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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A61K
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A61K
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A61K
管理番号 1248672
審判番号 不服2008-18796  
総通号数 146 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-07-24 
確定日 2011-12-16 
事件の表示 特願2004- 85887「抗癌剤」拒絶査定不服審判事件〔平成17年10月20日出願公開、特開2005-289817〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成16年3月24日(優先権主張、平成16年3月9日)の出願であって、その請求項1?9に係る発明は、平成23年8月4日受付の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1?9に記載されたに記載されたとおりのものと認められるところ、そのうち請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。

「【請求項1】
A.シムノールまたはシムノールエステル
B.大豆イソフラボンおよび大豆イソフラボン配糖体
C.クルクミン
のA、BおよびC成分を含むことを特徴とする抗癌剤。」

2.引用例
これに対して、当審における平成23年6月2日付けの拒絶の理由に引用した本願の優先権主張の日前に頒布された各刊行物には、それぞれ次の事項が記載されている。(以下、下線は当審で付加したものである。)

(1)特開2003-245054号公報(以下、「引用例1」という。)
(1a)(特許請求の範囲)
「【請求項1】 辛味物質、苦味物質又は酸味物質を含むことを特徴とする健康食品。
・・・
【請求項4】 辛味物質がクルクミンであることを特徴とする請求項1?3のいずれかに記載の健康食品。
【請求項5】 コール酸、および/または、シムノールおよび/またはシムノールエステルを含むことを特徴とする請求項1?4のいずれかに記載の健康食品。
【請求項6】 イソフラボンおよび/またはアシルイソフラボンおよび/またはイソフラボン配糖体を含むことを特徴とする請求項1?5のいずれかに記載の健康食品。
【請求項7】 イソフラボン、アシルイソフラボンおよびイソフラボン配糖体が大豆イソフラボン、アシル大豆イソフラボン、および大豆イソフラボン配糖体であることを特徴とする請求項6に記載の健康食品。」

(1b)(4頁5欄4?10行)
「【0007】この出願発明は、辛味物質、苦味物質又は酸味物質が含まれていればよいが、イソフラボン、アシルイソフラボンおよびイソフラボン配糖体が含まれていることが好ましく、イソフラボン、アシルイソフラボンおよびイソフラボン配糖体は、大豆に含まれる大豆イソフラボン、アシル大豆イソフラボン、および大豆イソフラボン配糖体がとくに好ましい。」

(1c)(実施例2)
「【0018】実施例2
顆粒剤
クルクミン 45mg
シムノール硫酸エステルNa 1mg
大豆イソフラボン 125mg
乳糖 1500mg
トウモロコシデンプン 適量
ステアリン酸マグネシウム 10mg
合計 2000mg
(1包1g 1日2回)
同様に、大豆イソフラボンの代わりに大豆イソフラボン配糖体を使用して顆粒剤を製造した。」

(1d)(実施例20)
「【0036】実施例20
錠剤
クルクミン 25mg
シムノール 1mg
大豆イソフラボン 250mg
人参末 2000mg
乳糖 886mg
結晶セルロース 適量
カルボキシメチルセルロースカルシウム 320mg
ヒドロキシプロピルセルロース 558mg
カープレックス 30mg
ステアリン酸マグネシウム 55mg
合計 5600mg
同様に、大豆イソフラボンの代わりに大豆イソフラボン配糖体を使用して錠剤を製造した。」

(1e)(9頁16欄44行?10頁17欄29行)
「【0045】クルクミン15mg、コール酸20mg、大豆イソフラボン配糖体40mgを含む・・・250mg錠を1日3錠、クルクミンとして45mgを1日1回、中国の扶正効果を持つ製剤を常用している10名に連続投与した結果を次表に示す。
【表1】(表1の記載は省略する)
上表に示したように90%が有効であり、著効例は60%に及んでいる。この結果から不可能といわれたうつ病から離脱できることを示す好結果である。・・・クルクミン使用者の多くがほぼ常人に近い日常生活が送れる状態に復帰できたことは事実で、この出願発明の健康食品が気分を爽快にする食品として極めて有効であることが立証された。コール酸の代わりにシムノール硫酸エステルNa1mgを含む乳糖を用いた250mg錠を投与したところ同様の結果が得られた。」

(1f)(10頁18欄33?34行)
「血行障害除去の十分な力のあるシムノール、イソフラボン」

(2)特表2003-515590号公報(以下、「引用例2」という。)
(2a)(10頁4?7行)
「癌の処置に有用な抗脈管形成特性を示す化合物は、それほど調査されてこなかった。クルクミン・・・(カレー粉中の芳香族の黄色色素)、・・・は、抗脈管形成特性、抗腫瘍特性および抗腫瘍促進特性を有することが公知である。」

(2b)(61頁1行?62頁下から9行)
「(実施例32)
(細胞生存能力およびVEGF/TF阻害分析)
上記のように、ニュートラルレッド取り込み、VEGF産生およびTF産生に対する本発明の化合物の効果を、種々のヒト癌細胞株について測定した。このデータのいくつかもまた、図1?5に要約する。・・・以下の表1は、クルクミンならびにRPMI-7951細胞についてのその他の公知の化学療法剤および抗脈管形成因子の結果と比較した、本発明の選択されたクルクミンアナログについての結果を列挙する。
(表1)
ニュートラルレッドアッセイ、VEGF ELISA^(a)アッセイおよびTF ELISA^(d)アッセイにより測定した場合の、ヒト黒色腫細胞株RPMI-7951における選択された新規なクルクミンアナログの特徴;黒色腫薬剤および抗脈管形成剤との比較
【表1】



^(a)脈管内皮成長因子(VEGF)対DMSOコントロールおよびクルクミンの抑制の程度の測定。
^(b)コントロールの%。
^(c)pg/ml/ウェルの濃度単位。
^(d)組織因子(TF)対DMSOコントロールおよびクルクミンの、抑制の程度の測定。」

(2c)(77頁下から8行?80頁)
「 【図2】
図2A・・・は、ヒト黒色腫の細胞生存度に対する、公知の化合物・・・の化合物の効果をグラフで示す。
【図3】
図3A・・・は、ヒト乳癌の細胞生存度に対する、公知の化合物・・・の効果をグラフで示す。
・・・
【図2】


・・・
【図3】




(3)臨床栄養,Vol.100,No.6,p779-783(2002)(以下、「引用例3」という。)
(3a)779頁右欄下から3行?780頁右欄4行)
「発がん抑制作用
近年,がんや心疾患などの慢性疾患に対する大豆イソフラボンの有効性が注目されている。とくに大豆イソフラボンの発がん抑制作用は,疫学的研究および動物実験や細胞レベルで確認されている。・・・
・・・
さらに,ゲニステインには,血管新生抑制作用,チロシンキナーゼ阻害活性,トポイソメラーゼ阻害活性,抗酸化作用が認められることから,ホルモン依存性の発がん以外の発がんをも抑制する可能性が示唆されている。実際,動物実験や細胞レベルでは、イソフラボンが乳がん,前立腺がんのほかに大腸がん,皮膚がん,肝臓がんの発がんや白血病細胞の細胞増殖を抑制することが確認されている。
疫学研究では・・・ダイゼインの代謝産物であるエクオールの尿中排泄量が多いほど乳がんの罹患率が低いことが報告されている。このように大豆イソフラボンの発がん抑制作用は,細胞,動物,ヒトレベルで確認されている。」

(4)特開2002-253169号公報(以下、「引用例4」という。)
(4a)(1頁1欄2?9行)
「【請求項1】 シムノールおよび/またはシムノールエステルを含むことを特徴とする健康食品。
【請求項2】 イソフラボンおよび/またはイソフラボン配糖体を含むことを特徴とする請求項1に記載の健康食品。
【請求項3】 イソフラボンおよびイソフラボン配糖体が大豆イソフラボンおよび大豆イソフラボン配糖体であることを特徴とする請求項2に記載の健康食品。」

(4b)(5頁8欄21行?6頁10欄20行)
「【0024】この出願発明の目的は、身体を常に正常な状態に保つことによって病気を予防し、病気に対する自然治癒力を増し、病後の回復を促進することであるが、・・・。両成分の予備的な使用実験で・・・大豆イソフラボンおよび大豆イソフラボン配糖体群の単独摂取者の数人に・・・便通改善が特徴的に見られた。・・・この出願発明の両者併用の効果を立証するためにシムノール硫酸エステルナトリウム塩(表ではSNaと略称する。)、大豆イソフラボンそれぞれの単独、シムノール硫酸エステルナトリウム塩と大豆イソフラボンを混合した3種のサンプルを準備して,各々30人の被験者に2か月間服用させた結果は以下の表のようであった。
【0025】
【表1】
SNa 大豆イソフラボン SNaと大豆イソフラボン
酒が美味しくなった 5 2 26
二日酔いがなくなった 3 2 22
大便量が増加した 1 4 25
便通が改善した 3 5 28
疲労回復が著しかった 3 3 27
頭髪が良く伸びる 1 2 23
爪が良く伸び硬くなる 1 3 22
心臓の痛みが消えた 4 0 26
肝機能が改善した 5 0 28
腰痛が消えた 3 2 26
肌のつやが良くなった 2 5 27
また、大豆イソフラボン配糖体についても大豆イソフラボンと同様の結果が得られた。
【0026】この表から明らかなように、大豆イソフラボンとシムノール硫酸エステルNaとを混合した場合には、大部分が顕著な疲労回復を示しており、この結果は、大豆イソフラボンとシムノール硫酸エステルNaとを混合した場合には、大豆イソフラボンとシムノール硫酸エステルNaとを単独で使用した場合に比べて、各々の単独成分では見られなかった新しい効果があることを示している。また、シムノール、大豆イソフラボン配糖体についてもシムノール硫酸エステルNa、大豆イソフラボンと同様の結果が得られた。表に現れたこれらの結果は、二つの成分の組み合わせによって、二つの成分のそれぞれのもつ効果が相乗的に現れたことを示している。・・・
・・・
【0027】各種の病気に対する急速な改善効果は各病気に対して直接的な治療効果を発揮したのではなく、人体が正常状態に近づいたために病気が自然消滅したか、体が総合的な自然治癒力を発揮して病気を根本的に治そうとしたかの何れかであって西洋医学のようにその病気の一面に対してだけの限定的な効果を発揮した結果ではない。
・・・
【0029】
【発明の効果】この出願発明により、食品を通して病気の予防、自然治癒能力の増強、病後の回復促進を同時に達成することができる。」

3.対比
上記摘示事項(1a)の請求項4?7及び(1b)の記載、並びに、(1c)?(1e)の具体的な実施例の記載を参酌すると、引用例1には、「シムノールおよび/またはシムノールエステル、大豆イソフラボンおよび/または大豆イソフラボン配糖体、クルクミンを含む健康食品」(以下、「引用例1発明」と記載する。)が記載されているといえる。

そこで、本願発明と引用例1発明を対比すると、両者がともに複数成分を含有する組成物であることは自明であるし、本願請求項1に記載の「A.」?「C.」の記号は、単に本願発明の組成物の各成分を簡潔に表記するために便宜的に記載されたものに過ぎないから、両発明は、
「A.シムノールまたはシムノールエステル
B.大豆イソフラボンおよび大豆イソフラボン配糖体
C.クルクミン
のA、BおよびC成分を含む組成物。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点>
本願発明の組成物は「抗癌剤」として用いられるのに対し、引用例1発明の組成物は「健康食品」として用いられる点。

4.判断
以下、上記相違点について検討する。
引用例1に記載の健康食品用途に用いられる組成物を構成する成分のうち、B成分の大豆イソフラボンに発癌抑制作用があることは本出願前から知られていることである(上記の引用例3の摘示事項(3a))。また、C成分であるクルクミンに抗癌作用があること(すなわち癌の治療に使用可能な抗癌剤であること)も、本出願前から知られている(引用例2の摘示事項(2a)?(2c))。
そして、B成分である発癌抑制作用を有する大豆イソフラボンと抗癌作用を有するC成分のクルクミンが併用された組成物であれば、それぞれの成分に基づき、発癌の抑制作用及び抗癌作用が期待できる。
また、B成分である大豆イソフラボン及びC成分であるクルクミンに、さらに、A成分であるシムノールあるいはシムノールエステルを組み合わせた場合の効果について、引用例1の知見からは直接予測することはできないが、引用例1に記載の組成物は、健康状態の維持や増進作用を有する健康食品組成物であるから、当該文献中の成分であるシムノールあるいはシムノールエステルが、B成分である大豆イソフラボンやC成分であるクルクミンの作用を損なうとは解されない。また、引用例1と同様、健康食品(組成物)に関するものである引用例4に、A成分であるシムノールおよび/またはシムノールエステルと、B成分である大豆イソフラボンおよび/または大豆イソフラボン配糖体を併用した健康食品(組成物)が、身体を常に正常な状態に保つことによって病気を予防し、病気に対する自然治癒力を増し、病後の回復を促進する点で優れることが記載されている(引用例4の摘示事項(4b)の段落【0029】)ことからも、引用例1に記載の組成物中のA成分であるシムノールあるいはシムノールエステルが、B成分の大豆イソフラボンやC成分であるクルクミンの抗癌作用を阻害するものと推定することはできない。むしろ、引用例4には、「シムノールおよび/またはシムノールエステル」と、「大豆イソフラボンおよび/または大豆イソフラボン配糖体」の二つの成分を組み合わせることで、二つの成分のそれぞれのもつ効果が相乗的に現れる旨も記載されており(摘示事項(4b)の段落【0026】)、当該記載からは、シムノールやシムノールエステルを併用することで、大豆イソフラボンの有する公知の発癌抑制作用が増強されることも期待できるのであるから、大豆イソフラボン及びクルクミンに加えてシムノールまたはシムノールエステルも含有する引用例1に記載の組成物が、抗癌剤として有用であることは、当業者が予測し得る事項である。
そして、癌が日本人の三大死因の1つとして知られる代表的な疾患であることもあわせみれば、組成物中の各成分からその抗癌剤としての有用性が当業者に予測可能である引用例1に記載の健康食品用の組成物について、癌に対する抑制・治療作用を確認し、抗癌剤として用いることは当業者が容易になし得ることである。

さらに、本願発明の効果に関しては、本願明細書には、本願発明の抗癌剤が、癌に有効であること(段落【0001】,【0003】?【0005】及び【0053】)や、医薬組成物の一日投与量や投与法、剤形についての説明(段落【0007】,【0010】及び【0019】)、具体的な処方例や使用量(実施例1?32)は記載されているが、本願発明の抗癌剤の具体的な抗癌作用を示す薬理試験結果等は何ら記載されていない。
よって、本願発明の効果が、引用例1?4から予期し得ない格別の効果であると認めることはできない。

したがって、本願発明は、その優先権主張の日前に頒布された刊行物である引用例1?4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

なお、審判請求人は、平成23年8月4日受付けの意見書(以下、「当審意見書」という。)において、次のように主張する。
「クルクミン、大豆イソフラボンにつきましては、・・・抗癌剤に使用することが公知であることについての根拠を示されていますが、シムノールにつきましては全く根拠が示されていません。
したがって、このような引用文献から、本願の請求項1の発明の構成を予測することは不可能であります。」(意見書8頁8?12行)
しかしながら、シムノールおよび/またはシムノールエステル(以下、「シムノール等」という。)が単独で抗癌作用を有しないとしても、他の成分が抗癌作用を有し、シムノール等が他の成分の抗癌作用を阻害しない限り「組成物」が抗癌作用を有することは上記したとおりである。
したがって、審判請求人の上記主張を採用することはできない。

また、審判請求人は、当審意見書において以下のとおり主張する。
「医薬の発明は、単に有効であることだけが必要ではなく、副作用をいかに抑制するかということがきわめて重要であります。
そして、本願の請求項1の発明を利用したデータは、従来の抗癌剤を使用することに伴う、副作用を抑制するために併用するものでありますから、まさに抗癌剤であります。
したがって、副作用の抑制であるからという理由だけで抗癌剤ではないというご判断は妥当ではありません。
本願発明が癌に有効であることにつきしては、平成20年4月22日の上申書においても述べたとおりであります。」(意見書8頁35?42行)
しかしながら、「抗癌剤」とは、一般にそのものが抗癌作用を有し、癌の治療に用いられる医薬を意味する用語であって、「抗癌剤」と併用することによって、「抗癌剤」の副作用を防止するための医薬であれば、「抗癌剤の副作用防止剤」等と記載すべきである。
一方、本願明細書には、「A.シムノールまたはシムノールエステル、B.大豆イソフラボンおよび大豆イソフラボン配糖体、C.クルクミンのA、BおよびC成分」を含む組成物が、抗癌剤の副作用防止効果を有するものかについては明記されていない。
したがって、審判請求人の上記主張についても採用することはできない。
仮に、本願発明の抗癌剤が従来の抗癌剤の副作用を抑制できるものであったとしても、引用例1,4に示される健康食品自体が、身体を正常状態に維持する作用や自然治癒力の増強作用が期待されるものである(摘示事項(4b)参照。)し、引用例1(摘示事項(1f))に、シムノールやイソフラボンに血行障害除去作用があることが記載され、また、引用例4(摘示事項(4b)の表1)に、シムノールエステルと大豆イソフラボンを含有する健康食品に、疲労回復や頭髪の伸び、便通の改善や便量の増加といった身体状態の改善作用があることがすでに示されていることからすると、審判請求人が平成20年4月18日受付けの意見書に添付した参考資料の「癌」の項目の基礎データとして記載される「体力は増強」「髪の毛が生えてきた」「化学療法による下痢止まる」といった作用は、かかる成分を含有した組成物を摂取して身体が正常状態に改善されたことに基づくものであって、各引用例から予測される程度のものと解されるから、従来の抗癌剤による副作用の抑制効果の点をもって本願発明の効果が格別であると推認することもできない。

5.むすび
以上のとおりであるから、本願請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
それ故、本願は、その余の請求項について論じるまでもなく拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-09-26 
結審通知日 2011-10-04 
審決日 2011-10-25 
出願番号 特願2004-85887(P2004-85887)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A61K)
P 1 8・ 536- WZ (A61K)
P 1 8・ 537- WZ (A61K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 齋藤 恵  
特許庁審判長 横尾 俊一
特許庁審判官 荒木 英則
渕野 留香
発明の名称 抗癌剤  
代理人 熊田 和生  

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