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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F04D
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F04D
管理番号 1258018
審判番号 不服2011-20986  
総通号数 151 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-09-29 
確定日 2012-06-07 
事件の表示 特願2001-291200「排水ポンプ」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 4月 3日出願公開,特開2003- 97481〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 I.手続の経緯
本願は,平成13年 9月25日の特許出願であって,平成23年 6月30日付けで拒絶査定がなされ,この査定を不服として,同年 9月29日に本件審判請求がなされるとともに,手続補正がなされたものである。

II.平成23年 9月29日付けの手続補正の却下
[補正却下の決定の結論]
平成23年 9月29日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.補正後の本願発明
本件補正により,特許請求の範囲の請求項1は,
「【請求項1】
吸水口及び排水口を有するケースと,該ケース内に回転自在に納められる回転羽根と,該回転羽根を回転させるモータと,を備え,
前記ケースは,前記吸水口が下端部に設けられるとともに前記排水口が上部側面に設けられるケース本体部材と,その上方に配置されるモータ受け部材と,前記ケース本体部材と前記モータ受け部材とを弾性的に結合する弾性的結合手段とからなり,
前記弾性的結合手段は,前記ケース本体部材の上端部側面に設けられた一対の係止片と,前記モータ受け部材の下端部側面に設けられる一対の被係止部とからなり,
前記各係止片は,前記ケース本体部分(審決注:「ケース本体部材」の誤記と認める。)から上方に向けて突出するとともに先端部に前記被係止部に係合する爪を有している排水ポンプにおいて,
前記各被係止部の両側には,前記係止片の装着時の装着ガイドとなると共に,前記係止片装着状態で当該係止片を両側から挟み込んで前記ケース本体部材の前記モータ受け部材に対する回転阻止を担うように構成された上下に延びる左右一対の突起を備える
ことを特徴とする排水ポンプ。」
と補正された。
上記補正は,実質的に,本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「回転体」を「回転羽根」に,「ケース本体部材とモータ受け部材とを結合する結合手段」を「ケース本体部材とモータ受け部材とを弾性的に結合する弾性的結合手段」に,「結合手段」を「弾性的結合手段」に,「各被係止部は,上下に延びる左右一対の突起を有し,係止片の爪が前記被係止部に係合した状態で一対の突起が前記係止片を両側から挟み込んでケース本体部材のモータ受け部材に対する回転を阻止すること」を「各被係止部の両側には,係止片の装着時の装着ガイドとなると共に,前記係止片装着状態で当該係止片を両側から挟み込んでケース本体部材のモータ受け部材に対する回転阻止を担うように構成された上下に延びる左右一対の突起を備えること」にそれぞれ限定するものであって,この限定された事項は,願書に最初に添付した明細書又は図面に記載されている,又は,それらの記載からみて自明であり,新たな技術的事項を導入するものではなく,本件補正後の請求項1に記載された発明は,本件補正前の請求項1に記載された発明と,産業上の利用分野及び解決しようとする課題が異なるものではないから,上記補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで,本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものか(平成18年法律55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2.引用例及びその記載事項
原査定の拒絶理由で引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開平8-189662号公報(以下「引用例」という。)には,「排水ポンプ」に関し,図面とともに以下の事項が記載又は示されている。

・「【請求項1】 下端部に吸入口を設け,上部側面に吐出口を設けたポンプ本体と,
上記ポンプ本体内に回転自在に納められる回転体と,
上記回転体を回転させるモータとからなり,
上記回転体は,モータの出力軸に連結されるシャフト部と,シャフト部から放射方向に設けられる板状の大径羽根と,大径羽根の下部に出力軸方向に設けられる板状の小径羽根と,上記大径羽根と小径羽根との間に設けられる中空部を有する円盤とを備えることを特徴とする排水ポンプ。」

・「【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,排水ポンプ,特に空調装置のドレ-ン水を溜めるドレ-ンタンクに取り付けられ,ドレ-ンを外部へ排水するドレ-ンポンプに関する。」

・「【0009】
【実施例】図1は,本発明の実施例に係る排水ポンプの構造を示す説明図,図2は回転羽根の斜視図,図3はポンプハウジングとカバ-との接合部を示す部分断面図である。全体を符号1Aで示す排水ポンプは,ポンプ本体10と,ポンプ本体10の上部を覆うカバ-30を有する。ポンプ本体10は,直径が漸次に増加する曲面で形成される底面12bを有すると共に,底面12bに連続して立ち上がるよう形成された壁12aを有する円筒形のハウジング11により構成されるポンプ室12と,ポンプ室12の中央下部に設けられる吸入口15を形成する吸入管14と,ポンプ室から水平方向に延びる吐出口17を形成する吐出管16とを有する。
【0010】カバ-30の上部に装備されるモ-タ50の出力軸52はポンプ室内に配設される回転羽根100のシャフト部110に連結され,シャフト部110とカバー30の間は所定の間隙を設けている。回転羽根100は図2に示すように,モ-タの出力軸52を挿入する穴112を有するシャフト部110と,シャフト部110から放射方向に設けられる板状の大径羽根120と,板状の大径羽根120に,吸入側から吐出側に向う流れを一部せき止めて制限するように取付けたドーナツ状の円盤150と,円盤150を介して大径羽根120の下部に出力軸方向に設けられる板状の小径羽根130を有する。即ち,大径羽根120と小径羽根130とは,大径羽根120の小径羽根側の外周縁部を連結する円盤150を介して接続されている。
【0011】回転羽根100はポンプ本体10内に配置され,大径羽根120はポンプ室12内に及び小径羽根130は吸入管14内にそれぞれ位置している。かかる構成により,モータ50の駆動により回転羽根100が所定方向へ回転されると,小径羽根130で吸入口15から吸込まれた液体は上昇してポンプ室12に到達し,大径羽根120により吐出口17から吐出される。この際,円盤の存在により,上昇してくる液面がほぼ上下に分断され,流れが制限される如く一部せき止められ,大径羽根に接する液体は吐出されることとなる。」

・「【0013】図3は,本体ハウジング11とカバー30の接合構造を示す説明図である。弁本体10(審決注:「ポンプ本体10」の誤記と認める。)全体は合成樹脂でつくられ,ハウジング11の上部の外周壁18には,内側に向けて突出する突起19が設けられる。この突起19は,例えば直径上に対向して2個設けられる。カバー30も同様に合成樹脂でつくられ,カバー30の外周部には高さ寸法を大きくしたフランジ部34が設けられる。合成樹脂製の突起19は弾性を有する。したがって,カバー30を突起19に向けて押し込むことによって,カバー30は弁本体(審決注:「ポンプ本体」の誤記と認める。)のハウジング11に嵌着され,突起19の弾性により確実にとりつけられる。20はシール用のパッキンである。」

・請求項1に記載された「回転体」が段落【0009】?【0011】に記載された「回転羽根100」を示すことは明らかである。

・段落【0009】,【0010】の記載と図1からみて,「ポンプ本体10及びカバー30は,ポンプ本体10と,その上方に設けられるカバー30からなること」は明らかである。

・図3からは,「ハウジング11の上端部側面に設けられた突起19と,カバー30の外周部に設けられるフランジ部34」が看て取れる。

・段落【0013】の記載及び図3からみて,「突起19は,ポンプ本体10のハウジング11から上方に向けて突出するとともに先端部にフランジ部34に係合する爪を有していること」は明らかである。

これらの記載事項と図示内容を総合すると,上記引用例には,以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「吸入口15及び吐出口17を有するポンプ本体10及びカバー30と,該ポンプ本体10及びカバー30のポンプ本体10内に回転自在に納められる回転羽根100と,該回転羽根100を回転させるモータ50と,を備え,
前記ポンプ本体10及びカバー30は,吸入口15が下端部に設けられるとともに吐出口17が上部側面に設けられるポンプ本体10と,その上方に設けられるカバー30と,前記ポンプ本体10のハウジング11にカバー30は嵌着され,弾性によりとりつけられるハウジング11の突起19とカバー30の外周のフランジ部34とからなり,
前記突起19と前記フランジ部34は,ポンプ本体10のハウジング11の上端部側面に直径上に対向して2個設けられた突起19と,カバー30の外周部に設けられるフランジ部34とからなり,
前記各突起19は,ポンプ本体10のハウジング11から上方に向けて突出するとともに先端部にフランジ部34に係合する爪を有している,排水ポンプ1A。」

3.発明の対比
本願補正発明と引用発明とを対比すると,後者の「吸入口15」は前者の「吸水口」に相当し,以下同様に,「吐出口17」は「排水口」に,「ポンプ本体10及びカバー30」は「ケース」に,「回転羽根100」は「回転羽根」に,「モータ50」は「モータ」に,「ポンプ本体10」は「ケース本体部材」に,「突起19とフランジ部34」は「弾性的結合手段」に,「突起19」は「係止片」に,「フランジ部34」は「被係止部」に,「排水ポンプ1A」は「排水ポンプ」にそれぞれ相当する。
また,後者の「ポンプ本体10及びカバー30のポンプ本体10内に回転自在に納められる回転羽根100」は,前者の「ケース内に回転自在に納められる回転羽根」に相当する。
次に,後者の「ポンプ本体10及びカバー30は,吸入口15が下端部に設けられるとともに吐出口17が上部側面に設けられるポンプ本体10と,その上方に設けられるカバー30と,前記ポンプ本体10のハウジング11にカバー30は嵌着され,弾性によりとりつけられるハウジング11の突起19とカバー30の外周のフランジ部34とからな」る態様と,前者の「ケースは,吸水口が下端部に設けられるとともに排水口が上部側面に設けられるケース本体部材と,その上方に配置されるモータ受け部材と,前記ケース本体部材と前記モータ受け部材とを弾性的に結合する弾性的結合手段とからな」る態様とは,「ケースは,吸水口が下端部に設けられるとともに排水口が上部側面に設けられるケース本体部材と,その上方に配置される部材と,前記ケース本体部材と前記部材とを弾性的に結合する弾性的結合手段とからな」る概念において共通する。
そして,後者の「突起19とフランジ部34は,ポンプ本体10のハウジング11の上端部側面に直径上に対向して2個設けられた突起19と,カバー30の外周部に設けられるフランジ部34とからな」る態様と,前者の「弾性的結合手段は,ケース本体部材の上端部側面に設けられた一対の係止片と,モータ受け部材の下端部側面に設けられる一対の被係止部とからな」る態様とは,「2個設けられた突起19」(一対の係止片)に対応して係止されるフランジ部34は「一対の被係止部」になるものと認められるから,「弾性的結合手段は,ケース本体部材の上端部側面に設けられた一対の係止片と,部材の側面に設けられる一対の被係止部とからな」る概念において共通し,後者の「各突起19は,ポンプ本体10のハウジング11から上方に向けて突出するとともに先端部にフランジ部34に係合する爪を有している」態様は,前者の「各係止片は,ケース本体部材から上方に向けて突出するとともに先端部に被係止部に係合する爪を有している」態様に相当する。
そうすると,両者は,
「吸水口及び排水口を有するケースと,該ケース内に回転自在に納められる回転羽根と,該回転羽根を回転させるモータと,を備え,
前記ケースは,前記吸水口が下端部に設けられるとともに前記排水口が上部側面に設けられるケース本体部材と,その上方に配置される部材と,前記ケース本体部材と前記部材とを弾性的に結合する弾性的結合手段とからなり,
前記弾性的結合手段は,前記ケース本体部材の上端部側面に設けられた一対の係止片と,前記部材の側面に設けられる一対の被係止部とからなり,
前記各係止片は,前記ケース本体部材から上方に向けて突出するとともに先端部に被係止部に係合する爪を有している,排水ポンプ。」
の点で一致し,以下の各点で相違すると認められる。

<相違点1>
ケース本体部材の上方に配置される「部材」が,本願補正発明では,「モータ受け部材」であるのに対して,引用発明では,「カバー」である点。

<相違点2>
一対の被係止部が設けられる「部材の側面」に関し,本願補正発明では,「モータ受け部材の下端部側面」であるのに対して,引用発明では,「カバーの外周部(側面)」である点。

<相違点3>
本願補正発明では,「各被係止部の両側には,係止片の装着時の装着ガイドとなると共に,係止片装着状態で当該係止片を両側から挟み込んでケース本体部材のモータ受け部材に対する回転阻止を担うように構成された上下に延びる左右一対の突起を備える」のに対して,引用発明では,そのような特定はなされていない点。

4.相違点の検討(当審の判断)
<相違点1について>
請求人が,本願明細書の段落【0002】?【0004】,図2に従来技術として示したように,ケース本体部材の上方に配置される部材を「モータ受け部材」とすることは,公知である(必要があれば,特開平10-299686号公報の段落【0013】の「筒状の受け部材113」,図1を参照のこと。)。
そして,引用発明の「カバー30」は,モータを受ける(固定する)部材であることは明記されていないものの,「カバー30」を従来技術である「モータ受け部材」とすることに格別の困難性はない。

<相違点2について>
相違点1について示したように,引用発明の「カバー30」を従来技術である「モータ受け部材」とする際に被係止部が設けられる個所を「下端部側面」とすることは,当業者が必要に応じて適宜採用可能な設計的事項に過ぎない。

<相違点3について>
引用発明のケース本体部材(ポンプ本体10のケーシング11)とカバー30の結合においても両者の周方向の位置決めの精度に留意して,回動防止を図るという課題は,内在するものと認められるとともに,固着手段において,極めて一般的な課題である。
そして,2つの部材を,両者の相対回動を規制しつつ固着する手段として,一方の部材の上端部側面に設けられた係止片(係止突起15)と,他方の部材の下端部側面に設けられた被係止部(係止つば13)とからなり,前記各係止片(係止突起15)は,前記一方の部材から上方に向けて突出するとともに先端部に前記被係止部(係止つば13)に係合する爪を有しており,前記各被係止部(係止つば13)の両側には,係止片(係止突起15)の装着状態で当該係止片(係止突起15)を両側から挟み込んで前記一方の部材の前記他方の部材に対する回転阻止を担うように構成された上下に延びる左右一対の突起(固定ウェブ18,19)を備えるものは,例えば,原査定の拒絶理由で示した特開平3-31572号公報(以下,「周知例」という。)の第3頁右上欄第1行ないし左下欄第13行並びに第2図及び第4図においてみられるように周知技術である。(括弧内は,対応する周知例の構成を示す。)
また,上記周知技術において,左右一対の突起(固定ウェブ18,19)が上下に延びるものである以上,上記2つの部材が軸線方向から装着するものである場合において,上記左右一対の突起が係止片の装着時の装着ガイドとして機能しうるものと認められる。

してみれば,引用発明に記載された発明の備える係止部(突起19)又は被係止部(フランジ部34)を有するケース本体部材(ポンプ本体10のケーシング11)とカバー30において,上記従来技術に鑑みて上記周知技術を適用して,弾性的結合手段(突起19,フランジ部34)を上記相違点3に係る本願補正発明の構成とすることは,当業者が容易に想到し得たものである。

そして,上記相違点を併せ備える本願補正発明の奏する作用効果について検討してみても,引用発明,上記従来技術,及び上記周知技術から当業者が予測し得たものであって,格別なものとはいえない。

したがって,本願補正発明は,引用発明,上記従来技術,及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

5.むすび
以上のとおり,本件補正は,平成18年法律55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり,同法第159条第1項で準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって,補正却下の決定の結論のとおり決定する。

III.本願発明について
1.本願発明の記載事項
本件補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,平成23年 5月17日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される,次のとおりのものと認められる。
「【請求項1】 吸水口及び排水口を有するケースと,該ケース内に回転自在に納められた回転体と,該回転体を回転させるモータと,を備える排水ポンプにおいて,
前記ケースは,前記吸水口が下端部に設けられるとともに前記排水口が上部側面に設けられたケース本体部材と,その上方に配置されるモータ受け部材と,前記ケース本体部材と前記モータ受け部材とを結合する結合手段とからなり,
前記結合手段は,前記ケース本体部材の上端部側面に設けられた一対の係止片と,前記モータ受け部材の下端部側面に設けられた一対の被係止部とからなり,
前記各係止片は,前記ケース本体部分(審決注:「ケース本材部材」の誤記と認める。)から上方に向けて突出するとともに先端部に前記被係止部に係合する爪を有しており,
前記各被係止部は,上下に延びる左右一対の突起を有し,前記係止片の爪が前記被係止部に係合した状態で前記一対の突起が前記係止片を両側から挟み込んで前記ケース本体部分の前記モータ受け部材に対する回転を阻止することを特徴とする排水ポンプ。」

2.引用例の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用例及びその記載事項は前記II.2.に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は,前記II.1.で検討した本願補正発明の「回転羽根」を「回転体」に,「ケース本体部材とモータ受け部材とを弾性的に結合する弾性的結合手段」を「ケース本体部材とモータ受け部材とを結合する結合手段」に,「弾性的結合手段」を「結合手段」に,「各被係止部の両側には,係止片の装着時の装着ガイドとなると共に,前記係止片装着状態で当該係止片を両側から挟み込んでケース本体部材のモータ受け部材に対する回転阻止を担うように構成された上下に延びる左右一対の突起を備えること」を「各被係止部は,上下に延びる左右一対の突起を有し,係止片の爪が前記被係止部に係合した状態で前記一対の突起が前記係止片を両側から挟み込んでケース本体部材のモータ受け部材に対する回転を阻止すること」としたものである。
そうすると,本願補正発明が,引用発明,上記従来技術,及び,上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願補正発明の上位概念発明である本願発明も,同様に,引用発明,上記従来技術,及び,上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおり,本願発明は,引用発明,上記従来技術,及び,上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-03-28 
結審通知日 2012-04-03 
審決日 2012-04-17 
出願番号 特願2001-291200(P2001-291200)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (F04D)
P 1 8・ 121- Z (F04D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大谷 謙仁  
特許庁審判長 大河原 裕
特許庁審判官 槙原 進
藤井 昇
発明の名称 排水ポンプ  
代理人 特許業務法人第一国際特許事務所  

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