下記のマルチメディア蓄積装置の発明を認めることができる。

記(引用発明)
(a)デジタル放送などのデジタル動画を収録・再生するマルチメディア蓄積装置であって、
符号化された複数の動画を含むマルチメディアデータを同時に別々の動画として蓄積したり(同一時間帯に放送される異なるチャンネルの番組の同時録画)、蓄積途中の動画を蓄積しつつ同時に再生することを可能とし、さらに不揮発性記憶装置を効率的に使用できるようにするためのもので、
パケット単位に多重化されたデジタル動画データを入力する入力手段と、
この入力したデジタル動画データより所定のパケットを選択し出力する制御手段と、
この出力されたパケットを蓄積するハードディスクを備え、

(b)制御手段により、自動的な予約録画、すなわち、
指定されたキーワード{番組タイトルや番組ジャンルや連続ドラマ、出演者の名前といった(Gコードとは異なり)抽象的なキーワード}を元に、電子番組表から番組を検索して予約録画する所定の番組を特定し、特定した所定の番組について予約録画するように設定する予約録画情報(予約された録画の情報)を、録画制御が開始されるまで、記憶装置に記憶された状態とし、
当該予約録画情報に基づき、予約された番組の録画開始時間になると、予約した番組の内容に相当するパケットの組みをハードディスクに蓄積することで、録画予約された所定の番組を自動録画できるようにされ、

(c)利用者が自動更新録画すると指定した場合、
制御手段により、
上記「自動的な予約録画」における、指定されたキーワード(抽象的なキーワード)に基づく電子番組表からの番組検索を利用して特定される所定の番組であって、あらかじめ設定された所定の定期的に放送される番組を、定期的に毎回録画することで、自動的に最新の番組を録画ができるようにされると共に、
古い動画、すなわち、上記所定の定期的に放送される番組であって最新のもの以外の過去の録画済みの所定の番組を自動的に削除するように自動的に更新録画が行われるものであって、
新しい内容に相当するパケットの組み(最新の番組に対応する)を蓄積する際、すなわち、自動更新録画する番組の録画開始時間になった際、蓄積済みの古い内容に相当するパケット(上記所定の定期的に放送される番組であって最新のもの以外の過去の録画済みの所定の番組に対応するもの)を自動削除できるようにされる、

(a)マルチメディア蓄積装置。

[4]補正後発明1と引用発明との対比(対応関係)

(1)補正後発明1(構成要件の分説)

補正後発明1は、以下のように要件に分説することができる。

補正後発明1(分説)
A:番組の画像信号を記録することによりその番組を録画するハードディス
ク手段と、
B:上記番組を予約録画するための設定情報を記憶する設定情報記憶手段
と、
C:上記ハードディスク手段に録画されている番組、および上記設定情報記
憶手段に記憶されている上記設定情報にしたがって、上記ハードディス
ク手段による番組の録画を制御する録画制御手段と
を有し、
D:上記設定情報記憶手段に記憶されている上記設定情報が、所定の番組に
ついて上記予約録画を定期的に行うように設定されている場合、上記録
画制御手段は、
D1?(過去):
上記設定情報が示す録画開始日時になったとき、上記所定の番組のうち
の過去の放送分の番組が上記ハードディスク手段に録画されているか否
かの第1の判断を実行し、
D1録〈D1?=過去無〉:
この第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されていないと
きには、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番
組を上記ハードディスク手段に録画させ、
D2?(プロテクト設定) {/D1?=過去有}:
上記第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されているとき
には、その録画されている過去の放送分の番組に消去禁止のプロテクト
が設定されているか否かの第2の判断を実行し、
D3?(再生中) {/D2?=プロテクト設定無、D1?=過去有}:
この第2の判断の結果、上記プロテクトが設定されていないときには、
そのプロテクトの設定されていない上記過去の放送分の番組が再生中で
あるか否かの第3の判断を実行し、
D3消録〈D3?=否再生中〉 {/D2?=プロテクト設定無、D1?=過去有}: この第3の判断の結果、上記プロテクトが設定されていない上記過去の
放送分の番組が再生中ではないときには、この再生中ではない過去の放
送分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時にな
ったときの上記所定の番組を上記ハードディスク手段に録画させ、
D2消録〈D2?=プロテクト設定有〉 {/D1?=過去有}:
上記第2の判断の結果、上記プロテクトが設定されているときには、そ
のプロテクトの設定されている上記過去の放送分の番組および上記再生
中の上記過去の放送分の番組を除いて上記過去の放送分の番組を消去す
るとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定
の番組を上記ハードディスク手段に録画させ、
D3消録〈D3?=再生中〉 {/D2?=プロテクト設定無、D1?=過去有}:
上記第3の判断の結果、上記プロテクトが設定されていない上記過去の
放送分の番組が再生中のときには、その過去の放送分の番組のうち、そ
の再生中の番組を除いた過去の放送分の番組を消去するとともに、上記
設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記ハー
ドディスク手段に録画させる
E:ようにした画像記録装置。

(2)対応関係

ア 要件E「ようにした画像記録装置。」について
引用発明の「マルチメディア蓄積装置」も、例えばデジタル放送などのデジタル動画を収録するものである{(a)}から、「画像記録装置」といえ、
上記要件Eにおいて、補正後発明1と相違しない。

イ 要件A「番組の画像信号を記録することによりその番組を録画するハードディスク手段と、」について
引用発明の上記蓄積装置も、上記デジタル放送などのデジタル動画のデータ(その所定のパケット)をハードディスクに蓄積している{(a)}のであるから、上記要件Aの「ハードディスク手段」を有しているといえ、
上記要件Aにおいて、補正後発明1と相違しない。

ウ 要件B「上記番組を予約録画するための設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、」について
引用発明の(b)の「記憶装置」は、
「指定されたキーワード{番組タイトルや番組ジャンルや連続ドラマ、出演者の名前といった(Gコードとは異なり)抽象的なキーワード}を元に、電子番組表から番組を検索して予約録画する所定の番組を特定し、特定した所定の番組について予約録画するように設定する予約録画情報(予約された録画の情報)」を、記憶するもので、
記憶された「当該予約録画情報に基づき、予約された番組の録画開始時間になると、予約した番組の内容に相当するパケットの組みをハードディスクに蓄積することで、録画予約された所定の番組を自動録画できるようにされ」ているのであるから、
「上記番組を予約録画するための設定情報を記憶する設定情報記憶手段」ということができ、
上記要件Bにおいて、補正後発明1と相違しない。

エ 要件Cについて
C:上記ハードディスク手段に録画されている番組、および上記設定情報記
憶手段に記憶されている上記設定情報にしたがって、上記ハードディス
ク手段による番組の録画を制御する録画制御手段と
を有し、

引用発明の制御手段も、上記ウでみたように、上記(b)の自動的な予約録画をするのであるから、
「上記設定情報記憶手段に記憶されている上記設定情報にしたがって、上記ハードディスク手段による番組の録画を制御する録画制御手段」といえるものである。
もっとも、補正後発明1の上記録画制御手段は、上記設定情報にしたがって上記録画の制御を行うほか、「上記ハードディスク手段に録画されている番組」にもしたがって上記録画の制御を行うものであるが、
この“録画されている番組にしたがった録画の制御”とは、明細書の記載(段落【0051】【0054】【0055】)に照らせば、上記ハードディスク手段に録画されている番組にしたがって“該ハードディスク手段への録画を、過去の録画保存されているたいる番組の消去を伴う更新録画とするか、否か(該消去を伴わない更新録画とするか)、を制御する”というものと解されるところ、
そのような点では、引用発明でも後記オ-1(ウ)で認定するように同様になされているといえ、
上記要件Cにおいても、補正後発明1と相違しない。

オ 要件D、D1?(過去)、D1録〈D1?=過去無〉、
D2?(プロテクト設定)、D3?(再生中)、D3消録〈D3?=否再生中〉、
D2消録〈D2?=プロテクト設定有〉、D3消録〈D3?=再生中〉
について

オ-1 要件D、D1?(過去)、D1録〈D1?=過去無〉
D:上記設定情報記憶手段に記憶されている上記設定情報が、所定の番組に
ついて上記予約録画を定期的に行うように設定されている場合、上記録
画制御手段は、
D1?(過去):
上記設定情報が示す録画開始日時になったとき、上記所定の番組のうち
の過去の放送分の番組が上記ハードディスク手段に録画されているか否
かの第1の判断を実行し、
D1録〈D1?=過去無〉:
この第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されていないと
きには、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番
組を上記ハードディスク手段に録画させ、

(ア)引用発明でも、制御手段(これが「上記録画制御手段」といい得ることは、上記のとおりである。)により、
「(c)利用者が自動更新録画すると指定した場合」に、
『上記「自動的な予約録画」における、指定されたキーワード(抽象的なキーワード)に基づく電子番組表からの番組検索を利用して特定される所定の番組であって、あらかじめ設定された所定の定期的に放送される番組を、定期的に毎回録画することで、自動的に最新の番組を録画ができるようにされると共に、
古い動画、すなわち、上記所定の定期的に放送される番組であって最新のもの以外の過去の録画済みの所定の番組を自動的に削除するように自動的に更新録画が行われるものであって、
新しい内容に相当するパケットの組み(最新の番組に対応する)を蓄積する際、すなわち、自動更新録画する番組の録画開始時間になった際、蓄積済みの古い内容に相当するパケット(上記所定の定期的に放送される番組であって最新のもの以外の過去の録画済みの所定の番組に対応するもの)を自動削除できるようにされる』
のであるから、
「所定の番組について上記予約録画を定期的に行うように設定されている場合、上記録画制御手段」(要件Dの一部)は、
「上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記ハードディスク手段に録画させ、」{『D1録〈D1?=過去無〉』の一部}
ということができる。

(イ)要件D
また、引用発明は、「(c)利用者が自動更新録画すると指定した場合」に、上記の『』の動作(定期的毎回録画と更新録画)を行うのであるから、
「利用者が自動更新録画すると指定した場合」であって上記の『』の動作(定期的毎回録画と更新録画)を行うと設定したことを「記憶しておくこと」は必須といえ、そのことを「記憶しておく手段」を備えていることは明らかである。
そして、当該「記憶しておく手段」も、上記(b)の「記憶装置」と同様、補正後発明1の要件Bの「上記番組を予約録画するための設定情報を記憶する設定情報記憶手段」といい得るものである。
したがって、(b)の「記憶装置」のみならず、(b)の「記憶装置」と当該「記憶しておく手段」と合わせたものも、要件Bの「上記番組を予約録画するための設定情報を記憶する設定情報記憶手段」といえ、また、「(c)利用者が自動更新録画すると指定した場合」とは、「上記設定情報記憶手段に記憶されている上記設定情報が、所定の番組について上記予約録画を定期的に行うように設定されている場合」ということができる。
以上によれば、引用発明も「上記設定情報記憶手段に記憶されている上記設定情報が、所定の番組について上記予約録画を定期的に行うように設定されている場合、上記録画制御手段は、」といえ、
上記要件Dにおいて、補正後発明1と相違しない。

(ウ)D1?(過去)、D1録〈D1?=過去無〉
引用発明の(c)の自動更新録画は、
上記のとおり、『D1録〈D1?=過去無〉』の一部である「上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記ハードディスク手段に録画させ、」といい得るものではあるが、
D1?(過去):「上記所定の番組のうちの過去の放送分の番組が上記ハードディスク手段に録画されているか否かの第1の判断を実行し」との明示はない。
しかしながら、更新録画は、そもそも、更新すべき過去の録画済み番組の存在を条件になされるものであって、そのような過去の録画済み番組が存在しない場合(例えば最初の録画)では、削除を伴わない更新録画、すなわち、単なる録画動作を行うべきものである。
このことからすれば、引用発明の(c)の自動更新録画でも、基本動作として、最初に、ハードディスクの録画済み番組の中から、「上記所定の定期的に放送される番組であって最新のもの以外の過去の録画済みの所定の番組」を捜し、それが存在すれば削除するという工程を踏んでなされることは、特に明示がなくとも普通に理解され想定されることである。
したがって、『D1?(過去)』の「上記所定の番組のうちの過去の放送分の番組が上記ハードディスク手段に録画されているか否かの第1の判断を実行し、」は、引用発明でもなされていると把握し得、この点相違しない。

また、その「第1の判断」を実行する時点を「上記設定情報が示す録画開始日時になったとき、」とする点について検討するに、
引用発明の(c)自動更新録画でも、「新しい内容に相当するパケットの組み(最新の番組に対応する)を蓄積する際、すなわち、自動更新録画する番組の録画開始時間になった際、蓄積済みの古い内容に相当するパケット(上記所定の定期的に放送される番組であって最新のもの以外の過去の録画済みの所定の番組に対応するもの)を自動削除できるようにされる、」としているのであるから、
上記の引用発明も備えるといえる上記「第1の判断」を実行する時点も、最新番組の予約録画の開始時に行うものといえるところ、最新番組の予約録画の開始時とは、「上記設定情報が示す録画開始日時になったとき、」といい得るものである。
したがって、「第1の判断」を実行する時点についても、補正後発明1と相違しないものといえる。
よって、上記『D1?(過去)』において、補正後発明1と相違しない。

(エ)D1録〈D1?=過去無〉
そして、引用発明が、上記「第1の判断」を実行し、
この第1の判断の結果、「上記所定の定期的に放送される番組であって最新のもの以外の過去の録画済みの所定の番組」がないときには、
単に「指定されたキーワード(抽象的なキーワード)に基づく電子番組表からの番組検索を利用して特定される番組であって、あらかじめ設定された所定の定期的に放送される番組を」、「自動更新録画する番組の録画開始時間になった際」録画すること、
その「録画開始時間となった際」は「上記設定情報が示す録画開始日時になったとき」ともいうことができること、
も、既に検討したことから明らかである。

以上によれば、引用発明も、
「この第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されていないと
きには、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番
組を上記ハードディスク手段に録画させ、」といえ、
上記『D1録〈D1?=過去無〉』において、補正後発明1と相違しない。

以上によれば、引用発明の制御手段も、
「上記設定情報が示す録画開始日時になったとき、上記所定の番組のうち
の過去の放送分の番組が上記ハードディスク手段に録画されているか否
かの第1の判断を実行し、」、
「この第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されていないと
きには、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番
組を上記ハードディスク手段に録画させ、」
をしているといえ、
上記『D1?(過去)』、『D1録〈D1?=過去無〉』において、補正後発明1と相違しない。

オ-2 残る5つの要件について
D2?(プロテクト設定)、D3?(再生中)、D3消録〈D3?=否再生中〉、
D2消録〈D2?=プロテクト設定有〉、D3消録〈D3?=再生中〉

補正後発明1の、残る上記5つの要件は、明細書の段落【0051】?【0058】、図3も参照して解するに、要して言えば、以下の《基本要件》と《手順要件》とからなるものということができる。

《基本要件》
上記第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されているときには、以下のPあるいはQに該当する番組を除いて過去の放送分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記ハードディスク手段に録画させること、
P:過去の放送分の番組が、消去禁止のプロテクトが設定されてされている番組である(このとき当該番組は消去しない。「第2の判断」に対応)
Q:過去の放送分の番組が、再生中の番組である(このとき当該番組は消去しない。「第3の判断」に対応)

《手順要件》
その手順を、まず上記Pに該当する番組か否かを判断した後、上記Qに該当する番組か否かを判断すること

これに対して、引用発明は、
上記第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されているとき
には、その録画されている過去の放送分の番組を消去するとともに、
上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記
ハードディスク手段に録画させる、
としていて、
上記Pに該当する番組か否か、上記Qに該当する番組か否かを判断するとはしておらず、上記PあるいはQに該当する番組を消去しない、ともしておらず、
上記《基本要件》も《手順要件》も満たしていない。

すなわち、引用発明は、上記5つの要件を備えておらず、相違が認められる。

[5]一致点、相違点

以上の対比結果によれば、補正後発明1と引用発明とは、

[一致点]
A:番組の画像信号を記録することによりその番組を録画するハードディス
ク手段と、
B:上記番組を予約録画するための設定情報を記憶する設定情報記憶手段
と、
C:上記ハードディスク手段に録画されている番組、および上記設定情報記
憶手段に記憶されている上記設定情報にしたがって、上記ハードディス
ク手段による番組の録画を制御する録画制御手段と
を有し、
D:上記設定情報記憶手段に記憶されている上記設定情報が、所定の番組に
ついて上記予約録画を定期的に行うように設定されている場合、上記録
画制御手段は、
D1?(過去):
上記設定情報が示す録画開始日時になったとき、上記所定の番組のうち
の過去の放送分の番組が上記ハードディスク手段に録画されているか否
かの第1の判断を実行し、
D1録〈D1?=過去無〉:
この第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されていないと
きには、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番
組を上記ハードディスク手段に録画させる
E:ようにした画像記録装置。
とする点で一致し、

[相違点]
補正後発明が、
D2?(プロテクト設定) {/D1?=過去有}:
上記第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されているとき
には、その録画されている過去の放送分の番組に消去禁止のプロテクト
が設定されているか否かの第2の判断を実行し、
D3?(再生中) {/D2?=プロテクト設定無、D1?=過去有}:
この第2の判断の結果、上記プロテクトが設定されていないときには、
そのプロテクトの設定されていない上記過去の放送分の番組が再生中で
あるか否かの第3の判断を実行し、
D3消録〈D3?=否再生中〉 {/D2?=プロテクト設定無、D1?=過去有}:
この第3の判断の結果、上記プロテクトが設定されていない上記過去の
放送分の番組が再生中ではないときには、この再生中ではない過去の放
送分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時にな
ったときの上記所定の番組を上記ハードディスク手段に録画させ、
D2消録〈D2?=プロテクト設定有〉 {/D1?=過去有}:
上記第2の判断の結果、上記プロテクトが設定されているときには、そ
のプロテクトの設定されている上記過去の放送分の番組および上記再生
中の上記過去の放送分の番組を除いて上記過去の放送分の番組を消去す
るとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定
の番組を上記ハードディスク手段に録画させ、
D3消録〈D3?=再生中〉 {/D2?=プロテクト設定無、D1?=過去有}:
上記第3の判断の結果、上記プロテクトが設定されていない上記過去の
放送分の番組が再生中のときには、その過去の放送分の番組のうち、そ
の再生中の番組を除いた過去の放送分の番組を消去するとともに、上記
設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記ハー
ドディスク手段に録画させる
とするのに対して

引用発明では、
上記第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されているとき
には、その録画されている過去の放送分の番組を消去するとともに、
上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記
ハードディスク手段に録画させる、
としていて、
上記D2?(プロテクト設定)、D3?(再生中)、D3消録〈D3?=否再生中〉、D2消録〈D2?=プロテクト設定有〉、D3消録〈D3?=再生中〉とはしていない点

で相違する。

[6]相違点等の判断(容易想到性の判断)

(1)相違点の克服

[相違点の克服]
引用発明の、
上記第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されているとき
には、その録画されている過去の放送分の番組を消去するとともに、
上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記
ハードディスク手段に録画させる、
としているのを、
上記D2?(プロテクト設定)、D3?(再生中)、D3消録〈D3?=否再生中〉、
D2消録〈D2?=プロテクト設定有〉、D3消録〈D3?=再生中〉
とすることで、[相違点]は克服され、補正後発明に至る。

(2)[相違点の克服]の容易想到性

ア 過去の放送分の番組が再生中の番組であるとき、当該番組は消去しないとすること(Q)について

引用発明は(a)「符号化された複数の動画を含むマルチメディアデータを同時に別々の動画として蓄積したり(同一時間帯に放送される異なるチャンネルの番組の同時録画)、蓄積途中の動画を蓄積しつつ同時に再生することを可能とし」とするものであって、
再生しながら録画できるものを前提としている蓄積装置である。
したがって、上記第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されているときであっても、その番組が再生中の番組であることも当然あり得ることであり、そのような場合、録画番組を再生中に消去するのが不都合なことは常識的に明らかであり、当業者ならずとも、当該番組を消去対象から除いて更新録画がなされるようにすべきという考えに至るものである。
さらに、そのようにした例は、前記刊行物2にも示されている(刊行物2の前掲記載、特に段落【0106】参照)。該刊行物2に示された例は、タイムシフト録画(放送番組をタイムシフトして視聴可能とする一時的な録画)を行う場合のものであるが、上記の更新録画を行う場合であっても、再生中の録画番組を消去(更新)できないようにすべきことは容易に予測されることである。
したがって、上記第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されているときであっても、当該過去の放送分の番組が再生中の番組であるときは、当該番組は消去しないとすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
また、そのようにする上で、過去の番組が再生中であるか否かの判断がなされるべきことは当然である。

イ 過去の放送分の番組が消去禁止のプロテクトが設定されてされている番組であるとき、当該番組は消去しないとすること(P)について

一般に、特定の録画済み番組に対して、これを消去されないように利用者が消去禁止のプロテクトを設定できる構成とすることは、常であり周知のことすぎない。
また、刊行物1でも、(実施の形態9ではなく、引用発明の認定対象ではないが)実施の形態7には、
「自動収録を行うため、有限のディスク容量は徐々に圧迫されていく。そこで、マルチメディア蓄積装置が自動的に収録した蓄積データに関してはディスク容量を圧迫する恐れが生じた時に自動的に削除していく必要がある。削除する優先度に関しては、a)アクセス頻度(最後にいつ視聴したか)や、b)作成日時、c)利用者によるロック指定などにより決定する。」(段落【0076】)とあり、
「利用者によるロック指定」とは、利用者による消去禁止のプロテクト設定と理解され、
特定の録画済み番組に対して、これを消去されないように利用者が消去禁止のプロテクトを設定できる構成としたものも想定されている。

以上を踏まえ、上記Pについて検討するに、引用発明の更新録画は「過去の録画済みの所定の番組を自動的に削除する」ものである以上、引用発明においても、利用者の利便性を考慮して、上記周知の構成を採用する動機付けがあると言うべきである。
そして、そのように消去禁止のプロテクトを設定できる構成とした場合、上記第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されているときであっても、当該過去の放送分の番組が消去禁止のプロテクトが設定されている番組であるときは、当該番組は消去しないとすることはごく自然である。
また、そのようにする上で、過去の放送分の番組に消去禁止のプロテクトが設定されているか否かの判断がなされるべきことは当然である。

ウ 以上によれば、引用発明を、前記[4]のオ-2で上記した《基本要件》(を満たすもの)とすること、すなわち、
上記第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されているとき」には、以下のPあるいはQに該当する番組を除いて、過去の放送分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記ハードディスク手段に録画させること、
P:過去の放送分の番組が、消去禁止のプロテクトが設定されてされている番組である(このとき当該番組は消去しない。「第2の判断」に対応)
Q:過去の放送分の番組が、再生中の番組である(このとき当該番組は消去しない。「第3の判断」に対応)
は、当業者が容易に想到し得ることである。

エ 《手順要件》(前記[4]のオ-2)について
上記《基本要件》は、Pか、Qか、それ以外か、の3分岐判断をするものであるところ、一般に、3分岐判断は、一度(同時)にするのではなくて、
例えば、
例1 2分岐判断1:PかP以外か、
2分岐判断2:P以外の場合について、QかQ以外か、
や、
例2 2分岐判断1:QかQ以外か、
2分岐判断2:Q以外の場合について、PかP以外か、
のように、2分岐判断を順に2回実行する手順で実現するのが普通である。

また、そのようなとき、特段の事情がなければ、一般に、そのような2分岐判断の順序(例1か例2か)は、適宜に当業者が設定する事項にすぎない。

そこで、引用発明を、前記[4]のオ-2で上記した《基本要件》(を満たすもの)とする場合について検討するに、
この場合においても、PかQに該当する番組を消去しないことができればよく、その限りにおいては、特に、Pに該当する番組か否かの判断とQに該当するか否かの判断をどちらを先にしても変わりはないことは明らかである。
また、補正後発明1のこの点について明細書に照らすと、「記録媒体に記録されるプログラムに記述するステップは、特許請求の範囲に記載された順序に沿って時系列的に実行される処理を含むことはもちろん、時系列的に実行されずに、並列的または個別に実行される処理をも含むものである。」(段落【0061】)とあり、
特に上記P(消去禁止のプロテクト設定の有無)を先に判断することに特段の技術的意味があるのではなく、要は、上記P(消去禁止のプロテクト設定有)あるいはQ(再生中)の番組は消去しない(消去の対象とはしない)ことが重要なのである、と理解される。

以上のことを踏まえれば、
引用発明を、前記[4]のオ-2で上記した《基本要件》(を満たすもの)とするとき、
同じく、前記[4]のオ-2で上記した《手順要件》である、
「その手順を、まず上記Pに該当する番組か否かを判断した後、上記Qに該当する番組か否かを判断すること」も、当業者の容易想到と言うべきである。

オ まとめ
引用発明を、上記《基本要件》(を満たすもの)とし、かつ、上記《手順要件》(を満たすもの)とすることは、上記のとおり、当業者容易想到であるところ、
以下にみるとおり、そのようにすれば、上記した[相違点の克服]
-引用発明の、
上記第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されているとき
には、その録画されている過去の放送分の番組を消去するとともに、
上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記
ハードディスク手段に録画させる、
としているのを、
上記D2?(プロテクト設定)、D3?(再生中)、D3消録〈D3?=否再生中〉、D2消録〈D2?=プロテクト設定有〉、D3消録〈D3?=再生中〉とする-
がなされることになる。

したがって、上記した[相違点の克服]は、刊行物2記載の発明、及び周知事項に基づいて当業者が容易に想到し得ることである。

〈上記《基本要件》、かつ、上記《手順要件》とすれば、[相違点の克服]がなされることにについて〉

(i)上記《基本要件》を前提に、《手順要件》の「まず上記Pに該当する番組か否かを判断した後、上記Qに該当する番組か否かを判断する」のであるから、
補正後発明1でいう、
「D2?(プロテクト設定) {/D1?=過去有}:
上記第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されているとき
には、その録画されている過去の放送分の番組に消去禁止のプロテクト
が設定されているか否かの第2の判断を実行し、」
「D3?(再生中) {/D2?=プロテクト設定無、D1?=過去有}:
この第2の判断の結果、上記プロテクトが設定されていないときには、
そのプロテクトの設定されていない上記過去の放送分の番組が再生中で
あるか否かの第3の判断を実行し、」
となることは明らかである。

(ii)《基本要件》の「上記第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されているときには、以下のPあるいはQに該当する番組を除いて、過去の放送分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記ハードディスク手段に録画させる」を前提に、「第3の判断」{この判断を実行することとなることは、上記(i)で示したとおりである}の結果、PにもQにも該当しないのであるから、
補正後発明1でいう、
「D3消録〈D3?=否再生中〉{/D2?=プロテクト設定無、D1?=過去有}: この第3の判断の結果、上記プロテクトが設定されていない上記過去の
放送分の番組が再生中ではないときには、この再生中ではない過去の放
送分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時にな
ったときの上記所定の番組を上記ハードディスク手段に録画させ、」
となることは明らかである。

(iii)上記「第3の判断」の対象とになる「過去の放送分の番組」は、既に「第2の判断」{この判断を実行することとなることは、上記(i)で示したとおりである}で上記プロテクトが設定されていない番組となった番組であること、及び、
上記《基本要件》から、
上記第3の判断の結果、上記過去の放送分の番組が再生中のときには、
その過去の放送分の番組のうち、その再生中の番組を除いた過去の放送
分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になっ
たときの上記所定の番組を上記ハードディスク手段に録画させることに
なること、
以上は、明らかであることから、
補正後発明1でいう、
「D3消録〈D3?=再生中〉 {/D2?=プロテクト設定無、D1?=過去有}:
上記第3の判断の結果、上記プロテクトが設定されていない上記過去の
放送分の番組が再生中のときには、その過去の放送分の番組のうち、そ
の再生中の番組を除いた過去の放送分の番組を消去するとともに、上記
設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記ハー
ドディスク手段に録画させる」
となる。

(iv)上記《基本要件》から、上記第2の判断{この判断を実行することとなることは、上記(i)で示したとおりである。}の結果、
上記プロテクトが設定されているときには、そのプロテクトの設定され
ている上記過去の放送分の番組を除いて上記過去の放送分の番組を消去
するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所
定の番組を上記ハードディスク手段に録画させることになるところ、
上記再生中の上記過去の放送分の番組は、結局上記「第3の判断」で消去
対象から除かれるのであるから、
補正後発明1でいう、
「D2消録〈D2?=プロテクト設定有〉 {/D1?=過去有}:
上記第2の判断の結果、上記プロテクトが設定されているときには、そ
のプロテクトの設定されている上記過去の放送分の番組および上記再生
中の上記過去の放送分の番組を除いて上記過去の放送分の番組を消去す
るとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定
の番組を上記ハードディスク手段に録画させ、」
となる。

(v)以上によれば、上記《基本要件》、かつ、上記《手順要件》とすれば、
上記D2?(プロテクト設定)、D3?(再生中)、D3消録〈D3?=否再生中〉、D2消録〈D2?=プロテクト設定有〉、D3消録〈D3?=再生中〉とすることとなって、上記[相違点]は克服され、補正後発明に至る。


(3)まとめ{相違点等の判断(容易想到性の判断)}
補正後発明1は、上記刊行物1、刊行物2に記載された発明及び周知事項等に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

[7]補正後発明2について
補正後発明2は、前記請求項2記載の特定事項から明らかなように、補正後発明1の「画像記録装置」を「画像記録方法」として表現したものであって、実質的には補正後発明1と同じ発明であるから、補正後発明1についての上記理由と同じ理由により、当業者が容易に発明をすることができたものである。

[8]まとめ(理由:独立特許要件不適合)
以上によれば、補正後の請求項1及び請求項2に係る発明は、上記刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された発明及び周知事項等に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。


【第3】査定の当否(当審の判断)

[1]本願発明
平成21年6月17日付けの補正は上記のとおり却下する。
本願の請求項1および請求項2に係る各発明(以下「本願発明1」,「本願発明2」という)は、本願明細書及び図面(平成21年2月16日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面)の記載からみて、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1および請求項2に記載した事項により特定される下記のとおりのものである。

記(本願発明1)
番組の画像信号を記録することによりその番組を録画する画像信号記録手段と、
上記番組を予約録画するための設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、
上記画像信号記録手段に録画されている番組、および上記設定情報記憶手段に記憶されている上記設定情報にしたがって、上記画像信号記録手段による番組の録画を制御する録画制御手段と
を有し、
上記設定情報記憶手段に記憶されている上記設定情報が、所定の番組について上記予約録画を定期的に行うように設定されている場合、上記録画制御手段は、
上記設定情報が示す録画開始日時になったとき、上記所定の番組のうちの過去の放送分の番組が上記画像信号記録手段に録画されているか否かの第1の判断を実行し、
この第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されていないときには、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記画像信号記録手段に録画させ、
上記第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されているときには、その録画されている過去の放送分の番組に消去禁止のプロテクトが設定されているか否かの第2の判断を実行し、
この第2の判断の結果、上記プロテクトが設定されていないときには、そのプロテクトの設定されていない上記過去の放送分の番組が再生中であるか否かの第3の判断を実行し、
この第3の判断の結果、上記プロテクトが設定されていない上記過去の放送分の番組が再生中ではないときには、この再生中ではない過去の放送分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記画像信号記録手段に録画させ、
上記第2の判断の結果、上記プロテクトが設定されているときには、そのプロテクトの設定されている上記過去の放送分の番組および上記再生中の上記過去の放送分の番組を除いて上記過去の放送分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記画像信号記録手段に録画させ、
上記第3の判断の結果、上記プロテクトが設定されていない上記過去の放送分の番組が再生中のときには、その過去の放送分の番組のうち、その再生中の番組を除いた過去の放送分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記画像信号記録手段に録画させる
ようにした画像記録装置。

記(本願発明2)
設定情報記憶手段に記憶されている設定情報が、所定の番組について予約録画を定期的に行うように設定されている場合に、
上記設定情報が示す録画開始日時になったとき、上記所定の番組のうちの過去の放送分の番組が画像信号記録手段に録画されているか否かの第1の判断を実行し、この第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されていないときには、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記画像信号記録手段に録画し、
上記第1の判断の結果、上記過去の放送分の番組が録画されているときには、その録画されている過去の放送分の番組に消去禁止のプロテクトが設定されているか否かの第2の判断を実行し、
この第2の判断の結果、上記プロテクトが設定されていないときには、そのプロテクトの設定されていない上記過去の放送分の番組が再生中であるか否かの第3の判断を実行し、
この第3の判断の結果、上記プロテクトが設定されていない上記過去の放送分の番組が再生中ではないときには、この再生中ではない過去の放送分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記画像信号記録手段に録画し、
上記第2の判断の結果、上記プロテクトが設定されているときには、そのプロテクトの設定されている上記過去の放送分の番組および上記再生中の上記過去の放送分の番組を除いて上記過去の放送分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記画像信号記録手段に録画し、
上記第3の判断の結果、上記プロテクトが設定されていない上記過去の放送分の番組が再生中のときには、その過去の放送分の番組のうち、その再生中の番組を除いた過去の放送分の番組を消去するとともに、上記設定情報が示す録画開始日時になったときの上記所定の番組を上記画像信号記録手段に録画する
ようにした画像記録方法。

[2]引用刊行物の記載
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特開2000-41066号公報(上記刊行物1に同じ。)および特開2000-184320号公報(上記刊行物2に同じ。)には、前記「【第2-4】[2]」のとおりの事項が記載されている。

[3]本願発明1について

本願発明1と刊行物1に記載された発明とを対比する。

(1)本願発明1対比(対応関係)
刊行物1には、前記【第2-4】[3](3)で認定したとおりの引用発明が認められ、
本願発明1と引用発明との対応については、前記「【第2-4】[4]補正後発明1と引用発明との対応」を援用する。

(2)一致点、相違点
本願発明1は、前記補正後発明1における「ハードディスク手段」を「画像信号記録手段」としているだけで、その余の点では補正後発明1と同じである。
したがって、本願発明1と引用発明との一致点、相違点も、前記「【第2-4】[5]」の[一致点]、[相違点]における「「ハードディスク手段」が、「画像信号記録手段」となる点が異なるのみである。

(3)相違点等の判断(容易想到性の判断)
前記【第2-4】[6]でした、補正後発明1についての相違点等の判断と同じである。
{本願発明1における上記「画像信号記録手段」は、明細書における【発明の実施の形態】の記載からみても、ハードディスク手段を含んでいることは明らかであり、したがって、上記「画像信号記録手段」が「ハードディスク手段」である場合についてみれば、同じように判断できることは、明らかである。}

(4)まとめ(本願発明1)
本願発明1は、上記刊行物1、刊行物2に記載された発明及び周知事項等に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

[4]本願発明2について
本願発明2は、本願発明1の「画像記録装置」を「画像記録方法」として
表現したものであって、実質的には本願発明1と同じ発明であるから、本願発明1についての上記理由と同じ理由により、当業者が容易に発明をすることができたものである。

【第4】むすび
以上のとおりであるから、本願の請求項1及び請求項2に係る発明は、上記刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された発明及び周知事項等に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、
したがって特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-04-14 
結審通知日 2011-04-19 
審決日 2011-05-10 
出願番号 特願2000-215243(P2000-215243)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H04N)
P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小林 大介  
特許庁審判長 乾 雅浩
特許庁審判官 藤内 光武
佐藤 直樹
発明の名称 画像記録装置および画像記録方法  
代理人 稲本 義雄  
代理人 西川 孝  
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