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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服20082305 | 審決 | 特許 |
不服200520859 | 審決 | 特許 |
不服200825108 | 審決 | 特許 |
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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61K |
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管理番号 | 1240800 |
審判番号 | 不服2008-17008 |
総通号数 | 141 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-09-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-07-03 |
確定日 | 2011-07-28 |
事件の表示 | 特願2002-190715「血中総ケトン体濃度上昇剤」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 2月 5日出願公開、特開2004- 35417〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成14年6月28日の出願であって、平成20年5月26日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成20年7月3日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同年7月14日付け手続補正書により手続補正がされたものである。 2.本願発明 本願請求項1に係る発明は、平成20年7月14日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。 「茶葉由来の非重合体カテキン類(A)及びカフェイン(B)を含有し、それらの含有重量比[(A)/(B)]が5.0?10.0であり、非重合体カテキン類(A)を成人1日あたり300?800mg投与するための、殺菌処理を施された経口液剤からなる血中総ケトン体濃度上昇剤。」 3.引用例 これに対し、原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願日前に頒布された刊行物である、Abdul G Dullooら, Am J. Clin. Nutr.、1999年、第70巻、第1040-1045頁(以下、「引用例」という。)には、次の技術事項が記載されている(引用例は英文であるため訳文を示す。なお、下線は当審で付した。) (ア)「背景:体重コントロールにおける機能性食品の役割に関する現在の関心は、交感神経副腎系を阻害することのできる植物成分に焦点が当てられている。 目的:我々は、カフェインとカテキンポリフェノールの高含量によって、緑茶抽出物がヒトにおける24時間のエネルギー消費(EE)と脂質酸化を増大させることができるかどうかを調査した。 計画:呼吸室で、10名の健康な男子に対し、24時間のEE、呼吸商(RQ)、並びに窒素及びカテコールアミンの尿中排泄が測定された。3つの独立した時点で、対象にはランダムに3種の処置(緑茶抽出物(50mgのカフェインと90mgのエピガロカテキンガレート)、カフェイン(50mg)、及び偽薬。朝食、昼食、及び夕食の際に摂取する)のいずれかが割り当てられた。 結果:偽薬に対し、緑茶抽出物での処置は、尿中窒素は何らの変化もせず、優位な24時間のEEの増大(4%;P<0.01)、及び優位な24時間のRQの減少(0.88から0.85へ;P<0.001)という結果を示した。緑茶抽出物での処置の間における24時間の尿中ノルエピネフリン排泄は偽薬の場合よりも高かった(40%、P<0.05)。緑茶抽出物でみられたのと同量のカフェインでの処置によっては、EEやRQ、窒素やカテコールアミンの尿中排泄に影響を受けなかった。 結論:緑茶抽出物は、含有するカフェインそれ自体により説明されるのを超える、発熱特性を有し脂質酸化を促進する。緑茶抽出物は交感神経性の発熱、脂質酸化またはその両方の活性化を通して、身体組成の制御において役割を示す。」(第1040頁、要約) (イ)「被験者 我々の大学の学生及び職員の母集団から、アンケートを用いて完全な健康面及び栄養面の履歴を得た後、健康な若い男性が採用された。……本研究に参加した10名の身体的特徴のいくつかに関する平均(±標準偏差)値は以下の通りである:年齢、25±1歳、……<以下略> 実験計画 被験者は、3つの独立した時点で、我々の呼吸室の中において24時間を過ごし、経口(カプセル形態で)で1日3回(すなわち、朝食、昼食、及び夕食に2カプセルずつ)3種の処置(1)50mgのカフェインと90mgのエピガロカテキンガレートを含む緑茶抽出物、2)50mgのカフェイン、3)不活性な充填剤としてのセルロースからなる偽薬)から1つを受けるよう、ランダムに割り当てられた。用量は2カプセルにおけるカフェインとエピガロカテキンガレート(量的に最も重要なカテキンポリフェノール)の量で表した。緑茶抽出物(コード名:AR25)は未発酵のカメリア・シネンシスの乾燥茶葉からアルコール抽出で得られ、25%カテキンに標準化されたもので、Exolise(フランス、ニースのArkopharma研究所)という名称により、カプセル形状で商業的に準備されたものである。(-)-エピガロカテキンガレート以外にも、緑茶抽出物はかなりの量の他のカテキン類((-)-エピガロカテキン、(-)-エピカテキン、及び(-)-エピカテキンガレート)をも含むことに留意せよ。(-)-エピガロカテキンガレートは茶カテキンの総量の50%以上を構成し、最も薬理学的に活性のある茶カテキンあると信じられている。本研究では(-)-エピガロカテキンガレートが総カテキンの約72%を構成し、各食事とともに消費される総カテキン量は125mgである。それゆえ、緑茶抽出物AR25を含むカプセルの摂取により、毎日合計150mgのカフェインと375mgのカテキン類が供給され、そのうち270mgはエピガロカテキンガレートであった。」(第1041頁左欄24行?右欄17行) (ウ)「毎日のエネルギー消費と基質酸化の決定 ……呼吸室における24時間滞在の各々において、タンパク質、炭水化物、及び脂質の酸化割合は、24時間のEE、RQ、及び尿中窒素排泄から計算された。」(第1041頁右欄36行?1042頁左欄9行) (エ)「結果 エネルギー消費 日中、夜間、及び24時間のEE値の平均(±標準偏差)は表1に示される。処置の間における有意差は、日中及び24時間のEEでのみ観察された。緑茶抽出物を用いた処置における日中のEEは、偽薬やカフェインを用いた処置におけるよりも、それぞれ4.5%、3.2%高かったが、有意であったのは緑茶抽出液の場合のみであった。しかしながら、緑茶抽出物による合計24時間のEEは偽薬とカフェインを用いた場合の処置のいずれにおけるよりも、それぞれ3.5%、2.8%有意に高かった。……<以下略> 呼吸商及び基質酸化 RQは表2に示される。処置の間における有意差は、日中、夜間、及び24時間のいずれにも見られた。緑茶抽出物を用いた処置では、全ての3期間で他の2種の処置よりも有意に低い値を示した。個々の変化では、緑茶抽出物での処置後の場合、偽薬処置後の場合よりも、ほとんどの被験者(10名中8名)におけるRQは有意に低かった(0.01を超える相違)ことを示した。これら被験者のうち4名では0.04以上の相違があった。しかし、RQにおける減少幅の大きさと被験者の肥満度(BMI又は体脂肪率)との間に相関は見られなかった。 尿中への窒素排泄(したがってタンパク質酸化)は全ての3期間での処置の間における有意差を示さないため、緑茶抽出物を用いた処置における低いRQは基質有用性の変化によるものであって、脂質酸化を支持するものであった。表3にあるように、緑茶抽出物での処置後の場合、偽薬での処置後の場合と比べて炭水化物の酸化は有意に低く(P<0.01)、脂質酸化は有意に高かった(P<0.001)。対照的に、カフェイン群と偽薬群との間では基質酸化に関して有意差はみられなかった。タンパク質、炭水化物、及び脂質酸化の毎日のEEへの相対的寄与も表3に示される。緑茶抽出物による処置における24時間のEEへの脂質酸化の寄与(41.5%)は、偽薬での処置における場合(31.6%)よりも有意に高かった(P<0.001)。」(第1042頁左欄下から22行?右欄下から19行) (オ)「表3」(呼吸室における24時間での基質酸化に関する結果を示したもの。基質としてタンパク質、炭水化物、及び脂質が挙げられ、処置群として偽薬、カフェイン、緑茶が挙げられている。緑茶群の脂質酸化に関する結果を示す値に「4」との注記があり、注記4として「偽薬及びカフェインからみて有意差があり、P<0.05(……)」と記載されている。) (カ)「結論 結論として、緑茶抽出物の経口投与により発熱と脂質酸化が刺激され、それゆえ、EEと基質利用性の両方の変化を通じて体重や身体組成に影響を与える可能性を有する。」(第1044頁右欄33?37行) 4.引用例発明の認定、対比 引用例には、上記「3.引用例」の摘示事項の記載からみて、次の発明(以下、「引用例発明」という。)が記載されているものと認められる。 「50mgのカフェインと90mgのエピガロカテキンガレートを含む緑茶抽出物を含む、カプセル形態で経口投与される脂質酸化促進剤。」 引用例において、摘示事項(イ)として、被験者の平均年齢が25±1歳であると記載されており、成人が対象であることは明らかである。また、摘示事項(イ)において、引用例発明であるカプセルを1日3回2カプセルずつ経口投与されることが記載されるとともに、毎日合計150mgのカフェインと375mgのカテキン類が供給され、そのうち270mgがエピガロカテキンガレートであり、エピガロカテキンガレートや他のカテキン類である(-)-エピガロカテキン、(-)-エピカテキン等は非重合カテキンであることは明らかである。そして、375mgという1日あたりのカテキン類の投与量は、本願発明の1日あたりの投与量である300?800mgの範囲内である。 そこで、本願発明と引用例発明とを対比すると、両発明は 「茶葉由来の非重合体カテキン類及びカフェインを含有し、非重合体カテキン類を成人1日あたり375mg投与するための、薬剤。」である点で一致するが、次の点で相違する。 <相違点> (相違点1)本願発明では、薬剤の用途が「血中総ケトン体濃度上昇剤」であるのに対し、引用例発明では「生体における脂質酸化促進剤」である点。 (相違点2)本願発明では、非重合体カテキン類とカフェインの含有重量比「(A)/(B)」(以下、「A/B」という。)が5.0?10.0であるのに対し、引用例発明では、その比率が2.5(375÷150=2.5)である点。 (相違点3)本願発明では、薬剤が「殺菌処理を施された」ものとしているのに対し、引用例発明ではこのような処理について記載されていない点。 (相違点4)本願発明では、薬剤が「液剤」であるのに対し、引用例発明で「カプセル」である点。 5.相違点についての判断 これらの相違点について、以下、検討する。 (5-1)相違点1について 生体内で脂質酸化が促進される場合、血中におけるケトン体濃度が上昇することは当業者に周知の事項である(例えば、特開平1-162154号公報の第1頁左下欄下から4行?右下欄1行、特開平6-253895号公報の段落【0001】、【0002】、特開2001-57868号公報の段落【0013】、【0041】?【0043】)。そして、本願明細書の段落【0004】には「肝臓におけるβ酸化による脂質代謝亢進の結果、脂肪由来の生成物であるケトン体が生成するため、血中総ケトン体濃度は肝臓における脂質代謝亢進の一つの指標になると考えられる。」、【0017】には「本発明によれば非重合体カテキン類等による血中総ケトン体濃度上昇作用に基づき、肝臓におけるβ酸化による脂質代謝亢進効果が得られる。ただし、それらの作用は一時的であり、ケト-シス等の副作用を示すものではない。従って、本発明の血中総ケトン体濃度上昇剤及び脂質代謝亢進剤は、連用しても安全であり、医薬品としてだけでなく、機能性食品、特定保健用食品等としても用いることができる。」、【0032】には「本発明によれば非重合体カテキン類を投与することによってヒトの血中総ケトン体濃度を上昇させ、脂質代謝亢進を促進させることができる。」と記載されている。 そうすると、本願発明は結局のところ非重合体カテキン類を投与することによって、脂質代謝を促進する点において、引用例発明と何ら異なるところはなく、非重合体カテキン類の新たな用途を見いだしたものであるとすることは到底できない。 ところで、請求人は、原審における意見書において、特表2001-515510号公報、特表2002-521330号公報(以下、それぞれ「参考資料1」、「参考資料2」という。)にあるように、血中総ケトン体濃度の上昇と脂質代謝亢進とは必ずしも同一視できるわけではなく、両者の薬理効果は表現上の差異ではなく、明確に相違する旨を主張している。 参考資料1には、ケトン体またはその代謝前駆体を投与することにより、血中総ケトン体濃度を増加させてアルツハイマー病等を治療することが記載されているが(特許請求の範囲等)、「アルツハイマー病等で血中総ケトン体濃度が上昇すること」については記載されていない。 参考資料2には、3-ヒドロキシアルカン酸オリゴマー等のケトン体源を経口又は非経口投与することにより、血中の総ケトン体濃度を増加させることが記載されている。 しかしながら、「ケトン体またはその前駆体を有効成分とする血中総ケトン体濃度上昇剤」に「タンパク質異化の減少」等の用途があるとしても、参考文献1及び2に記載された発明は、いずれも、ケトン体またはその前駆体を直接投与することによって血中の総ケトン体濃度を増加させるものであって、カテキン類及びカフェインによる血中総ケトン体濃度上昇作用により、上記疾患を治療できることを示すものではない。 上記のとおり、本願明細書には、血中総ケトン体濃度上昇作用による脂質酸化促進以外の作用効果について、何ら記載されていない以上、本願発明の薬理効果が引用例発明のものと異なるということはできないから、請求人の上記主張を採用することはできない。 (5-2)相違点2について 前記「3.」の(エ)、(オ)の記載をみると、カフェイン及び茶葉由来の非重合体カテキン類を含む成分で処置された場合の脂質酸化が、偽薬や同量のカフェインを含む成分で処置された場合よりも高かったことが記載されており、カフェインに非重合体カテキン類を加えることにより、脂質酸化が促進されたものと解される。また、カフェインの大量投与で振戦、不整脈等の副作用を示すことは当業者に周知の事項である(例えば、日本薬局方解説書編集委員会(編)、縮刷版第十三改正日本薬局方解説書、株式会社廣川書店、1998年、第C-937?C-942頁を参照。)。 そうすると、引用例発明における非重合体カテキン類の量を更に増加させ、あるいはカフェインの量を減少させて、A/Bを5.0?10.0としてみることに、当業者が格別の創意を要したものとはいえない。また、A/Bの比が5.0?10.0であることによって、予測し得ない効果が奏されるものと認めることもできない。 ところで、請求人は、原審における意見書、審判請求理由(平成20年7月14日付けの手続補正書(方式)を参照)、及び回答書において、以下の2点を主張している。 (1)引用例発明におけるA/Bは2.5、また、拒絶理由通知で「引用文献2」として記載される、Takatoshi MURASEら, J. Oleo Sci.、2001年、第50巻9号、第711-715頁に記載される、茶カテキンにおけるA/Bは1072であるところ、本願発明はA/Bを5.0?10.0とすることで、相乗的に優れた血中総ケトン体上昇効果を有し、かつカフェインの副作用を抑制した点に特徴があり、その結果についても、明細書の表3や段落【0029】、【0030】に記載されている。一方、添付した参考資料(高妻 和哉ら, Prog. Med.、2005年、第25巻7号、第185-197頁、及び、この文献に関する訂正文である、Prog. Med.、2006年、第26巻6号第218-223頁。以下、これらをまとめて「参考資料3」という。)に記載されるように、上記「引用文献2」と同様、精製することによりカフェイン量が軽減されたカテキン飲料を長期間摂取した場合、血中総ケトン体濃度はコントロールに対して統計学的に有意差のある程度には上昇せず、カフェイン自体が血中総ケトン体濃度にどのような作用をするかについて知られていないから、血中総ケトン体濃度を上昇させるために、A/Bを引用例発明の場合よりも増加させようとすることがあり得ない。 (2)A/Bを向上させることに関し、「引用文献2」にもあるように、本願出願前にカフェインをほとんど含有しないレベルまで高度に精製された緑茶抽出物が知られているから、当業者が脂質代謝効果の向上を求めるのであれば、カフェインを「引用文献2」の水準まで低減させようとするはずであって、A/Bを5.0?10.0の範囲にしようとはしないはずである。 しかしながら、(1)に関しては、本願明細書の記載をみると、試験群と対照群とでは、いずれもカフェインの量が77.2mgであるから、血中総ケトン体濃度上昇の変化量の差は、含まれる総カテキンの量の差(試験群596.4mgに対し、対照群15.3mg)によるものと解される一方、試験群と対照群のA/Bはそれぞれ約7.7(596.4÷77.2≒7.7)、約0.2(15.3÷77.2≒0.2)であるが、総カテキンの量を一定にしてカフェインの量を変えた試験例は何ら記載されておらず、A/Bを5.0?10.0の範囲に限定することについて、その裏付けとなる事項は何ら記載されていない。また、(2)に関しては、引用例発明はカフェインを含む緑茶抽出物を用いたものであるところ、カフェインの含有量を極端に減少させなければならない事情があるわけでもない。 したがって、請求人の上記主張を採用することはできない。 (5-3)相違点3について 本願発明では殺菌処理の具体的手段は何ら特定されていないところ、経口投与を目的とした薬剤において、投与時の安全性の維持向上を目的として、含有される成分を殺菌処理することは当業者が通常採用する事項であるから、薬剤を殺菌処理することは当業者が通常なし得る程度の事項といえる。 (5-4)相違点4について 引用例発明に記載された成分は茶葉由来のものであるところ、茶葉由来の成分を液体の状態で経口にて摂取することは、茶の飲用をはじめとして当業者に限らず一般に行われている行為であるから、引用例発明においても、含有成分をカプセル剤でなく液剤としてみることは、当業者が通常なし得る程度の事項といえる。 (5-5)以上のとおり、上記相違点は、いずれも、引用例発明に基づいて当業者が適宜なし得る程度のことであって、奏される効果について検討しても、当業者が引用例発明から予測しうる範囲を超えるものということはできない。 したがって、本願発明は、上記周知技術を勘案し、その出願前に頒布された刊行物に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (5-6)なお、請求人は、平成20年4月18日付けの意見書において、加熱処理された非エピ体含量の高い非重合体カテキン類の薬理作用を主張している。しかし、本願明細書には、加熱処理によりどの程度非エピ体含量が増加するのか、非エピ体含量によって、その効果がどの程度増加するのかは何ら記載されていない。 したがって、上記主張は明細書の記載に基づいたものではないから採用することができない。 (5-7)よって、本願発明は、上記周知技術を勘案し、引用例発明に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。 5.むすび したがって、本願請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2011-05-27 |
結審通知日 | 2011-05-31 |
審決日 | 2011-06-13 |
出願番号 | 特願2002-190715(P2002-190715) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(A61K)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 岡部 佐知子、榎本 佳予子 |
特許庁審判長 |
横尾 俊一 |
特許庁審判官 |
内田 淳子 荒木 英則 |
発明の名称 | 血中総ケトン体濃度上昇剤 |
代理人 | 村田 正樹 |
代理人 | 山本 博人 |
代理人 | 高野 登志雄 |
代理人 | 中嶋 俊夫 |
代理人 | 有賀 三幸 |
代理人 | 特許業務法人アルガ特許事務所 |