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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06T
審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 G06T
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06T
管理番号 1248637
審判番号 不服2009-24528  
総通号数 146 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-12-11 
確定日 2011-12-06 
事件の表示 特願2007-508356「グラフィックオペレーションのための高レベルプログラムインターフェース」拒絶査定不服審判事件〔平成17年11月10日国際公開、WO2005/106652、平成19年11月15日国内公表、特表2007-533026〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2005年3月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2004年4月16日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成21年1月22日付けで拒絶理由通知がなされ、これに対し、平成21年7月1日付けで手続補正がなされたが、平成21年7月30日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成21年12月11日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同時に手続補正がなされたものである。
また、平成22年9月9日付けの審尋に対して、平成22年12月7日付で回答書が提出されている。

第2 平成21年12月11日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成21年12月11日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正後の本願発明
平成21年12月11日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲のうち、請求項1及び6は、以下のとおりである。
「【請求項1】
1つ又はそれ以上のマイクロプロセッサを含むコンピュータのグラフィック処理資源に高レベルインターフェースを提供するための方法であって、
該高レベルインターフェースは、
第1プロセスが第1のプロセッシング・ユニット上で実行されて、前記グラフィック処理資源によってサービスされる1つ又はそれ以上の関数呼び出しを介してタスクの性能を要求し、該関数呼び出しが、
(i)イメージの生成、
(ii)フィルタの作成、
(iii)該フィルタに関連付けられた引数の設定、
(iv)前記フィルタ又は別のフィルタの出力の要求、
(v)コンテキストの作成、
(vi)イメージの前記コンテキスト又は別のコンテキストへのレンダリング
の選択肢のうちの1つ又はそれ以上から選択され、
前記要求がこれに関連付けられたオブジェクトを有し、該オブジェクトが、コンテキスト、イメージ、フィルタ、又はベクトルのうちの1つを含み、
前記要求が、前記機能の少なくとも1つと前記オブジェクトの1つとの間の関係を定義し、
前記グラフィック処理資源が、第2のプロセッシング・ユニット上で前記要求をサービスする、前記方法。」
及び、
「【請求項6】
1つ又はそれ以上のマイクロプロセッサを含むコンピュータのグラフィック処理資源に高レベルインターフェースを提供するための方法であって、
該高レベルインターフェースは、
第1プロセスが第1のプロセッシング・ユニット上で実行されて、前記グラフィック処理資源によってサービスされる1つ又はそれ以上の関数呼び出しを介してタスクの性能を要求し、該関数呼び出しが、
(i)イメージの生成、
(ii)コンテキストの作成、
(vi)イメージの該コンテキスト又は別のコンテキストへのレンダリング
の選択肢のうちの1つ又はそれ以上から選択され、
前記要求がこれに関連付けられたオブジェクトを有し、該オブジェクトが、コンテキスト又はイメージの1つを含み、
前記要求が、前記機能の少なくとも1つと前記オブジェクトの1つとの間の関係を定義し、
前記グラフィック処理資源が、第2のプロセッシング・ユニット上で前記要求をサービスする、前記方法。」

2.補正の適否について
この補正は、補正前の請求項1?57、74、78を削除するものであって、補正後の請求項1は、補正前の請求項58に対応し、補正後の請求項6は、補正前の請求項63に対応する。なお、この点は、審判請求人が請求の理由中で主張するとおりである。

以下において、この補正が、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下、単に「平成18年改正前特許法」という。)第17条の2第4項各号に規定する要件を満たしているか否かについて検討する。

補正後の請求項1及び6についての補正は、いずれも以下のとおりである。
(1)補正前の「1つ以上のマイクロプロセッサを含むコンピュータのグラフィック処理資源」を
「1つ又はそれ以上のマイクロプロセッサを含むコンピュータのグラフィック処理資源」とする補正。

(2)補正前の「第1プロセスが、前記グラフィック処理資源によってサービスされる1つ又はそれ以上の関数呼び出しを介してタスクの性能を要求し、」を
「第1プロセスが第1のプロセッシング・ユニット上で実行されて、前記グラフィック処理資源によってサービスされる1つ又はそれ以上の関数呼び出しを介してタスクの性能を要求し、」とする補正。

(3)補正前の「前記グラフィック処理資源が、前記要求をサービスする」を
「前記グラフィック処理資源が、第2のプロセッシング・ユニット上で前記要求をサービスする」とする補正。

(4)補正前の「前記要求をサービスすることを含む方法。」を
「前記要求をサービスする、前記方法。」とする補正。

上記(1)及び(4)については、記載を言い換えただけのものであって、実質的な内容に変更はない。

しかし、上記(2)及び(3)については、補正前の請求項における発明を特定する事項として、何らの「プロセッシング・ユニット」も備えていなかったものであるが、補正後に、それぞれ、「第1のプロセッシング・ユニット」及び「第2のプロセッシング・ユニット」を備えることになったものであって、請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものとすることはできない。

したがって、上記(2)及び(3)の補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号の要件を満たさないものである。

また、上記(1)?(4)の補正が、誤記の訂正であるとも、明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)ともすることはできないから、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第3号及び第4号の要件を満たさないものである。

以上のとおりであるから、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第1号に規定された請求項の削除を伴うものではあるものの、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号?第4号の規定に違反するものであるから、同法159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.独立特許要件違反について
なお、仮に本件補正が、平成18年改正前特許法第17条の2第4項各号に規定する要件を満たすものであったとした場合に、本件補正後の請求項6に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか。)否かについて、以下において検討する。

3-1 本願補正発明
本件補正後の請求項6に記載された事項は以下のとおりである(再掲)。
「【請求項6】
1つ又はそれ以上のマイクロプロセッサを含むコンピュータのグラフィック処理資源に高レベルインターフェースを提供するための方法であって、
該高レベルインターフェースは、
第1プロセスが第1のプロセッシング・ユニット上で実行されて、前記グラフィック処理資源によってサービスされる1つ又はそれ以上の関数呼び出しを介してタスクの性能を要求し、該関数呼び出しが、
(i)イメージの生成、
(ii)コンテキストの作成、
(vi)イメージの該コンテキスト又は別のコンテキストへのレンダリング
の選択肢のうちの1つ又はそれ以上から選択され、
前記要求がこれに関連付けられたオブジェクトを有し、該オブジェクトが、コンテキスト又はイメージの1つを含み、
前記要求が、前記機能の少なくとも1つと前記オブジェクトの1つとの間の関係を定義し、
前記グラフィック処理資源が、第2のプロセッシング・ユニット上で前記要求をサービスする、前記方法。」

2箇所の下線は当審が付したものであるが、そのうちの「タスクの性能を要求し」については、前後の文脈からみて文意が不明であり、「前記機能」については、先行する「機能」が記されておらず、意味するところが不明である。
これらに関して、平成22年12月7日付けの回答書において、審判請求人は、「タスクの性能」は誤記であり正しくは「タスクの実行」であること、「前記機能」は誤記であり正しくは「前記関数」であることを主張している。
両者ともに、英語から日本語への翻訳誤りに伴う誤記であると認め、請求項6に記載された発明は、以下のとおりのものと認定する。
「【請求項6】
1つ又はそれ以上のマイクロプロセッサを含むコンピュータのグラフィック処理資源に高レベルインターフェースを提供するための方法であって、
該高レベルインターフェースは、
第1プロセスが第1のプロセッシング・ユニット上で実行されて、前記グラフィック処理資源によってサービスされる1つ又はそれ以上の関数呼び出しを介してタスクの実行を要求し、該関数呼び出しが、
(i)イメージの生成、
(ii)コンテキストの作成、
(vi)イメージの該コンテキスト又は別のコンテキストへのレンダリング
の選択肢のうちの1つ又はそれ以上から選択され、
前記要求がこれに関連付けられたオブジェクトを有し、該オブジェクトが、コンテキスト又はイメージの1つを含み、
前記要求が、前記関数の少なくとも1つと前記オブジェクトの1つとの間の関係を定義し、
前記グラフィック処理資源が、第2のプロセッシング・ユニット上で前記要求をサービスする、前記方法。」

3-2 引用刊行物
(1)原査定の拒絶理由に引用された国際公開WO98/45815号(以下、「引用刊行物」という。)には、次の事項が記載されている。なお、翻訳は当審が行い、要部に下線を付した。

(1-1)
「SUMMARY OF THE INVENTION
In accordance with one aspect of the invention, an apparatus and method of applying an effect to graphical data utilizes a graphics processor to apply the effect to a graphical image having the graphical data. To that end, the graphics processor is configured to process graphical data in accordance with a preselected graphics processing format, and the effect and graphical image are defined and converted, respectively, into the preselected graphics processing format. In accordance with preferred embodiments of the invention, the graphics processor is controlled to apply the effect to the graphical image to produce an output graphical image. The output graphical image includes both the effect and the graphical image. In preferred embodiments, the graphics processor is a graphics accelerator card, and the graphics processing format is OPENGL^(TM) .
In accordance with other aspects of the invention, the computer system includes a central processing unit, in addition to the graphics processor. The effect may be applied to the graphical image so that the effect is normalized with respect to the graphical image. Specifically, the effect may be applied to the graphical image as a ratio of the size of the graphical image. Moreover, the output graphical image may be stored in volatile or non- volatile memory in the computer system as a frame or other type of graphical image. Alternatively, the effect may be applied to the graphical image within texture memory that is a part of the graphics processor. The texture may be the graphics processor format for the input image.」(第2頁第11行?第3頁第1行)
(訳)
「発明の要約
本発明の1つの側面に従えば、グラフィカルデータにエフェクトをかける装置および方法は、グラフィカルデータを持つグラフィカルイメージにエフェクトをかけるためにグラフィックスプロセッサを利用する。その目的のために、グラフィックスプロセッサは、あらかじめ選択された図形処理フォーマットに従って、グラフィカルデータを処理するように構成される。また、エフェクトとグラフィカルイメージはあらかじめ選択された図形処理フォーマットへ、それぞれ定義され変換される。発明の好ましい実施例に従って、グラフィックスプロセッサは、出力のグラフィカルイメージを作成するグラフィカルイメージに、エフェクトをかけるようにコントロールされる。出力グラフィカルイメージは、エフェクトとグラフィカルイメージの両方を含む。好ましい実施例では、グラフィックスプロセッサは、グラフィックアクセラレータカードである。また、図形処理フォーマットはOPENGL^(TM)である。
本発明の他の側面に従えば、コンピュータシステムは、中央処理装置とグラフィックスプロセッサとを含んでいる。エフェクトがグラフィカルイメージに関して標準化されるように、グラフィカルイメージにエフェクトがかけられてもよい。すなわち、エフェクトはグラフィカルイメージのサイズの比率としてグラフィカルイメージに適用されてもよい。さらに、出力グラフィカルイメージは、グラフィカルイメージのフレームや他の種類として、コンピュータシステムの揮発性や不揮発性のメモリに蓄積される。あるいは、エフェクトは、グラフィックスプロセッサの一部であるテクスチャメモリ内のグラフィカルなイメージに適用されてもよい。テクスチャは、入力イメージに対するグラフィックスプロセッサフォーマットであってもよい。」

(1-2)
「The computer system 100 preferably is controlled and coordinated by operating system software, such as the WINDOWS NT^(R) operating system (available from Microsoft Corp., of Redmond, Washington). Among other computer system control functions, the operating system controls allocation of system resources and performs tasks such as process scheduling, memory management, networking, and I/O services. As suggested above, the operating system preferably includes an OPENGL^(TM) application program interface for rendering non-trivial 3D graphical indicia on the display device 170.
Figure 2 shows a process of applying special effects to a graphical image in accordance with a preferred embodiment of the invention. The process begins at step 200 in which a set of effects is defined in accord with the OPENGL^(TM) format, and then stored in the non-volatile memory 152. These effects may include unique effects created by a programmer, or commonly known effects. Some commonly known effects include geometry transformations that change the shapes of images without changing the image colors, (e.g., "BUMP", "CROP", "DEFORM", and "ROTATE"), "BALLOON", and "SHINES." Additional known effects may include "CONCENTRIC BLINDS", "DISPLACEMENT', "RADAR BLINDS", 'TOKYO BLINDS" and "VENETIAN BLINDS."
In preferred embodiments, effects may be edited and/or combined with other effects to produce yet additional effects. An effect preferably is defined by first developing a prototype of the effect. Such prototype preferably includes a program written in any known programming language (e.g., the C++ programming language) utilizing the OPENGL^(TM) API and WINDOWS NT^(TM) API. In preferred embodiments, effects are designed to manipulate the 3D geometry of graphical images and their applied textures in OPENGL^(TM) to obtain a desired output image result. Once satisfactorily developed, the (effect) program is configured to interface with the particular application program with which it is to be utilized.
The process then continues to step 202 in which a graphical image to be manipulated is obtained from memory. The image may be read from a file or generated from graphical software. The formatting data for the graphical image can comply with any graphical format and thus, does not necessarily comply with the OPENGL^(TM) API. For example, the graphical image may be a video image from a live feed (i.e., having fields and requiring field rendering), a frame or plurality of frames in a motion picture (e.g., an .avi file stored on disk), a bitmap file, or a graphic image file (i.e., a.gif file). Such images may be three dimensional, two-dimensional, or one dimensional mapped representations of an image on a two- dimensional medium (i.e., the display device).
Once the image is obtained, a 3D view area is set up in accord with conventional processes (step 204) and then the graphical image is moved into texture memory on the graphics accelerator (step 206). The following OPENGL^(TM) functions may be used to move the image into texture memory:
glTexEnvi;
glTexParameteri;
glEnable; and
glTexImage2D.
The image then is defined in a 3D geometry and the texture is applied to it to produce an affected output image (step 208). More particularly, the geometry of the image is manipulated by the application of the texture by the OPENGL^(TM) graphical accelerator 167 to produce the affected output image in 3D. The shape of the 3D image being manipulated, its alignment relative to the view volume, and the manner of mapping the texture to the 3D geometry determine the content of the affected output image. Of course, the calculations for applying the effect to the converted graphical image are performed by the graphical accelerator 167 and not by the central processing unit 105. The OPENGL^(TM) functions that may be utilized for step 208 include:
glBegin;
glTexCoord3d;
glVertex2d or glVertex3d;
glEnd;
glEnable; and
glDisable.
It then is determined at step 210 if effects are to be applied to additional images and combined with the output image from step 208. The positioning of the different affected 3D output images relative to one another in the view volume determines the interaction between images. The process loops to step 206 if effects are to be applied to additional images. If not, then the process moves to step 212 in which the image is displayed via a frame buffer capture operation. More particularly, the output image preferably is written to a frame buffer and consequently, displayed on the display device 170. An immediate display of this type is preferable, for example, to preview the application of an effect in an editing process. In some embodiments, however, such as those that do not require a preview, the OPENGL^(TM) capture of the output image from the frame buffer is performed in a hidden window. More particularly, the window attributes may be set so that the output image will not be displayed on the display device 170. In other embodiments in which the OPENGL^(TM) API is not utilized, a hidden window may not be necessary. The OPENGL^(TM) functions that may be used for step 212 include:
glHush;
glReadBuffer; and
glReadPixels.」(第5頁第9行?第7頁第22行)
(訳)
「望ましくは、コンピュータシステム100は、ワシントン州レイモンドのマイクロソフト社によって利用可能なWINDOWS NT^(R)オペレーティングシステムのようなオペレーティングシステムソフトウェアによって、コントロールされ調整される。他のコンピュータシステム制御機能に混じって、オペレーティングシステムは、システムリソースの割り当てをコントロールし、プロセス・スケジューリング、メモリ管理、ネットワーキングおよびI/Oサービスのようなタスクを実行する。上に示唆されるように、望ましくは、オペレーティングシステムは、ディスプレイ装置170上に、ありふれたものでない3Dのグラフィカルな目印を描くためのOPENGL^(TM)アプリケーションプログラムインターフェースを含んでいる。
図2は、この発明の望ましい実施例についてのグラフィカルイメージに対する特殊エフェクトを適用する過程を示す。そのプロセスは、1組のエフェクトがOPENGL^(TM)フォーマットと一致して定義されるステップ200で始まり、次に不揮発性のメモリ152に格納される。これらのエフェクトは、プログラマによって作成されたユニークなエフェクト、あるいは一般に知られたエフェクトを含んでいるかもしれない。いくつかの一般に知られているエフェクトは、イメージ色や、(例えば「BUMP」、「CROP」、「DEFORM」および「ROTATE」)や、「BALLOON」、また「SHINES」を変更せずに、イメージの形を変更するジオメトリ変換を含んでいる。追加の既知のエフェクトは、「CONCENTRIC BLINDS」、「DISPLACEMENT」、「RADAR BLINDS」、「TOKYO BLINDS」及び「VENETIAN BLINDS」を含んでもよい。
好ましい実施例では、エフェクトは編集され、そして/または、付加的エフェクトを生むために他のエフェクトと結合するかもしれない。むしろ、エフェクトは、最初にエフェクトのプロトタイプを作ることによって定義される。むしろ、そのようなプロトタイプは、OPENGL^(TM) APIおよびWINDOWS NT^(TM) APIを利用する、任意の既知のプログラミング言語(例えばC++プログラミング言語)で書かれたプログラムを含んでいる。好ましい実施例では、エフェクトは、グラフィカルイメージと、望ましい出力イメージ結果を得るためのOPENGL^(TM)の中の適用テクスチャとの3Dジオメトリを操作するように設計される。一度、満足がいくように開発されると、(エフェクト)プログラムは、それが利用されることになっている特定のアプリケーションプログラムとインターフェイスをとるように構成される。
その後、そのプロセスは、操作されるグラフィカルイメージがメモリから得られるステップ202に続く。イメージは、ファイルから読まれるか、あるいはグラフィカルソフトウェアから生成されてもよい。グラフィカルイメージ用のフォーマットデータは、任意のグラフィカルフォーマットに応じることができ、したがって、必ずしもOPENGL^(TM) APIに応じるものではない。例えば、グラフィカルイメージは、すなわちフィールドを持っていたりフィールドレンダリングを必要とするライブ番組からのビデオイメージ、例えばディスクに保存されたaviファイルといった映画における1フレームや複数フレーム、ビットマップファイル、例えばgifファイルといったグラフィックイメージファイルであってもよい。そのようなイメージは、例えばディスプレイ装置といった2次元メディア上にマップ表現される3次元、2次元、1次元のイメージであってもよい。
一度、イメージが得られれば、3D視界エリアは、従来のプロセス(ステップ204)と一致してセットアップされる。次に、グラフィカルイメージは、グラフィックアクセラレーター(ステップ206)上のテクスチャメモリへ移動する。次のOPENGL^(TM)関数がテクスチャメモリへイメージを移動させるために使用されてもよい。
glTexEnvi;
glTexParameteri;
glEnableそして
glTexImage2D
それから、イメージは3D形状に定義され、作用を受けた出力イメージ(ステップ208)を作成するために、テクスチャがそれに適用されます。特に、3D空間で作用を受けた出力イメージを作成するために、イメージの形状は、OPENGL^(TM)グラフィカルアクセラレータ167によるテクスチャのアプリケーションによって操作される。操作されている3Dイメージの形、視体積に関する整列、および3D形状にテクスチャを描く方法は、作用を受ける出力イメージの内容を決定する。もちろん、変換されたグラフィカルイメージにエフェクトを適用するための演算は、中央処理装置105によってではなくグラフィカルアクセラレータ167によって行なわれる。ステップ208で利用されるかもしれないOPENGL^(TM)関数は、次のものを含んでいる。
glBegin;
glTexCoord3d;
glVertex2dあるいはglVertex3d;
glEnd;
glEnable;そして
glDisable
エフェクトが追加イメージに適用され、ステップ208からの出力イメージと結合されるのであれば、それはステップ210で決定される。視体積の中で互いに関して異なる影響を受けた3D出力イメージのポジショニングは、イメージ間の相互作用を決定する。エフェクトが追加のイメージに適用されることになっている場合、プロセスはステップ206へループする。そうでなければ、その後、そのプロセスは、イメージがフレームバッファキャプチャオペレーションによって表示されるステップ212に移る。特に、望ましくは、出力像は、フレームバッファに書き出され、その結果、ディスプレイ装置170に表示される。この種の直接表示は、例えば、編集プロセスでのエフェクトのアプリケーションをプレビューするために望ましい。しかし、プレビューを必要としないもののように、いくつかの実施例では、フレームバッファからの出力イメージのOPENGL^(TM)キャプチャは、隠れたウィンドウ中で実行される。特に、出力イメージがディスプレイ装置170に表示されないように、ウィンドウ属性はセットされるかもしれない。OPENGL^(TM) APIが利用されない他の実施例では、隠れたウィンドウは必要ではないかもしれない。ステップ212に使用されるかもしれないOPENGL^(TM)関数は次のものを含んでいる。
glHush;
glReadBuffer; そして
glReadPixels」

(1-3)
「I claim:
1. A computer program product for use on a computer system for applying effects to graphical data on a computer system, the computer system having a graphical processor that is preconfigured to process graphical data in accordance with a preselected graphics processing format, the computer program product comprising a computer usable medium having computer readable program code thereon, the computer readable program code including:
program code for defining an effect in the preselected graphics processing format;
program code for converting a graphical image into the preselected graphics processing format; and
program code for controlling the graphics processor to apply the effect the graphical image to produce an output graphical image, the output graphical image being the result of the application of the effect to the graphical image.」
(訳)
「特許請求の範囲
1.コンピュータシステム上のグラフィカルデータへのエフェクトを適用するためのコンピュータシステム上で使用されるコンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータシステムは、あらかじめ選択された図形処理フォーマットに従うグラフィカルデータを処理するようにあらかじめ構成されるグラフィカルプロセッサを有するコンピュータシステムであって、
前記コンピュータプログラム製品は、コンピュータ読取り可能なプログラムコードをその上に持っているコンピュータ使用可能なメディアからなるコンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータ読取り可能なプログラムコードは、
あらかじめ選択された図形処理フォーマットでエフェクトを定義するためのプログラムコードと、
グラフィカルイメージをあらかじめ選択された図形処理フォーマットに変換するためのプログラムコードと、
グラフィカルイメージに対するエフェクトの適用の結果である出力グラフィカルイメージを作成するためにグラフィカルイメージにエフェクトを適用するグラフィックプロセッサを制御するためのプログラムコード
とからなるコンピュータ読取り可能なプログラムコードであるコンピュータプログラム製品。」

(1-4)以上を総合すると、引用刊行物には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「オペレーティングシステムソフトウェアによって、コントロールされ調整されるものであって、中央処理装置とグラフィックスプロセッサとを含んでいるコンピュータシステムを有し、
変換されたグラフィカルイメージにエフェクトを適用するための演算は、中央処理装置によってではなくグラフィカルアクセラレータによって行なわれるものであり、
エフェクト等は、OPENGLの関数を用いて実行され、
エフェクトは、最初にエフェクトのプロトタイプを作ることによって定義され、そのようなプロトタイプは、OPENGL APIおよびWINDOWS NT APIを利用する、任意の既知のプログラミング言語で書かれたプログラムを含んでいるものであって、
エフェクトは、グラフィカルイメージと、望ましい出力イメージ結果を得るためのOPENGLの中の適用テクスチャとの3Dジオメトリを操作するように設計され、一度、満足がいくように開発されると、(エフェクト)プログラムは、それが利用されることになっている特定のアプリケーションプログラムとインターフェイスをとるように構成されるものであり、
グラフィックスプロセッサは、あらかじめ選択された図形処理フォーマットに従って、グラフィカルデータを処理するように構成され、エフェクトとグラフィカルイメージはあらかじめ選択された図形処理フォーマットへ、それぞれ定義され変換され、グラフィックスプロセッサは、出力のグラフィカルイメージを作成するグラフィカルイメージに、エフェクトをかけるようにコントロールされるものであって、
あらかじめ選択された図形処理フォーマットでエフェクトを定義するためのプログラムコードと、
グラフィカルイメージをあらかじめ選択された図形処理フォーマットに変換するためのプログラムコードと、
グラフィカルイメージに対するエフェクトの適用の結果である出力グラフィカルイメージを作成するためにグラフィカルイメージにエフェクトを適用するグラフィックプロセッサを制御するためのプログラムコードとを有し、
操作されるグラフィカルイメージがメモリから得られるステップを有し、イメージは、ファイルから読まれるか、あるいはグラフィカルソフトウェアから生成されてもよいものであり、
出力像は、フレームバッファに書き出され、その結果、ディスプレイ装置に表示される方法。」

3-3 対比・判断
(1)本願補正発明と引用発明との対比
(1-1)
引用発明は、「中央処理装置とグラフィックスプロセッサとを含んでいるコンピュータシステム」を有しているので、本願補正発明と引用発明とは、「1つ又はそれ以上のマイクロプロセッサを含むコンピュータのグラフィック処理資源」を有する点で一致する。
また、引用発明は、「エフェクト等は、OPENGLの関数を用いて実行され、」「(エフェクト)プログラムは、それが利用されることになっている特定のアプリケーションプログラムとインターフェイスをとるように構成される」ものである。そして、OPENGLは、グラフィックスプロセッサを機能させるAPI(Application Program Interface)であって、オペレーティングシステムソフトウェアの制御の下で動作するものであるから、結局のところ、本願補正発明と引用発明とは、「1つ又はそれ以上のマイクロプロセッサを含むコンピュータのグラフィック処理資源にインターフェースを提供するための方法」である点で共通する。

(1-2)
引用発明は、「オペレーティングシステムソフトウェアによって、コントロールされ調整されるものであって、」「エフェクトを適用するための演算は、中央処理装置によってではなくグラフィカルアクセラレータによって行なわれるもの」であり、次項の(1-3)で論述するように、引用発明において、「エフェクト等は、OPENGLの関数を用いて実行され」、コンテキストへのレンダリングなどのタスクが関数呼び出しを介して実行を要求されることから、本願補正発明と引用発明とは、「前記グラフィック処理資源によってサービスされる1つ又はそれ以上の関数呼び出しを介してタスクの実行を要求」する点で共通する。
また、引用発明の「グラフィカルアクセラレータ」はグラフィック処理資源を構成するから、本願補正発明の「第2のプロセッシング・ユニット」に相当し、本願補正発明と引用発明とは、「グラフィック処理資源が、プロセッシング・ユニット上で前記要求をサービスする」点で実質的に一致する。

(1-3)
引用発明において、「イメージは、ファイルから読まれるか、あるいはグラフィカルソフトウェアから生成されてもよい」ものであって、かかる点は、本願補正発明の「イメージの生成」に相当する。
本願の明細書の段落【0026】によれば、「コンテキストは、フィルタリングオペレーションの結果が常駐するメモリ内の定義された場所などの空間である。上記で提案されたように、イメージが入力と仮定すると、コンテキストは出力と仮定される。」ものであるから、引用発明における「グラフィカルイメージに対するエフェクトの適用の結果である出力グラフィカルイメージを作成する」ことは、本願補正発明の「コンテキストの作成」に相当する。
引用発明における「グラフィカルイメージに対するエフェクトの適用の結果である出力グラフィカルイメージを作成するためにグラフィカルイメージにエフェクトを適用する」ことは、本願補正発明の「イメージの該コンテキスト又は別のコンテキストへのレンダリング」に相当する。
そして、それらの処理が実行されるのであるから、本願補正発明と引用発明とは、「該関数呼び出しが、(i)イメージの生成、(ii)コンテキストの作成、(vi)イメージの該コンテキスト又は別のコンテキストへのレンダリングの選択肢のうちの1つ又はそれ以上から選択」されて、「タスクの実行を要求」する点で一致する。

(1-4)
本願補正発明における「前記要求がこれに関連付けられたオブジェクトを有し、該オブジェクトが、コンテキスト又はイメージの1つを含」むことは、これを言い換えれば、「前記要求がこれに関連付けられた、コンテキスト又はイメージの1つを含むオブジェクトを有する」ことと等価である。
引用発明は、「あらかじめ選択された図形処理フォーマットでエフェクトを定義するためのプログラムコードと、グラフィカルイメージをあらかじめ選択された図形処理フォーマットに変換するためのプログラムコードと」を備えるものであるから、グラフィカルイメージとこれに対するエフェクトとは図形処理フォーマットを介して対応付けられているので、結局のところ、本願発明と引用発明とは、「前記要求がこれに関連付けられた、イメージを含むオブジェクトを有する」こと、すなわち、「前記要求がこれに関連付けられたオブジェクトを有し、該オブジェクトが、コンテキスト又はイメージの1つを含」む点で一致する。

(1-5)
同様に、引用発明は、「あらかじめ選択された図形処理フォーマットでエフェクトを定義するためのプログラムコードと、グラフィカルイメージをあらかじめ選択された図形処理フォーマットに変換するためのプログラムコードと」を備えるものであって、「エフェクト等は、OPENGLの関数を用いて実行され」るものであるから、結局のところ、本願補正発明と引用発明とは、「前記要求が、前記関数の少なくとも1つと前記オブジェクトの1つとの間の関係を定義」する点で一致する。

(1-6)
したがって、本願補正発明と引用発明とは、以下の点で一致し、相違する。
[一致点]
「1つ又はそれ以上のマイクロプロセッサを含むコンピュータのグラフィック処理資源にインターフェースを提供するための方法であって、
該インターフェースは、
前記グラフィック処理資源によってサービスされる1つ又はそれ以上の関数呼び出しを介してタスクの実行を要求し、該関数呼び出しが、
(i)イメージの生成、
(ii)コンテキストの作成、
(vi)イメージの該コンテキスト又は別のコンテキストへのレンダリング
の選択肢のうちの1つ又はそれ以上から選択され、
前記要求がこれに関連付けられたオブジェクトを有し、該オブジェクトが、コンテキスト又はイメージの1つを含み、
前記要求が、前記関数の少なくとも1つと前記オブジェクトの1つとの間の関係を定義し、
前記グラフィック処理資源が、プロセッシング・ユニット上で前記要求をサービスする、前記方法。」

[相違点]
本願補正発明は、グラフィック処理資源に提供されるインターフェースが
「高レベルインターフェース」とされていて、「第1プロセスが第1のプロセッシング・ユニット上で実行されて、前記グラフィック処理資源によってサービスされる1つ又はそれ以上の関数呼び出しを介してタスクの実行を要求」するのに対して、
引用発明は、インターフェースが高レベルか否か不明であり、また、「前記グラフィック処理資源によってサービスされる1つ又はそれ以上の関数呼び出しを介してタスクの実行を要求」するものの、「第1プロセスが第1のプロセッシング・ユニット上で実行されて」、前記グラフィック処理資源によってサービスされる1つ又はそれ以上の関数呼び出しを介してタスクの実行を要求するものであるのか否かが明確でない点。
なお、これに伴い、本願補正発明は、「第2のプロセッシング・ユニット」を備えるのに対して、引用発明は、「プロセッシング・ユニット」を備える点で形式的に相違する。

(2)相違点に対する判断
通常、グラフィカルアクセラレータは、中央処置装置の要求の下でタスクの実行を行うものであることを考慮すれば、「オペレーティングシステムソフトウェアによって、コントロールされ調整されるものであって、」「エフェクトを適用するための演算は、中央処理装置によってではなくグラフィカルアクセラレータによって行なわれるもの」である引用発明において、グラフィカルアクセラレータが単独で処理を実行するのではなく、本願補正発明における第1のプロセッシング・ユニットに相当する引用発明の中央処理装置上で、(本願発明の第2のプロセッシング・ユニットに相当する)グラフィカルアクセラレータに対するタスクの実行を要求するようにすること、すなわち、「第1プロセスが第1のプロセッシング・ユニット上で実行されて、前記グラフィック処理資源によってサービスされる1つ又はそれ以上の関数呼び出しを介してタスクの実行を要求」するようにすることは、当業者が容易になし得たことである。
その際、そのようなタスクの実行を要求するインターフェースを「高レベルインターフェース」と称することは、単に表記上の差異にすぎない。

3-4 まとめ
以上のとおりであるから、仮に、本件補正が平成18年改正前特許法第17条の2第4項各号に規定する要件を満たすものであったとしたとしても、本願補正発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
したがって、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3-5 審判請求人の主張について
審判請求人は、平成22年12月7日付けの回答書において、「本願発明は上述の特徴的な構成によりOpenGLよりも高レベルのインタフェースを実現し、格別な効果を奏します。・・・引用文献1?5はいずれも「OpenGLよりも高レベルのインタフェース」を扱ったものであはありませんので、そのような表面上の類似表現から当業者が本願発明に至ることは不可能です。」と主張している。
しかし、この主張は、特許請求の範囲に記載された事項に基づかない主張であり、本願補正発明が引用発明(引用文献2)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであることは、上述したとおりである。

第3 本願発明について
1.本願発明の認定
平成21年12月11日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成21年7月1日付けで手続補正された特許請求の範囲の請求項1?83に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項63に係る発明(以下、「本願発明」という。)は以下のとおりのものである。
「【請求項63】
1つ以上のマイクロプロセッサを含むコンピュータのグラフィック処理資源に高レベルインターフェースを提供するための方法であって、該高レベルインターフェースは、
第1プロセスが、前記グラフィック処理資源によってサービスされる1つ又はそれ以上の関数呼び出しを介してタスクの性能を要求し、該関数呼び出しが、
(i)イメージの生成、
(ii)コンテキストの作成、
(vi)イメージの該コンテキスト又は別のコンテキストへのレンダリング
の選択肢のうちの1つ又はそれ以上から選択され、
前記要求がこれに関連付けられたオブジェクトを有し、該オブジェクトが、コンテキスト又はイメージの1つを含み、
前記要求が、前記機能の少なくとも1つと前記オブジェクトの1つとの間の関係を定義し、
前記グラフィック処理資源が前記要求をサービスする、ことを含む方法。」

上記第2 3-1に記したように、本願の特許請求の範囲の記載には誤記があるので、上記第2 3-1と同様に、請求項63に記載された発明は、以下のとおりのものと認定する。
「【請求項63】
1つ以上のマイクロプロセッサを含むコンピュータのグラフィック処理資源に高レベルインターフェースを提供するための方法であって、該高レベルインターフェースは、
第1プロセスが、前記グラフィック処理資源によってサービスされる1つ又はそれ以上の関数呼び出しを介してタスクの実行を要求し、該関数呼び出しが、
(i)イメージの生成、
(ii)コンテキストの作成、
(vi)イメージの該コンテキスト又は別のコンテキストへのレンダリング
の選択肢のうちの1つ又はそれ以上から選択され、
前記要求がこれに関連付けられたオブジェクトを有し、該オブジェクトが、コンテキスト又はイメージの1つを含み、
前記要求が、前記関数の少なくとも1つと前記オブジェクトの1つとの間の関係を定義し、
前記グラフィック処理資源が前記要求をサービスする、ことを含む方法。」

2.引用刊行物
原審拒絶理由に引用された刊行物、および、その記載事項は、前記第2 3-2に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は、前記第2 3-1で検討した本願補正発明の限定事項である構成を省いたものである。
そうすると、本願発明の特定事項を全て含み、さらに他の特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記第2 3-3に記載したとおり、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.まとめ
したがって、本願発明は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-07-13 
結審通知日 2011-07-15 
審決日 2011-07-26 
出願番号 特願2007-508356(P2007-508356)
審決分類 P 1 8・ 57- Z (G06T)
P 1 8・ 575- Z (G06T)
P 1 8・ 121- Z (G06T)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 村松 貴士  
特許庁審判長 吉村 博之
特許庁審判官 板橋 通孝
千葉 輝久
発明の名称 グラフィックオペレーションのための高レベルプログラムインターフェース  
代理人 大塚 康弘  
代理人 木村 秀二  
代理人 大塚 康徳  
代理人 下山 治  
代理人 坂田 恭弘  
代理人 高柳 司郎  
代理人 永川 行光  

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