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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する F02M
管理番号 1246645
審判番号 訂正2011-390097  
総通号数 145 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-01-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2011-08-12 
確定日 2011-10-20 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4701227号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4701227号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第4701227号に係る出願は、平成19年10月29日に出願されたものであって、平成23年3月11日に特許権設定の登録がなされ、平成23年8月12日付けで本件訂正審判の請求がなされたものである。

2.請求の要旨
本件訂正審判の要旨は、本件特許第4701227号に係る明細書(以下、「本件特許明細書」という。)を、本件審判請求書に添付した訂正明細書(以下、「本件訂正明細書」という。)のとおり、すなわち、下記訂正事項a.及び訂正事項b.のとおり、訂正することを求めるものである。
なお、以下の下線は、訂正個所を明確にするため請求人が付したものに加え、当審において追加して付した。また、本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項に記載された個所を特定するために、本件特許第4701227号公報(以下、「公報」という。)のページ及び行で適宜表記した。

(1)訂正事項a.
本件特許明細書における特許請求の範囲の請求項1に
「【請求項1】
ポンプに設けられたシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に設けられカムの回転に従って往復運動するプランジャと、前記プランジャ及び前記シリンダで形成される流体の加圧室と、前記加圧室と流体の吸入通路の間に形成される空間に設けられた電磁弁と、前記加圧室と流体の吐出通路の間に形成される空間に設けられた吐出弁と、を備えるプランジャ式高圧燃料ポンプであって、
前記電磁弁は、前記加圧室の入口側を開閉する吸入弁を含む弁体と、前記弁体を開弁方向に付勢する弾性体と、前記弁体を開方向に移動させるソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイルの電磁力に作用する磁性材からなり前記弁体と一体的に設けられたアンカーと、前記アンカーを前記電磁力で開方向に吸引する磁気回路を形成するとともに電磁弁の内部を密閉空間と前記流体吸入通路につながる外部空間とに分けるコアと、を有し、
前記吸入弁が開状態のときに、前記アンカーと前記コアで形成された前記密閉空間と前記外部空間との間で流体が流動できる流体通路を前記アンカーまたは前記コアに設ける
ことを特徴とするプランジャ式高圧燃料ポンプ。」(公報第1ページ第32行ないし第45行)とあるのを、
「【請求項1】
ポンプに設けられたシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に設けられカムの回転に従って往復運動するプランジャと、前記プランジャ及び前記シリンダで形成される流体の加圧室と、前記加圧室と流体の吸入通路の間に形成される空間に設けられた電磁弁と、前記加圧室と流体の吐出通路の間に形成される空間に設けられた吐出弁と、を備えるプランジャ式高圧燃料ポンプであって、
前記電磁弁は、前記加圧室の入口側を開閉する吸入弁を含む弁体と、前記弁体を閉弁方向に付勢する弾性体と、前記弁体を開方向に移動させるソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイルの電磁力に作用する磁性材からなり前記弁体と一体的に設けられたアンカーと、前記アンカーを前記電磁力で開方向に吸引する磁気回路を形成するとともに電磁弁の内部を密閉空間と前記流体吸入通路につながる外部空間とに分けるコアと、を有し、
前記吸入弁が開状態のときに、前記アンカーと前記コアで形成された前記密閉空間と前記外部空間との間で流体が流動できる流体通路を前記アンカーまたは前記コアに設ける
ことを特徴とするプランジャ式高圧燃料ポンプ。」と訂正する。

(2)訂正事項b.
本件特許明細書における段落番号【0009】に
「【0009】
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
ポンプに設けられたシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に設けられカムの回転に従って往復運動するプランジャと、前記プランジャ及び前記シリンダで形成される流体の加圧室と、前記加圧室と流体の吸入通路の間に形成される空間に設けられた電磁弁と、前記加圧室と流体の吐出通路の間に形成される空間に設けられた吐出弁と、を備えるプランジャ式高圧燃料ポンプであって、
前記電磁弁は、前記加圧室の入口側を開閉する吸入弁を含む弁体と、前記弁体を開弁方向に付勢する弾性体と、前記弁体を開方向に移動させるソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイルの電磁力に作用する磁性材からなり前記弁体と一体的に設けられたアンカーと、前記アンカーを前記電磁力で開方向に吸引する磁気回路を形成するとともに電磁弁の内部を密閉空間と前記流体吸入通路につながる外部空間とに分けるコアと、を有し、
前記吸入弁が開状態のときに、前記アンカーと前記コアで形成された前記密閉空間と前記外部空間との間で流体が流動できる流体通路を前記アンカーまたは前記コアに設ける構成とする。」(公報第3ページ第35行ないし第49行)とあるのを、
「【0009】
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
ポンプに設けられたシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に設けられカムの回転に従って往復運動するプランジャと、前記プランジャ及び前記シリンダで形成される流体の加圧室と、前記加圧室と流体の吸入通路の間に形成される空間に設けられた電磁弁と、前記加圧室と流体の吐出通路の間に形成される空間に設けられた吐出弁と、を備えるプランジャ式高圧燃料ポンプであって、
前記電磁弁は、前記加圧室の入口側を開閉する吸入弁を含む弁体と、前記弁体を閉弁方向に付勢する弾性体と、前記弁体を開方向に移動させるソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイルの電磁力に作用する磁性材からなり前記弁体と一体的に設けられたアンカーと、前記アンカーを前記電磁力で開方向に吸引する磁気回路を形成するとともに電磁弁の内部を密閉空間と前記流体吸入通路につながる外部空間とに分けるコアと、を有し、
前記吸入弁が開状態のときに、前記アンカーと前記コアで形成された前記密閉空間と前記外部空間との間で流体が流動できる流体通路を前記アンカーまたは前記コアに設ける構成とする。」と訂正する。

3.当審の判断
訂正事項a.及び訂正事項b.について、判断する。
(1)訂正事項a.について
訂正事項a.は、本件特許明細書における特許請求の範囲の請求項1に記載される「前記弁体を開弁方向に付勢する弾性体と」を「前記弁体を閉弁方向に付勢する弾性体と」と訂正するものである。そこで、「弁体」である「吸入弁5」と、「弾性体」である「ばね92」の動作が、本件特許明細書における訂正事項a.及び訂正事項bを除いた個所で、どのように表現されているかを以下に例示する。
ア.「【0016】
また、電磁アクチュエータ8がプランジャ式高圧燃料ポンプ1に保持されており、電磁アクチュエータ8はソレノイドコイル90、ロッド(弁体)91、ばね92で構成される。ロッド91は、電磁アクチュエータ8に駆動信号が与えられていない状態では、ばね92によって、吸入弁5を閉弁する方向に付勢力がかけられており、図1に示すように吸入弁5は閉弁状態となっている。 」(段落【0016】)

イ.「【0021】
プランジャ2の吐出工程で電磁アクチュエータ8を操作し(ソレノイドコイル90をオフして)、吸入弁5を閉弁させると、加圧室12内の圧力が上昇し、これにより吐出弁6が自動的に開弁し、燃料をコモンレール53に圧送する。吸入弁5は、加圧室12の圧力が燃料吸入通路10より仮に低くてもばね92によって自動的に閉弁するが、開弁に関しては電磁アクチュエータ8のオン動作によって開状態が決定される。 」
【0022】
本実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプは、当該ポンプにおける電磁弁の閉弁タイミングをコントローラで制御することにより、吐出弁を通って吐出する燃料の体積を制御するものである。電磁アクチュエータ8は、ポンプコントローラ59より駆動信号が与えられると、ソレノイドコイル90に電流が流れて電磁場を発生し、ばね92の付勢力に抗してロッド91が図示の例で右動する。そうすると、吸入工程でプランジャ2が下動すると、吸入通路10から燃料が加圧室12に吸い込まれる。次に、プランジャ2が下死点から上動すると吸入弁5は開いているので、加圧室12内の燃料はプランジャ2の上動に連れて吸入通路10に戻される。この際、吐出弁6は加圧室12内の圧力によっては開かないように設定されている(いわゆるスピル工程を形成している)。この場合にはポンプ吐出流量は零である。
【0023】
引き続いて、プランジャ2の上動途中において(スピル工程途中において)、電磁アクチュエータ8に対して駆動信号を遮断すると(駆動電流をオフすると)、ばね92の付勢力によりロッド91は吸入弁5を閉弁状態にシフトする。プランジャ2のさらなる上動によって加圧室12内の圧力が所定値よりも高くなると当該圧力によって吐出弁6を押し開いて、いわゆるスピル工程から吐出工程に移行し、コモンレール53へ燃料が圧送される。このようにして、電磁アクチュエータ8に駆動信号をオフするタイミングを調節すると、吐出流量を零から最大吐出量の範囲で可変に調節することができる。また、圧力センサ56の信号に基づき、上位コントローラ63にて適切な吐出タイミングを演算し、ポンプコントローラ59によって電磁アクチュエータ8に駆動信号をオン、オフすることにより、コモンレール53の圧力を略一定値に保つことができる。」(段落【0021】ないし【0023】)

ウ.「【0029】
図4において、吸入弁5を開くためにソレノイドコイル90をオンすると、磁気回路としてコア30、枠体36、磁気回路形成体35、アンカー32、コア30が形成され、ばね92の付勢力に抗してアンカー32がコア30のコア凸部31に磁気的に引きつけられ電磁弁内部に密閉空間38が形成される。具体的には、図示例でアンカー32の右端側がコア凸部31の左端側に密着して密閉空間38を構成する。コア凸部31とロッド(弁体)91との間にはロッド91が円滑に左右動できるように隙間37が形成されている。同様に、アンカー32の外周面と磁気回路形成体35の内周面との間にも隙間45が形成されている。」(段落【0029】)

以上、上記ア.ないしウ.の記載によると、「ばね92は吸入弁5を閉弁方向に付勢する」ものであることが、本件特許明細書における訂正事項a.及びbを除いた個所においては、一貫して記載されおり、更に、前記【0029】における「吸入弁5を開くためにソレノイドコイル90をオンすると、・・・(中略)・・・ばね92の付勢力に抗してアンカー32がコア30のコア凸部31に磁気的に引きつけられ」の記載及び図4を参酌すれば、「ばね92は吸気弁5を閉弁方向に付勢する」すなわち、「弾性体は弁体を閉弁方向に付勢する」ものであることは明らかである。
したがって、本件特許明細書における請求項1に記載された「前記弁体を開弁方向に付勢する弾性体と」は、「前記弁体を閉弁方向に付勢する弾性体と」の誤記であって、訂正事項a.は誤記の訂正を目的とするものであり、しかも、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(2)訂正事項b.について
訂正事項b.は、訂正事項a.すなわち本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項1を訂正したことに伴う訂正であり、前記3.(1)で検討したように、誤記の訂正を目的とするものであり、しかも、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)独立特許要件について
本件訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載されている事項によって特定される発明、前記請求項1を引用する形式で記載された請求項2ないし6に記載されている事項によって特定される発明は、いずれも特許出願の際独立して特許を受けることができない発明でもない。

(4)まとめ
以上のとおり、訂正事項a.及び訂正事項b.は、誤記の訂正を目的とするものであり、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
また、本件訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載されている事項によって特定される発明は、いずれも特許出願の際独立して特許を受けることができない発明でもない。

4.むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求は、特許法第126条第1項第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項ないし第5の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
プランジャ式高圧燃料ポンプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の燃料供給システムに係り、特に、プランジャ式高圧燃料ポンプにおける電磁弁の閉弁動作の安定化に好適な電磁弁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の自動車は、環境保全の観点からクリーンな排出ガスと燃費向上を目的として、ダイレクトインジェクションエンジン(筒内噴射内燃機関)の開発が行われている。筒内噴射内燃機関は、燃料噴射弁による燃料噴射を気筒の燃焼室内に直接行うものであり、燃料噴射弁から噴射される燃料の粒径を小さくさせることによって噴射燃料の燃焼を促進し、排出ガス中の特定物質の削減及び燃費向上等を図っている。
【0003】
ここで、燃料噴射弁から噴射される燃料の粒径を小さくするには、燃料の高圧化を図る手段が必要になり、このため燃料噴射弁に高圧の燃料を圧送する高圧燃料ポンプの技術が各種提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この特許文献1に記載の技術は、吸入弁として常時閉弁式の電磁弁を備えた高圧燃料ポンプであり、吸入工程中に、流体力を利用して自然に吸入弁を開弁させることにより、開弁操作時の弁体の衝突音低減を実現している。
【0004】
また、油圧制御弁における電磁駆動部の吸引部材と可動部材のエアギャップは、通電による電磁力によって最小となり、負圧が発生し易くなってキャビティ発生につながるので、これを防止するための改善策として、吸引部材又は可動部材の端面に開口部を設けて燃料溝を形成することが開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
【0005】
また、弁の開閉を電磁力により操作して弁を通して流れる液体の流量を制御する流量制御装置において、電磁力により移動する可動子に旋回流路を設けることで摺動部の偏磨耗防止と動作高速化を図るような構成が、例えば、特許文献3に開示されている。
【特許文献1】特開2005-69668号公報
【特許文献2】特開2004-137996号公報
【特許文献3】特開2005-511952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1に示した高圧燃料ポンプは、燃料を間欠的に吸入・吐出を繰返すため、上流側及び下流側の配管に圧力脈動が発生する。例えば低圧配管側においては、高圧ポンプが燃料を吸入するときに圧力が低下し、吐出するときに圧力が上昇する。このような圧力変動があると、電磁弁の開閉タイミングが安定化せず、吐出する燃料を正確に制御できないこととなる。
【0007】
また、上記の特許文献2と3には、電磁弁の可動部材又は吸引部材に燃料の通路を設けることが開示されていますが、エアギャップ部に負圧が生じてキャビティが発生することを防止するための工夫された構造であったり、電磁弁の可動子における動作高速化のための工夫された構造であって、電磁弁の内外の圧力変動によらずに電磁弁の閉タイミングを安定化するという観点の配慮がなされていない。
【0008】
本発明の目的は、プランジャ式高圧燃料ポンプにおける電磁弁内の密閉空間とその外部に形成された外部空間との間に生じる圧力差によって閉弁動作がばらつかないようにして、毎サイクル安定した流量を吐出できるように、電磁弁の閉弁タイミングを安定化させるプランジャ式高圧燃料ポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
ポンプに設けられたシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に設けられカムの回転に従って往復運動するプランジャと、前記プランジャ及び前記シリンダで形成される流体の加圧室と、前記加圧室と流体の吸入通路の間に形成される空間に設けられた電磁弁と、前記加圧室と流体の吐出通路の間に形成される空間に設けられた吐出弁と、を備えるプランジャ式高圧燃料ポンプであって、
前記電磁弁は、前記加圧室の入口側を開閉する吸入弁を含む弁体と、前記弁体を閉弁方向に付勢する弾性体と、前記弁体を開方向に移動させるソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイルの電磁力に作用する磁性材からなり前記弁体と一体的に設けられたアンカーと、前記アンカーを前記電磁力で開方向に吸引する磁気回路を形成するとともに電磁弁の内部を密閉空間と前記流体吸入通路につながる外部空間とに分けるコアと、を有し、
前記吸入弁が開状態のときに、前記アンカーと前記コアで形成された前記密閉空間と前記外部空間との間で流体が流動できる流体通路を前記アンカーまたは前記コアに設ける構成とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、開弁時に電磁弁の密閉空間と外部空間の間を連通する燃料通路をアンカー又はコアに設けることで、電磁弁の閉弁タイミングを安定化させることができる。これによって、プランジャ式高圧燃料ポンプは毎サイクルで安定した流量を吐出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプについて、図1?図8を参照しながら以下詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプを用いた燃料供給システムの全体構成を示す図である。図2は本実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプの構造を示す図である。図3は本実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプにおける電磁弁と加圧室廻りの圧力状況を説明する図である。図4は本実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプにおける電磁弁の詳細構造を示す図である。
【0013】
図5は本実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプにおける電磁弁内部に形成された密閉空間とその密閉空間の外部に形成された外部空間の間を連通する通路孔をアンカー(電磁弁の弁体と一体的構造であってコアに磁気的吸引されるもの)に設ける構成例を示す図である。図6は本実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプにおける電磁弁内部に形成された密閉空間とその密閉空間の外部に形成された外部空間の間を連通する通路孔をコア(電磁弁のボディと磁気回路形成体を構成するもの)に設ける構成例を示す図である。図7は本実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプにおける電磁弁内部に形成された密閉空間とその密閉空間の外部に形成された外部空間の間を連通する通路溝をコア(電磁弁のボディと磁気回路形成体を構成するもの)に設ける他の構成例を示す図である。図8は本実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプにおける電磁弁内部に形成された密閉空間とその密閉空間の外部に形成された外部空間の間を連通する通路溝をコアとアンカーに設ける他の構成例を示す図である。
【0014】
まず、図1を参照しながら、本実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプを用いた燃料供給システムの全体構成を説明する。プランジャ式高圧燃料ポンプ1には、燃料吸入通路10、燃料吐出通路11、加圧室12が形成されている。プランジャ式高圧燃料ポンプ1内部のシリンダ部62には加圧部材であるプランジャ2が摺動可能に保持されている。
【0015】
プランジャ2の先端部が加圧室12の一部を形成する。プランジャ2がカム100の回転によって往復運動することにより、加圧室12の容積が変化する。燃料吸入通路10及び燃料吐出通路11には、吸入弁5及び吐出弁6が設けられており、それぞればね92及び93によって一方向に保持され、燃料の流通方向を制限する逆止弁となっている。
【0016】
また、電磁アクチュエータ8がプランジャ式高圧燃料ポンプ1に保持されており、電磁アクチュエータ8はソレノイドコイル90、ロッド(弁体)91、ばね92で構成される。ロッド91は、電磁アクチュエータ8に駆動信号が与えられていない状態では、ばね92によって、吸入弁5を閉弁する方向に付勢力がかけられており、図1に示すように吸入弁5は閉弁状態となっている。
【0017】
燃料はタンク50から低圧ポンプ51にてプランジャ式高圧燃料ポンプ1の燃料導入口13(図2を参照)に、プレッシャレギュレータ52によって一定の圧力に調圧されて導かれる。その後、プランジャ式高圧燃料ポンプ1にて加圧され、燃料吐出通路11からコモンレール53に圧送される。コモンレール53には、インジェクタ54、圧力センサ56、安全弁58が装着されている。
【0018】
安全弁58はコモンレール53内の燃料圧力が所定値を超えた際に開弁し、高圧配管系の破損を防止する。インジェクタ54は、エンジンの気筒数に合わせて装着されており、コントローラ57の信号に従って燃料を噴射する。コントローラ57は、上位コントローラ63とポンプコントローラ59とインジェクタコントローラ65から構成される。
【0019】
圧力センサ56は取得した圧力データを上位コントローラ63に送る。上位コントローラ63は各種センサから得られるエンジン状態量(クランク回転角、スロットル開度、エンジン回転数、燃料圧力等)に基づいて適切な噴射燃料量や燃料圧力等を演算し、ポンプ1やインジェクタ54を駆動するタイミングと流量を演算し、駆動信号を送る。コントローラ57は、指令値を演算する上位コントローラ63と、直接的にポンプに駆動信号を送るポンプコントローラ59と、インジェクタに駆動信号を送るインジェクタコントローラ65と、が別体となる構成が図示されているが、これらを纏めた1つのユニットの構成であっても良い。
【0020】
プランジャ2は、エンジンカムシャフト等により回転されるカム100により、往復運動して加圧室12の容積を増減させる。プランジャ2が図1中の上方向に動作(上動)する場合、加圧室12の容積は減少する。一方、プランジャ2が下方向に動作する場合、加圧室12の容積は増加する。
【0021】
プランジャ2の吐出工程で電磁アクチュエータ8を操作し(ソレノイドコイル90をオフして)、吸入弁5を閉弁させると、加圧室12内の圧力が上昇し、これにより吐出弁6が自動的に開弁し、燃料をコモンレール53に圧送する。吸入弁5は、加圧室12の圧力が燃料吸入通路10より仮に低くてもばね92によって自動的に閉弁するが、開弁に関しては電磁アクチュエータ8のオン動作によって開状態が決定される。
【0022】
本実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプは、当該ポンプにおける電磁弁の閉弁タイミングをコントローラで制御することにより、吐出弁を通って吐出する燃料の体積を制御するものである。電磁アクチュエータ8は、ポンプコントローラ59より駆動信号が与えられると、ソレノイドコイル90に電流が流れて電磁場を発生し、ばね92の付勢力に抗してロッド91が図示の例で右動する。そうすると、吸入工程でプランジャ2が下動すると、吸入通路10から燃料が加圧室12に吸い込まれる。次に、プランジャ2が下死点から上動すると吸入弁5は開いているので、加圧室12内の燃料はプランジャ2の上動に連れて吸入通路10に戻される。この際、吐出弁6は加圧室12内の圧力によっては開かないように設定されている(いわゆるスピル工程を形成している)。この場合にはポンプ吐出流量は零である。
【0023】
引き続いて、プランジャ2の上動途中において(スピル工程途中において)、電磁アクチュエータ8に対して駆動信号を遮断すると(駆動電流をオフすると)、ばね92の付勢力によりロッド91は吸入弁5を閉弁状態にシフトする。プランジャ2のさらなる上動によって加圧室12内の圧力が所定値よりも高くなると当該圧力によって吐出弁6を押し開いて、いわゆるスピル工程から吐出工程に移行し、コモンレール53へ燃料が圧送される。このようにして、電磁アクチュエータ8に駆動信号をオフするタイミングを調節すると、吐出流量を零から最大吐出量の範囲で可変に調節することができる。また、圧力センサ56の信号に基づき、上位コントローラ63にて適切な吐出タイミングを演算し、ポンプコントローラ59によって電磁アクチュエータ8に駆動信号をオン、オフすることにより、コモンレール53の圧力を略一定値に保つことができる。
【0024】
図2には本実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプの構造を示していて、燃料導入口13から燃料吸入通路10を経て加圧室12で加圧され、燃料吐出通路11に昇圧された燃料が取り出されるポンプ構造である。図2において、2はプランジャ、4はプランジャ付勢スプリング、5は吸入弁、6は吐出弁、20は電磁弁、91は吸入弁5のロッド(弁体)、21はアキュームレータ(低圧側の圧力脈動を吸収するためのもの)、をそれぞれ表している。
【0025】
図3は、プランジャ式高圧燃料ポンプにおける電磁弁20及び加圧室12廻りの圧力状況を説明する図である。図3は、上述したスピル工程を図示したものであり、プランジャ2が上動して加圧室12の燃料圧力が高くなりつつある状況であって、今まさにソレノイドコイル90をオフして吸入弁5を閉じようとしている段階である。現状ではソレノイドコイル90をオンしているので、ロッド(弁体)91の左端側の太径部右端部分と電磁弁ボディ凸部23が当接してこれらで囲まれた密閉空間38が形成されている。なお、ソレノイドコイル90のオン時には、ロッド91が右動して太径部右端部分が電磁弁ボディ22の凸部23に当接してロッド91が位置決めされ停止し、この停止状態において電磁弁内部で密閉空間38が形成されるのである。
【0026】
この密閉空間に隣り合う外部空間(電磁弁20のばね92、吸入弁5廻り、加圧室12、弁内通路15、吸入通路10が存在する空間)と上述の密閉空間の圧力関係を考察すると、電磁弁開弁時の電磁弁内部に形成された密閉空間内の圧力は、開弁当時の外部空間の圧力と同等であるが、外部空間の圧力は、燃料源の圧力変動やプランジャの動作などによって脈動し時々刻々変化する。そうすると、内部空間と外部空間に圧力差が生じて、この圧力差によって、ソレノイドコイルへの駆動電流オフのタイミングが例え同時であっても、電磁弁の閉弁動作にばらつきが生じる。例えば、密閉空間の内部圧力が低く、外部空間の外部圧力が高い場合には、閉弁タイミングが早められることとなる。すなわち、内部圧と外部圧の差が生じることによって、閉弁動作がばらつき(閉弁タイミングの指令が同時であっても弁体動作が変動し)、引いては燃料の吐出量の正確な制御に支障を来すことになる。
【0027】
本実施形態の主たる特徴は、プランジャ式高圧燃料ポンプに用いられる電磁弁の閉弁動作のばらつきを低減することにあり、そのために、電磁弁の開弁時において電磁弁内部に形成された密閉空間とその密閉の外部に形成された外部空間との間を連通する燃料通路を設けることで内外圧力差を生じさせないようにすることがその概要である。
【0028】
図4は本発明の実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプにおける電磁弁の詳細構造を示す図であり、本実施形態で特徴を有する構造を適用する前提となる構成を示す図である。図4において、5は吸入弁、10は燃料吸入通路、15は弁内通路(ポンプ1に存する吸入通路10につながる電磁弁内の流体通路)、90はソレノイドコイル、91はロッド(弁体)、30はコア(磁気回路を形成する電磁弁ボディ)、31はコア凸部(電磁弁ボディ凸部)、32はアンカー(弁体91に圧入された磁性体であってコア30に磁気的吸引されるもの)、33,34は弁体ガイド、35は磁気回路形成体、36は磁路を形成する枠体、37は隙間、38は密閉空間、39は外部空間、をそれぞれ表す。
【0029】
図4において、吸入弁5を開くためにソレノイドコイル90をオンすると、磁気回路としてコア30、枠体36、磁気回路形成体35、アンカー32、コア30が形成され、ばね92の付勢力に抗してアンカー32がコア30のコア凸部31に磁気的に引きつけられ電磁弁内部に密閉空間38が形成される。具体的には、図示例でアンカー32の右端側がコア凸部31の左端側に密着して密閉空間38を構成する。コア凸部31とロッド(弁体)91との間にはロッド91が円滑に左右動できるように隙間37が形成されている。同様に、アンカー32の外周面と磁気回路形成体35の内周面との間にも隙間45が形成されている。
【0030】
図5?図8は本発明の実施形態の特徴である、電磁弁の開弁時において電磁弁内部と外部との間を連通する燃料通路を設ける構成例を図示したものである。この連通する通路を設けることによって電磁弁の閉弁タイミングを安定化させることができる。そして、図5と図6の構成例は、連通する燃料通路を磁気吸引面以外の箇所に設けることによって電磁弁の性能(吸引力)低下を回避したものである。
【0031】
図5において、電磁弁開弁時における電磁弁内部と外部を連通する通路として、すなわち、密閉空間38と外部空間39の連通通路として、アンカー32の内部に通路孔41を傾斜して形成する。ここで、通路孔41を傾斜させるのは通路孔41の右端側が、コア凸部31と弁体91との間の隙間37に対向して配置されるようにして、外部空間39に連通させるためである。
【0032】
そうすると、密閉空間38内の燃料は傾斜通路孔41、隙間37を介して外部空間39の燃料と連通することとなる。図5の構成例では傾斜通路孔41としているが、これに限らず、アンカー32の右端側が隙間37に対向配置されていればどのような形状の通路孔でも構わない。例えば、磁気回路形成体45とアンカー32との隙間45に対向する位置から弁体91に向けての孔に続いてアンカー32の内周側に沿った孔を形成する、L型形状の通路孔であってもよい。
【0033】
図6において、電磁弁開弁時における密閉空間38と外部空間39の連通通路として、コア30(電磁弁のボディを形成するとともに磁路形成体であるもの)のコア凸部31(アンカー32の右端側を吸着する構造体)の内部に通路孔42を傾斜して形成し、外部空間39に連通させる。図6の例で、通路孔42の左端はアンカー32の右端部に対向する位置から外れて設けられているので(通路孔42を磁気吸引面以外の箇所に設けているので)、コア30によるアンカー32の吸引力が低下するのを回避している。
【0034】
次に、図7と図8を参照しながら、電磁弁開弁時における密閉空間38と外部空間39の連通通路を磁気吸引面に設ける構成例を説明する。図7はコア30のコア凸部31における磁気吸引面の一部に通路溝43を設けた例示を示す図である。図7で、30はコアの全体構造、31はコア30のコア凸部、46は弁体挿通孔、49はコア上下側面(図6を参照)をそれぞれ表す。
【0035】
図7に示した通路溝43は、図8(3)に示す通路溝48と同一である。コアの磁気吸引面の一部に形成した通路溝43を介して密閉空間38と外部空間39を連通する。図7に示すように、通路溝43は多少の磁気吸引力低下はあるが、磁気吸引面の溝加工をするだけで済むので、製作のし易さが図れる。
【0036】
図8(2)は、アンカー32における磁気吸引面の一部に通路溝47を設けた例示を示す図である。この構成例における機能と作用は、図8(3)の構成例と同様である。図8(1)には、コア30とアンカー32に通路溝48と通路溝47を設けた構成例を示しており、これによると、磁気吸引力は個別に通路溝を設けた場合と同等であって、且つ密閉空間38と外部空間39との間の燃料の連通し易さを図ったものである(密閉空間と外部空間との燃料の抜けが悪くなると弁体の動作が遅くなると云う不都合を回避できる)。
【0037】
図7と図8の図示例では、コア又はアンカーの磁気吸引面に通路溝を形成するので、多少の磁気吸引力低下が生じるが、これを避けるために、コアとアンカーの磁気吸引面(互いに対向する面)にそれぞれめっき処理を施して、そのめっき部分に図7と図8に示すような通路溝を形成する構成とする。この構成によれば、コアとアンカーの磁気吸引面を削らないので磁気吸引力の低下を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプを用いた燃料供給システムの全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプの構造を示す図である。
【図3】本実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプにおける電磁弁と加圧室廻りの圧力状況を説明する図である。
【図4】本実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプにおける電磁弁の詳細構造を示す図である。
【図5】本実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプにおける電磁弁内部に形成された密閉空間とその密閉空間の外部に形成された外部空間の間を連通する通路孔をアンカー(電磁弁の弁体と一体的構造であってコアに磁気的吸引されるもの)に設ける構成例を示す図である。
【図6】本実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプにおける電磁弁内部に形成された密閉空間とその密閉空間の外部に形成された外部空間の間を連通する通路孔をコア(電磁弁のボディと磁気回路形成体を構成するもの)に設ける構成例を示す図である。
【図7】本実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプにおける電磁弁内部に形成された密閉空間とその密閉空間の外部に形成された外部空間の間を連通する通路溝をコア(電磁弁のボディと磁気回路形成体を構成するもの)に設ける他の構成例を示す図である。
【図8】本実施形態に係るプランジャ式高圧燃料ポンプにおける電磁弁内部に形成された密閉空間とその密閉空間の外部に形成された外部空間の間を連通する通路溝をコアとアンカーに設ける他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1 プランジャ式高圧燃料ポンプ
2 プランジャ
3 タペット
4 スプリング
5 吸入弁
6 吐出弁
8 電磁アクチュエータ
10 燃料吸入通路
11 燃料吐出通路
12 加圧室
13 燃料導入口
15 弁内通路
20 電磁弁
21 アキュームレータ
22 電磁弁ボディ
23 電磁弁ボディ凸部
30 コア(磁気回路を形成する電磁弁ボディ)
31 コア凸部(電磁弁ボディ凸部)
32 アンカー(弁体に圧入された磁性体)
33,34 弁体ガイド
35 磁気回路形成体
36 枠体
37 隙間
38 密閉空間
39 外部空間
41 通路孔(アンカー)
42 通路孔(コア)
43 通路溝(コア)
45 隙間
46 弁体挿通穴
47 通路溝(アンカー)
48 通路溝(コア)
49 コア上下側面
50 燃料タンク
51 低圧ポンプ
52 プレッシャレギュレータ
53 コモンレール
54 インジェクタ
56 圧力センサ
57 コントローラ
58 安全弁
59 ポンプコントローラ
62 シリンダ部
63 上位コントローラ
65 インジェクタコントローラ
90 ソレノイドコイル
91 ロッド(弁体)
92 ばね
93 ばね
100 カム
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプに設けられたシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に設けられカムの回転に従って往復運動するプランジャと、前記プランジャ及び前記シリンダで形成される流体の加圧室と、前記加圧室と流体の吸入通路の間に形成される空間に設けられた電磁弁と、前記加圧室と流体の吐出通路の間に形成される空間に設けられた吐出弁と、を備えるプランジャ式高圧燃料ポンプであって、
前記電磁弁は、前記加圧室の入口側を開閉する吸入弁を含む弁体と、前記弁体を閉弁方向に付勢する弾性体と、前記弁体を開方向に移動させるソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイルの電磁力に作用する磁性材からなり前記弁体と一体的に設けられたアンカーと、前記アンカーを前記電磁力で開方向に吸引する磁気回路を形成するとともに電磁弁の内部を密閉空間と前記流体吸入通路につながる外部空間とに分けるコアと、を有し、
前記吸入弁が開状態のときに、前記アンカーと前記コアで形成された前記密閉空間と前記外部空間との間で流体が流動できる流体通路を前記アンカーまたは前記コアに設ける
ことを特徴とするプランジャ式高圧燃料ポンプ。
【請求項2】
請求項1において、
前記コアは、コア中央部に前記弁体が挿通する挿通口を有するとともに前記挿通口の外側に前記アンカーと当接する当接面を有し、
前記当接面に放射状の流体通路溝を形成する
ことを特徴とするプランジャ式高圧燃料ポンプ。
【請求項3】
請求項1において、
前記アンカーは、固定されたコアに当接する当接面を有し、前記当接面に放射状の流体通路溝を設け、
前記密閉空間内の流体が前記アンカーの流体通路溝を介し、さらに前記コアと前記弁体との隙間を通って、前記外部空間に連通する
ことを特徴とするプランジャ式高圧燃料ポンプ。
【請求項4】
請求項1において、
前記コアは、コアの中央部に前記弁体が挿通する挿通口を有するとともに前記挿通口の外側に前記アンカーと当接する当接面と当該当接面の外側に前記アンカーと当接しない非当接面を有し、
前記非当接面と前記外部空間に接する面との間に流体通路孔を前記コアの内部に形成する
ことを特徴とするプランジャ式高圧燃料ポンプ。
【請求項5】
請求項1において、
前記アンカーは、前記弁体を挿通しているコアに対向して当接する当接面を有し、
前記コアと前記弁体との隙間に対向する前記アンカーの当接面と、前記密閉空間に接する前記アンカーの面と、の間に流体通路孔を前記アンカーの内部に形成する
ことを特徴とするプランジャ式高圧燃料ポンプ。
【請求項6】
請求項1において、
請求項1において、
前記コアは、コア中央部に前記弁体が挿通する挿通口を有するとともに前記挿通口の外側に前記アンカーと当接する当接面を有し、前記当接面にめっき処理を施しためっき面を設け、
前記アンカーは、固定されたコアに当接する当接面を有し、前記当接面にめっき処理を施しためっき面を設け、
前記コアのめっき面および/または前記アンカーのめっき面に放射状の流体通路溝を形成する
ことを特徴とするプランジャ式高圧燃料ポンプ。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2011-10-12 
出願番号 特願2007-280553(P2007-280553)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (F02M)
最終処分 成立  
前審関与審査官 岩谷 一臣  
特許庁審判長 小谷 一郎
特許庁審判官 柳田 利夫
安井 寿儀
登録日 2011-03-11 
登録番号 特許第4701227号(P4701227)
発明の名称 プランジャ式高圧燃料ポンプ  
代理人 特許業務法人武和国際特許事務所  
代理人 特許業務法人 武和国際特許事務所  

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