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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1261040
審判番号 不服2010-16970  
総通号数 153 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-09-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-07-28 
確定日 2012-08-01 
事件の表示 特願2006-313342「同一のチャンネル番号に対応するユーザーIDとマルチメディアコンテンツを表示する方法及び通信装置」拒絶査定不服審判事件〔平成19年12月 6日出願公開、特開2007-318715〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
1 手続
本願は、平成18年11月20日(パリ条約の例による優先権主張(特許法第43条の2第1項の世界貿易機関の加盟国の国民) 2006年5月26日、米国)の出願であって、手続の概要は以下のとおりである。

拒絶理由通知 平成21年 6月24日(起案日)
手続補正 平成21年 9月24日
拒絶理由通知(最後) 平成21年11月 5日(起案日)
手続補正 平成22年 2月 8日
補正の却下の決定 平成22年 3月24日(起案日)
拒絶査定 平成22年 3月24日(起案日)
拒絶査定不服審判請求 平成22年 7月28日
手続補正 平成22年 7月28日

2 査定
原審での査定の理由(拒絶理由通知(最後)、平成21年11月5日)は、概略、以下のとおりである。
<理由1>
本願の請求項1,2,11,12に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物1に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

<理由2>
本願の請求項1,2,11,12に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物1に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

刊行物1:特表2001-520426号公報

<理由3>
この出願は、下記の点で特許法第37条に規定する要件を満たしていない。

上述の通り、請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明であるので、請求項1に係る発明が有している技術的特徴は、先行文献である引用文献1に対する貢献をもたらすものではないから、特別な技術的特徴であるとはいえない。
したがって、請求項1に係る発明と、請求項2-20に係る発明との間で同一の又は対応する特別な技術的特徴を見出すことができない。

第2 補正却下の決定
平成22年 7月28日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)について次のとおり決定する。

《結論》
平成22年 7月28日付けの手続補正を却下する。

《理由》
1 本件補正の内容
平成22年2月8日付けの補正は却下されているので、本件補正は、本件補正前、平成21年 9月24日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲についてする補正であり、補正前の請求項1ないし20を、補正後の請求項1ないし16とするものである。

特許請求の範囲(補正前)
【請求項1】
マルチメディアコンテンツを特定通信装置で表示するマルチメディアコンテンツ表示方法であって、
特定通信装置の現在指定マルチメディアコンテンツチャンネルを検出するステップと、
特定通信装置の現在指定の特定チャンネル番号に対応する特定マルチメディアコンテンツと、情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップと、
を含み、
情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に、
指定されたチャンネル番号に対応する複数のユーザーIDを表示するステップを含む、
ことを特徴とするマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項2】
前記特定通信装置は通信ネットワークに結合され、情報通信ユーザーインターフェイスに表示する情報を通信ネットワークから受信するか、または情報通信ユーザーインターフェイスから受信した情報を通信ネットワークに送信することを特徴とする請求項1記載のマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項3】
前記情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に、
指定された相応のチャンネル番号を表示するステップを含むことを特徴とする請求項1記載のマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項4】
前記ユーザーIDは登録済のユーザーIDであることを特徴とする請求項1記載のマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項5】
前記通信装置は、特定通信装置に現在指定されている同一の特定チャンネル番号に対応することを特徴とする請求項1記載のマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項6】
前記情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に、
情報通信ユーザーインターフェイスを介して通信装置からの使用者入力を受発信するステップを含むことを特徴とする請求項1記載のマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項7】
前記通信装置は、特定通信装置に現在指定されている同一の特定チャンネル番号に対応することを特徴とする請求項6記載のマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項8】
前記通信装置は、特定通信装置に現在指定されている同一の特定チャンネル番号に対応していないことを特徴とする請求項6記載のマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項9】
前記マルチメディアコンテンツチャンネルはテレビ番組チャンネルであることを特徴とする請求項1記載のマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項10】
前記情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に、
情報通信ユーザーインターフェイスを介して使用者入力でない受信情報を表示するステップを含むことを特徴とする請求項1記載のマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項11】
マルチメディアコンテンツを表示装置で表示する通信装置であって、
特定マルチメディアコンテンツを受信して処理し、表示装置を駆動するビデオプロセッサーと、
ビデオプロセッサーに結合されるマイクロプロセッサーと、
マイクロプロセッサーに結合され、プログラム実行コードを保存する保存装置と、
を含み、
マイクロプロセッサーに実行されるプログラム実行コードは、
特定通信装置の現在指定マルチメディアコンテンツチャンネルを検出し、
表示装置を駆動するようにビデオプロセッサーを制御し、特定通信装置の現在指定の特定チャンネル番号に対応する特定マルチメディアコンテンツと、情報通信ユーザーインターフェイスを表示させ、
マイクロプロセッサーは更に、プログラム実行コードを実行して表示装置を駆動するようにビデオプロセッサーを制御し、指定されたチャンネル番号に対応する複数のユーザーIDを表示させる、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項12】
前記通信装置は通信ネットワークに結合され、情報通信ユーザーインターフェイスに表示する情報を通信ネットワークから受信するか、または情報通信ユーザーインターフェイスから受信した情報を通信ネットワークに送信することを特徴とする請求項11記載の通信装置。
【請求項13】
前記マイクロプロセッサーは更に、プログラム実行コードを実行して表示装置を駆動するようにビデオプロセッサーを制御し、指定された相応のチャンネル番号を表示させることを特徴とする請求項11記載のマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項14】
前記ユーザーIDは登録済のユーザーIDであることを特徴とする請求項11記載の通信装置。
【請求項15】
前記通信装置は、特定通信装置に現在指定されている同一の特定チャンネル番号に対応することを特徴とする請求項11記載の通信装置。
【請求項16】
前記マイクロプロセッサーは更に、プログラム実行コードを実行して表示装置を駆動するようにビデオプロセッサーを制御し、情報通信ユーザーインターフェイスを介して通信装置からの使用者入力を受発信させることを特徴とする請求項11記載の通信装置。
【請求項17】
前記通信装置は、特定通信装置に現在指定されている同一の特定チャンネル番号に対応することを特徴とする請求項16記載の通信装置。
【請求項18】
前記通信装置は、特定通信装置に現在指定されている同一の特定チャンネル番号に対応していないことを特徴とする請求項16記載の通信装置。
【請求項19】
前記マルチメディアコンテンツチャンネルはテレビ番組チャンネルであることを特徴とする請求項11記載の通信装置。
【請求項20】
前記マイクロプロセッサーは更に、プログラム実行コードを実行して表示装置を駆動するようにビデオプロセッサーを制御し、使用者入力でない受信情報を表示させることを特徴とする請求項11記載の通信装置。

特許請求の範囲(補正後)
【請求項1】
マルチメディアコンテンツを特定通信装置で表示するマルチメディアコンテンツ表示方法であって、
特定通信装置の現在指定マルチメディアコンテンツチャンネルを検出するステップと、
特定通信装置の現在指定の特定チャンネル番号に対応する特定マルチメディアコンテンツと、情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップと、
を含み、
情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に、
指定されたチャンネル番号に対応する複数のユーザーIDを表示するステップと、
情報通信ユーザーインターフェイスを介してニュース又はフォーラムを含む受信情報を表示するステップと、
を含む、
ことを特徴とするマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項2】
前記情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に、
指定された相応のチャンネル番号を表示するステップを含むことを特徴とする請求項1記載のマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項3】
前記ユーザーIDは登録済のユーザーIDであることを特徴とする請求項1記載のマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項4】
前記通信装置は、特定通信装置に現在指定されている同一の特定チャンネル番号に対応することを特徴とする請求項1記載のマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項5】
前記情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に、
情報通信ユーザーインターフェイスを介して通信装置からの使用者入力を受発信するステップを含むことを特徴とする請求項1記載のマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項6】
前記通信装置は、特定通信装置に現在指定されている同一の特定チャンネル番号に対応することを特徴とする請求項5記載のマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項7】
前記通信装置は、特定通信装置に現在指定されている同一の特定チャンネル番号に対応していないことを特徴とする請求項5記載のマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項8】
前記マルチメディアコンテンツチャンネルはテレビ番組チャンネルであることを特徴とする請求項1記載のマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項9】
マルチメディアコンテンツを表示装置で表示する通信装置であって、
特定マルチメディアコンテンツを受信して処理し、表示装置を駆動するビデオプロセッサーと、
ビデオプロセッサーに結合されるマイクロプロセッサーと、
マイクロプロセッサーに結合され、プログラム実行コードを保存する保存装置と、
を含み、
マイクロプロセッサーに実行されるプログラム実行コードは、
特定通信装置の現在指定マルチメディアコンテンツチャンネルを検出し、
表示装置を駆動するようにビデオプロセッサーを制御し、特定通信装置の現在指定の特定チャンネル番号に対応する特定マルチメディアコンテンツと、情報通信ユーザーインターフェイスを表示させ、
マイクロプロセッサーは更に、
プログラム実行コードを実行して表示装置を駆動するようにビデオプロセッサーを制御し、指定されたチャンネル番号に対応する複数のユーザーIDを表示させ、
プログラム実行コードを実行して表示装置を駆動するようにビデオプロセッサーを制御し、ニュース又はフォーラムを含む受信情報を表示させる、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項10】
前記マイクロプロセッサーは更に、プログラム実行コードを実行して表示装置を駆動するようにビデオプロセッサーを制御し、指定された相応のチャンネル番号を表示させることを特徴とする請求項9記載のマルチメディアコンテンツ表示方法。
【請求項11】
前記ユーザーIDは登録済のユーザーIDであることを特徴とする請求項9記載の通信装置。
【請求項12】
前記通信装置は、特定通信装置に現在指定されている同一の特定チャンネル番号に対応することを特徴とする請求項9記載の通信装置。
【請求項13】
前記マイクロプロセッサーは更に、プログラム実行コードを実行して表示装置を駆動するようにビデオプロセッサーを制御し、情報通信ユーザーインターフェイスを介して通信装置からの使用者入力を受発信させることを特徴とする請求項9記載の通信装置。
【請求項14】
前記通信装置は、特定通信装置に現在指定されている同一の特定チャンネル番号に対応することを特徴とする請求項13記載の通信装置。
【請求項15】
前記通信装置は、特定通信装置に現在指定されている同一の特定チャンネル番号に対応していないことを特徴とする請求項13記載の通信装置。
【請求項16】
前記マルチメディアコンテンツチャンネルはテレビ番組チャンネルであることを特徴とする請求項9記載の通信装置。

2 補正の適合性
(1)補正の範囲(第17条の2第3項)
本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の記載に基づくものであるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてする補正である。

(2)補正の目的(第17条の2第4項第1号?第4号)
本件補正は、補正前の請求項1に係る発明における「情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップ」を、更に「情報通信ユーザーインターフェイスを介してニュース又はフォーラムを含む受信情報を表示するステップ」を含むとして補正後の請求項1とする補正と、
補正前の請求項11に係る発明における「マイクロプロセッサー」を「プログラム実行コードを実行して表示装置を駆動するようにビデオプロセッサーを制御し、ニュース又はフォーラムを含む受信情報を表示させる」として補正後の請求項9とする補正と、
補正前の請求項2,10,12,20を削除する補正とを含むものであり、
前記「情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップ」を、更に「情報通信ユーザーインターフェイスを介してニュース又はフォーラムを含む受信情報を表示するステップ」を含むとする補正は、前記「情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップ」として、更に「情報通信ユーザーインターフェイスを介してニュース又はフォーラムを含む受信情報を表示するステップ」を含むものに限定する補正であるということができ、
また、「マイクロプロセッサー」を「プログラム実行コードを実行して表示装置を駆動するようにビデオプロセッサーを制御し、ニュース又はフォーラムを含む受信情報を表示させる」とする補正は、前記「マイクロプロセッサー」が「プログラム実行コードを実行して表示装置を駆動するようにビデオプロセッサーを制御し、ニュース又はフォーラムを含む受信情報を表示させる」ものに限定する補正であるということができるから、
補正後の請求項1,9に対する補正は特許請求の範囲の減縮に該当する補正事項であると認められる。
また、補正前の請求項2,10,12,20を削除する補正は、請求項の削除に該当する補正事項であると認められる。

(3)独立特許要件(第17条の2第5項)
本件補正は、上記のとおり、請求項の削除および特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。そこで、特許請求の範囲の減縮を目的とする本件補正後の請求項1に係る発明が、独立して特許を受けることができる発明であるか検討する。

ア 補正後の本願発明

本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という)は、以下のとおりのものである。

【請求項1】
マルチメディアコンテンツを特定通信装置で表示するマルチメディアコンテンツ表示方法であって、
特定通信装置の現在指定マルチメディアコンテンツチャンネルを検出するステップと、
特定通信装置の現在指定の特定チャンネル番号に対応する特定マルチメディアコンテンツと、情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップと、
を含み、
情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に、
指定されたチャンネル番号に対応する複数のユーザーIDを表示するステップと、
情報通信ユーザーインターフェイスを介してニュース又はフォーラムを含む受信情報を表示するステップと、
を含む、
ことを特徴とするマルチメディアコンテンツ表示方法。

イ 刊行物1の記載

原査定の拒絶の理由で引用された特表2001-520426号公報(以下「刊行物1」という)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。
(刊行物1の記載)

「【0009】
まず図1を参照すると、本発明の実施形態によるコンピュータ化チャット・システムの図が示される。サーバ20に機能的に結合した多数のコンピュータ・システム5、7及び9が示される。各コンピュータ・システムは本発明に適した様々な構成を表している。 …略…

【0022】
コンピュータ・システム5及び9は本発明に適したコンピュータ・システムの他の実施形態を示している。コンピュータ・システム5には、コンピュータ10、無線ポインティング・デバイス14、及び無線キーボード16が含まれ、コンピュータ・システム7に関連して説明されたものとほぼ同様である。しかし、コンピュータ・システム5にはコンピュータ・モニタが含まれない。その代わり、システム5のコンピュータ10は情報をテレビ受像機モニタ18に表示する。例えば、システム5のコンピュータ10には一体型チューナ・カードがすでに設置されている。この種のコンピュータには、サウスダコタ州North Sioux CityのGateway 2000,Inc.から入手可能なDestination Big Screen PC/TVが含まれ、これにはHarman Interactive SmartTVソフトウェアが含まれている。このソフトウェアは、コンピュータ・ユーザがテレビを全画面または、デスクトップの随所に移動できる大きさの変更が可能なウィンドウの何れかで見られるようにしており、必要に応じてオンライン電子番組ガイドへのアクセスが含まれる。

【0024】
ここで図2を参照すると、本発明の実施形態による方法の流れ図が示される。本方法は図1に示された本発明の好適実施形態に関連して説明されるが、本方法はこれに限定されるものではなく、本発明の他の構成にも同様に応用できる。ステップ24では、クライアント・コンピュータ(例えば、図1のコンピュータ10)が初期化される。これには、すでに説明されたようなチャットルーム能力を有する適当な通信ソフトウェアを通じて(例えば、インターネット、及び/またはモデムを通じて)コンピュータをサーバ・コンピュータにログオンするステップが含まれる。クライアント・コンピュータのユーザ名も、好適にはこの初期化ステップでサーバに送信される。クライアント・コンピュータには、電子番組ガイド、またはインターネットまたはサーバから直接ダウンロードされた情報が含まれ、これには対応するチューナ(例えば図1のテレビ受像機18の一部であるチューナ)の各チャンネルの各番組の識別コードが含まれる。

【0025】
ステップ26では、クライアント・コンピュータに対応するチューナのチャンネルが選択される。すでに説明されたように、このチャンネルは、NBC、ABC、ESPN等といったテレビ・チャンネルのことがある。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。コンピュータはステップ28で、当業技術分野で周知のようにチャンネルを検出する。ステップ30では、コンピュータは、電子番組ガイドに対して、コンピュータが動作している現行の時間と日付と共にコードを参照することでチャンネルの現行番組の識別コードを判定する。次にこの識別コードはステップ32で中央サーバ(例えば、図1のサーバ20)に送信される。サーバは、ステップ32で送信された識別コードに基づいて、ステップ34でコンピュータにリンクされたチャットルームを切り換える。すなわち、コンピュータはステップ32で送信された識別コードを有する番組特定のチャットルームにリンクされる。そこでユーザは、同じサーバにログインし、(たとえ別のチャンネルに合わせていても)同じ番組を上映しているチャンネルにチューナを合わせている他のユーザとチャットすることができる。

【0026】
ユーザがステップ36でチャンネルを切り換える(または別のチャンネル切換事象または割込みが発生する)と、処理はステップ26から反復される。 …略…

【0027】
ここで図3を参照すると、本発明の実施形態による代表的なコンピュータ画面の1ショットの図が示される。このコンピュータ画面の1ショットは、一体型チューナ・カードを有するクライアント・コンピュータ上で動作する、チャットルーム能力を有する通信ソフトウェアのものであり、テレビ番組は、コンピュータに結合されたモニタのディスプレイ画面上のウィンドウとして見られる。しかし、本発明は図3の代表的画面ショットに特に限定されるものではない。ディスプレイ画面38にはテレビ番組領域40が含まれ、そこでは実際のテレビ番組が見られる。このテレビ番組は、有線または衛星テレビといった供給源に接続された一体型チューナ・カードから直接得られる。テレビ制御領域42は、音量とチャンネルの選択を制御する画面上のボタンを提供する。チャットルーム識別領域44はチャットルームの名前を示す。すなわちこれは、そのチャットルームの特定の対象であるテレビ番組を示している。この情報は、情報をクライアント・コンピュータに送信するサーバによって維持される。

【0028】
参加者領域46はそのコンピュータ・チャットルームに参加しているコンピュータ・ユーザの名前を列挙する。これらの名前は、好適にはクライアント・コンピュータが最初にサーバ・コンピュータにログオンする時に得られる。サーバ・コンピュータはこの名前のリストをも維持しており、必要な場合、すなわち新しいユーザがチャットルームに入ってきた場合やユーザがチャットルームを出る場合、リストをクライアント・コンピュータに送信する。チャットルーム内の他者が見るテキストを入力するコンピュータ・ユーザは、テキスト入力領域48で入力したテキストを見ることができる。テキストは好適には、ユーザがエンターキーを押すか、画面上の送信ボタンをクリックするまではサーバに送信されない。テキストが送信されると、サーバは情報の出所ユーザの名前と共に、情報を全てのクライアント・コンピュータに送信する。するとこの情報はチャット領域52に表示される。その他の状態情報は状態表示領域54に表示される。

【0029】
従って、制御領域42内の制御を使用してテレビ番組を選択したコンピュータ・ユーザはテレビ番組領域40で番組を見ることができる。ユーザがそのようにチャンネルを選択すると、そのチャンネルの現行番組の識別コードがサーバに送信される。サーバはこの情報を受信し、チャットルーム識別領域44に表示するチャットルームの名前をコンピュータに送信する。サーバはまた、参加者領域46に表示する、そのチャットルームにすでに参加している他のユーザに関する情報も送信する。ユーザはチャット領域52で他のユーザが入力したものを見ることができるが、これはその情報がサーバによってユーザのコンピュータに送信されるからである。チャットルーム内の全てのユーザは同じ番組を見ているので、通常ユーザはその番組についてチャットする。ユーザはテキスト入力領域48に自分のコメントを入力できるが、それは画面上のボタン50の選択によってサーバに送信され、その後(コメントの作成者を含む)全てのユーザのコンピュータに送信される。

【0030】
ユーザが制御領域42を通じてチャンネルを切り換えると、新しいテレビ番組が領域40で見られ、サーバはすぐに領域44及び46で表示する新しい情報を送信する。ユーザがチャンネルを切り換えない場合、領域46及び52の情報は必要な場合サーバによってアップデートされ、表示のためコンピュータに送信される。すなわち、新しいコメントが様々なユーザのテキスト入力領域48に入力されると、そのコメントは他のユーザのチャット領域で見られる。チャットルームに参加しているユーザが変化すると、参加者領域46も変化する。」

(刊行物1の記載、以上)

ウ 刊行物1に記載された発明(引用発明)
刊行物1には、図1を参照して「コンピュータ化チャット・システム」が示され、「サーバ20に機能的に結合した多数のコンピュータ・システム5」(段落【0009】)が示され、また、前記「コンピュータ・システム5には、コンピュータ10、無線ポインティング・デバイス14、及び無線キーボード16が含まれ」、「システム5のコンピュータ10は情報をテレビ受像機モニタ18に表示する」(段落【0022】)ことが記載されており、段落【0027】?【0030】において「コンピュータに結合されたモニタのディスプレイ画面上」の具体的な表示例が記載されていることから、
刊行物1には前記「コンピュータ化チャット・システム」の「コンピュータ・システム5」における「テレビ受像機モニタ18に」(「コンピュータに結合されたモニタのディスプレイ画面上」に)「情報を」「表示する」表示方法の発明が認められ、これを刊行物1に記載された発明として認定する。

刊行物1に記載の前記コンピュータ・システム5は、
「ステップ24で」「クライアント・コンピュータ(例えば、図1のコンピュータ10)が初期化され」、「チャットルーム能力を有する適当な通信ソフトウェアを通じて(例えば、インターネット、及び/またはモデムを通じて)コンピュータをサーバ・コンピュータにログオン」し、「クライアント・コンピュータのユーザ名も、好適にはこの初期化ステップでサーバに送信され」、(段落【0024】)
「ステップ26では、クライアント・コンピュータに対応するチューナのチャンネルが選択され」、「コンピュータはステップ28で、当業技術分野で周知のようにチャンネルを検出」し、「ステップ30では、コンピュータは」「チャンネルの現行番組の識別コードを判定」し、「この識別コードはステップ32で中央サーバ(例えば、図1のサーバ20)に送信され」、「サーバは、ステップ32で送信された識別コードに基づいて、ステップ34でコンピュータにリンクされたチャットルームを切り換える。すなわち、コンピュータはステップ32で送信された識別コードを有する番組特定のチャットルームにリンクされ」、「そこでユーザは、同じサーバにログインし、(たとえ別のチャンネルに合わせていても)同じ番組を上映しているチャンネルにチューナを合わせている他のユーザとチャットすることができ」、(段落【0025】)
「ユーザがステップ36でチャンネルを切り換える(または別のチャンネル切換事象または割込みが発生する)と、処理はステップ26から反復される。」(段落【0026】)
そして、「テレビ番組は、コンピュータに結合されたモニタのディスプレイ画面上のウィンドウとして見られ」、「ディスプレイ画面38にはテレビ番組領域40が含まれ、そこでは実際のテレビ番組が見られ」、「テレビ制御領域42は、音量とチャンネルの選択を制御する画面上のボタンを提供」し、「チャットルーム識別領域44はチャットルームの名前」すなわち「そのチャットルームの特定の対象であるテレビ番組を示し」、(段落【0027】)
「参加者領域46はそのコンピュータ・チャットルームに参加しているコンピュータ・ユーザの名前を列挙」し、「これらの名前は、好適にはクライアント・コンピュータが最初にサーバ・コンピュータにログオンする時に得られる」ものであり、「サーバ・コンピュータはこの名前のリストをも維持しており、必要な場合、すなわち新しいユーザがチャットルームに入ってきた場合やユーザがチャットルームを出る場合、リストをクライアント・コンピュータに送信」し、「チャットルーム内の他者が見るテキストを入力するコンピュータ・ユーザは、テキスト入力領域48で入力したテキストを見ることができる。テキストは好適には、ユーザがエンターキーを押すか、画面上の送信ボタンをクリックするまではサーバに送信されない。テキストが送信されると、サーバは情報の出所ユーザの名前と共に、情報を全てのクライアント・コンピュータに送信する。するとこの情報はチャット領域52に表示される。」(段落【0028】)
「従って、制御領域42内の制御を使用してテレビ番組を選択したコンピュータ・ユーザはテレビ番組領域40で番組を見ることができる。ユーザがそのようにチャンネルを選択すると、そのチャンネルの現行番組の識別コードがサーバに送信される。サーバはこの情報を受信し、チャットルーム識別領域44に表示するチャットルームの名前をコンピュータに送信する。サーバはまた、参加者領域46に表示する、そのチャットルームにすでに参加している他のユーザに関する情報も送信する。ユーザはチャット領域52で他のユーザが入力したものを見ることができる」。「チャットルーム内の全てのユーザは同じ番組を見ているので、通常ユーザはその番組についてチャットする。ユーザはテキスト入力領域48に自分のコメントを入力できるが、それは画面上のボタン50の選択によってサーバに送信され、その後(コメントの作成者を含む)全てのユーザのコンピュータに送信される。」(段落【0029】)
「ユーザが制御領域42を通じてチャンネルを切り換えると、新しいテレビ番組が領域40で見られ、サーバはすぐに領域44及び46で表示する新しい情報を送信する。ユーザがチャンネルを切り換えない場合、領域46及び52の情報は必要な場合サーバによってアップデートされ、表示のためコンピュータに送信される。すなわち、新しいコメントが様々なユーザのテキスト入力領域48に入力されると、そのコメントは他のユーザのチャット領域で見られる。チャットルームに参加しているユーザが変化すると、参加者領域46も変化する。」(段落【0030】)

以上より、刊行物1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「コンピュータ化チャット・システムのコンピュータ・システム5におけるテレビ受像機モニタ18に(コンピュータに結合されたモニタのディスプレイ画面上に)情報を表示する表示方法において、
前記コンピュータ・システム5は、
ステップ24でクライアント・コンピュータ(例えば、図1のコンピュータ10)が初期化され、チャットルーム能力を有する適当な通信ソフトウェアを通じて(例えば、インターネット、及び/またはモデムを通じて)コンピュータをサーバ・コンピュータにログオンし、クライアント・コンピュータのユーザ名も、好適にはこの初期化ステップでサーバに送信され、
ステップ26では、クライアント・コンピュータに対応するチューナのチャンネルが選択され、コンピュータはステップ28で、当業技術分野で周知のようにチャンネルを検出し、ステップ30では、コンピュータはチャンネルの現行番組の識別コードを判定し、この識別コードはステップ32で中央サーバ(例えば、図1のサーバ20)に送信され、サーバは、ステップ32で送信された識別コードに基づいて、ステップ34でコンピュータにリンクされたチャットルームを切り換える。すなわち、コンピュータはステップ32で送信された識別コードを有する番組特定のチャットルームにリンクされ、そこでユーザは、同じサーバにログインし、(たとえ別のチャンネルに合わせていても)同じ番組を上映しているチャンネルにチューナを合わせている他のユーザとチャットすることができ、
ユーザがステップ36でチャンネルを切り換える(または別のチャンネル切換事象または割込みが発生する)と、処理はステップ26から反復される。
そして、テレビ番組は、コンピュータに結合されたモニタのディスプレイ画面上のウィンドウとして見られ、ディスプレイ画面38にはテレビ番組領域40が含まれ、そこでは実際のテレビ番組が見られ、テレビ制御領域42は、音量とチャンネルの選択を制御する画面上のボタンを提供し、チャットルーム識別領域44はチャットルームの名前すなわちそのチャットルームの特定の対象であるテレビ番組を示し、
参加者領域46はそのコンピュータ・チャットルームに参加しているコンピュータ・ユーザの名前を列挙し、これらの名前は、好適にはクライアント・コンピュータが最初にサーバ・コンピュータにログオンする時に得られるものであり、サーバ・コンピュータはこの名前のリストをも維持しており、必要な場合、すなわち新しいユーザがチャットルームに入ってきた場合やユーザがチャットルームを出る場合、リストをクライアント・コンピュータに送信し、チャットルーム内の他者が見るテキストを入力するコンピュータ・ユーザは、テキスト入力領域48で入力したテキストを見ることができる。テキストは好適には、ユーザがエンターキーを押すか、画面上の送信ボタンをクリックするまではサーバに送信されない。テキストが送信されると、サーバは情報の出所ユーザの名前と共に、情報を全てのクライアント・コンピュータに送信する。するとこの情報はチャット領域52に表示される。
従って、制御領域42内の制御を使用してテレビ番組を選択したコンピュータ・ユーザはテレビ番組領域40で番組を見ることができる。ユーザがそのようにチャンネルを選択すると、そのチャンネルの現行番組の識別コードがサーバに送信される。サーバはこの情報を受信し、チャットルーム識別領域44に表示するチャットルームの名前をコンピュータに送信する。サーバはまた、参加者領域46に表示する、そのチャットルームにすでに参加している他のユーザに関する情報も送信する。ユーザはチャット領域52で他のユーザが入力したものを見ることができる。チャットルーム内の全てのユーザは同じ番組を見ているので、通常ユーザはその番組についてチャットする。ユーザはテキスト入力領域48に自分のコメントを入力できるが、それは画面上のボタン50の選択によってサーバに送信され、その後(コメントの作成者を含む)全てのユーザのコンピュータに送信される。
ユーザが制御領域42を通じてチャンネルを切り換えると、新しいテレビ番組が領域40で見られ、サーバはすぐに領域44及び46で表示する新しい情報を送信する。ユーザがチャンネルを切り換えない場合、領域46及び52の情報は必要な場合サーバによってアップデートされ、表示のためコンピュータに送信される。すなわち、新しいコメントが様々なユーザのテキスト入力領域48に入力されると、そのコメントは他のユーザのチャット領域で見られる。チャットルームに参加しているユーザが変化すると、参加者領域46も変化する。」

エ 本件補正発明と引用発明との対比

(ア)「マルチメディアコンテンツを特定通信装置で表示するマルチメディアコンテンツ表示方法」について

引用発明の「コンピュータ化チャット・システムのコンピュータ・システム5におけるテレビ受像機モニタ18に(コンピュータに結合されたモニタのディスプレイ画面上に)情報を表示する表示方法」について、
「コンピュータ化チャット・システム」はコンピュータを用いてチャットを行うものであって、チャットは通信といえ、その「コンピュータ化チャット・システムのコンピュータ・システム5」および「コンピュータ・システム5」における「情報を表示する」「テレビ受像機モニタ18」はチャットを行うための装置であって通信装置といえるから、「コンピュータ化チャット・システムのコンピュータ・システム5におけるテレビ受像機モニタ18に」「表示する」表示方法は、通信装置で表示する表示方法といえる。

本件補正発明において「通信装置」を「特定」というのは、定義が明示されていないものの、ネットワーク接続される複数の通信装置のうちのある一つの通信装置が、その一つの通信装置において検出された現在指定のチャンネルが登録され、照合されることで同一のチャンネルを鑑賞しているほかの通信装置のユーザIDがチャットウィンドウ、すなわち、ユーザーインターフェイスに表示されることにおいて、複数の通信装置の中からほかの通信装置と区別されることを「特定」というと認められ、
引用発明の前記通信装置(前記「コンピュータ・システム5」および前記「テレビ受像機モニタ18」)も、複数の(サーバ20に機能的に結合した)通信装置(前記「コンピュータ・システム5」および前記「テレビ受像機モニタ18」)のうちの、ある一つの通信装置が、番組特定のチャットルームにリンクされることにおいて、他の通信装置と区別されるのであるから、本件補正発明と同じく「特定」といい得る。

そして、「テレビ受像機モニタ18に」「情報を表示する」に関して、「テレビ番組は、コンピュータに結合されたモニタのディスプレイ画面上のウィンドウとして見られ、ディスプレイ画面38にはテレビ番組領域40が含まれ、そこでは実際のテレビ番組が見られ」、前記「モニタ」は前記「テレビ受像機モニタ18」であるから、引用発明においては「テレビ受像機モニタ18に」前記「テレビ番組」を「表示」し、前記「テレビ番組」は映像と音声を含む番組であってマルチメディアコンテンツといいうるから、「テレビ受像機モニタ18に」「情報を表示する」は「テレビ受像機モニタ18に」マルチメディアコンテンツを「表示する」といえる。

よって、引用発明の「コンピュータ化チャット・システムのコンピュータ・システム5におけるテレビ受像機モニタ18に(コンピュータに結合されたモニタのディスプレイ画面上に)情報を表示する表示方法」は、
マルチメディアコンテンツを特定通信装置で表示するマルチメディアコンテンツ表示方法といえる。
よって、引用発明にはマルチメディアコンテンツを特定通信装置で表示するマルチメディアコンテンツ表示方法が記載されているといえる。

(イ)「特定通信装置の現在指定マルチメディアコンテンツチャンネルを検出するステップ」について

引用発明の「ステップ26では、クライアント・コンピュータに対応するチューナのチャンネルが選択され、コンピュータはステップ28で、当業技術分野で周知のようにチャンネルを検出」することについて、
「ステップ26で」「選択され」た「チャンネル」を「ステップ28で」「検出」するのであって、
前記「選択され」た「チャンネル」は前記「選択され」て現在指定されている現在指定のチャンネルといえ、
前記「チャンネル」は「NBC、ABC、ESPN等といったテレビ・チャンネルのこと」(段落【0025】)であって前記「テレビ・チャンネル」はマルチメディアコンテンツチャンネルといえ、
前記「クライアント・コンピュータに対応するチューナの」は「コンピュータ・システム5」の「コンピュータ(クライアント・コンピュータ)」「に対応するチューナの」であって、前記「コンピュータ・システム5」は特定通信装置といえるから、「クライアント・コンピュータに対応するチューナの」は「特定通信装置の」といえる。

よって、引用発明の「ステップ26では、クライアント・コンピュータに対応するチューナのチャンネルが選択され、コンピュータはステップ28で、当業技術分野で周知のようにチャンネルを検出」するは、特定通信装置の現在指定のマルチメディアコンテンツチャンネルを検出するといえるから、
引用発明は特定通信装置の現在指定のマルチメディアコンテンツチャンネルを検出するステップを含むといえる。

(ウ)「特定通信装置の現在指定の特定チャンネル番号に対応する特定マルチメディアコンテンツと、情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップ」について

(ウ-1)特定通信装置の現在指定の特定チャンネル番号に対応する特定マルチメディアコンテンツを表示することについて

引用発明においては、「テレビ番組は、コンピュータに結合されたモニタのディスプレイ画面上のウィンドウとして見られ、ディスプレイ画面38にはテレビ番組領域40が含まれ、そこでは実際のテレビ番組が見られ、テレビ制御領域42は、音量とチャンネルの選択を制御する画面上のボタンを提供し、」「制御領域42内の制御を使用してテレビ番組を選択したコンピュータ・ユーザはテレビ番組領域40で番組を見ることができ」、「ユーザが制御領域42を通じてチャンネルを切り換えると、新しいテレビ番組が領域40で見られ」る。

「ユーザが制御領域42を通じてチャンネルを切り換えると、新しいテレビ番組が領域40で見られ」るは、ユーザが「テレビ番組を選択し」て「テレビ番組領域40で番組を見る」ために「ユーザが制御領域42を通じてチャンネルを切り換え」て特定チャンネル番号を指定し前記特定チャンネル番号に対応する特定「テレビ番組」が「領域40で見られ」るであり、前記ユーザが指定した前記特定チャンネル番号は現在指定の特定チャンネル番号であり、前記特定「テレビ番組」は特定マルチメディアコンテンツといえ、前記「領域40で見られ」るは「領域40」(「ディスプレイ画面38に」「含まれ」る「テレビ番組領域40」)に表示されるであり、
また、「コンピュータに結合されたモニタ」は、上記エ(ア)において記載したように、「コンピュータ・システム5」の「コンピュータに結合されたモニタ」であって前記「コンピュータ・システム5」は特定通信装置であるから「コンピュータに結合されたモニタの」は特定通信装置のといえる。

よって、引用発明の、「テレビ番組は、コンピュータに結合されたモニタのディスプレイ画面上のウィンドウとして見られ、ディスプレイ画面38にはテレビ番組領域40が含まれ、そこでは実際のテレビ番組が見られ、テレビ制御領域42は、音量とチャンネルの選択を制御する画面上のボタンを提供し、」「制御領域42内の制御を使用してテレビ番組を選択したコンピュータ・ユーザはテレビ番組領域40で番組を見ることができ」、「ユーザが制御領域42を通じてチャンネルを切り換えると、新しいテレビ番組が領域40で見られ」るは、特定通信装置の現在指定の特定チャンネル番号に対応する特定マルチメディアコンテンツが表示されるといえるから、
引用発明には、特定通信装置の現在指定の特定チャンネル番号に対応する特定マルチメディアコンテンツが表示されることが記載されている。

(ウー2)情報通信ユーザーインターフェイスを表示することについて
引用発明においては、「チャットルーム識別領域44はチャットルームの名前すなわちそのチャットルームの特定の対象であるテレビ番組を示し、参加者領域46はそのコンピュータ・チャットルームに参加しているコンピュータ・ユーザの名前を列挙し、」「チャットルーム内の他者が見るテキストを入力するコンピュータ・ユーザは、テキスト入力領域48で入力したテキストを見ることができ」、「テキストが送信されると、サーバは情報の出所ユーザの名前と共に、情報を全てのクライアント・コンピュータに送信する。するとこの情報はチャット領域52に表示される。」

上記(ウー1)に記載したように引用発明においては「ディスプレイ画面38にはテレビ番組領域40が含まれ」るのであり、また「チャットルーム識別領域44」、「参加者領域46」、「テキスト入力領域48」および「チャット領域52」が前記「ディスプレイ画面38に」含まれ、
前記「チャットルーム識別領域44はチャットルームの名前」を示す領域であり、前記「参加者領域46はそのコンピュータ・チャットルームに参加しているコンピュータ・ユーザの名前を列挙」している領域であり、前記「テキスト入力領域48」は「チャットルーム内の他者が見るテキストを入力する」領域であり、前記「チャット領域52」は「送信され」た「テキスト」が「情報の出所ユーザの名前と共に」「表示される」領域であり、
前記「チャットルーム識別領域44」、「参加者領域46」、「テキスト入力領域48」および「チャット領域52」は、ユーザが「チャット」を行うために表示されユーザによってデータ入力されるための領域であって、ユーザが「チャット」を行うためのユーザーインターフェイスといえ、前記「チャット」は「他のユーザと」の「テキスト」情報のやりとりであって情報通信といえるから、前記「チャットルーム識別領域44」、「参加者領域46」、「テキスト入力領域48」および「チャット領域52」は情報通信ユーザーインターフェイスといえる。
また、前記各領域が「ディスプレイ画面38に」含まれるは前記各領域が前記「ディスプレイ画面38に」表示されるといえる。
よって、「チャットルーム識別領域44」、「参加者領域46」、「テキスト入力領域48」および「チャット領域52」が「ディスプレイ画面38に」含まれるは、情報通信ユーザーインターフェイスが前記「ディスプレイ画面38に」表示されるといえて、
引用発明の「チャットルーム識別領域44はチャットルームの名前すなわちそのチャットルームの特定の対象であるテレビ番組を示し、参加者領域46はそのコンピュータ・チャットルームに参加しているコンピュータ・ユーザの名前を列挙し、」「チャットルーム内の他者が見るテキストを入力するコンピュータ・ユーザは、テキスト入力領域48で入力したテキストを見ることができ」、「テキストが送信されると、サーバは情報の出所ユーザの名前と共に、情報を全てのクライアント・コンピュータに送信する。するとこの情報はチャット領域52に表示される。」は、情報通信ユーザーインターフェイスが表示されるといえるから、
引用発明には情報通信ユーザーインターフェイスを表示することが記載されているといえる。

よって、引用発明は特定通信装置の現在指定の特定チャンネル番号に対応する特定マルチメディアコンテンツと、情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップを含むといえる。

(エ)「情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に、指定されたチャンネル番号に対応する複数のユーザーIDを表示するステップと、情報通信ユーザーインターフェイスを介してニュース又はフォーラムを含む受信情報を表示するステップと、を含む」について

(エ-1)情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に指定されたチャンネル番号に対応する複数のユーザーIDを表示するステップを含むことについて

上記(ウ-2)に記載したとおり、引用発明における情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップには前記「チャットルーム識別領域44」、「参加者領域46」、「テキスト入力領域48」および「チャット領域52」を表示することが含まれており、引用発明における前記情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に「参加者領域46」および「チャット領域52」を表示するステップを含むといえる。
前記「参加者領域46はそのコンピュータ・チャットルームに参加しているコンピュータ・ユーザの名前を列挙」している領域であって、前記「参加者領域46」において複数の「コンピュータ・ユーザの名前を」並べあげて表示しているといえる。
また、前記「チャット領域52」は「送信され」た「テキスト」が「情報の出所ユーザの名前と共に」「表示される」領域であり、チャットは通常、複数のユーザが前記「テキスト」を「送信」して行うのであって、その「送信され」た「テキスト」が表示される前記「チャット領域52」においては複数のユーザの「テキスト」がそれぞれ「出所ユーザの名前と共に」「表示される」ものといえ、前記「チャット領域52」にも複数の「ユーザの名前」が表示されるものである。
前記「コンピュータ・ユーザの名前」および「ユーザの名前」は「クライアント・コンピュータが最初にサーバ・コンピュータにログオンする時に得られる」もの(段落【0028】)であって、「チャットルーム」におけるユーザーIDといいうる。
また、前記「チャットルーム」は、「ステップ26で」「選択され」、「ステップ28で」「コンピュータ」が「検出」した「チャンネルの現行番組の識別コード」を有する「番組特定のチャットルーム」であり(段落【0025】)、また前記「現行番組」(「テレビ番組」)はチャンネル(チャンネル番号)に対応して特定されるから、
前記「チャットルーム」は、選択(指定)されたチャンネル番号に対応するテレビ番組(現行番組)に対応するチャットルームである。

よって、引用発明における前記情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に「参加者領域46」および「チャット領域52」を表示するステップを含むは、
引用発明における情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に指定されたチャンネル番号に対応するテレビ番組に対応する(チャットルームにおける)複数のユーザーIDを表示するステップを含むといえ、
引用発明は本件発明と情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に複数のユーザーIDを表示するステップを含む点で一致し、
前記「複数のユーザーID」が、本件補正発明では「指定されたチャンネル番号に対応する」のに対し、引用発明においては指定されたチャンネル番号に対応するテレビ番組に対応する点で相違する。

(エ-2)情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に情報通信ユーザーインターフェイスを介してニュース又はフォーラムを含む受信情報を表示するステップを含むことについて

上記(ウ-2)および(エ-1)に記載したとおり、引用発明における情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップには前記「チャットルーム識別領域44」、「参加者領域46」、「テキスト入力領域48」および「チャット領域52」を表示することが含まれており、引用発明における前記情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に前記「チャットルーム識別領域44」を表示するステップを含むといえる。

本件補正発明における「ニュース又はフォーラムを含む受信情報を表示する」について、本願明細書の段落【0016】には、
「図3を参照する。図3は図2に示すチャットウィンドウ130を表す説明図である。図3は一例を示すに過ぎず、この発明を限定するものではない。チャンネル領域252は現在の利用者/チャンネル(フォーラム)を表示する。チャンネル領域252に表示される利用者はすべてチャット/通信の対象に選ぶことができる。それに加えて、チャンネル領域252はフォーラムも表示する。この場合、フォーラム内容の表示と利用者間の通信は同時に行える。図3によれば、選択領域254において親友Bが通信対象であることが表示され、チャットウィンドウ130で親友Bと通信中の利用者は、親友Bに送るメッセージ256を入力している。注意すべきは、チャットウィンドウ130はニュースまたは広告を表示することができる。つまり、チャットウィンドウ130は双方向に限らず、広告、ニュースまたはその他テキスト、もしくはその他の形式の情報を表示することができる。」とあり、
チャットウィンドウ130内のチャンネル領域252にフォーラムを表示することとは別に「チャットウィンドウ130はニュースまたは広告を表示することができる」ことが記載されており、また「チャットウィンドウ130は双方向に限らず、広告、ニュースまたはその他テキスト、もしくはその他の形式の情報を表示することができる」ことが記載されているから、本件補正発明において前記フォーラムは表示するとともに、前記ニュースは表示することとしてもよいし、表示しないこととしてもよいといえる。
してみると、本件補正発明における「ニュース又はフォーラムを含む受信情報を表示する」とは、前記受信情報として前記「ニュース」と前記「フォーラム」の両方を含み、前記「フォーラム」ないしは前記「ニュース」と前記「フォーラム」の両方を受信情報として表示する発明が認められる。
また、本件補正発明における「フォーラム」について、「チャンネル領域252は現在の利用者/チャンネル(フォーラム)を表示する。」(段落【0016】)とあり、前記フォーラムは現在のチャンネルに対応した「フォーラム」といえ、本願明細書の記載を参照するに、テレビウィンドウ110の右側にある親友リスト120において「同一のマルチメディアコンテンツを鑑賞している親友のみ表示するか、または親友かどうかにかかわらず同一のマルチメディアコンテンツを鑑賞している利用者をすべて表示することが、いずれも可能であ」り、また「テレビウィンドウ110に表示される同一のテレビ番組を鑑賞しているほかの利用者と交信することができる」(段落【0015】)ものを含むのであって、同一のテレビ番組を鑑賞しているほかの利用者を表示させたり、前記同一のテレビ番組を鑑賞しているほかの利用者と交信することを含み得るから、本件補正発明における前記「フォーラム」は、現在のチャンネルに対応した「フォーラム」であって、現在のチャンネルに対応したマルチメディアコンテンツに対応した「フォーラム」であるといえる。

引用発明においては、前記ディスプレイ画面に含まれる前記「チャットルーム識別領域44はチャットルームの名前」を示すものであって、前記「チャットルームの名前」は「そのチャットルームの特定の対象であるテレビ番組を示し」ており、上記(ウ-1)に記載したとおり前記テレビ番組はマルチメディアコンテンツといいうるものであるから、「そのチャットルームの特定の対象であるテレビ番組を示し」ている前記「チャットルームの名前」は本件補正発明の「フォーラム」に相当する。

そして、引用発明においては「ユーザが」「チャンネルを選択すると、そのチャンネルの現行番組の識別コードがサーバに送信され」、「サーバはこの情報を受信し、チャットルーム識別領域44に表示するチャットルームの名前をコンピュータに送信する」ことから、前記「チャットルームの名前」はサーバが送信し前記コンピュータが受信した受信情報といえる。また、前記「チャットルーム識別領域44」は情報通信ユーザーインターフェイスに含まれており、前記「チャットルーム識別領域44」は前記情報通信ユーザーインターフェイスを介して表示するといえる。

よって、前記情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に前記「チャットルーム識別領域44」を表示するステップを含むことは、前記情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に情報通信ユーザーインターフェイスを介してフォーラムを含む受信情報を表示することといえ、
引用発明において、情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に情報通信ユーザーインターフェイスを介してフォーラムを含む受信情報を表示するステップを含むといえる。

しかしながら、本件補正発明は受信情報を表示するステップにおける前記受信情報として前記「ニュース」と前記「フォーラム」の両方を含み、前記「フォーラム」ないしは前記「ニュース」と前記「フォーラム」の両方を前記受信情報として表示するのに対し、
引用発明は、受信情報を表示するステップにおける前記受信情報として前記「フォーラム」を含み前記「ニュース」を含まず、前記「フォーラム」を前記受信情報として表示し前記「ニュース」と前記「フォーラム」の両方を前記受信情報として表示しない点で相違する。

オ 一致点、相違点

以上の対比によれば、本件補正発明と引用発明とは、以下の一致点で一致し、相違点で相違する。

《一致点》
マルチメディアコンテンツを特定通信装置で表示するマルチメディアコンテンツ表示方法であって、
特定通信装置の現在指定マルチメディアコンテンツチャンネルを検出するステップと、
特定通信装置の現在指定の特定チャンネル番号に対応する特定マルチメディアコンテンツと、情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップと、
を含み、
情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に、
複数のユーザーIDを表示するステップと、
情報通信ユーザーインターフェイスを介してフォーラムを含む受信情報を表示するステップと、
を含む、
ことを特徴とするマルチメディアコンテンツ表示方法。

《相違点》
[相違点1]
前記「複数のユーザーID」が、本件補正発明では「指定されたチャンネル番号に対応する」のに対し、引用発明においては指定されたチャンネル番号に対応するテレビ番組に対応する点

[相違点2]
本件補正発明は受信情報を表示するステップにおける前記受信情報として前記「ニュース」と前記「フォーラム」の両方を含み、前記「フォーラム」ないしは前記「ニュース」と前記「フォーラム」の両方を前記受信情報として表示するのに対し、
引用発明は、受信情報を表示するステップにおける前記受信情報として前記「フォーラム」を含み前記「ニュース」を含まず、前記「フォーラム」を前記受信情報として表示し前記「ニュース」と前記「フォーラム」の両方を前記受信情報として表示しない点

カ 判断
上記各相違点について検討する。

[相違点1]について
引用発明においては、「チャットルーム内の全てのユーザは同じ番組を見ているので、通常ユーザはその番組についてチャットする」のであり、「同じ番組を見ている」「全てのユーザ」を示す複数のユーザーIDを表示する。
通常、チャットはリアルタイムに(コミュニケーションを)行おうとするものであるから、リアルタイムに(現在)見ている同じ番組(テレビ番組)についてチャットしようとしたとき、チャットの対象である前記同じ番組(テレビ番組)はある特定のチャンネルにおいて見られるものである。

よって、引用発明において「同じ番組を見ている」「全てのユーザ」を示す複数のユーザーIDを表示する際に、指定されたチャンネル番号に対応するテレビ番組に対応する複数のユーザーIDを表示させることに代えて、指定されたチャンネル番号に対応する複数のユーザーIDを表示させようとすることは、当業者であれば容易に想到し得ることである。

[相違点2]について
テレビジョン受信機においてテレビ番組を視聴中に、視聴しているテレビ番組とは関係のないニュースを表示させようとすること、例えば、緊急速報のニュースを字幕(テロップ)表示させるなどして表示させることは、特開平10-191241号公報、特開平5-219503号公報、特開2000-41185号公報等に記載されているように、本願優先日前において広く知られた技術であり、また、受信し表示させるニュースを放送ではなく情報通信で受信することも、広く知られているのだから、
テレビ番組を受信し表示する(刊行物1に記載の)引用発明の表示方法において、前記受信し表示している(放送)テレビ番組とは関係のないニュースを情報通信で受信し表示させ得るようにすることは当業者であれば容易に想到し得ることであり、その際、前記情報通信で受信し表示させ得るニュースを引用発明の表示方法における(情報通信で受信した情報を表示させる)情報通信ユーザーインターフェイスを介して表示させることは当業者であれば容易に想到し得ることである。
よって、引用発明において、受信情報を表示するステップにおける前記受信情報として前記「フォーラム」と前記「ニュース」の両方を含み、前記「フォーラム」ないしは前記「ニュース」と前記「フォーラム」の両方を前記受信情報として表示させるようにすることは、当業者であれば容易に想到し得ることである。

キ まとめ(独立特許要件)
以上によれば、本件補正発明は、刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例とされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成22年 7月28日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし20に係る発明は、平成21年 9月24日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし20に係る発明のとおりであるところ、そのうち、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という)は、平成21年 9月24日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

【請求項1】
マルチメディアコンテンツを特定通信装置で表示するマルチメディアコンテンツ表示方法であって、
特定通信装置の現在指定マルチメディアコンテンツチャンネルを検出するステップと、
特定通信装置の現在指定の特定チャンネル番号に対応する特定マルチメディアコンテンツと、情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップと、
を含み、
情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に、
指定されたチャンネル番号に対応する複数のユーザーIDを表示するステップを含む、
ことを特徴とするマルチメディアコンテンツ表示方法。

2 刊行物に記載された発明
刊行物1には、上記第2の2(3)イの事項が記載されており、刊行物1に記載された発明として、上記第2の2(3)ウの「引用発明」を認定することができる。

3 対比(本件補正発明においてした対比の援用)
本願発明は、本件補正発明の「情報通信ユーザーインターフェイスを介してニュース又はフォーラムを含む受信情報を表示するステップ」を削除したものということができる。
したがって、本願発明と引用発明との対比は、上記第2の2(3)エを援用すると、その一致点相違点は次のとおりである。

《一致点》
マルチメディアコンテンツを特定通信装置で表示するマルチメディアコンテンツ表示方法であって、
特定通信装置の現在指定マルチメディアコンテンツチャンネルを検出するステップと、
特定通信装置の現在指定の特定チャンネル番号に対応する特定マルチメディアコンテンツと、情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップと、
を含み、
情報通信ユーザーインターフェイスを表示するステップは更に、
複数のユーザーIDを表示するステップと、
を含む、
ことを特徴とするマルチメディアコンテンツ表示方法。

《相違点》
前記「複数のユーザーID」が、本願発明では「指定されたチャンネル番号に対応する」のに対し、引用発明においては指定されたチャンネル番号に対応するテレビ番組に対応する点で相違する。

4 相違点の検討
上記相違点は、本件補正発明と引用発明との相違点である上記[相違点1]と同様であって、上記第2の2(3)カ「[相違点1]について」を援用して同様に判断され、上記[相違点1]に係る本願発明の構成は刊行物1記載の発明に基づいて当業者であれば容易に想到し得ることと認められ、本願発明は刊行物1に記載された発明に基づいて当業者であれば容易に発明をすることができたものである。

5 まとめ
以上のとおり、本件出願の請求項1に係る発明(本願発明)は、刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件出願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-02-29 
結審通知日 2012-03-06 
審決日 2012-03-22 
出願番号 特願2006-313342(P2006-313342)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H04N)
P 1 8・ 121- Z (H04N)
P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 日下 善之三森 雄介  
特許庁審判長 奥村 元宏
特許庁審判官 小池 正彦
▲徳▼田 賢二
発明の名称 同一のチャンネル番号に対応するユーザーIDとマルチメディアコンテンツを表示する方法及び通信装置  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 伊東 忠重  
代理人 大貫 進介  

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