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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
管理番号 1252643
審判番号 不服2011-2873  
総通号数 148 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-02-08 
確定日 2012-02-23 
事件の表示 特願2006-346987「シート貼付装置及び貼付方法」拒絶査定不服審判事件〔平成20年 7月10日出願公開、特開2008-159829〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本件出願は、平成18年12月25日の特許出願であって、同22年8月30日付けで拒絶の理由が通知され、同年11月5日に手続補正がなされ、同年12月1日付けで拒絶をすべき旨の査定がされた。
これに対し、同23年2月8日に本件審判の請求とともに手続補正がなされ、同年4月21日付けで審尋がされ、同年6月1日に回答書が提出され、同年8月19日付けで拒絶の理由が通知され、同年10月5日に手続補正がなされ、同年10月21日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年11月29日に手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。

第2.本件補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
1.補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲、明細書について補正をするものであって、請求項1について、補正前後の記載は、以下のとおりである。

(1)補正前(平成23年10月5日付け手続補正による)
「フレーム材の内側空間に接着シートが張設された支持体及び板状部材を支持する貼合用テーブルと、前記接着シートに押圧力を付与する押圧部材とを備えたシート貼付装置であって、
前記押圧部材は、前記板状部材に対して中央部が外周側よりも接近した傾斜面若しくは曲面となる初期形状に設けられた押圧面と、初期形状が前記押圧面の外周に連なる屈曲形状に設けられた変形許容部とからなり、
前記変形許容部を前記初期形状に対して変形させることで、前記押圧面を前記接着シートに近接させるとともに、当該押圧面を前記初期形状から前記板状部材に対して平行となるように変形させることで、中央から外周に向かって前記接着シートを板状部材に貼付することを特徴とするシート貼付装置。」

(2)補正後
「フレーム材の内側空間に接着シートが張設された支持体及び板状部材を支持する貼合用テーブルと、前記接着シートに押圧力を付与する押圧部材とを備えたシート貼付装置であって、
前記押圧部材は、前記板状部材に対して中央部が外周側よりも接近した傾斜面若しくは曲面となる初期形状に設けられた押圧面と、初期形状が前記押圧面の外周に連なる屈曲形状に設けられた変形許容部とによって閉塞された空間を形成し、当該空間の内側圧力と外側圧力との差によって前記変形許容部を前記初期形状に対して変形させることで、前記押圧面を前記接着シートに近接させるとともに、当該押圧面を前記初期形状から前記板状部材に対して平行となるように変形させることで、中央から外周に向かって前記接着シートを板状部材に貼付することを特徴とするシート貼付装置。」

2.補正の適否
本件補正の特許請求の範囲の補正後の請求項1についての補正は、請求人が平成23年11月29日の意見書(2)で主張するとおり、「押圧部材」について「閉塞された空間を形成し、当該空間の内側圧力と外側圧力との差によって」変形することを特定するものであり、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下「改正前特許法」という。)第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「補正発明」という。)が、改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか否か(いわゆる独立特許要件)について検討する。

(1)補正発明
補正発明は、本件補正により補正された明細書、特許請求の範囲、及び図面の記載からみて、上記1.(2)のとおりのものと認める。

(2)刊行物に記載された発明
ア.刊行物1
これに対し、当審の拒絶理由で引用された刊行物である特開2006-278927号公報(以下「刊行物1」という。)には、以下の事項が記載されている。

(ア)段落0001
「【0001】
この発明は、ウエハへの各種テープの貼り付けを行う貼付方法及び貼付装置に関し、更に詳しくはウエハへの各種テープの貼り付け時にテープのランニングコストを低減し、テープ貼り付け時にローテンション化が図れるとともに、真空下で気泡等なく貼り付けることができる方法及び装置に関する。」

(イ)段落0069?0072
「【0069】
次に上部チャンバ38と下部チャンバ37の詳細及び貼付工程時の動作を、図3IX-IX矢視図である図9(a)及び図10(b)を加えて説明すると、上部チャンバ38内の上面にテープ走行方向に沿って延びたレール87を取り付け、このレール87にスライダ88を嵌合し、上部チャンバ38上に貼付ローラ駆動モータ89を設け、この貼付ローラ駆動モータ89の回転を上部チャンバ38内の駆動ベルト90に伝達し、この駆動ベルト90にスライダ88を取り付けることによりスライダ88をレール87に沿って往復走行させ、このスライダ88の下面に昇降ユニット91を介して上記貼付ローラ51が取り付けられている。
【0070】
図9(a)で、下部チャンバ37内では、両テープ支持板42,43の上面に貼り付けられ、かつ後端部を切断された保護テープ3は、後端側のテープ支持板43が駆動ユニット45の作用により図9(a)二点鎖線図で示すように下降し、保護テープ3の後端部がウエハ1に接近した状態となる。
【0071】
次に図10(b)に示すように、上部チャンバ38が下降動して下部チャンバ37に重なり両チャンバが密閉状態となった後、真空アダプタ52を介して内部の空気を抜き、チャンバ内を真空状態とし、貼付ローラ51は昇降ユニット91の動作により下降した後、貼付ローラ駆動モータ89の駆動によりスライダ88と共に水平移動し、図中二点鎖線図及び矢印で示すように移動し、吸着テーブル39上に載置したウエハ1と保護テープ3を上から押圧しながら転動し、保護テープ3はウエハ1に貼り付けされることになる。
【0072】
その際、貼付ローラ51のテープ送り方向への移動に伴い、保護テープ3にはテープの傾斜に沿ったテープ送り方向とは逆の方向への張力が加わる・・・。」

(ウ)段落0084
「【0084】
次に、図13(f)に示すように、密閉状態となったチャンバ内の空気を真空アダプタ52を介して抜き、チャンバ内を真空状態とした後、上部チャンバ38内に設けられていた貼付ローラ51が下降してウエハ1の前側端部付近を保護テープ3上から押圧し、この状態で貼付ローラ51が前進動し、ウエハ1上の保護テープ3を押圧しながら転動することにより、ウエハ1上全面にわたってテープ3を貼り付ける。」

(エ)図9、図10
貼付ローラ51がロール状であり、貼付ローラ51を前記保護テープ3に近接させるとともに、一端から他端に押圧しながら転動することで、保護テープ3をウエハ1に貼付すること。

これらの記載事項を、図面を参照しつつ、技術常識を考慮しながら補正発明に照らして整理すると、刊行物1には以下の発明(以下、「刊行物1発明」という。)が記載されていると認める。

「両テープ支持板42,43の内側空間に保護テープ3が張設された支持体及びウエハ1を吸着テーブル39を介して支持する下部チャンバ37と、前記保護テープ3に押圧力を付与する貼付ローラ51とを備えた保護テープ貼付装置であって、
前記貼付ローラ51はロール状であり、貼付ローラ51を前記保護テープ3に近接させるとともに、一端から他端に押圧しながら転動することで、保護テープ3をウエハ1に貼付する保護テープ貼付装置。」

イ.刊行物2
同じく特開2004-153159号公報(以下「刊行物2」という。)には、以下の事項が記載されている。

(ア)段落0001
「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックグラインドやダイシング等のウェハプロセスにおいて、半導体ウェハの回路形成面を保護及び補強する保護部材を貼着するための半導体ウェハの保護部材貼着方法およびその装置に関する。」

(イ)段落0007
「【0007】
また、本発明の第2の目的は、半導体ウェハに硬質性の保護部材を貼着する際に気泡の発生を抑えて密着接合することのできる半導体ウェハの保護部材貼着装置を提供することにある。」

(ウ)段落0023?0024
「【0023】
以下、ウェハと保護部材との貼着工程の一例を図1に基づいて説明する。ウェハと保護部材との貼着に先立って、ウェハ11が貼着される保護部材(ガラス基板15)に支持基板17を、粘着剤等を介して貼り合わせる(工程a)。・・・。次に、ウェハ支持台14上に載置したウェハ11の表面に前記ガラス基板15が対向するように前記支持基板17を位置決めしてセットする(工程b)。前記ウェハ11は回路形成面12に予め熱硬化型の粘着剤が一様に塗布され、前記回路形成面12を上にした状態でウェハ支持台14に固定される。その際、粘着性を高めるために、前記ウェハ支持台14を加熱し、粘着剤を溶融させた状態にしておく。そして、前記支持基板17の上方に配設される押圧膜体19に掛かる差圧を利用した撓み変形によって支持基板17の中心部に押圧負荷が掛かり、下に載置されたウェハ11が圧迫した状態でガラス基板15にウェハ11が貼着される(工程c)。また、前記押圧膜体19の押圧作用と略同時に前記支持基板17の外周部を支える保護部材支持台18が上方へせり上がることで、ウェハ11の中心部から外周部に向かって徐々に固着されていく。このように、ウェハ11の中心部から外周部に向かう過程で接合面に溜まる空気や気泡をウェハ11の外周部から逃すことができ、ウェハ11とガラス基板15との密着性をより向上させることができる。
【0024】
図2乃至図4は、上記図1に示した貼着方法にしたがって、ウェハ11にガラス基板15を貼着するための貼着装置21の構成を示したものである。この貼着装置21は、内部が広く凹設した下チャンバ22及び上チャンバ23を備えており、前記ウェハ11とガラス基板15との貼着作業は、前記下チャンバ22と上チャンバ23を閉じた第1の密閉空間24内で行われる。また、前記第1の気密空間24内には第2の気密空間25を備えた押圧膜体26が配設され、この押圧膜体26に備えられている押圧膜27を前記下チャンバ22内に載置した支持基板17に向けて押圧力を加えることで、ウェハ11に保護部材15を貼着する構造となっている。」

これらの記載事項を、図2ないし4を参照しつつ、技術常識を考慮しながら整理すると、刊行物2には以下の発明(以下、「刊行物2事項」という。)が記載されていると認める。

「押圧膜体26は、ウェハ11に対して中央部が外周側よりも接近した傾斜面若しくは曲面となる初期形状に設けられた押圧膜27によって第2の気密空間25を形成し、第1の密閉空間24と第2の気密空間25との圧力差によって、当該押圧膜27を前記初期形状に対して変形させることで、前記押圧膜27を前記ウェハ11に近接させるとともに、当該押圧面を前記初期形状から変形させることで、中心部から外周部に向かって保護部材15をウェハ11に貼付するもの。」

(3)対比
補正発明と刊行物1発明とを、技術常識を踏まえ、対比する。
刊行物1発明の「保護テープ3」は補正発明の「接着シート」に相当し、同様に「ウエハ1」は「板状部材」に、「下部チャンバ37」は「貼合用テーブル」に、「貼付ローラ51」は「押圧部材」に、それぞれ相当する。
刊行物1発明の「支持体及びウエハ1を吸着テーブル39を介して支持する」と、補正発明の「支持体及び板状部材を支持する」とは、「支持体及び板状部材を支持する」である限りにおいて一致する。
刊行物1発明の「両テープ支持板42,43」と、補正発明の「フレーム材」とは、「支持部材」である限りにおいて一致する。
刊行物1発明の「貼付ローラ51はロール状であり、貼付ローラ51を前記保護テープ3に近接させるとともに、一端から他端に押圧しながら転動する」と、補正発明の「押圧部材は、前記板状部材に対して中央部が外周側よりも接近した傾斜面若しくは曲面となる初期形状に設けられた押圧面と、初期形状が前記押圧面の外周に連なる屈曲形状に設けられた変形許容部とによって閉塞された空間を形成し、当該空間の内側圧力と外側圧力との差によって前記変形許容部を前記初期形状に対して変形させることで、前記押圧面を前記接着シートに近接させるとともに、当該押圧面を前記初期形状から前記板状部材に対して平行となるように変形させることで、中央から外周に向かって」とは、「押圧部材は、押圧部位を前記接着シートに近接させるとともに、当該押圧部位を移動させる」である限りにおいて一致する。

したがって、補正発明と刊行物1発明とは、次の点で一致している。
「支持部材の内側空間に接着シートが張設された支持体及び板状部材を支持する貼合用テーブルと、前記接着シートに押圧力を付与する押圧部材とを備えたシート貼付装置であって、
前記押圧部材は、押圧部位を前記接着シートに近接させるとともに、当該押圧部位を移動させることで、前記接着シートを板状部材に貼付するシート貼付装置。」

そして、補正発明と刊行物1発明とは、以下の点で相違している。
相違点1:「支持部材」について、補正発明は「フレーム材」であるが、刊行物1発明は「両テープ支持板42,43」である点。
相違点2:「貼合用テーブル」について、補正発明は「支持体及び板状部材を支持する」ものであるが、刊行物1発明は「支持体及びウエハ1を吸着テーブル39を介して支持する」ものである点。
相違点3:「押圧部材」について、補正発明は「板状部材に対して中央部が外周側よりも接近した傾斜面若しくは曲面となる初期形状に設けられた押圧面と、初期形状が前記押圧面の外周に連なる屈曲形状に設けられた変形許容部とによって閉塞された空間を形成し、当該空間の内側圧力と外側圧力との差によって前記変形許容部を前記初期形状に対して変形させることで、前記押圧面を前記接着シートに近接させるとともに、当該押圧面を前記初期形状から前記板状部材に対して平行となるように変形させることで、中央から外周に向かって」貼付するが、刊行物1発明は「ロール状であり、貼付ローラ51を前記保護テープ3に近接させるとともに、一端から他端に押圧しながら転動する」ものである点。

(4)相違点の検討
相違点1について検討する。
支持部材の機能は、接着シートを張設することであり、その形状は適宜選択しうるから、支持部材を補正発明のごとく「フレーム材」とすることは、設計的事項にすぎない。

相違点2について検討する。
補正発明は、「支持体及び板状部材を支持する」ものであるから、他の部材を介して間接的に支持するものを含む。
よって、この点は、実質的相違点ではない。
仮に、実質的相違点であるとして、一応、検討する。
直接支持、間接支持、いずれも周知であり、適宜選択されている。直接支持とすることで、部材点数の減少に寄与することは明らかである。
刊行物1発明において、直接支持しえない事情は見いだせないから、この点は設計的事項にすぎない。

相違点3について検討する。
刊行物2事項は、上記のとおりであり、「気泡の発生を抑えて密着接合」しうるものである。
刊行物2事項を補正発明に照らすと、刊行物2事項の「押圧膜体26」は補正発明の「押圧部材」に、「ウェハ11」は「板状部材」に、「押圧膜27」は「押圧面」に、「第2の気密空間25」は「閉塞された空間」に、「第1の密閉空間24と第2の気密空間25との圧力差」は「空間の内側圧力と外側圧力との差」に、「中心部から外周部に向かって」は「中央から外周に向かって」に、「保護部材15」は「接着シート」に、それぞれ相当する。
よって、刊行物2事項を補正発明に照らし、書き改めると、以下のとおりである。

「押圧部材は、板状部材に対して中央部が外周側よりも接近した傾斜面若しくは曲面となる初期形状に設けられた押圧面によって閉塞された空間を形成し、当該空間の内側圧力と外側圧力との差によって当該押圧面を前記初期形状に対して変形させることで、前記押圧面を前記板状部材に近接させるとともに、当該押圧面を前記初期形状から変形させることで、中心部から外周部に向かって接着シートを板状部材に貼付するもの。」

接着シートを板状部材に貼付する際、両者間に気泡が発生すると、密着性が劣り、板状部材に悪影響を与える。そのため、刊行物1発明においても、気泡の発生を抑えることが望ましい。
刊行物2事項は、上記(2)イ.(ウ)の段落0023のとおり、気泡の発生を防ぎ密着性をより向上されるものであるから、刊行物1発明に、刊行物2事項を適用する動機が存する。
また、「屈曲形状に設けられた変形許容部」は、拒絶理由に周知例として示した特開平4-351813号公報のほか、一般的ダイアフラムにみられるごとく周知である。
刊行物2事項において、押圧面は板状部材に近接し、初期形状から変形することになるが、変形を容易にするため、周知である「屈曲形状に設けられた変形許容部」を付加することは、設計的事項である。
よって、「屈曲形状に設けられた変形許容部」を付加した上で、刊行物2事項を刊行物1発明に適用することに、困難性は認められない。
その結果、「押圧面は初期形状から板状部材に対して平行となるように変形」することになる。
以上、相違点3は、格別なものではない。

請求人は、意見書(5-2)で、周知例として示した特開平4-351813号公報は、「技術分野の関連性が全くないばかりでなく、課題、作用、機能についての共通性も全くない」旨、主張する。
しかし、上記のとおり、「屈曲形状に設けられた変形許容部」は、「変形許容」という機能が求められるものであって、この点において、「課題、作用、機能」が共通するから、請求人の主張は根拠がない。
請求人は、また、意見書(5-4)で、「貼合用テーブル31によりフレーム材Fの内側空間に接着シートSを張設した支持体11を支持するので、上部ケース50と下部ケース36とを合わせて第1、第2空間S1、S2を形成したときに、接着シートSと押圧面41との間に十分なクリアランスを確保することができる」という効果を主張する。
しかし、「上部ケース50と下部ケース36とを合わせて第1、第2空間S1、S2を形成」なる点は、請求項1に特定されていないから、請求人の主張は根拠がない。
仮に、特定されていたとしても、刊行物2記載のものは、下チャンバ22、上チャンバ23により、第1の密閉空間24(請求人主張のS1)、第2の密閉空間25(請求人主張のS2)を形成するから、請求人の主張は根拠がない。

以上のことから、補正発明は、刊行物1発明、刊行物2事項、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際、独立して特許を受けることができないものである。

3.むすび
したがって、本件補正は、改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3.本願発明について
1.本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本件出願の請求項1に係る発明は、平成23年10月5日付けで補正された明細書、特許請求の範囲、及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2.1.(1)に示す請求項1に記載されたとおりである。

2.刊行物等
これに対して、当審で通知した拒絶理由で引用された刊行物1、刊行物2、その記載内容等は、上記第2.2.(2)に示したとおりである。

3.対比
本願発明は、補正発明において付加された事項を削除するものである。
そうすると、本願発明も、上記第2.2.(4)と同様の理由により、刊行物1発明、刊行物2事項、及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
したがって、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないことから、本件出願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-12-22 
結審通知日 2011-12-27 
審決日 2012-01-10 
出願番号 特願2006-346987(P2006-346987)
審決分類 P 1 8・ 575- WZ (H01L)
P 1 8・ 121- WZ (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 柿崎 拓  
特許庁審判長 千葉 成就
特許庁審判官 長屋 陽二郎
刈間 宏信
発明の名称 シート貼付装置  
代理人 山口 義雄  

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