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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  A47B
審判 全部無効 特36条4項詳細な説明の記載不備  A47B
管理番号 1242109
審判番号 無効2010-800026  
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2010-02-10 
確定日 2011-08-10 
事件の表示 上記当事者間の特許第3358173号発明「置棚」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 事件の概要
1 出願手続経緯
本件特許第3358173号に係る出願は、平成9年12月25日に特許出願されたものであり、本件出願の手続の経緯の概要は、以下のとおりである。

平成 9年12月25日 本件特許出願(特願平9-368696号)
平成14年10月11日 特許権の設定登録(特許第3358173号)

(1)異議の申立て
平成15年 2月14日 異議の申立て1(異議2003-70437)
同年 4月 9日 異議の申立て2(異議2003-70437)
平成15年11月18日 異議の決定(維持決定)

(2)別件無効審判1
平成15年 4月 8日 無効審判請求(無効2003-35060)
同年11月18日 審決(請求不成立)

(3)別件無効審判2
平成15年 4月 8日 無効審判請求(無効2003-35130)
同年11月18日 審決(請求は不成立)
同年12月25日 出訴(平成15年(行ケ)第587号)
平成16年11月 8日 判決言渡し(審決を取り消す)
同年12月15日 無効理由通知
平成17年 2月10日 訂正請求
同年 5月10日 審決(訂正を認める、請求不成立)
同年 6月16日 出訴(平成17年(行ケ)第10520号)
同年 6月28日 判決言渡し(請求棄却)
同年 7月10日 上告受理申立て(平成18年(行ノ)第10034号)
同年10月20日 上告受理却下の決定(平成18年(行ヒ)第276号)
同年10月24日 審決の確定登録

(4)別件無効審判3
平成18年 6月 5日 無効審判請求(無効2006-80105)
同年12月 8日 審決(請求不成立)
平成19年 1月12日 出訴(平成19年(行ケ)第10011号)
同年10月16日 判決言渡し(請求棄却)
同年11月 7日 審決の確定登録

2 審判手続経緯
これに対して、請求人より平成22年2月10日に平成22年2月9日付け審判請求書により、本件無効審判の請求がなされたものである。

平成22年 2月10日 無効審判請求(甲第1?27号証)
同年 4月23日 答弁書
同年 7月23日 口頭審理陳述要領書(被請求人)
同年 7月27日 口頭審理陳述要領書(請求人)
同年 8月10日 第1回口頭審理
同年 同月 同日 審理終結

第2 本件発明
本件の請求項1ないし3に係る発明(以下、「本件発明1ないし3」という。)は、平成17年2月10日付け訂正請求書に添付した訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

【請求項1】
左右の支脚間に前後に架橋した棚受用横桟上に適宜着脱自在な取替棚を掛止してなる置棚において、上記棚受用横桟は外管に内管を伸縮可能に挿通してなると共に、上記外管の伸縮方向に一定長を有する単一部材の固定棚は、その後方裏面に設けた取付孔に内管側の支脚を嵌入すると共に、当該固定棚の先端の円形孔からなる支持部に対して上記外管をその伸縮に応じて摺動自在に挿通して該固定棚を水平に支持し、所定枚数の取替棚を前後の外管上に掛止したことを特徴とする置棚。

【請求項2】
外管の内管挿通側の先端には、固定棚の外管支持部と当接する抜止部を設け、外管の最大伸長を規制した請求項1記載の置棚。

【請求項3】
固定棚および取替棚は、上下方向の通気孔を有する請求項1または2記載の置棚。

第3 当事者の主張
1 請求人の主張
(1)無効理由
請求人は、本件発明1ないし本件発明3を全て無効とする旨を請求の趣旨とし、その請求には理由があることについて、下記甲第1号証の1ないし甲第27号証の証拠方法を提出するとともに、次の2つの無効理由により、本件発明1ないし本件発明3は無効とすべきものである旨主張している。

ア 無効理由1
本件特許は、特許法第36条第4項に規定する要件を満たしていないので、特許法第123条第1項4号の規定により、無効とされるべきである。

イ 無効理由2
本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反しているので、特許法第123条第1項2号の規定により、無効とされるべきである。

(2)主な主張
本件特許を無効とすべき無効理由の内容は、審判請求書、口頭審理陳述要領書(請求人)及び第1回口頭審理調書の記載内容を総合すれば、概略以下のとおりである。
ア 無効理由1について
「摺動」の語句の意味、「外管に内管を挿通する」と「円形孔からなる支持部に対して上記外管をその伸縮に応じて摺動自在に挿通して」との使い分け、及び、発明の効果の記載からみて、請求項1に記載された「上記棚受用横桟は外管に内管を伸縮可能に挿通してなると共に」は、「棚受用横桟は外管に内管を隙間を有する状態で伸縮可能に挿し込むと共に」と読むことが理解できるから、本件発明1は、「内管は、外管に対して荷重の負担がない単なるガイドである」と解釈して、請求項1に記載された「当該固定棚の先端の円形孔からなる支持部に対して上記外管をその伸縮に応じて摺動自在に挿通して該固定棚を水平に支持し」が、この条件だけでは固定棚を水平に維持することはできないため、本件発明1の「置棚」は当業者が実施できる程度に明細書に記載されていない。

イ 無効理由2について
甲第1号証には、「置棚」の発明が実質的に記載されているとした上で、本件発明1との間で、
a「取替棚が棚受用横桟上に(直接)掛止する」
b「取替棚が着脱自在であること」
c「管を意味するものであると考えたときにそのような断面形状となっていないこと」
d「固定棚への支脚の固定が、取付孔に支脚を嵌入することにより行う」
e「外管を固定棚先端の円形孔からなる支持部に挿通すること」
f「取替棚を直接掛止した」
の点で相違するが、
上記a、b、fについては、甲第2?7号証に記載された周知技術から容易に想到し、上記cについては、甲第8?14号証に記載された事項からみて、単なる設計事項の範囲であり、上記dについては、甲第7、15号証に記載された事項からみて、固定手段の中での単なる選択行為であり、更には、周知慣用技術の単なる付加であり、上記eについては、甲9号証において、固定棚及び取替棚が、最終的に両管で荷重を負担するのであるから、最初にいずれの管に荷重をかけているのかということは、単なる設計事項であるといえるので、実質的に記載されているとして、本件発明1は、甲1に記載されている技術に対して、甲2乃至23に記載された発明あるいは周技術を単に組み合わせただけのものである。

(3)証拠方法
証拠方法は、以下のとおりである。なお、実用新案に係る証拠については、審判請求書では公開公報である旨の記載であったが、審判請求書の添付された甲各号証、及び、請求書において甲各号証において引用した箇所を参酌し、マイクロフィルムまたはCD-ROMのものであるとした。

甲第1号証の1 米国特許第1435598号明細書
甲第1号証の2 米国特許第1435598号明細書の翻訳文
甲第2号証 登録実用新案第3004815号公報
甲第3号証 登録実用新案第3031710号公報
甲第4号証 特開平9-308532号公報
甲第5号証 実願平3-50220号(実開平6-33524号)のCD-ROM
甲第6号証 実願平2-16544号(実開平3-106956号)のマイクロフィルム
甲第7号証 実願昭49-157283号(実開昭51-84707号)のマイクロフィルム
甲第8号証 実願昭58-32260号(実開昭59-139138号)のマイクロフィルム
甲第9号証 実願昭61-148169号(実開昭63-59537号)のマイクロフィルム
甲第10号証 実願昭58-92695号(実開昭59-196138号)のマイクロフィルム
甲第11号証 実願昭61-182032号(実開昭63-89041号)のマイクロフィルム
甲第12号証 実願昭51-104118号(実開昭53-23401号)のマイクロフィルム
甲第13号証 実願昭56-62810(実開昭57-175634号)のマイクロフィルム
甲第14号証 実願平4-14308号(実開平5-63448号)のCD-ROM
甲第15号証 特開平7-31578号公報
甲第16号証 実願昭63-147156号(実開平2-67943号)のマイクロフィルム
甲第17号証 実願昭63-36737号(実開平1-141652号)のマイクロフィルム
甲第18号証 実願昭62-24784号(実開昭63-132645号)のマイクロフィルム
甲第19号証 実願昭51-47314号(実開昭52-137122号)のマイクロフィルム
甲第20号証 「室内」1994年11月号,工作社発行,162?163頁「質問室」
甲第21号証 実願昭61-83204号(実開昭62-193433号)のマイクロフィルム
甲第22号証 実願昭51-71841号(実開昭52-163022号)のマイクロフィルム
甲第23号証 平成10年(ワ)第4202号判決
甲第24号証 昭和53年(行ケ)第131号判決
甲第25号証 平成13年(ワ)第12933号
甲第26号証 特許第3358173号特許公報
甲第27号証 平成17年5月10日付け審決及び特許訂正明細書

2 被請求人の主な主張
(1)無効理由1について
固定棚の支持部は外管によって水平に支持されること、取替棚は外管に掛止することであり、固定棚も取替棚も外管で支持されるために、両者を水平に支持することができたということであり、明細書の段落【0017】の「外管のみで支持される」とした意味は、取替棚も、固定棚の支持部と同様に外管の上だけに乗っているということである。
そして、実施可能要件の可否は、当業者が技術常識に基づいて判断することである。そして、本件発明は固定棚を水平に支持することと、取替棚を前後の外管上に掛止する構成をもって、固定棚と取替棚を水平に支持するものである。
これに対して、請求人は「挿通して」の意味合いは、「外管に内管を隙間を有する状態で挿し込む」と読むべきであると主張しているが、本件発明ではその構成要件中に「水平に支持」することが限定されているので、固定棚の部分と取替棚の部分が互いに倒れ込むような傾斜を有して置棚を構成するような例は、「水平に支持する」要件を充足しないものであり、このような構成が本件発明の実態であるとの解釈は成立の余地がない。当業者が技術常識をもって発明の詳細な説明及び図面に基づいた場合には、請求人の仮説は「水平に支持」するという要件を満たさないものとして、本件発明の構成から容易に排除されることは明らかである。

(2)無効理由2について
甲1の発明には、本件発明1の構成要件である、「当該固定棚の先端の円形孔からなる支持部に対して上記外管をその伸縮に応じて摺動自在に挿通して該固定棚を水平に支持し、所定枚数の取替棚を前後の外管上に掛止した」という技術は記載されていないうえ、これを示唆する記載も存在しない。また、甲2?甲23には、同じように、「当該固定棚の先端の円形孔からなる支持部に対して上記外管をその伸縮に応じて摺動自在に挿通して該固定棚を水平に支持し、所定枚数の取替棚を前後の外管上に掛止した」に該当する記載は見当たらない。その結果として、たとえ甲1に甲2?甲23を組み合わせたとしても、本件発明1は当業者にとって容易ではなく、これらの先行技術の組み合わせによっては、本件発明1を無効とすることはできない。
なお、甲第23号証は、無効理由1における判決例として提示されており、本件の出願前に公知のものといえないことから、以下、誤記として取り扱う。

第4 無効理由1についての当審の判断
1 「外管に内管を伸縮可能に挿通してなる」について
本件明細書において、外管と内管との挿通関係について記載された箇所として、段落【0006】に「上記棚受用横桟は外管に内管を伸縮可能に挿通してなると共に、上記外管の伸縮方向に一定長を有する固定棚は、その後方裏面に設けた取付孔に内管側の支脚を嵌入すると共に、当該固定棚の先端の支持部に対して上記外管をその伸縮に応じて摺動自在に挿通して該固定棚を水平に支持し、」、段落【0010】に「当該横桟2は外管2aに内管2bを伸縮自在に挿通した構造である。」が挙げられるが、これらは「挿通」することの技術的意味を特に定義したものではない。

次に、「内管」と「外管」とを有する「棚受用横桟」について検討するに、本件発明1の「左右の支脚間に前後に架橋した棚受用横桟」との特定において、「棚受用横桟」は、「左右の支脚間に前後に」「架橋した」ものであることからみて、「棚受用横桟」を構成する「内管」と「外管」とは、「置棚」として機能できる程度の力学的連結関係を有するものといえる。すなわち、「棚受用横桟」で荷重を受けている際に、「内管」が単なるガイドではなく、「内管」と「外管」とが接触していることは、「置棚」の構造からみて当然のことといえる。

更に、外管と内管との挿通関係と効果の記載との対応関係について検討するに、段落【0017】には、「【発明の効果】以上説明したように、棚受用の横桟を伸縮自在に構成したので、収納空間の寸法に応じて置棚のサイズを調整できる。また、固定棚および取替棚を外管のみで支持することとしたため、ガタツキがなく、外管の径に見合って十分な積載荷重を確保することができる。」と記載されている。この記載と本件発明1の構成とを比較してみると、
「固定棚および取替棚を外管のみで支持することとしたため」に関しては、本件発明1の「当該固定棚の先端の円形孔からなる支持部に対して上記外管をその伸縮に応じて摺動自在に挿通して該固定棚を水平に支持し、所定枚数の取替棚を前後の外管上に掛止した」構成における、「外管」と「固定棚の先端の円形孔からなる支持部」との支持関係、及び、「所定枚数の取替棚を前後の外管上に掛止した」ことを意味していると理解するのが自然といえ、よって、「ガタツキがなく、外管の径に見合って十分な積載荷重を確保することができる。」ことも、上記支持関係からもたらされる効果であると理解することができる。

したがって、上記効果の記載を参酌したとしても、「内管」と「外管」との挿通関係の技術的意味を規定するものとまではいえない。

そして、「外管に内管を伸縮可能に挿通してなる」ことは、「外管」と「内管」との径の関係が、「伸縮可能」な範囲で挿通できる大きさであればよく、本件発明1の構成及び明細書の記載内容からみて、「外管」や「内管」に特別な構造を採用しているものともいえない以上、それらの接触関係について、置棚として機能できる範囲で組み立て時や設置時において接触できるものとすることは、置棚の技術分野の技術常識からみて当然のことといえる。

なお、請求人は、本件発明1において、「当該固定棚の先端の円形孔からなる支持部に対して上記外管をその伸縮に応じて摺動自在に挿通して」と、「支持部」と「外管」との関係を「摺動自在に挿通して」と記載していることから、その違いにおいて、単に「挿通して」とあるものは、摺動自在しないものであるから「隙間を有する状態で挿し込む」ものである旨の主張をしているが、本件明細書において「挿通」することの技術的範囲を規定する記載も示唆する記載もされていないから、「挿通」とは、「さしはさむ」という一般的な関係を表すものであり、内管と外管との接触関係について限定して、「隙間を有する状態で挿し込む」という意味に限定して解釈すべきものとはいえない。

また、請求人が提出した甲第23?25号証にも、「挿通」の意味を特に限定的に解釈するに足る記載も示唆もない。

2 「固定棚を水平に維持すること」について
上記「1」で検討したとおり、外管と内管との挿通関係は、接触可能な状態も含んだものである。そして、段落【0016】には、「なお、上記実施形態では、押入用の置棚について説明したが、適用しようとする収納空間に応じて、外管2aの長さや、その伸縮範囲、即ち固定棚3の長さを変更できることはもちろんである。また、内管2bは、より長めのものを採用することが好ましい。その理由は、外管2aに対する挿通長さが長くなる分、横桟全体を強固とすることが可能だからである。」と記載されており、内管と外管とが重なる範囲が広いほど横桟全体が強度が増すと理解できることからみて、このことから内管も間接的には固定棚を支える作用を有しているものと理解することができる。
そうすると、本件発明1の構成からみて、
(1)「左右の支脚間に前後に架橋した棚受用横桟」、
(2)「棚受用横桟は外管に内管を伸縮可能に挿通してなる」、
(3)「固定棚は、その後方裏面に設けた取付孔に内管側の支脚を嵌入する」、及び、
(4)「当該固定棚の先端の円形孔からなる支持部に対して上記外管をその伸縮に応じて摺動自在に挿通して該固定棚を水平に支持し」
による全体的な作用により固定棚が「水平に維持されている」とすることができ、置棚として機能できる範囲で内管や外管等の構成を設計することにより、固定棚を技術常識の範囲の水平度で支持するように構成できるといえる。

3 小括
以上から、本件明細書には、「固定棚を水平に支持し」する構成について、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載しているものであり、かつ、本件発明1ないし3についても、その発明の実施の形態を記載した本件明細書の段落【0010】?【0016】及び図1により実施することができるといえるから、本件特許明細書は特許法第36条第4項に規定する要件を満たすものであり、請求人の主張には理由がない。

第5 無効理由2についての当審の判断
1 各証拠及びその内容
(1)甲第1号証の1
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第1号証の1には、図面とともに下記の事項が記載されている。なお、原文とともに、訳文として甲第1号証の2における対応する記載を示す。
(1-ア)「The invention relates to extension tables of a type in which the sections come up automatically on the movement to extended position, ・・・(中略)・・・the table being extensible without taking off the table spread, dishes, or any other load.」(1頁10?41行)
(訳文)「本発明は、区画部が、伸長位置に自動的に移動し、それらの通常の位置に再び格納されるように都合良く続けて下げられる型の伸縮テーブルに関する。
伸縮テーブルは、滑動部を含んでおり、複数のカムが、前記滑動部の一方で回転し、上角部材が、他方の滑動部に留められている。連結部は、連続するカムの組に対してその端部で回転し、区画部を持ち上げるために上角部材と協働するのに適しているフックを備えている。カムの組は、テーブルが伸長されるにつれて区画部を次々と持ち上げるように順番に動く。ロッドは、ケーブルを使って連結部に留められている。 ロッドでケーブルが引っ張られることで、区画部が崩れて、テーブルは、通常の位置に戻ることができる。
本発明の目的は、自動的な動作であり、テーブルが離れるように引かれると、可動板が順番に現れ、持ち上げられた可動板は適切な位置に固定される。現在使用しているテーブルは、テーブルを伸長したいときに、見失った可動板を探し回る必要があるが、本発明は、その不便さを取り除き、操作が手間取らず、一般的に便利であり、テーブル上の食事、食器または他のいずれ置物も取り除くことなく、テーブルを伸ばすことができる。」(1頁11?25行)

(1-イ)「The transverse frame members 10-10' are secured to end members 11-11', which are curved at the corners and thus brought into engagement with the ends of frame members 10-10'. ・・・(中略)・・・The elevated section, or sections, are then retained incapable of tipping by reason of the pair of cams on each end and the screws 27 so that there is no danger of collapse.」(1頁85行?2頁21行)
(訳文)「横手方向の枠部材10、10'は、終端部材11、11'に留められており、その終端部材は、隅で湾曲し、枠部材10、10'の端部とかみ合っている。金属の角部材12は、枠部材10、10'に留められて、ネジ13で取り外しできるように、足部材14を適所に保持している。枠部材10と終端部材11は、大テーブル上面板15に留められて、枠部材10'と終端部材11'は、小テーブル上面板15'に留められている。金属製の雄型滑動部16、16'は、枠部材10にしっかり留められており、大上面板15の下にわずかに間隔をあけて置かれている。金属製の雌型の滑動部17、17'は、枠部材10'に留められている。
図6で示すように、滑動部は、断面で実質的に長方形であるが、隣接側で切り取られ、長いフランジを形成している。長いフランジ18は、雌型の滑動部17、17'から垂れ下かっており、一連のカム19は、そのフランジ部分で回転する。テーブルのそれぞれの側に、個々の区画部20、21、22および23と協働するのに適しているこれらのカムの組があり、それぞれの区両部に対して、4つのカムがある。連結部24は、端部を有し、その端部は、カム19の各組の下端に回転自在に留められている。垂れ下がりのフック25は、連結部24の内端部に固定されている。雄型の滑動部16、16'は、上角部材26を有し、その上角部材は、滑動部に留められ、滑動部から横に突き出ている。
区画部を持ち上げる際に、テーブルの端は、別々に引き出される。 この動きでは、区画部20の下に配置される連結部24のフック25は、雄型の滑動部の端部で留められている上角部材26と接触することになる。これは、連結部24をわずかの間保持し、カム19をそれらの回転軸を中心に回転させ、テーブル区画部20を持ち上げ位置に持ち上げる。テーブル区画部が上方へ動くと、その一端が区画部のそれぞれの端に固定されているスクリュー27は、上方へ移動し、その頭部28は小室29を通過する。区画部が持ち上げ位置にある場合、その頭部は、小室の端にあり、もう上へ移動することができない。したがって、持ち上げられた単一のまたは複数の区画部は、カムの組とネジ27によりはね上がることができないように保持され、崩れる危険はない。」(2頁23行?3頁22行)

(1-ウ)「To each of the links 24 an eye 30 is suitably secured which grips a cable 31 extending therethrough. ・・・(中略)・・・When section 20 reaches the elevated position, cable 31 extending to rod 32 are tensioned so that cams 19 are incapable of further rotation in clockwise direction, looking at Figure 2.」(2頁39?56行)
(訳文)「鉄環30は、個々の連結部24に適切に留められており、鉄環を貫通しているケーブル31を把持している。鉄環の間のケーブルの長さは、実質的に、図2に示される関係であるときの鉄環の間の距離である。
テーブルのそれぞれの側に、これらのケーブル31のうちの1つがあり、それは、後方に延びており、U型のロッド32に留められている。ロッドの腕部分は、枠部材10'を通るように誘導されており、ロッドの内側への動きは、部材10'により限定されている。ロッドは、通常、見ることはできず、末端部材11'により隠されている。区画部20が持ち上げ位置に届くとき、ロッド32に延びているケーブル31は、カム19が時計回り方向にそれ以上回転できないように張られており、それは、図2に見られる。」(4頁2?11行)

(1-エ)「In lowering the section, rod 32 is moved outwardly, ・・・(中略)・・・When the parts are in the position shown in Figure 4, top 15 is supported by the sections.」(2頁70?91行)
(訳文)「区画部を下げる際に、ロッド32は、外側に向かって移動され、張っているケーブル31は、連結部をロッドの方向に移動させ、同時に、持ち上げられた区画部のすべてを落とす。次に、テーブルの端が、互いに向かって移動することができ、区画部は、図4に示されている位置に運ばれ、雄型の滑動部16、16'と上面板15との間で移動する。ケーブル31を張ると、カムは、記載されるように、すべてのカムの回転を限定する停止部材35と接触するまで回転する。したがって、これらの停止部材により、フック25は、さらに上方へ移動するのを妨げられ、区画部を持ち上げるためにテーブル端が再び離れるように移動されるとき、上角部材26とかみ合わない。テーブルが伸長されるとき、上面板15は、雌型の滑動部17、17'が備えているブロック34によりテーブルの中央で支えられている。部品が図4に示される位置にあるとき、上面板15は、区画部により支えられている。」(4頁18?29行)

(2)甲第2号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第2号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(2-ア)「【0014】【実施例】
以下、本考案の置棚の構成を図面に示す一つの実施例に従って更に詳述すると、図1において1は少なくとも前後の直立脚材1aの側面に多数の透孔1bを貫設してなる四角形状の支脚、2は左右2枚の支脚1、1間の前方および後方において、その両端ネジ部2aが上記支脚の透孔1bを貫通する中空状パイプからなる横枠、3は上記横枠2の両端ネジ部2aに螺装される止ナット、又4は一定の巾を有し、上記前後の横枠2、2間に奥行方向に架設される棚材であって、更に詳しくは図3に示すように両端に上記横枠2と緊密乃至は弾性的に係着し得る鈎部4aを曲成するとともに必要に応じて、上記鈎部4aを除く両側縁に弯入部4bを設けて棚材の中央部を巾狭に構成すると同時に、中央部には適宜な長孔4cを貫設し、それぞれの縁部を下方に屈成して補助リブ4dを形成してなるものである。
【0015】更に図4は上記支脚の他の実施例を示すもので、11は下面の両端部に近く凹孔11aを設けた上部枠、12は上記各凹孔11aと密に嵌合する丸または角形の脚パイプ12aからなる支脚、13は左右一対の支脚12間の前後の脚柱パイプ12aに摺動可能に取り付けられるジョイナーであって、該ジョイナーには横枠2’の端部が嵌入する支持孔13aと、上記脚柱パイプ12aに嵌合する貫孔部13bを一体に形成したものであり、各貫孔部13bの背面の透孔13cを介して各横枠2’を脚柱パイプの任意な高さにビス13dにて固定可能としたものである。尚、上記ジョイナー13に嵌着支持される前後の横枠2’・2’間に棚材4を架設(縦渡し)することは、先の実施例におけるものと全く同様である。
【0016】又、上記各実施例における前後の横枠2・2又は2’・2’は、丸パイプ、角パイプの別を問わず、互いに嵌合してスライド可能な異径パイプ2b、2cによって構成することにより(図4参照)、伸縮可能な置棚とすることができるが、この場合において、前後の伸縮横枠2又は2’を構成する左右の大径パイプ2cと小径パイプ2bとが、前後の横枠で左右反対に位置するようにすれば、横枠の強度バランスがとれるだけでなく、仮に上記棚材4の鈎部4aが非伸縮の横枠用として前後同形の鉤部に成形されている場合であっても、前後いづれか一方の鉤部4が大径パイプ2cに緊密に係着されて、棚材の移動や脱落等を確実に防止できるのである。」

(3)甲第3号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第3号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(3-ア)「【0009】図1に示すように、本考案にかかる置棚9は、全体が合成樹脂で成形されており、左右の脚枠1・1と、この脚枠1・1の上方の前後に取付部2・・・2によって取り付けられる横桟3・3と、この前後の横桟3・3にわたって載置される4枚の棚板4・・・4とから構成されている。
脚枠1は、支柱部11・11とこの両端が挿着される台部12・12とから構成されている。
【0010】また、取付部2は、図2に詳しく示すように、脚枠1の支柱部11に摺動自在に取り付けられる摺動部材21と、この摺動部材21を支柱部11にネジを利用して固定する固定具22と、摺動部材21に挿抜可能に設けられた挿着部材24とから成っている。この挿着部材24は、摺動部材21に形成された挿着孔23に挿着される挿着部24aと、横桟3の端部に冠着される冠着部24bとから成り、全体形状はほぼL字形の部材である。
【0011】図4に示すように、横桟3は、内側のパイプ31と外側のパイプ32とが内外に嵌合した状態で、摺動して伸縮自在で、この内外のパイプ31・32を締めつけ具33で締めつけることによって所望の位置で固定可能に構成されている。また、棚板4は、物を載せる載置部41と横桟3に掛ける掛け部42とから成り、横桟3の締めつけ具33に対面する掛け部42の底面は、締めつけ具33との干渉を避けるため凹部43となっている。
【0012】次に、図1乃至図3を用いて、置棚9の組み立てについて説明する。
摺動部材21・21を、脚枠1の支柱部11・11の同じ高さ位置に調整し、固定具22で固定する。もう一方の脚枠1の支柱部11・11にも、同じ高さ位置に摺動部材21・21を固定する。次に、図3に示すように、流し台5の下の置棚9を設置する位置に一方の手で脚枠1を立てて支持し、もう一方の手で横桟3を持って端部に取り付けられた挿着部材24を、奥の方の摺動部材21の挿着孔23に上から挿し込む。この横桟3は、排水トラップ6・排水ホース7より奥になる。
【0013】次に、反対側の脚枠1を一方の手で立てて支持し、もう一方の手で先の横桟3を持って、奥の方の摺動部材21の挿着孔23に、横桟3の端部の挿着部材24を上から挿し込む。このとき、両脚枠1・1は横桟3で連結されているので自立する。同様に、手前の横桟3の両端の挿着部材24・24を、手前の摺動部材21・21の挿着孔23・23に挿し込む。このようにして、棚板4を載せる枠ができ上がる。
【0014】最後に、排水トラップ6や排水ホース7を避けて、4枚の棚板4・・・4を前後の横桟3・3にわたって配設する。
本考案に係る置棚は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、上記置棚10においては棚を1段としたが、摺動部材と横桟と棚板とを用意し、もう1段下に棚を設けてもよい。また、材質についても合成樹脂に限定されず、金属製でもよい。横桟についても、上記実施の形態では2段であるが、多数段であっても構わない。
【0015】また、支柱部に等間隔に孔をあけ、この孔に固定具としての釘を挿し込んで、摺動部材を固定してもよい。」

(3-イ)図1、図3及び図4には、棚板4に水抜き用の穴が設けられていることが記載されている。

(4)甲第4号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第4号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(4-ア)「【0010】図1と図2は、本発明の棚構造に係る実施の一形態を示し、この棚構造は、設置場所のスペースに応じて伸縮するものであって、左右一対の柱部材1,1と、柱部材1,1に固着可能な左辺部材2・右辺部材3と、左辺部材2と右辺部材3とを左右連結する一対の伸縮パイプ材4,4と、複数枚の基本板6…から形成されて伸縮パイプ材4,4に支持される伸縮棚板部5と、から構成され、基本板6及び左右辺部材2,3は、プラスチックにて形成されている。なお、図1では、棚構造の左側の要部を示している。
【0011】左右辺部材2,3はその後方部に、柱部材1,1挿入用の筒部11,11が夫々設けられている。そして、例えば、筒部11下部に、筒部11まで連通したネジ孔12を有するネジ取付部13が付設され、止めネジ14をネジ孔12に螺合させることによって、筒部11に挿入した柱部材1に左辺部材2(及び右辺部材3)が所望の高さに固着されるよう構成されている。なお、柱部材1の外周面には、止めネジ14先端が当接するための凹窪部(図示省略)が、所定ピッチで複数形成されている。」

(4-イ)「【0017】また、基本板6の前後、つまり、平板部7前後部の両側面に弯曲鍔状の弯曲掛止部23,23が設けられ、この弯曲掛止部23,23にて一対の伸縮パイプ材4,4を抱えるようにして引っ掛けて、伸縮棚板部5が載置状に支持されている。」

(4-ウ)「【0028】しかして、図例に示す洗濯場、あるいは、台所や洗面所等水を扱う場所の、濡れた物品(バケツ36や食器類や調理器具等)を伸縮棚板部5に載置しても、水切り窓部22…が設けられているので水滴が下へ流れ落ち、棚板部5の上に溜まらない。」

(5)甲第5号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第5号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(5-ア)「【0018】また、この中央テーブル(1)は、支持脚(2)の上端部に、両端を開口部(6)とした挿入パイプ(7)を、平行に一対固定している。この挿入パイプ(7)は、図5に示すごとく、断面を長円状に形成するとともに外側の上面に、物品載置用の載置部(5)を形成している。
【0019】また、この挿入パイプ(7)は、図3に示すごとく、挿入パイプ(7)よりも細い直径の区画パイプ(8)を軸方向に、一端から他端まで挿入している。この区画パイプ(8)は、長さ方向の中間部を固定することなく、両端のみを挿入パイプ(7)内に溶接固定している。そして、挿入パイプ(7)内に、区画パイプ(8)により区画した平行する一対の挿入路(9)を形成している。また、区画パイプ(8)は一本でも良いが、図2に示すごとく、好ましくは2本、挿入パイプ(7)の対向する内側に固定して挿入路(9)を形成する。
【0020】そして、この挿入路(9)内に、延長パイプ(11)を両端から相互に摺動可能に挿入している。この延長パイプ(11)は、図3、図4に示すごとく、挿入路(9)内に挿入する先端外周に、環状の突当突部(12)を形成するとともに、この突当突部(12)に突当て可能な突当受部(13)を、挿入路(9)の開口部(6)内周に、環状に突出形成している。
【0021】また、この一対の延長パイプ(11)は、外端部(14)を、延長パイプ(11)とは別個に形成したコ字型またはU字型の連結パイプ(15)で連結している。
【0022】また、この延長パイプ(11)は、外端方向に、支持脚(2)を固定することにより、延長テーブル(16)を形成するとともに、延長パイプ(11)の上面に、載置板(10)を載置可能としている。そして、この支持脚(2)は、下端にキャスター(3)を装着することにより、中央テーブル(1)に対する延長テーブル(16)の出入を容易としている。」

(5-イ)「【0026】また、延長パイプ(11)を挿入路(9)から限度を越えて引き出そうとしても、図4に示すごとく、突当受部(13)の内周を、突当受部(13)の外周よりも小さく形成しているから、延長パイプ(11)の突当突部(12)が、挿入路(9)の突当受部(13)に突き当たって、延長パイプ(11)は摺動を停止し、挿入パイプ(7)から不用意に離脱することがない。」

(6)甲第6号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第6号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(6-ア)「この考案は家庭用の整理棚に関するものである。」(2頁3行)

(6-イ)「棚板Bは、大小異径の両管3と4を内外に差し合わせて摺動伸縮自在に連結した伸縮管を六本並列状に配してその両側端を側枠5で連結して棚板となし」(5頁11?14行)

(6-ウ)「尚、第1図中の下段の棚板上には水抜条孔8aを列設し前後両縁を下向きに折曲縁8bに形成した水切板8が載置されてあり、この水切板8は前後両折曲縁により棚板上へ嵌脱自在である。」(5頁19行?6頁2行)

(6-エ)第1及び2図には、水切板8が大小異径の管のうち大径の管に載置されていることが記載されている。

(7)甲第7号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第7号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(7-ア)「次にこの考案に係るテーブルの第1の実施例を第1乃至7図によつて説明すれば、1は平面矩形状をなす幕板で、その四角には下突状として、脚柱2が突設されている。」(3頁9?12行)

(7-イ)「さて、上記つき合せ状とした主甲板3a,3b底面の幕板1の内側における左右には、夫々左右一対の柱状内側案内板6,6と柱状外側案内板7,7が前後方向に、且つ隣接する内側案内板6と外側案内板7間に間隔が設けられた状態で設けられている。」(3頁17行?4頁2行)

(7-ウ)「さらに、上記隣り合う内外側案内板6と7間には、この摺動板5の両側面には、長手方向に連続して一側面に凹部10、他側面に凸部11が設けられ、これと対応する内外側案内板6と7の接摺側面には、上記凹部10及び凸部11と蟻嵌合する凸部8及び凹部9が形成されている。すなわち、摺動板5と内および外側案内板6及び7は、長手前後方向には相互に摺動し、上下方向には相互に移動しないようにして接合されるようになつている。さらに、各内外側案内板6,7の底面には、主甲板3aまたは3bのフリーがわの底部の下部における、両主甲板の内縁部近くの位置においてストツパー12または13が突設されている。」(4頁6?20行)

(7-エ)「4は、後述する左右主甲板3a,3bの開拡中間部に連続状態として嵌置される継甲板で、その底面の両側には、幕板1と連続する継幕板16,16が突設されている。」(5頁7?10行)

(7-オ)「上記のテーブルにて、甲板を広く使用する必要がある時には、主甲板の一方、例えば、3a底面の、左右脚柱2,2を持つて外方に引くと、第5図に示されるように、主甲板3aと共に、ストツパー12と13が載置板14,14に当接する迄内側案内板6,6及び摺動板5,5が外方に摺動し、前後主甲板3a,3b間に間隔が形成される。この状態において、載置板14,14上から継甲板4を取り出し、上記主甲板間に嵌置させるようにすれば良い。」(5頁16行?6頁5行)

(8)甲第8号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第8号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(8-ア)「この考案は印刷作業用テーブルに取付ける棚に関する。」(2頁13?14行)

(8-イ)「該側柱部材1,1’の上側水平部2,2’間に同形のパイブ材(円筒形)にて上部棚受部材4,4’を平行間隔を置いて渡嵌し、螺子3止めする。
側柱部材1,1’の中間垂直部5,5’間に角筒形をした中間上部棚受部材6と、中間下部棚受部材7を平行間隔を置いて水平渡嵌し螺子3止めする。
以上の各棚受部材は中間部材Aとその両側に嵌挿する両側部材Bからなり、両側部材Bに設ける横長孔Cより止めネジDを螺挿し、この止め螺子Dの弛めにより両側部材Bをスライド可能とし、螺子Dの締付けにより固定する伸縮調整可能の構造にて形成している。」(3頁12行?4頁10行)

(9)甲第9号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第9号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(9-ア)「[産業上の利用分野]
この考案は左右幅を一定範囲内で変更調整できる伸縮式のラックに関する。
[従来の技術]
台所用の水切り棚において,棚幅を変更可能とするものが,例えば実公昭57-20028号公報,同57-29652号公報,同57-29653号公報,および同52-17376号公報などに公知である。」(2頁6?14行)

(9-イ)「本考案では,第1図に示すように棚板部材2L・2Rとは別に縦フレーム3L・3Rに連結した横桟5L・5Rを設け,該横桟5L・5Rどうしを伸縮自在に嵌合連結することにより,強度アップされた伸縮式のラックフレームを構成している。
詳しくは,左右一対の縦フレーム3L・3Rから対向状に横桟5L・5Rを突設し,横桟5L・5Rどうしを左右の幅方向へ伸縮自在に嵌合連結してラックフレーム1を構成し,このラックフレーム1に左右に分割形成した棚板部材2L・2Rを支待する。つまり,主たる強度メンバーであろラックフレーム1を伸縮可能に構成して,伸縮式ラックの強度向上を図る。そして,棚板部材2L・2Rは互いに重合姿勢のまま伸縮できるようラックフレーム 1 に支持されており,棚幅全体を板状棚としている。
また,棚板部材2L・2Rの重合部において,下方に位置する棚板部材の突端に,係合孔9を設けた下向きの側壁8bを形成し,該係合孔9が横桟に係合支持されているので,棚板部材をラックフレーム1に確実に支持することができる。」(4頁1行?5頁1行)

(9-ウ)「第1図において,左右の横桟5L・5Rは鋼管を所定寸法に切断し,それぞれの一方の管端にナット6をかしめ固定したものであり,脚部4を横向きに貫通するボルト7を外側方から前記ナット6にねじ込むことにより,左右の横桟5L・5Rがそれぞれ縦フレーム3L・3Rに片持ち状に支持固定される。」(7頁3?9行)

(9-エ)「棚板部材2L・2Rは薄鋼板を下向きに開口する箱形状にプレス形成したものであって,左右で形状が異なる。すなわち,右方の棚板部材2Rは,右方の横桟5Rより左右長が僅かに大きく,脚部4・4間より前後長を大きく設定した横長矩形の天板壁8aと,これの周縁から下向きに折り曲げ形成した左右側壁8b・8cおよび前後側壁8d・8eとで箱形状に形成する。
このうち,左右側壁8b・8cには,それぞれ前後2個所に桟挿通孔9・9が通設してある。右側壁8cの桟挿通孔9を右方の横桟5Rの固定端に外嵌し,左側壁8bの桟挿通孔9を左方の横桟5Lに摺動可能に外嵌することにより,右方の棚板部材2Rがラックフレーム1に係合支持されている。この状態で棚板部材2Rは左右に移動は可能であるが,容易に遊動はしないものとなる。
左方の棚板部材2Lは右方の棚板部材2Rに比べて左右幅が3分の1以下の長さに設定してあり,第2図に示すようにその天板壁10aと前後側壁10d・10eが右方の棚板部材2Rの天板壁8aおよび前後側壁8d・8eに外面からほぼ密着状に重なる寸法に設定した。この棚板部材2Lは右側壁を有しておらず,左側壁10bのみを形成してあり,この左側壁10bの前後2個所に通設した桟挿通孔11を左方の横桟5Lの固定基端に外嵌装着してある。」(7頁14行?8頁19行)

(9-オ)「左右の横桟5L・5Rは直径の異なる管材で形成することが好ましいが、場合によってはL形断面やC形断面等の型鋼材で形成できる。また,横桟5L・5Rどうしの嵌合長さBを棚板部材2L・2Rの重合長さbより大きく設定しておくと,連結強度上および組付上において有利である。」(5頁2?7行)

(9-カ)「棚板部材2L・2Rの天板壁8a・10aは通気可能なパンチングメタルで形成してもよい。
必要に応じて,横桟5L・5Rの連結部に抜け止め手段を付加して,横桟5Lが最大棚幅以上に抜け出ない構造とすることができる。」(11頁3?7行)

(10)甲第10号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第10号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。

(10-ア)「本考案は押し入れ等の仕切用棚に利用される。」(1頁16行)

(10-イ)「第3図の棚板(15a)と(15b)とを引き離すと第6図の如くになる。大きな棚板(15a)には大きな枠棒(18a)が、小さな棚板(15b)には小さな枠棒(18b)が設けられている。大きな枠棒(18a)と小さな枠棒(18b)とは互いに入れ子式に係合するものである。」(5頁13?18行)

(10-ウ)第6、7、9及び10図には、大きな枠棒(18a)と小さな枠棒(18b)とが互いにC型鋼により形成されていることが記載されている。

(11)甲第11号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第11号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(11-ア)「本考案は、足場架台の改良に関する。」(1頁18行)

(11-イ)「一対のパイプ状の外管2、2内に摺動自在に収容された一対の内管3、3を伸縮させることにより、上記足場架台1を防水施工を施した床等の形状に合せて適宜の長さに設定し、然る後、複数個の足場架台1を適宜の間隔を保つて床等に設置し、その上に渡し板7を懸け渡すものである。」(5頁9?15行)

(11-ウ)「実施例に於ては上記外管2、2及び内管3、3をパイプ状としたが、外管2、2及び外管3、3(当審注:「内管3、3」の誤記)の形状は三角形、四角形、六角形及び八角形等、同様な機能を達成し得るものであれば、公知の形状を採用し得るものであり、本考案はその目的の範囲内で自由に設計変更できるものであって、本考案はそれらの総てを包摂するものである。」(7頁1?7行)

(11-エ)第1図には、外管2、2上に荷重がかかる渡し板7が懸け渡されていることが記載されている。

(12)甲第12号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第12号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(12-ア)「この考案は、台所、事務、簡単な組立等の作業時に使用される補助テーブルに関するものである。」(2頁2?3行)

(12-イ)「図において、厨房家具及び机等の家具本体1内に適宜なスペース2を設け、このスペース2の左右の内側壁の上端近傍に、伸縮杆3を夫々固定する。この伸縮杆3は、複数本のロツドの各連結部に夫々同径のリング状のストツパー4を突設して前後方法へ伸縮する際に順次ストツプするように形成されている。」(3頁5?11行)

(13)甲第13号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第13号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(13-ア)「本考案は、いわゆるエクステンションテーブルと呼ばれるテーブル装置の改良に関する。」(1頁14?15行)

(13-イ)「上記テーブル片収容室2には、支持機構11に支持される第1,第2のテーブル片12,13が出し入れ自在に収容される。上記支持機構11は、収容室2の両側に沿って設けられる伸縮自在なスライドレール14,14がその基本となす。各スライドレール14,14はそれぞれ最も径の大きな部分が収容室2に固定され、順次径の小さくなる部分のたとえば残り3段が突設自在である。」(3頁15行?4頁3行)

(13-ウ)第4及び5図には、断面が角形状のスライドレールが記載されている。

(14)甲第14号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第14号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(14-ア)「【0005】【作用】
水切棚の前後両縁材に挿着した両小径管を挿抜摺動して伸縮させることにより棚の長さを長短調節できるので、流し槽の幅に応じて長さを調節し、両側基台により流し槽上へ載置嵌合して橋渡し状に水切棚を設置できる。
また、棚板を水分排出良好な水切板で構成したので、水洗いした器物を載置してその水切りを良好にし、小器物でも棚上から落下しないよう器物を安定して確実安全に載置できる。
【0006】【実施例】
本考案の実施例を添付図面に従って説明する。
図1は、本考案一実施例の水切棚を示した斜視図であり、図2にその分解斜視図を、図3、図4にその要部の端面図を夫夫示してある。
図中の符号1は水分排出良好な網板でこの水切棚の水切板を形成し、2は前記網板の前後両縁部を挟持して添設された丸管状の縁材、3は前記丸管状縁材の内腔へ挿抜摺動自在に挿着された小径管、4,4´は水切棚の左右両側端部に嵌着された基台、5は前記小径管挿着部側で前後両縁材間に嵌挿された側枠、6は水切棚の左側端基台4の内部に挿入して網板側端部を押圧固定するための挿入固定片、6´は水切棚の側枠5の内部に挿入して網板側端部を押圧固定するための挿入固定片、7は押ねじで前記側枠5の前端部に螺入して小径管3を押圧しその摺動を固定するための押ねじを夫夫示してある。
【0007】前記網板1は、流し槽の大きさに見合う面積の矩形状に裁断された金網でその無数の網目から水分を下方へ流出する水切板である。
管状縁材2は、帯状平板の中央部分を丸管状に巻き曲げて両縁残部の平面部を同方向へ平行状に延出させ、同延出部を網板両縁部の挟持片2a,2a´に形成し、該両挟持片間に網板1の縁部を挿入して挟持させてある。
小径管3は、前記丸管状縁材2の内腔へ遊挿できる外径の管体で、その挿入内端部を丸管状縁材内腔で摺動可能な程度に膨大させた膨大部3aを形成してある。
基台4は、前記前後両縁材間隔よりも少し長寸の合成樹脂片でその横幅の約半分程度の下側面部を段型に切欠し該切欠段部4aにより流し槽周壁上に載置嵌合できるよう形成し、該段部の外側角部を円弧状角部4bとなし、内側面前後部に前後両縁材の挿入孔4cと両挿入孔間に網板側端部挿入溝4dとを穿設してある。
基台4´は、前記基台4と外形は同一であるが、内側面部では前後部に小径管3の挿入孔4´cを穿設し、両挿入孔間は段部4´dに形成してある。
側枠5は、前記基台に合わせて同長にした棒状体の前後両端部に小径管3の挿通孔5a,5aを設け、内側面部で前後挿通孔間に網板側端部の挿入溝5bを穿設し、該挿入溝5bの下壁前後部に窪孔5cを対設し、前端面に螺孔5dを螺刻してある。
なお、前記小径管挿通孔5aは丸管状縁材2の内径よりも小径になるよう狭窄状に設け、この狭窄小径孔の内側に小径管内端部の膨大部3aが係合することにより小径管の抜け止め効果を果たすよう形成してある。
挿入固定片6,6´は共に同形のL形曲板であり、基台4と側枠5の網板挿入溝内に挿入できる寸法で、その水平片6a,6´aの前後部には前記窪孔に係入する係止突片6bを対設してあり、この係止突片が網板側端部の網目を経て窪孔に係入することにより網板側端部を挿入溝内に押圧係合させて固定する。
【0008】図5及び図6は、前記水切棚の水切板についての他の実施例2例を示したものであって、図5に示す水切板は、多数の線材を並列させて一体連結した簀子8で構成されており、図6に示す水切板は、平板に多数の水抜き孔を穿孔した穿孔板9で構成されたものであり、之等の図で示された水切板の外、適宜な素材により適当な水切板を構成することも可能である。」

(15)甲第15号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第15号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(15-ア)「【0017】以上のような構成の図1?図3の台所用水切り台10a、10b、10cであるから、第1の台3a、3bと第2の台7a、7bは、互いに摺動自在で且つ伸縮自在である。図1、図3のように所定位置にねじ8を形成すれば任意の長さに固定することができる。又、それぞれの板6には沢山の孔5を穿設してあるので、板6上に注がれた水は容易且つ十分にその沢山の孔5から排水され容易に水切りされる。当然のことではあるが、穿設してある沢山の孔5の径が小さいので、その沢山の孔5を穿設した板6上に細長い物や小さな物を乗せても、抜け落ちることがない。更に、沢山の孔5を穿設してあるがその板6の上面は平坦に形成してあるので、大小色々なものを乗せても安定している。
【0018】図4の実施例において、前記本発明の実施例と主に異なる点は、図1の実施例の第1の台3aと第2の台7aを伸縮自在に形成した複数の台所用水切り台10aと、その複数の台所用水切り台10aを所定間隔で重置して支える複数の支柱11とからなる台所用水切り台付き棚としたことである。」

(16)甲第16号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第16号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(16-ア)「この考案は流し台の上に乗せる水切り棚に関するものである。」(2頁1?2行)

(16-イ)「以下、実施例につき図面とともに説明する。1は互いに平行な金属製のパイプでその一端を支持枠片2により櫛状に固定し、パイプ1の他端にはパイプ1に嵌入してパイプ1の軸方向にスライド可能な連結体3がある。連結体3の上面に周囲に縁4を有するトレイ5を構成し、トレイ5の底面6に連結体3の各パイプの孔軸のほぼ中間に水切り孔を兼用する溝状のナイフホルダー孔7を有する。連結体3の裏面側にパイプ1の嵌入孔の一部をその軸方向に切欠き溝8を設け、嵌入したパイプ1の先端の盛上げ9を該切欠き溝8にはめこんで盛上げ9がストッパー10にあたって連結体3がパイプ1から抜けないようになっている。11は流し台の水槽の両内側面に接触してこの考案の水切り棚がパイプの軸方向に移動しないようにするための支持枠片2及び連結体3に設けた案内であり、12はパイプ1と連結体3を固定する止めねじである。」(3頁12行?4頁9行)

(17)甲第17号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第17号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(17-ア)「本考案は、流し台に架け渡して水切用或いは調理用等に使用される伸縮自在なパイプ棚に関する。」(1頁14?15行)

(17-イ)「1は一方端部の口径を絞り加工等によつて若干小径2とした径の大なるパイプで、このパイプ1には他方端部の外周面に薄片3を取付けて前記小径部2に係合される大径部4を設けた径の小なるパイプ5が伸縮自在に挿入されて、伸縮パイプ体6が形成されている。この伸縮パイプ体6はパイプ1,5を伸縮させた際に、大径部4が小径部2に係合されるのである。」(3頁15行?4頁2行)

(17-ウ)「本考案は叙上のように構成され、径の大なるパイプに径の小なるパイプを伸縮自在に挿入し、径の大なるパイプの一方端部に設けた小径部に、径の小なるパイプの他方端部に設けた大径部を係合することによつて、双方のパイプの抜け出しを防止するのであり、従来の如く中間体を必要とせずに棚体を構成でき、従って、まな板等比較的大きなものを載置しても、段差がないことから傾斜やガタつきのおそれはなく、安定した作業が行えるのである。」(4頁11?20行)

(18)甲第18号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第18号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(18-ア)「本考案は、流し台の流し槽上に架設される水切部付まな板に関する。」(1頁10?11行)

(18-イ)「1は水切部付まな板で、まな板部2と水切部3とを有する。まな板部2はABS樹脂材料等からなる長方形の板状を有し、このまな板部短辺側の一側は流し台4の流し槽5周縁上に載置される載置部6が形成されている。このまな板部2底面側の両長辺側縁部に沿って、左右一対の摺動案内部7が一体に形成されている。この案内部7は下方に突設された基壁8と、互いに内向する係止片9とからなり、この基壁8の載置部6側(一側)は側壁10で連結されている。他側は開口されており、この他側は係止片9を切欠いて形成された段部11が設けられている。この段部11にABS樹脂材料等の固定桟材 12の両端部が係合されると共に、この固定桟材12は前記基壁8にボルト20で固定されている。この固定桟材12には、まな板部2の長手方向に貫通する複数個の通穴13が固定桟材12長手方向に等間隔に形成されている。
前記水切部3は、ABS樹脂材料等の摺動桟材14及び載置部15を有した基体16と、合成樹脂材料の複数本の杆体(パイプ)17からなる。パイプ17は前記固定桟材12の各通穴13に摺動自在に挿通されて平行状に並列され、その一端には前記一対の摺動案内部7に開口側から摺動自在に内嵌された前記摺動桟材14が固着されている。」(4頁20行?6頁3行)

(18-ウ)「反対に水切部3を引き出した際には、摺動桟材14が固定桟材12に当接されるので、水切部3はまな板部2から抜けてしまうことはない。」(6頁9?11行)

(19)甲第19号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第19号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(19-ア)「本考案は、流し台上に配設して洗った食器類を置くための水切り棚、即ち複数本並列する小径パイプ(1)の一端を側桟(2)で固定した棚半体(A)と、小径パイプ(1)の外径より僅かに大なる内径の大径パイプ(3)を複数本並列してその両端を側桟(4)(5)で固定してパイプ(3)の一端に摺動進退自在に嵌入した伸縮自在の水切棚の改良に係るものである。
即ち本考案は、小径パイプ(1)の他端に大径パイプの内径に略等しいキャツプ(6)を嵌着固定し、大径パイプ(3)の一端寄り部分に円周方向の膨出条(7)を形成したmのである。」(2頁2?14行)

(19-イ)「この構造とすることにより水切棚の長さを伸縮調整する場合に小径パイプ(1)を後退させてもキャツプ(6)の鍔部(d)が鍔状キャツプ(8)の内縁片(b)に衝突して抜け止めになるという効果がある。」(3頁7?11行)

(20)甲第20号証
本件特許の出願前に頒布された甲第20号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(20-ア)図1?9には、伸長式テーブルの基本的な機構として9種類のものの外観図が記載されている。

(21)甲第21号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第21号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(21-ア)「2.実用新案登録請求の範囲
イ.棚板の中よりスノコ状のパイプを引き出すようにした棚板。
ロ.左右のパイプの位置をずらすことにより左右両側よりでもスノコ状のパイプを伸ばすことができる棚板
3.考案の詳細な説明
この考案は、寸法の違う各家庭の浴室にも、スノコ状のパイプ(3)を端板(2)に固定したものを棚板(1)より引き出し伸ばすことにより、棚板がつれるようにした。また、左右両方に伸ばすようにすれば約2倍半にも伸ばせる。パイプ状の部分には、バケツ・洗面器などを置くことができ、又タオル・浴槽の掻き回し俸・S字型の器具を用いてタライなどを吊り下げることができ、棚板の部分には洗剤のビン・その他のものが置け、浴室の整理ができ、浴室を広く使用することができ、入浴も快適にできる。」(1頁3?20行)

(22)甲第22号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第22号証には、図面とともに下記の事項が記載されている。
(22-ア)「そこで本考案は棚体自体を伸縮調整自在とすることにより、これに応じて支持体間隔の調整もでき、どのような場合においてもその場所に適応した状態に設置することのできる物品載置棚を提供しようとするもので、以下図面について本考案の一実施例を説明すると、適数本の杆体1を所定間隔をおいて平行状に並列せしめ、その一方端に外方に係止片2を突出形成した基体3を固着すると共に、前記杆体1と同一の所定間隔をおいて貫通孔4を設けた中間体5を杆体1に摺動自在に挿通して杆体群Aを形成する。この杆体群Aと、これと同様に構成された杆体群Bとを、双方の基体3が両端に位置し、相対する杆体1が所定間隔の中間部に齟齬状に位置するよう配設し、夫々に属する中間体5を双方の杆体群A,Bを一体に組立て棚体Cを構成する。この棚体Cは両端の基体3を左右に拡縮操作することにより中間体5が挿通した杆体1を摺動して全体の長さを任意に変更できる。一方の中間体5の側面にはこの中間体5に挿通されて摺動する杆体1の動きを制御し全体の長さを一定に保持するねじ等の止着具6を装備している。」(2頁12行?3頁15行)

2 甲第1号証の1に記載された発明
上記記載事項(1-イ)の記載事項から、区画部20?23は、スクリュー27を介して上下動可能に雌型の滑動部17、17'と接続し、雌型の滑動部17、17'に回転可能に設けられたカム19により上下動することが読み取れる。
また、上記記載事項(1-エ)の記載事項から、区画部20?23は、伸縮テーブルを最も短い長さの状態にしたときには、大テーブル上面板15は、区画部により支えられ、テーブルが伸長されるとき、雌型の滑動部17、17'が備えているブロック34によりテーブルの中央で支えられていることが読み取れる。

よって、上記記載事項(1-ア)?(1-エ)および図面の記載を総合すると、甲1号証の1には、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
「足部材14が保持された枠部材10、10'に留められた雄型滑動部16、16'及び雌型の滑動部17、17'、及び、雌型の滑動部17、17'上に区画部20?23を配置した伸縮テーブルにおいて、
雄型滑動部16、16'及び雌型の滑動部17、17'は、各々が断面において、一部が切り取られ長いフランジを有する長方形の形状を有し、
大テーブル上面板15に留められた枠部材10と金属の角部材12とによりネジ13で取り外しできるように足部材14が適所に保持され、
伸縮テーブルを最も短い長さの状態にしたときには、大テーブル上面板15は、区画部により支えられ、テーブルが伸長されるとき、雌型の滑動部17、17'が備えているブロック34によりテーブルの中央で支えられ、
区画部20?23は、スクリュー27を介して上下動可能に雌型の滑動部17、17'と接続し、雌型の滑動部17、17'に回転可能に設けられたカム19により上下動する伸縮テーブル。」

3 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。

(1)甲1発明の「足部材14」は、機能・構成からみて、本件発明1の「左右の支脚」に相当する。

(2)甲1発明の「断面において、一部が切り取られ長いフランジを有する長方形の形状を有する」「雄型滑動部16,16’」と本件発明1の「内管」とは、機能・構成からみて、各々「内側伸縮部材」である点で共通する。

(3)甲1発明の「断面において、一部が切り取られ長いフランジを有する長方形の形状を有する」「雌型滑動部17、17’」と「雌型の滑動部17、17'に回転可能に設けられたカム19」と「雌型の滑動部17、17'が備えているブロック34」からなる部材は、本件発明1の「外管」とは、他の部材の支持機能及び載置機能からみて、「外側伸縮部材」である点で共通する。

(4)甲1発明の「足部材14が保持された枠部材10、10'に留められた雄型滑動部16、16'及び雌型の滑動部17、17'」は、左右の足部材の間に前後で架橋された構造を有しており、雄雌の関係により、伸縮可能に挿通した構造を有しているといえるから、甲1発明の「足部材14が保持された枠部材10、10'に留められた雄型滑動部16、16'及び雌型の滑動部17、17'」及び「雌型の滑動部17、17'」に具備する「雌型の滑動部17、17'に回転可能に設けられたカム19」と「雌型の滑動部17、17'が備えているブロック34」からなる部材は、機能・構成からみて、本件発明1の「左右の支脚間に前後に架橋した棚受用横桟」に相当する。

(5)甲1発明の「大テーブル上面板15」と、本件発明1の「外管の伸縮方向に一定長さを有する単一部材の固定棚」とは、「外側伸縮部材の伸縮方向に一定長さを有する単一部材の固定載置部材」という点で共通する。

(6)甲1発明の「大テーブル上面板15に留められた枠部材10と金属の角部材12とによりネジ13で取り外しできるように足部材14が適所に保持され」ることと、「(固定棚は、)その後方裏面に設けた取付孔に内管側の支脚を嵌入する」とは、「(固定棚は、)取付部に内側伸縮部材側の支脚を取付ける」点で共通する。

(7)甲1発明の「伸縮テーブルを最も短い長さの状態にしたときには、大テーブル上面板15は、区画部により支えられ、テーブルが伸長されるとき、雌型の滑動部17、17'が備えているブロック34によりテーブルの中央で支えられ」ることと、本件発明1の「当該固定棚の先端の円形孔からなる支持部に対して上記外管をその伸縮に応じて摺動自在に挿通して該固定棚を水平に支持」は、機能・構造からみて「棚受用横桟により固定棚を水平に支持」する点で共通する。

(8)甲1発明の「区画部20?23」及び「区画部20?23は、スクリュー27を介して上下動可能に雌型の滑動部17、17'と接続し、雌型の滑動部17、17'に回転可能に設けられたカム19により上下動する」ことと、本件発明1の「着脱自在な取替棚」及び「所定枚数の取替棚を前後の外管上に掛止した」ことは、各々、「載置部材」、「載置部材を外側伸縮部材上に載置した」点で共通する。

(9)引用例1に記載された「伸縮テーブル」と、本件発明1に記載された「置棚」とは、「載置具」という点で共通する。

以上の考察から、両者は、
「左右の支脚間に前後に架橋した棚受用横桟上に載置部材を載置してなる載置具において、上記棚受用横桟は外側伸縮部材に内側伸縮部材を伸縮可能に挿通してなると共に、上記外側伸縮部材の伸縮方向に一定長を有する単一部材の固定載置部材は、その取付部に内側伸縮部材側の支脚を取付けると共に、棚受用横桟により固定棚を水平に支持し、載置部材を外側伸縮部材上に載置したことを特徴とする載置具。」である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点1)載置部材が、本件発明1では、「棚受用横桟上に適宜着脱自在な取替棚を掛止」及び「所定枚数の取替棚を前後の外管上に掛止」するものであるのに対し、甲1発明では、「スクリュー27を介して上下動可能に雌型の滑動部17、17'と接続し、雌型の滑動部17、17'に回転可能に設けられたカム19により上下動する」「区画部20?23」であり、着脱自在な構造ではない点。

(相違点2)載置具が、本件発明1では、取替棚を有する「置棚」であるのに対して、甲1発明では、着脱自在な構造ではない区画部を有する「伸縮テーブル」である点。

(相違点3)外側伸縮部材及び内側伸縮部材が、本件発明1では、「外管」及び「内管」であるのに対し、甲1発明では、「カム19」と「ブロック34」を具備した「雌型滑動部17、17'」及び「雄型滑動部16、16'」であり、各々の断面形状が、「一部が切り取られ長いフランジを有する長方形の形状を有する」ものであり管状構造ではない点。

(相違点4)棚受用横桟により固定棚を水平に支持する構造が、本件発明1では、「当該固定棚の先端の円形孔からなる支持部に対して上記外管をその伸縮に応じて摺動自在に挿通して該固定棚を水平に支持し」であるのに対し、甲1発明では、「伸縮テーブルを最も短い長さの状態にしたときには、大テーブル上面板15は、区画部により支えられ、テーブルが伸長されるとき、雌型の滑動部17、17'が備えているブロック34によりテーブルの中央で支えられ」るものである点。
すなわち、本件発明1では、固定棚の先端の円形孔からなる支持部と外管との間に支持関係があるのに対して、甲1発明では、伸縮テーブルの長さに応じて、「雌型の滑動部17、17'が備えているブロック34」による直接支持か、区画部を介して「雌型の滑動部17、17'」に間接的に支持されているものである点。

(相違点5)固定載置部材が、本件発明1では、「外管の伸縮方向に一定長さを有する単一部材の固定棚」であり、「その後方裏面に設けた取付孔に内管側の支脚を嵌入する」のに対し、甲1発明では、「大テーブル上面板15」であり、「大テーブル上面板15に留められた枠部材10と金属の角部材12とによりネジ13で取り外しできるように足部材14が適所に保持され」るとして、他の部材を介して足部材を取り付けている点。

4 相違点についての判断
(1)上記(相違点1)及び(相違点2)について
甲1発明は、伸縮の何れの状態においても区画部を取り外すことなく用いることができる伸縮テーブルの構造に係るものであり、そのため、カム19等により区画部を上下動させる構造を有しているものといえる。そのため、区画部を取り外し可能な構成に置換することを検討するにあたっては、それに伴い変更する必要がある支持構造等に係る置換容易性について検討する必要がある。
まず、載置具の技術分野において横桟に相当する部材の上に取替式の棚を掛止する技術は、甲第3号証に記載された置棚の棚板4、甲第6号証に記載された整理棚の水切板8、甲第7号証に記載されたテーブルの継甲板4にみられるように周知の技術である。
そこで、伸縮テーブルである甲1発明の区画部に対して、上記のような載置具における周知の取替式の棚構造を適用した場合について、他の相違点に係る構造変更の容易性について検討を行う。

(2)上記(相違点3)について
上記「(1)」で検討したように甲1発明の区画部を周知の取替式の棚構造を適用した場合、甲1発明の「カム19」により区画部を上下動させる必要性がなくなるため、「カム19」を削除し、雌型滑動部及び雌型滑動部の断面形状を、甲第2?4号証等周知の管構造を採用し、ブロック34を具備して設計することは、当業者であれば容易に想到し得ることといえる。
しかしながら、区画部を取替式の構造にし、当該カム19を甲1発明から削除することにより、甲1発明において伸縮テーブルの長さを短くしたときに、区画部を介して「雌型の滑動部17、17'」に間接的に支持されなくなることから、この点に関連する上記(相違点4)について設計変更することの容易性について更に検討を行う必要がある。

(3)上記(相違点4)について
上記「(2)」で検討したような設計変更まで容易になし得たものとした場合、甲1発明における区画部を介して「雌型の滑動部17、17'」に間接的に支持されている構造を欠くこととなるため、他の支持構造へ変更する必要がある。
ここで、固定棚に関連する部材に設けた孔に横桟を挿通して、固定棚を水平に支持する構造のものとして、次のものが挙げられる。
ア 甲第9号証には、伸縮式のラックにおいて、棚板部材2Rの左側壁8bにある桟挿通孔9を横桟5Lに摺動可能に外嵌する構造、すなわち、「固定棚の先端の円形孔からなる支持部に対して内管をその伸縮に応じて摺動自在に挿通して該固定棚を水平に支持」することが開示されている。

イ 甲第16号証には、水切り棚において、トレイ5と一体な連結体3にパイプ1を嵌入してスライド可能な構造、すなわち、「当該固定棚の先端の円形孔からなる支持部に対して、パイプをその伸縮に応じて摺動自在に挿通して該固定棚を水平に支持」し、前記パイプは左右の支脚を架橋しない構造であるものが開示されている。

ウ 甲第18号証には、水切部付また板において、固定桟材12には、まな板部2の長手方向に貫通する複数個の通孔13が固定桟材12長手方向に等間隔に形成され、パイプ17は、通孔13に摺動自在に挿通された構造、すなわち、「当該固定棚の先端の円形孔からなる支持部に対して、パイプをその伸縮に応じて摺動自在に挿通して該固定棚を水平に支持」し、前記パイプは左右の支脚を架橋しない構造であるものが開示されている。

エ 甲第21号証には、棚板において、棚板に設けた孔部に引き出し可能にパイプを嵌めた構造、すなわち、「当該固定棚の先端の円形孔からなる支持部に対して、パイプをその伸縮に応じて摺動自在に挿通して該固定棚を水平に支持」し、前記パイプは左右の支脚を架橋しない構造であるものが開示されている。

上記甲各号証には、棚部材に単一部材で一体に形成された孔部に管部材を挿通して支持する構造が開示されていることからみて、載置具に一般的な周知の技術であるといえ、載置具に用いる棚部材という点では、甲1発明の伸縮テーブルに用いる「大テーブル上面板」とは共通する技術分野ではあるものの、各々は、「伸縮テーブル」に適用可能であることが記載も示唆もされておらず、甲第2?8、10?15、17、19、20、22号証にも、上記支持構造に係る記載も、一般的な載置具における支持構造を伸縮テーブルに適用可能であることの記載も示唆もない。

そして、甲1発明の大テーブル上面板は、相違点5において指摘したように、足部が他部材を介して取り付けている構造であることも考慮すると、他の機能部材を単一部材で一体に形成することを予定したものとはいえないし、甲各号証及び技術常識からみて、伸縮テーブルの上面板として他の機能部材を単一部材で一体に形成することは周知の構造であるともいえない。

したがって、載置具として周知な技術である棚部材に単一部材で一体に形成された孔部に管部材を挿通して支持する構造を、伸縮テーブルであり、かつ、支持部材とは一体構造ではない甲1発明の大テーブル上面板の支持構造に適用することは、甲1発明の構造上及び周知技術の適用範囲からみて阻害要因があるといわざるを得ない。

よって、甲1発明に甲第2?22号証に記載された事項を適用したとしても、上記(相違点1)?(相違点4)にて相違する構成を当業者が容易に想到するとすることはできない。

(4)上記(相違点5)について
上記「(3)」と同様に、甲1発明の大テーブル上面板は、他の機能部材を単一部材で一体に形成することを予定したものとはいえないし、甲各号証及び技術常識からみて、伸縮テーブルの上面板として他の機能部材を単一部材で一体に形成することは周知の構造であるともいえないから、伸縮テーブルであり、かつ、支持部材とは一体構造ではない甲1発明の大テーブル上面板に他の部材を介して足部材を取り付ける構造を、他の部材を介さずに直接嵌入するような構造に変更することは、甲1発明の構造上及び周知技術の適用範囲からみて阻害要因があるといわざるを得ない。

よって、甲1発明に甲第2?22号証に記載された事項を適用したとしても、上記(相違点5)にて相違する構成を当業者が容易に想到するとすることはできない。

そして、「当該固定棚の先端の円形孔からなる支持部に対して上記外管をその伸縮に応じて摺動自在に挿通して該固定棚を水平に支持し」と、「所定枚数の取替棚を前後の外管上に掛止」とにより、「取替棚を外管のみで支持することとしたため、ガタツキがなく、外管の径に見合って十分な積載荷重を確保することができる。」という明細書記載の特有の作用効果を奏するものである。

5 請求人の主張について
甲1発明は、伸縮テーブルに係る発明であり、棚に相当する区画部を取り替えることを予定していない構造であることから、本件発明1との対比において相違する構造の関連性と甲各号証の技術の適用範囲から総合すると、甲各号証から甲1発明を各構成を置換して、本件発明1のような置棚にまで想到することはできないという点は、上記「4」で検討したとおりである。
また、甲1発明と甲第9号証についても、上記「4」で検討したとおりであるが、請求人の主張からみて、本件発明1の構成との関係についても検討する。
甲第9号証は、棚板部材2L・2Rとは固定型の棚部材であり、棚板部材2Rの左側壁8bには、内管に相当する横桟5Lが挿通される桟挿通孔9が設けられている。
そうすると、本件発明1における「上記外管の伸縮方向に一定長を有する単一部材の固定棚は、その後方裏面に設けた取付孔に内管側の支脚を嵌入すると共に、当該固定棚の先端の円形孔からなる支持部に対して上記外管をその伸縮に応じて摺動自在に挿通して該固定棚を水平に支持」する構成との間で、(ア)棚板部材の一方が取替式のものでない点(イ)横桟5Lと5Rとの配置が逆である点で相違している。
しかしながら、上記「1」の摘記事項(9-イ)に記載された「棚板部材2L・2Rは互いに重合姿勢のまま伸縮できるようラックフレーム 1 に支持されており」からみて、横桟だけでなく、棚板部材は重合部分でもその荷重を負担しているといえる。よって、棚板部材の一方を単に取替式のものとすることまでは予定されていないものといえるため、単に周知の取替式の棚構造を適用したとしても、横桟5Lと5Rとの配置を逆にすることの動機付け等が甲各号証に記載も示唆もないことからみて、横桟の配置を逆にすることは単なる設計事項であるとすることはできないといえる。
よって、仮に、甲第9号証に記載された事項をもとに甲各号証のものを組み合わせたとしても、本件発明1には想到しえないといえる。
したがって、請求人の主張には理由がない。

6 本件発明1のまとめ
したがって、本件発明1は、甲第1?22号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

7 本件発明2ないし3について
本件発明2は、本件発明1の「当該固定棚の先端の円形孔からなる支持部に対して上記外管をその伸縮に応じて摺動自在に挿通」した構造に対して、「外管の内管挿通側の先端には、固定棚の外管支持部と当接する抜止部を設け、外管の最大伸長を規制した」ことを限定するものである。
また、本件発明3は,本件発明1または本件発明2の「固定棚および取替棚」について、「上下方向の通気孔を有する」ことを限定するものである。

そうすると、上記「4」に記載したとおり、本件発明2ないし3から上記各限定を省いた本件発明1が、甲1発明及び甲第2?22号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできないから、本件発明2及び3は同様の理由で、甲1発明及び甲第2?22号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

8 小括
したがって、本件発明1ないし3は、甲1発明及び甲第2?22号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとすることはできない。

第6 むすび
以上のとおり、本件請求項1ないし3に係る発明についての特許は、特許法第36条第4項の規定にも、同法第29条第2項の規定に違反してなされたものとはいえないから、特許法第123条第1項第4号または同第2号に該当し無効とすべきものとすることはできない。

また、審判に関する費用については,特許法第169条第2項で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2010-08-18 
出願番号 特願平9-368696
審決分類 P 1 113・ 121- Y (A47B)
P 1 113・ 536- Y (A47B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川島 陵司渋谷 知子  
特許庁審判長 岡田 孝博
特許庁審判官 居島 一仁
信田 昌男
登録日 2002-10-11 
登録番号 特許第3358173号(P3358173)
発明の名称 置棚  
代理人 黒田 博道  
代理人 濱田 俊明  

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