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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G01N |
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管理番号 | 1249684 |
審判番号 | 不服2009-10041 |
総通号数 | 146 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2012-02-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-05-18 |
確定日 | 2012-01-04 |
事件の表示 | 特願2002-559655「マルチチャネル生物分離カートリッジ」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 8月 1日国際公開、WO02/59589、平成16年10月21日国内公表、特表2004-532384〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,平成14年1月28日(パリ条約による優先権主張日 平成13年1月26日,米国)を国際出願日とする出願であって,平成21年2月12日付けで拒絶査定がされ,これに対し,同年5月18日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに,同年6月17日付けで手続補正がなされたものである。そして,平成22年11月30日付けにて当審より拒絶理由を通知したところ,応答期間内の平成23年6月7日に意見書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1?14に係る発明は,平成21年6月17日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?14に記載されたとおりのものと認められ,その請求項1は,次のとおりである。 「【請求項1】 生物分離の為のマルチチャネルカートリッジであって: 本体; 本体中に画定される検体の為の複数のキャピラリー分離チャネル; キャピラリー分離チャネルに共通して流体連絡(fluid communication)したリザーバーを画定する本体中のチャンバー,ここで該チャンバーは,分離支持媒体を含み,これは該カートリッジがいずれかの方向で扱われる場合に漏出することを防ぐための封止がされている;及び 本体中に一体的に支持された内蔵式光学部位(optics),ここで該内蔵式光学部位は1つ以上の入射放射線と放射線出力の為の検出帯を画定するための各キャピラリー分離チャネルのセクション毎に配置されている; を含んで成り,ここで前記光学部位が,本体によって末端がキャピラリー分離チャネルに対して配置されている光ファイバーを含んで成ることを特徴とする,マルチチャネルカートリッジ。」(以下,「本願発明」という。) 第3 引用例およびその記載事項 1 本願優先日前に頒布され,当審における拒絶理由において引用した刊行物である国際公開第99/00664号(以下,「刊行物1」という。)には,図面とともに,次の事項が記載されている。(刊行物1の日本語訳を記載する。訳文は,対応日本公報である,特表2003-524747号公報によるものであり,段落番号も併せて記載したものである。なお,以下において,下線は当審にて付与したものである。) (1-ア) 「【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は,電気泳動を行うための装置に関する。より具体的には,本発明は,市販の標準サイズのマイクロタイタートレイを使用し得るように形成されたキャピラリーカートリッジを使用した自動化電気泳動システムに関するもので,この電気泳動システムは,積層されたデュアルカルーセル装置と,多波長ビーム発生器と,ゲル移送システムと,サンプルの相互汚染を回避し,システムの能力を改善し,スループット(処理量)を増加させるようにしたオフライン再生装置とを具備してなる。」(刊行物1の1頁6?15行) (1-イ) 「【0015】 これらの目的は,電気泳動分析の間に清浄化可能な使い捨て型キャピラリーカートリッジであって,複数のキャピラリーチューブを有するものを提供することにより達成される。この場合,各キャピラリーチューブの第1の端部はマウンティングプレートに保持され,これら第1の端部は一緒になって1つの配列を上記マウンティングプレート内に形成している。これら第1の端部間の間隔は,標準サイズのマイクロタイタートレイのウェルのセンター間の間隔に相当する。従って,これらキャピラリーの第1の端部をマイクロタイタートレイのウェル内のサンプルに同時に浸漬させることができる。このカートリッジには第2のマウンティングプレートが設けられ,これに上記キャピラリーの第2の端部が保持されている。他の態様においては,この第2のマウンティングプレートを用いる代りに,上記キャピラリーチューブの第2の端部が一緒に束ねられ,液体移送チャンバー,好ましくは高圧T字型取付け部材により受け入れられるようになっている。 ・・・ 【0018】 本発明の他の好ましい態様において,検知システムは多波長ビーム発生器及び多波長検知器の双方を使用し,これによりレーザー又は光学的フィルターを切り換えることなく,同一機器中で異なる標識染料で標識された複数のDNA塩基配列サンプルを同時に検知することを可能にしている。」(同4頁6行?5頁26行) (1-ウ) 「【0027】 図1に示すように,励起光源はレーザー52を具備し,プリズム54は光ビーム56を窓領域46を通ってキャピラリーチューブ32に焦点を合わすために用いられる。ついで蛍光ビーム58がCCDカメラ60により感知され,バンド50が捕捉されるようになっている。なお,当業者にとって公知のように,他の照明及び検知手段を用いることも可能である。」(同10頁3?9行) (1-エ) 「【0028】 図1に示す構成により,全てのキャピラリーチューブ32の第1のキャピラリー端部38中にサンプルを実質的に同時に導入させることができる。特に,この構成によれば,第1のキャピラリー端部38のアレイを上述のような標準サイズのマイクロタイタートレイ64の複数のウェル62中に同時に浸漬することにより種々のサンプルを導入させることができる。」(同10頁10?16行) (1-オ) 「【0031】 電圧源72が2つのキャピラリー端部アレイ間に電位差を与えるのに用いられる。図1に示すように,1つの電圧レベルが個々のリード74を介して第1のマイクロタイタートレイ64の各ウェル62に適用され,第2の電圧レベルが個々のリード76を介してほぼ同様に第2のマイクロタイタートレイ68の各ウェル66に適用される。すなわち,電流はリード74を介して個々のサンプルに通電され,第1のキャピラリー端部38,キャピラリーチューブ32及び第2のキャピラリー端部40を介して第2のマイクロタイタートレイ68のウェル66中の緩衝液70に通電され,最後にリード76を通ることになる。」(同10頁31行?11頁5行) (1-カ) 「【0056】 カートリッジは自動電気泳動装置に着脱自在に装着されている。・・・」(同17頁13?23行) (1-キ) 「【0059】 次に,図5に示す自動電気泳動装置の動作について説明する。最初に,種々のマイクロタイタートレイに,指定された緩衝液,ゲル,サンプルなどが充填される。次に,カルーセル208上のゲルトレイ228が上昇し第2のニードルアレイ204に付随する第2のキャピラリー端部(図5では隠れている)を介してキャピラリーチューブ(図5には示されていない)内に導入される。その後,このゲルトレイ228が降下される。カルーセル206上のサンプルトレイ214がついで上昇し,第1のニードルアレイ202に付随する第1のキャピラリー端部(図5では隠れている)を介してサンプルが導入される。ついで,サンプルトレイ214が降下される。カルーセル206,208がついで回転し,緩衝液トレイ216,226を,対応するニードルアレイ202,204の下方に位置させる。ついで,電位差がこれら2つのニードルアレイ間に亘って適用され,電気泳動分析が行われる。」(同18頁4?18行) (1-ク) 「【0061】 勿論,カルーセル204,206に形成されるプラットホームの数は任意に選択し得る。更に,このプラットホームを線状,四角形状などの配置で構成させることも可能である。必要なことは,任意の第1のマイクロタイタートレイを第1のニードルアレイ206に移動させ,また,任意の第2のマイクロタイタートレイを第2のニードルアレイ208の下に移動させ得る貯蔵及び位置決めシステムであることである。」(同18頁26?33行) (1-ケ) 「【0062】 図6A,6Bは第1のマウンティングプレート282を有するカートリッジ280の側面及び平面をそれぞれ示し,この場合,第1のマウンティングプレート282中のプレート孔のアレイは90度回転されている。その他については,すなわちキャピラリーチューブを第1のマウンティングプレートに接続する配置は前述の例のものと実質的に同一である。所望の間隙を有するアレイに形成された第1のキャピラリー端部は第1のマウンティングプレート282の底面から突出し,この第1のマウンティングプレート内に形成されたプレート孔中にて保持されている。 【0063】 第2のマウンティングプレート284は,しかし,前述のカートリッジの例と同じではない。カートリッジ280においては,第2のマウンティングプレート282は,実質的に筒状の外壁面を有する圧力セル286の加圧保持部材として作用する。簡明を期すため,図6Aでは,第1のマウンティングプレート上のキャピラリーチューブはその一部が省略して示されている。更に,第2のマウンティングプレート284上のキャピラリーチューブについては全く省略されている。しかし,実際には,このキャピラリーチューブは全て存在するものである。 【0064】 第2のマウンティングプレートは半径方向に対称なベベル面(斜面)288を有し,それに複数のプレート孔290が形成されている。これらのプレート孔290のそれぞれはPEEKポリマーチューブ292と嵌合し,このPEEKポリマーチューブ292の中にキャピラリーが前述のようにUV硬化エポキシ樹脂を用いて嵌挿,固定されプレート孔290内にて気密,かつ液密シールを形成している。キャピラリーチューブがPEEKポリマーチューブ内を通って挿入され,各キャピラリーチューブの第2の端部が加圧セルの内部キャビティと連通している。このカートリッジの好ましい例において,第2のマウンティングプレートにPEEKポリマーチューブ及びキャピラリーチューブを設けたものについて説明したが,前述と同様のニードルを使用することもできる。更に,エポキシで固定したキャピラリーチューブ単独のものを同様に使用することができる。重要なことは,各キャピラリーチューブ294がプレート孔290内に気密,かつ液密に保持されていること,このキャピラリーチューブの第2の端部が圧力セル286の内部キャビティと連通していることである。 【0065】 図2A,2Bのカートリッジ80と同様に,このカートリッジ280には熱電気制御手段298及び囲い300,302が設けられ,そのキャピラリーチューブは窓領域304の少なくとも1部に沿って平行に配置されている。図6A,6Bに示していないが,これら囲い300,302には,他のカートリッジ80と同様に,冷媒を循環させるための入口及び出口を設けることもできる。 【0066】 図6Aに示すように,第2のマウンティングプレート284は切頭円錐状の上部を有し,その頂部は平坦頂部310となっている。多数のプレート孔290が設けられている湾曲した円錐面288は,第2のマウンティングプレートの下から陽圧が加えられた場合の構造的一体性の点で有利である。更に,このような表面にプレート孔290を設けることにより,プレート孔290相互をより大きく離して設けることができ,このことも圧力セル286の構造的一体性を向上させることになる。 【0067】 圧力セル286はカートリッジ280のベース部材に固定されていて,このベース部材の底部を介して突出している。このような構成により,圧力セル286はその筒状外壁の両側に入口312及び出口314をそれぞれ備えることができる。なお,この入口を第2マウンティングプレート284の平坦頂部310に設け,出口を圧力セル286の下部316の底面に設けることも容易に可能である。このような場合,圧力セルは,ベース部材の底部を介して突出させるのでなく,ベース部材上に載置させることができ,パイプ取付け部材はベース部材に形成された孔を介して出口に接続され,その後,孔は封止される。 【0068】 図7は,頂部表面324に入口322を有する圧力セル320についての弁配置を示している。その他の点については,前記圧力セル286と実質的に同一である。この入口322の他に,圧力セル320には出口326が設けられていて,この出口326は廃液弁328に接続されている。この廃液弁328は,圧力セル320の内部キャビティの内容物を排出するために開口される。 【0069】 この入口322へのアクセスは閉止弁330により制御される。液体はポンプ332を使用し,入口322を介して圧力セル320内に導入される。好ましくは,このポンプは高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)ポンプであり,ポンプ能力は,約2000psiの圧力で毎分4?40ミリリットルである。このポンプ332は多重弁マニホールド334に接続され,この多重弁マニホールド334により4つの液体の内の1つが圧力セルに選択的に送り込まれるようになっている。この4つの液体,すなわちゲル,緩衝液,酸性液及び塩基性液がそれぞれ別々の容器336,338,340,342に保持されている。同様の液体を保持する付加的容器が予備のために保持され,あるいは上記容器に直列的に接続されていて総供給量を増大し得るようになっている。 【0070】 廃液弁328,閉止弁330,ポンプ332及び多重弁マニホールド334は全てコントローラ,好ましくはマイクロコンピュータなどの指令下にある。すなわち,圧力セルの内部キャビティの内容物はこのコントローラにより規制されている。このようなコントローラは,種々の圧力及び温度モニター及び他のセンサーからの入力を受理し,圧力セル320への損傷を防止し得るようになっている。 【0071】 操作の間において,圧力セル320の内部キャビティはポンプ332により充填される。これにより送り込まれた液体が,圧力セル320の内部キャビティと連通する第2のキャピラリー端部へと強制的に送られる。第1のキャピラリー端部のアレイ及び圧力セル320が適当な流体が適当なシーケンスで満されることにより,図5の装置に関して述べた前記説明の電気泳動操作を行うことができる。 【0072】 分析の後,圧力セル及びキャピラリーチューブを再生し,次の分析のための準備が行われる。これは全てのキャピラリーチューブからゲル及びサンプルを同時に流し出すことにより達成される。しかし,圧力セル320を用いて数千psiのオーダーの圧力が適用される。これらの増大した圧力により粘性のゲルをキャピラリーチューブからより急速に排出させることができる。これにより,分析相互間のサイクル時間が,再生操作を含めて,約1ないし2時間に減少させることができる。」(同18頁34行?21頁32行) (1-コ) 「【0080】 図10は図6?図9に示すように形成されたキャピラリーカートリッジと共に使用し得るよう設計された電気泳動装置400を示している。この装置は,ユーザーインターフェース402(ビデオディスプレイ端末及びキーボードとして示されている)を具備し,これはコントローラ404(好ましくは,マイクロプロセッサーをベースとするコンピュータなど)と導通している。ユーザーインターフェース402は,ユーザーが指令を入力したり,状態情報を受理したり,収集したデータを観察したりすることを可能とする。 【0081】 この装置400は更にデータ演算コンピュータ406を具備し,このコンピュータ406はCCDカメラ408からのビデオ信号を受理したり,記憶したり,処理したりする。このデータ演算コンピュータ406には光学読取り/書込みデータ記憶手段410及び/又は磁気読取り/書込みデータ記憶手段412が備えられている。このデータ演算コンピュータ406内部には,信号及び画像処理ソフトウエアが設けられ,CCDカメラ408からの信号データを分析し得るようになっている。また,このデータ演算コンピュータ406はコントローラ404に接続されていて,コントローラ404からの要求に応答したり,必要に応じてデータ及び制御情報を交換したりする。 【0082】 この装置400は更に高電圧電気供給部414を具備し,この高電圧電気供給部414はキャピラリーチューブの端部相互間を横切って必要な電圧を付与し得るようになっている。この高電圧電気供給部の操作はコントローラ404によって指示される。 【0083】 このコントローラ404は,更に多数の電子スイッチを具備するポンプインターフェース416の操作を指示する。このポンプインターフェース416はソレノイド弁418の操作を規制する。このソレノイド弁418は,加圧ヘリウムタンクのような不活性ガス源に接続されたガス入口420をチャンバー422に接続している。このポンプインターフェース416は更に高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)ポンプ426の操作を規制する。HPLCポンプ426は上記コントローラの指示のもとで,容器428,430,432,434中の液体,すなわちゲル,緩衝液,酸及び塩基を,多重弁マニホールド440を介してカートリッジ438の圧力セル436へ選択的に供給するようになっている。 【0084】 複数のプラットホームを有するカルーセル442はロータ444により回転される。油圧ポンプなどからなる昇降手段446により第1のマウンティングプレートの下方に位置するプラットホーム448が上下動するようになっている。これにより,プラットホーム448上のマイクロタイタートレイ450が前述のように,キャピラリー端部のアレイへ向けて,又はキャピラリー端部のアレイから離れて移動される。これらロータ444及び昇降手段446はコントローラ404に接続され,又,コントローラ404により駆動されるようになっている。」(同23頁31行?24頁36行) (1-サ) 図6Aおよび図6Bには,カートリッジ280が,第1のマウンティングプレート282,囲い300,302,熱電気制御手段298,および,第2マウンティングプレート284を備えた様子が記載されている。 また,図10には,カートリッジおよび複数のプラットホームを有するカルーセル442が,コントローラ404,データ演算コンピュータ406,高電圧電気供給部414,ポンプインターフェース416,ポンプ426,容器428,430,432,434,ロータ444,昇降手段446を備えた台座上で支えられた様子が記載されている。 (1-シ) 「【0003】 この分離法は導電性ゲルで満されたキャピラリーが用いられる。サンプルを導入するため,このキャピラリーの一端はDNA反応ビン中に挿入される。少量のサンプルをこのキャピラリーの端部に導入させたのち,このキャピラリーの両端が別の緩衝溶液内に配置される。ついで,或る電圧がこのキャピラリーの両端に印加される。 ・・・ 【0073】 図8は,カートリッジ280の圧力セル286と同様の圧力セル350の分解断面図を示している。他の圧力セルと同様に,この圧力セル350は好ましくはアルミニウム又はステンレス鋼から作られている。 ・・・ 【0078】 内部キャビティ374内に保持されている液体は内部キャビティを形成する材料と接触している。この液体が更に第2のキャピラリー端部382に接触した時,圧力セル350の内部キャビティ374と第1マウンティングプレートに固定された第1のキャピラリー端部との間の電気的接続が完了する。すなわち,圧力セル350をそれに設けた接触子を介してアースすることにより,内部キャビティ374への接地がなされ,電気泳動を行うために必要な回路が完成する。あるいは,圧力セル350が,それが載置されたベース部材から電気的に絶縁されているため,圧力セル350の電位をフロート(float)させてもよい。これにより,高電圧を第1のキャピラリー端部に関係するニードルでなく,圧力セル350に対し適用することが可能となる。」(同1頁32?37行,21頁33?36行,23頁7?21行) (1-ス) 「【0086】 操作の間,キャピラリーチューブ454が最初に清浄化され,ついでポンプ452を駆動することにより圧力セル436を介してゲルが充填される。このポンプ452はスイッチが切られる。・・・」(同25頁10?12行) (1-セ) 「【0170】 高粘度液移送システムの他の好ましい例が図26に示されている。この移送システムは,水のような低粘度液1413を保持する高圧チャンバー1401と,ゲルのような高粘度液を収容する圧迫可能な使い捨て型バッグ1411とを具備する。」(同48頁22?27行) 上記摘記事項(1-ア)?(1-セ)からみて,刊行物1には,以下の発明が記載されていると認められる。 「自動電気泳動装置に着脱自在に装着されるカートリッジ280であって, 第1のマウンティングプレート282,囲い300,302,熱電気制御手段298,第2マウンティングプレート284,および,ポンプ332を備え, 前記第2のマウンティングプレート284は,実質的に筒状の外壁面を有する圧力セル286の加圧保持部材として作用し,前記筒状の外壁の両側には入口312及び出口314が設けられ,前記入口312を介して,ゲル,緩衝液,酸性液あるいは塩基性液からなる液体がポンプ332を使用して前記圧力セル286内に導入され,前記出口314を介して前記液体が前記圧力セル286内から排出され, さらに,前記カートリッジ280は,複数のキャピラリーチューブを有し,前記複数のキャピラリーチューブの第1の端部は第1のマウンティングプレート282の底面から突出し,前記複数のキャピラリーチューブの第2の端部は圧力セル286の内部キャビティと連通しており, 前記キャピラリーチューブは窓領域304の少なくとも1部に沿って平行に配置されている,カートリッジ280。」(以下,「刊行物1発明」という。) 2 同様に,本願優先日前に頒布され,当審における拒絶理由において引用した刊行物である特開平6-300690号公報(以下,「刊行物2」という。)には,図面とともに,次の事項が記載されている。 (2-ア) 「【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は,例えばキャピラリー電気泳動(CE),ミクロカラムクロマトグラフィー,又はキャピラリークロマトグラフィー,更に特定すると高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で使用される,光源,キャピラリー管及び光電検出器からなる,液体試料の小容積化学分析のための光学検出配置に関する。」 (2-イ) 「【0026】本発明に従って,光源22とキャピラリー管23の間には,プローブ光伝導手段26が配置されており,・・・プローブ光伝導手段26は,伝導材料から出るプローブ光Pがキャピラリー管23に衝突するようにして,キャピラリー管23に接続する。・・・プローブ光伝導手段26とキャピラリー管23の壁の間の接続は,上述のようにそれらを一緒に接着することによるか,又は直接に密着することによるかして実施される。・・・ 【0027】・・・別の実施態様では,プローブ光伝導手段26は光導波管好ましくはマルチ-モード光ファイバーである。 ・・・ 【0031】キャピラリー管23と光電検出器24との間に,そしてキャピラリー管23に連結して,少なくとも1個の試料光伝導手段32があり,それはキャピラリー管23から来る試料光の伝播方向にほぼ垂直の屈折率グラジエントを持つ材料から製造されそしてそれは集めた試料光Lを光電検出器24に伝導することができる。 【0032】本発明の一つの実施態様では,試料光伝導手段32は光ファイバーであり,それは一方の端部でキャピラリー管23に接続しそして試料光Lを光電検出器24上に伝導し,そしてその光電検出器24は上記試料光伝導手段32の他の末端に位置している。好ましくは光電検出器24も,透明で屈折率の合致した接着剤でもって光ファイバーに接続させられている。・・・」 3 同様に,本願優先日前に頒布され,当審における拒絶理由において引用した刊行物である特開平9-15205号公報(以下,「刊行物3」という。)には,図面とともに,次の事項が記載されている。 (3-ア) 「【要約】 【目的】 光軸合せの不用なキャピラリー電気泳動装置を提供することを目的とする。 【構成】 泳動溝2,3を形成した板状部材に穴を設けて入射用光ファイバ7,出射用光ファイバ8を埋設する。そしてファイバ7,8のフランジ9,10に光源部,受光部用の部材を連結する。」 第4 対比・判断 1 対比 本願発明と,刊行物1発明とを対比する。 ア 刊行物1発明の「カートリッジ280」は,複数のキャピラリーチューブを有しており,また,刊行物1の上記摘記事項(1-イ)における「【0018】・・・標識染料で標識された複数のDNA塩基配列サンプルを同時に検知することを可能にしている。」の記載からみて,DNA塩基配列サンプル等の生物材料を分離するためのものであるといえるから,本願発明の「生物分離の為のマルチチャネルカートリッジ」に相当する。 イ 刊行物1発明の「第1のマウンティングプレート282,囲い300,302,熱電気制御手段298,および,第2マウンティングプレート284」は,本願発明の「本体」に相当する。 ウ 刊行物1発明の「複数のキャピラリーチューブ」は,本願発明の「本体中に画定される検体の為の複数のキャピラリー分離チャネル」に相当する。 エ 刊行物1発明の「ゲル,緩衝液,酸性液あるいは塩基性液からなる液体」は,本願発明の「分離支持媒体」に相当する。 また,刊行物1発明の「圧力セル286」は,ゲル,緩衝液,酸性液あるいは塩基性液からなる液体(分離支持媒体)が導入されるものであり,複数のキャピラリーチューブの第2の端部が連通しているものである。そして,物質が導入される「セル」が「チャンバー」といえることは,例えば,特表平5-502474号公報の5頁左上欄の19行に「セルすなわちチャンバー」と記載されているように技術常識である。 してみると,刊行物1発明の「圧力セル286」と,本願発明の「キャピラリー分離チャネルに共通して流体連絡(fluid communication)したリザーバーを画定する本体中のチャンバー,ここで該チャンバーは,分離支持媒体を含み,これは該カートリッジがいずれかの方向で扱われる場合に漏出することを防ぐための封止がされている」とは,「キャピラリー分離チャネルに共通して流体連絡(fluid communication)した本体中のチャンバー,ここで該チャンバーは,分離支持媒体を含む」である点で共通する。 そうすると,両者は, (一致点) 「生物分離の為のマルチチャネルカートリッジであって: 本体; 本体中に画定される検体の為の複数のキャピラリー分離チャネル; キャピラリー分離チャネルに共通して流体連絡(fluid communication)した本体中のチャンバー,ここで該チャンバーは,分離支持媒体を含む, マルチチャネルカートリッジ。」 の点で一致し,以下の点で相違する。 (相違点1)キャピラリー分離チャネルに共通して流体連絡(fluid communication)した本体中のチャンバーが,本願発明では,「リザーバーを画定する」チャンバーであり,「該カートリッジがいずれかの方向で扱われる場合に漏出することを防ぐための封止がされている」チャンバーであるのに対し,刊行物1発明では,ポンプを使用して液体(分離支持媒体)が導入される圧力セル286であって,リザーバを画定するものであるかが不明であり,また,カートリッジがいずれかの方向で扱われる場合に漏出することを防ぐための封止がされているかが不明な点。 (相違点2)マルチチャネルカートリッジが,本願発明では,「本体中に一体的に支持された内蔵式光学部位(optics),ここで該内蔵式光学部位は1つ以上の入射放射線と放射線出力の為の検出帯を画定するための各キャピラリー分離チャネルのセクション毎に配置されている;を含んで成り,ここで前記光学部位が,本体によって末端がキャピラリー分離チャネルに対して配置されている光ファイバーを含んで成る」のに対し,刊行物1発明では,そのような構成でない点。 2 相違点1についての検討 ア キャピラリー分離チャネルに共通して流体連絡(fluid communication)した本体中のチャンバーが,「リザーバーを画定する」チャンバーである点について 刊行物1発明の「圧力セル286」は,「複数のキャピラリーチューブの第2の端部」が当該圧力セル286の「内部キャビティと連通し」た圧力セル286である。そして,刊行物1の摘記事項(1-シ)における「・・・このキャピラリーの両端が別の緩衝溶液内に配置される。ついで,或る電圧がこのキャピラリーの両端に印加される。・・・カートリッジ280の圧力セル286と同様の圧力セル350・・・を示している。・・・圧力セル350をそれに設けた接触子を介してアースすることにより,内部キャビティ374への接地がなされ,電気泳動を行うために必要な回路が完成する。」の記載からみて,刊行物1発明の「圧力セル286」は,緩衝溶液(分離支持媒体)で満たされ,電気泳動のための電圧が印加される圧力セル(チャンバー)であることが明白である。 また,電気泳動装置による電気泳動の測定中に分離支持媒体が移動すると検体の移動が正確に測定されないから,当該測定中には分離支持媒体は静止状態に留まっているのが一般的であることからしても,また,刊行物1の摘記事項(1-ス)には,「・・・ポンプ452を駆動することにより圧力セル436を介してゲルが充填される。このポンプ452はスイッチが切られる・・」と記載されていることからしても,刊行物1発明において,電気泳動の測定中には,圧力セル286内に充填された緩衝溶液(分離支持媒体)が圧力セル286内に留まっていることも明白である。そして,特開平10-216079号公報の5頁左欄47?50行に「センサ16がコントローラに2.0リットル以下またはそれに相当する重量以下と知らせると,コントローラはポンプを始動し,ポンプは流体バッグ26から流体リザーバ44に流体を移送する。」と記載されているように,流体を一時的に留めておくチャンバーであれば,当該流体がポンプ等により他から供給されるチャンバーであっても,リザーバといえることが技術常識である。 してみると,刊行物1発明の「圧力セル286」は,緩衝溶液(分離支持媒体)を一時的に留めておくものであり,リザーバーを画定するものであるといえるから,キャピラリー分離チャネルに共通して流体連絡(fluid communication)した本体中のチャンバーが,「リザーバーを画定する」チャンバーである点は,本願発明と刊行物1発明との実質的な相違点であるとはいえない。 なお,仮に,キャピラリー分離チャネルに共通して流体連絡(fluid communication)した本体中のチャンバーが,「リザーバーを画定する」チャンバーである点が,本願発明と刊行物1発明との実質的な相違点であるとしても,刊行物1発明の「圧力セル286」を,「リザーバーを画定する」チャンバーとすることは,以下のとおり,当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎないものである。 電気泳動装置の分野において,分離支持媒体を一時的に留めておくチャンバーとして,当該分離支持媒体がポンプ等により他から供給されるものではない構成を採用することは,例えば,刊行物1の摘記事項(1-セ)に「高粘度液移送システムの他の好ましい例が図26に示されている。この移送システムは,水のような低粘度液1413を保持する高圧チャンバー1401と,ゲルのような高粘度液を収容する圧迫可能な使い捨て型バッグ1411とを具備する。」と記載され(下線は,当審にて付与したものである。以下,同様である。),国際公開第99/39191号の18頁20?27行(対応日本公報である特表2001-518197号公報(17頁25行?18頁3行)による日本語訳を記載する。)に「図6はコレクタ装置(すなわち出口容器)70の模式的な側面図の詳細を示す(図1参照)。コレクタ装置70は圧力容器73で成り,そこにはpH緩衝キャリヤ媒質74が置かれている。圧力容器73は圧力ライン75によってポンプ装置77に接続されていて,そこで圧縮空気が作られて分離キャピラリィ10にその出口端をキャリヤ媒質内に置いての装入に使用される。ポンプ装置はユニット44,45によって制御される。」と記載されているように,本願優先日前に周知である。 してみると,刊行物1発明において,ポンプを使用して液体(分離支持媒体)が導入される圧力セル286に代えて,液体(分離支持媒体)がポンプ等により他から供給されるものではない「リザーバーを画定するチャンバー」を採用するようにすることは,当業者が適宜なし得る設計的事項である。 イ キャピラリー分離チャネルに共通して流体連絡(fluid communication)した本体中のチャンバーが,「該カートリッジがいずれかの方向で扱われる場合に漏出することを防ぐための封止がされている」チャンバーである点について 本願明細書には,「漏れ」に関して,段落【0037】に「ゲルが入っているリザーバー(130)は,ゲルの漏れが無い状態でカートリッジが扱われる事が可能になるように,例えば,ハーメチックシール(hermetically sealed)するなど,封入される(キャピラリー孔内での表面張力及び高い粘度が理由で,キャピラリー先端での極僅かな漏れ又は露出はある)。」との記載があり,同明細書の他の段落には「漏れ」に関して何ら記載されていない。 そうすると,本願発明の「該チャンバーは,」「該カートリッジがいずれかの方向で扱われる場合に漏出することを防ぐための封止がされている」は,「該チャンバー」が「分離支持媒体の漏れが無い状態でカートリッジが扱われる事が可能になるように」「封入される」を包含することが明白である。 ところで,液体が導入されるチャンバーは,当該液体が漏れたのではチャンバーとしての体を成さないから,当該液体の漏れがないように封入されたものであることが技術常識である。そして,刊行物1発明の「圧力セル286」(チャンバー)は,液体(分離支持媒体)が導入されるものであるから,刊行物1発明の「カートリッジ280」の使用に際して,液体(分離支持媒体)の漏れがないように封入されたものであること,すなわち,「該チャンバー」が「分離支持媒体の漏れが無い状態でカートリッジが扱われる事が可能になるように」「封入され」たものであることは明白である。 してみると,キャピラリー分離チャネルに共通して流体連絡(fluid communication)した本体中のチャンバーが,「該カートリッジがいずれかの方向で扱われる場合に漏出することを防ぐための封止がされている」チャンバーである点は,本願発明と刊行物1発明との実質的な相違点であるとはいえない。 3 相違点2についての検討 キャピラリーを使用する電気泳動装置において,入射光導入および放射光導出のために光ファイバーを用い,当該光ファイバーを,キャピラリーを保持あるいは具備する部材中に一体的に支持するようにした技術は,例えば,刊行物2(摘記事項(2-イ)),および,刊行物3(摘記事項(3-ア))に記載されているように,本願優先日前に周知である。 そして,刊行物1発明も上記周知技術も,キャピラリーを使用する電気泳動装置という同一の技術分野に属するものであり,また,刊行物1の摘記事項(1-ウ)に「・・・当業者にとって公知のように,他の照明及び検知手段を用いることも可能である。」と記載されているように,入射光導入および放射光導出のための手段としてどのような手段を採用するかは当業者が適宜選択可能な事項であるから,刊行物1発明に,入射光導入および放射光導出に関する上記周知技術を適用し,マルチチャネルカートリッジが,「本体中に一体的に支持された内蔵式光学部位(optics),ここで該内蔵式光学部位は1つ以上の入射放射線と放射線出力の為の検出帯を画定するための」「キャピラリー分離チャネルのセクション」「に配置されている;を含んで成り,ここで前記光学部位が,本体によって末端がキャピラリー分離チャネルに対して配置されている光ファイバーを含んで成る」構成とすることは,当業者であれば何ら困難性はなく,容易に想到し得る事項であるといえる。 また,刊行物1発明は複数のキャピラリーを有するから,刊行物1発明に上記周知技術を適用するに際しては,各キャピラリーに対し,それぞれ,入射光導入および放射光導出のために光ファイバーを設ける必要があることは,例えば,実願平5-33162号(実開平7-44977号)のCD-ROM(段落【0024】,【0036】および【0038】)に記載されているように,本願優先日前における技術常識である。 してみると,刊行物1発明に上記周知技術を適用するに際して,各キャピラリー毎に光学部位である光ファイバーを配置するようにすることは,当業者が必然的になし得る事項であるといえる。 そして,本願明細書に記載された本願発明によってもたらされる効果は,刊行物1の記載および周知技術から,当業者であれば予測することができる程度のものであり,格別顕著なものとはいえない。 4 平成23年6月7日付け意見書における請求人の主張について 請求人は,意見書の2頁16?19行において「したがいまして,刊行物1に記載のカートリッジは,圧力セル内外に液体を流すためのインプット・ポート及びアウトプット・ポートを必要とします。しかしながら,本発明のカートリッジは,内蔵型の分離支持体を有する容器を具備するものであり,刊行物1に記載のカートリッジとは構成が異なります。」と主張している。 しかし,本願発明では,インプット・ポート及びアウトプット・ポートを必要としないことについては何ら特定されていないから,当該主張は,本願の特許請求の範囲の記載に基づかない主張である。(付言すれば,本願明細書の段落【0025】には「・・・流出バッファーリザーバー(124)は,モジュラー空圧ポンプ(78)に対して直接連結されている。圧力ポンプ(78)により,リザーバー(124)に入っているシービングゲルで全12キャピラリーを満たし,そして再充填プロセスの間に,キャピラリーから前のランのゲルを取り除く為に必要な空圧が提供される。・・・」と記載されており,実施例レベルで比較すると,本願明細書記載の実施例では,リザーバー内の分離支持媒体を,カートリッジ外部の空圧ポンプからの空圧によりキャピラリー内に移送しているのに対し,刊行物1記載の実施例では,圧力セル286内の分離支持媒体を,カートリッジ外部のポンプ332からの液圧によりキャピラリー内に移送している点で相違するが,リザーバー内の分離支持媒体を,外部空圧ポンプからの空圧によりキャピラリー内に移送することは,例えば,上記国際公開第99/39191号の18頁20?27行に記載されているように,本願優先日前に周知であるから,仮に,本願発明において,インプット・ポート及びアウトプット・ポートを必要とせず,リザーバー内の分離支持媒体を,カートリッジ外部の空圧ポンプからの空圧によりキャピラリー内に移送する点を特定したとしても,進歩性を有することとはならない。) また,請求人は,意見書の2頁21?25行において「刊行物1において,カートリッジがパージされますが,これは電気泳動システムから当該カートリッジを外した後に圧力セルによって液体が保持されることを意図していないことを意味するものであり,『カートリッジがいずれかの方向で扱われる場合に漏出することを防ぐために封止がされている』という本発明のカートリッジの構成については何ら示唆されていないものと思料いたします。」と主張している。 しかし,本願発明では,「該カートリッジがいずれかの方向で扱われる場合」における「扱い」が,カートリッジを外した後の取り扱いであることは,何ら特定されておらず,本願明細書にも,カートリッジを外した後の取り扱いについては何ら記載されていない。 してみると,当該主張は,本願の特許請求の範囲,および,明細書の記載に基づかない主張である。(付言すれば,刊行物1発明に関し,電気泳動システムからカートリッジを取り外す際に,「圧力セル286」に残存する液体が,入口312あるいは出口314から漏出して,床面等を汚すのが好ましくないことは自明であるから,当該入口312および出口314に,漏出を防止する封止手段,例えば,コック,あるいは,逆止弁等を設けること,すなわち,チャンバーが,カートリッジを外した後に該カートリッジがいずれかの方向で扱われる場合に漏出することを防ぐための封止がされているようにすることは,当業者が当然になし得る設計的事項である。よって,仮に,本願発明において,「該カートリッジがいずれかの方向で扱われる場合」における「扱い」が,カートリッジを外した後の取り扱いである点を特定したとしても,進歩性を有することとはならない。) 5 まとめ 上記のとおり,本願発明は,刊行物1発明および周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。 第5 むすび 以上のとおり,本願発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから,その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2011-08-03 |
結審通知日 | 2011-08-09 |
審決日 | 2011-08-22 |
出願番号 | 特願2002-559655(P2002-559655) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(G01N)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 郡山 順 |
特許庁審判長 |
後藤 時男 |
特許庁審判官 |
信田 昌男 石川 太郎 |
発明の名称 | マルチチャネル生物分離カートリッジ |
代理人 | 福本 積 |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 中村 和広 |
代理人 | 石田 敬 |
代理人 | 古賀 哲次 |
代理人 | 池田 達則 |
代理人 | 渡辺 陽一 |