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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1241764
審判番号 不服2008-12434  
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-05-15 
確定日 2011-08-11 
事件の表示 特願2002- 31009「横断検索方法,及び、横断検索プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 8月22日出願公開、特開2003-233618〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯

本願は、平成14年2月7日の特許出願であって、平成20年1月11日付けで拒絶理由の通知がなされ、同年3月24日付けで手続補正書の提出がなされ、同年4月4日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年5月15日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

2.本願発明

本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成20年3月24日付の手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、次のとおりのものと認める。

「【請求項1】
ネットワークを介して複数の情報検索サイトと通信を行うことにより、これらの各情報検索サイトに情報検索を要求してその検索結果を受け取るコンピュータが実行する横断検索方法であって、
前記コンピュータが、予め、前記各情報検索サイト毎に、検索条件についての所定の記述規則からその情報検索サイトが使用する記述規則への変換関数であるCGIパラメータ定義、及び、検索サイト宛の検索要求を生成するための関数である検索実行定義を定義したスクリプトを記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記コンピュータが、利用者によって指定された情報検索サイトを特定する情報検索サイト特定ステップと、
前記コンピュータが、前記利用者によって指定された検索条件を所定の記述規則に則って取得する検索条件取得ステップと、
前記コンピュータが、前記情報検索サイト特定ステップによって特定された情報検索サイトに対応したスクリプトに定義された前記CGIパラメータ定義を、前記検索条件取得ステップによって取得された検索条件に対して実行することにより、その検索条件を前記情報検索サイトが使用する記述規則に則った検索条件に変換する検索条件変換ステップと、
前記コンピュータが、前記情報検索サイト特定ステップによって特定された情報検索サイトに対応したスクリプトに定義された前記検索実行定義を、前記検索条件変換ステップによって変換された検索条件に対して実行することにより、前記情報検索サイト特定ステップによって特定された情報検索サイト宛の情報検索要求を生成し、前記情報検索サイトへ送信する検索要求ステップと、
前記コンピュータが、前記情報検索要求に応じて、前記情報検索サイトが前記検索条件に従って情報検索を行った検索結果を受信する検索結果受信ステップと、
前記コンピュータが、前記検索結果受信ステップによって受信された検索結果を前記利用者に提示する検索結果提示ステップと
を実行する横断検索方法。」

3.引用例

原査定の拒絶の理由に引用された「冨田 一郎、手塚 祐一、山本 修一郎、綱川 光明,WWWによるマルチデータベース検索システム:WebSENA,NTT技術ジャーナル,日本,社団法人電気通信協会,1998年 5月 1日,Vol.10 No.5,第55-58頁」(以下、「引用例」という。)には、以下の事項が記載されている。

あ.「ネットワークの高度化とコンピュータの普及に伴って,個別に構築された複数のデータベースを複合的に利用することが重要になってきています.本稿では,インターネット/イントラネット上で複数の異種データベースから,個々のデータベースの所在・構造・表現形式の違いを意識することなく,WWWを利用して情報検索が行えるシステムの構築技術を紹介します.」(p.55 左上欄?右上欄)

い.「背景とねらい
データベースの普及とネットワークの高度化に伴ってデータベースを取り巻く環境も大きく様変わりしています(図1).従来,データベースシステムは各部門や組織において独自に構築・利用されてきました.データベースシステムの普及に伴って,データの2重投入などを避ける目的で,複数のシステムを統合してデータの抽出/変換/集約を行う仕組みが出現しました.最近では,データウェアハウスに蓄積された情報に基づいた経営分析や,市場動向調査のためのデータマイニングも行われています.これらの傾向はインターネット/イントラネットの普及によって一段と強まっています.
ところが,ネットワーク上にあるそれぞれのデータベースは,構築時期や設計者が異なりますから,当然データベースの間には様々な相違があります.データベース管理システムの相違・項目名の相違・データ構造の相違・データ表現形式の相違といったものがそうです.これらの相違が複数のデータベースから必要な情報を手に入れることを困難にしています(図2).
このようなデータベース間の相違を解消し,ネットワーク上の複数の異種データベースをまたがって情報を検索すること(マルチデータベース検索)を可能にするシステムとして,複数データベース検索用ナビゲーションシステムDBSENAがあります(図3).このDBSENAとイントラネットアプリケーション開発環境WebBASEを連携させることで,インターネット/イントラネット環境でのWWWを利用したマルチデータベース検索システムの容易な構築を可能にしました。」(p.55 左欄?p56)

う.「WWWによるマルチデータベース検索システム構築の課題
WWWから外部プログラムを利用する方法にCGI機能があります.DBSENAには,アプリケーションプログラムからDBSENAの機能を呼び出すためのC言語で記述されたSENA-APIが用意されています(図3).
WWWブラウザからDBSENAを利用するためには、通常はDBSENAの制御を行うためのCGIプログラムを作成することになります.この場合,WWWサーバの起動するCGIプログラムが,SENA-APIを介してDBSENAを制御してマルチデータベース検索を実行し,その結果をWWWサーバ経由でWWWブラウザに送ります.この方法では,WWWサーバから渡されるパラメータを解析する方法やファイルがCGIプログラムであることをWWWサーバに教える方法などのCGI機能に関する知識や,C言語でプログラムを作成するスキルなどが必要となります.さらに,他の外部システムも併せて利用したい場合には,CGIプログラムの改造が必要となることもあります.」(p.57 右欄?中欄)

え.「WebBASEとマルチデータベース検索の連携
WebBASEは,BASIC言語の構文を持つWebBASEスクリプトとHTML(Hyper Text Markup Language)を組み合わせて記述することで,WWWを利用した様々なシステムの構築を可能にしたWWWサーバです.さらに,DLL(Dynamic Link Library)を利用すればWebBASEスクリプトの関数や手続を拡張することも可能で,あらかじめDLLが用意されていれば,外部アプリケーションの利用もWebBASEスクリプトの作成だけで済みます.
WebBASEからDBSENAを利用できれば,WWWによるマルチデータベース検索システムの構築は、WebBASEスクリプトの作成だけで済みます.このために用意したのがマルチデータベース検索連携機構で,WebBASEとDBSENAを連携させるためのDLLになっています(図4).この連携機構は,SENA-APIをWebBASEのDLLインターフェースに合致するように変換しています.この機構を利用すれば,WebBASEスクリプトだけでDBSENAを直接制御できるので、WebBASEスクリプトの作成だけでWWWによるマルチデータベース検索システムが構築できます.」(p.57 中欄?右欄)

お.「マルチデータベース検索の機能
マルチデータベース検索連携機能によってWebBASEスクリプトから利用可能なDBSENAの主な機能には,情報の所在位置の特定,情報の構造や表現形式の取得および変換,情報を取得するための検索条件文(SQL)の生成などがあります.
(1)情報の所在位置の特定
欲しい情報の項目名とその条件からなる検索要求を指定することで,ネットワーク上のどのデータベースのどこにそれらの情報が格納されているかを特定することができます.
(2)情報の構造や表現形式の取得・変換
欲しい情報が各データベース中でどのようなデータ構造や形式で定義されているかについての情報を取得し、検索要求を各データベースの構造や表現形式に変換することができます.
(3)情報を取得するための検索命令文の生成
欲しい情報を各データベースから取得するための検索命令文を生成することができます.
(4)検索の実行および検索結果の変換
前項で生成した検索命令文を実行し,得られた検索結果を利用者の指定した形式に変換することができます.
これらの機能を利用することによって,利用者は,個々のデータベースの所在や構造,データの表現形式などの違いを全く意識することなく,複数のデータベースから一括して欲しい情報を取得できるようになります.」(p.57 右欄?p.58 左欄)

か.「システム構成
WebBASEとDBSENAの連携によるマルチデータベース検索システムを実際に構築しました(図4).ユーザインタフェースおよびDBSENA制御ルーチンはすべてWebBASEスクリプトで記述してあります.スクリプト内部では,マルチデータベース検索連携機構を通してDBSENAの機能を呼び出しています.
欲しい情報の項目名と情報に対する条件を入力し検索ボタンを押すと,検索結果が得られます.その際に,DBSENAの機能を利用して,適切なデータベースの選択および項目名や値の表現形式の変換を行います(図5).」(p.58 左欄?中欄)

また、上記記載事項を関連する図面と技術常識に照らせば以下のことがいえる。

(a)図5の「検索条件入力」画面に記載されている「知りたい情報の項目名」の入力部、及び「知りたい情報に対する条件」を入力する入力部への検索条件の入力は、マルチデータベース検索システムの検索条件入力部設計時に決められた所定の記述規則に則って行われる。

(b)上記記載事項の「お.」でいう「検索要求を各データベースの構造や表現形式に変換」は、上記(a)で触れた検索条件についての「所定の記述規則」を、「各データベースの構造や表現形式に合致した記述規則」に、換言すれば「各データベースが使用する記述規則」に、変換することを意味している。

(c)上記記載事項の「お.」でいう「欲しい情報を各データベースから取得するための検索命令文を生成」は、「各データベース宛の検索要求を生成」することを意味している。

(d)WWWによるマルチデータベース検索システム(以下、「マルチデータベース検索システム」という。)は各データベースから検索結果を受信する構成を当然に備えている。

したがって、引用例には実質的に次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。

「ネットワークを介して複数のデータベースと通信を行うことにより、これらの各データベースに情報検索を要求してその検索結果を受け取るマルチデータベース検索システムが実行する横断検索方法であって、
マルチデータベース検索システムが、検索条件について所定の記述規則から各データベースが使用する記述規則へ変換する機能、及び、各データベース宛の検索要求を生成する機能、を実現するWebBASEスクリプトを記憶するステップと、
前記マルチデータベース検索システムが、利用者によって指定された検索条件を所定の記述規則に則って取得する検索条件取得ステップと、
前記マルチデータベース検索システムが、WebBASEスクリプトを、前記検索条件取得ステップによって取得された検索条件に対して実行することにより、その検索条件を各データベースが使用する記述規則に則った検索条件に変換する検索条件変換ステップと、
前記マルチデータベース検索システムが、WebBASEスクリプトを、前記検索条件変換ステップによって変換された検索条件に対して実行することにより、各データベース宛の情報検索要求を生成し、前記各データベースへ送信する検索要求ステップと、
前記マルチデータベース検索システムが、前記情報検索要求に応じて、前記各データベースが前記検索条件に従って情報検索を行った検索結果を受信する検索結果受信ステップと、
前記マルチデータベース検索システムが、前記検索結果受信ステップによって受信された検索結果を前記利用者に提示する検索結果提示ステップと
を実行する横断検索方法。」

3.本願発明と引用発明との対比

本願発明と引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。

(1)引用発明の「データベース」と本願発明の「情報検索サイト」とは、検索要求を受信し、検索要求に対する検索結果を返信する機能を有するコンピュータであって、「情報検索機能要素」とも呼び得るものである点で共通する。

(2)引用発明の「マルチデータベース検索システム」は本願発明の「コンピュータ」に相当する。

(3)引用発明の「WebBASEスクリプト」と本願発明の「スクリプト」は、「検索条件について所定の記述規則から各情報検索機能要素が使用する記述規則へ変換する機能、及び、各情報検索機能要素宛ての検索要求を生成する機能、を実現するスクリプト」である点で共通する。

(4)本願発明でいう「CGIパラメータ定義」、及び「検索実行定義」は、いずれも、「スクリプトに定義された定義」であるから、それらを実行することは、スクリプトを実行することに他ならない。したがって、引用発明において「スクリプト」を実行することと、本願発明において上記各「定義」を実行することとは、「スクリプト」を実行する点で共通するといえる。

(一致点)

「ネットワークを介して複数の情報検索機能要素と通信を行うことにより、これらの各情報検索機能要素に情報検索を要求してその検索結果を受け取るコンピュータが実行する横断検索方法であって、
前記コンピュータが、検索条件について所定の記述規則からその情報検索機能要素が使用する記述規則へ変換する機能、及び、検索機能要素宛の検索要求を生成する機能、を実現するスクリプトを記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記コンピュータが、前記利用者によって指定された検索条件を所定の記述規則に則って取得する検索条件取得ステップと、
前記コンピュータが、スクリプトを、前記検索条件取得ステップによって取得された検索条件に対して実行することにより、その検索条件を前記情報検索機能要素が使用する記述規則に則った検索条件に変換する検索条件変換ステップと、
前記コンピュータが、前記スクリプトを、前記検索条件変換ステップによって変換された検索条件に対して実行することにより、前記情報検索機能要素宛の情報検索要求を生成し、前記情報検索機能要素へ送信する検索要求ステップと、
前記コンピュータが、前記情報検索要求に応じて、前記情報検索機能要素が前記検索条件に従って情報検索を行った検索結果を受信する検索結果受信ステップと、
前記コンピュータが、前記検索結果受信ステップによって受信された検索結果を前記利用者に提示する検索結果提示ステップと
を実行する横断検索方法。」である点。

(相違点1)
本願発明の「情報検索機能要素」は、「情報検索サイト」であるのに対し、引用発明の「情報検索機能要素」は、「データベース」であって、「情報検索サイト」と呼び得るものとは限らない点。

(相違点2)
本願発明は、「コンピュータが、利用者によって指定された情報検索サイトを特定する情報検索サイト特定ステップ」を有しており、「検索条件変換ステップ」、「検索要求ステップ」において実行される各定義を定義するスクリプトは、該「コンピュータが、利用者によって指定された情報検索サイトを特定する情報検索サイト特定ステップ」によって特定された情報検索サイトに対応したスクリプトであるのに対し、引用発明は、「コンピュータが、利用者によって指定された情報検索サイトを特定する情報検索サイト特定ステップ」に相当するステップを有しておらず、「検索条件変換ステップ」、「検索要求ステップ」において実行されるスクリプトは、該「コンピュータが、利用者によって指定された情報検索サイトを特定する情報検索サイト特定ステップ」によって特定された情報検索サイトに対応したスクリプトではない点。

(相違点3)
本願発明の記憶部に記憶される「スクリプト」は、「『所定の記述規則からその情報検索サイトが使用する記述規則への変換関数であるCGIパラメータ定義』、及び、『検索サイト宛の検索要求を生成するための関数である検索実行定義』を定義したスクリプト」であるのに対し、引用発明の記憶部に記憶される「スクリプト(WebBASEスクリプト)」は、「『所定の記述規則からその情報検索サイトが使用する記述規則への変換関数であるCGIパラメータ定義』、及び『検索サイト宛の検索要求を生成するための関数である検索実行定義』を定義したスクリプト」と言い得るものであるとは限らない(引用例には、スクリプト(WebBASEスクリプト)の具体的内容についての記載がない)点。

(相違点4)
本願発明の「記憶ステップ」は、「各情報検索機能要素(検索サイト)毎に」スクリプトを記憶部に記憶するものであるのに対し、引用発明の「記憶ステップ」は、「各情報検索機能要素(データベース)毎に」スクリプトを記憶部に記憶するものとは限らない点。

4.判断

(1)上記相違点について検討する。

(相違点1について)
データベースを複数の「情報検索サイト」と呼び得るサイトに分散配置することは、引用例に参考文献として提示されている「町原、綱川、星野、鈴木,”ネットワーク上にある複数データベースをまたがる一括検索を可能に”,NTT技術ジャーナル,1998年1月,Vol.10 No.1,pp.134-137」にも示されるように周知であり、引用発明のデータベースについても該周知のもののように複数の「情報検索サイト」と呼び得るサイトに分散配置することができない理由はないから、引用発明のデータベースを複数の「情報検索サイト」と呼び得るサイトに分散配置することは、当業者が容易に推考し得たことである。
以上のことは、引用発明の「情報検索機能要素(データベース)」を「情報検索サイト」と呼び得るものとすることが当業者にとって容易であったことを意味している。

(相違点2について)
利用者が複数のデータベースの中から検索対象とするデータベースを選択できるようにすることは、原査定の拒絶の理由に引用された特開2000-222418号公報(特に、段落【0060】、図17参照)にも示されるように周知であるし、該周知の技術が引用発明においても有用な場合があることは当業者に自明であるから、引用発明において、検索対象とするデータベースを利用者が選択できるようにすることは、当業者が容易に推考し得たことである。
そして、そのようにする場合に、「検索条件変換ステップ」、「検索要求ステップ」で実行するスクリプトが「検索対象として選択されたデータベースに対応したスクリプト」のみでよいことは、当業者に自明である。
以上のことは、引用発明を「コンピュータが、利用者によって指定さえた情報検索サイトを特定する情報検索サイト特定ステップ」に相当するステップを有するものとし、引用発明の「検索条件変換ステップ」、「検索要求ステップ」において実行されるスクリプトを、「該『情報検索サイト特定ステップ』に相当するステップによって特定された情報検索機能要素(データベース)に対応したスクリプト」とすることが当業者にとって容易であったことを意味している。

(相違点3について)
以下の事情を勘案すると、引用発明の記憶部に記憶される「スクリプト」を『所定の記述規則からその情報検索サイトが使用する記述規則への変換関数であるCGIパラメータ定義』、及び、『検索サイト宛の検索要求を生成するための関数である検索実行定義』を定義したスクリプト」とすることも、当業者が容易に推考し得たことというべきである。
ア.引用発明において、スクリプトを具体的にどのようなものとするかは、所望の機能を実現し得る範囲で当業者が適宜決定すべき事項である。
イ.スクリプトは一種のプログラムであるが、プログラムで定義した関数によって所望の機能を実現することは周知である。
ウ.上記周知のもののようなプログラムで定義した関数を用いた方法でも、引用発明の「検索条件変換ステップ」や「検索要求ステップ」で実現すべき機能を実現し得ることは、当業者に自明である。また、引用発明にそのようなやり方を採用できない理由もない。
エ.以上のことは、引用発明の記憶部に記憶される「スクリプト」を『所定の記述規則からその情報検索サイトが使用する記述規則への変換関数であるCGIパラメータ定義』、及び、『検索サイト宛の検索要求を生成するための関数である検索実行定義』を定義したスクリプト」とすることが当業者にとって容易であったことを意味している。

(相違点4について)
スクリプトやプログラムをメンテナンスや実行性能を考慮して分割して作成し記憶することは、従来から実施されている常套手段であり、引用発明においても、該常套手段が有用であることは当業者に自明であるから、引用発明において各情報検索機能要素毎にスクリプトを作成し、記憶部に記憶する構成とすることは、当業者が容易に推考し得たことというべきである。

(2)本願発明の効果について

本願発明の構成によってもたらされる効果は、引用発明の記載事項及び周知技術等から当業者ならば容易に予測することができる程度のものであって、格別のものとはいえない。

5.むすび

以上のとおり、本願発明は、引用発明、及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-06-09 
結審通知日 2011-06-14 
審決日 2011-06-27 
出願番号 特願2002-31009(P2002-31009)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 長谷川 篤男  
特許庁審判長 小曳 満昭
特許庁審判官 本郷 彰
岩崎 伸二
発明の名称 横断検索方法,及び、横断検索プログラム  
代理人 平川 明  
代理人 松倉 秀実  
代理人 高田 大輔  
代理人 遠山 勉  

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