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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 C03C
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C03C
管理番号 1247676
審判番号 不服2008-13507  
総通号数 145 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-05-29 
確定日 2011-12-01 
事件の表示 平成11年特許願第118472号「高ビスマス含量を有する、低溶融性で鉛不含のガラス-及びエナメル組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成11年12月14日出願公開、特開平11-343141〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成11年4月26日(パリ条約による優先権主張1998年4月27日、米国)の出願であって、平成19年5月31日付けの拒絶理由が通知され、同年12月6日に意見書とともに手続補正書が提出され、平成20年2月27日付けで拒絶査定された。
これに対し、同年5月29日に拒絶査定不服審判請求がなされ、同年8月13日に請求の理由に係る手続補正書が提出されたものである。

2.本願発明
本願の請求項1?10に係る発明は、平成19年12月6日付け手続補正書により補正された明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?10に記載されたとおりのものであり、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次の事項により特定されるものである。

「【請求項1】 本質的に、次のもの:
Bi_(2)O_(3) 54?63重量%
SiO_(2) 28?38重量%
B_(2)O_(3)、但し、前記量は2重量%を超えない
Al_(2)O_(3)、但し、前記量は3重量%を超えない
TiO_(2)、但し、前記量は2重量%を超えない
Na_(2)O、但し、前記量は4.5重量%を超えない
K_(2)O、但し、前記量は1.5重量%を超えない
Li_(2)O、但し、前記量は1重量%を超えない
F^(-1)、但し、前記量は1重量%を超えない
から成る鉛不含のガラス組成物を焼き付けることにより形成されたエナメル被覆。」

3.引用文献の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先日前に頒布された特開平9-227214号公報(以下、「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。
(ア)「無機成分として、本質的に、
Bi_(2)O_(3) 40?75重量%、
SiO_(2) 10?36重量%、
B_(2)O_(3) 0?25重量%、
Li_(2)O 0?15重量%、
Na_(2)O 0?15重量%、
K_(2)O 0?15重量%、
BaO 0?19重量%、
TiO_(2) 0? 4重量%、
からなるガラス粉末64?94重量%、着色耐熱性顔料粉末5?35重量%、耐火物フィラー粉末0?10重量%および酸化ビスマス粉末0.01?10重量%を含有するセラミックカラー組成物。」(特許請求の範囲【請求項1】)
(イ)「本発明のセラミックカラー組成物において、着色耐熱性顔料粉末の含有量が5重量%未満では所望の濃さが得られない。35重量%超ではガラスの量が少なくなりすぎ、ガラス板を曲げ加工する温度でガラス板に焼き付けることが難しくなる。望ましくは7?30重量%である。かかる着色耐熱性顔料としては鉄マンガンの酸化物を主体とするもの、銅クロムの酸化物を主体とするもの、コバルトクロムの酸化物を主体とするものが例示される。」(段落【0011】)
(ウ)「耐火物フィラー粉末は、必須ではないが、この耐火物フィラー粉末を含有することにより膨張係数の制御、流動性の制御ができる。・・・」(段落【0012】)
(エ)「ガラス粉末をなすガラスの組成について、以下に説明する。Bi_(2) O_(3)量が40重量%未満ではガラスの軟化点が上昇し焼結不良となるおそれがあり、75重量%超では化学的耐久性が低下するおそれがある。
SiO_(2)量が36重量%超ではガラスの軟化点が上昇し、通常の板ガラスの曲げ成形焼成条件で焼結不良となるおそれがある。10重量%未満ではガラス中からケイ酸ビスマスの結晶が析出しなくなり、後述する酸化ビスマス粉末添加による型離れ性向上効果が見られなくなる。」(段落【0014】?【0015】)
(オ)「B_(2)O_(3)は必須ではないが、ガラスの焼結性向上のために使用してもよい。しかし、25重量%超では良好な型離れ性が実現できない。
Li_(2)O、Na_(2)O、K_(2)Oも必須ではないが、ガラスの焼結性向上のために用いてもよい。しかし、それぞれ、15重量%超では膨張率が高くなり焼き付けた板ガラスの強度が低下するおそれがある。
BaOも必須ではないが、ガラスの焼結性向上のために用いてもよい。しかし、19重量%超では膨張率が高くなり焼き付けた板ガラスの強度が低下する傾向がある。
TiO_(2)も必須ではないが、化学的耐久性や焼結温度の調整に用いてもよい。しかし、4重量%超ではガラス中からチタン酸ビスマスの結晶が析出し、ケイ酸ビスマスの結晶が析出しなくなり、後述する酸化ビスマス粉末添加による型離れ性向上効果が見られなくなり好ましくない。チタン酸ビスマスの結晶の析出を充分に抑制し、型離れ性を充分なものとするためには、2.5重量%以下とすることが好ましい。」(段落【0016】?【0019】)
(カ)「このガラスには上記成分の他に、Al_(2)O_(3)、・・・等の成分を焼結温度、化学的耐久性や熱膨張係数等の調整に、ガラスの均質性を損なわない範囲で適宜含有させることができる。」(段落【0020】)
(キ)「本発明のセラミックカラー組成物において、酸化ビスマス粉末が0.01?10重量%の範囲で含有される必要がある。酸化ビスマス粉末は上記ガラス粉末と混合されることにより、焼成中にガラスからのケイ酸ビスマス結晶の析出を大きく促進させ、それにより焼き付けと同時に行われる板ガラスの曲げ成形時のプレス型への付着を有効に抑制できる。
・・・
なお、酸化ビスマス粉末の添加によって、セラミックカラー組成物膜の上に形成される銀ペーストの特性低下を抑制するという付随的効果も期待できる。すなわち、結晶化が促進されることにより、銀ペースト中の銀粒子が焼成中にセラミックカラーペースト中に沈み込むことが抑制されるためである。」(段落【0021】?【0023】)
(ク)「本発明のセラミックカラー組成物を用いた曲面ガラス板の製造法は以下のようになる。まず、かかるセラミックカラー組成物の粉末に有機ビヒクルを含有させペースト化する。・・・
次いで、ペースト化したセラミックカラー組成物を車両用窓ガラスに使用するガラス板面の所望の部位にスクリーン印刷等の塗布手段により塗布する。このガラス板は、通常は、ソーダライムシリカガラスである。また、塗布する部位は、自動車用ガラス板であれば、フロントガラス、サイドガラス、リヤガラスの周縁部である。
次いで、かかるペースト化したセラミックカラー組成物を塗布したガラス板は、乾燥され、次いで加熱炉に搬入され加熱される。この温度域は500?620℃であり、この温度でセラミックカラー組成物がガラス板に融着する。
次いで、ガラス板はさらに600?700℃の温度に保持され、融着したセラミックカラー組成物がガラス板に焼き付けられるとともに、ガラス板は炉内に設けられたプレス装置または真空吸着成形装置等の成形装置により曲げ加工される。・・・
曲げ加工されたガラス板は、徐冷または強化のために急冷されて、車両用の窓ガラスとなる。」(段落【0027】?【0031】)
(ケ)「・・・表に示すガラス組成(単位:重量%)となるように原料を調合・混合した後、1200?1500℃の温度にて溶融してガラス化し、ガラスを得た。次いでこのガラスを、ボールミルで粉砕し重量平均粒径約2.5μmのガラス粉末とした。・・・」(段落【0032】)
(コ)「【発明の効果】本発明のセラミックカラー組成物は、鉛等を含有せず、ソーダライムシリカ板ガラスへ焼き付けと同時に行われる板ガラスの曲げ成形時の型離れ性を画期的に向上させるものである。」(段落【0039】)

4.引用発明
(a)引用文献2には、記載事項(ア)に、「無機成分として、本質的に、
Bi_(2)O_(3) 40?75重量%、
SiO_(2) 10?36重量%、
B_(2)O_(3) 0?25重量%、
Li_(2)O 0?15重量%、
Na_(2)O 0?15重量%、
K_(2)O 0?15重量%、
BaO 0?19重量%、
TiO_(2) 0? 4重量%、
からなるガラス粉末を含有するセラミックカラー組成物。」が記載されている。
(b)上記「本質的に・・・からなるガラス粉末」について、記載事項(カ)には、「Al_(2)O_(3)・・・等の成分を焼結温度、化学的耐久性や熱膨張係数等の調整に、ガラスの均質性を損なわない範囲で適宜含有させることができる。」と記載されている。
(c)上記「セラミックカラー組成物」は、記載事項(コ)に、「本発明のセラミックカラー組成物は、鉛等を含有せず」と記載されるように、「鉛」を含有しないものである。そうすると、「鉛」を含有しない「セラミックカラー組成物」に含有される上記「本質的に・・・からなるガラス粉末」も「鉛」を含有していないといえる。
(d)また、上記「セラミックカラー組成物」は、記載事項(ク)に、「ペースト化したセラミックカラー組成物を車両用窓ガラスに使用するガラス板面の所望の部位にスクリーン印刷等の塗布手段により塗布する。・・・ガラス板はさらに600?700℃の温度に保持され、融着したセラミックカラー組成物がガラス板に焼き付けられる」と記載されるように、ガラス板面に塗布されて焼き付けられるものであり、塗布されて焼き付けられることで、記載事項(キ)の「セラミックカラー組成物膜」がガラス板面に形成されるといえる。

(e)上記(a)?(d)の検討を踏まえ、記載事項(ア)?(コ)を本願発明の記載ぶりに則して整理すると、引用文献2には、
「無機成分として、本質的に、
Bi_(2)O_(3) 40?75重量%、
SiO_(2) 10?36重量%、
B_(2)O_(3) 0?25重量%、
Li_(2)O 0?15重量%、
Na_(2)O 0?15重量%、
K_(2)O 0?15重量%、
BaO 0?19重量%、
TiO_(2) 0? 4重量%、
Al_(2)O_(3) 0重量%?適宜
からなる鉛を含まないガラス粉末を含有するセラミックカラー組成物を焼き付けることにより形成されたセラミックカラー組成物膜。」(以下、「引用発明」という。)なる発明が記載されているといえる。

5.対比・判断
本願発明と引用発明とを比較する。
(a)引用発明の「鉛を含まないガラス粉末を含有するセラミックカラー組成物」は、本願発明の「鉛不含のガラス組成物」と、「鉛不含の組成物」である点で共通する。
(b)引用発明の「焼き付けることにより形成されたセラミックカラー組成物膜」は、本願発明の「焼き付けることにより形成されたエナメル被覆」と、「焼き付けることにより形成された膜」である点で共通する。
(c)次にガラス組成について検討する。
引用発明の「鉛を含まないガラス粉末」の成分として、
「本質的に、
Bi_(2)O_(3)
SiO_(2)
B_(2)O_(3)
Li_(2)O
Na_(2)O
K_(2)O
BaO
TiO_(2)
Al_(2)O_(3)からなる」ことは、
本願発明のガラス組成が、
「本質的に、次のもの:
Bi_(2)O_(3)
SiO_(2)
B_(2)O_(3)
Al_(2)O_(3)
TiO_(2)
Na_(2)O
K_(2)O
Li_(2)O
F^(-1)から成る」ことと、
「本質的に、次のもの:
Bi_(2)O_(3)
SiO_(2)
B_(2)O_(3)
Al_(2)O_(3)
TiO_(2)
Na_(2)O
K_(2)O
Li_(2)O
から成る」点で共通する。
(d)上記共通する成分として、引用発明が、
「Bi_(2)O_(3) 40?75重量%
SiO_(2) 10?36重量%
B_(2)O_(3) 0?25重量%
Li_(2)O 0?15重量%
Na_(2)O 0?15重量%
K_(2)O 0?15重量%
TiO_(2) 0? 4重量%
Al_(2)O_(3) 0重量%?適宜
からなる」ことは、本願発明が、
「Bi_(2)O_(3) 54?63重量%
SiO_(2) 28?38重量%
B_(2)O_(3)、但し、前記量は2重量%を超えない
Al_(2)O_(3)、但し、前記量は3重量%を超えない
TiO_(2)、但し、前記量は2重量%を超えない
Na_(2)O、但し、前記量は4.5重量%を超えない
K_(2)O、但し、前記量は1.5重量%を超えない
Li_(2)O、但し、前記量は1重量%を超えない
から成る」ことと、
「Bi_(2)O_(3) 54?63重量%
SiO_(2) 28?36重量%
B_(2)O_(3) 0?2重量%
Al_(2)O_(3) 0重量%
TiO_(2) 0?2重量%
Na_(2)O 0?4.5重量%
K_(2)O 0?1.5重量%
Li_(2)O 0?1重量%
から成る」点で重複する。

上記(a)?(d)を踏まえると、両者は、
「本質的に、次のもの:
Bi_(2)O_(3) 54?63重量%
SiO_(2) 28?36重量%
B_(2)O_(3) 0?2重量%
Al_(2)O_(3) 0重量%
TiO_(2) 0?2重量%
Na_(2)O 0?4.5重量%
K_(2)O 0?1.5重量%
Li_(2)O 0?1重量%
から成る鉛不含の組成物を焼き付けることにより形成された膜。」である点で一致し、以下の点で相違する。

・相違点A
本願発明は、ガラス組成物に「F^(-1)、但し、前記量は1重量%を超えない」範囲で含むのに対し、引用発明ではかかる事項を有していない点。

・相違点B
本願発明は、ガラス組成物に「BaO」を含んでいないのに対し、引用発明では「BaO」を0?19重量%含んでいる点。

・相違点C
本願発明は、「ガラス組成物」を「焼き付けることにより形成されたエナメル被覆」であるのに対し、引用発明は、「ガラス粉末を含有するセラミックカラー組成物」を「焼き付けることにより形成されたセラミックカラー組成物膜」である点。

上記相違点A?Cについて検討する。
・相違点A
引用発明は、「F^(-1)」を含まないものである。
一方、本願発明が「F^(-1)、但し、前記量は1重量%を超えない」範囲で含むことについて、本願明細書段落【0027】には、「使用することのできる他のフリット1例は、次のような組成を有するものである:
酸化物 重量%範囲
・・・
F_(2) 0?1」と記載されており、「F^(-1)」の含有量に「0重量%」を含むものである。
してみると、上記相違点Aは実質的な相違点とはならない。

・相違点B
引用発明が、「BaO 0?19重量%」であることは、「0重量%」であること、すなわちBaOが含まれないことも示されており、上記記載事項(オ)にも「BaOも必須ではないが、ガラスの焼結性向上のために用いてもよい。」と記載されていることから、引用文献2には、BaOを含まない、あるいは、必要最小限添加されることが開示されているといえる。
してみると、上記相違点Bは実質的な相違点とはならない。

・相違点C
エナメリングとは、例えば、江藤他,“技術シリーズ ガラス”,朝倉書店,1982年5月25日,初版第1刷,p.126,p.143に記載されるような、ガラス粉末に顔料等を添加し、ガラス表面に焼き付けることであり、焼き付けられたものが「エナメル被覆」であると認められるところ、本願発明の「エナメル被覆」について、本願明細書には、「ガラス組成物を粉砕したフリット」(段落【0024】)に、「黒色顔料」を添加した「エナメル組成物」(段落【0028】?【0030】)を「エナメルペースト」にし(段落【0032】?【0033】)、「ガラス支持体に塗布して塗布被覆を焼き付ける」(段落【0040】)と記載されており、本願発明の「ガラス組成物」を「焼き付ける」ことは、「粉砕したフリット」に「黒色顔料」を添加したものを「焼き付ける」ことであるといえる。
一方、引用発明の「セラミックカラー組成物」は、記載事項(ア)に「ガラス粉末64?94重量%、着色耐熱性顔料粉末5?35重量%・・・を含有するセラミックカラー組成物」と記載されるように、「ガラス粉末」と「着色耐熱性顔料粉末」が含まれることから、引用発明の「セラミックカラー組成物」を「焼き付ける」ことは、本願発明の「ガラス組成物」を「焼き付ける」ことに相当し、引用発明の「セラミックカラー組成物を焼き付けることにより形成された」「セラミックカラー組成物膜」は、本願発明の「エナメル被覆」に相当するといえる。
してみると、上記相違点Cは実質的な相違点とはならない。

よって、本願発明は、引用文献2に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができず、また、そうでないとしても、本願発明は、引用文献2に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

6.請求人の主張について
なお、請求人は、審判請求書の請求の理由において、「さらに、先行技術の組成物が高い量のLi_(2)O、TiO_(2)、B_(2)O_(3)及び鉛を含有することが考慮されるべきであり、これらの高い量は、一部の場合に、本願の出願当初明細書の導入部に記載されているように、回避されるべきであるか又は最小限にされるべきものである。引用文献1?5には、そのような組成物が上述のこれらの成分の使用を伴うことなく高い耐酸性、耐付着性のような改善を提供することができたという示唆はなく、したがって、本願発明の組成物は進歩性を有するものである。」と主張しているので、以下に検討する。

引用文献2には、上記記載事項(コ)に、「鉛等を含有せず」と記載され、上記記載事項(オ)に、「Li_(2)O、TiO_(2)、B_(2)O_(3)」はいずれも必須成分ではなく、「焼結性向上」(Li_(2)O、B_(2)O_(3))や「化学的耐久性や焼結温度の調整」(TiO_(2))のために必要最小限添加されることが開示されているから、上記主張は採用できない。

また、請求人は、「本願発明が引用文献記載の各組成物に比べて顕著な優れた効果を有するものであることを説明するための、追加の実験データを提出する用意があることを申し添えます。」と主張するとともに、「拒絶査定の備考欄で補正による新規事項の追加が指摘されておりますが、これにつきましても出願人と調整する用意がありますので、代理人までご連絡下さいますようお願いいたします。」と主張している。
しかしながら、審判請求時に補正や追加実験データの提出を行う機会があったのにもかかわらず、あえて行わなかったのであるから、上記主張は採用できない。

7.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献2に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができず、また、そうでないとしても、本願発明は、引用文献2に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
そして、本願は他の請求項について検討するまでもなく拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-07-05 
結審通知日 2011-07-06 
審決日 2011-07-20 
出願番号 特願平11-118472
審決分類 P 1 8・ 121- Z (C03C)
P 1 8・ 113- Z (C03C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 柿崎 美陶  
特許庁審判長 豊永 茂弘
特許庁審判官 吉川 潤
斉藤 信人
発明の名称 高ビスマス含量を有する、低溶融性で鉛不含のガラス-及びエナメル組成物  
代理人 矢野 敏雄  
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト  
代理人 山崎 利臣  
代理人 久野 琢也  

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