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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1257355
審判番号 不服2011-7490  
総通号数 151 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-04-08 
確定日 2012-05-24 
事件の表示 平成11年特許願第330579号「スロットマシン」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 5月29日出願公開、特開2001-145723〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成11年11月19日の出願であって、平成22年12月21日付け(発送:平成23年1月13日)で拒絶査定され、これに対し、平成23年4月8日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同日付けで手続補正がなされ、当審において、同年7月13日付け(発送:7月26日)で審査官の前置報告書に基づく審尋を行ったが、請求人から回答書の提出はなかった。
さらに、審判合議体において、平成23年12月8日付けで同年4月8日付け手続補正が却下されるとともに、拒絶理由が通知され、これに対して、平成24年2月13日付けで手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。

2.本願補正発明
平成24年2月13日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものと認める。
「【請求項1】
スタートスイッチと、
前記スタートスイッチからのスタート信号の入力に基づいて複数の回転リールに各々表示された複数種類の図柄の変動表示を開始する図柄変動表示装置と、
前記図柄変動表示装置による図柄の変動表示を停止させて、停止図柄の組み合わせを表示させるストップスイッチと、
複数種類の入賞図柄の組み合わせに対応する複数種類の入賞態様の入賞確率が各々予め設定された複数種類の入賞判定テーブルと、
所定の信号の入力を条件に、前記入賞判定テーブルに基づいて入賞判定を行う入賞判定手段と、
前記入賞判定手段による入賞判定の結果を外部に報知する判定結果外部報知手段と、
前記入賞判定手段による入賞判定結果がいずれかの入賞態様への入賞を内容とすること及び前記ストップスイッチの操作に基づいて図柄変動表示装置に停止表示された停止図柄の組み合わせが、前記入賞判定手段による入賞判定結果の入賞態様に対応した所定の入賞図柄の組み合わせであることを条件に、遊技者に所定の利益を付与する利益付与手段とを備えたスロットマシンにおいて、
上記入賞判定テーブルの入賞態様には、
前記回転リールの少なくとも一つについて、前記ストップスイッチを操作してから図柄の変動表示が停止するまでの変動停止猶予間隔を越えて配置された異なる図柄を含む入賞図柄の組み合わせに対応する択一的入賞態様を含み、
前記判定結果外部報知手段は、
入賞判定手段による入賞判定結果が択一的入賞態様の入賞であることを条件に、複数種類の択一的入賞態様のうち、いずれの入賞態様に入賞しているかの択一的入賞判定結果に対応する択一的入賞図柄を外部に報知することにより、ストップスイッチの操作に際して狙うべき択一的入賞図柄を遊技者に認識可能とし、
前記択一的入賞図柄の外部への報知は、特定の図柄で入賞したことを条件に開始し、該特定の図柄で入賞したことにより開始した遊技の状態が所定の条件で終了したことを条件に終了するようにしたことを特徴とするスロットマシン。」

3.引用文献に記載された事項
当審における平成23年12月8日付けの拒絶の理由において引用例1として引用した特開平11-151343号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。
(ア)「【請求項1】 スタート操作に応答して複数個の回転リールが回転し、ストップ操作に応答して各回転リールが停止するスロットマシンにおいて、
各回のゲームが外れ状態であるか、或いは、ゲーム価値の異なる複数段階のいずれの当たり状態であるかを、ゲーム終了以前に決定する決定手段と、
この決定に対応して各回転リールを停止制御する停止手段と、
前記複数段階の当たり状態のうち、少なくとも一部の組合せについては、自らの表示内容によって、いずれの当たり状態であるかを報知する表示手段とを備えることを特徴とするスロットマシン。」
(イ)「【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について更に詳細に説明する。図1は、本発明に係るスロットマシンについて、その一例を示した外観図である。図示のスロットマシンSLには、複数種類の絵柄を描いた3個の回転リール1a?1cが回転自在に設けられており、表示窓2には、各回転リール1a?1cの絵柄が、回転方向に3列程度だけ見えるようになっている。この表示窓2には、水平方向に3本(L1?L3)、斜め方向に2本(L4,L5)の停止ラインが設けられていて、コイン投入口3から投入されるコインの枚数に応じて有効な停止ラインの本数が変わるようになっている。コイン投入後、スタートレバー4を操作すると、3個の回転リール1a?1cが回転を開始し、ストップボタン5a?5cが押されるごとに、該当する回転リール1a?1cが停止する。そして、停止ライン上に特定の絵柄が揃った場合には、表示部DISPが表示動作を開始して、その回のゲーム価値(コイン払出し枚数など)が確定されるようになっている。すなわち、このスロットマシンSLでは、停止ライン上に揃った絵柄のみによって各回のゲーム価値が確定されるのではなく、表示部DISPの表示内容に応じて、各回のゲーム価値が異なるようになっている。なお、受け皿6からは、表示部DISPなどで特定されたゲーム価値に応じて、所定枚数のコインが払い出される。
【0012】図2は、図1に示す装置の内部構成図であり、このスロットマシンSLは、ROM7、RAM8、CPU9によるマイコン制御によって上記の動作を実現している。また、スロットマシンSLは、各回転リール1a?1cをステッピングモータMによって回転させるモータ駆動部10と、位置センサ(図示せず)の出力に基づいて各回転リール1a?1cの回転位置を検出する位置検出部11と、コイン投入口3からのコイン投入枚数を検出する枚数検出部12と、ストップボタン5a?5cの操作を検出するストップ信号入力部13と、受け皿6にコインを払い出すコイン払出部14と、乱数発生部15と、LED又は液晶からなる表示部DISPとを備えている。図示の通り、乱数発生部15は、詳細には、パルス発振器16と、発振パルスを計数するカウンタ17と、ラッチ信号LATCH に同期してカウンタ17の計数値を取り込むラッチ回路18とで構成されている。位置センサは、各回転リール1a?1c毎に設けられており、各回転リール1a?1cが基準位置を通過するタイミングを検出するようになっている。したがって、CPU9は、この位置センサの出力と、ステッピングモータMに供給されるパルス数とによって、各回転リール1a?1cの現在位置を知ることができる。」
(ウ)「【0015】一方、この実施例において大当たり状態とは、その後のゲームを、中当たりの発生確率などが高く設定されたビッグ・ボーナス・ゲームに突入させる当たり状態を言う。図6に示すように、ビッグ・ボーナス・ゲーム中は、専用の当たりテーブル(図7)が参照されることにより、子当たり状態や中当たり状態の発生確率が通常ゲームの場合よりも格段に高くなる。また、通常ゲームでは、中当たり絵柄とはならない絵柄(G-G-G)が、レギュラー・ボーナス・ゲーム突入の絵柄となる。なお、ビッグ・ボーナス・ゲームは、レギュラー・ボーナス・ゲームに3回突入するか、ゲーム回数が30回に達すると終了する(図6参照)。このように、ビッグ・ボーナス・ゲーム中、最大3回までレギュラー・ボーナス・ゲームに突入するので、15枚のコイン払出し処理(図4のステップST2の処理)は、最大で24回(=8×3)行われる。
【0016】続いて、上記のスロットマシンについて、図8に示すフローチャートに基づいて動作内容を説明する。なお、絵柄を揃えるべき停止ラインは、投入するコイン数に応じて、その有効ライン数が1ライン、3ライン、5ラインのように変化するが、以降の説明では、便宜上、中央の停止ラインL1のみが有効であると考える。遊戯者がスタートレバー4を操作すると(ST11)、これに応答して、CPUは3個の回転リール1a?1cの回転を開始させる(ST12)。次に、CPUは、遊戯者がストップボタン5a?5cを押すのを待ち(ST13)、最初のストップボタン操作である場合には(ST14)、このストップボタン操作に応答して、その瞬間のカウンタ17の値を、乱数値 RNDとしてラッチ回路18に取り込む(ST15)。
【0017】乱数値 RNDが特定されれば、CPUは、この乱数値 RNDを当たり参照テーブル(図3)の数値範囲と比較する。図3に示すように、当たり参照テーブルには、大当たり、中当たり、15?12枚の小当たり、8?5枚の小当たり、4?1枚の小当たり、特殊当たりなどの6段階の入賞ランク毎に、該当する数値範囲(L_(i) ?H_(i) )が記憶されている。そこで、CPUは、ラッチした乱数値 RNDを、参照テーブルの数値範囲(L_(i) ?H_(i) )と比較して、今回のゲームの抽選結果データD_(Hit) を決定する(ST16)。また、小当たりの場合、ラッチした乱数値 RNDの下位2bitの値に基づいて、払出し枚数を決定する。」
(当審で、段落【0017】の「8?5枚の子当たり」、「4?1枚の子当たり」、「また、子当たりの場合」は、それぞれ「8?5枚の小当たり」、「4?1枚の小当たり」、「また、小当たりの場合」の誤記と認めた。)
(エ)「【0019】〔大当たりや中当たりの場合〕いま、大当たりや中当たりゲームであった場合を想定すると、CPUは、先ず、該当する一群の当たり絵柄(A,B,C)のいずれかを停止ラインL1に引き込めるか否か、つまり、停止ラインL1の位置から起算した所定範囲内に、該当する当たり絵柄が存在するか否かを判定する(ST17)。そして、所定範囲内に当たり絵柄が存在する場合には、CPUは、当たり絵柄が停止ラインL1上に来るように回転リールを停止させる(ST18)。本実施例では、一群の絵柄(A,B,C)によって大当たり絵柄と中当たり絵柄を兼用しているので、各回転リールとも、従来より高い確度で、当たり絵柄を引き込むことが可能となる。一方、所定範囲内に該当する当たり絵柄が存在しない場合には、CPUは、テーブルポインターPの値(10000000又は01000000)に基づいて、大当たり用又は中当たり用の停止制御テーブルを参照して回転リールを停止させる。例えば、図11に示す大当たり用の停止制御テーブルに基づいて第1リールを停止制御する場合には、最優先の停止絵柄である「B」が停止ライン上に来るように回転リール1aを停止させる(ST19)。この停止制御の場合、CPUは、「B」が引き込めなければ「C」、「C」が引き込めなければ「D」のように、停止制御テーブルの優先順位にしたがって所定の絵柄で停止させる。」
(オ)「【0021】一方、所定範囲内に当たり絵柄「A」が存在しない場合には、CPUは、引き込みフラグSの値を00にクリアすると共に、テーブルポインターPの値(10000000又は01000000)に基づいて、大当たり用又は中当たり用の停止制御テーブルを参照して回転リールを停止させる。例えば、図11に示す大当たり用の停止制御テーブルに基づいて第2リールを停止制御する場合には、最優先の停止絵柄である「C」が停止ラインL1上に来るように回転リール1を停止させる(ST19)。この停止制御の場合、CPUは、「C」が引き込めなければ「B」、「B」が引き込めなければ「E」のように停止制御テーブルの優先順位にしたがって所定の絵柄で停止させる。なお、最初のストップボタン操作において、当たり絵柄「A」を停止ラインL1に停止させることができなかった場合(この場合、引き込みフラグSの値は00である)も、CPUは、テーブルポインターPの値に基づいて、該当する停止制御テーブルを参照し、その優先順位にしたがって停止制御を行う。
【0022】いま、2番目のストップボタン停止により、停止ラインL1上に当たり絵柄「A-A」が揃ったと仮定すると、引き込みフラグSの値は、クリアされず01のままである。そして、遊戯者が3個目のストップボタンを押した後(ST13)も同様であって、当たり絵柄の「A」を引き込める場合は、当たり絵柄「A」が停止ラインL1上に来るように回転リール1を停止させる(ST18)。一方、当たり絵柄の「A」を引き込めない場合には、CPUは、引き込みフラグSの値を00にクリアすると共に、テーブルポインターPの値に基づいて、該当する停止制御テーブルを参照する。例えば、図11の停止制御テーブルに基づいて第3リールを停止制御する場合には、最優先の停止絵柄である「D」が停止ラインL1上に来るように回転リール1を停止させる(ST19)。なお、停止ラインL1に当たり絵柄「A-A」が揃っていない場合(引き込みフラグSの値は、00である)も、CPUは、テーブルポインターPの値に基づいて、該当する停止制御テーブルを参照し、その優先順位にしたがって停止制御を行う。
【0023】以上の停止制御の結果、3つのリールが全て停止すると(ST20)、CPUは、当初の当選結果の通り、停止ラインL1上にA-A-A,B-B-B,C-C-Cのいずれかの絵柄が揃ったか否かを、引き込みフラグSの値によって判定し、いずれかの絵柄が揃っていたら、次に、表示部DISPの動作を開始させる(ST21)。表示部DISPの動作内容は、特に限定されないが、例えば、回転リールが回転しているかの如き表示をしたり、或いは、適宜な「大当たり表示」と「中当たり表示」を循環的に切り換えれば良い。なお、この回転速度や切り換え速度は、例えば、「最初は速く、その後は段々と遅く」というように不規則に変化させるのが好ましい。いずれにしても最終的には、抽選結果データD_(Hit) に対応した大当たり又は中当たりの表示を行って安定するが、遊戯者は、当たり絵柄が揃った後、今回のゲーム価値を確認するべく期待感をもって表示部DISPを注視するので、表示内容が確定するまでの時間を利用して、新たなゲーム性を実現することができる。そして、表示部DISPの表示内容が停止した後、所定枚数のコインを払い戻すと共に、それ以降のゲームを、当たり確率の高い特別な動作モードに突入させる(ST22)。」
(カ)「【0025】〔小当たりの場合〕小当たりの場合もほぼ同様であって、CPUは、当たり枚数に応じた抽選結果データD_(Hit) を、メモリの当選フラグ領域Hとテーブルポインター領域Pに記憶する(ST16)。そして、該当する絵柄で停止するように回転リールの停止位置を制御する一方(ST18)、これが不可能である場合には、テーブルポインターPが指示する停止制御テーブルを参照して、当該テーブルに規定されている優先順位にしたがって、停止絵柄を決定する。
【0026】3つのリールが全て停止すると(ST20)、CPUは、先ず、当初の当選結果の通りに絵柄が揃ったか否かを判定する。そして、当たり絵柄が揃っている場合には、表示部DISPの表示動作を開始させ、ステップST15の処理でラッチした乱数値RND の下位2bitの値に応じた払出し枚数を表示する(ST21)。表示方法は適宜に設定されるが、例えば、12→13→14→15→12のように、数字を何回か循環させた後に払出し枚数を確定するのが好ましい。そして、所定枚数のコインを払い戻すと共に、テーブルポインターPの値をクリアする(ST22)。なお、3つのリールが停止した段階で、当たり絵柄を揃えることができなかった場合は、テーブルポインターPの値はクリアしないで保持する。但し、小当たりの当選フラグHは、当たり絵柄が揃ったか否かに拘わらずクリアすることにする。」
(キ)「【0031】以上、本発明の一実施例を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更可能である。例えば、図13に示すように、D-D-Dの整列絵柄を、15枚と8枚と4枚の小当たり絵柄として使用し、E-E-Eの整列絵柄を、15枚と8枚の小当たり絵柄として使用するようにしても良い。この実施例の場合には、例えば、15枚当たりの場合に、絵柄D-D-Dか、絵柄E-E-Eを揃えれば良いので、停止制御の自由度が高まり、その分だけ当たり絵柄を揃えることが容易となる。また、絵柄Dや絵柄Eが3つ揃った段階では、最終的なゲーム価値が確定されていないので、遊戯者に新たな期待感を持たせることができる。その他、カウンタ値をサンプリングして乱数値をラッチする処理(ST15)は、図8のフローチャートのように、必ずしも、最初のストップ操作(ST14)の直後に行う必要はなく、スタートレバーの操作(ST11)の直後に行ったのでも良いのは勿論である。このような場合には、例えば、図1に示す表示部DISPを活用して、各回の停止目標絵柄を表示するのが好ましい。例えば、D-D-Dの小当たりやE-E-Eの小当たりのような場合に、表示部DISPにその旨を表示すれば、遊戯者は、停止させるべき目標絵柄を知って停止ボタンを操作することができるので、新たなゲーム性を実現できる。この実施例の場合、何らかの当たりが生じた時にだけ、目標絵柄を表示するのでも良いが、外れゲームでも緊張感を維持できるよう、外れの場合も含めて、毎回、目標絵柄を表示するようにしても良い。この場合には、表示内容に嘘が含まれることになるが、遊戯者は、毎回、期待感をもって停止ボタンを操作することができる。」
(当審で、段落【0031】の「15枚と8枚と4枚の子当たり絵柄」、「15枚と8枚の子当たり絵柄」、「D-D-Dの子当たりやE-E-Eの子当たりのような」は、それぞれ「15枚と8枚と4枚の小当たり絵柄」、「15枚と8枚の小当たり絵柄」、「D-D-Dの小当たりやE-E-Eの小当たりのような」の誤記と認めた。)
(キ)図3には、通常ゲーム中の当たり参照テーブルには、A-A-A、B-B-B、C-C-Cの絵柄の組合せの大当たり又は中当たり、D-D-Dの絵柄の組合せの小当たり、E-E-Eの絵柄の組合せの小当たり、F-D、F-E、F-Fの絵柄の組合せの小当たり、G-G-Gの絵柄の組合せの特殊当たりの6段階の入賞ランク毎に、該当する数値範囲(L_(1)?H_(1)、L_(2)?H_(2)、L_(3)?H_(3)、L_(4)?H_(4)、L_(5)?H_(5)、L_(6)?H_(6))がある点が、
図7には、ビッグボーナスゲーム中の当たり参照テーブルには、G-G-Gの絵柄の組合せの中当たり、D-D-Dの絵柄の組合せの小当たり、E-E-Eの絵柄の組合せの小当たり、F-D、F-E、F-Fの絵柄の組合せの小当たりの4段階の入賞ランク毎に、該当する数値範囲(L_(0)?H_(0)、L_(X)?H_(X)、L_(Y)?H_(Y)、L_(Z)?H_(Z))がある点が、記載されている。

以上、上記(ア)ないし(キ)の記載及び図面の記載を総合すると、引用例1には、
「スタートレバー4を操作すると、複数種類の絵柄を描いた3個の回転リール1a?1cが回転を開始し、
表示窓2には、各回転リール1a?1cの絵柄が、回転方向に3列程度だけ見えるようになっており、表示窓2には、停止ラインが設けられており、ストップボタン5a?5cが押されるごとに、該当する回転リール1a?1cが停止し、停止ライン上に特定の絵柄等を揃わせることが可能であり、
当たり参照テーブルは複数種類あり、
通常ゲーム中の当たり参照テーブルには、A-A-A、B-B-B、C-C-Cの絵柄の組合せの大当たり又は中当たり、D-D-Dの絵柄の組合せの小当たり、E-E-Eの絵柄の組合せの小当たり、F-D、F-E、F-Fの絵柄の組合せの小当たり、G-G-Gの絵柄の組合せの特殊当たりの6段階の入賞ランク毎に、該当する数値範囲(L_(1)?H_(1)、L_(2)?H_(2)、L_(3)?H_(3)、L_(4)?H_(4)、L_(5)?H_(5)、L_(6)?H_(6))があり、
ビッグボーナスゲーム中の当たり参照テーブルには、G-G-Gの絵柄の組合せの中当たり、D-D-Dの絵柄の組合せの小当たり、E-E-Eの絵柄の組合せの小当たり、F-D、F-E、F-Fの絵柄の組合せの小当たりの4段階の入賞ランク毎に、該当する数値範囲(L_(0)?H_(0)、L_(X)?H_(X)、L_(Y)?H_(Y)、L_(Z)?H_(Z))があり、
CPUは、スタートレバーの操作に応答して、その瞬間のカウンタ17の値を、ラッチ信号LATCH に同期して乱数値 RNDとしてラッチ回路18に取り込み、ラッチした乱数値 RNDを、参照テーブルの数値範囲(L_(i) ?H_(i) )と比較して、今回のゲームの抽選結果データD_(Hit) を決定し、
D-D-Dの小当たりやE-E-Eの小当たりの場合に、表示部DISPにその旨を表示して、遊戯者に停止させるべき目標絵柄を知って停止ボタンを操作することができるようにし、
抽選結果に該当する絵柄で停止するよう制御し、これが不可能である場合には該当する停止テーブルの優先順位にしたがって所定の絵柄で停止させ、
3つのリールが全て停止すると、当たりの場合、当初の当選結果の通りに絵柄が揃ったか否かを判定し、当たり絵柄が揃っている場合には、所定枚数のコインを払い出す、スロットマシンSL。」の発明が開示されていると認めることができる(以下、この発明を「引用発明」という。)。

4.対比
引用発明の「スタートレバー4」は本願補正発明の「スタートスイッチ」に相当する。以下同様に、
「3個の回転リール1a?1c」は「複数の回転リール」に、
「絵柄」は「図柄」に、
「組合せ」は「組み合わせ」に、
「ストップボタン5a?5c」は「ストップスイッチ」に、
「当たり参照テーブル」は「入賞判定テーブル」に、
「CPU」は「入賞判定手段」に、
「表示部DISP」は「判定結果外部報知手段」に、
「スロットマシンSL」は「スロットマシン」に、相当する。

さらに、引用例1の記載等からみて、以下のことがいえる。

a.引用発明のスロットマシンSLは、スタートレバー4を操作すると、複数種類の絵柄を描いた3個の回転リール1a?1cが回転を開始するものであるから、
引用発明のスロットマシンSLは、本願補正発明と「前記スタートスイッチ」の操作「に基づいて複数の回転リールに各々表示された複数種類の図柄の変動表示を開始する図柄変動表示装置」を備えている点で共通しているといえる。

b.引用発明のスロットマシンSLは、表示窓2には、各回転リール1a?1cの絵柄が、回転方向に3列程度だけ見えるようになっており、表示窓2には、停止ラインが設けられており、ストップボタン5a?5cが押されるごとに、該当する回転リール1a?1cが停止し、停止ライン上に特定の絵柄等を揃わせることが可能であるから、
引用発明のスロットマシンSLは、本願補正発明の「前記図柄変動表示装置による図柄の変動表示を停止させて、停止図柄の組み合わせを表示させるストップスイッチ」に相当する手段を備えているといえる。

c.引用発明のスロットマシンSLは、当たり参照テーブルは複数種類あり、
通常ゲーム中の当たり参照テーブルには、A-A-A、B-B-B、C-C-Cの絵柄の組合せの大当たり又は中当たり、D-D-Dの絵柄の組合せの小当たり、E-E-Eの絵柄の組合せの小当たり、F-D、F-E、F-Fの絵柄の組合せの小当たり、G-G-Gの絵柄の組合せの特殊当たりの6段階の入賞ランク毎に、該当する数値範囲(L_(1)?H_(1)、L_(2)?H_(2)、L_(3)?H_(3)、L_(4)?H_(4)、L_(5)?H_(5)、L_(6)?H_(6))があり、
ビッグボーナスゲーム中の当たり参照テーブルには、G-G-Gの絵柄の組合せの中当たり、D-D-Dの絵柄の組合せの小当たり、E-E-Eの絵柄の組合せの小当たり、F-D、F-E、F-Fの絵柄の組合せの小当たりの4段階の入賞ランク毎に、該当する数値範囲(L_(0)?H_(0)、L_(X)?H_(X)、L_(Y)?H_(Y)、L_(Z)?H_(Z))があるから、
引用発明のスロットマシンSLは、本願補正発明の「複数種類の入賞図柄の組み合わせに対応する複数種類の入賞態様の入賞確率が各々予め設定された複数種類の入賞判定テーブル」に相当する手段を備えているといえる。

d.引用発明のスロットマシンSLは、CPUは、スタートレバーの操作に応答して、その瞬間のカウンタ17の値を、ラッチ信号LATCH に同期して乱数値 RNDとしてラッチ回路18に取り込み、ラッチした乱数値 RNDを、参照テーブルの数値範囲(L_(i) ?H_(i) )と比較して、今回のゲームの抽選結果データD_(Hit) を決定しているから、
引用発明のスロットマシンSLは、本願補正発明の「所定の信号の入力を条件に、前記入賞判定テーブルに基づいて入賞判定を行う入賞判定手段」に相当する手段を備えているといえる。

e.引用発明のスロットマシンSLは、D-D-Dの小当たりやE-E-Eの小当たりの場合に、表示部DISPにその旨を表示して、遊戯者に停止させるべき目標絵柄を知って停止ボタンを操作することができるようにしているから、
引用発明のスロットマシンSLは、本願補正発明の「前記入賞判定手段による入賞判定の結果を外部に報知する判定結果外部報知手段」に相当する手段を備えているといえるとともに、
本願補正発明と「前記判定結果外部報知手段は、」「複数種類の」「入賞態様のうち、いずれの入賞態様に入賞しているかの」「入賞判定結果に対応する」「入賞図柄を外部に報知することにより、ストップスイッチの操作に際して狙うべき」「入賞図柄を遊技者に認識可能とし」ている点で共通しているといえる。

f.引用発明のスロットマシンSLは、抽選結果に該当する絵柄で停止するよう制御し、これが不可能である場合には該当する停止テーブルの優先順位にしたがって所定の絵柄で停止させ、3つのリールが全て停止すると、当たりの場合、当初の当選結果の通りに絵柄が揃ったか否かを判定し、当たり絵柄が揃っている場合には、所定枚数のコインを払い出すものであるから、
引用発明のスロットマシンSLは、本願補正発明の「前記入賞判定手段による入賞判定結果がいずれかの入賞態様への入賞を内容とすること及び前記ストップスイッチの操作に基づいて図柄変動表示装置に停止表示された停止図柄の組み合わせが、前記入賞判定手段による入賞判定結果の入賞態様に対応した所定の入賞図柄の組み合わせであることを条件に、遊技者に所定の利益を付与する利益付与手段」に相当する手段を備えているといえる。

以上のことから、両者は、
<一致点>
「スタートスイッチと、
前記スタートスイッチの操作に基づいて複数の回転リールに各々表示された複数種類の図柄の変動表示を開始する図柄変動表示装置と、
前記図柄変動表示装置による図柄の変動表示を停止させて、停止図柄の組み合わせを表示させるストップスイッチと、
複数種類の入賞図柄の組み合わせに対応する複数種類の入賞態様の入賞確率が各々予め設定された複数種類の入賞判定テーブルと、
所定の信号の入力を条件に、前記入賞判定テーブルに基づいて入賞判定を行う入賞判定手段と、
前記入賞判定手段による入賞判定の結果を外部に報知する判定結果外部報知手段と、
前記入賞判定手段による入賞判定結果がいずれかの入賞態様への入賞を内容とすること及び前記ストップスイッチの操作に基づいて図柄変動表示装置に停止表示された停止図柄の組み合わせが、前記入賞判定手段による入賞判定結果の入賞態様に対応した所定の入賞図柄の組み合わせであることを条件に、遊技者に所定の利益を付与する利益付与手段とを備えたスロットマシンにおいて、
前記判定結果外部報知手段は、
複数種類の入賞態様のうち、いずれの入賞態様に入賞しているかの入賞判定結果に対応する入賞図柄を外部に報知することにより、ストップスイッチの操作に際して狙うべき入賞図柄を遊技者に認識可能とするスロットマシン。」である点で一致し、以下の点で相違している。

<相違点1>
「複数の回転リールに各々表示された複数種類の図柄の変動表示を開始する図柄変動表示装置」が、
本願補正発明は、「スタートスイッチからのスタート信号の入力に基づいて複数の回転リールに各々表示された複数種類の図柄の変動表示を開始する」のに対して、
引用発明は、スタートレバー4を操作すると、3個の回転リール1a?1cが回転を開始するものであるが、スタートレバー4を操作すると「スタート信号」が出力されるか不明であるため、3個の回転リール1a?1cが、スタートレバー4からの「スタート信号の入力に基づいて」回転するか不明である点。

<相違点2>
本願補正発明は、「入賞判定テーブルの入賞態様には、前記回転リールの少なくとも一つについて、前記ストップスイッチを操作してから図柄の変動表示が停止するまでの変動停止猶予間隔を越えて配置された異なる図柄を含む入賞図柄の組み合わせに対応する択一的入賞態様を含」んでいるのに対して、
引用発明は、3個の回転リール1a?1cの絵柄の配置が不明なため、当たり参照テーブルの入賞ランクには、「変動停止猶予間隔を越えて配置された異なる図柄を含む入賞図柄の組み合わせに対応する択一的入賞態様」が含まれているか不明である点。

<相違点3>
複数種類の入賞態様のうち、いずれの入賞態様に入賞しているかの入賞判定結果に対応する入賞図柄を外部に報知することにより、ストップスイッチの操作に際して狙うべき入賞図柄を遊技者に認識可能とする、判定結果外部報知手段が、
本願補正発明は、「入賞判定手段による入賞判定結果が択一的入賞態様の入賞であることを条件に」報知するものであり、報知するのは「複数種類の択一的入賞態様のうち、いずれの入賞態様に入賞しているかの択一的入賞判定結果」であるのに対して、
引用発明は、D-D-Dの小当たりとE-E-Eの小当たりの入賞判定結果は外部に報知されるが、3個の回転リール1a?1cの絵柄の配置が不明なため、D-D-Dの小当たりとE-E-Eの小当たりが、「択一的入賞図柄の組み合わせ(に対応する択一的入賞態様)」に該当するか不明であるため、どのような条件で報知されるのか、報知されるのが択一的入賞判定結果であるのか、不明である点。

<相違点4>
本願補正発明は、「入賞図柄の外部への報知は、特定の図柄で入賞したことを条件に開始し、該特定の図柄で入賞したことにより開始した遊技の状態が所定の条件で終了したことを条件に終了するようにした」のに対して、
引用発明は、このような構成でない点。

5.判断
<相違点1>について
スロットマシンにおいて、「スタートスイッチからのスタート信号の入力に基づいて複数の回転リールに各々表示された複数種類の図柄の変動表示を開始する」ことは、登録実用新案第3046433号公報(段落【0022】、【0025】等参照)、特開平10-94637号公報(段落【0013】、【0027】等参照)、特開平10-33750号公報(段落【0030】等参照)にも記載されているように周知(以下、「周知技術1」という。)であるから、
引用発明のスタートレバー4を操作すると、3個の回転リール1a?1cが回転を開始するときに、上記周知技術1に基づいて「スタート信号」が出力されるようにして、相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に成し得たことである。

<相違点2>及び<相違点3>について
相違点2と相違点3は関連するので、まとめて検討する。
複数の入賞態様を構成する異なる図柄の特定の回転リール装置上の配置を、「ストップスイッチの操作に基づいて、前記ストップスイッチを操作してから図柄の変動表示が停止するまでの変動停止猶予間隔内」である4コマ以内に配置されないように、5コマ以上離れた配置にすることは、
当審における平成23年12月8日付けの拒絶の理由において引用例4として引用したパチスロ必勝ガイド1997年9月号,日本,株式会社白夜書房,1997年9月1日,第8巻第11号,第4-10頁,「クランキーコンテスト」の5頁左上に「各役払い出し表」として「コンドル コンドル コンドル/15+/BIG BONUS/コンドル コンドル 赤7/コンドル コンドル 青7/15+/REG BONUS」と(なお、「/」は原文における改行箇所を示す。以下、引用例4だけでなく、引用例4?8についても同様。)、7頁左下に「絵柄配列」として右リールの21番に「青7」、右リールの13番に「コンドル」、右リールの8番に「赤7」と(「コンドル」「赤7」「青7」が右リール上で5コマ以上離れて配置されている点が記載されているから、少なくとも、ビッグボーナス役としての「コンドル コンドル コンドル」とレギュラーボーナス役としての「コンドル コンドル 赤7」、ビッグボーナス役としての「コンドル コンドル コンドル」とレギュラーボーナス役としての「コンドル コンドル 青7」は、「ストップスイッチを操作してから図柄の変動表示が停止するまでの変動停止猶予間隔を越えて配置された異なる図柄を含む入賞図柄の組み合わせに対応する択一的入賞態様」であるといえる。)、
当審における平成23年12月8日付けの拒絶の理由において引用例5として引用したパチスロ必勝ガイド1998年8月号,日本,株式会社白夜書房,1998年8月1日,第9巻第9号,第38-39頁,「ゴールデンベル」の38頁左に「各役払い出し表/赤7 赤7 赤7 ベル ベル ベル/BAR BAR BAR 15 +BIG BONUS/赤7 赤7 BAR ベル ベル BAR/15 +REG BONUS」と、39頁左上に「絵柄配列」として右リールの20番に「BAR」、右リールの11番に「赤7」、右リールの6番に「ベル」と(「BAR」「赤7」「ベル」が右リール上で5コマ以上離れて配置されている点が記載されているから、ビッグボーナス役としての「赤7 赤7 赤7」とレギュラーボーナス役としての「赤7 赤7 BAR」、ビッグボーナス役としての「ベル ベル ベル」とレギュラーボーナス役としての「ベル ベル BAR」は、「ストップスイッチを操作してから図柄の変動表示が停止するまでの変動停止猶予間隔を越えて配置された異なる図柄を含む入賞図柄の組み合わせに対応する択一的入賞態様」であるといえる。)、
当審における平成23年12月8日付けの拒絶の理由において引用例6として引用したパチスロ必勝ガイド1995年11月号,日本,株式会社白夜書房,1995年11月1日,第6巻第15号,第12-17頁,「モグモグ2」の12頁上に「SUPER/MOG MOG2払い出し表/・・・/モグラ モグラ モグラ/BIG/BONUS+15/モグラ モグラ 赤7/モグラ モグラ 黒7/REGULAR/BONUS+15」と、14頁左上に「スーパーモグモグ2/絵柄配列」として右リールの21番に「赤7」、右リールの13番に「モグラ」、右リールの5番に「黒7」と(「赤7」「モグラ」「黒7」が右リール上で5コマ以上離れて配置されている点が記載されているから、少なくとも、ビッグボーナス役としての「モグラ モグラ モグラ」とレギュラーボーナス役としての「モグラ モグラ 赤7」、ビッグボーナス役としての「モグラ モグラ モグラ」とレギュラーボーナス役としての「モグラ モグラ 黒7」は、「ストップスイッチを操作してから図柄の変動表示が停止するまでの変動停止猶予間隔を越えて配置された異なる図柄を含む入賞図柄の組み合わせに対応する択一的入賞態様」であるといえる。)、それぞれ記載されているように周知(以下、「周知技術2」という。)であるから、
引用発明のD-D-Dの小当たりとE-E-Eの小当たりを、上記周知技術2に基づいて、「ストップスイッチを操作してから図柄の変動表示が停止するまでの変動停止猶予間隔を越えて配置された異なる図柄を含む入賞図柄の組み合わせに対応する択一的入賞態様」となるようにして相違点2及び相違点3に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に成し得たことである。

<相違点4>について
BIG中の小役ゲーム時のみ入賞図柄を外部に報知することは、
当審における平成23年12月8日付けの拒絶の理由において引用例8として引用したパチスロ必勝ガイドMAX1999年4月号,株式会社白夜書房,1999年3月14日,第2巻第4号,第40-41頁,「スノーキー」の41頁中段に「ビッグ中に物を言う当選役表示システム/・・・/それこそが、ビッグボーナスの小役ゲーム中にのみ作動する「当選役表示機能」である。例えば、スタートレバーを叩いた瞬間にリール窓右側に縦に3つ並んだ絵柄のうち、ベルが点滅したとしよう。これはベルのフラグ成立を意味しているのだ(同様にスイカが点滅したらスイカフラグが成立)。」と、
パチスロ攻略マガジン1999年4月号,株式会社双葉社,白夜書房,1999年4月1日,第8巻第5号,第11-13頁,「キングシャーク2」の13頁右上に「親切なフラグお知らせ機能/・・・この機種はBIG中の小役ゲーム時に成立したフラグをお知らせしてくれる機能が付いている。リール右部のスイカが点灯したら、順押しで目押し。ベルが点灯したら、オヤジ打ちでOK。何も点灯しなければ、左にチェリーを狙って、中・右リールはオヤジ打ち。」と、それぞれ記載されているように周知であり、
BIG中の小役ゲームは、ビッグボーナス役の図柄の組合せで入賞したことを条件として開始し、開始した遊技の状態である小役ゲームがビッグボーナス中にボーナスゲームを3回行うか小役ゲームを30ゲーム消化するか等の所定条件で終了することは、スロットマシンの分野において技術常識であるから、
入賞図柄の外部への報知を、特定の図柄で入賞したことを条件に開始し、該特定の図柄で入賞したことにより開始した遊技の状態が所定の条件で終了するようにすることは、周知(以下、「周知技術3」という。)であるといえる。
引用発明の外部への報知を、上記周知技術3のタイミングで行うようにして相違点4に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に成し得たことである。

そして、本願補正発明の効果は、引用発明及び上記周知技術1?3から当業者が予測できる範囲のものである。

以上のとおり、本願補正発明は、引用発明及び上記周知技術1?3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、請求項2?7に係る発明については検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-03-15 
結審通知日 2012-03-27 
審決日 2012-04-09 
出願番号 特願平11-330579
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鶴岡 直樹  
特許庁審判長 伊藤 陽
特許庁審判官 瀬津 太朗
澤田 真治
発明の名称 スロットマシン  
代理人 竹山 宏明  

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