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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G08B 審判 査定不服 特29条の2 特許、登録しない。 G08B |
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管理番号 | 1247576 |
審判番号 | 不服2011-2939 |
総通号数 | 145 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2012-01-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-02-09 |
確定日 | 2011-11-24 |
事件の表示 | 特願2000-296032「車内温度警告装置」拒絶査定不服審判事件〔平成14年4月12日出願公開,特開2002-109655〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は,平成12年9月28日の出願であって,平成22年10月27日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,平成23年2月9日に拒絶査定不服審判の請求がなされると共に,手続補正書による手続補正(以下,「本件補正」という。)がなされたものである。 2.本件補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] (1)本件補正後の本願発明 本件補正により補正された,特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下,「本願補正発明」という。)は,以下のとおりのものと認められる。 「座席および座席の周囲にとりつけた座席の使用状況判定検出装置の他に,車内の温度を測定する手段と, 車内温度の設定温度を記憶しておく手段と, 所定の警報信号を記憶する記憶手段と, 被呼端末を識別する識別番号を記憶する記憶手段と, 前記被呼端末を識別する識別番号に自動発信する発信手段と, 前記検出装置にて座席が使用されていることが検出されると温度監視を実施し,前記測定温度と設定温度とに基づいて,前記測定温度が前記設定温度よりも低くなった場合,前記発信手段にて前記識別番号に自動発信するとともに,前記所定の警報信号を当該識別番号の被呼端末に送出する制御手段と, を具備することを特徴とする車内温度警告装置。」 上記補正は,「前記検出装置にて座席が使用されていることが検出されているとき,前記測定温度と設定温度とに基づいて」を「前記検出装置にて座席が使用されていることが検出されると温度監視を実施し,前記測定温度と設定温度とに基づいて」とする限定を付加するものであって,平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで,本願補正発明が,特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について,以下に検討する。 (2)引用例 原査定の拒絶の理由に引用された,本願の出願日前の他の出願であって,その出願後に出願公開された,特願2000-170360号(特開2002-63668号)(以下,「先願」という。)の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下,「先願明細書」という。)には,次の事項が記載されている。 ・「【発明の属する技術分野】本発明は自動車等車両の車内に,乳幼児等小さい子供等人を置き去りにした場合等に,その人を検出し,車内が人体に危険な高温等に達する前に,車内に人が居ることを車外に通報する車内の人検出通報装置に関する。」(【0001】) ・「図1は本発明の一実施形態に係る車内の人検出通報装置1の全体構成を示す機能ブロック図である。この図1において,車内の人検出通報装置1は,その全体が図示しない自動車等の車両に搭載され,車両の速度を検出する停止センサーの一例である速度センサー2と,車両の各ドアの開閉を検出するドア開閉センサー3と,車両の各窓の開閉を検出する窓開閉センサー4と,車両の車内の温度を検出する複数の温度センサー5,5…と,車内の人を検出する人感センサーの一例である複数の質量センサー6,6…と,図示しない車載バッテリー等を電源とするパワースイッチであって車内の人検出通報装置1全体への給電動作をオンオフ制御するシステム動作スイッチ7と,このシステム動作スイッチ7と上記各センサー2?6とにそれぞれ電気的に接続された第1のコントローラ8と,を具備している。」(【0054】) ・「さらに,第1コントローラ8は,車両の座席上に複数敷設された複数の質量センサー6,6…から読み込んだ座席上の質量分布により人や物の有無を検出し,その質量分布の時間的変化により人や物の動きを検出する手段を備えている。 さらにまた,第1のコントローラ8は,温度センサー5により検出された車内の温度が所定温度以上であるときに,その検出温度の変化率を求め,さらに,この温度変化率から車内温度が人体に危険な温度に昇温するのまでの到達時間を推測し,その危険温度到達時間に到達する所定時間前に,車内に人が居ることを知らせる通報信号を第2のコントローラ9と通信インターフェース10をそれぞれ介して車外の監視センター11等に無線等により送信する手段を備えている。」(【0057】-【0058】) ・「そして,S12で,車両の停止,密室,高温の3条件のいずれかを欠くときは,エンドへ進んで終了する一方,Yesのときは,S13へ進み,ここで,各質量センサー6の検出結果を読み込み,この後,座席上の質量分布から人または物の有無をS14で判断し,Noのときはエンドへ進んで終了させる一方,Yesのとき,すなわち,車内に人が居るか,または物があると判断したときはS15へ進む。 S15では,第1のコントローラ8が温度センサー5の検出温度を再び読み込み,これまでの検出温度の変化率を演算し,さらに,この温度検出値の変化率から車内温度が人体に危険な温度に到達するまでの時間を推測し,次のS16で,危険温度に到達する時間よりも所定時間前であるか否か判断し,Noであるときはエンドへ進んで終了する一方,Yesであるときは,S17へ進む。」(【0068】-【0069】) ・「次のS18では,各カメラ12により撮影され,または各質量センサー6により検出されたものが人か物かを判別し,Yes,すなわち人であると判別したときは,S19へ進み,No,すなわち,人か物かを判別できないときはS20へ進む。S19では人検出通報を車外に出力させてからエンドへ進んで終了させる。人検出通報の方法としては,その人検出信号により,車両のヘッドライトの点滅,ハザードランプのオン,スピーカマイク14による助けを求める音声の出力,予め電話番号が設定されている携帯電話器やPHSへの通報,クラクションの鳴動等種々の方法があるが,車両が駐車している駐車場の駐車場員や警備員,ショッピングセンターのカウンター等当該車両の周辺に居る人達に知らせる方法であればよく,その手段は問わない。」(【0071】) ・「したがって,この車内の人検出通報装置1によれば,車両の走行停止および車内の所定の温度(高温)および車内の密室状態および車内の人の存在がそれぞれ検出されたときは,停止中の車両内に人が居て,車内が例えば高温であると判断され,車内の温度が上記所定温度から高温等人体に危険な温度に到達する前に,カメラ12により車内が撮影され,その画像に基づいて人と物とが判別され,人が認識されたときに車内に人が居ることが車外等に通報される。」(【0075】) ・「さらにまた,上記実施形態では,車内が高温状態にあると判断したときに,車内に人が居る旨の通報を車外に通報するように構成したが,本発明はこれに限定されるものではなく,例えば冬季等において車内が人体に危険な低温に低下した場合,あるいは人体に危険なガスが車内に充満した場合,または湿度等が異常に上昇した場合等,車内が人体に危険状態にあると判断したときに,車内に人が居る旨の通報を車外に通報するように構成してもよい。」(【0090】) ・先願明細書の,「第1のコントローラ8は・・・車内に人が居ることを知らせる通報信号を第2のコントローラ9と通信インターフェース10をそれぞれ介して車外の監視センター11等に無線等により送信する手段を備えている。」(【0058】)との記載を参酌すると,先願明細書において,車内の人検出通報装置が,車内に人が居ることを知らせる通報信号を記憶する記憶手段を具備することは明らかである。 ・先願明細書の,「S15では,第1のコントローラ8が温度センサー5の検出温度を再び読み込み,これまでの検出温度の変化率を演算し,さらに,この温度検出値の変化率から車内温度が人体に危険な温度に到達するまでの時間を推測し,次のS16で,危険温度に到達する時間よりも所定時間前であるか否か判断し」(【0069】)との記載,及び「上記実施形態では,車内が高温状態にあると判断したときに,車内に人が居る旨の通報を車外に通報するように構成したが,本発明はこれに限定されるものではなく,例えば冬季等において車内が人体に危険な低温に低下した場合・・・等,車内が人体に危険状態にあると判断したときに,車内に人が居る旨の通報を車外に通報するように構成してもよい。」(【0090】)との記載を参酌すると,先願明細書において,車内の人検出通報装置が,車内温度として人体に危険な低温の温度を記憶しておく手段を具備することは明らかである。 ・先願明細書の,「人検出通報の方法としては,その人検出信号により・・・予め電話番号が設定されている携帯電話器やPHSへの通報・・・等種々の方法がある」(【0071】)との記載を参酌すると,先願明細書において,車内の人検出通報装置が,携帯電話器やPHSを識別する電話番号を記憶する記憶手段を具備することは明らかである。 ・先願明細書の,「第1のコントローラ8は・・・車内に人が居ることを知らせる通報信号を第2のコントローラ9と通信インターフェース10をそれぞれ介して車外の監視センター11等に無線等により送信する手段を備えている。」(【0058】)との記載,「人検出通報の方法としては,その人検出信号により・・・予め電話番号が設定されている携帯電話器やPHSへの通報・・・等種々の方法がある」(【0071】)との記載,及び「この車内の人検出通報装置1によれば,車両の走行停止および車内の所定の温度(高温)および車内の密室状態および車内の人の存在がそれぞれ検出されたときは,停止中の車両内に人が居て,車内が例えば高温であると判断され,車内の温度が上記所定温度から高温等人体に危険な温度に到達する前に,カメラ12により車内が撮影され,その画像に基づいて人と物とが判別され,人が認識されたときに車内に人が居ることが車外等に通報される。」(【0075】)を参酌すると,先願明細書において,車内の人検出通報装置の第2のコントローラが,携帯電話器やPHSを識別する電話番号に自動で送信することは明らかである。 ・先願明細書の,「S13へ進み,ここで,各質量センサー6の検出結果を読み込み,この後,座席上の質量分布から人または物の有無をS14で判断し,Noのときはエンドへ進んで終了させる一方,Yesのとき,すなわち,車内に人が居るか,または物があると判断したときはS15へ進む。S15では,第1のコントローラ8が温度センサー5の検出温度を再び読み込み」(【0068】-【0069】)との記載,及び【図3】に記載されたフローチャートを参酌すると,先願明細書には,車内の人検出通報装置の第1のコントローラは,質量センサーにて座席が使用されていることが検出されると温度監視を実施することが示されている。 これらの記載事項及び図示内容を総合すると先願明細書には,次の発明(以下,「先願発明」という。)が記載されていると認められる。 「座席および座席上に敷設された質量センサーの他に,車内の温度を検出する温度センサーと, 車内温度として人体に危険な低温の温度を記憶しておく手段と, 車内に人が居ることを知らせる通報信号を記憶する記憶手段と, 携帯電話器やPHSを識別する電話番号を記憶する記憶手段と, 前記携帯電話器やPHSを識別する電話番号に自動で送信する第2のコントローラと, 前記質量センサーにて座席が使用されていることが検出されると温度監視を実施し,前記温度センサーにて検出した車内の温度と車内温度として人体に危険な低温の温度とに基づいて,前記温度センサーにて検出した車内の温度が前記人体に危険な低温の温度に低下すると判断した場合,前記第2のコントローラにて前記電話番号に自動で送信するとともに,前記通報信号を当該電話番号の携帯電話器やPHSに通報する第1のコントローラと, を具備する車内の人検出通報装置。」 (3)対比 そこで,本願補正発明と先願発明とを対比する。 後者の「座席上に敷設された質量センサー」は,先願明細書の,「車内の人を検出する人感センサーの一例である複数の質量センサー6,6」(【0054】)との記載を参酌すると,車内の人を検出するためのものといえる。 一方,前者の「座席の周囲にとりつけた座席の使用状況判定検出装置」は,本願の明細書の,「チャイルドシートに着座を確認した信号をもって子供が自動車車内にいるものと判断し」(【0005】)との記載を参酌すると,車内に子供がいることを検出するためのものといえる。 そうすると,後者の「座席上に敷設された質量センサー」は前者の「座席の周囲にとりつけた座席の使用状況判定検出装置」に相当する。 後者の「車内の温度を検出する温度センサー」は前者の「車内の温度を測定する手段」に相当し,以下同様に,「車内温度として人体に危険な低温の温度」は「車内温度の設定温度」に,「車内に人が居ることを知らせる通報信号」は「所定の警報信号」に,「携帯電話器やPHS」は「被呼端末」に,「電話番号」は「識別番号」に,「自動で送信する」態様は「自動発信する」態様に,「第2のコントローラ」は「発信手段」に,「温度センサーにて検出した車内の温度」は「測定温度」に,「通報信号を当該電話番号の携帯電話器やPHSに通報する」態様は「所定の警報信号を当該識別番号の被呼端末に送出する」態様に,「第1のコントローラ」は「制御手段」に,「車内の人検出通報装置」は「車内温度警告装置」にそれぞれ相当する。 後者の「温度センサーにて検出した車内の温度が人体に危険な低温の温度に低下すると判断した」態様と,前者の「測定温度が設定温度よりも低くなった」態様とは,「測定温度と設定温度とが所定の関係となった」との概念で共通している。 したがって,両者は, 「座席および座席の周囲にとりつけた座席の使用状況判定検出装置の他に,車内の温度を測定する手段と, 車内温度の設定温度を記憶しておく手段と, 所定の警報信号を記憶する記憶手段と, 被呼端末を識別する識別番号を記憶する記憶手段と, 前記被呼端末を識別する識別番号に自動発信する発信手段と, 前記検出装置にて座席が使用されていることが検出されると温度監視を実施し,前記測定温度と設定温度とに基づいて,前記測定温度と前記設定温度とが所定の関係となった場合,前記発信手段にて前記識別番号に自動発信するとともに,前記所定の警報信号を当該識別番号の被呼端末に送出する制御手段と, を具備する車内温度警告装置。」 である点で一致し,以下の点で相違している。 [相違点] 測定温度と設定温度とに基づいて,発信手段にて識別番号に自動発信するとともに,所定の警報信号を当該識別番号の被呼端末に送出するための条件に関し,本願補正発明は,測定温度が設定温度「よりも低くなった」場合であるのに対し,先願発明は,測定温度が設定温度「に低下すると判断した」場合である点。 (4)判断 上記相違点について以下に検討する。 先願発明において,発信手段にて識別番号に自動発信するとともに,所定の警報信号を当該識別番号の被呼端末に送出するための条件に関し,測定温度が設定温度「に低下すると判断した」場合とすることは,先願明細書の,「第1のコントローラ8は,温度センサー5により検出された車内の温度が所定温度以上であるときに,その検出温度の変化率を求め,さらに,この温度変化率から車内温度が人体に危険な温度に昇温するのまでの到達時間を推測し,その危険温度到達時間に到達する所定時間前に,車内に人が居ることを知らせる通報信号を第2のコントローラ9と通信インターフェース10をそれぞれ介して車外の監視センター11等に無線等により送信する手段を備えている。」(【0058】)との記載,及び「上記実施形態では,車内が高温状態にあると判断したときに,車内に人が居る旨の通報を車外に通報するように構成したが,本発明はこれに限定されるものではなく,例えば冬季等において車内が人体に危険な低温に低下した場合・・・等,車内が人体に危険状態にあると判断したときに,車内に人が居る旨の通報を車外に通報するように構成してもよい。」(【0090】)との記載を参酌すると,車内の温度が人体に危険な低温に到達することを検出すること,すなわち,車内が低温となる温度異常を検出することということができる。 一方,本願補正発明において,発信手段にて識別番号に自動発信するとともに,所定の警報信号を当該識別番号の被呼端末に送出するための条件に関し,測定温度が設定温度「よりも低くなった」場合とすることは,本願明細書の,「座席使用及び温度異常を検出すると所定の識別番号の電話機あるいは無線受信機に警報信号を送りすばやく警告できる。」(【0010】)との記載を参酌すると,車内が低温となる温度異常を検出することといえる。 そして,先願発明において,発信手段にて識別番号に自動発信するとともに,所定の警報信号を当該識別番号の被呼端末に送出するための条件に関し,測定温度が設定温度よりも低くなったことを条件とすることは,低温の温度異常を検出するという動作の具体化手段における設計上の微差にすぎないものと認められるから,上記相違点は実質的な相違点ではない。 そうすると,先願明細書には,上記相違点に係る構成が実質的に開示されているということができるから,本願補正発明は,先願発明と実質的に同一である。 したがって,本願補正発明は,先願明細書に記載された発明と同一であり,しかも,本願補正発明の発明者が上記先願明細書に記載された発明の発明者と同一であるとも,また,本願の出願時に,その出願人が上記先願の出願人と同一であるとも認められないので,本願補正発明は,特許法第29条の2の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (5)むすび 以上のとおりであって,本件補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下を免れない。 3.本願発明について 本件補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,平成22年8月2日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものと認められる。 「座席および座席の周囲にとりつけた座席の使用状況判定検出装置の他に,車内の温度を測定する手段と, 車内温度の設定温度を記憶しておく手段と, 所定の警報信号を記憶する記憶手段と, 被呼端末を識別する識別番号を記憶する記憶手段と, 前記被呼端末を識別する識別番号に自動発信する発信手段と, 前記検出装置にて座席が使用されていることが検出されているとき,前記測定温度と設定温度とに基づいて,前記測定温度が前記設定温度よりも低くなった場合,前記発信手段にて前記識別番号に自動発信するとともに,前記所定の警報信号を当該識別番号の被呼端末に送出する制御手段と, を具備することを特徴とする車内温度警告装置。」 (1)引用例 原査定の拒絶の理由に引用された先願,及び,先願明細書の記載事項は,上記「2.(2)」に記載したとおりである。 (2)対比・判断 本願発明は,上記「2.(1)」で検討した本願補正発明の,「前記検出装置にて座席が使用されていることが検出されているとき,前記測定温度と設定温度とに基づいて」を「前記検出装置にて座席が使用されていることが検出されると温度監視を実施し,前記測定温度と設定温度とに基づいて」とする限定を省いたものである。 そうすると,本願発明の構成要件を全て含み,さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が,上記「2.(3)」及び「2.(4)」に記載したとおり,先願発明と実質的に同一であるから,本願発明も,同様の理由により,先願発明と実質的に同一である。 (3)むすび 以上のとおりであって,本願発明は,先願明細書に記載された発明と同一であり,しかも,本願発明の発明者が上記先願明細書に記載された発明の発明者と同一であるとも,また,本願の出願時に,その出願人が上記先願の出願人と同一であるとも認められないので,本願発明は,特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2011-09-22 |
結審通知日 | 2011-09-27 |
審決日 | 2011-10-11 |
出願番号 | 特願2000-296032(P2000-296032) |
審決分類 |
P
1
8・
16-
Z
(G08B)
P 1 8・ 575- Z (G08B) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 赤間 充 |
特許庁審判長 |
田村 嘉章 |
特許庁審判官 |
冨江 耕太郎 槙原 進 |
発明の名称 | 車内温度警告装置 |