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審決分類 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
管理番号 1242358
審判番号 不服2010-2983  
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-02-10 
確定日 2011-08-25 
事件の表示 特願2008-286442「光電変換装置の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 5月20日出願公開、特開2010-114299〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯の概要
本願は、平成20年11月7日の特許出願であって、平成21年10月9日に手続補正がなされたが、同年11月5日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成22年2月10日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、その後、当審において平成23年2月15日付けで拒絶理由が通知され、同年4月25日に手続補正がなされたものである。

2 記載要件違反(特許法36条第4項第1号)
(1)本願の特許請求の範囲及び明細書の記載
ア 平成23年4月25日になされた手続補正により補正された本願特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである(以下、請求項1に係る発明を「本願発明」という。)。

「 面積が1m^(2)以上の基板上に、シラン系ガスと水素ガスとを含むガスを原料ガスとするプラズマCVD法を用いて、
前記基板の単位面積当たりの前記水素ガス流量80slm/m^(2)以上、
前記シラン系ガスの流量に対する前記水素ガスの流量の比とされる水素希釈率が、40倍以上150倍以下、
前記基板の温度が190℃以上220℃以下、
前記基板の表面とプラズマ放電電極との距離が3mm以上10mm以下、及び、
プラズマ発生周波数が40MHz以上100MHz以下、の条件で、シリコン系の光電変換層を2nm/s以上の製膜速度で形成する工程を含むことを特徴とする光電変換装置の製造方法。」

イ 本願明細書(平成23年4月25日付け手続補正後のもの)には、以下の記載がある。

(ア)「【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換装置に関し、特に発電層を製膜で作製する薄膜シリコン系太陽電池の製造方法、及び、該製造方法で作製された光電変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換装置としては、p型シリコン系半導体(p層)、i型シリコン系半導体(i層)及びn型シリコン系半導体(n層)の薄膜をプラズマCVD法等で製膜して形成した光電変換層を備えた薄膜シリコン系太陽電池が知られている。薄膜シリコン系太陽電池の長所としては、大面積化が容易であること、膜厚が結晶系太陽電池の1/100程度と薄く、材料が少なくて済むことなどが挙げられる。このため、薄膜シリコン系太陽電池は、結晶系太陽電池と比較して低コストでの製造が可能となる。
【0003】
高い変換効率を有する薄膜シリコン系太陽電池の量産性を向上させるためには、製膜速度を向上させるとともに、光電変換層を基板面内で均質になるように製膜し、モジュール出力を向上させることが重要である。例えば、結晶質シリコンを用いた太陽電池の場合、結晶質シリコンi層の結晶性と太陽電池の変換効率とは関係があることが知られている。
例えば、特許文献1及び特許文献2には、高品質な光電変換層を高速で製膜するための好適な製膜条件が開示されている。
【0004】
しかし、プラズマCVD法を用いた薄膜シリコンの製造では、基板面内で、原料ガス流量、投入電力密度、基板温度、基板-電極間距離などの製膜条件の分布が発生する。また、ロット間での製膜条件の変動が発生する。そのため、基板面内あるいはロット間で薄膜特性のばらつきが生じる。特に、基板面積が1m^(2)以上の大面積基板を用いた場合に、基板面内での製膜条件の変動が生じやすい。基板面内に薄膜特性が悪い領域が存在することにより太陽電池モジュール出力が低下する、あるいは、ロット間での太陽電池モジュール出力のばらつきが大きくなるといった問題が生じていた。このような観点から、製膜条件の変動に対する薄膜特性のロバスト性を評価し、製造プロセスを改善することが必要である。」

(イ)「【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び特許文献2に記載の製膜条件範囲で光電変換層を製膜したところ、同じ条件で光電変換層を製膜しているにも拘らず、モジュール毎に発電出力にばらつきが生じるという問題が発生していた。特許文献1及び特許文献2のように、太陽電池の性能向上を目的とした製膜条件の検討は種々なされてきたが、製膜条件の変動に対する電池性能のロバスト性については、ほとんど評価されていないのが現状であった。
【0007】
本発明は、大面積基板面内での光電変換効率のばらつきや、ロット間での太陽電池モジュール出力の変動を抑制し、生産性を向上させることができる光電変換装置の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記製造方法により、結晶質シリコンi層の基板面内における薄膜特性、特に結晶性のばらつきが制御された結果、高出力を有する光電変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光電変換装置の製造方法は、基板上に、シラン系ガスと水素ガスとを含むガスを原料ガスとするプラズマCVD法を用いて、前記基板の単位面積当たりの前記水素ガス流量80slm/m^(2)以上の条件で、シリコン系の光電変換層を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明者らは、シリコン系光電変換層の製膜条件と、シリコン膜の結晶性及び光電変換装置の性能との関係を調査した結果、結晶性や光電変換効率のばらつきが、製膜ガスの流量、特に、基板単位面積当たりの水素ガス流量に依存することを明らかにした。そして、上記の水素ガス流量条件で製膜すれば、ガス総流量、プラズマ放電電極への投入電力密度、基板温度、基板-電極間距離のいずれの条件についても、一定水準の変換効率を得るための変動許容幅が広がることを明らかにした。
ガス量や基板温度は、基板面積の拡大とともに基板面内での分布が生じやすい。また、基板の反りが生じることにより、基板面内で基板-電極間距離が異なることがある。本発明の製造方法を用いて光電変換装置を製造すれば、基板面内でガス総流量、基板温度、基板-電極間距離の変動に対するロバスト性が高いために、上記製膜条件に基板面内分布が発生しても、膜質及び性能(光電変換効率)のばらつきを抑制できる。その結果、光電変換装置1つ当りの発電出力を向上させることができる。
さらに、ガス流量や実効投入電力は、バッチ間あるいはロット間で変動しやすい。本発明の製造方法を用いれば、ガス総流量及び投入電力に対するロバスト性が高いために、バッチ間あるいはロット間でガス流量や投入電力が変動した場合でも、膜質及び光電変換効率の変化への影響を小さくすることができる。そのため、バッチ間あるいはロット間での発電出力のばらつきが抑制できる。
このように、本発明の製造方法によれば、高品質の製品を安定して生産することが可能となる。
・・・
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、基板面内における光電変換層の膜質のばらつきや性能のばらつきを抑制して、光電変換装置の発電出力を向上させることができる。さらに、バッチ間またはロット間での発電出力のばらつきを小さくすることができる。その結果、品質を向上させることができるとともに、高品質の製品を高い歩留まりで安定して製造することができるため、生産性を大幅に向上させることができる。
特に、結晶質シリコンi層の製膜に本発明の製造方法を適用すれば、結晶質シリコンi層の基板面内の結晶性を、ラマンピーク比3.5以上8以下の範囲内である領域が大部分であり、基板面内でラマンピーク比2.5以下の領域の面積割合を3%以内に抑えることができる。その結果、高い光電変換効率を有する光電変換装置となる。」

(ウ)「【発明を実施するための最良の形態】
・・・
【0021】
次に、第1セル層91の上に、プラズマCVD装置により、シランガス及び水素ガスを主原料にして、減圧雰囲気:3000Pa以下、基板温度:約200℃、プラズマ発生周波数:40MHz以上100MHz以下にて、第2セル層92としての結晶質シリコンp層41、結晶質シリコンi層42、及び、結晶質シリコンn層43を順次製膜する。結晶質シリコンp層41はBドープした微結晶シリコンを主とし、膜厚10nm以上50nm以下である。結晶質シリコンi層42は微結晶シリコンを主とし、膜厚は1.2μm以上3.0μm以下である。結晶質シリコンn層43はPドープした微結晶シリコンを主とし、膜厚20nm以上50nm以下である。
【0022】
微結晶シリコンを主とするi層膜をプラズマCVD法で形成するにあたり、プラズマ放電電極と基板1の表面との距離dは、3mm以上10mm以下にすることが好ましい。3mmより小さい場合、大型基板に対応する製膜室内の各構成機器精度から距離dを一定に保つことが難しくなるとともに、近過ぎて放電が不安定になる恐れがある。10mmより大きい場合、十分な製膜速度(1nm/s以上)を得難くなるとともに、プラズマの均一性が低下しイオン衝撃により膜質が低下する。
【0023】
結晶質シリコンi層42の製膜において、基板単位面積当たりの水素ガス流量は、0℃、101.3kPaの標準状態で80slm/m^(2)(135Pa・m^(3)/s/m^(2))以上、好ましくは100slm/m^(2)(169Pa・m^(3)/s/m^(2))以上、より好ましくは156slm/m^(2)(264Pa・m^(3)/s/m^(2))以上とされる。シラン系ガスには、シランガス、ジシランガスなどが使用されるが、代表例として使用するシランガス流量は、所定の膜質(結晶性)の結晶質シリコンi層が得られる水素希釈率となるように、適宜設定する。本実施形態において、シラン系ガス流量に対する水素ガス流量の比である水素希釈率(水素ガス流量/シラン系ガス流量)は、40倍以上150倍以下とされる。水素希釈率40倍未満では、ラマンピーク比3.5以上の結晶性を得にくくなる。水素希釈率150倍を超えると、ラマンピーク比が高すぎる領域となり開放電圧が低下するため、出力が低下する。
水素ガス流量及びシランガス流量の増加に伴い、製造コストも増加する。基板単位面積当たりの水素ガス流量が260slm/m^(2)(440Pa・m^(3)/s/m^(2))までであれば、製造コストを大幅に増大させることなく、太陽電池の発電出力向上効果を得ることができる。」

(エ)「【0034】
図6に、基板単位面積当たりの水素ガス流量を変えてガラス基板上に結晶質シリコンi層を製膜した場合の、ガス総流量(水素ガス流量+シランガス流量)と結晶質シリコンi層のラマンピーク比との関係を示す。同図において、横軸はガス総流量、縦軸はラマンピーク比である。・・・従来条件である水素ガス流量52slm/m^(2)を1(基準)として、水素ガス流量1.5倍として80slm/m^(2)、3倍として170slm/m^(2)を選定した。
【0035】
ガラス基板の大きさは、1.4m×1.1mとした。ガス総流量以外の製膜条件(基板-電極間距離、プラズマ放電電極への投入電力密度、基板温度など)は固定した。
従来条件である水素ガス流量52slm/m^(2)の条件において、基準条件(図7のガス総流量の変動における0の条件)は、水素希釈率:40倍?150倍、基板温度:190℃、プラズマ放電電極への投入電力密度:1.5W/m^(2)?2.0W/m^(2)の範囲とし、製膜速度2nm/sとなる条件を用いた。
【0036】
図6示すように、水素ガス流量52slm/m^(2)の場合は、ガス総流量が増加すると急激にラマンピーク比が減少した。基板単位面積当たりの水素ガス流量が大きいほど、ガス総流量の増加に対するラマンピーク比の変化は緩やかになる傾向があった。また、図7に示すように、基板単位面積当たりの水素ガス流量が増大するほど、ガス総流量の変動に対するラマンピーク比の変化が小さくなった。図6及び図7の結果は、基板単位面積当たりの水素ガス流量が大きいほど、ガス総流量の変動に対する膜質のロバスト性が向上することを示している。従って、水素ガス流量を80slm/m^(2)以上とする事で、ラマンピーク比を目標数値範囲にするためのガス総流量条件範囲が広くなるため、大面積基板の面内ラマンピーク比の分布を目標数値範囲内とするとともに、製膜条件の変動に対しても安定した膜質分布を確保することが出来る。」

(オ)「【0037】
図8に、結晶質シリコンi層製膜時のガス総流量と、非晶質シリコンと結晶質シリコンから構成されるタンデム型太陽電池のモジュール出力(安定化出力)との関係を示す。同図において、横軸はガス総流量、縦軸はモジュール出力である。図9に、結晶質シリコンi層製膜時のガス総流量の変動に対するタンデム型太陽電池のモジュール出力(安定化出力)の変化を示す。同図において、横軸はガス総流量の変動率、縦軸はモジュール出力(安定化出力)の相対値である。なお、従来条件である水素ガス流量52slm/m^(2)の条件において、基準条件(図9のガス総流量の変動における0の条件)は、水素希釈率:40倍?150倍、基板温度:190℃、プラズマ放電電極への投入電力密度:1.5W/m^(2)?2.0W/m^(2)の範囲とし、製膜速度2nm/sとなる条件を用いた。
【0038】
図8及び図9に示すように、基板単位面積当たりの水素ガス流量に依らず最大となるモジュール出力はほぼ一定であるが、基板単位面積当たりの水素ガス流量が多いほど、最大モジュール出力付近を与える曲線の幅が広がった。この結果は、単位面積当たりの水素ガス流量を大きくすることにより、ガス総流量の変動に対する太陽電池モジュール出力のロバスト性が向上することを示している。
【0039】
以上のように、基板単位面積当たりの水素ガス流量を80slm/m^(2)以上(従来の水素ガス流量の1.5倍以上)とすれば、シリコンi層の結晶性に与える影響を小さくすることができる。また、シリコンi層の電池性能に与える影響を略10%以内に小さくすることができるガス総流量の変動は、±15%以上であり、従来条件に対して2倍以上の変動幅を許容する。この結果、結晶質シリコンi層の製膜時に基板面内にガス流量が変化する領域が発生しても、光電変換効率が低い領域の発生を抑制できるために、全体として太陽電池の発電出力を向上させることが可能である。また、バッチ間あるいはロット間でガス流量が変動しても、電池性能の変化が小さいために、バッチ間あるいはロット間での出力の分布を狭くすることができる。」

(カ)「【図面の簡単な説明】
【0053】
・・・
【図6】結晶質シリコンi層製膜時のガス総流量と結晶質シリコンi層のラマンピーク比との関係を示すグラフである。
【図7】結晶質シリコンi層製膜時のガス総流量の変動率と結晶質シリコンi層のラマンピーク比との関係を示すグラフである。
【図8】結晶質シリコンi層製膜時のガス総流量と、タンデム型太陽電池のモジュール出力との関係を示すグラフである。
【図9】結晶質シリコンi層製膜時のガス総流量の変動率と、タンデム型太陽電池のモジュール出力との関係を示すグラフである。」

ウ 本願の図6ないし図9は、次のとおりである。
[図6]


[図7]


[図8]


[図9]


(3)当審の判断
ア 上記(2)ア及びイ(ア)によると、本願発明は、従来技術の、大面積基板面内での光電変換効率のばらつきや、ロット間での太陽電池モジュール出力の変動の問題を抑制し、生産性を向上させることができる光電変換装置の製造方法を提供することを、及び、上記製造方法により、結晶質シリコンi層の基板面内における薄膜特性、特に結晶性のばらつきが制御された結果、高出力を有する光電変換装置を提供することをその課題とするものであり、その課題解決手段として、本願発明は、「前記基板の単位面積当たりの前記水素ガス流量80slm/m^(2)以上」の条件で、シリコン系の光電変換層を形成するという構成を備えるものと認められる。
そして、上記(2)イ(イ)【0009】、並びに同(エ)及び(オ)によれば、本願発明において、「水素ガス流量80slm/m^(2)以上」とすることの技術的意義は、上記(2)ウに示した、図6ないし図8に示されたの関係(特性)から得られた知見等に基づくものと認められる。

イ ここで、図6を見ると、凡例に示された各単位面積あたりの水素ガス流量が170slm/m^(2)である場合のデータ(黒四角のシンボルマーク)は、ガス総流量(グラフの横軸)が約110?215slm/m^(2)の範囲にわたっており、「水素ガス流量+シランガス流量」とされる「ガス総流量」が、その一部である水素ガス流量より小さい範囲を含んでいる。また、水素ガス流量が80slm/m^(2)である場合のデータ(三角のシンボルマーク)についても、ガス総流量(グラフの横軸)が約60?105slm/m^(2)の範囲にわたっており、ガス総流量が水素ガス流量より小さい範囲を含んでいる。
してみると、図6に示されるガス流量とラマン比との関係は矛盾を含むものであり、これらのパラメータの関係が、上記(2)イ(エ)に示した発明の詳細な説明に記載された特性と整合しておらず、図6がどのような技術的知見を示すのか、理解できない。
また、図8についても、各水素ガス流量について、ガス総流量(グラフの横軸)が水素ガス流量より小さい範囲を含んでおり、発明の詳細な説明の記載(上記(2)イ(オ))と整合しておらず、図6がどのような技術的知見を示すのか、理解できない。
したがって、発明の詳細な説明の記載(上記(2)イ(エ)ないし(オ))及び図6ないし図9から、本願発明において「水素ガス流量80slm/m^(2)以上」とすることの技術的意義を理解できず、本願の発明の詳細な説明が、本願発明の「水素ガス流量80slm/m^(2)以上」との事項に関して、当業者が技術上の意義を理解するために必要な事項を記載したものとはいえない。

ウ なお、請求人は、平成23年4月25日付けの意見書(【意見の内容】[3](1))において、
「本願明細書段落【0035】に、「ガス総流量以外の製膜条件は固定した」と記載されています。このことから、水素希釈率(水素ガス流量/シランガス流量)は所定の値に固定されていると解釈することができます。このため、当業者は、図6は、52slm/m^(2)、80slm/m^(2)、180slm/m^(2)を基準として、水素希釈率を所定の値に固定したまま、ガス総流量が変動したときのラマンピーク比の変化を示したものであると認識します。つまり、当業者は、水素希釈率は維持されたまま、ガス総流量が凡例に示される値(52slm/m^(2)、80slm/m^(2)、180slm/m^(2))よりも低い値に水素ガス流量及びシランガス流量が変動する場合があることを認識することができます。」
と述べ、本願の発明の詳細な説明は、特許法第36条第4項第1号の規定を満たしていると主張する。

しかしながら、
(ア)本願明細書段落【0035】(上記(2)イ(エ)を参照。)には、「ガス総流量以外の製膜条件(基板-電極間距離、プラズマ放電電極への投入電力密度、基板温度など)は固定した。」と記載されており、固定した製膜条件として、「水素希釈率」は明記されていないこと、
(イ)同段落に「従来条件である水素ガス流量52slm/m^(2)の条件において、基準条件(図7のガス総流量の変動における0の条件)は、水素希釈率:40倍?150倍・・・となる条件を用いた。」と記載されており、特定の水素ガス流量に対して、水素希釈率は、大きな幅を持った条件として示されていること、
(ウ)図6の凡例には、「水素ガス流量」が所定の値のものが示されているのであって、「水素希釈率」が所定の値とされているものではないこと、
などを踏まえれば、本願の明細書の記載に触れた当業者が、図6に示される関係について、「水素ガス流量」ではなく「水素希釈率」が所定の値に固定されていると解釈し、「図6は、52slm/m^(2)、80slm/m^(2)、180slm/m^(2)を基準として、水素希釈率を所定の値に固定したまま、ガス総流量が変動したときのラマンピーク比の変化を示したものである」と認識するものとは認められない。
したがって、請求人の上記主張は採用できない。

なお、請求人の主張のとおり、図6に示される事項は、52slm/m^(2)、80slm/m^(2)、180slm/m^(2)を基準として、水素希釈率を所定の値に固定したまま、ガス総流量が変動したときのラマンピーク比の変化を示したものであり、水素希釈率は維持されたまま、ガス総流量が凡例に示される値(52slm/m^(2)、80slm/m^(2)、180slm/m^(2))よりも低い値に水素ガス流量及びシランガス流量が変動するものであるとすると、凡例において特定された水素ガス流量の各データ(例えば、80slm/m^(2)であれば、三角のシンボルマークで示されるデータ)は、水素ガス流量ではなく水素希釈率が(値は不明であるが)所定の値に固定されているものであり、基準点を除いて凡例の水素ガス流量(例えば、「水素ガス流量80slm/m^(2)」)の条件のものではないこととなる。
すなわち、図6、及びこれに対応する特性を示す図7は、水素ガス流量を特定の値とした場合の、ガス総流量とラマン比との関係ではなく、水素希釈率を所定の値とした場合の、ガス総流量とラマン比との関係を示すものであることになる。
してみると、このような関係を示す図6及び図7から、上記段落【0036】の「基板単位面積当たりの水素ガス流量が増大するほど、ガス総流量の変動に対するラマンピーク比の変化が小さくなった」、「基板単位面積当たりの水素ガス流量が増大するほど、ガス総流量の変動に対するラマンピーク比の変化が小さくなった」等の知見が得られるものとは認められず、本願発明において「水素ガス流量80slm/m^(2)以上」とすることの技術的意義が、図6等に基づく関係から導き出せるものとはいえない。
したがって、請求人の主張によっても、本願の発明の詳細な説明が、本願発明の「水素ガス流量80slm/m^(2)以上」との事項に関して、当業者が技術上の意義を理解するために必要な事項を記載したものと認めることはできない。

エ 以上の検討によれば、本願明細書の発明の詳細な説明は、発明の課題を解決できるものとして本願発明が記載されているものとは認められず、本願発明の技術的意義を当業者が理解できる程度に記載したものということはできないから、本願の発明の詳細な説明は、本願発明について、特許法第36条第4項第1号において委任する経済産業省令(特許法施行規則第24条の2)で定めるところにより記載されたものではない。

3 進歩性(特許法第29条第2項)
(1)引用刊行物の記載事項
当審における拒絶理由に引用した、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2002-75883号公報(以下「引用刊行物」という。)には、図とともに以下の事項が記載されている。

ア 「【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラズマCVD装置に関し、特に、大面積の結晶質薄膜太陽電池の製造に好ましく用いられ得るプラズマCVD装置の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、プラズマCVD装置は、複写機の感光ドラム上の感光層、液晶表示パネル用の透明基板上に形成されるTFT(薄膜トランジスタ)アレイ、半導体薄膜太陽電池などにおける種々の薄膜半導体層の形成のために利用されている。
【0003】ところで、近年では薄膜太陽電池も多様化し、従来の非晶質薄膜太陽電池の他に結晶質薄膜太陽電池も開発され、これらを積層したハイブリッド薄膜太陽電池も実用化されつつある。
【0004】半導体薄膜太陽電池は、一般に、少なくとも表面が絶縁性の基板上に順に積層された第1電極、1以上の半導体薄膜光電変換ユニット、および第2電極を含んでいる。そして、1つの光電変換ユニットはp型層とn型層でサンドイッチされたi型層を含んでいる。
【0005】光電変換ユニットの厚さの大部分を占めるi型層は実質的に真性の半導体層であって、光電変換作用は主としてのこのi型層内で生じる。したがって、i型光電変換層は光吸収のためには厚い方が好ましいが、必要以上に厚くすればその堆積のためのコストと時間が増大することになる。
【0006】他方、p型やn型の導電型層は光電変換ユニット内に拡散電位を生じさせる役目を果たし、この拡散電位の大きさによって薄膜太陽電池の重要な特性の1つである開放端電圧の値が左右される。しかし、これらの導電型層は光電変換に直接寄与しない不活性な層であり、導電型層にドープされた不純物によって吸収される光は発電に寄与しない損失となる。したがって、p型とn型の導電型層は、十分な拡散電位を生じさせ得る範囲内であれば、できるだけ小さな厚さを有することが好ましい。
【0007】このようなことから、光電変換ユニットまたは薄膜太陽電池は、それに含まれるp型とn型の導電型層が非晶質か結晶質かにかかわらず、その主要部を占めるi型の光電変換層が非晶質のものは非晶質ユニットまたは非晶質薄膜太陽電池と称され、i型層が結晶質のものは結晶質ユニットまたは結晶質薄膜太陽電池と称される。」

イ 「【0012】
【発明が解決しようとする課題】薄膜太陽電池は、より大きな発電能力と生産効率の向上のために大面積化が求められている。このような状況の下において、可動式平行平板電極を有するプラズマCVD装置を利用して大きな基板上に形成された薄膜太陽電池においては、その光電変換特性が基板上の局所的な平面的位置に依存して変動する傾向が高くなるという事実があることを本発明者は見出した。そして、この傾向は667Pa以上の高いプラズマ反応ガス圧の下で堆積された結晶質光電変換層を含む結晶質薄膜太陽電池またはハイブリッド薄膜太陽電池において、それに用いられる矩形の基板の少なくとも1辺が90cmを超えるように大きな場合に顕著になる。
【0013】本発明者が見出したこのような先行技術における課題に鑑み、本発明は、大きな基板上の平面的位置に依存することなく、均一で優れた光電変換特性を発揮し得る大面積の結晶質薄膜太陽電池、またはハイブリッド薄膜太陽電池の製造のために好ましく用いられ得るプラズマCVD装置を提供することを目的としている。」

ウ 「【0031】以下において、図1に示されているようにメッシュ状電極4bを含む縦型プラズマCVD装置を用いてガラス基板上にp型シリコン層と結晶質i型シリコン層を積層した実施例が、そのようなメッシュ状電極を含まない従来の縦型プラズマCVD装置を用いた比較例とともに説明される。
【0032】(比較例)まず、比較例としては、910mm×910mmの面積と4mmの厚さを有するガラス基板上に、p型シリコン層と結晶質i型シリコン層が順次に堆積された。そのとき、図1に示されているようなメッシュ状電極4bを含まない従来の縦型プラズマCVD装置が用いられた。
【0033】p型シリコン層と結晶質i型シリコン層のいずれの堆積時においても、基板表面と対向電極のガス吹出面との間隔は12mmに固定された値を有していた。この場合に、p型シリコン層と結晶質i型シリコン層の両方を一定のガス圧で堆積するためには、最適な圧力値が1333Paであった。
【0034】p型シリコン層は、1000sccmの流量率のSiH_(4)、40SLMの流量率のH_(2)、微量のボロンドーパントガス、および400mW/cm^(2)の高周波放電パワー密度の条件の下で11秒間だけ成膜された。このような成膜条件におけるp型シリコン層の成膜速度は、約1.3nm/secであった。そして、基板上で得られたp型シリコン層の厚さは、その基板上の平面的位置に依存して、12.0?16.5nmの範囲内にあり、±18%の大きな厚みむらがあった。
【0035】他方、結晶質i型シリコン層の堆積においては、H2の流量率が70SLMに増大されかつドーパントガスが添加されなかったことのみにおいてp型シリコン層の堆積の場合と異なっていた。ただし、結晶質i型シリコン層は平均で1.7μmの大きな厚さまで堆積され、その厚みむらは±4.5%であった。なお、H_(2)の流量率が増大されてもシリコン層の堆積速度は実質的にSiH_(4)の流量率によって定まるので、結晶質i型シリコン層の成膜速度も、実質的にp型シリコン層の場合と同様に約1.3nm/secであった。」

エ 「【0036】(実施例)実施例においては、図1に示されているような新規な縦型プラズマCVD装置を用いて、比較例の場合と同様にガラス基板2上にp型シリコン層と結晶質i型シリコン層が順次に堆積された。この場合に、メッシュ状電極4bとして、80メッシュの開口を有するステンレス製薄板メッシュが用いられた。基板2の表面とメッシュ状電極4bとの間隔は12mmに設定され、基板2の表面とガス吹出面4aとの間隔は17mmに設定されていた。
【0037】このようなプラズマCVD装置を用いて、p型シリコン層の堆積時には、スイッチング手段7を介してガス吹出面4aに高周波電力が印加されるとともに、メッシュ状電極4bは電気的にフローティング状態にされた。他方、反応室1内の圧力は133Paに下げられたが、他の成膜条件は比較例の場合と同じに設定され、150秒間だけ成膜された。このような成膜条件の下でのp型シリコン層の成膜速度は約0.1nm/secであった。そして、基板上で得られたp型シリコン層の厚さは、その基板上の平面的位置に依存して14.5?16.0nmの範囲内にあり、±9.5%の厚みむらがあった。
【0038】他方、結晶質i型シリコン層の堆積時には、スイッチング手段7を介してメッシュ状電極4bに高周波電力が印加されるとともに、ガス吹出面4aは電気的にフローティング状態にされた。これ以外の条件を比較例の場合と同様に設定した状態で結晶質i型シリコン層が平均で1.7μmの厚さに堆積されたが、その厚みむらは比較例の場合と同様に約±4.5%であった。」

オ 「【0039】以上の比較例と実施例との比較から明らかなように、本発明によるプラズマCVD装置を用いて低い反応ガス圧の下でp型シリコン層を堆積するとともに、高い反応ガス圧の下で結晶質i型シリコン層を堆積することによって、その非常に薄いp型層を均一な膜厚で形成することができるとともに、結晶質i型層を高速度で形成できることがわかる。なお、結晶質i型シリコン層上にn型シリコン層をさらに堆積する場合には、p型シリコン層の堆積の場合と同様の条件の下で堆積すればよいことは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、大きな基板上の平面的位置に依存することなく均一で優れた光電変換特性を発揮し得る大面積の結晶質薄膜太陽電池またはハイブリッド薄膜太陽電池の製造のために好ましく用いられ得るプラズマCVD装置を提供することができる。」

カ 引用刊行物には、上記ア及びイによれば、大面積の結晶質薄膜太陽電池の製造に好ましく用いられるプラズマCVD装置が記載されており、さらに、上記ウ及びエに示したとおり、該プラズマCVD装置を用いて、太陽電池の光電変換ユニットを構成するp型シリコン層と結晶質i型シリコン層を積層した実施例が記載されているから、引用刊行物には、プラズマCVD装置を用いた太陽電池の製造方法が記載されていると認められる。

キ 上記エの実施例において、「比較例の場合と同様にガラス基板2上にp型シリコン層と結晶質i型シリコン層が順次に堆積された」(【0036】)、「これ以外の条件を比較例の場合と同様に設定した」(【0038】)と記載されているとおり、上記エに記載のない実施例の製造条件は、上記ウの比較例における製造条件と同じであると認められる。

以上アないしキによれば、引用刊行物には、次の発明が記載されていると認められる。

「 プラズマCVD装置を用いた太陽電池の製造方法であって、
910mm×910mmの面積と4mmの厚さを有するガラス基板上に、p型シリコン層と結晶質i型シリコン層が順次に堆積され、
基板の表面とメッシュ状電極との間隔は12mmに設定され、基板の表面とガス吹出面4aとの間隔は17mmに設定されており、結晶質i型シリコン層の堆積時には、スイッチング手段を介してメッシュ状電極に高周波電力が印加されるとともに、ガス吹出面は電気的にフローティング状態にされており、
結晶質i型シリコン層の堆積時の製膜条件は、SiH_(4)の流量率が1000sccm、H_(2)の流量率が70SLM、高周波放電パワー密度が400mW/cm^(2)であり、
結晶質i型シリコン層が平均で1.7μmの厚さに堆積される、
太陽電池の製造方法。」

(2)対比
本願発明と引用発明とを対比する。

ア 引用発明の「太陽電池の製造方法」は、本願発明の「光電変換装置の製造方法」に相当する。

イ 引用発明の「ガラス基板」、「結晶質i型シリコン層」、「SiH_(4)」及び「H_(2)」は、それぞれ、本願発明の「基板」、「シリコン系の光電変換層」、「シラン系ガス」及び「水素ガス」に相当する。
また、引用発明の「プラズマCVD装置を用いた」「製造方法」は、本願発明の「プラズマCVD法」に相当する。

ウ 上記ア及びイを踏まえると、引用発明は、「基板上に、シラン系ガスと水素ガスとを含むガスを原料ガスとするプラズマCVD法を用いて」、「シリコン系の光電変換層を形成する工程を含む」ものである点で、本願発明と一致する。

エ 引用発明は、ガラス基板が「910mm×910mmの面積」とされているところ、「H_(2)の流量率が70SLM」であるから、基板の単位面積当たりの水素ガス流量はおよそ84.5slm/m^(2)であり、引用発明は、本願発明の「前記基板の単位面積当たりの前記水素ガス流量80slm/m^(2)以上」との条件を満たす。

オ 引用発明における結晶質i型シリコン層の堆積時の製膜条件は、「SiH_(4)の流量率が1000sccm」、「H_(2)の流量率が70SLM」であるから、SiH_(4)の流量率に対するH_(2)の流量率の比を算出すると、70倍となり、引用発明は、本願発明の「前記シラン系ガスの流量に対する前記水素ガスの流量の比とされる水素希釈率が、40倍以上150倍以下」との条件を満たす。

したがって、本願発明と引用発明とは、
「基板上に、シラン系ガスと水素ガスとを含むガスを原料ガスとするプラズマCVD法を用いて、
前記基板の単位面積当たりの前記水素ガス流量80slm/m^(2)以上、
前記シラン系ガスの流量に対する前記水素ガスの流量の比とされる水素希釈率が、40倍以上150倍以下、の条件で、シリコン系の光電変換層を形成する工程を含む、光電変換装置の製造方法。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

a.基板が、本願発明では、「面積が1m^(2)以上」であるのに対して、引用発明では、「910mm×910mmの面積」である点(以下「相違点1」という。)。

b.シリコン系の光電変換層形成する工程が、本願発明では、「前記基板の温度が190℃以上220℃以下」、前記基板の表面とプラズマ放電電極との距離が3mm以上10mm以下」、及び「プラズマ発生周波数が40MHz以上100MHz以下」の条件で、「2nm/s以上の製膜速度」であるのに対して、引用発明では、基板の温度及びプラズマ発生周波数の条件、並びに製膜速度は明らかでなく、基板の表面とプラズマ放電電極(メッシュ状電極)との距離は、「12mm」である点(以下「相違点2」という。)。

(4)判断
上記各相違点について検討する。

ア 相違点1について
光電変換装置(太陽電池)の基板の大型化は当然に求められる技術的要請であるところ、引用刊行物には、プラズマCVD装置を利用して大きな基板上に形成された薄膜太陽電池において、「その光電変換特性が基板上の局所的な平面的位置に依存して変動する傾向が高くなるという事実があること」、そして、この傾向は「用いられる矩形の基板の少なくとも1辺が90cmを超えるように大きな場合に顕著になる」との問題が認識され、「大きな基板上の平面的位置に依存することなく、均一で優れた光電変換特性を発揮し得る大面積の結晶質薄膜太陽電池、またはハイブリッド薄膜太陽電池の製造のために好ましく用いられ得るプラズマCVD装置を提供することを目的としている」ことが記載されている(上記(1)イを参照。)から、引用発明において、基板のさらなる大型化を図り、その面積を1m^(2)以上とし、相違点1に係る本願発明の特定事項となすことは、当業者が適宜なし得たことである。
そして、本願発明において、基板の面積を「1m^(2)以上」としたことに、大面積基板を特定したという以上の、格別の技術的意義を見いだすこともできない。

イ 相違点2について
引用発明において、基板の温度、プラズマ発生周波数、基板の表面とプラズマ放電電極との距離などの製膜条件は、適宜設定し得る設計的事項と認められるところ、相違点2に係る本願発明の特定事項の製膜条件とすることに、格別の困難があるものとは認められず、また、引用刊行物に「結晶質i型層を高速度で形成できる」(上記(1)オ【0039】を参照。)と記載されているように、製膜速度の向上は、光電変換装置の製造における一般的課題であるから、引用発明において、製膜条件を適宜設定し、相違点2に係る本願発明の特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことである。
そして、本願発明において、基板の温度、プラズマ発生周波数、基板の表面とプラズマ放電電極との距離などの製膜条件を、相違点2に係る特定事項のとおり設定することによって、引用発明から当業者が予測し得る域を超えるほどの格別顕著な効果が奏されるものとは認められない。

ウ 小括
以上の検討によれば、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものと認められる。

4 むすび
以上のとおり、本願は、発明の詳細な説明の記載が、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしておらず、拒絶をすべきものである。
また、本願発明は、引用刊行物に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-06-24 
結審通知日 2011-06-28 
審決日 2011-07-13 
出願番号 特願2008-286442(P2008-286442)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H01L)
P 1 8・ 536- WZ (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 瀬川 勝久  
特許庁審判長 服部 秀男
特許庁審判官 吉野 公夫
杉山 輝和
発明の名称 光電変換装置の製造方法  
代理人 上田 邦生  
代理人 藤田 考晴  

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