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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  A63F
審判 全部無効 発明同一  A63F
審判 全部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A63F
管理番号 1241640
審判番号 無効2010-800105  
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2010-06-15 
確定日 2011-07-25 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3939510号発明「スロットマシン」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1.手続の経緯
本件特許の経緯概要は以下のとおりである。

平成13年 7月27日 本件特許出願(特願2001-228622号)
平成16年12月17日 審査請求
平成19年 4月 6日 設定登録(特許第3939510号)
平成22年 6月15日 無効審判請求
平成22年 8月30日 答弁書・訂正請求(被請求人)
平成22年11月12日 弁駁書(請求人)
平成23年 3月15日 上申書(被請求人)
平成23年 4月 1日 口頭審理陳述要領書(請求人,被請求人)
平成23年 4月12日 上申書(請求人)
平成23年 4月15日 口頭審理
同 上 審理終結通知(口頭審理にて告知)

第2.本件審判事件にかかる両当事者の主張
請求人と被請求人の主張は以下のとおりである。なお,以下において,訂正前の請求項とは本件設定登録時の請求項を,訂正後の請求項とは平成22年8月30日付けの訂正請求に基づく請求項を,それぞれ指す。

1.請求人の主張
請求人は,平成22年6月15日付けの審判請求書において,「特許第3939510号の特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め(請求の趣旨),以下の理由により,本件特許発明(訂正前の請求項1?7)は特許を受けることができないものであるから,特許法第123条第1項の規定により無効にされるべきである旨主張し,証拠方法として甲第1?第14号証を提出した。

【無効理由1】
本件特許発明(訂正前の請求項1?3,5?7)は,本件出願当時施行の旧特許法第36条第4項,同法同条第6項第1号,2号に規定された要件を満たしていないものであるから,無効とすべきである。

【無効理由2】
本件特許発明(訂正前の請求項1)は,特許法第29条の2に規定する要件を満たしていないから,無効とすべきである。

【無効理由3】
本件特許発明(訂正前の請求項1?7)は,特許法第29条第2項に規定する要件を満たしていないから,無効とすべきである。

なお,無効理由1は,後述するとおり,請求項1?3,6,7については撤回された。

(証拠方法)
甲第1号証:特開2001-218892号公報
甲第2号証:日経BPデジタル大事典2000-2001年版(2000年3月20日発行,日経BP社出版局編集)704頁,705頁
甲第3号証:特開平7-185083号公報
甲第4号証:特許第2901821号公報
甲第5号証:特開2000-24173号公報
甲第6号証:特開2000-84175号公報
甲第7号証:特開2001-95981号公報
甲第8号証:特開2001-187179号公報
甲第9号証:特開2000-176084号公報
甲第10号証:特開平8-336642号公報
甲第11号証:特開2000-217999号公報
甲第12号証:特開平10-127883号公報
甲第13号証:特開2001-120715号公報
甲第14号証:特開2001-70565号公報

そして,被請求人による平成22年8月30日付け訂正請求を受けて,同年11月12日付け弁駁書(参考資料1?3を添付)において,請求項5に対する訂正請求は訂正要件違反であって認められないものである旨主張し,請求項1に係る発明について,無効理由2は解消していない旨主張し,訂正が認められるとしても,請求項1?7に係る発明について,無効理由3は解消していない旨主張し,平成23年4月1日付け口頭審理陳述要領書において,請求項5に対する訂正請求は訂正要件違反であって認められないものであり,訂正が認められるとしても請求項5に対する無効理由1は解消していない旨主張し,請求項1に係る発明について,無効理由2は解消していない旨主張し,訂正が認められるとしても,請求項1?7に係る発明について,無効理由3は解消していない旨主張し,同年4月12日付け上申書において,請求項1に係る発明について,無効理由2は解消していない旨主張し,請求項1?7に係る発明について,無効理由3は解消していない旨主張している。

参考資料1:本件特許出願に対する平成18年4月6日付け起案の拒絶理由 通知書
参考資料2:特開2001-170300号公報
参考資料3:本件特許出願に対する平成18年8月25日付け起案の拒絶理 由通知書

また,無効理由1については,平成23年4月1日付け口頭審理陳述要領書(5頁13行?7頁10行)において,本件特許発明1?3,6,7については撤回された。

2.被請求人の主張
被請求人は,平成22年8月30日付けで答弁書を提出し,「本件審判の請求は,成り立たない,審判費用は,請求人の負担とする,との審決を求め」(答弁の趣旨),同日付けの訂正請求に基づく訂正明細書に記載の請求項1?7について,無効理由1?3は理由がない旨,主張している。

さらに,平成23年3月15日付け上申書において,平成22年8月30日付けの訂正請求は認められるべきとした上で,請求人の主張している無効理由2,3は理由がない旨主張し,平成23年4月1日付け口頭審理陳述要領書において,請求人の主張している無効理由2,3は理由がない旨主張している。

第3.訂正請求
1.訂正請求の内容
平成22年8月30日付けの訂正請求(以下,「本件訂正」という。)は,本件設定登録時の特許第3939510号の明細書(以下,「本件特許明細書等」という。)を,本件訂正請求書に添付した明細書によって訂正しようとするものであって,次の事項を訂正内容とするものである。

・訂正事項1
請求項2及び明細書段落【0012】において,「遊技者がゲームの開始操作を行ったときに,前記可変表示装置上の識別情報の変動表示を開始させる変動開始手段と,遊技者が可変停止操作を行ったときに,前記可変表示装置上の識別情報の変動表示を停止させる変動停止手段とをさらに備え,前記事前決定手段は,遊技者が前記ゲームの開始操作を行ったときに,前記入賞の発生を許容するかどうかを決定し,」という構成を追加する。

・訂正事項2
請求項2及び明細書段落【0012】において「所定の送信遅延処理」とあるのを「該事前決定コマンドの送信を前記事前決定手段が決定を行ったタイミングからランダムな期間で遅延させる送信遅延処理」と訂正する。

・訂正事項3
請求項5及び明細書段落【0022】,【0023】において「前記複数ゲーム演出は,各回のゲームにおいて断続的に実行される」とあるのを「前記複数ゲーム演出は,各回のゲームに対応して各段階が断続的に実行される」と訂正する。

2.本件訂正に関する請求人の主張
請求人は,口頭審理陳述要領書で弁駁書3頁18?26行を訂正することにより,「訂正事項3は,上記のとおり,明細書における具体的な技術の説明と齟齬した文の記載をそのまま特許請求の範囲に持ち込むものである。すなわち,訂正前の特許請求の範囲の誤記を訂正するものではなく,特許明細書の誤記を特許請求の範囲に持ち込むものである。・・・訂正によって,請求項5記載は,訂正前より一層,各段階の演出が中断する意味に解される余地が大きくなり,被請求人の立場に立っても,より不明瞭になったというほかない。少なくとも,訂正事項3は,「明りょうでない記載の釈明」とはいえないことが明らかである。・・・訂正事項3は,段落【0102】の明白な誤記である本件文後半を根拠に,1ゲーム内において各段階の演出が中断し,再開される演出をも含むものに拡張されている。したがって,特許請求の範囲を減縮するものではなく,逆に拡張するものとなっている。以上のとおり,訂正事項3は,特許法第134条の2第1項各号所定の事項を目的とするものではなく,違法である。」と主張している。

3.本件訂正の適否についての判断
(1)訂正事項1について
訂正事項1のうち請求項2に関する訂正は,「遊技者がゲームの開始操作を行ったときに,前記可変表示装置上の識別情報の変動表示を開始させる変動開始手段と,遊技者が可変停止操作を行ったときに,前記可変表示装置上の識別情報の変動表示を停止させる変動停止手段とをさらに備え,前記事前決定手段は,遊技者が前記ゲームの開始操作を行ったときに,前記入賞の発生を許容するかどうかを決定し,」を加入することにより,入賞の発生を許容するかどうかを決定する時期を限定するものであり,また訂正事項1のうち段落【0012】に関する訂正は,請求項2における訂正に整合させるためであり明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。

そして,本件特許明細書の段落【0013】,【0108】には,「遊技者がゲームの開始操作を行ったときに,前記可変表示装置上の識別情報の変動表示を開始させる変動開始手段と,遊技者が可変停止操作を行ったときに,前記可変表示装置上の識別情報の変動表示を停止させる変動停止手段とをさらに備え,前記事前決定手段は,遊技者が前記ゲームの開始操作を行ったときに,前記入賞の発生を許容するかどうかを決定」することが記載されている。

そうすると,訂正事項1は,特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とするもので,本件特許明細書等に記載された事項の範囲内で行うものであり,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでない。

(2)訂正事項2について
訂正事項2のうち請求項2に関する訂正は,訂正前の請求項2の「所定の送信遅延処理」の「所定の」を「該事前決定コマンドの送信を前記事前決定手段が行ったタイミングからランダムな期間で遅延させる」に訂正することにより,送信遅延処理の内容を限定するものであり,また訂正事項2のうち段落【0012】に関する訂正は,請求項2における訂正に整合させるためであり明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。

そして,本件特許明細書の段落【0092】,【0093】には,「該事前決定コマンドの送信を前記事前決定手段が決定を行ったタイミングからランダムな期間で遅延させる」ことが記載されている。

そうすると,訂正事項2は,特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とするもので,本件特許明細書等に記載された事項の範囲内で行うものであり,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでない。

(3)訂正事項3について
訂正事項3のうち請求項5に関する訂正は,訂正前の請求項5において「前記複数ゲーム演出は,各回のゲームにおいて断続的に実行される」とあるのを「前記複数ゲーム演出は,各回のゲームに対応して各段階が断続的に実行される」と訂正するものであり,当該記載は,本件特許明細書の段落【0102】に記載されているから本件特許明細書等に記載された事項の範囲内で行うものであることが明らかである。
そして,訂正後における「各回のゲームに対応して各段階が断続的に」との記載は,「前記複数ゲーム演出は,」どのように「実行される」のかを説明している修飾句であり,さらに分説すると,各回のゲームに対応して各段階が実行され,かつ,各段階が断続的に実行されることを意味している。
ここで,「各回のゲームに対応して各段階が実行され」は,ゲームと演出の進行が各々対応している,すなわち,1回目のゲームにおいて第1段階の演出が実行され,2回目のゲームにおいて第2段階の演出が実行され,・・・という関係,「各段階が断続的に実行される」は,演出の進行が断続的である,すなわち,第1段階の演出と第2段階の演出との間にとぎれがあり,第2段階の演出と第3段階の演出との間にとぎれがあり,・・・という関係であると解され,「各回のゲームに対応して各段階が実行され」を,各回のゲームにおいて各段階が実行されると解したり,「各段階が断続的に実行される」を,各段階の演出自体が断続的に実行されると解したりするのは不自然である。
よって,訂正事項3に関する請求人の主張は採用することができず,上記請求項5に関する訂正は,特許法第134条の2ただし書きの規定に適合する。
また訂正事項3のうち段落【0022】,【0023】に関する訂正は,請求項5における訂正に整合させるためになされているから,明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。

そうすると,訂正事項3は,明りょうでない記載の釈明を目的とするもので,本件特許明細書等に記載された事項の範囲内で行うものであり,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでない。

4.小括り
以上のとおりであるから,平成22年8月30日付けの訂正は,特許請求の範囲の減縮,又は明りょうでない記載の釈明を目的とし,いずれも,願書に添付した明細書又は図面に記載されている事項の範囲内のものであり,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでない。

したがって,本件訂正は,特許法第134条の2ただし書き,及び,同条第5項において準用する同法第126条第3項,4項の規定に適合するので適法な訂正と認める。

第4.本件発明
上記のとおり訂正を認めるので,本件発明は,本件訂正により訂正された明細書(以下,「訂正明細書」という。)及び図面の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項1?7に記載された次のとおりのもの(以下,「本件訂正発明1」,「本件訂正発明2」,「本件訂正発明3」,「本件訂正発明4」,「本件訂正発明5」,「本件訂正発明6」及び「本件訂正発明7」という。)と認める。

「【請求項1】
1ゲームに対して賭け数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり,可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し,該可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて,
前記入賞の発生を許容するかどうかを事前に決定する事前決定手段と,
遊技の進行を制御すると共に,各回のゲームにおいて前記事前決定手段の決定結果を示す事前決定コマンドを送信する遊技制御手段と,
予め定められた特別の入賞が発生することにより,遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と,
前記遊技制御手段から送信された事前決定コマンドを受信し,該受信したコマンドに基づいて前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容しているか否かに関する情報を示す演出を演出手段に実行させる演出制御手段とを備え,
前記演出制御手段が前記演出手段に実行させる演出は,1ゲームの期間内で実行される1ゲーム演出と,複数ゲームの期間に亘って実行される複数ゲーム演出とが含まれ,
前記複数ゲーム演出は,該複数ゲーム演出の最初のゲームで実行される初期段階の演出と,該初期段階の演出が実行された後のゲームで実行される中途段階の演出と,該中途段階の演出が実行されたゲームよりもさらに後に実行される最終段階の演出とを含み,該複数ゲーム演出により前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容しているか否かを示す情報を報知するとともに,該最終段階の演出が実行されずに終了する場合があり,
前記演出制御手段は,
前記初期段階の演出と,前記中途段階の演出のうちのいずれの段階の演出までを実行したかを示す情報を記憶する演出段階記憶手段と,
前記複数ゲーム演出が実行されていないときにおいて,前記事前決定コマンドに基づいて,前記1ゲーム演出を実行するか,前記複数ゲーム演出を実行するか,或いは前記1ゲーム演出も前記複数ゲーム演出も実行しないかを決定する手段であって,前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容している旨を示しているときには該特別の入賞の発生を許容している旨を示していないときよりも高い確率で前記複数ゲーム演出を実行する旨を決定する演出決定手段と,
前記演出決定手段による1ゲーム演出を実行する旨の決定に従って該1ゲーム演出を前記演出手段に実行させるとともに,前記演出決定手段による複数ゲーム演出を実行する旨の決定に従って該複数ゲーム演出の前記演出段階記憶手段に記憶された情報に応じて前記初期段階,中途段階及び最終段階の演出を順次前記演出手段に実行させる演出実行手段とを含み,
前記演出実行手段は,
前記演出決定手段により前記複数ゲーム演出を実行する旨が決定されたときに該複数ゲーム演出の初期段階の演出を実行するとともに,該初期段階の演出の実行により該初期段階の演出までを実行した旨を示す情報を前記演出段階記憶手段に記憶させて該複数ゲーム演出の中途段階以降の演出を実行し得る状態に移行させ,
前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容していない旨を示しているときに,前記最終段階の演出を実行させることなく前記中途段階の演出までで前記複数ゲーム演出を終了させ,
前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容している旨を示していることを条件として前記中途段階の演出が終了した後に前記最終段階の演出を実行させることが可能であり,該複数ゲーム演出の最終段階の演出を実行させることにより前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容している旨を報知する
ことを特徴とするスロットマシン。

【請求項2】
遊技者がゲームの開始操作を行ったときに,前記可変表示装置上の識別情報の変動表示を開始させる変動開始手段と,遊技者が可変停止操作を行ったときに,前記可変表示装置上の識別情報の変動表示を停止させる変動停止手段とをさらに備え,前記事前決定手段は,遊技者が前記ゲームの開始操作を行ったときに,前記入賞の発生を許容するかどうかを決定し,前記遊技制御手段は,前記事前決定コマンドを前記演出制御手段に送信する際に,該事前決定コマンドの送信を前記事前決定手段が決定を行ったタイミングからランダムな期間で遅延させる送信遅延処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。

【請求項3】
前記演出制御手段は,前記事前決定手段及び前記遊技制御手段とは独立した独自の乱数生成手段をさらに含み,
前記演出決定手段は,前記乱数生成手段により生成した乱数の値と前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドとに従って,前記1ゲーム演出の実行及び前記複数ゲーム演出の実行を決定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスロットマシン。

【請求項4】
前記1ゲーム演出は,1ゲームの期間内で完了して演出の最終結果が示されるものである
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスロットマシン。

【請求項5】
前記複数ゲーム演出は,各回のゲームに対応して各段階が断続的に実行されるものである
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスロットマシン。

【請求項6】
前記複数ゲーム演出は,各回のゲームに対応して分けられた複数の段階を有するものであり,そのうちの中途段階,最終段階の段階の演出は,それぞれ初期段階,中途段階の演出の続きを示すものである
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスロットマシン。

【請求項7】
前記演出決定手段は,前記複数ゲーム演出の各段階の演出を実行させるかどうかを,ゲーム毎に決定する
ことを特徴とする請求項6に記載のスロットマシン。」

第5.甲第1?第14号証の記載事項
・請求人は,口頭審理において,「甲第1号証の段落【0122】に記載されている「連続演出1」の変形例を先願発明とする。」と主張したので,当該主張に基づき先願明細書(甲第1号証(特開2001-218892号公報)参照)の記載を摘記すると,図面と共に以下の事項が記載されている。

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,遊技媒体(メダル,玉等)を投入し,複数の種類の絵柄からなるリール(リール)を移動(回転)させ,それが停止した際にリール絵柄表示窓上に停止した絵柄の組み合わせから入賞が定められ,所定の遊技媒体の払い戻しを受けることを楽しむ遊技台(スロットマシン,パチンコ,ゲーム機等)に関する。
【0002】また,近年のスロットマシンでは,遊技者が期待を持ってゲームができるように,多くのメダルが獲得できるボーナスゲームなどの特典をルールとして定めたスロットマシンが広く知られている。
【0003】このボーナスゲームの特典は,各リールが停止した時点で,各リール相互間の絵柄の組み合わせが例えば,「7?7?7」となった場合に,所定枚数のメダルが払い出されるとともに,それ以降の所定のゲーム数が高確率状態となり多くのメダルを獲得できる機会が遊技者に与えられるようになっている。

【0057】参照番号11は各ゲームにおける入賞役(ハズレを含む)等の抽選に用いる乱数発生器であり,バス30を介して,MainCPU10に接続されている。

【0063】(サブ制御部201)参照番号S10は,MainCPU10の制御部からの信号を出力インターフェース25から入力インターフェースS16で受けバスS30を介して,各々の遊技状態に対応してその周辺部と制御信号等のデータの受渡しを制御するマイクロプロセッサ(以降SubCPUと称す)である。

【0068】参照番号S19はスピーカーであり,SubCPUS10から受け渡された制御信号やデータを出力インターフェースS17を介してS18のアンプで増幅し,SubCPUS10からの指示に従い,各々の効果音及びBGMを出力する。
(液晶制御部202)参照番号L10はSubCPU S10の制御部からの信号を出力インターフェースS20から入力インターフェースL11で受けバスL30を介して,LCD(液晶)L18を制御する制御データ等の受渡しを行うマイクロプロセッサ(以降LcdCPUと称す)である。ここで,SubCPUS10の状態によっては,MainCPU10による出力インターフェース25からの信号を,SubCPUS10の入力インターフェースS16とバスS30と出力インターフェースS20を介して直接受け取ってもよい。

【0082】ゲームの開始は,遊技者がメダル投入口118からメダルを投入し,スタートレバー126を操作することにより開始する。
【0083】ゲームが開始すると,3つのリール101,102,103が回転を開始し,各リールの回転速度が所定の速度に達した後に,各リールに対応して設けられたストップボタン123?125の操作が有効化されるので,遊技者はこれらのボタンを押下し,対応するリールの回転を停止させる。
【0084】各リール101?103が停止した時に,メダルの投入枚数によって決まる有効入賞ライン上で停止した絵柄の組み合わせが所定の入賞組み合わせに該当していれば,入賞の種類に応じた枚数のメダルを受皿129に払い出し1回のゲームが終了する。

【0087】ステップS102:(スタートレバー ON)
スタートレバー126が操作されると,スタートレバーセンサ14がONになり,MainCPU10はスタート操作の受付けを検知しゲームが開始される。
ステップS103:(乱数抽選)
遊技者によるスタートレバー126の操作と同時に,制御部は乱数発生器11から乱数値を取得し,その値とROM18内に格納されている入賞テーブルの比較を行い,内部入賞が決定される。この内部入賞の種類としては,BBやRBなどのボーナスゲーム,小役の各種類およびハズレがある。
【0088】ステップS104:(内部情報の報知1)
ステップS103で内部入賞の種類が決定されるので,それらの情報を信頼度を加味して報知する。ここで,報知する手段としては,バックライトなどのランプ類,効果音,画像表示装置等が挙げられる。なお,ボーナスに内部入賞した場合,告知ランプにより報知をしても良い。
【0089】ステップS105:(全リール回転)
全リール101,102,103の回転を開始する。
【0090】ステップS106:(第1リールのストップボタン操作)
遊技者により,ストップボタン123?125のうちの一つを操作し,対応するリールを停止させる。
【0091】ステップS107:(第1リール回転停止)
ステップS106において,遊技者が操作したストップボタンに対応したリールが回転を停止する。
【0092】ステップS108:(内部情報の報知 2)
ステップS104と同様に内部入賞情報を報知する。あるいは,例えば,内部入賞役を構成する絵柄が,停止させた第1リールの有効入賞ライン上に現れた場合,期待感を高める意味でバックライトを点灯・点滅させる等の演出効果を出すことができる。
【0093】ステップS109:(第2リールのストップボタン操作)
遊技者により,回転中の2リールのうち,遊技者が選択するリールに対応するストップボタンを操作する。
【0094】ステップS110:(第2リール回転停止)
ステップS109において,遊技者が操作したストップボタンに対応したリールの回転を停止する。
【0095】ステップS111:(内部情報の報知 3)
ステップS104と同様に内部入賞情報を報知する。あるいは,例えば,入賞役を構成する絵柄の組み合わせがリーチ状態になった場合,その状態を遊技者に報知するために特別な効果音を発等の演出効果を出すことができる。
【0096】ステップS112:(第3リールのストップボタン操作)
遊技者により,回転中の1リールに対応するストップボタンを操作する。
【0097】ステップS113:(第3リール回転停止)
ステップS112において,遊技者が操作したストップボタンに対応したリールが回転を停止する。
【0098】ステップS114:(入賞判定)
入賞に相当する絵柄の組み合わせが有効入賞ライン上に揃っているか否かの判定を行う。すなわち,入賞に相当する絵柄の組み合わせが,入賞テーブルとしてROM18内に格納されているので,この入賞テーブルと入賞有効ライン上の絵柄の組み合わせを比較することにより,入賞判定がなされる。ここで,入賞している場合は,ステップS115へ進み,入賞に該当していない場合はステップS116へ進む。
【0099】なお,上記では,「絵柄の組み合わせ」ということで,複数の絵柄により入賞が判定される事例を述べたが,例えば,「チェリー」絵柄に代表される一つの絵柄のみで入賞となる場合についても全く同様に入賞判定が実施される。
【0100】ステップS115:(メダル払出)
ステップS114の入賞判定の結果,入賞の種類に応じた所定枚数のメダルをメダル払出し口128より,メダル受け皿129に払い出す。
【0101】ステップS116:(内部情報の報知 4)
ステップS104と同様に内部入賞情報を報知する。あるいは,一例として,取りこぼした入賞役に関する情報の報知や,ボーナス絵柄が揃った場合などに,特別な効果音による報知等の演出を行うことができる。
【0102】なお,内部情報の報知1?4については,1ゲームにおいて全て報知を行う必要は必ずしもなく,また,内部情報の報知1?4以外の任意のタイミングで報知することもできることはいうまでもない。

【0108】ステップS204:(内部情報の報知 )
連続演出が開始されている時は,前回ゲームで実施された連続演出の内容により,今回のゲームで行われる演出の内容が抽選により決められる。なお,連続演出がなされていない場合は,図4による従来のゲーム進行に関するフローチャートと同様の演出をすることができる。
【0109】ここで,報知する連続演出の種類とその演出内容について,図6および図7を用い詳細に説明する。
【0110】連続演出1の演出内容は,図6に示す遊技状態(A,B)により変化することになる。ここで,本例では遊技状態「A」をボーナス内部入賞状態時,遊技状態「B」をボーナス内部未入賞状態時とする。
【0111】また,前回の遊技の演出結果を図6に示すように,遊技状態Aの場合は,演出なし,E1,E2,E3,E4とし,遊技状態Bの場合は,演出なし,E1,E2,E3として,今回のゲームで演出するために前回の遊技の演出結果より,今回の演出を「抽選する演出」演出なし,E1,E2,E3,E4の中より抽選で決定する。
【0112】これらの演出動作は,図7に示すように,連続演出の種類である,「E1」,「E2」,「E3」の演出内容を,リール絵柄表示窓上の3×3=9個の絵柄に対応したバックライトを点灯あるいは消灯させるものとする。図7では,「四角」は点灯状態を示し,「黒く埋めた四角」は消灯状態を示しす。「E1」等のパターンを例えば,850ミリ秒程度遊技者に対して点灯/消灯表示すればよく,演出「E4」は告知ランプの作動(点灯)とする。
【0113】図6の抽選する演出において,「2重丸」,「丸」,「バツ」はそれぞれ,演出が選択される抽選確率を示し,「バツ」は抽選確率が「0」で,その演出が選択されないことを意味する。「2重丸」および「丸」は抽選確率が0を超え,かつ1未満である。なお,「2重丸」と「丸」の抽選確率の程度は,0<(「丸」の抽選確率)<(「2重丸」の抽選確率)<1である。
【0114】次に,遊技状態「A」(ボーナス内部入賞状態時)における連続演出の表示内容を説明する。
【0115】まず,遊技者が現在,nゲーム目を遊技しており,(n-1)ゲーム目における演出がされなかった場合,nゲームでの演出は,図6より,「前回遊技の結果」より「演出なし」の横軸を見て,演出「E1」,「E2」,「E3」,「E4」のいずれか,あるいは「演出なし」が抽選により選択されることになる。これらの中で演出「E1」が選択される確率は,他の演出(「演出なし」を含む)が選択される確率より高いことになる。抽選の結果,「E1」が選択されると,nゲーム目での演出は「E1」となり,ここで連続演出が開始される。
【0116】次に,nゲームで演出「E1」が選択された場合,(n+1)ゲーム目における演出は,図6より同様に,演出「E1」,「E2」,「E3」,「E4」のいずれか,あるいは「演出なし」が抽選により選択されることになり,なかでも演出「E2」が選択される確率は,他の演出(「演出なし」を含む)が選択される確率より高く,例えば,ここでは(n+1)ゲーム目での演出として「E2」が抽選により選択され,演出を行なうこととなる。
【0117】以下,(n+2)ゲーム以降において抽選により選択される演出を,確率に基づいて考えると,(n+2)ゲーム目の演出が「E3」,(n+3)ゲーム目の演出が「E4」の順で選択されることになる。
【0118】以上のことより,「遊技状態A」における演出の内容の変化は,概ね,「演出なし」→「E1」→「E2」→「E3」→「E4」となり,最終的に,告知ランプが作動し,遊技者にボーナス内部入賞状態を報知する。なお,上記は,確率に基づいて演出が選択される場合を示したが,これ以外にも,低い確率が選択される場合として,例えば,「演出なし」→「E1」→「E2」→「演出なし」→「E3」→「E4」のような経路をたどって遊技者にボーナス内部入賞状態を報知する場合も存在する。
【0119】以上説明したように,本発明によれば,連続する複数ゲームにおいて,種類の異なる演出が上述のようにある所定の順序で関連性を持って,連続的になされるとき,遊技者はボーナス入賞への期待感を持ってゲームを楽しみながら行うことができる。

【0121】本例では,連続演出をバックライトを用いてその点灯・消灯状態で表現することを図7を用いて説明したが,これは一例であり,多種多様な点灯・点滅・消灯状態を用いることができることはいうまでもない。また,連続演出の実施は,バックライト以外のランプ類や,画像表示装置や,遊技台の操作部に振動を与える振動発生装置や,音声等遊技者の五感に訴えることができる装置により行うことができる。
【0122】以上の例では,抽選により,次のゲームで行われる演出内容を選択したが,例えば,「E1」→「E2」→「E3」→「E4」のように,連続するゲームで実施される連続演出の内容を抽選によらず固定して,一義的に決めてしまう方法であっても良い。

【0124】ステップS301:(抽選当選?)
連続演出を開始するかどうかの抽選を行う。抽選は,内部入賞役を決定する乱数抽選器あるいは別個に設けられた連続演出用の乱数発生器(当審にて「乱数抽選器」は「乱数発生器」の誤記と認めた。)」を用いて実施することができる。抽選に当選した場合は,連続演出を始めるためステップS303へ進む。一方,抽選に当選しなかった場合には,ステップS302へ進む。

・甲第2号証には,図面と共に以下の事項が記載されている。

「コマンド
Command
コンピュータへ入力して実行させる命令のこと。定められた処理を実行させるプログラムを指す場合や,実行のためにキーボードから入力をする文字列を指す場合もある。この場合,あらかじめ決められた文字列をキーボードで打ち込み,エンター・キーを押すことでその文字列に対応した命令を実行する。入力された文字列が正しければその命令が実行されるが,その文字列が間違っていたり,文字列に合致する命令やプログラム・ファイルが存在しない場合は,エラーとしてその旨のコメントが返されて終了となる。
WindowsやMac OSのようなGUI(Graphical User Interface)環境の場合,プルダウン・メニューやアイコンをマウスで操作することで実行している。」

・甲第3号証には,図面と共に以下の事項が記載されている。

【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関し,詳しくは,画像を表示するための画像表示部を含み,この画像表示部の表示状態が変化する可変表示装置を有し,画像表示部の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に,所定の遊技価値が付与可能となる遊技機に関する。

【0031】図2を参照して,メイン制御回路61の構成について説明する。メイン制御回路61は,制御用プログラムに従ってパチンコ遊技機の各種機器を制御するための基本回路(以下,「メイン基本回路」という)62と,このメイン基本回路62からの制御指令を受けて駆動する各種の装置用の回路63?73とを含む。装置用の回路としては,スイッチ回路63と,LCD回路64と,LED回路65と,ソレノイド回路66と,情報出力回路67と,アドレスデコード回路68と,ランプ回路69と,サブCPUコマンド出力回路70と,定期リセット回路71と,初期リセット回路72と,電源回路73とがある。

【0040】サブCPUコマンド出力回路70は,後記図3に示すサブ制御回路91の基本回路(以下,「サブ基本回路」という)92へデータ信号を出力するための回路である。サブCPUコマンド出力回路70からサブ基本回路92に送られるデータ信号としては,図示したように,DATA0?DATA6がある。

【0046】サブ基本回路92は,前記図2に示したサブCPUコマンド出力回路70から出力されたデータ信号DATA0?6と定期リセット回路71から出力されたリセット信号R_RESETとに応じて,LED回路93と音声合成回路94とに,制御信号を発するための回路である。

・甲第4号証には,図面と共に以下の事項が記載されている。

【0001】
【発明の技術分野】本発明は一般的にいえばゲームマシーンに関し,特にこのようなゲームマシーンと中央制御システムとの通信を可能にし,遊戯者やオペレーターが該システムと通信でき,これによってこれらゲームマシーンのキャッシュレス操作を可能にする方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】カジノ等では,スロットマシーンやビデオゲームマシーン等のゲームマシーンを多数備えている場合が多い。効率,信頼性や経済性から,これらゲームマシーンについては清算,保安等の機能を自動化するのが望ましいことがある。カジノのオペレーターに清算・保安情報を提供するデータ転送システムは米国特許第4,072,930,同第4,283,709及び同第4,636,951号公報に記載されている。ところが,これら公知システムの場合,ゲームマシーンからのデータを中央コンピュータに送ることを主になすもので,中央コンピュータからデータを個々のゲームマシーンに転送するようにはなっていない。さらに,これらシステムは遊戯者や従業員がアクセスする手段をもっていない。これらシステムには別な問題もある。すなわち,機能が非常に限られ,主に清算データを中央コンピュータに送るようになっているだけである。

【0016】DMK12は3種類の入力データ,即ち,遊戯者あるいは従業員のいずれかが挿入したカードから読み取ったカードデータ,遊戯者あるいは従業員のいずれかが入力したキーパッド入力データ及びマスターコム14からの表示コマンドを受け取る。DMK12はこれら3種類のデータ,即ちカード読み取り装置34が読み取ったカードデータ,キーパッド32で入力したキーパッド入力データ及び表示コマンドデータを直接マスターコム14に送り,マスターコム14にDMK12が受け取った表示コマンドが処理されていることを知らせる。マスターコム14に対するデータの送受信はシリアル周辺インターフェース(SPI)42を使用して行う。DMKのSPI42はスレーブ装置として構成する。DMK12は最大2.1Mhzの速度でデータを受信でき,この速度は目的に十分適う速度である。
【0017】表示装置30は12の英数字からなり,制御手段として対応するファームウェアをもつが,このファームウェアはSPI42,カード読み取り装置34,キーパッド32入力,及び表示される文字等についてタイミング及びシーケンス化を制御しかつ実行するものである。表示装置30はSPI42を介してマスターコム14から各種の表示コマンドを受信する。

・甲第5号証には,図面と共に以下の事項が記載されている。

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,スロットマシンに関し,詳しくは,表示状態が変化可能な可変表示装置を有し,該可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し,該可変表示装置の表示結果が予め定められた特別の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御可能となるスロットマシンに関する。

【0049】CRTコントロール回路105は,制御部45から画像表示のためのコマンドデータCD0?CD7,INT信号を定期的に受ける。さらに,CRTコントロール回路105は,+12Vおよび+5Vの2種類の電源電圧の供給を受ける。また,画像表示制御基板216は,コントロール基板104から延びるGND線により接地されている。

・甲第6号証には,図面と共に以下の事項が記載されている。

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,パチンコ遊技機やコイン遊技機等の遊技機に関し,特に,表示状態が変化可能な可変表示装置を含み,可変表示装置における表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値が付与可能となる遊技機に関する。

【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による遊技機は,表示状態が変化可能な可変表示装置を含み,変動開始の条件の成立に応じて可変表示装置に表示される識別情報の変動を開始し,識別情報の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様となった場合に遊技者に所定の遊技価値が付与可能となる遊技機であって,遊技の進行を制御する遊技制御手段と,遊技制御手段とは別体に設けられた表示制御手段とを備え,表示制御手段が,遊技制御手段から送られてくる変動速度指定コマンドに応じて識別情報の変動制御を行い,遊技制御手段からの識別情報停止コマンドを受信したときに指定された識別情報で変動を停止できない場合には変動時間を変更することによって指定された識別情報で変動を停止する補正表示制御手段を有するように構成される。
【0010】補正表示制御手段は,変動時間変更の期間において,識別情報停止コマンドの直前に受信した変動速度指定コマンドにもとづく変動速度で識別情報を変動させるように構成されていてもよい。ここで,変動時間変更の期間とは,変動期間が正規の値から延長された場合には,正規の変動期間の終了時から延長された期間の終了時までの期間である。

【0043】図5は,表示制御基板380内の回路構成を,回転ドラム122A?122Cを駆動するステッピングモータ(ドラムモータ)200等とともに示すブロック図である。表示制御用CPU381は,制御データROM382に格納されたプログラムに従って動作し,メイン基板331からストローブ信号が入力されると表示制御コマンドデータを受信する。そして,受信した表示制御コマンドデータに従って表示制御を行う。具体的には,ステッピングモータ200の回転速度の制御等を行う。

【0046】また,表示制御用CPU381は,メイン基板331からのコマンドに応じてドラムランプ151に与えられる駆動信号を生成し,図5および図6に示すように,ドラムランプ回路178を介して駆動信号を出力する。さらに,図5および図6に示すように,ステッピングモータ200に内蔵されるドラムセンサ139からセンサ入力回路176を介して入力信号を受け取る。なお,ドラムランプ回路178は,ドライバ回路で構成されている。

【0068】図10は,メイン基板331から表示制御基板380に送信される表示制御コマンドデータを示す説明図である。図10に示すように,この実施の形態では,表示制御コマンドデータは,表示制御信号CD0?CD7の8本の信号線でメイン基板331から表示制御基板380に送信される。また,メイン基板331と表示制御基板380との間には,ストローブ信号を送信するための表示制御信号INTの信号線等も配線されている。
【0069】図11は,メイン基板331から遊技制御基板380に与えられる表示制御コマンドデータの送出タイミングの例を示すタイミング図である。この例では,表示制御コマンドデータを構成する各表示制御データ(1バイト)は,図11に示すように,2ms毎に送出される。そして,各表示制御データに同期してストローブ信号(表示制御信号INT)が出力される。表示制御用CPU381には,ストローブ信号の立ち上がりでIRQ2割込がかかるので,表示制御用CPU381は,割込処理プログラムによって各表示制御データを取り込むことができる。
【0070】図12?図17は,メイン基板331から表示制御基板380に与えられる図柄変動に関する表示制御コマンドデータの例を示す説明図である。各図に示すように,この実施の形態では,メイン基板331の基本回路353は,左右中図柄の変動速度を,それぞれ2バイトの表示制御コマンドデータで表示制御基板380に指示する。この例では,可変表示部はステッピングモータで駆動される回転ドラム122A?122Cで実現されているので,基本回路353は,ステッピングモータ200の回転速度を指示することによって,図柄の変動速度を指示する。
【0071】表示制御コマンドデータは,大まかな動作を示す1バイトのモードと具体的変動速度を示す1バイトの外部データとで構成されている。すなわち,
モード=81H:左図柄の正回転または停止を示す。
モード=82H:左図柄の逆回転を示す。
モ-ド=83H:左図柄の停止および停止図柄を示す。
モード=84H:右図柄の正回転または停止を示す。
モード=85H:右図柄の逆回転を示す。
モ-ド=86H:右図柄の停止および停止図柄を示す。
モード=87H:中図柄の正回転または停止を示す。
モード=88H:中図柄の逆回転を示す。
モ-ド=89H:中図柄の停止および停止図柄を示す。
【0072】また,外部データは,具体的な速度または図柄番号を示す。図12?図17の記載から明らかなように,メイン基板331から表示制御基板380に送出される図柄に関する表示制御コマンドデータは,変動速度そのものを指定するコマンドである。よって,図柄の変動速度の各切替時点でメイン基板331から切替後の変動速度を指定する表示制御コマンドデータが送出される。そして,このようなコマンド体系によれば,メイン基板331の基本回路353は,各切替時点で切替後の変動速度を指定する表示制御コマンドデータのみを送出すればよく,コマンド作成および送出の制御が簡略化されている。
【0073】なお,この例では,左右中図柄は,それぞれ20種類ある。また,表示制御コマンドデータには,図柄に関するものの他に,ドラムランプ151の点滅を指示するための表示制御コマンドデータがある。

【0076】基本回路353は,始動入賞口48への入賞を検出した後,図柄変動が開始できる状態になると,大当りとするかはずれとするか決定するとともに,可変表示装置26に表示される停止図柄を決定する。そして,表示制御基板380に,変動速度に応じた表示制御コマンドデータを順次与えるとともに,装飾制御基板85および音声制御基板370にコマンドデータを与える。表示制御基板380における表示制御用CPU381は,基本回路353から表示制御コマンドデータを受信し,表示制御コマンドデータで指令された変動速度でステッピングモータ200を駆動する制御を行う。

・甲第7号証には,図面と共に以下の事項が記載されている。

【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,金額価値を含む記録情報を有するプリペイドカードを発行する機能と,投入されたプリペイドカードを受け付けてその金額価値に応じた遊戯媒体を遊戯機に貸し出す機能とをもつ遊戯媒体貸出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年,プリペイドカードの普及に伴い,パチンコホールなどの遊戯場でもプリペイドカードによりパチンコ玉やメダルなどの遊戯媒体を貸し出すようになっている。これらの遊戯場には,金額価値などの情報が記録されたプリペイドカードを発行する発券装置やこのプリペイドカードを受け付けて遊戯機に対する遊戯媒体の貸出しを行う遊戯媒体貸出装置が設けられており,顧客が自由に利用できるようになっている。

【0067】つぎの1バイトは,後記するコマンドコードCDを表すもので,続く数バイト分のデータによりコマンドコードCDの内容に応じた送信情報SIが示された後,ここまでの各バイトについて所定の演算を行って求めたチェックサムCM1が2バイト分のデータとして表され,最後の1バイトにコマンド文の最後を意味するキャリッジリターンコードが付加される。なお,前記送信情報SIの容量は,所定のコマンドコードCDに対しては0バイトとなり,この場合コマンドコードCDの後にすぐにチェックサムCM1が付加されたコマンド文が作成される。
【0068】上記のコマンド文は通信回線L1を介して各装置に送信されるが,このうち前記識別番号YNにより特定される装置(図示例の場合は識別番号「115」の端末装置)のみがコマンド文を認識し,図19に示すような応答文を返送する。この応答文は,この信号が応答文であることを示すキャラクタ「!」と,数バイト分の応答情報RI,2バイト分のチェックサムCM2,および応答文の最後を示すキャリッジリターンコードにより構成される。なお,送信されたコマンド文の内容によっては,応答文の返送が行われない場合もある。
【0069】前記コマンドコードCDは,送信する情報の種別を示すもので,「A」から「L」までのいずれかのアルファベット文字に相当するキャラクタコードにより構成される。このうち「A」?「H」までの各コードは,システム全体のデータの整合性をとるために,制御装置3から各端末装置に対し,各種の設定データを送信する際に用いられ,残る「I」?「L」の各コードは,端末装置からのデータ送信用に用いられる。各コマンドコードにより特定される送信内容,送信情報SIのデータ容量,およびその送信に対する応答情報RIのデータ容量を対応づけるとつぎの表1のようになる。

・甲第8号証には,図面と共に以下の事項が記載されている。

【0022】
【発明の実施の形態】以下,図面等を参照して,本発明の一実施形態について説明する。図1は,本実施形態におけるスロットマシンの制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10の制御手段50は,スロットマシン10の遊技の進行や演出等を含むスロットマシン10全体を統括制御する手段である。制御手段50は,演算等を行うCPUと,遊技の進行等に必要なプログラムや演出用のデータ等を記憶しておくROMと,CPUが各種の制御を行うときに,取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等とを備える。

【0025】なお,入賞役としては,例えばビックボーナス(BB)等の特別役,複数種類の小役,及び再遊技役(以下,リプレイという。)が挙げられる。特別役とは,通常遊技から特別遊技(遊技者にとって有利な遊技)に移行させる役である。また,小役とは,予め定めた枚数のメダルの払出しを行う役である。さらにまた,リプレイとは,当該遊技での賭数(メダルのベット枚数)を維持した再遊技が行えるようにした役である。
【0026】以上の各種の役に対応する,リール31の図柄の組合せが予め定められている。そして,全てのリール31の停止時に,有効ラインに停止した図柄の組合せが予め定められた役の図柄の組合せと一致するときは,その役の入賞となり,メダルの払出し等,成立役に応じた利益が遊技者に与えられる。

【0030】制御手段50は,遊技用制御手段60と,演出用制御手段70とを備える。
(遊技用制御手段)遊技用制御手段60は,遊技の進行に直接関係する制御を行うものであり,以下の役抽選手段61等を備える。なお,遊技用制御手段60は,以下に示すものに限定されるものではない。
【0031】(役抽選手段)役抽選手段61は,役(ビックボーナス等の特別役,小役又はリプレイ)の抽選を行うものである。役抽選手段61は,例えば,役抽選用の乱数発生手段(ハード乱数等)と,この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と,乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて,役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
【0032】役抽選手段61の乱数発生手段は,所定の領域(例えば10進法で0?65535)の乱数を発生させる。乱数抽出手段は,乱数発生手段によって発生した乱数を,所定の時,本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41がオンされた時に抽出する。判定手段は,乱数抽出手段により抽出された乱数値を抽選テーブルと照合することにより,その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば,抽出した乱数値がビックボーナス当選領域に属する場合は,ビックボーナスの当選と判定し,非当選領域に属する場合は,非当選と判定する。

【0036】(演出用制御手段)一方,演出用制御手段70は,スロットマシン10の制御のうち,特に演出に関する制御を行うものであり,以下の演出パターンデータテーブル71等を備える。なお,演出用制御手段70は,以下に示すものに限定されるものではない。
【0037】(演出パターンデータテーブル)演出パターンデータテーブル71は,遊技中の演出パターンを複数設けたものであり,特に本実施形態では第1演出パターンデータテーブル71aと第2演出パターンデータテーブル71bとの2つを備えている。ここで,第1演出パターンデータテーブル71aと第2演出パターンデータテーブル71bとは,演出タイプの異なる演出パターンをそれぞれ格納したものである。すなわち,選択される演出パターンデータテーブル71に応じて,遊技中には,異なるタイプの演出が出力される。
【0038】図2は,演出パターンデータテーブル71の一実施形態を示す図である。図2に示すように,第1及び第2演出パターンデータテーブル71a及び71bには,それぞれ複数(本実施形態では20個)の演出パターン(パターン1,パターン2,…,パターン20)が設けられている。これらの各演出パターンは,第1リール31,第2リール31及び第3リール31の停止時の演出を定めたものである。各リール31の停止時の演出としては,例えば,画像表示装置35により所定の画像表示を行うこと,バックランプ33によりランプ等を点灯させること,スピーカ34から所定のサウンドを出力させること等が挙げられる。
【0039】また,本実施形態の演出パターンデータテーブル71の演出パターンの中には,複数回の連続する遊技にわたって一連の演出を行うようにした連続遊技演出パターンを有する。この連続遊技演出パターンが選択されると,当該遊技で演出は終了せず,次遊技以降にも続くようになる。連続遊技演出パターンには,上記のように各リール31の停止時の演出に限らず,次遊技でメダルを投入したときに行う演出まで定められている。
【0040】さらには,演出パターンデータテーブル71の演出パターンの中には,複数回の連続する遊技にわたって一連の演出を行っているいずれかの遊技中に,特定条件が成立したときに選択される特定演出パターンが設けられている。なお,本実施形態において特定演出パターンが選択される特定条件とは,特別役であるビックボーナスが入賞したとき(ビックボーナスの図柄の組合せが有効ラインに停止したとき)である。
【0041】なお,複数の演出パターンデータテーブル71を,上記以外の種々の演出のタイプに分けることが可能である。例えば,第1に,第1及び第2演出パターンデータテーブル71a及び71bの双方の演出パターンに,リール31の停止制御により役の当選可能性の告知演出を行うことを含むようにする。そして,第1演出パターンデータテーブル71aと第2演出パターンデータテーブル71bとで,リールの停止制御方法が異なるようにする。例えば,第1演出パターンデータテーブル71aの演出パターンは,リール31の停止時に表示窓に出現する図柄の組合せ(いわゆるリーチ目の出現)により,役の当選可能性の告知演出を行うようにし,第2演出パターンデータテーブル71bの演出パターンは,リール31の停止時の移動制御(いわゆるスベリの出現)により,役の当選可能性の告知演出を行うようにする。
【0042】また第2に,第1演出パターンデータテーブル71aと第2演出パターンデータテーブル71bとで,役の当選可能性を告知演出するときの信頼度が異なるようにする。例えば,第1演出パターンデータテーブル71aが選択されたときの役の当選可能性の告知演出は,出現頻度は低いが高い信頼度を有するようにし,第2演出パターンデータテーブル71bが選択されたときの役の当選可能性の告知演出は,出現頻度は高いが信頼度は高くないようにする。
【0043】説明を図1に戻す。
(続き演出パターンデータテーブル)続き演出パターンデータテーブル72は,複数回の連続する遊技にわたって一連の演出を行うときの最初の遊技に続く遊技で使用する複数の続き演出パターンを有するものである。上述のように,通常は,第1又は第2演出パターンデータテーブル71a又は71bのいずれかが選択される。そして,この演出パターンデータテーブル71によって連続遊技演出パターンが選択されたときは,最初の遊技に続く遊技では,続き演出パターンデータテーブル72が用いられる。さらに,この続き演出パターンデータテーブル72からいずれかの続き演出パターンが選択され,次遊技の演出に使用される。
【0044】続き演出パターンデータテーブル72は,図示しないが,上記の第1及び第2演出パターンデータテーブル71a及び71bにそれぞれ対応するものを備える。そして,最初の遊技で例えば第1演出パターンデータテーブル71aが選択され,この中から連続遊技演出パターンが選択されたときは,これに対応する続き演出パターンデータテーブル72が選択される。

【0047】(演出パターンデータテーブル選択手段)演出パターンデータテーブル選択手段74は,演出タイプ選択手段73の選択結果に基づいて,第1又は第2演出パターンデータテーブル71a又は71bのいずれかを選択するものである。本実施形態では,演出タイプ選択手段73でタイプ1が選択されたときは,第1演出パターンデータテーブル71aを,タイプ2が選択されたときは第2演出パターンデータテーブル71bを,それぞれ選択する。さらには,演出パターンデータテーブル71から連続遊技演出パターンが選択された場合は,その遊技に続く遊技では,対応する続き演出パターンデータテーブル72を選択する。

【0049】(演出パターン選択手段)演出パターン選択手段75は,遊技ごとに,役抽選手段61での役の抽選結果や遊技状態等に基づいて,演出パターンデータテーブル選択手段74によって選択された演出パターンデータテーブル71から,いずれかの演出パターンを抽選によって選択するものである。さらに,続き演出パターンデータテーブル72が選択されている場合は,この続き演出パターンデータテーブル72から,いずれかの続き演出パターンを抽選によって選択する。
【0050】なお,各演出パターン(続き演出パターンを含む)は,役抽選手段61の抽選結果に応じて,それぞれ選択確率が予め定められている。例えば,特別役が当選した場合又は特別役が既に当選しているが入賞していない場合は,特別役の当選を告知する演出パターンが高確率で選択される。また,非当選時は,役に当選している可能性が低いことを意味する演出パターンが高確率で選択される。

【0054】(演出内容決定手段)演出内容決定手段78は,演出パターン選択手段75により演出パターンデータテーブル71から連続遊技演出パターンが選択されたときは,最初の遊技に続く遊技において,当該遊技の役抽選手段61の抽選結果に基づいて演出内容を決定(構築)するものであり,例えば具体的な演出データ等を記憶した記憶手段(ROM等)を有している。また,続き演出パターンデータテーブル72の続き演出パターンには,最初の遊技に続く遊技での,大まかな演出の流れが定められているものとする。このとき,演出内容決定手段78は,選択された続き演出パターンの演出の流れに沿うように,演出データ等を記憶手段から引き出して,具体的な演出内容を決定する。例えば,最初の遊技に続く遊技において,役抽選手段61で小役が当選したときは,その小役の当選を告知するように,演出内容を決定する。

【0057】先ず,タイプ1の演出の流れについて説明する。タイプ1が選択されたときは,最初のストップスイッチ42をオンしたときに,画像表示装置35の画像が切り替わり,所定の演出用画像が表示される。次に2番目のストップスイッチ42がオンされると,さらに画像が切り替わり,役を構成する図柄,例えば小役を構成する「ベル」や「チェリー」等の図柄や,特別役を構成する「7」の図柄等が,キャラクターとともに表示される。そして,このキャラクターが,表示されている図柄を取得しようとしている画像が表示される。
【0058】次いで,最後のストップスイッチ42がオンされると,キャラクターが図柄を取得できたか否かが画像表示される。例えば,小役を構成する図柄をキャラクターが取得できたときは,通常は,その小役が入賞する。また,そのような画像が表示されたにもかかわらずその小役が入賞しなかったときは,特別役の当選可能性が高いことを意味するものとなる。これに対し,キャラクターが図柄を取得できなかったときは,非当選を意味するものとなる。
【0059】さらに,画像表示装置35による上記の演出は,一般には遊技ごとに行われるものであるが,上述した連続遊技演出パターンが選択されているときは,次の遊技に演出が続くようになる。この場合は,次遊技を行うためにメダルを投入すると,画像表示装置35の画像が切り替わる。例えば第1に,前遊技では,キャラクターが小役を構成する図柄を取得した画像が表示され,かつその小役が入賞したとする。そして,次遊技におけるメダル投入時に,小役を構成する図柄から特別役を構成する図柄に変化するような画像表示が行われる。この場合は,特別役が当選している可能性が高いことを意味するものとなる。
【0060】また,第2に,前遊技では,キャラクターが小役を構成する図柄を取得できなかったときの画像が表示されたとする。そして,次遊技におけるメダル投入時に,その画像が変化し,例えば他のキャラクターが登場して図柄を取得した画像表示が行われる。このようになれば,何らかの役が当選していることを意味するものとなる。この演出では,取得した図柄がわかるように画像表示される場合の他,この段階では未だ図柄の種類が隠されており,さらに遊技を進行させないと図柄の種類がわからないように画像表示される場合もある。
【0061】次に,タイプ2の演出の流れについて説明する。タイプ2が選択されたときは,リール31の停止時に,スピーカ34からの特定のサウンドの出力,及び停止したリール31に対応するバックランプ33の点灯の演出が行われる。なお,選択された演出パターンによって,各リール31の停止時に全く演出が行われない場合,3つのリール31のうち,1つ又は2つのリール31の停止時に上記演出が行われる場合,さらには3つのリール31の停止時の全てに上記演出が行われる場合がある。そして,少なくとも1つのリール31の停止時に上記演出が行われたときは,全リール31の停止後に,画像表示装置35による画像表示の演出に発展する。
【0062】この演出では,登場したキャラクターが射撃を行う画像を表示するものである。そして,射撃の弾数は,上記の各リール31の停止時の演出回数に相当する。すなわち,1つのリール31の停止時に上記演出が行われたときは,弾数は1個であり,全ての3つのリール31の停止時に上記演出が行われたときは,弾数は3個である。さらには,他のキャラクターが新たに登場し,弾をさらに追加する演出もある。
【0063】そして,その弾数分だけ射撃を行い,ターゲットに弾が当たったか否かの画像が表示される。ターゲットに弾が当たった画像が表示されたときは,特別役の当選可能性が高いことを意味するものとなる。これに対し,弾がターゲットに当たらなかった画像が表示されたときは,特別役の当選可能性が低いことを意味するものとなる。
【0064】さらに,上記の画像表示による演出は,一般には遊技ごとに行われるものであるが,連続遊技演出パターンが選択されているときは,次の遊技に演出が続くようになる。この場合は,次遊技を行うためにメダルを投入すると,画像表示装置35の画像が切り替わる。例えば,前遊技では,弾がターゲットに当たらなかった画像が表示されたものとする。そして,次遊技におけるメダル投入時に,その画像が切り替わり,例えば新たな他のキャラクターが登場して弾をさらに追加し,その弾で再度,射撃を行う画像が表示される。そして,この射撃で弾がターゲットに当たった画像が表示されたときは,特別役の当選可能性が高いことを意味するものとなる。
【0065】以上の演出により,第1に,複数の演出のタイプを選択可能に予め設けておくことで,遊技者は,自己の好む方の演出のタイプを選択できるようになる。また第2に,全てのリール31が停止して,当該遊技での演出が一旦終了したように見える場合であっても,次の遊技でのメダル投入時等に前遊技からの演出が続く場合がある。よって,遊技者は,次遊技への期待を持つことができるようになる。

【0067】そして,ステップS2では,遊技用制御手段60は,メダルセンサ45又はベットスイッチ43からの入力信号を検知し続ける。そしてこれらのいずれかの入力信号を検知したとき,すなわちメダルの投入を検知したときは,その投入されたメダル枚数に応じて有効ラインを有効化する処理等を行い,ステップS3に進む。ステップS3では,遊技用制御手段60は,スタートスイッチ41がオンされたか否かを検知し続ける。そして,オンが検知されると,ステップS4に進み,役抽選手段61は,役の抽選を行う。また,ステップS3において,スタートスイッチ41がオンされたときのタイミングに従い,演出のタイプ(タイプ1又はタイプ2)が選択される。同時に,演出タイプ選択判断手段76は,演出のタイプが選択されたと判断する。

【0070】タイプ1が選択されたときは,図4のステップS21において,演出パターン選択手段75は,第1演出パターンデータテーブル71aからいずれかの演出パターンを選択する。そして,ステップS22では,遊技用制御手段60は,各リール31が停止したか否かを検知し続け,いずれかのリール31の停止を検知したときはステップS23に進む。ステップS23では,演出出力制御手段79は,選択された演出パターンに基づいて,リール31の停止時の演出を,画像表示装置35によって画像表示する。
【0071】次のステップS24では,遊技用制御手段60は,全リール31が停止したか否かを判別し,停止していないと判別したときはステップS22に戻る。以上のステップS22からステップS24までの処理により,ストップスイッチ42がオンされるごとに,画像表示装置35には,キャラクターが役を構成する図柄を取得できるかどうか等の画像が順次表示される。
【0072】ステップS24で全てのリール31が停止したと判別されたときはステップS25に進み,遊技用制御手段60は,BB(本実施形態の特別役であるビックボーナス)が入賞したか否かを判別する。BBが入賞したと判別したときは,ステップS26に進んで,演出パターン選択手段75は,特定演出パターンを選択する。そして,次のステップS27で,演出出力制御手段79は,特定演出パターンに基づいて,画像表示装置35に所定の画像を表示し,本フローチャートによる処理を終了する。
【0073】このようにするのは,それまで一定の演出を行っていたが,BBが入賞したときは,もはや役の当選可能性に関する演出を行う必要がないので,BBゲームに関する画像表示を行うためである。なお,特定演出パターンに基づく演出は,直ちにBBゲームへの移行後の画像表示を行っても良いが,BBが入賞した旨の画像表示をしたうえで,BBゲームの画像表示を行うようにしても良い。

【0076】次のステップS31では,遊技用制御手段60は,スタートスイッチ41がオンされたか否かを検知し続ける。オンが検知されるとステップS32で役抽選手段61は役の抽選を行う。さらにステップS33で,演出パターンデータテーブル選択手段74は,第1演出パターンデータテーブル71aに対応する続き演出パターンデータテーブル72をセットする。そして,ステップS34で,演出パターン選択手段75は,役抽選手段61の役の抽選結果に基づいて,続き演出パターンデータテーブル72から,いずれかの続き演出パターンを選択する。
【0077】次のステップS35では,演出内容決定手段78は,選択された続き演出パターンと役抽選手段61の抽選結果とに基づいて,この遊技での演出内容を決定する。そして,ステップS36で,演出出力制御手段79は,演出内容決定手段78で決定した演出内容に従い,画像表示装置35により所定の画像表示を行う。なお,次遊技以降での具体的な演出内容等については,説明を省略する。

【0084】一方,ステップS50で連続遊技演出パターンであると判別されたときは,ステップS51に進み,遊技用制御手段60は,次遊技に移行したか否か,すなわち次遊技を開始するためにメダルが投入されたか否かを,メダルセンサ45又はベットスイッチ43からの入力信号によって検知し続ける。そして,これを検知したときは,ステップS52に進み,演出出力制御手段79は,連続遊技演出パターンに基づいて画像表示装置35に所定の画像を表示する。上述したように,例えば,前遊技では弾がターゲットに当たらなかった画像が表示されたが,その画像が変化し,新たな他のキャラクターが登場して弾を追加し,その弾で再度射撃を行ったところ,ターゲットに当たった画像等を表示する。次のステップS53以降の処理は,図4のステップS31以降の処理と同様であるので,説明を省略する。

【0086】(3)本実施形態では,最初の遊技で連続遊技演出パターンが選択されたときは,次遊技にまで演出が続くようにした。しかし,これに限らず,連続する3遊技以上で,一連の演出を行うようにしても良い。
(4)演出パターンデータテーブル71は,本実施形態では2つ(第1及び第2演出パターンデータテーブル71a及び71b)設けた。しかし,これに限らず,演出のタイプが異なるものを3つ以上設けても良い。
【0087】(5)本発明において,連続遊技演出パターンが選択されたときは,その次の遊技で,必ず演出を行うようにするものではない。例えば,最初の遊技で連続遊技演出パターンが選択されたときに,その最初の遊技の次の遊技では演出を行わないようにし,さらにその次の遊技で,最初の遊技に続く演出を行うようにしても良い。このように,複数回の連続する遊技にわたって一連の演出を行う場合,必ずしもその複数回の全ての遊技で演出を行うわけではない。

・甲第9号証には,図面と共に以下の事項が記載されている。

【0036】(2)RB制御手段222
RB制御手段222は,BBを実行させるためのものである。なお,特別遊技制御手段220は,上記した(1)?(2)の手段に限定されるものではない。
(リール制御手段230)リール制御手段230は,スタートスイッチ30の操作にもとづいて,リールユニット50の駆動をスタートし,一般遊技制御手段210や特別遊技制御手段220からの制御信号にもとづいて,リールユニット50の停止制御を行うためのものである。
(演出確率テーブル240)演出確率テーブル240は,演出装置60により演出を行う演出確率が,図柄抽選手段200による図柄抽選の結果にもとづいて変化するものである。

表1
表1には,一段階目の演出およびこれに続く二段階目の演出を行う場合に,一段階目,二段階目ともに特別遊技の当選時における演出確率が,不当選時よりも高く設定されている旨が記載されている。

表4
表4には,キャラクタ表示装置100により一段階目の演出およびこれに続く二段階目の演出を行う場合に,キャラクタ101の動きによる演出を行う「動作1」「動作2」の選択確率について,特別遊技の当選(BB当選,RB当選)時における確率の方が,不当選時よりも高く設定されている旨が記載されている。

・甲第10号証には,図面と共に以下の事項が記載されている。

【0097】「大当り以外」の場合は,C RND YOKの抽出値と,「報知方法」との関係が以下のように定められている。抽出値が「0」?「3」である場合には,音による大当り予告の報知を行なう。抽出値が「500」?「503」である場合には,キャラクタによる偽りの大当り予告の報知を行なう。抽出値が「800」である場合には,音およびキャラクタの両方による偽りの大当り予告の報知を行なう。抽出値が「4」?「499」,「504」?「799」,「801」?「899」の場合には,偽りの大当り予告の報知をしない。
【0098】遊技状態が「大当り・始動記憶2以上」である場合には,C RND YOKとの抽出値,「報知方法」との関係が以下のように定められている。抽出値が「0」?「99」の場合には,音による真の大当り予告の報知を行なう。抽出値が「100」?「199」の場合には,キャラクタによる真の大当り予告の報知を行なう。抽出値が「200」?「449」の場合には,音およびキャラクタの両方による真の大当り予告の報知を行なう。抽出値が「450」?「899」の場合には,大当り予告の報知をしない。
【0099】遊技状態が「大当り・始動記憶1以下」の場合には,C RND YOKと,「報知方法」との関係が以下のように定められている。抽出値が「0」?「224」の場合には,音による真の大当り予告の報知を行なう。抽出値が「225」?「449」の場合には,キャラクタによる真の大当り予告の報知を行なう。抽出値が「450」?「899」の場合には,大当り予告の報知をしない。

【0113】また,次のような効果も得ることができる。すなわち,大当りを発生させることが事前決定された場合にキャラクタ等による大当り予告の報知が実行される確率の方が,大当りを発生させることが事前決定されていない場合にキャラクタ等による大当り予告の報知が実行される確率よりも高く設定されているため(図14参照),偽りの大当り予告の報知が多発しないようにされている。その結果,遊技者の遊技に対する意欲の低下を防ぐことができる。

・甲第11号証には,図面と共に以下の事項が記載されている。なお,請求人は「甲第11号証は本件特許の進歩性判断においては不要である。」と口頭審理において述べた。

【0052】そして,第2キャラクタKCが表示される確率は第1キャラクタGCが表示される確率よりも低く設定され,第2キャラクタKCが表示されている状態では上記リーチ状態の発生確率,特にスーパーリーチの発生確率が第1キャラクタGCが表示されているときよりも高くなるように設定されている。また,第2キャラクタKCが表示された状態では第1キャラクタGCが表示されている場合に比べて,特別遊技状態,即ち大当り状態となる期待値(大当り期待値)も高くなるように設定されている。特に,第2キャラクタKCが連続して表示された場合にはより一層リーチ状態の発生確率,スーパーリーチの発生確率及び大当り期待値が高められるように設定されている。なお,ここでいう連続とは,表示部41で図柄変動開始後に特別確定図柄が表示上得られるまでを一回の図柄変動として,この図柄変動が続けて行われる場合をいうものである。従って,第2キャラクタKCは大当り期待値が高いことを予め報知する予告報知機能を有する。

【0059】ここで,前記予告決定乱数カウンタCY1?CY4について図6に基づいて説明する。第1乃至第4の各予告決定乱数カウンタCY1?CY4は,例えば2msといった微少の所定時間毎に値を更新し,最終値になると初期値に戻すようになっている。そして,第1予告決定乱数カウンタCY1は,例えば15/16の確率で予告を行う旨の乱数値が取得されるように設定されている。第2予告決定乱数カウンタCY2は,例えば1/16の確率で予告を行う旨の乱数値が取得されるように設定されている。第3予告決定乱数カウンタCY3は,例えば10/16の確率で予告を行う旨の乱数値が取得されるように設定されている。第4予告決定乱数カウンタCY4は,例えば5/16の確率で予告を行う旨の乱数値が取得されるように設定されている。
【0060】但し,上記各予告決定乱数カウンタCY1?CY4における確率は適宜設定可能であり,上記確率に限定されるものではない。また,予告決定乱数カウンタCY1?CY4は4つのカウンタを用いる以外にも1つ又は4つ以外の複数のカウンタを用いてもよい。ここで,各カウンタの数値を適宜設定可能であるといっても以下のような条件を満たすことが好ましい。即ち,第1予告決定乱数カウンタCY1において予告を行う旨の乱数値が取得される確率は,第2予告決定乱数カウンタCY2におけるそれよりも高いことが好ましい。また,第1予告決定乱数カウンタCY1において予告を行う旨の乱数値が取得される確率は100パーセントであってもよい。第2予告決定乱数カウンタCY2において予告を行う旨の乱数値が取得される確率は0パーセントであってもよい。第3予告決定乱数カウンタCY3において予告を行う旨の乱数値が取得される確率は,第4予告決定乱数カウンタCY4におけるそれよりも高いことが好ましい。また,第3予告決定乱数カウンタCY3において予告を行う旨の乱数値が取得される確率は100パーセントであってもよい。第4予告決定乱数カウンタCY4において予告を行う旨の乱数値が取得される確率は100パーセントと0パーセントを除く両者の間の確率である必要があり,50パーセント以下であることが好ましい。

【0064】ここで,制御装置81によって実行される各種ルーチンの一つとして設定されている「予告決定ルーチン」について,図7に示すフローチャートをもとに説明する。この予告決定ルーチンは,上記キャラクタGC,KCのいずれを表示するか否かを決定するためのルーチンであり,特別図柄作動口31への入賞,即ち特別図柄作動口用スイッチ71による検出が有効化される毎に行われる。即ち,保留球が一杯である場合にはたとえ特別図柄作動口31へ遊技球Bが入賞しても予告決定ルーチンは行われない。

【0070】また,ステップS1において判断結果がNOの場合,即ち表示部41における直前の特別図柄変動時における予告フラグFYが0であって予告が行われていない場合,ステップS8へ移行し,ステップS2の場合と同様,今回の特別図柄作動口31への入賞時に内部乱数カウンタCIから取得された乱数値が大当り値を示しているか否か,或いは大当りフラグが立っているか否か判断する。
【0071】その判断結果がYESの場合,即ち,直前の特別図柄変動時において予告が行われておらずかつ今回大当り状態となるような場合,ステップS9へ移行して,第3予告決定乱数カウンタCY3を参照し,所定の乱数値を取得する。ここで,第3予告決定乱数カウンタCY3は,例えば10/16の確率で予告を行う旨の乱数値が取得されるように設定されているため,比較的多くの場合,予告を行う旨の乱数値が取得されることとなる。その後,ステップ4へ移行し,上記と同様の処理が行われる。
【0072】一方,ステップS8において判断結果がNOの場合,即ち,直前の特別図柄変動時において予告が行われておらずかつ今回大当り状態とならないような場合,ステップS10へ移行して,第4予告決定乱数カウンタCY4を参照し,所定の乱数値を取得する。ここで,第4予告決定乱数カウンタCY4は,例えば5/16の確率で予告を行う旨の乱数値が取得されるように設定されているため,比較的多くの場合,予告を行わない旨の乱数値が取得されることとなる。その後,ステップS4へ移行し,上記と同様の処理が行われる。
【0073】以上の予告決定ルーチンにおいて,ステップS5又はステップS6において決定された今回の予告フラグFYの値に応じて予告フラグFYが立っている場合には今回の特別図柄変動において予告を行うべく表示部41における第2キャラクタKCへの切換表示を行う一方,予告フラグFYが立っていない場合には今回の特別図柄変動において予告を行わないようにすべく表示部41における第1キャラクタGCへの切換表示を行う。
【0074】従って,前回の特別図柄変動時において表示部41に第2キャラクタKCが表示される予告演出が行われるとともに,今回大当りとなる場合には,例えば15/16という高確率で今回の特別図柄変動時に表示部41に第2キャラクタKCが表示される予告演出が行われることとなる。このような連続して発生する予告演出が大当り期待値の高い場合に現れることとなる。なお,第1予告決定乱数カウンタCY1が100パーセントの確率,即ち常に予告を行う旨の乱数値を取得し得るように設定されいるとすれば,前回の特別図柄変動時において表示部41に第2キャラクタKCが表示される予告演出が行われるとともに,今回大当りとなる場合には,必ず連続して予告演出が発生することとなる。
【0075】また,前回の特別図柄変動時において表示部41に第2キャラクタKCが表示される予告演出が行われるとともに,今回大当りとならない場合には,例えば1/16という低確率で今回の特別図柄変動時に表示部41に第2キャラクタKCが表示される予告演出が行われることとなる。従って,大当り期待値が高くない場合における連続した予告演出の出現率が低くなる。なお,第2予告決定乱数カウンタCY2が0パーセントの確率,即ち常に予告を行わない旨の乱数値を取得し得るように設定されているとすれば,大当り時以外に連続して予告演出が発生することを防止し得る。即ち,この場合,連続して予告演出が行われると必ず大当りとなり,連続予告演出が大当り予告そのものとなる。

【0089】(j)前回の予告フラグFYを参照して今回の予告等の演出を行うか否かを決定することにより,連続的な演出を行うようにしたが,これに代えて前々回の予告フラグFYの値を参照したり,前々回と前回の予告フラグFYの値を参照するなど,前回だけに限らず,先に行われた演出を1箇所又は複数箇所で参照することで,演出に規則性をもたせてもよい。前々回と前回の予告フラグFYの値を参照するといった複数箇所を参照する方式によれば,3回以上連続して演出を行なわせるといったことも可能となる。また,直前のものを除いてそれより前の予告フラグFYの値を参照する方式にすれば,前回の演出と間を置くことなく連続す連続演出とは異なった新たな興趣が得られる。

・甲第12号証には,図面と共に以下の事項が記載されている。

【0040】(b)リーチ態様決定処理のサブルーチン
次に,図4に示すメインルーチンのステップS20で行われる変動処理中に行われるサブルーチンで,リーチをどの態様で発生させるかを決定するリーチ態様決定処理の詳細について,図7および図8により説明する。このサブルーチンが開始されると,まずステップS50で大当りか否かを判別する。大当りか否かは,乱数抽出による大当り判定によって決定される。大当りでなければ,ステップS82にジャンプする(詳細は後述)。大当りであれば,ステップS52に進んでリーチパターン決定用乱数の抽出を行う。なお,大当り発生の場合,必ず,その前にリーチが発生する。リーチ発生の態様には複数種類のパターンがあり,そのリーチパターンを決定するのがリーチパターン決定用乱数で,0?99の乱数がある。次いで,ステップS54で抽出したリーチパターン決定用乱数に応じてリーチ種類の振り分け処理を行う。
【0041】ステップS54のリーチ種類の振り分け処理におけるリーチ種類(大当り時のリーチの種類)には,リーチA?リーチCの3つのパターンがあり,リーチパターン決定用乱数が0?9であればステップS56に分岐してリーチAにする。したがって,リーチAへの振り分け率は10%となる。リーチパターン決定用乱数が10?49であればステップS58に分岐してリーチBにする。したがって,リーチBへの振り分け率は40%となる。また,リーチパターン決定用乱数が50?99であればステップS60に分岐してリーチCにする。したがって,リーチCへの振り分け率は50%となる。リーチAは通常のリーチ,リーチBはおやじリーチ,リーチCは背景変化リーチである。この振り分け処理により,大当り発生時のリーチの態様は,高い確率でリーチCに,やや高い確率でリーチBに,低い確率でリーチAにそれぞれ振り分けられる。
【0042】リーチAあるいはリーチBの場合は,ステップS72にジャンプする。一方,リーチCの場合は,ステップS62に進んで再度リーチ種類の振り分け処理を行う。ステップS62のリーチ種類の振り分け処理におけるリーチ種類には,春リーチ?冬リーチの4つのパターンがあり,リーチパターン決定用乱数が50?54であればステップS64に分岐して春リーチにする。したがって,春リーチへの振り分け率は10%(リーチA,リーチBを含めたリーチ全体での春リーチへの振り分け率は5%)となる。春リーチは,背景が春の背景になるリーチである(図柄が1周するまで)。リーチパターン決定用乱数が55?64であればステップS66に分岐して夏リーチにする。したがって,夏リーチへの振り分け率は20%(リーチA,リーチBを含めたリーチ全体での夏リーチへの振り分け率は10%)となる。夏リーチは,背景が春の背景から夏の背景まで変化するリーチである(図柄が2周するまで)。
【0043】リーチパターン決定用乱数が65?79であればステップS68に分岐して秋リーチにする。したがって,秋リーチへの振り分け率は30%(リーチA,リーチBを含めたリーチ全体での秋リーチへの振り分け率は15%)となる。秋リーチは,背景が春→夏→秋に変化するリーチである(図柄が3周するまで)。リーチパターン決定用乱数が80?99であればステップS70に分岐して冬リーチにする。したがって,冬リーチへの振り分け率は40%(リーチA,リーチBを含めたリーチ全体での秋リーチへの振り分け率は20%)となる。冬リーチは,背景が春→夏→秋→冬に変化するリーチである(図柄が4周するまで)。なお,リーチの始まりは必ず春の背景からである。この振り分け処理により,大当り発生時のリーチの態様でリーチCになった場合は,高い確率で冬リーチに,やや高い確率で秋リーチに,やや低い確率で夏リーチに,低い確率で春リーチに,それぞれ振り分けられる。
【0044】ここでの説明は大当りが発生する場合であるが,春リーチ?冬リーチのうち,冬リーチは必ず大当りが発生するもの(大当り時以外の振り分けがないもの)であり,それ以外の春リーチ?秋リーチは大当りの発生率が春,夏,秋の順に高くなる。そして,春リーチ?秋リーチの場合には,外れもありえるようになっている。ステップS64?ステップS70の何れかを経ると,次いで,ステップS72に進む。ステップS72では,各リーチパターンフラグをセットする。リーチパターンフラグはリーチ関連の処理(例えば,装飾関連の処理)で使用される。次いで,ステップS74で各リーチパターン情報をセットする。リーチパターン情報は役物制御回路100から表示制御回路200への送信情報であり,例えば図6に示したサブモード1のセットである。
【0045】次いで,ステップS76でリーチ予告を発生させるか否かを判別する。リーチ予告は,リーチが発生することを予告する情報(例えば,特定のキャラクタが現れると必ずリーチが発生することを示唆する情報)であり,例えばリフレッシュレジスタを使用して大当り発生時には1/3の振り分け処理を行って,リーチ予告=1/3の割り合いで発生(例えば,このときリーチ予告コマンドが発生)するようにする。リーチ予告を発生させない場合には,今回のルーチンを終了してリターンする。リーチ予告を発生させる場合には,ステップS78で予告フラグをセットし,ステップS80で予告情報(例えば,後述するようにリーチが発生することを予告する特定のキャラクタの表示)をセット(図6のサブモード1のセット)してリターンする。
【0046】次に,ステップS50で大当りでなければ,ステップS82にジャンプして外れリーチ発生か否かを判別する。リーチは,始動入賞時に抽出したリーチ発生用乱数値(1/15でリーチを発生させる乱数値)を判定して発生する。外れリーチ発生でなければ,今回のルーチンを終了してリターンする。一方,外れリーチ発生であれば,ステップS84に進んでリーチパターン決定用乱数の抽出を行う。これは,大当りが発生しない外れリーチの場合でも,そのリーチ発生の態様に複数種類のパターンを設けているから,外れリーチのパターンを決定するために,乱数の抽出を行うものである。外れリーチのパターンを決定する場合にもリーチパターン決定用乱数0?99の乱数を使用する。次いで,ステップS86で抽出したリーチパターン決定用乱数に応じてリーチ種類の振り分け処理を行う。
【0047】ステップS86のリーチ種類の振り分け処理におけるリーチ種類には,同様にリーチA?リーチCの3つのパターンがあり,リーチパターン決定用乱数が0?49であればステップS88に分岐してリーチAにする。したがって,リーチAへの振り分け率は50%となる。リーチパターン決定用乱数が50?79であればステップS90に分岐してリーチBにする。したがって,リーチBへの振り分け率は30%となる。また,リーチパターン決定用乱数が80?99であればステップS92に分岐してリーチCにする。したがって,リーチCへの振り分け率は20%となる。リーチAは通常の外れリーチ,リーチBは外れのおやじリーチ,リーチCは外れの背景変化リーチである。この振り分け処理により,外れリーチの場合のリーチの態様は,高い確率でリーチAに,やや高い確率でリーチBに,低い確率でリーチAに,それぞれ振り分けられる。
【0048】リーチAあるいはリーチBの場合は,ステップS100にジャンプする。一方,リーチCの場合はステップS94に進んで再度リーチ種類の振り分け処理を行う。ステップS94のリーチ種類の振り分け処理におけるリーチ種類には,春リーチ?秋リーチの3つのパターンがあり,冬リーチはない(冬リーチが発生すると必ず大当りが発生するからである)。リーチパターン決定用乱数が80?89であればステップS96に分岐して春リーチ(背景が春の背景で全図柄スクロールを最高で1周までのリーチ)にする。したがって,春リーチへの振り分け率は50%(リーチA,リーチBを含めたリーチ全体での春リーチへの振り分け率は10%)となる。リーチパターン決定用乱数が90?95であればステップS98に分岐して夏リーチ(背景が春から夏に変化して全図柄スクロールを最高で2周までのリーチ)にする。したがって,夏リーチへの振り分け率は30%(リーチA,リーチBを含めたリーチ全体での夏リーチへの振り分け率は6%)となる。リーチパターン決定用乱数が96?99であればステップS100に分岐して秋リーチ(背景が春→夏→秋に変化して全図柄スクロールを最高で3周までのリーチ)にする。したがって,秋リーチへの振り分け率は20%(リーチA,リーチBを含めたリーチ全体での秋リーチへの振り分け率は4%)となる。この振り分け処理により,外れリーチでリーチCに振り分けられたうちの場合,高い確率で春リーチに,やや高い確率で夏リーチに,低い確率で秋リーチに,それぞれ振り分けられる。
【0049】ステップS96?ステップS100の何れかを経ると,次いで,ステップS102に進む。ステップS102では,各リーチパターンフラグをセットし,ステップS104で各リーチパターン情報をセットする。次いで,ステップS106でリーチ予告を発生させるか否かを判別する。これは,例えばリフレッシュレジスタを使用して外れリーチ発生のうち1/10の振り分け処理を行って,リーチ予告=1/10の割り合いで発生するようにする。リーチ予告を発生させない場合には,今回のルーチンを終了してリターンする。リーチ予告を発生させる場合には,ステップS108で予告フラグをセットし,ステップS110で予告情報(例えば,リーチが発生することを予告する特定のキャラクタの表示)をセット(図6のサブモード1にセット)してリターンする。このように,大当りの乱数を抽出した場合には,リーチA?リーチC(春?冬リーチを含む)のどの態様で発生させるかを決定するとともに,1/3の割り合いでリーチ予告を行う。一方,外れの乱数を抽出した場合には,リーチA?リーチC(春?秋リーチを含む)のどの態様で発生させるかを決定するとともに,1/10の割り合いでリーチ予告を行う。また,このような振り分け処理により,各リーチにおける大当りの発生率(大当りの信頼度)がリーチA→リーチB→リーチCの順に高くなり,さらにリーチCになった場合には,春リーチ→夏リーチ→秋リーチ→冬リーチの順に高くなる(すなわち,背景が順次変化して図柄のスクロールが長くなれば,それだけ大当りの発生率が高くなる)。

【0068】冬リーチが選択された場合
冬リーチが選択された場合も同様に左右のビールジョッキーが消えて図柄に対応した文字だけが残るが,図面上は図柄(文字)を省略して説明する。冬リーチが選択された場合,春リーチ→夏リーチ→秋リーチが行われた後(図柄が3周した後)に冬リーチに変化し(すなわち,春の背景からリーチがスタートし,リーチスクロールが進行して夏から秋,さらに冬へと背景が変化し,冬の背景のときにリーチが終了),,図16(e)に示すように冬に相応しいものとして,例えば桜の木が冬に変化した画面が表示され,その冬の背景内容が変化していく。例えば,桜の木が枯れて雪が降るシーンが演出される。このとき,冬リーチでは図柄(リーチがかかっているため,中図柄)が4周するまでスクロール(春1周,夏1周,秋1周,冬1周まで)する。なお,冬リーチの場合,100%大当りが発生する。したがって,冬リーチのときは,春の背景からリーチがスタートして夏の背景になり,次いで,秋の背景に変化し,さらに冬の背景に変化し,結局,リーチ開始から冬まで図柄が4周して冬の背景のときにリーチ結果(この場合は大当りのみ)を表示する演出になる。このように,背景変化リーチでは春リーチからスタートし,リーチ態様によって季節が夏,秋,冬へと変化するリーチスクロールが行われる。このとき,春リーチであれば春の背景でリーチが終了してリーチ結果(大当り/外れ)を表示する演出に致り,夏リーチであれば春の背景からスタートして夏の背景に変化し,夏の背景のときにリーチが終了してリーチ結果(大当り/外れ)を表示する演出に致り,秋リーチであれば春の背景からスタートして夏→秋へと背景が変化し,秋の背景のときにリーチが終了してリーチ結果(大当り/外れ)を表示する演出に致り,さらに冬リーチであれば春の背景からスタートして夏→秋→冬へと背景が変化し,冬の背景のときにリーチが終了してリーチ結果(大当りのみ)を表示する演出に致る。そして,春,夏,秋,冬と背景が変化するに従って大当りの発生率が高くなる。したがって,遊技者にしてみると,背景変化リーチが発生すると,季節の変化に応じて(つまり,季節が進行するに従って)大当りへの期待感が高まり,わくわくしたり,どきどきしたりして極めて遊技の興趣をそそられる演出になる。

・甲第13号証には,図面と共に以下の事項が記載されている。

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,演出用周辺機器により遊技中に各種の演出を行うスロットマシンに関するものである。

【0049】(送信タイミング変化手段)送信タイミング変化手段71eは,操作情報送信手段71dによる情報の送信のタイミングを,所定時間の範囲内でランダムに変化させるものである。ここで,「所定時間の範囲」は,例えば,最小時間が0に,最大時間がリール31の1図柄が通過する時間(すなわち,リール31の回転中に,有効ライン22上にある図柄が次の図柄になるまでの時間)に設定されている。リール31の1図柄が通過する時間を36msとすると,所定時間は,0?36msの範囲でランダムに変化する。その結果,リール31の1図柄分,すなわち1コマ分以内の範囲で遅延して送信される。

・甲第14号証には,図面と共に以下の事項が記載されている。

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,たとえばパチンコ遊技機やコイン遊技機などで代表される遊技機に関し,詳しくは,表示状態が変化可能な可変表示装置を有し,該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な状態に制御可能となる遊技機に関する。

【0152】図19は,表示制御基板80側の表示制御用CPU101が表示制御に用いるランダムカウンタを示す図である。ランダムD1は,予告2の表示内容を予告2-1,予告2-2のいずれにするかを決定するために用いられるランダムカウンタである。一方,ランダムD2は,予告3を行なうか否か,および,予告3を行なう場合には,その表示内容を予告3-1,予告3-2,予告3-3のうちのいずれにするかを決定するために用いられるランダムカウンタである。

【0155】まず,表示制御用CPU101は,遊技制御基板31より送信された変動コマンドを参照して予告1有りが指定されているか否かを判断する。予告1有りが指定されていない場合には予告2を表示しないことを決定する。つまり,遊技制御基板31側で予告1有りが指定されていない場合には,表示は行なわれない。ただし,表示制御用CPU101の独自の決定によって,後述する予告3の表示が行なわれる場合がある。
【0156】一方,予告1有りが指定されている場合には,変動コマンドに続いて遊技制御基板31より送信された確定図柄指定コマンドを参照して,確変大当りになるのか,非確変大当りになるのか,リーチが成立した後にはずれになる(はずれリーチ)のか,リーチが成立しないはずれになるのかを判断する。
【0157】具体的には,確定図柄指定コマンドによって指定される左中右の確定図柄が,すべて同一の確変図柄である場合には確変大当りになると判断し,すべて同一の非確変図柄である場合には非確変大当りになると判断し,左右図柄が同一で中図柄が異なる場合にはリーチが成立した後にはずれになると判断し,左右図柄が異なる場合にはリーチが成立しないはずれになると判断する。
【0158】そして,リーチが成立しないはずれになる場合には,予告2を表示しないことを決定する。つまり,遊技制御基板31側で予告1有りが指定されていても,リーチが成立しないはずれになる場合には,その予告1の表示に付随した予告2の表示は行なわれない。
【0159】一方,予告1有りが指定されており,かつ,表示結果が,確変大当り,非確変大当り,または,はずれリーチになる場合には,表示制御用CPU101は,ランダムD1を抽出し,ランダムD1の抽出値と演出判定テーブルに記憶されたランダムD1の判定値とを比較して予告2の表示内容を予告2-1とするか予告2-2とするかを決定する。
【0160】ここで,ランダムD1の抽出値の判定に用いられる演出判定テーブルは,確変大当り用,非確変大当り用,はずれリーチ(リーチはずれともいう)用の3種類があり,予告2-1,予告2-2に対応するランダムD1の判定値の個数が各演出判定テーブル毎に異なっている。
【0161】図20には,確変大当り用,非確変大当り用,はずれリーチ用の3種類の演出判定テーブルの概略が示されており,その「ランダムD1」の欄には,合計10個(0?9)存在するランダムD1の判定値が予告2-1,予告2-2に対していくつずつ対応付けられているかが演出判定テーブル別に示されている。
【0162】たとえば,非確変大当り用の演出判定テーブルでは,10個のランダムD1の判定値のうち7個が予告2-1に対応付けられており,残りの3個が予告2-2に対応付けられている。このため,このテーブルが用いられると,7/10の割合で予告2-1とすることが決定され,3/10の割合で予告2-2とすることが決定される。
【0163】確変大当り用の演出判定テーブルでは,10個のランダムD1の判定値のうち9個が予告2-1に対応付けられており,残りの1個が予告2-2に対応付けられている。このため,このテーブルが用いられると,9/10の割合で予告2-1とすることが決定され,1/10の割合で予告2-2とすることが決定される。
【0164】はずれリーチ用の演出判定テーブルでは,10個のランダムD1の判定値のうち1個が予告2-1に対応付けられており,残りの9個が予告2-2に対応付けられている。このため,このテーブルが用いられると,1/10の割合で予告2-1とすることが決定され,9/10の割合で予告2-2とすることが決定される。
【0165】以上より,図20に概略を示した演出判定テーブルを用いて予告2の内容が決定されることにより,予告2-2よりも予告2-1の方が,大当り予告の信頼度が高くなる。なお,図20では,ランダムD1の0?9のカウント値(判定値)の具体的な対応関係についての図示を省略しているが,対応付けされた個数が図20に示すものであれば,ランダムD1の0?9のカウント値(判定値)のうちのいずれが予告2-1または予告2-2に対応付けられていてもよい。

【0178】次に,表示用乱数更新処理1が実行される(S300)。表示用乱数更新処理1が実行されることにより,表示制御基板80側で表示制御に用いられる乱数(ランダムD1)が更新される。次に,前記S200に処理が移行し,S200およびS300の処理が繰返し実行される。
【0179】図24は,タイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。タイマ割込は,たとえば2msごとに発生する。この2msごとに発生するタイマ割込の際にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理においては,まず,表示制御プロセス処理が実行される(S400)。表示制御プロセス処理は,表示制御プロセスフラグの値に応じ,画像表示領域9に特別図柄等の画像を表示させる処理である。次に,表示用乱数更新処理2が実行され(S500),表示制御基板80側で表示制御に用いられる乱数(ランダムD2)が更新される。

第6.当審の判断
請求人は,訂正が認められるとしても,審判請求書で申し立てた無効理由1のうち請求項5に係る発明について無効理由1,請求項1に係る発明について無効理由2,請求項1?7に係る発明について無効理由3は解消していない旨主張しているので以下に検討する。

1.無効理由1について
請求人は口頭審理陳述要領書の5頁で,「訂正前の本件特許発明5に関する記載不備について,審判請求書第60?62頁の主張は維持する。・・・訂正が認められた場合でも,訂正前の発明5の記載不備が治癒しないことは明らかである。」と主張しているので,この点について検討する。

審判請求書第60?62頁では,本件特許発明5は,特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載されておらず,本件特許出願は旧特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない,と主張している。
そして,本件訂正発明5は,「前記複数ゲーム演出は,各回のゲームに対応して各段階が断続的に実行されるものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスロットマシン。」であり,本件特許明細書の段落【0102】には「なお,1ゲーム演出である告知演出及び予告演出の実行時間,並びに3ゲーム演出の各段階の実行時間は,いずれも3.0秒以下である。これは,1ゲームタイマ(各ゲームにおいてリール3L,3C,3Rの回転開始から計時するタイマ)の計時時間の最小値である4.1秒から当選状況通知コマンドの遅延時間の最大値である0.8秒を引いた時間3.3秒よりも短い時間としたものである。このような長さに設定することによって,遊技者の遊技進行方法に関わらず,告知演出及び予告演出,並びに3ゲーム演出の各段階共に,1ゲームの期間内で終了するものとなる。また,3ゲーム演出は,第1または第2段階が終了したところで一旦中断され,次のゲームの期間になって第2または第3段階の演出が再開するという,各回のゲームに対応して各段階が断続的に行われるものとなっている。」と記載され,「各回のゲームに対応して各段階が断続的に行われる」ことが記載されているから,本件訂正発明5は,特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載されており,特許法第36条第6項第1号に規定する要件に適合する。

以上により,本件訂正発明5は,「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること」との特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものであるから,特許法第123条第1項第4号の規定により無効とされるべきものではない。

なお,審判請求書第60?62頁において,「・・・「前記複数ゲーム演出は,各回のゲームにおいて断続的に実行される」の意味が不明確である。」とも主張しているが,上記第3.3.(3)で検討したとおり,格別不明確な記載とはいえず,特許法第36条第6項第2号に規定する要件にも適合する。

2.無効理由2について
請求人は,本件訂正発明1は,甲第1号証に記載されており,本件訂正発明1は,特許法第29条の2の規定に違反しているので,特許法第123条第1項第2号の規定により,無効とされるべきであると主張するので検討する。

(1)甲第1号証に記載の発明
上記第5.において摘記した甲第1号証の記載事項によれば,本願の出願の日前の他の特許出願(特願2000-35561号,平成12年2月14日出願)であって,本願の特許出願後に出願公開(甲第1号証:特開2001-218892号公報)されたものの願書に最初に添付した明細書又は図面には,次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認められる。
「遊技者がメダル投入口118からメダルを投入し,スタートレバー126を操作することによりゲームが開始し,3つのリール101,102,103が回転を開始し,各リールに対応して設けられたストップボタン123?125を遊技者が押下し,対応するリールの回転を停止させ,各リール101?103が停止した時に,有効入賞ライン上で停止した絵柄の組み合わせが所定の入賞組み合わせに該当していれば,入賞の種類に応じた枚数のメダルを受皿129に払い出し1回のゲームが終了するスロットマシンにおいて,
遊技者によるスタートレバー126の操作と同時に,制御部200に備えたMainCPU10に接続された乱数発生器11から乱数値を取得し,その値とROM18内に格納されている入賞テーブルの比較を行い,内部入賞が決定され,BBやRBなどのボーナスゲームが発生すると,それ以降の所定のゲーム数が高確率状態となり多くのメダルを獲得できる機会が遊技者に与えられ,
MainCPU10の制御部200からの信号を出力インターフェース25から入力インターフェースS16で受けバスS30を介して,各々の遊技状態に対応してその周辺部と制御信号等のデータの受渡しを制御するSubCPUS10を備えたサブ制御部201と,
SubCPUS10の指示に従う内部入賞に基づいて内部情報を報知する手段を備え,
内部情報の報知は,内部情報の報知1?4と,「E1」→「E2」→「E3」→「E4」と連続するゲームで実施される連続演出の内容を抽選によらず固定して行う報知と,を備え,内部入賞の種類を信頼度を加味して報知し,ボーナス内部未入賞状態時にはE4は選択されることがないスロットマシン。」

(2)対比
甲1発明と本件訂正発明1を対比すると,甲1発明の「遊技者がメダル投入口118からメダルを投入し」は本件訂正発明1の「賭け数を設定する」に相当し,以下同様に,
「スタートレバー126を操作すること」は「ゲームを開始させること」に,
「有効入賞ライン上で停止した絵柄の組み合わせ」は「可変表示装置の表示結果」に,
「1回のゲーム」は「1ゲーム」に,
「MainCPU10」を備えた「制御部200」は「遊技の進行を制御する」「遊技制御手段」に,
「SubCPUS10」を備えた「サブ制御部201」は「演出制御手段」に,
「BBやRBなどのボーナスゲーム」は「予め定められた特別の入賞」に,
「所定のゲーム数が高確率状態」は「遊技者にとって有利な特別遊技状態」に,
「内部入賞」は「前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容している」に,
「内部情報を報知する手段」は「演出手段」に,
それぞれ相当する。

また,甲1発明では「有効入賞ライン上で停止した絵柄の組み合わせが所定の入賞組み合わせに該当していれば,入賞の種類に応じた枚数のメダルを受皿129に払い出し1回のゲームが終了」し,「BBやRBなどのボーナスゲームが発生すると,それ以降の所定のゲーム数が高確率状態となり多くのメダルを獲得できる機会が遊技者に与えられ」るのであるから,「該可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能である」といえる。

また,甲1発明では「遊技者によるスタートレバー126の操作と同時に,MainCPU10に接続された乱数発生器11から乱数値を取得し,その値とROM18内に格納されている入賞テーブルの比較を行い,内部入賞が決定され」るのであるから,本件訂正発明1の「前記入賞の発生を許容するかどうかを事前に決定する事前決定手段」と同様の機能を備えているといえる。

また,甲1発明では「BBやRBなどのボーナスゲームが発生すると,それ以降の所定のゲーム数が高確率状態となり多くのメダルを獲得できる機会が遊技者に与えられ」るのであるから,本件訂正発明1の「遊技状態移行手段」と同様の機能を備えているといえる。

また,甲1号証の段落【0088】?【0102】によれば,甲1発明の「内部情報の報知1?4」は,1回のゲームで完結する報知であるから,本件発明1の「1ゲーム演出」に相当する。

また,甲1発明の「E1」→「E2」→「E3」→「E4」の演出は,連続するゲームで実施される連続演出であるから,本件訂正発明1の「複数ゲームの期間に亘って実行される複数ゲーム演出」に相当する。

また,甲1発明では,「ボーナス内部未入賞状態時にはE4は選択されることがない」のであり,内部入賞の状態を何らかの形で記憶していることは明らかであるから送受信しているかはさておき「事前決定コマンド」を備えているといえる。したがって,甲1発明は「事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容していない旨を示しているときに,前記最終段階の演出を実行させることなく前記中途段階の演出までで前記複数ゲーム演出を終了させ」ているといえ,「事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容している旨を示していることを条件として前記中途段階の演出が終了した後に前記最終段階の演出を実行させ」「該複数ゲーム演出の最終段階の演出を実行させることにより前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容している旨を報知」しているといえる。

よって,本件訂正発明1と甲1発明とは,
「1ゲームに対して賭け数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり,可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し,該可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて,
前記入賞の発生を許容するかどうかを事前に決定する事前決定手段と,
遊技の進行を制御する遊技制御手段と,
予め定められた特別の入賞が発生することにより,遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と,
前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容しているか否かに関する情報を示す演出を演出手段に実行させる演出制御手段とを備え,
前記演出制御手段が前記演出手段に実行させる演出は,1ゲームの期間内で実行される1ゲーム演出と,複数ゲームの期間に亘って実行される複数ゲーム演出とが含まれ,
前記複数ゲーム演出は,該複数ゲーム演出の最初のゲームで実行される初期段階の演出と,該初期段階の演出が実行された後のゲームで実行される中途段階の演出と,該中途段階の演出が実行されたゲームよりもさらに後に実行される最終段階の演出とを含み,該複数ゲーム演出により前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容しているか否かを示す情報を報知するとともに,該最終段階の演出が実行されずに終了する場合があり,
前記演出制御手段は,
前記複数ゲーム演出が実行されていないときにおいて,前記1ゲーム演出を実行するか,前記複数ゲーム演出を実行するか,を決定する手段であって,
1ゲーム演出を実行する旨の決定に従って該1ゲーム演出を前記演出手段に実行させるとともに,複数ゲーム演出を実行する旨の決定に従って前記初期段階,中途段階及び最終段階の演出を順次前記演出手段に実行させる演出実行手段とを含み,
事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容していないときに,前記最終段階の演出を実行させることなく前記中途段階の演出までで前記複数ゲーム演出を終了させ,
事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容していることを条件として前記中途段階の演出が終了した後に前記最終段階の演出を実行させることが可能であり,該複数ゲーム演出の最終段階の演出を実行させることにより前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容している旨を報知する
スロットマシン。」
の点で一致し,以下の点で相違している。

<相違点1>
本件訂正発明1では,遊技制御手段が各回のゲームにおいて前記事前決定手段の決定結果を示す事前決定コマンドを送信しているのに対して,甲1発明では,MainCPU10から事前決定コマンドを送信していない点。

<相違点2>
本件訂正発明1では,演出制御手段が,前記遊技制御手段から送信された事前決定コマンドを受信し,該受信したコマンドに基づいて前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容しているか否かに関する情報を示す演出を演出手段に実行させているのに対して,甲1発明では,相違点1のとおりMainCPU10から事前決定コマンドを送信していないことにより,そのように構成されていない点。

<相違点3>
本件訂正発明1では, 前記初期段階の演出と,前記中途段階の演出のうちのいずれの段階の演出までを実行したかを示す情報を記憶する演出段階記憶手段を備えているのに対して,甲1発明では,そのような構成を備えていない点。

<相違点4>
本件訂正発明1では,演出制御手段は,前記事前決定コマンドに基づいて,前記1ゲーム演出を実行するか,前記複数ゲーム演出を実行するか,或いは前記1ゲーム演出も前記複数ゲーム演出も実行しないかを決定する手段であって,前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容している旨を示しているときには該特別の入賞の発生を許容している旨を示していないときよりも高い確率で前記複数ゲーム演出を実行する旨を決定する演出決定手段を備えているのに対して,甲1発明では,演出制御手段は,演出決定手段を備えておらず,また,1ゲーム演出も複数ゲーム演出も実行しない場合を備えておらず,事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容している旨を示しているときには該特別の入賞の発生を許容している旨を示していないときよりも高い確率で前記複数ゲーム演出を実行していない点。

<相違点5>
本件訂正発明1では,前記演出決定手段による1ゲーム演出を実行する旨の決定に従って該1ゲーム演出を前記演出手段に実行させるとともに,前記演出決定手段による複数ゲーム演出を実行する旨の決定に従って該複数ゲーム演出の前記演出段階記憶手段に記憶された情報に応じて前記初期段階,中途段階及び最終段階の演出を順次前記演出手段に実行させる演出実行手段とを備えているのに対して,甲1発明では,相違点3,相違点4のとおり,演出決定手段,演出段階記憶手段を備えていないので,そのような構成を備えていない点。

<相違点6>
本件訂正発明1では,前記演出実行手段が,前記演出決定手段により前記複数ゲーム演出を実行する旨が決定されたときに該複数ゲーム演出の初期段階の演出を実行するとともに,該初期段階の演出の実行により該初期段階の演出までを実行した旨を示す情報を前記演出段階記憶手段に記憶させて該複数ゲーム演出の中途段階以降の演出を実行し得る状態に移行させているのに対して,甲1発明では,相違点3,相違点4のとおり,演出決定手段,演出段階記憶手段を備えていないので,そのような構成を備えていない点。

<相違点7>
本件訂正発明1では,前記演出実行手段は,前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容していない旨を示しているときに,前記最終段階の演出を実行させることなく前記中途段階の演出までで前記複数ゲーム演出を終了させ,前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容している旨を示していることを条件として前記中途段階の演出が終了した後に前記最終段階の演出を実行させることが可能であるのに対して,甲1発明では,そのように構成されていない点。

(3)相違点についての検討
上記各相違点について検討する。
<相違点1,2,7について>
相違点1,2,7は,関連しているのであわせて検討する。
請求人は,口頭審理陳述要領書の17?21頁において,風営適正化法に基づく遊技機に対する行政規制の歴史的経過を踏まえ,甲第1号証の出願当時の当業者の技術常識を踏まえて,甲第1号証を素直に読めば,甲1発明は,構成1cを有しているものといえる,と主張しており,例えば,請求人は「甲1号証の段落【0124】の「別個に設けられた連続演出用の乱数抽選器を用いて実施することができる。」との記載は,・・・制御部200の中に設けられた乱数発生器11から乱数がサブ制御部201に送信され,SubCPUS10が連続演出の抽選を行うことが記載されていると解するのが当時の当業者の技術常識に従った理解である。」と主張するが,甲1号証には,MainCPU10からSubCPUS10に内部入賞に関するコマンドが送信されることは記載されていないし,段落【0124】の記載は,制御部200に設けた内部入賞役を決定する乱数発生器(当審にて「乱数抽選器」は「乱数発生器」の誤記と認めた。)で一緒に抽選していた連続演出を開始するかどうかの抽選を,それとは別に制御部200に設けた乱数発生器を用いて実施することができるという記載であるから,制御部200とは別の場所で,かつ,サブ制御部201に設けることが記載されているとは到底いえない。
しかしながら,請求人は弁駁書の4?5頁において,「内部抽選の結果を示すデータをコマンドと称して遊技制御手段から演出制御手段に送信し,演出制御手段により受信することは,甲第1号証,甲第5号証,甲第6号証や参考資料2にあるように周知慣用手段に過ぎない。したがって,甲第1号証のMainCPU10からSubCPUS10に「事前決定コマンド」と同等の内部入賞の結果を示すデータが送信され,SubCPUS10がこれを受信することが記載されている。」とも主張しており,平成23年4月12日付け上申書の7頁においては,「6-2-5 周知技術と甲第1号証」として,「問題は,送信される信号が「事前決定手段の決定結果を示す」ものを送信することまでが周知技術といえるか否かという点にあるにすぎない。」と主張しているので検討すると,内部抽選の結果を示すデータを遊技制御手段から演出制御手段に送信し,演出制御手段により受信し,演出内容を決定し,演出を実行する手段を備えることが周知・慣用技術であれば,相違点1,2,7において,本件訂正発明1と甲1発明とが実質的に同一であるということができる。
そして,遊技機の分野において,内部抽選の結果を示すデータを遊技制御手段から演出制御手段に送信し,演出制御手段により受信し,演出内容を決定し,演出を実行する手段を備えることは,例えば,請求人が参考資料2として提示した特開2001-170300号公報(特に,段落【0042】,【0043】),特開2001-706号公報(特に,段落【0023】,【0029】,【0030】,【0037】)に見られるように周知・慣用技術であって,甲1発明に上記周知・慣用技術を付加することにより,新たな効果を奏しないので,相違点1,2,7は,課題解決のための具体化手段における微差であり,相違点1,2,7において,本件訂正発明1と甲1発明とは実質的に同一である。

<相違点3について>
甲第1号証の連続演出1の変形例では,報知を「E1」→「E2」→「E3」→「E4」と,連続するゲームで実施される連続演出の内容を抽選によらず固定して行うことが記載されているのみで,その具体的な制御については記載されていないため,「いずれの段階の演出までを実行したかを示す情報を記憶する演出段階記憶手段」は記載されているとはいえない。また,報知を「E1」→「E2」→「E3」→「E4」と,連続するゲームで実施される連続演出の内容を抽選によらず固定して行う場合の制御として,いずれの段階の演出までを実行したかを示す情報を記憶する演出段階記憶手段を備えることが周知・慣用技術であると認めることができないので,相違点3が課題解決のための具体化手段における微差であるとすることはできない。
なお,上記「第5.甲第1?第14号証の記載事項」で述べたとおり,請求人は,口頭審理において,「甲第1号証の段落【0122】に記載されている「連続演出1」の変形例を先願発明とする。」と主張したものの,審判請求書の68頁では,連続演出2を根拠に,弁駁書の7頁では連続演出1と連続演出2を根拠に,口頭審理陳述要領書の22?23頁では,連続演出1と連続演出2を根拠に,それぞれ主張しているだけであるため,連続演出1の変形例を根拠としての相違点3については実質的に主張がなされていない。
したがって,相違点3において本件訂正発明1と甲1発明は実質的に同一であるということはできない。

<相違点4について>
甲第1号証の連続演出1の変形例では,報知を「E1」→「E2」→「E3」→「E4」と連続するゲームで実施される連続演出の内容を抽選によらず固定して行うことは記載されているものの,その他の場合についての詳細な制御については記載されていないため,連続演出1で内容を抽選により決定する場合の「演出なし」の扱いについては明らかでなく,請求人も口頭審理陳述要領書の10?11頁で認めているとおり連続演出1の変形例において「演出なし」を備えているとはいえない。また,1ゲーム演出と複数ゲーム演出を実行する場合に,1ゲーム演出も複数ゲーム演出も実行しない場合を備えることが周知・慣用技術であると認めることができないので,相違点4が課題解決のための具体化手段における微差であるとすることはできない。
しかしながら,請求人は同11頁において「さらに,段落【0102】には,「なお,内部情報の報知1?4については,1ゲームにおいて全て報知を行う必要は必ずしもなく,また,内部情報の報知1?4以外の任意のタイミングで報知することもできることはいうまでもない。」との記載がある。・・・そうすると段落【0102】には,1ゲームの間に「報知」の演出を行わない場合があることが記載されている。遊技機において,内部入賞を報知しないことが基本であり,報知しないことは一々記載しないものである。」と主張しているので,この点につき検討する。
段落【0102】には「なお,内部情報の報知1?4については,1ゲームにおいて全て報知を行う必要は必ずしもなく,また,内部情報の報知1?4以外の任意のタイミングで報知することもできることはいうまでもない。」と記載されており,この記載は,内部情報の報知1?4について,全て,すなわち報知1?4の全てを行う必要が必ずしもなく,報知1?3,報知1,3,4,報知2?4或いは報知1のみ等,一部だけを行っても良い,ということが記載されているのみであり,報知1?4の全てを行わない(すなわち,報知なし)ことが記載されているとはいえない。
したがって,請求人の上記主張は採用することができない。
なお,演出制御手段が,演出決定手段を備える点に限っては,上記<相違点1,2,7について>で検討したとおり,周知・慣用技術であって,甲1発明に上記周知・慣用技術を付加することにより,新たな効果を奏しないので,その点は,課題解決のための具体化手段における微差である。
したがって,相違点4において本件訂正発明1と甲1発明は実質的に同一であるということはできない。

<相違点5,6について>
演出決定手段については,上記<相違点1,2,7について>で検討したとおり,周知・慣用技術であって,甲1発明に上記周知・慣用技術を付加することにより,新たな効果を奏しないので,その点は,課題解決のための具体化手段における微差であるものの,演出段階記憶手段については,上記<相違点3について>で検討したとおり,甲1号証には記載されておらず,また,周知・慣用技術であると認めることができないので,課題解決のための具体化手段における微差であるとすることはできない。
したがって,相違点5,6において本件訂正発明1と甲1発明は実質的に同一であるということはできない。

(4)小括り
以上のとおりであるから,本件訂正発明1と甲1発明は上記相違点3?6において相違し,上記各相違点は課題解決のための具体化手段における微差であるとはいえないから,本件訂正発明1と甲1発明とが同一であるとすることはできず,本件特許は,特許法第29条の2の規定に違反してされたものではない。
したがって,無効理由2は理由がない。

3.無効理由3について
請求人は,本件訂正発明1が,甲第8号証に記載された発明に,甲第9号証?甲第12号証に記載された発明及び甲第2号証?甲第7号証に見られる周知技術を組み合わせることで,本件訂正発明2が,甲第8号証に記載された発明に,甲第13号証に記載された発明及び甲第2号証?甲第7号証に見られる周知技術を組み合わせることで,本件訂正発明3が,甲第8号証に記載された発明に,甲第14号証に記載された発明を組み合わせることで,本件訂正発明4が,甲第8号証に記載された発明に基づいて,本件訂正発明5が,甲第8号証に記載された発明に基づいて,本件訂正発明6が,甲第8号証に記載された発明に基づいて,本件訂正発明7が,甲第8号証に甲第11号証を組み合わせることで,それぞれ当業者が容易になし得たものに過ぎず,本件訂正発明1?7は進歩性を欠くものであって,特許法第29条第2項により無効にされるべきものである,と主張しているので以下に検討する。

(1)甲第8号証に記載の発明
上記第5.において摘記した甲第8号証(特開2001-187179号公報)の記載事項によれば,甲第8号証には,次の発明(以下「甲8発明」という。)が記載されている。
「メダルの投入を検知したときは,その投入されたメダル枚数に応じて有効ラインを有効化する処理等を行い,スタートスイッチ41がオンされたか否かを検知し続け,スタートスイッチ41のオンが検知されると,役抽選手段61は,役の抽選を行い,全てのリール31の停止時に,有効ラインに停止した図柄の組合せが予め定められた役の図柄の組合せと一致するときは,その役の入賞となり,メダルの払出し等,成立役に応じた利益が遊技者に与えられるスロットマシンにおいて,
遊技の進行や演出等を含むスロットマシン10全体を統括制御する演算等を行うCPUと,遊技の進行等に必要なプログラムや演出用のデータ等を記憶しておくROMと,CPUが各種の制御を行うときに,取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等とを備えた制御手段50を備え,
制御手段50は,遊技用制御手段60と,演出用制御手段70とを備え,
遊技用制御手段60は役抽選手段61を備え,
遊技者によりスタートスイッチ41がオンされた時に,役抽選手段61は,役(ビックボーナス等の特別役,小役又はリプレイ)の抽選を行い,
特別役は,通常遊技から特別遊技(遊技者にとって有利な遊技)に移行させる役であり,
画像演出装置35,スピーカ34,バックランプ33により演出を行い,
演出用制御手段70は,スロットマシン10の制御のうち,特に演出に関する制御を行うものであって,
演出制御手段70が備えた演出パターン選択手段75は,遊技ごとに,役抽選手段61での役の抽選結果や遊技状態等に基づいて,演出パターンデータテーブル選択手段74によって選択された演出パターンデータテーブル71から,いずれかの演出パターンを抽選によって選択し,続き演出パターンデータテーブル72が選択されている場合は,この続き演出パターンデータテーブル72から,いずれかの続き演出パターンを抽選によって選択し,
各演出パターン(続き演出パターンを含む)は,役抽選手段61の抽選結果に応じて,それぞれ選択確率が予め定められており,特別役が当選した場合又は特別役が既に当選しているが入賞していない場合は,特別役の当選を告知する演出パターンが高確率で選択され,非当選時は,役に当選している可能性が低いことを意味する演出パターンが高確率で選択され,
画像演出装置35,スピーカ34,バックランプ33による演出パターンには,全く演出が行われない場合と,遊技ごとに演出が行われる場合と,連続する3遊技以上の複数回の連続する遊技にわたって一連の演出を行う場合があり,該一連の演出を行うようにした連続遊技演出パターンは,特別役が当選している可能性が高いことを意味する演出である,
スロットマシン。」

(2)対比
本件訂正発明1と甲8発明を対比すると,甲8発明の「メダルの投入を検知」は本件訂正発明1の「1ゲームに対して賭け数を設定」に相当し,以下同様に,
「スタートスイッチ41がオンされたか否かを検知し続け」は「ゲームを開始させることが可能となり」に,
「全てのリール31」は「可変表示装置」に,
「有効ラインに停止した図柄の組合せ」は「可変表示装置の表示結果」に,
「予め定められた役」「の入賞」は「所定の入賞が発生」に,
「遊技の進行や演出等を含むスロットマシン10全体を統括制御する」は「遊技の進行を制御する」に,
「遊技用制御手段60」は「遊技制御手段」に,
「役抽選手段61」は「事前決定手段」に,
「特別役」は「予め定められた特別の入賞」に,
「通常遊技から特別遊技(遊技者にとって有利な遊技)に移行させる」は「遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させる」に,
「画像演出装置35,スピーカ34,バックランプ33」は「演出手段」に,
「演出用制御手段70」は「演出制御手段」に,
「(遊技ごとに,役抽選手段61での役の抽選結果や遊技状態等に基づいて・・・の)遊技」は「1ゲーム」に,
「(画像演出装置35,スピーカ34,バックランプ33による演出パターンには,)全く演出が行われない」は「前記1ゲーム演出も前記複数ゲーム演出も実行しない」に,
「(画像演出装置35,スピーカ34,バックランプ33による演出パターンには,)遊技ごとに行われるもの」は「1ゲーム演出」に,
「一連の演出を行うようにした連続遊技演出パターン」は「複数ゲーム演出」に,
それぞれ相当する。

また,甲8発明において,全てのリール31の停止時に,有効ラインに停止した図柄の組合せが予め定められた役の図柄の組合せと一致するときは,その役の入賞となり,メダルの払出し等,成立役に応じた利益が遊技者に与えられると,開始した遊技(上記のとおり本件訂正発明1の「1ゲーム」に相当)が終了することは技術常識であるから,甲8発明は「可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了」していることは明らかである。

また,甲8発明の特別役は,通常遊技から特別遊技(遊技者にとって有利な遊技)に移行させる役であることから,移行させるための何らかの手段を備えることは自明であるため,甲8発明が「遊技状態移行手段」を備えていることは明らかである。

また,甲第8号証の段落【0064】には「・・・連続遊技演出パターンが選択されているときは,次の遊技に演出が続くようになる。この場合は,次遊技を行うためにメダルを投入すると,画像表示装置35の画像が切り替わる。例えば,前遊技では,弾がターゲットに当たらなかった画像が表示されたものとする。そして,次遊技におけるメダル投入時に,その画像が切り替わり,例えば新たな他のキャラクターが登場して弾をさらに追加し,その弾で再度,射撃を行う画像が表示される。・・・」と記載されているように2遊技で連続遊技演出を行うことが記載されており,同段落【0086】には「(3)本実施形態では,最初の遊技で連続遊技演出パターンが選択されたときは,次遊技にまで演出が続くようにした。しかし,これに限らず,連続する3遊技以上で,一連の演出を行うようにしても良い。」と記載されていることから,前記した2遊技での演出態様を3遊技で行うようにすることが記載されている。してみると,甲第8号証に記載の発明は「複数ゲーム演出は,該複数ゲーム演出の最初のゲームで実行される初期段階の演出と,該初期段階の演出が実行された後のゲームで実行される中途段階の演出と,該中途段階の演出が実行されたゲームよりもさらに後に実行される最終段階の演出とを含」んでいるといえる。

また,甲第8号証の段落【0072】,【0073】には,「・・・BBが入賞したと判別したときは,ステップS26に進んで,演出パターン選択手段75は,特定演出パターンを選択する。そして,次のステップS27で,演出出力制御手段79は,特定演出パターンに基づいて,画像表示装置35に所定の画像を表示し,本フローチャートによる処理を終了する。」,「このようにするのは,それまで一定の演出を行っていたが,BBが入賞したときは,もはや役の当選可能性に関する演出を行う必要がないので,BBゲームに関する画像表示を行うためである。・・・」と記載されており,連続する3遊技以上の複数回の連続する遊技にわたって一連の演出を行っている途中の遊技(例えば,2番目の遊技)でBBに入賞した場合は,その次の演出は行われないのであるから,甲第8号証に記載の発明は「該最終段階の演出が実行されずに終了する場合」があるといえる。

また,甲8発明では,特別役が当選している可能性が高いことを意味する演出を備えており,あくまでも,「可能性が高い」だけであるものの,本件訂正発明1では「特別の入賞の発生を許容しているか否かに関する情報を示す演出」を演出手段に実行させたり,「特別の入賞の発生を許容しているか否かを示す情報」を報知したりしている。ここで,本件訂正発明1における
「特別の入賞の発生を許容しているか否かに関する情報を示す演出」及び「特別の入賞の発生を許容しているか否かを示す情報」について検討すると,両者は文言が異なる部分があるものの,特許明細書の段落【0094】,【0095】の記載から,前記「情報」の双方には,「告知演出」と「予告演出」とを包含し得ることは明らかである。
したがって,甲8発明の「特別役が当選している可能性が高いことを意味する演出」は,本件訂正発明1の「特別の入賞の発生を許容しているか否かに関する情報を示す演出」及び「特別の入賞の発生を許容しているか否かを示す情報」の双方に相当するといえる。

また,甲第8号証の段落【0084】には「一方,ステップS50で連続遊技演出パターンであると判別されたときは,ステップS51に進み,遊技用制御手段60は,次遊技に移行したか否か,すなわち次遊技を開始するためにメダルが投入されたか否かを,メダルセンサ45又はベットスイッチ43からの入力信号によって検知し続ける。そして,これを検知したときは,ステップS52に進み,演出出力制御手段79は,連続遊技演出パターンに基づいて画像表示装置35に所定の画像を表示する。・・・」と記載されており,連続遊技演出パターンが実行されているときには,いずれの演出を実行するかを決定しない。そして,連続遊技演出パターンが実行されていないときに,いずれかの演出を決定していることは自明であり,各演出パターン(続き演出パターンを含む)は,役抽選手段61の抽選結果に応じて,それぞれ選択確率が予め定められているので,役抽選手段61の抽選結果を何らかの形で記憶していることは明らかであることから,送受信しているかはさておき「事前決定コマンド」を備えているといえる。したがって,甲第8号証に記載の発明は「前記複数ゲーム演出が実行されていないときにおいて,事前決定コマンドに基づいて,前記1ゲーム演出を実行するか,前記複数ゲーム演出を実行するか,或いは前記1ゲーム演出も前記複数ゲーム演出も実行しないかを決定」しているといえ,そのような機能を備えているのであるから「演出決定手段」を有していることは自明である。

また,甲8発明では演出を行っているのであるから,「演出実行手段」を有していることは自明である。

よって,本件訂正発明1と甲8発明とは,
「1ゲームに対して賭け数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり,可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し,該可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて,
前記入賞の発生を許容するかどうかを事前に決定する事前決定手段と,
遊技の進行を制御する遊技制御手段と,
予め定められた特別の入賞が発生することにより,遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と,
コマンドに基づいて前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容しているか否かに関する情報を示す演出を演出手段に実行させる演出制御手段とを備え,
前記演出制御手段が前記演出手段に実行させる演出は,1ゲームの期間内で実行される1ゲーム演出と,複数ゲームの期間に亘って実行される複数ゲーム演出とが含まれ,
前記複数ゲーム演出は,該複数ゲーム演出の最初のゲームで実行される初期段階の演出と,該初期段階の演出が実行された後のゲームで実行される中途段階の演出と,該中途段階の演出が実行されたゲームよりもさらに後に実行される最終段階の演出とを含み,該複数ゲーム演出により前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容しているか否かを示す情報を報知するとともに,該最終段階の演出が実行されずに終了する場合があり,
前記演出制御手段は,
前記複数ゲーム演出が実行されていないときにおいて,事前決定コマンドに基づいて,前記1ゲーム演出を実行するか,前記複数ゲーム演出を実行するか,或いは前記1ゲーム演出も前記複数ゲーム演出も実行しないかを決定する演出決定手段と,
前記演出決定手段による1ゲーム演出を実行する旨の決定に従って該1ゲーム演出を前記演出手段に実行させるとともに,前記演出決定手段による複数ゲーム演出を実行する旨の決定に従って前記初期段階,中途段階及び最終段階の演出を順次前記演出手段に実行させる演出実行手段とを含み,
前記演出実行手段は,
前記演出決定手段により前記複数ゲーム演出を実行する旨が決定されたときに該複数ゲーム演出の初期段階の演出を実行するとともに,該複数ゲーム演出の中途段階以降の演出を実行する
スロットマシン。」
の点で一致し,以下の点で相違する。

<相違点1>
本件訂正発明1では,遊技制御手段が各回のゲームにおいて前記事前決定手段の決定結果を示す事前決定コマンドを送信するのに対して,甲8発明では,CPUを備えた制御手段50に遊技用制御手段60と,演出用制御手段70とを備えており,遊技用制御手段60が事前決定コマンドを送信していない点。

<相違点2>
本件訂正発明1では,演出制御手段が前記遊技制御手段から送信された事前決定コマンドを受信し,該受信したコマンドに基づいて前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容しているか否かに関する情報を示す演出を演出手段に実行させているのに対して,甲8発明では,相違点1のとおり遊技用制御手段60が事前決定コマンドを送信していないため,それにより,演出制御手段が前記遊技制御手段から送信された事前決定コマンドを受信し,該受信したコマンドに基づいて演出を実行させていない点。

<相違点3>
本件訂正発明1では,演出制御手段が,前記初期段階の演出と,前記中途段階の演出のうちのいずれの段階の演出までを実行したかを示す情報を記憶する演出段階記憶手段を備え,前記演出決定手段による複数ゲーム演出を実行する旨の決定に従って該複数ゲーム演出の前記演出段階記憶手段に記憶された情報に応じて前記初期段階,中途段階及び最終段階の演出を順次前記演出手段に実行させる演出実行手段を備えているのに対して,甲8発明では,そのような構成を備えていない点。

<相違点4>
本件訂正発明1では,演出決定手段が,遊技制御手段から受信した事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容している旨を示しているときには該特別の入賞の発生を許容している旨を示していないときよりも高い確率で前記複数ゲーム演出を実行する旨を決定しているのに対して,甲8発明では,そのような構成を備えていない点。

<相違点5>
本件訂正発明1では,該初期段階の演出の実行により該初期段階の演出までを実行した旨を示す情報を前記演出段階記憶手段に記憶させて該複数ゲーム演出の中途段階以降の演出を実行し得る状態に移行させているのに対して,甲8発明では,そのような構成を備えていない点。

<相違点6>
本件訂正発明1では,前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容していない旨を示しているときに,前記最終段階の演出を実行させることなく前記中途段階の演出までで前記複数ゲーム演出を終了させ,前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容している旨を示していることを条件として前記中途段階の演出が終了した後に前記最終段階の演出を実行させることが可能であり,該複数ゲーム演出の最終段階の演出を実行させることにより前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容している旨を報知しているのに対して,甲8発明では,そのような構成を備えていない点。

(3)相違点についての検討
上記各相違点について検討する。

<相違点1,2について>
相違点1,2については,関連しているのであわせて検討する。
遊技機の分野において,内部抽選の結果を示すデータを遊技制御手段から演出制御手段に送信し,演出制御手段は,受信した前記データにより演出内容を決定し,演出を実行する手段を備えることは,例えば,請求人が参考資料2として提示した特開2001-170300号公報(特に,段落【0042】,【0043】),特開2001-706号公報(特に,段落【0023】,【0029】,【0030】,【0037】)に見られるように周知・慣用技術である。そして,甲8発明では,制御手段50に遊技用制御手段60と,演出用制御手段70とを備えていることが記載されているのみで,遊技用制御手段60と,演出用制御手段70とにCPUを備えて独立した制御手段とすることは記載されていないものの,遊技用と演出用の機能を一つのCPUを備えた制御手段上に備えることは記載されており,遊技用の制御手段の処理負担を軽減させるという課題は遊技機が潜在的に備える課題であるから,甲8発明に上記周知・慣用技術を採用して,相違点1,2に係る発明の構成とすることは当業者が容易になし得たことである。

<相違点3について>
甲第8号証では,連続遊技演出パターンによる演出表示をする場合に,図5のS50において,Yesに進みS51にて,メダルの投入が検出されるとS52にて,連続遊技演出パターンに基づく画像表示演出を行うこととなる。そして,段落【0086】に記載のように連続する3遊技以上で,一連の演出を行うようにした場合の処理については記載されていない。
しかしながら,複数回,同様の処理をする場合に,その処理をサブルーチン化することは,例示するまでもなく慣用的に行われている慣用技術であるため,甲8号証に記載の発明において,連続遊技演出パターンに基づく画像表示演出を行う処理をサブルーチン化することは,当業者にとって何ら格別の困難性はなく,連続する3遊技以上で,一連の演出を行うにあたって,サブルーチンで処理を行う場合には,一連の演出のどの演出を行っているのかを何らかの形で記憶しておく必要があることは当然のことであるから,甲8号証に記載の発明に上記慣用技術を採用する際に演出段階を記憶する手段を設け,相違点3に係る発明の構成とすることは当業者が容易になし得たことである。

<相違点4について>
甲8発明では,連続遊技演出パターンと特別の入賞の発生を許容しているか否かによる選択確率との関係が明記されていないものの,甲第8号証の段落【0050】には「なお,各演出パターン(続き演出パターンを含む)は,役抽選手段61の抽選結果に応じて,それぞれ選択確率が予め定められている。例えば,特別役が当選した場合又は特別役が既に当選しているが入賞していない場合は,特別役の当選を告知する演出パターンが高確率で選択される。また,非当選時は,役に当選している可能性が低いことを意味する演出パターンが高確率で選択される。」と記載されている。そして,連続遊技演出パターンは,次遊技への期待を持つことができる演出であることから,遊技ごとに行われる演出よりも遊技者にとって期待感を持たせることができる演出と位置づける点に格別の困難性はなく,そうすると,甲8発明において,連続遊技演出パターンを特別役の当選を告知する演出パターンとして,特別の入賞の発生を許容している旨を示しているときには該特別の入賞の発生を許容している旨を示していないときよりも高い確率で選択するようにして,相違点4に係る発明の構成とすることは当業者が容易になし得たことである。

<相違点5について>
被請求人は,口頭審理において「本件特許の請求項1に記載の「受信した事前決定コマンド」は,どの時点に受信した事前決定コマンドであるかは問わない。」と主張し(口頭審理調書参照),複数ゲーム演出をする場合の最初のゲームで受信した事前決定コマンドによりどの段階の演出まで実行するかを決定するものをも包含する旨主張しているものの,最初のゲームで受信した事前決定コマンドによりどの段階の演出まで実行するかを決定しているならば,初期段階の演出を実行した後に,必ず中途段階の演出を実行することとなる。
しかしながら,本件訂正発明1では,「該複数ゲーム演出の中途段階以降の演出を実行し得る状態に移行させ」との特定から明らかなとおり,「実行し得る状態」,すなわち,実行することも実行しないこともあり得る状態に移行させることから,仮に被請求人の主張のとおり解釈したならば当該特定事項と整合しなくなることとなる。
そうすると,本件訂正発明1で「該複数ゲーム演出の中途段階以降の演出を実行し得る状態に移行させ」るためには,少なくとも初期段階の演出を実行した後のゲームで受信した事前決定コマンドによりどの段階の演出まで実行するかを決定していると認められる。
また,「演出段階記憶手段」を備えることは,上記<相違点3について>で既に検討したとおり当業者が容易になし得たことである。
また,請求人は審判請求書の80頁及び弁駁書の18頁で甲第8号証には「・・・「複数ゲーム演出を実行する旨が決定されたときに該複数ゲーム演出の初期段階の演出を実行する」こと,「中途段階以降の演出」を実行することが記載されている」と主張している。
甲第8号証には中途段階以降の演出を実行することは記載されているが,段落【0059】,【0064】によれば,連続遊技演出パターンが選択されているときは,次の遊技に演出が続くようになるのであるから,中途段階以降の演出を実行し得る状態に移行させることは記載されておらず,請求人の提出した甲各号証にも記載がないため,これを容易に想到し得たとすることもできない。
そして,当該構成により,本件訂正発明1の複数ゲーム演出は,最後まで実行される場合も途中で中止させられる場合もあるため,演出のバリエーションが多くなり,遊技の興趣を向上させることができるという効果を奏する。
以上のとおり,相違点5については,その一部については容易になし得たことであるが,全体としてこれを容易になし得たとすることはできない。

<相違点6について>
(イ)まず,相違点6に関する構成のうち「前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容していない旨を示しているときに,前記最終段階の演出を実行させることなく前記中途段階の演出までで前記複数ゲーム演出を終了させ」について検討する。
ここで,相違点6に係る請求人の主張を検討すると,請求人は口頭審理陳述要領書の13頁では「一方,構成1l(当審注:審判請求書6頁?8頁ににおける請求人による分説での記号)については,以下のとおり甲第8号証に記載されている。甲第8号証の段落【0050】には「非当選時は,役に当選している可能性が低いことを意味する演出パターンが高確率で選択される」との記載があり,段落【0086】には「連続する3遊技以上で,一連の演出を行うようにしても良い。」との記載があり,タイプ1の演出の流れを記載した段落【0072】?【0077】の特に段落【0076】には「ステップS34で,演出パターン選択手段75は,役抽選手段61の役の抽選結果に基づいて,続き演出パターンテーブル72から,いずれかの続き演出パターンを選択する」とある。そうすると,3遊技にわたる連続演出を行う変形例の手順を,タイプ1の演出処理に当てはめると,特別役の非当選に基づき,役に当選している可能性が低いことを意味する演出パターンが選択されて連続演出(非当選の「うその連続演出」」が開始し,次のゲームの抽選結果(甲8の図4のステップS32)が特別役の当選となると役に当選している可能性が高いことを意味する続き演出パターンが選択(ステップS33)されて連続演出(当選の「本当の連続演出」)が続くと解するのが自然である。このような場合に,段落【0086】のように3遊技にわたる連続演出の実行中に,2遊技目の全リール停止時に特別役に入賞すれば,上記したとおり,ステップS25のYesを経てステップS26,S27により,どの段階であっても実行中の連続演出を止めて特定演出パターンの演出に切り替わると解される。すなわち,甲第8号証には,特別役の非当選に基づき実行開始された連続演出(非当選の「うその連続演出」)が,途中の遊技での抽選結果が特別役の入賞になれば,その連続演出をいずれの段階であっても中止して特定演出パターンの演出が実行されることが示唆されている。」(以下で「主張1」という。),「・・・そうすると,残りの低い確率は,役に当選している可能性が高いことを意味する演出パターンが選択されるか,あるいは,何も選択されないかという二義を有することになる。」・・・よって,甲第8号証には,構成1lのように,事前決定コマンドが特別の入賞の発生を許容していない旨を示しているときに,最終段階の演出が実行されずに終了することが記載されている。」(以下で「主張2」という。」と主張している。
(イ-1)主張1について
確かに,甲第8号証では,特別役の非当選に基づき実行開始された連続演出が,途中の遊技での抽選結果が特別役の入賞になれば,その連続演出をいずれの段階であっても中止して特定演出パターンの演出が実行されることが記載されている。しかしながら,本件訂正発明1の構成1lは「前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容していない旨を示しているときに,前記最終段階の演出を実行させることなく前記中途段階の演出までで前記複数ゲーム演出を終了させ」であり,事前決定コマンドが遊技制御手段から受信したものかはおくとして,「事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容していない旨を示しているとき」に「前記最終段階の演出を実行させることなく前記中途段階の演出までで前記複数ゲーム演出を終了させ」るという特定事項であって,「前記最終段階の演出を実行させることなく前記中途段階の演出までで前記複数ゲーム演出を終了させ」る条件が「事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容していない旨を示しているとき」である。
そこで,甲第8号証において「連続演出をいずれの段階であっても中止」する条件について検討すると,連続演出が実行開始された状態で「途中の遊技での抽選結果が特別役の入賞」になった場合であり,「・・・BBが入賞したときは,もはや役の当選可能性に関する演出を行う必要がない・・・」(甲第8号証の段落【0073】)ためにそのようにするのであるから目的も異なっている。
そうすると,本件訂正発明1と甲8発明では,「前記最終段階の演出を実行させることなく前記中途段階の演出までで前記複数ゲーム演出を終了させ」る条件が相違しているから,甲第8号証には構成1lは記載されているとはいえず,請求人の提出した甲各号証にも記載がないため,これを容易に想到し得たとすることはできない。
(イ-2)主張2について
請求人が主張するとおり甲第8号証の段落【0050】の「非当選時には,役に当選している可能性が低いことを意味する演出パターンが高確率で選択される。」との記載は,非当選時には,役に当選している可能性が低いことを意味する演出パターンが選択される可能性が100%ではないが高い確率で選択されるということである。しかしながら,残りの低い確率は,役に当選している可能性が高いことを意味する演出パターンが選択されるということであり,何も選択されないという選択肢が存在することは,甲第8号証には記載されておらず(段落【0059】,【0064】によれば,連続遊技演出パターンが選択されているときは,次の遊技に演出が続くようになるため),請求人の提出した甲各号証にも記載がないため,これを容易に想到し得たとすることはできない。

(ロ)次に,相違点6に関する構成のうち「前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容している旨を示していることを条件として前記中途段階の演出が終了した後に前記最終段階の演出を実行させることが可能であり,該複数ゲーム演出の最終段階の演出を実行させることにより前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容している旨を報知する」について検討する。
上記(イ)で検討したとおり,特別の入賞の発生を許容していることを条件として,複数ゲーム演出において,最終段階の演出を実行させることを可能とすることは甲第8号証に記載されておらず,請求人の提出した甲各号証にも記載がないため,これを容易に想到し得たとすることはできない。
そして,当該構成により,最終の段階の演出の実行が,特別の入賞の発生を許容していることの告知となるので,長時間の演出を行うことが遊技の興趣を向上させる結果となるという効果を奏する。
なお,請求人は,審判請求書の88頁で「しかし,甲第12号証の段落【0068】には,冬リーチが選択された場合に,中図柄が4周するまでスクロール(春1周,夏1周,秋1周,冬1周まで)し,このとき冬リーチの場合,100%大当りが発生する旨の記載があり,・・・最終の段階である冬の背景の演出画像が表示されることにより,遊技者対して100%大当りが発生する旨が報知されるということが,甲第12号証に記載されている。」と主張しているが,甲第12号証に記載の発明は,そもそも複数ゲームの期間に亘って実行される演出ではないため,請求人の主張は妥当ではなく,採用することができない。
また,請求人は,審判請求書の87頁で「すなわち,甲第8号証の記載によれば,連続遊技演出パターンによる演出において,特別役に当選との抽選結果に基づき,最初の遊技(初期段階)に続く遊技(中途段階)の終了後に,これ続く次の遊技(最終段階)の演出を実行させる旨が記載されている。」と主張しているが,甲第8号証では,抽選結果とは無関係に最終段階の演出を実行するため,当該主張は失当であり,採用することができない。
また,請求人は,弁駁書の22頁で「そして,続き演出パターンデータテーブル72の演出パターンは,段落【0086】に記載のような連続する3遊技以上での一連の演出パターンであり,特別の入賞などの役の当選の場合にはこれを告知するために最終段階の演出まで実行されることは明らかである。」と主張しているが,甲第8号証では,抽選結果とは無関係に最終段階の演出を実行するため,当該主張は失当であり,採用することができない。

(3)小括り
本件訂正発明1は,上記相違点5,6について容易になし得たものということができず,請求人の提出した甲第2?第14号証及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

また,その他の請求項に係る発明(本件訂正発明2?7)は少なくとも上記請求項1又は上記請求項1を引用した請求項を引用して記載しているものであるから,同様に請求人の主張,証拠方法によっては,これを無効とすることはできない。

第7.むすび
以上のとおり,請求人の主張及び証拠方法によっては,本件訂正発明1?7の特許を無効とすることはできない。
審判に関する費用について,特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により,全額を請求人が負担すべきものとする。
よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
スロットマシン
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1ゲームに対して賭け数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、
前記入賞の発生を許容するかどうかを事前に決定する事前決定手段と、
遊技の進行を制御すると共に、各回のゲームにおいて前記事前決定手段の決定結果を示す事前決定コマンドを送信する遊技制御手段と、
予め定められた特別の入賞が発生することにより、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、
前記遊技制御手段から送信された事前決定コマンドを受信し、該受信したコマンドに基づいて前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容しているか否かに関する情報を示す演出を演出手段に実行させる演出制御手段とを備え、
前記演出制御手段が前記演出手段に実行させる演出は、1ゲームの期間内で実行される1ゲーム演出と、複数ゲームの期間に亘って実行される複数ゲーム演出とが含まれ、
前記複数ゲーム演出は、該複数ゲーム演出の最初のゲームで実行される初期段階の演出と、該初期段階の演出が実行された後のゲームで実行される中途段階の演出と、該中途段階の演出が実行されたゲームよりもさらに後に実行される最終段階の演出とを含み、該複数ゲーム演出により前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容しているか否かを示す情報を報知するとともに、該最終段階の演出が実行されずに終了する場合があり、
前記演出制御手段は、
前記初期段階の演出と、前記中途段階の演出のうちのいずれの段階の演出までを実行したかを示す情報を記憶する演出段階記憶手段と、
前記複数ゲーム演出が実行されていないときにおいて、前記事前決定コマンドに基づいて、前記1ゲーム演出を実行するか、前記複数ゲーム演出を実行するか、或いは前記1ゲーム演出も前記複数ゲーム演出も実行しないかを決定する手段であって、前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容している旨を示しているときには該特別の入賞の発生を許容している旨を示していないときよりも高い確率で前記複数ゲーム演出を実行する旨を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段による1ゲーム演出を実行する旨の決定に従って該1ゲーム演出を前記演出手段に実行させるとともに、前記演出決定手段による複数ゲーム演出を実行する旨の決定に従って該複数ゲーム演出の前記演出段階記憶手段に記憶された情報に応じて前記初期段階、中途段階及び最終段階の演出を順次前記演出手段に実行させる演出実行手段とを含み、
前記演出実行手段は、
前記演出決定手段により前記複数ゲーム演出を実行する旨が決定されたときに該複数ゲーム演出の初期段階の演出を実行するとともに、該初期段階の演出の実行により該初期段階の演出までを実行した旨を示す情報を前記演出段階記憶手段に記憶させて該複数ゲーム演出の中途段階以降の演出を実行し得る状態に移行させ、
前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容していない旨を示しているときに、前記最終段階の演出を実行させることなく前記中途段階の演出までで前記複数ゲーム演出を終了させ、
前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容している旨を示していることを条件として前記中途段階の演出が終了した後に前記最終段階の演出を実行させることが可能であり、該複数ゲーム演出の最終段階の演出を実行させることにより前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容している旨を報知する
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
遊技者がゲームの開始操作を行ったときに、前記可変表示装置上の識別情報の変動表示を開始させる変動開始手段と、
遊技者が可変停止操作を行ったときに、前記可変表示装置上の識別情報の変動表示を停止させる変動停止手段とをさらに備え、
前記事前決定手段は、遊技者が前記ゲームの開始操作を行ったときに、前記入賞の発生を許容するかどうかを決定し、
前記遊技制御手段は、前記事前決定コマンドを前記演出制御手段に送信する際に、該事前決定コマンドの送信を前記事前決定手段が決定を行ったタイミングからランダムな期間で遅延させる送信遅延処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
【請求項3】
前記演出制御手段は、前記事前決定手段及び前記遊技制御手段とは独立した独自の乱数生成手段をさらに含み、
前記演出決定手段は、前記乱数生成手段により生成した乱数の値と前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドとに従って、前記1ゲーム演出の実行及び前記複数ゲーム演出の実行を決定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスロットマシン。
【請求項4】
前記1ゲーム演出は、1ゲームの期間内で完了して演出の最終結果が示されるものである
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスロットマシン。
【請求項5】
前記複数ゲーム演出は、各回のゲームに対応して各段階が断続的に実行されるものである
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスロットマシン。
【請求項6】
前記複数ゲーム演出は、各回のゲームに対応して分けられた複数の段階を有するものであり、そのうちの中途段階、最終段階の段階の演出は、それぞれ初期段階、中途段階の演出の続きを示すものである
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスロットマシン。
【請求項7】
前記演出決定手段は、前記複数ゲーム演出の各段階の演出を実行させるかどうかを、ゲーム毎に決定する
ことを特徴とする請求項6に記載のスロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットマシンに関し、特に演出の実行の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スロットマシンは、一般に、外周部に複数種類の図柄が描かれた複数のリールを有する可変表示装置を備えており、各リールの回転を停止したときにおける表示態様に従って、有価価値としてメダルを払い出すものである。また、リールの回転を停止したときの表示態様に従って、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を可能としている。
【0003】
つまり、遊技の進行における得失は、可変表示装置に現れる表示態様によって決定されるということができるが、メダルの払い出しや有利な遊技状態への移行を伴う表示態様(以下、入賞態様)は、通常は事前の内部抽選に当選している場合にしか許容されない。また、内部抽選は、複数種類ある入賞態様のそれぞれに対して行われているが、どの態様で当選しているかによって、有利な遊技の進行方法が異なってくる。
【0004】
そこで、従来より、光や音、画像などによる演出によって、内部抽選の結果を遊技者に報知するものとなっている。このような演出は、1ゲーム毎に行われるのが一般的であるが、特開2001-58025号公報に開示されているように、複数回のゲームに亘って演出を行うようにしたスロットマシンも提案されている。この複数回のゲームに亘る演出のように、近年ではスロットマシンにおける演出の内容が複雑になっていく傾向がある。
【0005】
このため、近年のスロットマシンでは、光や音、画像などによる演出を行うための演出装置(ランプ類、スピーカ、液晶表示器など)を制御するための制御回路(演出制御手段)を、遊技の進行を制御するための制御回路(遊技制御手段)とは分けて構成するものもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のスロットマシンでは、演出制御手段が行うのは演出装置の制御だけであり、演出を行うかどうか、さらにはどのような演出を行うかということは、遊技制御手段の側で決定していた。近年では演出の内容が複雑になっていくだけではなく、演出の種類も増える傾向にあるため、このような演出の決定にかかる処理で、遊技制御手段の処理負荷が大きくなってしまうという問題があった。
【0007】
また、上記公報に記載のスロットマシンでは、複数回のゲームに亘る演出を実行するものとしているが、この演出は、いずれかのゲームにおいて実行することを決定すると、予め決められたパターンの演出が各回のゲームに段階が分かれて行われるだけのものであった。これでは、演出の期間が単に長くなっただけのものと変わりがなく、演出のバリエーションとしての斬新さに欠けていた。このため、上記公報に記載のスロットマシンにおけるような演出では、遊技の興趣を十分に向上させることができなかった。
【0008】
本発明は、演出の実行の決定を遊技の進行の制御とは独立して行うことで遊技制御手段にかかる負荷を軽減したスロットマシンを提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、また、斬新な演出を行うことで遊技の興趣を向上させるスロットマシンを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のスロットマシンは、
1ゲームに対して賭け数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、
前記入賞の発生を許容するかどうかを事前に決定する事前決定手段と、
遊技の進行を制御すると共に、各回のゲームにおいて前記事前決定手段の決定結果を示す事前決定コマンドを送信する遊技制御手段と、
予め定められた特別の入賞が発生することにより、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、
前記遊技制御手段から送信された事前決定コマンドを受信し、該受信したコマンドに基づいて前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容しているか否かに関する情報を示す演出を演出手段に実行させる演出制御手段とを備え、
前記演出制御手段が前記演出手段に実行させる演出は、1ゲームの期間内で実行される1ゲーム演出と、複数ゲームの期間に亘って実行される複数ゲーム演出とが含まれ、
前記複数ゲーム演出は、該複数ゲーム演出の最初のゲームで実行される初期段階の演出と、該初期段階の演出が実行された後のゲームで実行される中途段階の演出と、該中途段階の演出が実行されたゲームよりもさらに後に実行される最終段階の演出とを含み、該複数ゲーム演出により前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容しているか否かを示す情報を報知するとともに、該最終段階の演出が実行されずに終了する場合があり、
前記演出制御手段は、
前記初期段階の演出と、前記中途段階の演出のうちのいずれの段階の演出までを実行したかを示す情報を記憶する演出段階記憶手段と、
前記複数ゲーム演出が実行されていないときにおいて、前記事前決定コマンドに基づいて、前記1ゲーム演出を実行するか、前記複数ゲーム演出を実行するか、或いは前記1ゲーム演出も前記複数ゲーム演出も実行しないかを決定する手段であって、前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容している旨を示しているときには該特別の入賞の発生を許容している旨を示していないときよりも高い確率で前記複数ゲーム演出を実行する旨を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段による1ゲーム演出を実行する旨の決定に従って該1ゲーム演出を前記演出手段に実行させるとともに、前記演出決定手段による複数ゲーム演出を実行する旨の決定に従って該複数ゲーム演出の前記演出段階記憶手段に記憶された情報に応じて前記初期段階、中途段階及び最終段階の演出を順次前記演出手段に実行させる演出実行手段とを含み、
前記演出実行手段は、
前記演出決定手段により前記複数ゲーム演出を実行する旨が決定されたときに該複数ゲーム演出の初期段階の演出を実行するとともに、該初期段階の演出の実行により該初期段階の演出までを実行した旨を示す情報を前記演出段階記憶手段に記憶させて該複数ゲーム演出の中途段階以降の演出を実行し得る状態に移行させ、
前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容していない旨を示しているときに、前記最終段階の演出を実行させることなく前記中途段階の演出までで前記複数ゲーム演出を終了させ、
前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドが前記特別の入賞の発生を許容している旨を示していることを条件として前記中途段階の演出が終了した後に前記最終段階の演出を実行させることが可能であり、該複数ゲーム演出の最終段階の演出を実行させることにより前記事前決定手段が前記特別の入賞の発生を許容している旨を報知する
ことを特徴とする。
【0011】
上記スロットマシンでは、演出の実行の制御だけでなく、どのような演出を実行させるかを決定するのも演出制御手段が行っている。このため、遊技制御手段にかかる処理負荷を小さくすることができる。また、演出制御手段が演出手段に実行させる演出は、1ゲーム演出と複数ゲーム演出とがあってバリエーションが多い。このため、遊技の興趣を向上させることができる。また、演出決定手段は、各回のゲームに対応した事前決定コマンドを受信することができるので、複数ゲーム演出が実行されていないときにおいて各回のゲームの事前決定結果に応じて実行すべき演出を決定することができる。
【0012】
上記スロットマシンは、
遊技者がゲームの開始操作を行ったときに、前記可変表示装置上の識別情報の変動表示を開始させる変動開始手段と、
遊技者が可変停止操作を行ったときに、前記可変表示装置上の識別情報の変動表示を停止させる変動停止手段とをさらに備え、
前記事前決定手段は、遊技者が前記ゲームの開始操作を行ったときに、前記入賞の発生を許容するかどうかを決定するものであってもよい。この場合において、
前記遊技制御手段は、前記事前決定コマンドを前記演出制御手段に送信する際に、該事前決定コマンドの送信を前記事前決定手段が決定を行ったタイミングからランダムな期間で遅延させる送信遅延処理を行うことが好ましい。
【0013】
事前決定手段による事前決定は、通常は遊技者がゲームの開始操作を行ったときになされるが、このタイミングでは可変表示装置上の識別情報の変動表示も開始される。事前決定コマンドについて送信遅延処理を行うことで、演出制御基板の側で実行される演出と識別情報の変動表示とにタイミングずれが生じることとなるので、演出によって遊技者による可変停止操作のタイミングが図られるのを防ぐことができる。
【0018】
上記スロットマシンにおいて、
前記演出制御手段は、前記事前決定手段及び前記遊技制御手段とは独立した独自の乱数生成手段をさらに含み、
前記演出決定手段は、前記乱数生成手段により生成した乱数の値と前記遊技制御手段から受信した事前決定コマンドとに従って、前記1ゲーム演出の実行及び前記複数ゲーム演出の実行を決定するものとすることができる。
【0019】
この場合には、演出を決定するための乱数生成を演出制御手段が独自に行うことができるので、その処理負荷が、遊技制御手段にかかることがない。
【0020】
上記スロットマシンにおいて、
前記1ゲーム演出は、1ゲームの期間内で完了して演出の最終結果が示されるものとすることができる。
【0021】
このような内容の1ゲーム演出によって、演出の結果(例えば、事前決定手段の決定結果に関する情報)を遊技者に分かり易く示すことができる。
【0022】
上記スロットマシンにおいて、
前記複数ゲーム演出は、各回のゲームに対応して各段階が断続的に実行されるものであってもよい。また、
前記複数ゲーム演出は、各回のゲームに対応して分けられた複数の段階を有するものであり、そのうちの中途段階、最終段階の段階の演出は、それぞれ初期段階、中途段階の演出の続きを示すものであってもよい。このような複数段階を有するものである場合、各段階を一連のシリーズとして示す演出が構成される。
【0023】
複数ゲーム演出が、連続して行われず、各回のゲームに対応して各段階が断続的に実行されることで長時間の演出で遊技者を飽きさせることを防ぐことができる。また、複数ゲーム演出の各段階の演出を一連のシリーズとして示すことで、遊技の興趣を向上させることができる。
【0024】
ここで、前記演出決定手段は、前記複数ゲーム演出の各段階の演出を実行させるかどうかを、ゲーム毎に決定するものとすることができる。
【0025】
この場合、演出決定手段は、複数ゲーム演出の続きを行うか、それとも複数ゲーム演出を途中で中止させてしまうかを、各回のゲームにおいて決定することとなる。つまり、複数ゲーム演出は、最後まで実行される場合も途中で中止させられる場合もあるため、演出のバリエーションが多くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0029】
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。図2は、図1のスロットマシンの前面扉を開放した状態で視認される内部構造を示す図である。図3は、図1のスロットマシンの前面扉の背面側の構造を示す図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19(図1)にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。
【0030】
図1?図3を参照して説明すると、このスロットマシン1の上部前面側には、可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MRの駆動によって回転/停止させられる。
【0031】
リール3L、3C、3Rの外周部には、図4に示すように、それぞれ「色なし7」、「色つき7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった図柄が所定の順序で描かれている。リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。また、リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SRと、背面から光を照射するリールランプ3LPとが設けられている。
【0032】
また、可変表示装置2の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2の下側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51によって構成され、後述するビッグボーナスやレギュラーボーナス時にゲーム数、入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。
【0033】
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。
【0034】
可変表示装置2の左側には、1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。1枚、2枚、3枚賭け表示部24?28は、賭数に応じて有効化されたライン(以下、有効ラインという)に対応してそれぞれ1枚、2枚、3枚賭けランプ54?58が点灯状態となることで、各ゲームにおける有効ラインを遊技者に示す。1枚、2枚、3枚賭け表示部24?28は、また、後述する役への入賞があった場合に1枚、2枚、3枚賭けランプ54?58が点滅状態となることで、後述する役に入賞した有効ラインを遊技者に示す。
【0035】
可変表示装置2の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
【0036】
可変表示装置2の上側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、遊技状態に応じた様々な演出用の画像を表示する。演出用の画像は、例えば、一連の動画像によって構成されるもので、その演出の過程や最終画面によって、後述する内部抽選へ当選したこと、またはその可能性があることが告知(内部抽選の当選確率が100%であることを報知するもの)または予告(内部抽選に当選している可能性があることを報知するもの)される。
【0037】
また、可変表示装置2の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図5参照)が内部に配されている。
【0038】
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示表示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44によって検出されると、賭数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図5参照)またはMAXBETスイッチ46(図5参照)によって検出されると、クレジットからの賭数の設定が行われる。精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図5参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
【0039】
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。
【0040】
スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図5参照)によって検出されると、リールモータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図5参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。
【0041】
停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となっていることを、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図5参照)が点灯状態となることにより、遊技者に示す。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図5参照)が点灯状態となることで、後述するビッグボーナス当選フラグまたはレギュラーボーナス当選フラグが100%の確率で設定されていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Lの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
【0042】
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。ホッパー80は、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されている。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図5参照)が発した光が照射される。ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク95の内部には、貯留するメダルが満タンになったことを検知する満タンセンサ90が設けられている。
【0043】
スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。スピーカ7U、7L、7Rは、入賞時及びビッグボーナス、レギュラーボーナス突入時の効果音の出力や、異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。
【0044】
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A?75Mの発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A?5Mが設けられている。遊技効果表示部5A?5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A?5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
【0045】
また、スロットマシン1の内部には、後述する内部抽選への当選確率を設定する設定スイッチ91、設定スイッチ91を開錠操作により操作可能とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112(図6参照))をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94を備える電源ユニット9が設けられている。また、第2リセットスイッチ93と同様の機能を有する第1リセットスイッチ48が、前面扉背面側の施錠装置19に対応する位置に設けられている。
【0046】
上記の各部を制御する制御基板として、内部下側に配された電源基板100、内部上側にそれぞれ配された遊技制御基板101、リール中継基板103、リールランプ中継基板104及び外部出力基板105、並びに前面扉裏側に配された演出制御基板102が設けられている。図5は、各制御基板100?105を含む、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図6は、遊技制御基板101及び演出制御基板102に搭載された回路構成要素及び信号配線を示す図である。
【0047】
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。なお、図5では、遊技制御基板101及びホッパー80にのみ接続されているが、他の各部への電力の供給も行っている。また、電源基板100には、設定スイッチ91、設定キースイッチ92、第2リセットスイッチ93、メインスイッチ94が接続されており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。
【0048】
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116、バッファ回路117、スイッチ回路118、モータ回路119その他の回路を搭載している。
【0049】
CPU111は、計時機能、タイマ割り込み機能を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として使用されるもので、後述する各種当選フラグや各種遊技状態フラグ、或いは各種のカウンタの値の記憶領域が設けられる。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0050】
乱数発生回路115は、所定時間(例えば、2ミリ秒)間隔でカウントするカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115が発生している数値を取得する。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。CPU111は、I/Oポート114及びバッファ回路117を介して演出制御基板102に、後述する各種のコマンドを送信する。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へ情報は一方向のみで送られ、演出制御基板102から遊技制御基板101へ向けて情報が送られることはない。
【0051】
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
【0052】
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されており、CPU111は、モータ回路119及びリール中継基板103を介して後述する引き込み制御を行っている。
【0053】
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101と同様のハードウェア乱数機能を形成している。
【0054】
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。演出の実行は、バッファ回路127及びI/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて行われる。特に告知演出や予告演出は、告知演出決定テーブルまたは予告演出決定テーブルを参照し、当選状況通知コマンドと取得した乱数とに基づいて行われるものとなる。
【0055】
RAM122は、例えば、後述する当選状況通知コマンドの一時保存のためなど、CPU121がプログラムを実行する際の作業領域として使用される。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや、告知演出決定テーブルや予告演出決定テーブルを始めとする固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0056】
演出制御基板102には、遊技効果ランプ75A?75M、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、7U、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66が接続されており、これらを駆動するため、スピーカ駆動回路131、表示駆動回路132、ランプ駆動回路133等を備えている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部は、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
【0057】
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。外部出力基板105は、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力されたビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号を、当該外部装置に出力する。
【0058】
次に、内部抽選について説明する。内部抽選は、後述する各役への入賞を許容するかどうかを事前に決定するものであり、ハードウェア乱数機能を用いて取得した乱数、設定スイッチ91による設定、遊技者が設定した賭数、及び現在の遊技状態に基づいてROM113内に用意された当選判定用テーブルを参照し、CPU111が行うことで、このような事前決定のための手段が構成される。内部抽選に当選した場合は、当選した役に対応した当選フラグが遊技制御基板101のRAM112に設定される。当選フラグは、例えば、ビット毎に役の種類が決められた1ワード(16ビット)内に格納される。
【0059】
また、上記の内部抽選の結果によって、ビッグボーナス当選フラグ、レギュラーボーナス当選フラグ、小役当選フラグ(小役の種類に応じて複数あり)、リプレイ当選フラグ、さらにビッグボーナス中ではJACIN当選フラグ(リプレイ当選フラグと実質的に同じ位置に設定されるフラグ)、レギュラーボーナス中ではJAC当選フラグ(リプレイフラグと実質的に同じ位置に設定されるフラグ)が遊技制御基板101内のRAM112に設定される。当選フラグは、1ゲームにおいて1つしか新たに設定されることはないが、ビッグボーナス当選フラグ及びレギュラーボーナス当選フラグに限っては、実際に入賞するまで次ゲーム以降に持ち越される。
【0060】
この内部抽選の結果に基づいてRAM112に設定された各種当選フラグに関する情報に基づいて、CPU111によって所定のヘッダが付された当選状況通知コマンドが生成され、各回のゲーム毎に遊技制御基板101から演出制御基板102へと送られる。但し、内部抽選の結果を外部に完全に出さないようにするため、所定の場合に、当選状況通知コマンドの内容が変換されて、演出制御基板102へと送信される。当選状況通知コマンドの内容の変換については、詳しく後述する。
【0061】
上記した各種当選フラグがRAM112に設定されていると、それぞれに対応した役、或いはビッグボーナス中のJACINが発生可能となる。すなわち、リール3L、3C、3Rが停止させられたときに、可変表示装置2の賭数に応じて設定された有効ライン上に役図柄の入賞が可能となる。入賞の際には、メダルの払い出しが行われ、また、入賞に伴って遊技状態が変化させられる。遊技制御基板101側で制御する遊技状態としては、通常の遊技状態、ビッグボーナス及びレギュラーボーナスの3つがある。以下、これらの入賞と判定される“役”について説明する。
【0062】
賭数に応じた有効ライン上に、例えば「BAR」が3つ揃った場合、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、レギュラーボーナスゲームと称されるゲームを所定回(例えば、12回)だけ行うこと、または所定回(例えば、8回)だけ入賞する(有効ライン上に「JAC」が揃う)ことにより終了する。遊技制御基板101には、レギュラーボーナスゲームの回数及びその入賞回数をカウントするカウンタが設けられている。なお、このレギュラーボーナスに移行した状態、すなわちレギュラーボーナスゲームが提供されている遊技状態を第1の特別遊技状態といい、遊技制御基板101内のRAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定される。
【0063】
賭数に応じた有効ライン上に、例えば「色つき7」が3つ、または「色なし7」が3つ揃った場合には、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスにおいては、小役ゲームと称されるゲームを最大30ゲーム行うことができる。この小役ゲームでは、比較的高い確率で有効ライン上に「JAC」が揃い(JACIN)、JACINすると、前述したレギュラーボーナスが提供される(最大3回)。
【0064】
ビッグボーナスは、30回の小役ゲームが終了するか、3回目のJACINに基づいたレギュラーボーナスが終了することにより終了する。遊技制御基板101には、小役ゲーム回数、JACINの回数、レギュラーボーナスゲームのゲーム数及びその入賞数、並びにビッグボーナス中におけるメダルの獲得枚数をカウントするカウンタが設けられている。なお、このビッグボーナスに移行した状態を第2の特別遊技状態といい、遊技制御基板101内のRAM112にビッグボーナス中フラグが設定される。
【0065】
また、レギュラーボーナスゲーム(ビックボーナス中に提供された場合を含む)以外のゲームで、「スイカ」、「チェリー」または「ベル」が揃った場合には、小役入賞となる。これらの小役は、内部抽選において重複して当選することはない。小役のうちで「スイカ」が揃った場合の小役の当選確率が最も低く、30分の1である。他の小役の当選確率は、10分の1である。
【0066】
さらに、ビッグボーナス期間中において提供される小役ゲームとレギュラーボーナスゲームとを除き、有効ライン上に「JAC」が揃った場合には、リプレイ入賞となる。「リプレイ」の当選確率は、7分の1である。
【0067】
なお、ビッグボーナス中またはレギュラーボーナス中には、ビッグボーナス当選フラグ及びレギュラーボーナス当選フラグが設定されることはない。また、レギュラーボーナス中(ビッグボーナス中のJACINによる場合を含む)には、小役当選フラグ(JAC当選フラグを含まない)が設定されることはない。
【0068】
以上説明した役への入賞があった場合には、リプレイ入賞であった場合を除いて、それぞれの役に応じた枚数のメダルが払い出される(但し、クレジット数が50に達するまでは、役に応じた数のクレジットがデータとして蓄積され、この場合もメダルと同様に有価価値を払い出したこととなる)。また、メダルの払い出しの枚数は、「スイカ」による小役が8枚、「チェリー」による小役が4枚である他は、全て15枚である。
【0069】
次に、当選状況通知コマンドの内容の変換について説明する。当選状況通知コマンドは、遊技制御基板101のROM113内に設けられた当選状況通知コマンド変換テーブルを参照し、各種当選フラグの状態と取得した乱数の値とに従って変換される。図7は、ROM113内に設けられた当選状況通知コマンド変換テーブルを示す図である。
【0070】
これらの当選状況通知コマンド変換テーブルに従って当選状況通知コマンドを変換するための乱数として、CPU111は、2つの当選状況通知コマンド変換用の乱数(以下、第1、第2の乱数という)を取得する。ここでの乱数は、上記したハードウェア乱数機能とは異なるソフトウェア乱数機能を用いて行われる。このソフトウェア乱数機能は、CPU111に生じるタイマ割り込みによって生成されるもので、用途毎に乱数を更新していく乱数用レジスタが設けられている。また、乱数の範囲は用途毎に定められている。
【0071】
より詳細に説明すると、CPU111には、例えば1.9ミリ秒周期でタイマ割り込みが生じ、このタイマ割り込みが生じる度に、各乱数用レジスタの値を1ずつインクリメントして更新する。乱数の範囲の上限値となっているときは、次は下限値に更新する。CPU111は、ソフトウェア乱数機能を利用しているいずれかの乱数を取得する処理を行う場合には、その時点で当該乱数の乱数用レジスタに格納されている乱数を取得することによって、乱数を生成するものとしている。
【0072】
また、第1の乱数の値の範囲は、例えば1?223であり、223個の値をとり得る。第2の乱数の値の範囲は1?227であり、227個の値をとり得る。これら第1、第2の乱数により、CPU111は、全部で223×227=50621通りの乱数を取得することができる。ここで、第1、第2の乱数がとり得る値の個数は、互いに素であり、いずれも素数であるという条件であるため、このようなものに設定されているのであるが、この条件を満たすのであれば他の個数のものであってもよい。
【0073】
ここで、第1、第2の2つの乱数を設け、それぞれソフトウェア乱数機能を用いて取得可能な範囲の最大値の256個に近い素数を適用しているのは、当選状況通知コマンドを変換するためにソフトウェア乱数機能を用いて取得される乱数の値が、他の用途(本発明の関係ないので、省略)のためにソフトウェア乱数機能を用いて取得される乱数の値と同期する周期が長く、しかも乱数の範囲を大きくするためである。
【0074】
通常の遊技状態である場合には、こうして取得した乱数の値がA、B、C、D、Eのいずれかである場合に、当選状況通知コマンドを変換するための処理が行われる(但し、A、B、C、D、Eは、それぞれ予め定められた特定の数)。また、ビッグボーナス時(小役ゲーム時のみ)においては、取得した乱数の値がEである場合に、当選状況通知コマンドを変換するための処理が行われ、取得した乱数の値がA、B、C、Dである場合には、当選状況通知コマンドを変換するための処理は行われない。レギュラーボーナス時(ビッグボーナス中のレギュラーボーナスを含む)には、当選状況通知コマンドを変換するための処理は行われず、全ての役にハズレていることが演出制御基板102において100%の確率で特定できないように、常に全ての役にハズレていることを示す当選状況通知コマンドが演出制御基板102へ送信されることとなる。
【0075】
すなわち、図7の当選状況通知コマンド変換テーブルを参照すると、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選している場合(通常の遊技状態でしかあり得ない)には、当選状況通知コマンドの内容を変換することはない。図では示していないが、遊技状態がレギュラーボーナスにあるときには、常に全ての役にハズレていることを示す当選状況通知コマンドに変換される。
【0076】
ビッグボーナス及びレギュラーボーナスにハズレていることを示す当選状況通知コマンド(ビッグボーナス中はこのようなものしかあり得ない)では、小役の当選状況と取得した乱数との値に従って、次のように当選状況通知コマンドが変換される。全ての小役にハズレている場合には、当選状況通知コマンドの内容は変換されない。
【0077】
通常の遊技状態で乱数の値がAであれば、スイカの当選時にはビッグボーナスとスイカに当選していることを示すコマンドに、ベルの当選時にはビッグボーナスとベルに当選していることを示すコマンドに、チェリーの当選時にはビッグボーナスとチェリーに当選していることを示すコマンドに、リプレイの当選時にはビッグボーナスとリプレイに当選していることを示すコマンドにそれぞれ変換される。
【0078】
通常の遊技状態で乱数の値がBであれば、スイカの当選時にはレギュラーボーナスとスイカに当選していることを示すコマンドに、ベルの当選時にはレギュラーボーナスとベルに当選していることを示すコマンドに、チェリーの当選時にはレギュラーボーナスとチェリーに当選していることを示すコマンドに、リプレイの当選時にはレギュラーボーナスとリプレイに当選していることを示すコマンドにそれぞれ変換される。
【0079】
通常の遊技状態で乱数の値がCであれば、スイカの当選時にはビッグボーナスに当選していることを示すコマンドに、ベルの当選時にはベルに当選していることを示すコマンドに、チェリーの当選時にはチェリーに当選していることを示すコマンドに、リプレイの当選時にはリプレイに当選していることを示すコマンドにそれぞれ変換される。ここで、例えばベルの当選時にベルに当選していることを示すコマンドに変換されるとは、変換の処理前後で当選状況通知コマンドの内容は変わらないものの、変換の処理そのものは行われることを意味している。
【0080】
通常の遊技状態で乱数の値がDであれば、スイカの当選時にはレギュラーボーナスに当選していることを示すコマンドに、ベルの当選時にはベルに当選していることを示すコマンドに、チェリーの当選時にはチェリーに当選していることを示すコマンドに、リプレイの当選時にはリプレイに当選していることを示すコマンドにそれぞれ変換される。
【0081】
通常の遊技状態またはビッグボーナスで乱数の値がEであれば、スイカの当選時にはスイカに当選していることを示すコマンドに、ベルの当選時にはベルに当選していることを示すコマンドに、チェリーの当選時には全ての役にハズレていることを示すコマンドに、リプレイの当選時にはリプレイに当選していることを示すコマンドにそれぞれ変換される。
【0082】
図8は、上記の当選状況通知コマンド変換テーブルに従って当選状況変換コマンドが他の内容のものに変換される確率を示す図であり、(a)は、通常の遊技状態におけるものを、(b)は、ビッグボーナス時におけるものを示す。この表の各欄における分母の値は、いずれも取得可能な乱数の種類と同じ50621である。
【0083】
図8(a)に示すように、通常の遊技状態においては、内部抽選の結果そのものに基づいて生成される(変換のための処理を行っていない)当選状況通知コマンドは、ボーナスとしてハズレているか、ビッグボーナスに当選しているか、レギュラーボーナスに当選しているかのいずれかを示すものとなる。また、小役として全ての小役にハズレか、スイカの小役に当選か、ベルの小役に当選か、チェリーの小役に当選か、リプレイ当選かのいずれかを示すものとなる。
【0084】
ビッグボーナス当選フラグ及びレギュラーボーナス当選フラグは持ち越しが可能なものであるので、ビッグボーナスと小役のいずれかに当選、レギュラーボーナスと小役のいずれかに当選ということを示す当選状況通知コマンドとなることもある。ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選していることを示す当選状況通知コマンドは、小役の当選状況がどのようなものであるかに関わらず、他の内容の当選状況通知コマンドに変換されることはない。ボーナスにハズレていることを示す当選状況通知コマンドにおいて、全ての小役にハズレていることを示す当選状況通知コマンドは、他の内容の当選状況通知コマンドに変換されることはない。
【0085】
また、ボーナスにハズレていることを示し、かつスイカの小役への当選を示す当選状況通知コマンドは、上記のようにして取得した乱数に応じて、1/50621の確率でビッグボーナスに当選し、かつ全ての小役にハズレていることを示す当選状況通知コマンドに変換される。1/50621の確率でビッグボーナスに当選し、かつスイカの小役に当選していることを示す当選状況通知コマンドに変換される。さらに、1/50621の確率でレギュラーボーナスに当選し、かつ全ての小役にハズレいることを示す当選状況通知コマンドに変換される。1/50621の確率でレギュラーボーナスに当選し、かつスイカの小役に当選していることを示す当選状況通知コマンドに変換される。残りの50617/50621の確率では、他の内容の当選状況通知コマンドに変換されない。
【0086】
ボーナスにハズレていることを示し、かつベルの小役への当選を示す当選状況通知コマンドは、上記のようにして取得した乱数に応じて、1/50621の確率でビッグボーナスに当選し、かつベルの小役に当選していることを示す当選状況通知コマンドに変換される。1/50621の確率でレギュラーボーナスに当選し、かつベルの小役に当選していることを示す当選状況通知コマンドに変換される。残りの50619/50621の確率では、他の内容の当選状況通知コマンドに変換されない。
【0087】
ボーナスにハズレていることを示し、かつチェリーの小役への当選を示す当選状況通知コマンドは、上記のようにして取得した乱数に応じて、1/50621の確率でビッグボーナスに当選し、かつチェリーの小役に当選していることを示す当選状況通知コマンドに変換される。1/50621の確率でレギュラーボーナスに当選し、かつチェリーの小役に当選していることを示す当選状況通知コマンドに変換される。1/50621の確率で全てのボーナス、小役にハズレていることを示す当選状況通知コマンドに変換される。残りの50618/50621の確率では、他の内容の当選状況通知コマンドに変換されない。
【0088】
ボーナスにハズレていることを示し、かつリプレイ当選を示す当選状況通知コマンドは、上記のようにして取得した乱数に応じて、1/50621の確率でビッグボーナスに当選し、かつリプレイ当選していることを示す当選状況通知コマンドに変換される。1/50621の確率でレギュラーボーナスに当選し、かつリプレイ当選していることを示す当選状況通知コマンドに変換される。残りの50619/50621の確率では、他の内容の当選状況通知コマンドに変換されない。
【0089】
ここで、スイカの小役への当選を示す当選状況通知コマンドは、他の内容の当選状況通知コマンドに変換される確率が高い。これは、スイカの小役の当選確率が他の小役の当選確率よりも低く、本来設定されている当選フラグの状態と異なる内容の当選状況通知コマンドが演出制御基板102に送信される確率を全体として下げることができるからである。従って、スイカの小役よりも当選確率が低い他の小役があれば、その小役の当選時に他の内容の当選状況通知コマンドに変換される確率が高くなるものとすることができる。
【0090】
また、図8(b)に示すように、ビッグボーナス時においては、内部抽選の結果そのものに基づいて生成される(変換のための処理を行っていない)当選状況通知コマンドは、全ての役にハズレか、スイカの小役に当選か、ベルの小役に当選か、チェリーの小役に当選か、JACIN当選かのいずれかを示すものとなる。このうち、全ての役にハズレ、スイカの小役に当選、ベルの小役に当選、またはJACIN当選を示す当選状況通知コマンドは、他の内容の当選状況通知コマンドコマンドに変換されることはない。
【0091】
チェリーの小役への当選を示す当選状況通知コマンド、上記のようにして取得した乱数に応じて、1/50621の確率で全ての役にハズレたことを示す当選状況通知コマンドに変換される。残りの50620/50621の確率では、他の内容の当選状況通知コマンドに変換されない。
【0092】
当選状況通知コマンドは、実質的に内部抽選が行われたタイミングで、すなわちスタートレバー11が操作されたタイミングで遊技制御基板101から演出制御基板102に送信される。遊技制御基板101の側では、スタートレバー11の操作を基準としてリール3L、3C、3Rの回転を開始させる。一方、演出制御基板102の側では、当選状況通知コマンドの受信を基準として演出を開始させる。このため、内部抽選に続けて同じタイミングで当選状況通知コマンドを送信すると、リール3L、3C、3Rの回転と演出の進行とが同期してしまうこととなり、演出の内容によって遊技者がリール3L、3C、3Rの停止操作、すなわち目押しをアシストしてしまうこととなる。
【0093】
そこで、遊技制御基板101のCPU111は、ハードウェア乱数機能を用いて、当選状況通知コマンドの送信タイミングを遅延させるための乱数(遅延処理用乱数)を抽出しており、ROM113に予め記憶された遅延時間テーブル(乱数の値とコマンドの送信を遅延させる時間とを対応付けて記憶したテーブル)に従って、当選状況通知コマンドの演出制御基板102への送信を、例えば0.1秒?0.8秒の範囲でランダムな期間だけ遅延させている。これにより、リール3L、3C、3Rの回転開始のタイミングと、演出制御基板102側で制御される演出の開始タイミングとがランダムにずれ、両者が同期しないものとなる。
【0094】
次に、演出制御基板102の側で行われる演出について説明する。演出制御基板102のCPU121は、スピーカ駆動回路131、表示駆動回路132及びランプ駆動回路133を駆動して、スピーカ7L、7R、7Uから出力される音声、液晶表示器4に表示される画像、或いは遊技効果ランプ75A?75Mの発光による光での演出を行っている。演出としては、入賞時に行われる告知の他に、当選状況通知コマンドに基づいて、レギュラーボーナスまたはビッグボーナスに当選していることを告知する告知演出、当選の可能性があることを予告する予告演出がある。
【0095】
このスロットマシン1において、告知演出や予告演出は、1ゲームの期間で完了する1ゲーム演出の他に、3ゲームの期間で断続的に行って完了する3ゲーム演出がある。3ゲーム演出の完了は、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選していることを告知するものとしての意味を有している。3ゲーム演出は、第1、第2、第3の3つに分かれているが、各段階の演出を実行するかどうかは、1ゲーム毎に決定しており、最後まで完了せずに終了してしまう場合がある。
【0096】
演出制御基板102のROM123は、CPU121が1ゲーム毎に(当選状況通知コマンドを受信する毎に)どのような演出を行うかを決定するための、演出選択テーブル(後述)を予め記憶している。また、演出選択テーブルに従って実行すべき演出を決定するため、CPU121は、乱数発生回路125及びサンプリング回路126からなるハードウェア乱数機能を用いて、0?99の範囲の値をとり得る演出選択用乱数を抽出している。さらに、3ゲーム演出の何段階目までを実行したかをカウントする演出カウンタをRAM122を用いて形成している。
【0097】
図9は、ROM123に記憶されている演出選択テーブルを示す図である。演出選択テーブルは、演出カウンタの値が0であるかどうか、受信した最新の当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示している場合かどうかで、適用されるものが異なっている。
【0098】
演出カウンタの値が0である場合、すなわち前のゲームにおいて3ゲーム演出のいずれの段階も行われていないか3段階目まで完了した場合であって、最新の当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示している場合に適用される演出選択テーブルを、図9(a)に示す。図示するように、演出選択用乱数の値が0?19であれば、いずれの演出も実行しないものとする。演出選択用乱数の値が20?34であれば、1ゲーム演出としての予告演出を実行するものとする。演出選択用乱数の値が35?39であれば、1ゲーム演出としての告知演出を実行するものとする。演出選択用乱数の値が40?99であれば、3ゲーム演出の第1段階を実行するものとする。
【0099】
演出カウンタの値が0であっても、最新の当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示していない場合に適用される演出選択テーブルを、図9(b)に示す。図示するように、演出選択用乱数の値が0?97であれば、いずれの演出も実行しないものとする。演出選択用乱数の値が98であれば、1ゲーム演出としての予告演出を実行するものとする。演出選択用乱数の値が99であれば3ゲーム演出の第1段階を実行するものとする。
【0100】
演出カウンタの値が0でない場合、すなわち前のゲームにおいて3ゲーム演出の1段階目か2段階目が実行された場合であって、最新の当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示している場合に適用される演出選択テーブルを、図9(c)に示す。図示するように、演出選択用乱数の値が0?39であれば、いずれの演出も実行しないものとする。演出選択用乱数の値が40?99であれば、3ゲーム演出の次の段階を実行するものとする。
【0101】
さらに、演出カウンタの値が0でなく、最新の当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示していない場合に適用される演出選択テーブルを、図9(d)に示す。図示するように、演出選択用乱数の値が0?98であれば、いずれの演出も実行しないものとする。演出選択用乱数の値が99であれば3ゲーム演出の次の段階を実行するものとする。
【0102】
なお、1ゲーム演出である告知演出及び予告演出の実行時間、並びに3ゲーム演出の各段階の実行時間は、いずれも3.0秒以下である。これは、1ゲームタイマ(各ゲームにおいてリール3L、3C、3Rの回転開始から計時するタイマ)の計時時間の最小値である4.1秒から当選状況通知コマンドの遅延時間の最大値である0.8秒を引いた時間3.3秒よりも短い時間としたものである。このような長さに設定することによって、遊技者の遊技進行方法に関わらず、告知演出及び予告演出、並びに3ゲーム演出の各段階共に、1ゲームの期間内で終了するものとなる。また、3ゲーム演出は、第1または第2段階が終了したところで一旦中断され、次のゲームの期間になって第2または第3段階の演出が再開するという、各回のゲームに対応して各段階が断続的に行われるものとなっている。
【0103】
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における遊技動作について説明する。なお、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、賭数を設定してから、リール3L、3C、3Rを回転/停止するまでの一連の過程を含むものとする。さらに、リール3L、3C、3Rの回転停止に伴って、その後に何らかの処理(例えば、メダルの払い出しや遊技状態の移行)が行われる場合には、これも1ゲーム内の処理として含まれるものとする。
【0104】
図10は、遊技制御基板101のCPU111が実行する1ゲーム分の処理を示すフローチャートである。1ゲームの処理が開始すると、まず、初期処理が行われる(ステップS1)。なお、通常に遊技が進行している場合には、初期処理としては何も行われない。すなわち、この初期処理は、電源投入時やエラーからの復帰時に、設定のチェックやバックアップされた情報の復元などを行うものである。
【0105】
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS2)。
【0106】
BET処理により賭数が設定され、スタートレバー11が操作されると、上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS3)。この抽選処理における抽選結果に基づいて、各種当選フラグコマンドがRAM112に設定されると共に、各役への当選状況を示す当選状況通知コマンドが演出制御基板102へと送られる。なお、抽選処理の詳細については後述する。
【0107】
抽選処理が終了すると、次にリール変動開始処理が行われる(ステップS4)。リール変動開始処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。これにより、可変表示装置2において図柄が可変表示される。前回のゲームでの回転開始から所定時間が経過していない場合、回転開始待ちとなり、ウェイトランプ61を点灯させることによりその旨をウェイト表示部31で報知する。なお、リール3L、3C、3Rを回転開始させる順序は、RAM112に設定されている各種フラグの状態に従って変化させてもよい。また、回転開始時にリール停止タイマ及び次回のゲームのための1ゲームタイマの計時を開始する。
【0108】
その後、リール変動停止処理が行われる(ステップS5)。リール変動停止処理では、リールの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立した後、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれ遊技者によって操作されることにより、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。このとき、RAM112に設定している各種当選フラグと遊技状態とに基づいて、リール3L、3C、3Rの駆動停止を制御する引き込み制御により停止図柄を選択している。また、リール停止タイマが計時する時間が所定時間(例えば、30秒)を経過すると、リール3L、3C、3Rの駆動を強制的に停止させる。
【0109】
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS2のBET処理で設定した賭数に応じた有効ライン上に上記したいずれかの役図柄が揃ったかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS6)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において入賞の種類に応じた各種設定が行われると共に、入賞情報コマンドが演出制御基板102へと送られる。また、ビッグボーナスの終了となった場合には、ビッグボーナス終了コマンドが演出制御基板102へと送られる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
【0110】
入賞判定処理が終了すると、払い出し処理が行われ、入賞判定処理において設定した払い出し予定メダル枚数だけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる(ステップS7)。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。なお、入賞判定処理において払い出し予定メダル枚数が設定されていない場合には、メダル払い出し処理として何の処理も行わない。
【0111】
次に、上記したステップS3の抽選処理について詳しく説明する。図11は、CPU111がステップS3で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。
【0112】
まず、乱数発生回路115が発生する乱数をサンプリング回路116にサンプリングさせて取得し、当該取得した乱数の値をRAM112に一時格納する(ステップS101)。次に、スタートレバー11が操作されたことを示すスタート操作通知コマンドをRAM112の所定の領域に一時設定する(ステップS102)。そして、設定したスタート操作通知コマンドを、I/Oポート114から演出制御基板102へと送信する(ステップS103)。
【0113】
次に、ステップS101でRAM112に一時格納した乱数を、設定スイッチ91による確率設定、ステップS2のBET処理で設定した賭数、並びに現在の遊技状態(通常中、ビッグボーナス中及びレギュラーボーナス中)に応じた当選判定用テーブルと比較する(ステップS104)。そして、この結果として、いずれかの役に当選したかどうかを判定する(ステップS105)。いずれかの役に当選した場合には、当選した役に対応した当選フラグをRAM112に設定して(ステップS106)、ステップS107の処理に進む。一方、いずれの役にも当選していない場合には、そのままステップS107の処理に進む。
【0114】
ステップS107では、抽選結果(当選なし、または各当選の種類)に応じた当選状況通知コマンドを生成し、RAM112の所定の領域に一時設定する。そして、設定した当選状況通知コマンドを、後述するように所定の確率で本来の当選状況とは異なる内容のコマンドに変換した後、ランダムな期間だけ遅延させて演出制御基板102へと送信させる(ステップS108)。そして、抽選処理を終了する。
【0115】
図12は、ステップS108のコマンド送信処理を詳細に示すフローチャートである。まず、送信対象となっているコマンドが当選状況通知コマンドであるかどうかを判定する(ステップS201)。送信対象となっているコマンドが当選状況通知コマンドであれば、RAM112に設定されたレギュラーボーナス中フラグの状態に基づいて現在の遊技状態がレギュラーボーナスであるかどうかを判定する(ステップS202)。レギュラーボーナス中であれば、全ての役にはずれていることを示す当選状況通知コマンドに変換する(ステップS203)。そして、ステップS208の処理に進む。
【0116】
レギュラーボーナス中でない場合には、ソフトウェア乱数機能を用いて、上記した第1、第2の乱数を取得する(ステップS204)。そして、さらにRAM112に設定されたビッグボーナス中フラグに基づいて通常の遊技状態であるかビッグボーナス中であるかをチェックし(ステップS205)、このチェック結果とステップS204で取得した乱数の値とに基づいて、当選状況通知コマンドの変換を行うべき場合であるかどうかを判定する(ステップS206)。すなわち、通常の遊技状態であれば、乱数の値がA、B、C、D、Eのときにコマンドを変換するものとなり、ビッグボーナス時であれば乱数の値がEのときにコマンドを変換するものとなる。
【0117】
当選状況通知コマンドの変換を行うべき場合には、ステップS204で取得した乱数の値に従って図7に示した当選状況通知コマンド変換テーブルを参照し、その参照結果に従ってRAM112に設定された当選状況通知コマンドを変換して(ステップS207)、ステップS208の処理に進む。当選状況通知コマンドの変換を行わない場合には、そのままステップS208の処理に進む。
【0118】
ステップS208では、ハードウェア乱数機能を用いて遅延処理用乱数を抽出する。さらに抽出した乱数に対応する遅延時間を遅延時間テーブルから読み出し、読み出した遅延時間だけ処理待ち状態とする(ステップS209)。そして、遅延時間が終了した後、RAM112に設定されている当選状況通知コマンドを、I/Oポート114から演出制御基板102へと送信させる(ステップS210)。そして、コマンド送信処理を終了し、図11の処理に復帰する。
【0119】
また、ステップS201で送信対象としたコマンドが当選状況通知コマンドでなかった場合には、送信対象としたコマンドをI/Oポート114から演出制御基板102へと送信させる(ステップS211)。そして、コマンド送信処理を終了し、図10の処理に復帰する。
【0120】
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、レギュラーボーナス及びビッグボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、独自の処理による演出を行っている。
【0121】
図13は、演出制御基板102のCPU121が実行するコマンド受信処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドの受信を受信したかどうかを判定している(ステップS301)。コマンドを受信するまでは、ステップS301の処理を繰り返し、コマンドの受信を待機している状態にある。
【0122】
遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS302)。受信したコマンドの種類がいずれかの役への入賞時に送られた入賞情報コマンドであった場合には、後述する入賞時処理を実行する(ステップS303)。入賞時処理が終了した後、ステップS301の処理に戻る。
【0123】
受信したコマンドの種類がステップS206で送られた当選状況通知コマンドであった場合には、当該当選状況通知コマンドをRAM122に保存する。ここで、当選状況通知コマンドは、3つまで保存されるので、既に3つ保存されているときは、最も古いもの(但し、ボーナス当選し、小役当選していないことを示す内部状況通知コマンドがRAM122にあるときであって、新たに受信した当選状況通知コマンドがボーナス当選していることを示さないものであるときは、2番目に古いもの)に上書き保存される(ステップS304)。その後、RAM122に保存されている3つの当選状況通知コマンドに基づいて、ボーナス当選を告知または予告するための演出を実行する(ステップS305)。この演出処理については後述する。演出が終了すると、ステップS301の処理に戻る。
【0124】
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(本発明と関係ないので、詳細は省略)を実行する(ステップS306)。その後、ステップS301の処理に戻る。
【0125】
図14?図16は、ステップS305の演出処理を詳細に示すフローチャートである。演出処理では、まず、演出制御基板102側のハードウェア乱数機能を利用して、演出選択用乱数として0?99の範囲のいずれかの値を取得する(ステップS401)。次に、ステップS304でRAM122に保存した当選状況通知コマンドのうちで最新のものが、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選していることを示しているかどうかを判定する(ステップS402)。
【0126】
ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示している場合には、演出カウンタの値が1であるかどうかを判定する(ステップS403)。演出カウンタの値が1であれば、ステップS401で取得した演出選択用乱数の値に従って図9(c)の演出選択テーブルを参照して演出抽選を行う(ステップS404)。この演出抽選の結果、3ゲーム演出の実行に当選したかどうかを判定する(ステップS405)。
【0127】
3ゲーム演出の実行に当選した場合には、スピーカ駆動回路131、表示駆動回路132及びランプ駆動回路133を制御し、スピーカ7L、7R、7Uから音声を出力させ、液晶表示器4に画像を表示させ、遊技効果ランプ75A?75Mを発光させることによって、3ゲーム演出の第2段階を実行する(ステップS406)。3ゲーム演出の第2段階の実行が終了すると、演出カウンタの値をインクリメントし、2とする(ステップS407)。そして、演出処理を終了し、図13の処理に復帰する。
【0128】
ステップS403の判定において演出カウンタの値が1でなかったときは、さらに演出カウンタの値が2であるかどうかを判定する(ステップS408)。演出カウンタの値が2であれば、演出カウンタの値が1であった場合と同様に、ステップS401で取得した演出選択用乱数の値に従って図9(c)の演出選択テーブルを参照して演出抽選を行う(ステップS409)。この演出抽選の結果、3ゲーム演出の実行に当選したかどうかを判定する(ステップS410)。
【0129】
3ゲーム演出の実行に当選した場合には、ここではさらにRAM122に保存した過去3回分の全ての当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選していることを示しているかどうかを判定する(ステップS411)。過去3回分の全ての当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示していた場合には、3ゲーム演出の第3段階を実行する(ステップS412)。3ゲーム演出の第3段階が終了すると、演出カウンタの値を0にクリアする(ステップS413)。そして、演出処理を終了し、図13の処理に復帰する。
【0130】
また、ステップS405及びS410の判定において3ゲーム演出の実行に当選していなかった場合、或いはステップS411の判定において過去3回分の当選状況通知コマンドのうちにビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選していることを示していないものが含まれていた場合は、今回のゲームにおいて3ゲーム演出が実行されなかった場合である。これらの場合、演出カウンタの値を0にクリアしてから(ステップS413)、演出処理を終了し、図13の処理に復帰する。
【0131】
ステップS408の判定において演出カウンタの値が2でもなかった場合は、演出カウンタの値は0であって、前のゲームの期間で3ゲーム演出は実行されていない場合である。この場合には、ステップS401で取得した演出用乱数の値に従って図9(a)の演出選択テーブルを参照して演出抽選を行う(ステップS414)。この演出抽選の結果、3ゲーム演出の実行に当選したかどうかを判定する(ステップS415)。
【0132】
3ゲーム演出の実行に当選した場合には、3ゲーム演出の第1段階を実行する(ステップS416)。3ゲーム演出の第1段階が終了すると、演出カウンタの値をインクリメントし、1とする(ステップS417)。そして、演出処理を終了し、図13の処理に復帰する。
【0133】
また、3ゲーム演出の実行に当選していなかった場合は、ステップS414の演出抽選の結果、告知演出の実行に当選したかどうかを判定する(ステップS418)。告知演出の実行に当選していた場合には、さらにRAM122に保存した過去3回分の全ての当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選していることを示しているかどうかを判定する(ステップS419)。
【0134】
過去3回分の全ての当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示していた場合には、告知演出を実行する(ステップS420)。告知演出の実行が終了すると、演出処理を終了し、図13の処理に復帰する。過去3回分の当選状況通知コマンドのうちにビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選していることを示していないものが含まれていた場合は、そのまま演出処理を終了し、図13の処理に復帰する。
【0135】
また、告知演出の実行にも当選していなかった場合には、ステップS414の演出抽選の結果、予告演出の実行に当選したかどうかを判定する(ステップS421)。予告演出の実行に当選していた場合には、予告演出を実行する(ステップS422)。予告演出の実行が終了すると、演出処理を終了し、図13の処理に復帰する。予告演出の実行にも当選していない場合は、ステップS414の演出抽選の結果、演出なしとした場合であり、そのまま演出処理を終了し、図13の処理に復帰する。
【0136】
ステップS402の判定において最新の当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示していなかった場合には、演出カウンタの値が1であるかどうかを判定する(ステップS423)。演出カウンタの値が1であれば、ステップS401で取得した演出選択用乱数の値に従って図9(d)の演出選択テーブルを参照して演出抽選を行う(ステップS424)。この演出抽選の結果、3ゲーム演出の実行に当選したかどうかを判定する(ステップS425)。
【0137】
3ゲーム演出の実行に当選した場合には、3ゲーム演出の第2段階を実行する(ステップS426)。3ゲーム演出の第2段階の実行が終了すると、演出カウンタの値をインクリメントし、2とする(ステップS427)。そして、演出処理を終了し、図13の処理に復帰する。
【0138】
ステップS423の判定において演出カウンタの値が1でなかったときは、さらに演出カウンタの値が2であるかどうかを判定する(ステップS428)。演出カウンタの値が2であれば、3ゲーム演出の第3段階は実行せずに演出カウンタの値を0にクリアする(ステップS429)。また、ステップS425の判定において3ゲーム演出に当選していなかった場合も、演出カウンタの値を0にクリアする(ステップS429)。そして、演出処理を終了し、図13の処理に復帰する。
【0139】
ステップS428の判定において演出カウンタの値が2でもなかった場合は、演出カウンタの値は0であって、前のゲームの期間で3ゲーム演出は実行されていない場合である。この場合には、ステップS401で取得した演出用乱数の値に従って図9(b)の演出選択テーブルを参照して演出抽選を行う(ステップS430)。この演出抽選の結果、3ゲーム演出の実行に当選したかどうかを判定する(ステップS431)。
【0140】
3ゲーム演出の実行に当選した場合には、3ゲーム演出の第1段階を実行する(ステップS432)。3ゲーム演出の第1段階が終了すると、演出カウンタの値をインクリメントし、1とする(ステップS433)。そして、演出処理を終了し、図13の処理に復帰する。
【0141】
3ゲーム演出の実行に当選していなかった場合には、ステップS430の演出抽選の結果、予告演出の実行に当選したかどうかを判定する(ステップS434)。予告演出の実行に当選していた場合には、予告演出を実行する(ステップS435)。予告演出の実行が終了すると、演出処理を終了し、図13の処理に復帰する。予告演出の実行にも当選していない場合は、ステップS430の演出抽選の結果、演出なしとした場合であり、そのまま演出処理を終了し、図13の処理に復帰する。
【0142】
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における演出の実行を具体的に説明する。
【0143】
図17は、当選状況通知コマンドの内容と実行される演出との関係を示す図である。ここでは、演出なしで終わったゲームから3ゲームの期間内の各回のゲームでどのような演出(3ゲーム演出の1つの段階)が実行されるかを、受信した当選状況通知コマンドが、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示している場合とそうでない場合とに分けて説明する。
【0144】
演出なしのゲームの後に受信した当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示している場合には、当該ゲーム(第1ゲーム)の演出として10分の6の確率で3ゲーム演出の第1段階が実行される。また、10分の2の確率で演出なしとなり、20分の3の確率で予告演出が、20分の1の確率で告知演出(但し、RAM122に設定された3回分の当選状況通知コマンドがいずれも当選を示す場合のみ)が実行される。ここで演出なしであったか予告演出または告知演出が実行された場合、次のゲームの演出もこれと同じように考えることができる。
【0145】
3ゲーム演出の第1段階が実行されたゲームの後に受信した当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示している場合には、当該ゲームの演出として10分の6の確率で3ゲーム演出の第2段階が実行される。残りの10分の4の確率では演出なしとなる。つまり、3ゲーム演出が第1段階で中止される確率は、100分の24となる。なお、ここで演出なしとなった場合の次のゲームの演出は、第1ゲームと同様に考えることができる。
【0146】
3ゲーム演出の第2段階が実行されたゲームの後に受信した当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示している場合には、10分の6の確率で3ゲーム演出の第3段階が実行され、残りの10分の4の確率で演出なしとなる。つまり、3ゲーム演出が第3段階まで実行されて完了する確率は1000分の216となり、第2段階で中止される確率は1000分の144となる。
【0147】
また、演出なしのゲームの後に受信した当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示していない場合には、当該ゲーム(第1ゲーム)の演出として100分の1の確率で3ゲーム演出の第1段階が実行される。また、100分の98の確率で演出なしとなり、100分の1の確率で予告演出が実行される。ここで演出なしであったか予告演出が実行された場合、次のゲームの演出もこれと同じように考えることができる。
【0148】
3ゲーム演出の第1段階が実行されたゲームの後に受信した当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示していない場合には、当該ゲームの演出として100分の1の確率で3ゲーム演出の第2段階が実行される。残りの100分の99確率では演出なしとなる。つまり、3ゲーム演出が第1段階で中止される確率は、10000分の99となる。なお、ここで演出なしとなった場合の次のゲームの演出は、第1ゲームと同様に考えることができる。
【0149】
3ゲーム演出の第2段階が実行されたゲームの後に受信した当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示していない場合には、当該ゲームにおいて演出が実行されることはない。つまり、3ゲーム演出が第2段階で中止される確率は、10000分の1となる。
【0150】
以上のように、3ゲーム演出の第1段階及び第2段階は、当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示しているかどうかに関わらず実行されるので、予告演出としての意味も有するものとなる。3ゲーム演出の第3段階は、当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示している場合にしか実行されないので、告知演出としての意味を有するものとなる。ここで、3ゲーム演出の第1、第2段階が実行された場合で当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示していない場合の割合は、第2段階の方が小さくなっているので、3ゲーム演出の第2段階は、第1段階よりも信頼性の高い予告演出としての意味を有するものとなる。
【0151】
なお、3ゲーム演出の第1段階または第2段階まで終了した段階で、当選状況通知コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示していないものから当選を示すものに変わっている場合もあるが、このようなケースは非常に少ないので、3ゲーム演出の第1段階または第2段階の予告演出としての信頼度を考える上ではほとんど無視をすることができる。
【0152】
図18は、1ゲーム演出と3ゲーム演出との実行例を示す図である。ここでは、液晶表示器4に表示される画像による演出のみを例として、1ゲーム演出の最終結果または3ゲーム演出の各段階の最終結果のみを示すものとする。1ゲーム演出としての予告演出は、開始から1ゲームの期間内で完了し、最終結果として、例えば図18(a)に示すように「これは、あやしい」と表示される。また、同じく1ゲーム演出としての告知演出は、開始から1ゲームの期間内で完了し、最終結果として、例えば図18(b)に示すように、「ボーナス確定」と表示される。
【0153】
一方、3ゲーム演出は、開始から1ゲームの期間内では1つの段階までしか終了しない。第1段階の終了時には、例えば図18(c)に示すように、「これは、あやしい どうだろう? もう少し見てみよう」と表示され、さらにこの演出が続くことが示される。また、第2段階の終了時には、例えば図18(d)に示すように、「かなりあやしい どうだろう? もう少し見てみよう」と表示され、ここでもさらにこの演出が続くことが示される。そして、第3段階まで完了すると、3ゲーム演出の最終結果として、例えば図18(e)に示すように、「思った通り! やっぱりボーナス確定だ!」と表示される。
【0154】
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、遊技制御基板101のCPU111は、各ゲームにおいて内部抽選の結果を示す当選状況通知コマンドを演出制御基板102に送信するだけで、演出を実行するかどうか、さらにはどのような演出を実行するかということまで決定していない。この決定については、遊技制御基板101から受信した当選状況通知コマンドに基づいて各回のゲーム毎に、演出制御基板102のCPU121が独自に行うことができる。このため、演出の実行の決定のために遊技制御基板101側のCPU111その他の回路に処理負荷がかかることがない。演出の実行の決定のための乱数の生成も、演出制御基板102側が独自に有しているハードウェア乱数機能を用いて行っているため、遊技制御基板101側の回路に処理負荷がかかることがない。
【0155】
また、遊技制御基板101から演出制御基板102に送信される当選状況通知コマンドは、所定の確率で本来の内部抽選結果とは異なる内容を示すものに改変されている。これにより、内部抽選の結果が外部から捕捉されるのを防ぐことができる。さらに当選状況通知コマンドの演出制御基板102への送信タイミングをランダムな期間だけ遅延させているため、リール3L、3C、3Rの回転と演出制御基板102側で実行される演出とが同期することがなく、演出の内容によって遊技者に停止操作タイミング(いわゆる目押しのタイミング)を示唆することがない。
【0156】
また、演出制御手段102側で実行される演出には、1ゲームの期間で完了する1ゲーム演出と、3ゲームの期間で完了する3ゲーム演出とがあり、演出のバリエーションが多い。しかも、3ゲーム演出の各段階を実行するかどうかを各回のゲームで決めているため、3ゲーム演出が途中で中止されることもあり、演出のバリエーションが多くなっている。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0157】
ここで、1ゲーム演出は、1ゲームの期間において完了し、演出の最終結果(ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を告知するものか、予告するものか)が示されることとなるので、遊技者にとって演出の結果が分かり易い。
【0158】
一方、3ゲーム演出は、3ゲームの期間で完了するものであるが、演出の各段階は、各回のゲームに対応して断続的に行われる。このように長期間ダラダラと演出が行われることがないので遊技者を飽きさせることがない。しかも各段階が一連のシリーズを形成しているので、演出内容に統一性が図られ、遊技の興趣を向上させることができる。そして、3ゲーム演出の最後の段階は、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選告知となっているので、長期間の演出を行うことが遊技の興趣を向上させる結果となる。
【0159】
なお、当選状況通知コマンドは、内部抽選の結果と異なる内容を示していることがあるが、告知演出または3ゲーム演出の最終段階を実行するのは、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選していることを示す当選状況通知コマンドを連続して3回受信した場合だけである。ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに本来当選していないのにその当選を示すように当選状況通知コマンドが送信される確率は非常に小さく、3回も連続する確率は限りなく0に近い。仮に3回連続した場合があったとしても、告知演出や3ゲーム演出の最終段階が実行される場合はさらに少ない。つまり、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに本来当選していないのに告知演出や3ゲーム演出の最終段階が実行される確率というのは、他のエラーが発生する確率に比べても非常に小さく、実用上の問題が生じることはない。
【0160】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0161】
上記の実施の形態では、告知演出または予告演出として、1ゲームの期間で完了する1ゲーム演出と、3ゲームの期間で断続的に行って完了する3ゲーム演出とがあった。しかしながら、複数ゲームの期間で完了する演出は、必ずしも3ゲームに限るものではなく、2ゲーム以上の任意の期間で完了する演出とすることができる。また、3ゲーム演出の各段階は、決まったものであったが、これをゲーム毎に動的に変えることもできる。
【0162】
図19は、3ゲーム演出の他の実行例を示す図である。この例において、第1段階としては1通りのパターンだけがあり、その終了時には、例えば図19(a)に示すように、「これは、あやしい どうだろう? もう少し見てみよう」と表示され、この演出がさらに続くことが示される。
【0163】
第1段階が実行された次のゲームの期間では、3ゲーム演出の抽選に当選すれば、第2段階が実行されることとなるが、第2段階としては3通りのパターンが設けられている。第2段階の第1のパターンは、図19(b)に示すように、「なんと!? ボーナス確定だ!」とだけ示され、この演出がさらに続くことは示されない。第2パターンは、図19(c)に示すように、「かなりあやしい どうだろう? もう少し見てみよう」と表示され、ここでもさらに演出が続くことが示される。第3のパターンは、図19(d)に示すように、「何だ、ちがったか 残念!」と示され、この演出がさらに続くことは示されない。
【0164】
第2のパターンで第2段階が実行された次のゲームの期間では、3ゲーム演出の抽選に当選すれば、第3段階が実行されることとなるが、第3段階としても3通りのパターンが設けられている。第3段階の第1のパターンは、図19(e)に示すように、「思った通り! やっぱり ボーナス確定だ!」とだけ示さる。第2パターンは、図19(f)に示すように、「あやしいけど・・・ うーん、わからない!」と表示される。第3のパターンは、図19(d)に示すように、「ちがうのか? 本当に、残念!」と表示される。第3のパターンでは、いずれもこの演出がさらに続くことは示されない。
【0165】
この実行例での3ゲーム演出では、第1段階、第2段階の第2のパターン及び第3段階の第2のパターンが予告演出としての意味を有するものとなっている。また、第2段階の第1のパターン及び第3段階の第1のパターンが、告知演出としての意味を有するものとなっている。このような形で3ゲーム演出を行うことで、さらに演出のバリエーションを多くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0166】
上記の実施の形態では、3ゲーム演出の各段階は、各回のゲームに対応して断続的に行われるものとしていたが、各段階が連続するものであってもよい。各段階の演出を連続して行うため、3ゲーム演出の1段階目または2段階目が終了した後は、次の演出の決定がなされるまでアイドル状態(例えば、画面を揺り動かしたり、色彩を連続的に変化させたりするなどの状態)で待機させておけばよい。或いは、各段階の演出は、巡回するような内容のものとしてもよい。
【0167】
上記の実施の形態では、遊技制御基板101から演出制御基板102へ送信する当選状況通知コマンドの内容を、所定の確率で内部抽選の結果と異なるものに変換していた。しかしながら、当選状況通知コマンドは、如何なる場合も内部抽選の結果をそのまま演出制御基板102へ通知するものであってもよい。この場合には、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示すコマンドを1回受信しただけでも、告知演出や3ゲーム演出の最終段階を実行させることができる。
【0168】
また、当選状況通知コマンドの内容が変換される確率が低ければ、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示すコマンドを連続して2回受信すれば告知演出や3ゲーム演出の最終段階を実行させるものとすることができ、当選状況通知コマンドの内容が変換される確率が高ければ、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を示すコマンドをさらに多くの回数だけ連続して受信した場合にのみ告知演出や3ゲーム演出の最終段階を実行させるものとすることができる。
【0169】
上記の実施の形態では、スロットマシン1の遊技状態としては、通常の遊技状態の他に、ビッグボーナスとレギュラーボーナスとがあるだけであった。これに対して、AT(当選した小役の種類を告知するもの)、CT(リールの停止を無制御状態とするもの)、RT(リプレイ当選の確率を通常より高確率にするもの)、ST(ATとRTを含むもの)、押し順ナビ(停止ボタン12L、12C、12Rを操作する順番を指示するもの)といった他の有利な特定遊技状態を含むものであってもよい。
【0170】
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
【0171】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、演出の実行の制御だけでなく、決定も演出制御手段が行うこととなるので、遊技制御手段の負荷を小さくすることができる。また、演出のバリエーションが多くなり、遊技の興趣を向上させることができる。また、演出決定手段は、複数ゲーム演出が実行されていないときにおいて実行すべき演出を決定することができる。
【0172】
請求項2の発明によれば、事前決定コマンドに基づいて実行される演出によって、可変表示装置の停止操作のタイミングが図られるのを防ぐことができる。
【0175】
請求項3の発明によれば、演出を決定するための乱数生成の処理負荷が、遊技制御手段にかかることがない。
【0176】
請求項4の発明によれば、結果を分かり易く遊技者に示す演出を実行することができる。
【0177】
請求項5の発明によれば、長時間の演出で遊技者を飽きさせることを防ぐことができる。
【0178】
請求項6の発明によれば、各段階の演出を一連のシリーズとして示すことで、遊技の興趣を向上させることができる。
【0179】
請求項7の発明によれば、複数ゲーム演出の各段階の続きを行うか途中で中止させるかがゲーム毎に決定され、演出のバリエーションが多くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。
【図2】
図1のスロットマシンの前面扉を開放した状態で視認される内部構造を示す図である。
【図3】
図1のスロットマシンの前面扉の背面側の構造を示す図である。
【図4】
可変表示装置を構成する各リール上における図柄の配列を示す図である。
【図5】
図1のスロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。
【図6】
遊技制御基板及び演出制御基板に搭載された回路構成要素及び信号配線を示す図である。
【図7】
遊技制御基板内のROMに格納された当選状況通知コマンド変換テーブルを示す図である。
【図8】
図7の当選状況通知コマンド変換テーブルに従って当選状況変換コマンドが他の内容のものに変換される確率を示す図である。
【図9】
演出制御基板内のROMに格納された演出選択テーブルを示す図である。
【図10】
遊技制御基板内の制御部が、1ゲーム毎に実行する処理を示すフローチャートである。
【図11】
図10の抽選処理を詳細に示すフローチャートである。
【図12】
図11のコマンド送信処理を詳細に示すフローチャートである。
【図13】
演出制御基板内の制御部が実行するコマンド受信待機処理を示すフローチャートである。
【図14】
図13の演出処理を詳細に示すフローチャートである。
【図15】
図13の演出処理を詳細に示すフローチャートである。
【図16】
図13の演出処理を詳細に示すフローチャートである。
【図17】
当選状況通知コマンドの内容と実行される演出との関係を示す図である。
【図18】
1ゲーム演出と3ゲーム演出の実行例を示す図である。
【図19】
3ゲーム演出の他の実行例を示す図である。
【符号の説明】
1 スロットマシン
2 可変表示装置
4 液晶表示器
101 遊技制御基板
102 演出制御基板
125 乱数発生回路
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2011-06-15 
出願番号 特願2001-228622(P2001-228622)
審決分類 P 1 113・ 121- YA (A63F)
P 1 113・ 537- YA (A63F)
P 1 113・ 161- YA (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 赤坂 祐樹  
特許庁審判長 小原 博生
特許庁審判官 吉村 尚
澤田 真治
登録日 2007-04-06 
登録番号 特許第3939510号(P3939510)
発明の名称 スロットマシン  
代理人 川下 清  
代理人 鈴木 洋雅  
代理人 今田 晋一  
代理人 南郷 邦臣  
代理人 木村 満  
代理人 古溝 聡  
代理人 木村 満  
代理人 古溝 聡  
代理人 水谷 直樹  
代理人 雨宮 康仁  
代理人 梁瀬 右司  
代理人 振角 正一  
代理人 岩原 将文  
代理人 雨宮 康仁  
代理人 岩原 将文  
代理人 池垣 彰彦  
代理人 水谷 直樹  
代理人 南郷 邦臣  
代理人 鈴木 洋雅  
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