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審決分類 |
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 H04N 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N |
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管理番号 | 1253192 |
審判番号 | 不服2010-18842 |
総通号数 | 148 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2012-04-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-08-20 |
確定日 | 2012-03-08 |
事件の表示 | 特願2007-263314「画像形成装置および画像形成方法」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 4月30日出願公開、特開2009- 94786〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1.手続の経緯 本願は、平成19年10月9日の出願であって、平成21年10月13日付けの拒絶理由の通知に対し、平成21年12月18日付けで手続補正がなされ、平成22年1月21日付けの拒絶理由の通知に対し、平成22年3月23日付けで手続補正がなされたが、該手続補正は平成22年5月14日付けで決定をもって却下されるとともに同日付けで拒絶査定がなされた。これに対し、平成22年8月20日に審判請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされた。 第2.平成22年8月20日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成22年8月20日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1.補正の内容 この補正により、特許請求の範囲の請求項1は次のように補正された。 「多値のCMYKデータである画像データをディザ処理して、擬似中間調処理を施した画像を形成する画像形成装置であって、 画像データをディザ処理するディザ処理部と、 出力階調レベルに従って前記ディザ処理に用いられるディザマトリクスを生成するディザパターン生成部とを備え、 前記ディザマトリクスは、M×N画素サイズで、かつ、複数の基本パターンから構成され、上下方向に接する前記基本パターン同士は左右方向にずらされて配置され、かつ、左右方向に接する前記基本パターン同士は上下方向にずらされて配置され、各色の階調を表現するために前記出力階調レベルに従う所定パターンにより各前記基本パターン内に網点が配置され、いずれか2色のデータ用の前記ディザマトリクスにおいて、各々の前記基本パターンの配置は互いに鏡面対称であって、かつ、前記ディザマトリクスの各ラインにおいて、前記基本パターン内で最初に点灯されるいずれかの色の網点から他方の色の網点までの一方向の距離は全て異なる値をとる、画像形成装置。」 また、明細書の段落【0013】は、請求項1の補正にともない次のように補正された。 「【0013】本発明に係る画像形成装置は、多値のCMYKデータである画像データをディザ処理して、擬似中間調処理を施した画像を形成する画像形成装置であって、画像データをディザ処理するディザ処理部と、出力階調レベルに従ってディザ処理に用いられるディザマトリクスを生成するディザパターン生成部とを含む。ディザマトリクスは、M×N画素サイズで、かつ、複数の基本パターンから構成され、上下方向に接する基本パターン同士は左右方向にずらされて配置され、かつ、左右方向に接する基本パターン同士は上下方向にずらされて配置され、各色の階調を表現するために出力階調レベルに従う所定パターンにより各基本パターン内に網点が配置される。また、いずれか2色のデータ用のディザマトリクスにおいて、各々の基本パターンの配置は互いに鏡面対称であって、かつ、ディザマトリクスの各ラインにおいて、基本パターン内で最初に点灯されるいずれかの色の網点から他方の色の網点までの一方向の距離は全て異なる値をとる。」 さらに、この補正により特許請求の範囲の請求項2ないし11、段落【0017】についても補正がなされた(内容の記載は省略)。 2.補正の適否 上記の補正により、ディザマトリクスが、「前記ディザマトリクスの各ラインにおいて、前記基本パターン内で最初に点灯されるいずれかの色の網点から他方の色の網点までの一方向の距離は全て異なる値をとる」ものであると補正された。この点が願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という)に記載した事項の範囲内であるか否かについて検討する。 この補正された点に関連すると考えられる当初明細書等の記載は、請求人が審判請求書で補正の根拠として主張する【図6】、【図12】のみである。これら図面の記載以外には、ディザマトリクスの各ラインにおける、基本パターン内で最初に点灯されるいずれかの色(例えば、シアン)の網点から他方の色(例えば、マゼンダ)の網点までの一方向の距離に関して記載ないし示唆はなされていない。 そこで、これらの図面について検討すると、図6(図12についても同様)は、「図4および図5に示したシアンおよびマゼンタの基本ディザパターンの相対位置関係において、そのまま重ね合わせた場合(相対位置0画素とも称する)を説明する図」(【0051】)である。(なお、図4および図5のシアンおよびマゼンタの基本ディザパターンについては、明細書には以下のように記載されている。 『【0045】図4は、本発明の実施の形態に従う基本ディザパターン(シアン)の具体例1を説明する図である。 【0046】図5は、本発明の実施の形態に従う基本ディザパターン(マゼンタ)の具体例1を説明する図である。 【0047】図4および図5を参照して、シアンおよびマゼンタの基本ディザパターンは37画素×37画素にて構成される。具体例1における基本ディザパターンの一辺のサイズは奇数である。 【0048】これにより表現できる階調数は37×37+1=1370となる。また本例においてはわかりやすくするために基本ディザパターンを太線により37ブロックに分けている。この1ブロック(6×6+1画素)を基本パターンとも称する。なお、上下方向に接する基本パターン同士は横にずらされている。これにより、例えば、上から2列目の最も左右に位置する2つの領域は、横で繋がっているものと考え、1つの基本パターン(6×6+1画素)を構成するものとする。また、下部領域は、上部領域と上で繋がっているものと考え、1つの基本パターン(6×6+1画素)を構成するものとする。また、シアンおよびマゼンタの基本パターンの横にずらされる関係は、縦方向に対して互いに鏡面対称となっている。』) しかしながら、図6(又は図12)の記載は、シアンとマゼンダの基本ディザパターンを相対位置0で重ね合わせた場合のCとMの位置を示しているだけであって、各ラインにおけるCの点からMの点までの距離に着目する示唆があるわけではない。補正された「前記ディザマトリクスの各ラインにおいて、前記基本パターン内で最初に点灯されるいずれかの色の網点から他方の色の網点までの一方向の距離は全て異なる値をとる」点は、図6において、各ラインにおけるCの点からMの点までの距離について着目し、それらの距離を全て計測し比較してその結果として初めて理解できることであって、上記距離についての示唆がない図面から直接導き出せるものではない。すなわち、「前記ディザマトリクスの各ラインにおいて、前記基本パターン内で最初に点灯されるいずれかの色の網点から他方の色の網点までの一方向の距離は全て異なる値をとる」ようなディザマトリクスの集合全体を1つの技術的思想として理解できるような記載が当初明細書等にあるとはいえない。図6(図12)に記載されたものは、画像形成装置のディザマトリクスの設計にあたり、装置側の要因(解像度、スクリーン線数・角度など)を考慮した上で設計されたものであって、まず、「前記ディザマトリクスの各ラインにおいて、前記基本パターン内で最初に点灯されるいずれかの色の網点から他方の色の網点までの一方向の距離は全て異なる値をとる」ようにするという技術思想があって、それに基づいて設計されたものであるとは当初明細書等の記載からはいえない。 したがって、上記補正された点は、当初明細書等の記載から導き出せる技術事項とはいえない。 よって、この補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものとはいえない。 3.補正却下の決定のまとめ 以上により、平成22年8月20日付けの手続補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3.本願発明について 1.本願発明 平成22年8月20日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成21年12月18日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1ないし13に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、次のとおりのものである。 「画像データをディザ処理して、擬似中間調処理を施した画像を形成する画像形成装置であって、 画像データをディザ処理するディザ処理部と、 出力階調レベルに従って前記ディザ処理に用いられるディザマトリクスを生成するディザパターン生成部とを備え、 前記ディザマトリクスは、M×N画素サイズで、かつ、複数の基本パターンから構成され、上下方向に接する前記基本パターン同士は左右方向にずらされて配置され、かつ、左右方向に接する前記基本パターン同士は上下方向にずらされて配置され、各色の階調を表現するために前記出力階調レベルに従う所定パターンにより各前記基本パターン内に網点が配置される、画像形成装置。」 2.刊行物の記載事項 これに対して、原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願の日前に頒布された刊行物である特開2002-118746号公報(以下、「刊行物1」という)には、図面(特に図3ないし図9)とともに、次のア?カの事項が記載されている。 ア.「【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成方法に関し、より詳しくは、多階調の画像データを2値または少値の画像データに変換し、そのデータに基づいて画像を形成する画像形成方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、レーザープリンタ、デジタル複写機、カラーレーザプリンタ、デジタルカラー複写機などの画像形成装置、あるいは、表示装置等に応用することのできる中間調処理に関する画像形成方法が用いられている。 【0003】従来の中間調処理には、ディザ法が多く用いられており、2値プリンタなどでも階調や色を表現することが可能であった。このディザ法は、ドットを形成する網点型ディザが一般的であって、ドットを集合して配置したドット集中タイプと、ドットを離散的に配置したドット分散タイプとがある。」 イ.「【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の画像形成方法にあっては、たとえば4つの作像ステーションを使ってYMCK(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のカラー画像を形成し、転写紙へ順次転写すると、YMCKの各画像位置のずれが発生し易く、一枚のプリント内でも数十ミクロンずれる局所的な変動は避けられない。 【0009】また、1つの作像手段を備えた1ドラタイプの画像形成装置を用いてカラー画像を形成する場合は、4色画像を同一の作像系で形成するため、各色毎の位置ずれ量は4つの作像ステーションを使う場合よりも低く抑えることができるが、ある程度は発生してしまう。」 ウ.「【0014】本発明の目的は、少ないデータ数で安定かつ階調数の確保された画像を形成すると共に、色ムラや色濁りあるいは画像テクスチャなどの少ない高画質が実現可能な画像形成方法を提供するものである。」 エ.「【0021】 【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、本発明に係る画像形成装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態では、画像形成装置としてYMCK(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の4色を用いてカラー画像を形成する電子写真カラープリンタを用いるものとする。」 オ.「【0033】(実施例1)実施例1では、万線スクリーン角ディザが1200×600dpi/1bitの場合の実施例について説明する。図3は、ディザマトリクスのK(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各版に関する仕様を示す図である。 【0034】図3に示すように、各色のスクリーン線数は190線と共通であり、比較的高解像の画像を形成することができる。各色の階調は、後述するように80のマトリクス値から構成されていて、階調数は81階調となる。各色の万線スクリーン角方向については、たとえば図4のように構成されており、図3のように各色毎に30度以上離してライン画像が配置されている。また、基本マトリクスは、図5?図8のYMCKの各版のマトリクスに示されるように、20ドットで構成されていて、4つのサブマトリクスで上記階調(81階調)を表現している。 【0035】画像内の繰り返しマトリクスについては、図示していないが、それぞれ40×20ドットの周期となり、そのディザマトリクスを画像形成装置のプリンタコントローラ、またはそれに接続するPCなどのプリンタドライバに、ディザ変換テーブルの形で配置されている。 【0036】図5?図8は、1200×600dpi/1bitディザにおける各版のディザマトリクスを示す図である。図5は、M版のディザマトリクスであり、各ドット配置内の数値と画像データとを比較して2値データに変換する。ここで、画像データの方が大きい場合は、そのドットをONとし、逆に画像データの方が小さいか、等しい場合は、そのドットをOFFとする。図5のM版のディザマトリクスは、図9に示すように、画像上繰り返して配置されている。」 カ.「【0041】図6に示すY版ディザマトリクスは、同形の20ドットの基本マトリクスで構成されており、時計の4時方向の万線スクリーンを形成している(図4参照)。そして、濃度増加に伴って各マトリクスの中央から副走査方向に順次ドットを増加させてゆき、マトリクス内で副走査方向のラインを形成する。その後、そのラインの副走査方向の上下段に対して、先のラインを次のマトリクスの主走査方向に延長するように伸ばすことにより、ライン画像が太っていくように成長させることができる。 【0042】図7に示すC版ディザマトリクスは、図6に示すY版ディザマトリクスに対して水平線で線対称な構造をしている。C版ディザマトリクスは、同形の20ドットの基本マトリクスで構成されており、時計の2時方向の万線スクリーンを形成している(図4参照)。そして、この場合も濃度増加に伴って各マトリクスの中央から副走査方向に順次ドットを増加してゆき、マトリクス内で副走査方向のラインを形成する。その後、ラインの副走査方向の上下段に対して、先のラインを次のマトリクスの主走査方向に延長するように伸ばすことにより、ライン画像が太っていくように成長させることができる。」 以上の記載から、刊行物1には次の発明(以下、「刊行物1発明」という)が記載されている。 画像データをディザ処理して、中間調処理を施した画像を形成する画像形成装置であって、 前記ディザ処理のためのディザマトリクスは、マトリクスサイズが40×20ドットであり、複数の基本マトリクスから構成され、Y版ディザマトリクスは、同形の20ドットの基本マトリクスで構成されていて時計の4時方向の万線スクリーンを形成しており、C版ディザマトリクスは、同形の20ドットの基本マトリクスで構成されていて時計の2時方向の万線スクリーンを形成している、画像形成装置。 また、原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願の日前に頒布された刊行物である特開2005-203871号公報(以下、「刊行物2」という)には、図面とともに、次のキの事項が記載されている。 キ.「【0006】 一方、以下の特許文献1においては、出力機器の濃度変化に応じて、それを補正してリニアな特性になるようなディザパターンを作成するという技術が開示されている。その手法を以下に示す。 【0007】 図21は、従来のディザパターン作成手法を説明するための図である。 【0008】 図を参照して、ディザパターンは以下のようにして作成される。 【0009】 (A) 前処理のステップとして、下記(1)および(2)を行なう。 【0010】 (1) M×Nサイズのディザマトリクス内のそれぞれの画素に、1?M×Nの番号を割振る(図中の1を参照)。 【0011】 (2) M×Nサイズのディザマトリクスの全パターン(1?M×N)に対する濃度値を、予め求めておく(図中の2を参照)。 【0012】 (B) 実際の濃度補正を行なうステップとして、下記(3)?(5)を行なう。 【0013】 (3) 複数個の測定パターンを選択し(図中の3-a参照)、それらの測定パターンをプリント出力する。それぞれの測定パターンの濃度値をセンサにより測定し、(2)で求めた元の全パターンの濃度値と併せて補間処理を行い(図中の3-b参照)、現在の全パターンに対する濃度値を推定する(図中の3-c参照)。 【0014】 (4) 濃度値の変化がリニア(等間隔)になるように、出力階調レベルに対応するパターンの番号を選択し(図中の4-a参照)、パターンテーブルに格納する(図中の4-a参照)。 【0015】 (5) ディザマトリクスとパターンテーブルを基に、ディザパターンを生成する(図中の5参照)。 【0016】 この手法では、濃度変化に応じて、その都度ディザパターンを変化させているので、階調飛びなどの問題が軽減される。」 以上の記載から、刊行物2には、次の技術が記載されている。 出力階調レベルに従う所定パターンとなるディザマトリクスを生成するディザパターン生成方法。 3.対比 本願発明と刊行物1発明とを対比する。 刊行物1発明の「中間調処理」は、本願発明の「疑似中間調処理」に相当するから、両者は、「画像データをディザ処理して、擬似中間調処理を施した画像を形成する画像形成装置」である点で一致する。 刊行物1発明は、「画像データをディザ処理」するものであるから、本願発明の「画像データをディザ処理するディザ処理部」に相当する構成を備えていることは明らかである。 刊行物1発明において、「ディザマトリクス」は、「マトリクスサイズが40×20ドットであり、複数の基本マトリクスから構成され」るのであるから、この点は本願発明の「前記ディザマトリクスは、M×N画素サイズで、かつ、複数の基本パターンから構成され」ることに相当する(刊行物1発明の「基本マトリクス」は、本願発明の「基本パターン」に相当する)。 刊行物1発明において、「ディザマトリクス」は、「Y版ディザマトリクスは、同形の20ドットの基本マトリクスで構成されていて時計の4時方向の万線スクリーンを形成しており、C版ディザマトリクスは、同形の20ドットの基本マトリクスで構成されていて時計の2時方向の万線スクリーンを形成している」ものであり、図6のY版ディザマトリクス、図7のC版ディザマトリクスの構成とから、刊行物1発明における「ディザマトリクス」は、「上下方向に接する前記基本パターン同士は左右方向にずらされて配置され、かつ、左右方向に接する前記基本パターン同士は上下方向にずらされて配置され」るものであるということができる。 ディザマトリクスは、各色の階調を表現するために所定パターンにより網点が配置されるものであるから、刊行物1発明における、複数の基本マトリクスから構成されるディザマトリクスが、各色の階調を表現するために所定パターンにより各基本マトリクス(本願発明の「基本パターン」)内に網点が配置されるものであることは明らかである。 したがって、本願発明と刊行物1発明の一致点及び相違点は次のとおりである。 (一致点) 画像データをディザ処理して、擬似中間調処理を施した画像を形成する画像形成装置であって、 画像データをディザ処理するディザ処理部を備え、 前記ディザ処理に用いられるディザマトリクスは、M×N画素サイズで、かつ、複数の基本パターンから構成され、上下方向に接する前記基本パターン同士は左右方向にずらされて配置され、かつ、左右方向に接する前記基本パターン同士は上下方向にずらされて配置され、各色の階調を表現するために所定パターンにより各前記基本パターン内に網点が配置される、画像形成装置。 (相違点) 本願発明は、「出力階調レベルに従って前記ディザ処理に用いられるディザマトリクスを生成するディザパターン生成部」を備え、前記ディザマトリクスは、「前記出力階調レベルに従う」所定パターンにより各前記基本パターン内に網点が配置されるものであるのに対し、刊行物1発明は、ディザパターン生成については言及されていない点。 4.当審の判断 相違点について検討する。 刊行物1発明は、ディザパターン生成については言及されていないが、刊行物2に記載されているように、出力階調レベルに従う所定パターンとなるディザマトリクスを生成するディザパターン生成方法は周知の技術であるから、刊行物1発明において、刊行物2に記載された技術を適用して、出力階調レベルに従って前記ディザ処理に用いられるディザマトリクスを生成するディザパターン生成部を備えて、前記ディザマトリクスを、前記出力階調レベルに従う所定パターンにより各前記基本パターン内に網点が配置されるものとすることは当業者が容易に想到し得ることである。 よって、本願発明は、刊行物1発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4.むすび 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-01-04 |
結審通知日 | 2012-01-10 |
審決日 | 2012-01-23 |
出願番号 | 特願2007-263314(P2007-263314) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H04N)
P 1 8・ 561- Z (H04N) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 豊田 好一 |
特許庁審判長 |
板橋 通孝 |
特許庁審判官 |
千葉 輝久 古川 哲也 |
発明の名称 | 画像形成装置および画像形成方法 |
代理人 | 特許業務法人深見特許事務所 |