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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C01B
管理番号 1263973
審判番号 不服2009-14280  
総通号数 155 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-08-07 
確定日 2012-10-03 
事件の表示 特願2003-524912号「クロマトグラフィ用材料とその材料の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成15年3月13日国際公開、WO03/20639、平成17年1月20日国内公表、特表2005-501790号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、2002年8月26日(パリ条約による優先権主張 2001年8月31日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、平成20年7月18日付けの拒絶理由の通知に対して、平成21年1月29日付けで意見書および手続補正書が提出され、これに対して同年3月31日付けで拒絶査定がなされ、同年8月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同日付けで手続補正書が提出されたものであり、さらに、特許法第164条第3項に基づく報告を引用した平成23年8月22日付けの審尋が通知され、平成24年2月8日に回答書が提出されたものであって、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成21年8月7日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「炭素質粒子と、少なくとも1種類の炭化した合成樹脂、炭化したピッチ成分又はこれらの混合物とを含む顆粒状生成物であって、前記顆粒状生成物に少なくとも1種類の有機基が結合している、分離技術用の顆粒状生成物。」

2.引用例記載の発明
(2-1)原査定の拒絶の理由で引用された特開平4-357183号公報(以下、「引用例1」という。)には、以下の記載がある。
(a)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体クロマトグラフィー用充填剤およびその製造方法に関し、更に詳細には、カーボンブラックと炭化成分とを混合造粒し、更に加熱処理して得られる液体クロマトグラフィー用充填剤およびその製造方法に関するものである。」

(b)「【0004】
【課題を解決するための手段】耐薬品性、耐熱性の優れたカーボンブラックを原料に用いた液体クロマトグラフィー用充填剤は、化学的に安定な性質を持つことができる。しかし、カーボンブラックは、そのままでカラムに充填して用いても、粒子間の結合が強固でないために、しばしば破壊されてしまう。本発明者らは、鋭意研究の結果、適切な特性を有するカーボンブラックを選び、この粒子間の結合を強化するために、適宜な量のバインダを添加し、加圧下で加熱処理を行なうことにより、カーボンブラック粒子間の結合が強固になり、機械的耐久性が向上した充填剤を得ることに成功した。カーボンブラックの特性としては、粒子径、比表面積、ストラクチャー(カーボンブラック粒子の数個ないし数十個の連鎖状凝集体で一般にはDBP吸油量を尺度とする)が挙げられる。本発明の充填剤の特性は、これらのカーボンブラックの特性に密接に関連する。すなわち、液体クロマトグラフィー用充填剤として分離性能の高い充填剤とするには、有効な細孔容積を有する必要があるが、本発明の充填剤においては、複数のカーボンブラックやストラクチャーがバインダによって結合された結果それらの間に新たに生成される細孔も有効な細孔として用いるようにする。本発明で用いるカーボンブラックは、粒子径が12?30nm、比表面積が80?250m^(2)/g、DBP吸油量80?250ml/100gのものとする。すなわち粒子径が12nmより小さい場合は、バインダ中へのカーボンブラックの均一分散が難しく特殊な装置を必要とし、得られる充填剤の形状も悪く、市販の球状充填剤に比べて劣り、また形状を真球に近付けようとするには、バインダの割合を多くせねばならないが、カーボンブラックに対して3重量部以上用いると得られる充填剤の比表面積および細孔容積が小さくなり、分離性能が低下する。また30nm以上だと、カーボンブラックやストラクチャー間に形成される細孔が大きくなり、有効な細孔量が少なくなり、機械的強度も低下してしまう。
得られた充填剤の比表面積は、15m^(2)/g以下では分離性能が低く、50m^(2)/g以上では吸着力が強く、溶出が遅れピークが広くなる。DBP吸油量は、80ml/100g以下では充分な比表面積を有する充填剤を得るには不足し、200ml/100g以上では真球に賦形するのに難しく、充填剤中に不必要に大きな細孔が生成して機械的強度が不足したりするので好ましくない。
本発明で使用できるバインダは、加熱により、炭化し易い合成樹脂が好ましく、例えばフェノール樹脂、フラン樹脂、フルフラール樹脂、ジビニルベンゼン樹脂、ウレア樹脂が、単独で、あるいは混合して使用できる。また、炭化得率を増すために石油系ピッチ、石炭系ピッチ、あるいは石炭液化油のトルエンまたはベンゼン可溶分も、前記の合成樹脂に添加して使用できる。これらのバインダ成分は、カーボンブラック1重量部に対し1.0?3.0重量部の範囲に於いて混合する。すなわち1.0重量部以下では得られる充填剤の機械的強度が不足し、3.0重量部以上では分離に有効な細孔量が不足し適当でない。また、炭化得率を増すためにバインダに添加するピッチ類は、添加量10%以下では得率増加の効果が無く、25%以上では炭化処理後の充填剤の結晶構造が変り、溶出挙動が変るので好ましくない。カーボンブラックとバインダの均一分散を容易にするため、および球状に賦形するのに適した粘度に調整するために適当な希釈剤をカーボンブラックとバインダの混合物1重量部に対して0.25?3.0重量部用いることができる。使用できる希釈剤は、カーボンブラック、バインダのいずれに対しても濡れ性の良い溶媒が適しており、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族系有機溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどの一般有機容媒が挙げられる。希釈剤は、0.25重量部以下では、得られる充填剤の粒子径が大き過ぎ、逆に3.0重量部以上では小さ過ぎて好ましくない。」

(c)「【0006】
【実施例】以下本発明の実施例を比較例とともに説明する。
実施例1
粒子径18nm、比表面積163m^(2)/g、DBP吸油量115ml/100gのカーボンブラック1重量部、フェノール樹脂1.8重量部と希釈剤としてメタノール1重量部をボールミルにて50時間混合してスラリー化した。このスラリーをシリコーン油中に投入し、激しく撹拌することによって湿式造粒(球状化)を行い、次いでシリコーン油ごと加温し、140℃で1時間保持した。固液分離後溶剤でよく洗浄乾燥した後、磁器製るつぼに試料を移し、系内を窒素ガスで置換した後、窒素ガス2kgf/cm^(2)Gの圧力中200℃/hの昇温速度で1000℃まで昇温し1時間保持して一次焼成を行ない、更に試料を黒鉛製るつぼに移しかえてアルゴンガス中5.5kg/cm^(2)Gの加圧下、200℃/hの昇温速度で2200℃まで昇温し、0.5時間保持して二次焼成を行なった。得られた球状炭素粒子は、以下の特性を有していた。
平均粒子径 5.5μm
粒度分布 2?35μm
Lmin?Lmax 0.98?1.0
比表面積 24m^(2)/g
V_(0.5)/V_(1.0) 0.10
全細孔容積 0.22ml/g
炭素層間距離 3.45Å
炭素層厚さ 50 Å
この粒子を3?8μmに分粒し、内径4.6mm長さ10cmのステンレス製カラムに湿式充填後、50%メタノール水溶液を溶離液としてジヒドロカルボン異性体の分析を行なったところ図1に示すような良好な分離が得られた。
実施例2
実施例1で用いたのと同じカーボンブラック1重量部に対して石炭系ピッチのトルエン可溶分を20%加えたフェノール樹脂1.5重量部にトルエン1重量部をボールミルに投入して50時間混合してスラリーを得た。このスラリーをシリコーン油中に投入し、激しく撹拌することによって湿式(球状化)造粒を行ない、シリコーン油ごと加熱し、150℃で2時間保持した。固液分離後溶剤でよく洗浄乾燥し、更に空気中250℃で4時間放置後、実施例1と同一の方法で一次焼成を行ない。黒鉛製ルツボに移し、窒素ガス中、2.0kgf/cm^(2)Gの加圧下で300℃/hの昇温速度で1800℃まで昇温し1時間保持して二次焼成を行った。得られた球状炭素粒子は、以下の特性を有していた。
平均粒子径 4.8 μm
粒度分布 2?45μm
Lmin?Lmax 0.96?0.99
比表面積 18m^(2)/g
V_(0.5)/V_(1.0) 0.08
全細孔容積 0.15ml/g
炭素層間距離 3.41Å
炭素層厚さ 75 Å
この粒子を3?8μmに分粒して実施例1と同様にカラムに充填し試験したところ良好な結果が得られた。」

(d)上記(b)、(c)の記載からして、球状炭素粒子には、焼成により炭化した合成樹脂または焼成により炭化した『合成樹脂およびピッチ』が含まれているということができることから、引用例1には、「炭化した合成樹脂または炭化した『合成樹脂およびピッチ』が含まれている球状炭素粒子」が記載されているということができる。

上記(a)ないし(c)の記載事項および上記(d)の検討事項より、引用例1には、
「カーボンブラック粒子と、炭化した合成樹脂または炭化した『合成樹脂およびピッチ』とを含む球状炭素粒子であって、液体クロマトグラフィー用の球状炭素粒子。」の発明(以下、「引用例1記載の発明」という。)が開示されている。

(2-2)原査定の拒絶の理由で引用された特開平2-193066号公報(以下、「引用例2」という。)には、以下の記載がある。
(e)公報第1頁左下欄下から第1行?同右下欄第3行
「[産業上の利用分野]
本発明は、分析機器や分離精製機器等に用いられる液体クロマトグラフィー用カラム充填剤に関する。」

(f)公報第3頁右下欄第11行?同第4頁右上欄第10行
「従って、本発明で使用する活性炭は、従来の活性炭に比べて著しく小さな細孔径を有しており、JIS K 1474に準拠したベンゼン吸着能は0.2?1.0g/g程度、JIS K 1470に準拠したメチレンブルー吸着能は100?650ml/g程度であり、従来の活性炭に比べて、著しく大きな吸着能及び分離能を有している。また機械的強度に優れるとともに、炭素質であるため、耐熱性、耐薬品性、耐膨潤・収縮性に優れている。さらには、形状が略真球状で、しかも粒径分布がシャープであるため、カラムへの充填性に優れている。分離能を高めるには、上記活性炭のうち、比表面積1000?4600m^(2)/g、特に2000?4600m^(2)/g、全細孔容積0.8?3.0ml/gのものが好ましい。また上記活性炭は、所望の粒径、例えば5?20μm、好ましくは5?10μm程度に分級してもよい。
本発明の液体クロマトグラフィー用カラム充填剤は、上記特性を有する粒状の活性炭で構成されていてもよいが、分離能をさらに高めるため、上記活性炭に無極性基又は極性官能基が導入されているのが好ましい。なお、活性炭は大きな比表面積及び全細孔容積を有しているため、従来の活性炭に比べて多くの官能基を導入することができる。
上記活性炭に導入される無極性基又は極性官能基は、特に制限されず、広い範囲で適宜選択することができる。すなわち、前記メソカーボンマイクロピースの表面が活性であり(雑誌「化学工業」1980年3月号62?67頁参照)、従来公知の種々の有機合成技術により酸化還元されるため、種々の無極性基及び/又は極性官能基を導入することができる。
上記官能基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基、水酸基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシアルキル基、カルボニル基、スルホ基、ホルミル基、シアノ基、ニトリル基、ニトロ基、カルバモイル基、酸アミド基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルキルアミノカルボニル基等の種々の官能基が挙げられる。」

(g)公報第5頁左上欄第10?12行
「また活性炭の比表面積及び細孔容積が著しく大きいので、多くの官能基を導入することができ、分離能がより一層高めることができる。」

(h)上記(f)の記載からして、引用例2には、「粒状活性炭にカルボキシ基、スルホ基等の極性官能基が結合している」ということができる。

上記(e)ないし(g)の記載事項および上記(h)の検討事項より、引用例2には、
「粒状活性炭にカルボキシ基、スルホ基等の極性官能基が結合している、液体クロマトグラフィー用の『カルボキシ基、スルホ基等の極性官能基が結合している粒状活性炭』。」の発明(以下、「引用例2記載の発明」という。)が開示されている。

3.対比・判断
本願発明と引用例1記載の発明とを対比する。
引用例1記載の発明の「カーボンブラック粒子」、「炭化した合成樹脂または炭化した『合成樹脂およびピッチ』」、「球状炭素粒子」、「液体クロマトグラフィー用」は、
本願発明の「炭素質粒子」、「少なくとも1種類の炭化した合成樹脂、炭化したピッチ成分又はこれらの混合物」、「顆粒状生成物」、「分離技術用」のそれぞれに相当する。

上記より、本願発明と引用例1記載の発明とは、
「炭素質粒子と、少なくとも1種類の炭化した合成樹脂、炭化したピッチ成分又はこれらの混合物とを含む顆粒状生成物であって、分離技術用の顆粒状生成物。」という点で一致し、
本願発明では、分離技術用の顆粒状生成物について、「顆粒状生成物に少なくとも1種類の有機基が結合している」のに対して、引用例記載の発明では、分離技術用の顆粒状生成物であるものの、上記「顆粒状生成物に・・・結合している」ことを発明特定事項にしていない点で相違している。(以下、「相違点」という。)

上記相違点について検討する。
上記2.(2-2)で示したように、引用例2には、「粒状活性炭にカルボキシ基、スルホ基等の極性官能基が結合している、液体クロマトグラフィー用の『カルボキシ基、スルホ基等の極性官能基が結合している粒状活性炭』。」の発明が開示されている。
ここで、引用例2記載の発明の「カルボキシ基、スルホ基等の極性官能基」、「粒状活性炭」および「『カルボキシ基、スルホ基等の極性官能基が結合している粒状活性炭』」、「液体クロマトグラフィー用」は、本願発明の「少なくとも1種類の有機基」、「顆粒状生成物」、「分離技術用」のそれぞれに相当していることから、引用例2記載の発明は、「顆粒状生成物に少なくとも1種類の有機基が結合している、分離技術用の顆粒状生成物。」に相当しているということができ、これからして、引用例1記載の発明と引用例2記載の発明とは、「分離技術用(液体クロマトグラフィー用)の顆粒状生成物」という点で共通している。
また、一般に、液体クロマトグラフィー分野において、「分離能を高める」という課題は、例えば引用例2の上記(g)で示されているように当然のものであって、引用例1記載の発明と引用例2記載の発明とが上記のように「分離技術用(液体クロマトグラフィー用)」という点で共通している以上、両者は「分離能を高める」という課題についても共通している。
さらに、引用例1記載の発明の「カーボンブラック粒子と、炭化した合成樹脂または炭化した『合成樹脂およびピッチ』とを含む球状炭素粒子」(顆粒状生成物)は、カーボンブラック粒子と炭化したものとから成るものであることからして炭素質の顆粒状生成物であり、引用例2記載の発明の「『カルボキシ基、スルホ基等の極性官能基が結合している粒状活性炭』」(顆粒状生成物)は、大部分が粒状活性炭から成るものであることは明らかであることからして炭素質の顆粒状生成物であるということができるので、引用例1記載の発明と引用例2記載の発明とは、「炭素質の顆粒状生成物」という点でも共通している。
そうすると、引用例1記載の発明において、上記の点で共通している引用例2記載の発明の上記「顆粒状生成物に少なくとも1種類の有機基が結合している」という事項を適用することで、このような「顆粒状生成物」にすることは、当業者であれば容易に想到し得ることである。
したがって、相違点に係る本願発明の発明特定事項とすることは、引用例1、2記載の発明に基いて当業者であれば容易になし得ることである。
そして、分離技術用(液体クロマトグラフィー用)の顆粒状生成物として十分に機能する等の本願発明の作用効果は、引用例1、2記載の発明より当業者であれば十分に予測し得るものである。
よって、本願発明は、引用例1、2記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

次に、回答書において示されている下記の「補正案」について検討する。
「特許請求の範囲(補正案)
《請求項1》
炭素質粒子と、少なくとも1種類の炭化した合成樹脂、炭化したピッチ成分又はこれらの混合物とを含む顆粒状生成物であって、前記顆粒状生成物に少なくとも1種類の有機基が結合している、分離技術用の顆粒状生成物。
《請求項2》
前記顆粒状生成物の比表面積が15?550m^(2)/gであり、且つ全微細孔容積が0.01?2.0mL/gである、請求項1に記載の顆粒状生成物。
《請求項3》
前記炭素質粒子がカーボンブラック粒子である、請求項1に記載の顆粒状生成物。
《請求項4》
前記顆粒状生成物が炭化した合成樹脂を含み、前記合成樹脂が、フェノール樹脂、フラン樹脂、フルフラール樹脂、ジビニルベンゼン樹脂、尿素樹脂、又はそれらの組合せである、請求項1に記載の顆粒状生成物。
《請求項5》
前記有機基が、イオン性基又はイオン化可能基を有する、請求項1に記載の顆粒状生成物。
《請求項6》
分離すべき成分を含有する試料を、複数の請求項1に記載の顆粒状生成物に通すことを含む、クロマトグラフ分離又は固相抽出の方法。
《請求項7》
分離すべき成分を含有する試料を、複数の請求項1に記載の顆粒状生成物に通すことを含む、液体クロマトグラフ分離又は固相抽出の方法。
《請求項8》
炭素質粒子及び少なくとも1種類の未炭化バインダーを含む顆粒状炭素質生成物であって、
炭素質粒子を、少なくとも1種類のバインダー及び少なくとも1種類の溶媒と混合すること、
前記混合物を粒状化して顆粒を形成すること、及び
前記顆粒を、バインダーの炭化温度未満の温度に加熱して、前記顆粒状炭素質生成物を形成すること、
を含む方法によって製造され、且つ前記炭素質粒子に少なくとも1種類の有機基が結合している、顆粒状炭素質生成物。」
ここで、補正案の請求項1に係る発明と本願発明とは全く同一であることから、補正案の請求項2ないし8に係る発明について検討するまでもなく、補正案の請求項1に係る発明は、本願発明と同じく、引用例1、2記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、回答書の補正案を採用することはできない。

4.むすび
したがって、本願発明は、引用例1、2記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
それゆえ、本願は、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-05-07 
結審通知日 2012-05-08 
審決日 2012-05-21 
出願番号 特願2003-524912(P2003-524912)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (C01B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小野 久子廣野 知子  
特許庁審判長 豊永 茂弘
特許庁審判官 斉藤 信人
田中 則充
発明の名称 クロマトグラフィ用材料とその材料の製造方法  
代理人 古賀 哲次  
代理人 石田 敬  
代理人 青木 篤  
代理人 蛯谷 厚志  
代理人 関根 宣夫  
代理人 出野 知  

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